JP2003260346A - 高速撹拌型分散機 - Google Patents

高速撹拌型分散機

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JP2003260346A
JP2003260346A JP2002065687A JP2002065687A JP2003260346A JP 2003260346 A JP2003260346 A JP 2003260346A JP 2002065687 A JP2002065687 A JP 2002065687A JP 2002065687 A JP2002065687 A JP 2002065687A JP 2003260346 A JP2003260346 A JP 2003260346A
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JP
Japan
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tank
gas
processing tank
wall
type disperser
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Application number
JP2002065687A
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Takeshi Ishikawa
剛 石川
Yoshiaki Koyajima
良章 小矢島
Atsushi Akabane
淳 赤羽根
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Mitsui Mining Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 槽壁に処理物が付着することがなく、また、
大きな動力を必要とするようなことがなく、さらに、槽
内が高温になって処理物の性状変化、溶解等の不具合が
発生することがない高速撹拌型分散機を提供する。 【解決手段】 処理槽1の槽頂部から処理槽1内に排気
管10を挿入し、槽底部を水平板状に形成し、槽底部の
中心を垂直に貫く回転軸7に円錐状の台座8を取り付
け、台座8上に処理槽1の内壁に沿って処理物を放出す
る撹拌羽根9を設け、処理槽1の槽底から処理槽1内壁
に沿ってガスを吹き出すように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉体、粒体等を高
速で撹拌して混合、分散、表面改質、複合化等の処理を
行う高速撹拌型分散機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、粉体、粒体等の混合、分散には、
図4に示すような竪型円筒状の処理槽41で構成される
撹拌型混合機が使用されている。通常、その撹拌羽根4
2の回転速度は、先端の周速で10〜40m/sとする
ことが多く、普通の混合処理や、分散処理には十分であ
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、近年、粉砕
や解砕を伴う高度で微細な分散処理、粉体の表面処理、
複合化処理等の要求が多くなり、これらの処理において
は、撹拌羽根の回転速度を通常の1.5〜2倍に速く
し、剪断力や衝撃力を高めることが試みられている。こ
のような処理は一部で実用化されていたが、槽壁に処理
物が著しく付着したり、非常に大きな動力を必要とする
等の問題があった。
【0004】このような問題に対応すべく、特開平8−
173783号において図5に示すような高速撹拌型分
散機を提案している。この高速撹拌型分散機は、処理槽
51を球形とし、槽底を水平円板状に形成し、この槽底
の中心を垂直に貫く回転軸52に円錐状又はこれに類似
したボス53を取り付け、ボス53の下端外周に処理槽
51内壁に沿って処理物を放出する撹拌羽根54を設け
ている。さらに、処理槽51外側にジャケット55を設
けて二重構造とし、槽壁外面に冷却媒体を流すことがで
きる構造としている。このような構造にすることより、
付着の問題を解決し、負荷動力の低減を図っている。
【0005】しかし、このような構成の高速撹拌型分散
機にあっては、撹拌羽根54を高速回転させて撹拌する
ことにより機内で摩擦熱等の発熱が起こり、処理槽51
の外周部に設けられているジャケット55に冷却媒体を
流入させて外周部を冷却しても、蓄熱は止まらず、槽内
は高温になり、処理物の性状変化あるいは溶解等の不具
合が発生した。つまり、処理槽51は球形の為に他の形
状に比較して容量に対する外周面積が小さく、ジャケッ
ト55に冷却媒体を流入させるだけでは、冷却効果が小
さく、昇温を抑えるには至らなかった。
【0006】この対策として、ジャケット55による冷
却に加えて槽内へ流動ガスを導入し、この流動ガスを冷
却媒体として蓄熱を排除している。この場合、槽内に流
動ガスを導入するため排気口56を槽の頂部に設けてい
る。
【0007】しかし、撹拌羽根54を高速回転させて撹
拌することによる処理物の巻き上げが著しく、さらに、
槽内に導入した流動ガスによる処理物の巻き上げが重な
ると、槽壁の頂部付近に設けられた排気口56のところ
にまで処理物が常時巻き上げられ、排気口56のフィル
ター(図示せず)が目詰まりを起こして通気性が悪くな
り、機内の圧力あるいは温度が異常に上昇してしまう。
このため、処理を中断せざるを得ない状態に陥ったり、
処理物について性状変化又溶解などの不具合が発生して
いた。
【0008】本発明は、上記のような従来のもののもつ
問題を解決したものであって、粉体、粒体等を高速で撹
拌して混合、分散、表面改質、複合化等の処理を行う場
合に、槽壁に処理物が著しく付着したり、非常に大きな
動力を必要とするようなことがなく、また、槽内が高温
になって、処理物の性状変化、溶解等の不具合が発生す
ることがない、高速撹拌型分散機を提供することを目的
とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
課題を解決するために、竪型処理槽の槽底部の中心を垂
直に貫く回転軸に処理槽内壁に沿って処理物を放出する
撹拌羽根を設けた高速撹拌型分散機において、処理槽頂
部から槽内に排気管を挿入する手段を採用したものであ
る。また、竪型処理槽の槽底部を水平板状に構成し、こ
の槽底部の中心を垂直に貫く回転軸に円錐状もしくはこ
れに類似した形状の台座を取り付け、台座上に処理槽内
壁に沿って処理物を放出する撹拌羽根を設けた手段を採
用したものである。さらに、竪型処理槽の槽底から処理
槽内壁に沿ってガスを吹き出す手段を採用したものであ
る。さらに、外部ガス配管と接続可能な通路を槽底部に
設けてガスを導入し、槽底部と回転軸との隙間、及び槽
底部と台座との隙間を経由して処理槽内壁に沿ってガス
を吹き出す手段を採用したものである。さらに、処理槽
を上下鏡部が半球状、中間部が円筒状の三段構造とする
手段を採用したものである。さらに、処理槽内におい
て、下鏡部の半球形と中間部の円筒形との接合部又はそ
の近傍に処理物の流動方向に沿って円周方向に均等な複
数の整流板を設ける手段を採用したものである。さら
に、整流板に沿ってガスを吹き出させる手段を採用した
ものである。さらに、処理槽を球形とする手段を採用し
たものである。
【0010】
【作用】本発明は、上記のような手段を採用したことに
より、処理物から分離されたガスのみが排気管に流入す
ることになるので、排気管の目詰まりがなくなる。ま
た、処理物は、撹拌羽根の回転により処理槽の内壁に沿
って放出されることになる。さらに、槽底から処理槽内
壁に沿って吹き出すガスは、処理槽の内壁に沿って上昇
して処理槽の上部で方向転換し、下降して排気管に流れ
込み、排気管内を流れて処理槽の外部に排出されること
になる。さらに、同じ容積の球形の処理槽に比べて、処
理槽のジャケットとの接触面積が増大し、冷却効果が増
大することになる。さらに、撹拌羽根によって撹拌され
た処理物は、処理槽の壁面に沿って上昇し、この処理物
の上昇流に整流板の方向を合わせることにより、槽壁の
形状変化による流れの乱れを抑え、処理物の流動に一様
な方向性が与えられる。
【0011】
【発明の実施の形態】本願発明者は、特開平8−173
783号に提案した発明で生じた問題点について検討を
重ねた結果、下記の改良を行い、本発明に至った。但
し、撹拌部の構造に対する基本的な考え方は変更してい
ない。 (A)槽底から処理槽内壁面に沿ってガスが吹き出す構
造とした。 (B)撹拌槽内に排気管を挿入した。 (C)処理槽に上下鏡部の半球形胴の間に円筒胴の中間
部を設けた。 (D)下鏡部の球形と中間部の円筒形との接合部に整流
板を設けた。 (E)整流板と平行し、処理物の流動する方向に沿って
ガスを吹き出すために、ガス吹き出し口を整流板の設置
箇所に設けた。
【0012】上記の改良点を取り入れた本発明の高速撹
拌型分散機は、図1〜図3に示すような構造となってい
る。すなわち、処理槽1は、上下の鏡部2、3が半球形
でその間に円筒胴4が挟まれた三段構造である。処理槽
1の外側にはジャケット5が設けられている。下鏡部3
の中心部、つまり処理槽1の槽底部6は、水平板状、好
ましくは水平円板状に形成され、その槽底部6の中心を
垂直に貫通する回転軸7に撹拌部材14が取り付けられ
ている。撹拌部材14は、回転軸7に直接取り付けられ
る円錐状あるいはこれに類似した形状の台座8と、台座
8上に処理槽1内壁に沿って処理物を放出する撹拌羽根
9とからなっている。外部ガス配管と接続可能な通路1
1を槽底部6に設けたこの通路11からガスを導入し、
槽底部6と回転軸7との間に設けられた隙間、及び台座
8と槽底部6との間に設けられた隙間内を経由して、処
理槽1内壁に沿って吹き出す構造となっている(図2の
斜線部)。排気管10は、上鏡部2の中心部又は周辺、
つまり槽頂部又はその近傍から処理槽1内に適正な長さ
で挿入されている。処理槽1には、下鏡部3の半球形と
円筒胴4との接合部又はその近傍の円周に均等に同一傾
斜で配列された複数枚の整流板12を設けている。又、
その整流板12の配置箇所には、整流板12と平行で処
理物の流れ方向に吹き付けるガス吹き出し口13が設け
られている。
【0013】(Aの槽底のガス吹き出しについて)特開
平8−173783号に記載の発明では、ガスの槽内へ
の導入については避けているが、蓄熱の実状から冷却の
必要性を考慮するとガスの導入は避けることができな
い。しかし、ガスを槽内に導入する場合でも効果的な導
入経路を選択しなければならない。本発明においては、
処理槽1の下部の形状が球形であること、また撹拌部材
14が槽底に配置されていることから、処理物が槽底部
6から壁面に沿った流動になることは明らかであり、そ
の流れに合わせてガスを吹き出させるために上記の槽底
部6及び撹拌部材14の構造としている。この構造によ
り、槽底から放射状にガスを吹き出し、槽壁に沿ったガ
ス流とし、処理物の撹拌流動を妨げることなく、効果的
な冷却効果を達成できた。
【0014】(Bの排気管の槽内挿入について)本発明
においては、排気管10を処理槽1内に挿入する内挿管
としている。排気管10は、槽頂部の中心あるいはその
周辺から処理槽1内へ下に向かって挿入されている。こ
の処理槽1内に伸びた排気管10の槽内側先端を開口し
て吸気口15とし、槽外側端部にはフィルターを設けて
排気口16として槽内のガスを排出している。このよう
に排気管10を内挿管とすることにより、処理物から分
離されたガスのみが排気管10に流入するため、排気管
10の目詰まりがなくなり、撹拌部材14の回転速度あ
るいは流動用、冷却用のガス量を増加させることが可能
になった。
【0015】本発明の構造に伴うガスの流れは以下の通
りである。前記したように槽底部6と台座8との隙間か
ら槽内壁方向に吹き出されたガスは上昇し、処理槽1の
上鏡部2で方向転換し下降に転じ、下降してきた流動ガ
スは処理槽1内に適度な深さで挿入されている排気管1
0の吸気口15に流れ込み、排気管10内を通過し、排
気管10の排気口16から排出される。あるいは、槽内
に吹き込まれたガスは、処理槽1の上鏡部2まで上昇す
ることなく、排気管10の吸気口15に引き込まれて排
気口16から排出される。なお、前記したように槽底か
ら吹き出されたガスについては槽内を隈無く流れ、最短
距離で排気管10の吸気口15に到達することはない。
【0016】一方、処理物の流れは以下の通りである。
処理物は、処理槽1の槽底に設けられた撹拌部材14に
より遠心力が与えられ、さらに、ガス流も加わり、槽壁
側に放出、撹拌される。槽壁側に放出された処理物はさ
らに槽壁に沿って上昇する。遠心力の大きさあるいはガ
ス量によって異なるが、処理物が槽頂部に達する場合は
頂部に衝突あるいは頂部の形状に追従して方向を変えて
下降する。又、槽壁の上昇途中で慣性力が重力に負けた
場合はその時点で失速して下降する。つまり、処理物の
流れは処理槽1の壁面を適当な位置まで上昇し、失速等
により下降方向に転換し、槽底に向かって下降すること
になる。下降した処理物は台座8に落下し、台座8の円
錐形状に追従して再び撹拌羽根9の位置に戻される。こ
のように処理物は循環流動している。
【0017】ガス流あるいは処理物の流れにおいて、ガ
ス流は排気管10の吸気口15で進行方向を変更して吸
気口15内に進入することができるが、処理物は慣性力
が大きいために、循環流動に抗して排気管10の吸気口
15付近で進行方向を変更し、排気管10内へ吸い込ま
れることはなく、そのまま槽底まで下降する。
【0018】このように処理槽1内へ排気管10を挿入
することにより、慣性力が有効に利用され、処理物とガ
ス流を物理的に分離することが可能になった。この一次
的な分離を排気管10の吸気口15で行い、その上で、
排気管10の排気口16にフィルター等を使用した二次
的な最終分離を行うために、フィルター等の分離装置で
の処理時における目詰まりは生じず、ガス流も滞ること
なく、常に排気口16からガスが排出される。このた
め、排気処理の点から撹拌部材14の回転速度を制限す
ること、あるいは処理槽1内への流入ガス量を制限する
ことの必要性がなくなり、処理物の性状あるいは処理状
態に応じた撹拌速度あるいは流入ガス量の適正化を図る
ことが可能となり、槽壁への付着防止あるいは槽内の温
度コントロール、さらに、撹拌、混合、分散等の効果の
向上を図ることができた。
【0019】槽内ガスの排気については大気開放による
自然排気あるいはブロワ等による強制排気のどちらでも
可能である。また、槽内を排気するために排気管10を
槽内へ挿入する構造については、高速撹拌型分散機に限
定することなく、又処理槽1の形状を特に三段構造に限
定することなく、槽底に撹拌部材14を有し、その撹拌
部材14によって処理槽1の内壁に沿って処理物が放出
されるものであれば、通常の撹拌型混合機においても、
又処理槽1の形状が球形、円筒はもちろんのこといかな
る形状のものでも適用が可能である。
【0020】排気管10は撹拌部材14の回転速度、ガ
ス量、処理物の性状等によって適正な挿入長さを選択す
ることが必要である。そのために、本発明においては排
気管10の挿入する長さを変更することができるように
排気管10を処理槽1から着脱可能とし、さらにスライ
ド可能な構造としている。
【0021】(Cの処理槽の三段構造について)球形は
同じ容積における形状においては表面積が最小である。
従って、処理槽1の外周面にジャケット5を設けた場
合、ジャケット5との接触面積は最小になる。本発明に
おいては、ジャケット5との接触面積を増大するため
に、球形槽を上下鏡部2、3に分割し、その中間に円筒
胴4を設けて処理槽1を構成し、処理槽1の外周面にジ
ャケット5を設けている。このことにより本発明の処理
槽1は同じ容積の球形の処理槽に比べてジャケット5と
の接触面積は増大し、それに伴い冷却効果が増大した。
【0022】三段構造については、一体型あるいは分割
型どちらでも可能である。分割型にした場合は上下鏡部
2、3と中間部である円筒胴4との着脱が可能であり、
必要に応じて円筒胴4を取り替えたり、取り外したりす
ることが容易となり、処理能力等により処理槽1の容積
を容易に変更することが可能である。
【0023】(Dの整流板について)球形状の上下鏡部
2、3と円筒胴4の接合箇所は形状的な連続性が途絶
え、処理物の流れに乱れが生じ、流れの方向性が不安定
になり、処理物に滞留が生じ、この滞留箇所で処理物は
付着する可能性が生じた。従って、この乱れを抑制し、
滞留、付着を防止するために、円筒胴4と下鏡部3との
接合部又はその近傍に処理物の流動方向に沿って円周方
向に均等な複数の整流板12を設けた。この整流板12
によって処理物の流れに一様な方向性を与えている。つ
まり、処理物は撹拌羽根9によって撹拌され、壁面に沿
って螺旋状に上昇してくる。この処理物の上昇流に整流
板12の方向を合わせることにより、槽壁の形状変化に
よる流れの乱れを抑え、処理物の流動に一様な方向性を
与える。処理物の流動方向は処理物の違いあるいは撹拌
部材14の回転速度の違い等により異なるので、整流板
12は容易に方向が変更できるような構造とした。整流
板12の形状については、流れの障害にならないように
薄板状であり、底辺が槽壁の形状に追従するものであれ
ば特に規定するものではない。また、整流板12の大き
さは処理量あるいは撹拌部材14の回転速度に依存する
ものの、好ましくは長さが中間部の円筒胴4の胴長以下
とし、高さは円筒胴4の径の1/5以下とする。これ以
上大きくした場合には撹拌部材14との取り合い、ある
いは槽壁への追従性において問題を生じ、さらに、逆に
流動性を阻害することにもなりかねない。
【0024】(Eのガスの吹き込み口について)整流板
12は槽全体を眺めた場合に処理物の方向性を均一にし
て流動性を高めているが、局部的に見ると槽壁と整流板
12の交差部付近あるいは処理物が整流板12により方
向を変更する周辺では処理物の滞留が生じている。これ
らの箇所をそのまま放置していると、処理物は整流板1
2あるいは槽壁に付着してくる。これに対処するため
に、本発明においては各整流板12の両面に対して処理
物の流れ方向に向かってガスを吹き出す構造とした。こ
のようにして、滞留箇所にガスを吹き付けることで、処
理物の流動方向に滞留箇所の処理物も流動させることが
可能になり、付着を防止することができた。ガスの吹き
付け方向は、整流板12の方向と常に一致する必要があ
るために、整流板12と一体化したガス吹き出し口13
を設ける構造とした。従って整流板12の回転によリガ
ス吹き出し口13も回転するような構造となっている。
【0025】槽内への吹き込みガスについては、空気、
窒素、不活性ガス等で火災、爆発あるいは処理物と反応
しない気体であれば特に限定する必要はない。
【0026】(実施例)図1〜図3に示すように、処理
槽1は、水平円板状の槽底に撹拌羽根9を有する半球状
の下鏡部3と、排気管10としての内挿管の挿入部であ
る半球状の上鏡部2と、それらの間に挟まれた円筒状の
円筒胴4からなり、それぞれの部位に分割している。そ
れぞれの部位の端部にはフランジ21を設けてOリング
22でシールを行い、着脱可能な構造としている。ま
た、処理槽1の外周側には全体に渡ってジャケット5が
設けられる二重構造となっており、ここに冷却媒体を流
すことにより、処理物を冷却することができる。
【0027】排気管10は、上鏡部2の中央に設けられ
たボス部23を通って槽内に挿入され、そのボス部23
を貫通する複数のボルト24によリボス部23に固定さ
れている。この固定用のボルト24を緩めることにより
排気管10の移動が可能となり、挿入長さを自由に変更
することができる。ボス部23は、Oリング25により
排気管10と処理槽1との隙間をシールしている。又、
排気管10の最上部の排気口16には濾布26を設けて
いる。
【0028】下鏡部3は中央部に水平円板状の槽底部6
を有し、その中央を垂直に回転軸7が貫通し、回転軸7
は機外の駆動装置(図示せず)と接続されて回転可能と
なっている。回転軸7には撹拌部材14が取り付けら
れ、この撹拌部材14は下の方から台座8、撹拌羽根
9、リング27で構成されている。台座8は外形が円錐
状あるいはそれに類似した形状を有し、その中心部は中
空であり、そこを回転軸7が通る。台座8は槽底部6の
円板と適当な隙間を維持した状態で取り付けられ、回転
軸7と共に回転する。回転軸7の外周から吹き出された
ガスは台座8と槽底部6との隙間から放射状に槽内に吹
き出される。6枚の撹拌羽根9が台座8の側面に垂直で
円周上に等間隔となるように取り付けられ、それぞれの
撹拌羽根の槽壁側先端が槽壁に沿った形状となってい
る。その撹拌羽根9の上部には断面形状が逆三角形のリ
ング27が、その三角形の頂点が撹拌羽根9に食い込む
形で取り付けられている。従って、台座8の回転により
撹拌部材14の全体が回転する。なお、撹絆部材14は
リング27を設けたことにより撹拌羽根9の構造が閉鎖
型となり、撹拌羽根9内へ処理物が吸引される力が増大
する。
【0029】この撹拌部材14の上部には円筒状のボス
28が設けられている。ボス28は中心部を回転軸7が
貫通している。又、回転軸7の外側に中空の空間を形成
している。又、ボス28は形状が円錐台状になっている
押さえナット29で回転軸7に固定され、回転軸7と共
に回転する。
【0030】槽底部6の回転軸7貫通部にはシールボッ
クス31を設け、そのシールボックス31内にオイルシ
ール33を組み込んで最終的な軸シールを行っている。
槽底部6のガス吹き出し口30はシールボックス31内
のオイルシール部上部に設けている。ガス吹き出し口3
0から吹き出されたガスはシールボックス31と回転軸
7との隙間を通り、シールボックス31と台座8内に設
けたシールリング32との組み合わせにより形成されて
いる通路、及び槽底部6と台座8との隙間を経由し、槽
壁に沿って放射状に槽内に吹き出される。シールボック
ス31とシールリング32で形成されるガス通路は、形
状に出入りを付けてラビリンス効果によリシール性を高
め、さらにシールリング32自体もラビリンス構造とし
てシール性を高めることにより、ガス通路としての役割
は果たす一方で処理物の漏洩を防止している。この槽底
部6内にガス吹き出し口30に通じるガス通路を形成
し、この通路と機外配管のガス供給管と接続している。
【0031】処理物の槽内への投入は上鏡部2を開放し
て行っている。また、下鏡部3には製品を排出するため
の排出口34が設けられている。排出口34はエアーシ
リンダーを用いて開閉する排出弁を取り付け、密閉可能
な構造とし、また密閉したときにその内部が処理槽1の
内面との間に段差を生じない弁体構造とした。
【0032】処理槽1は、上下鏡部2、3の中間に円筒
胴4を設けている。円筒胴4の下端部には4枚の整流板
12が設けられ、この整流板12は下鏡部3と円筒胴4
の両方に跨り、この処理槽1の内面形状の変化に対応し
て整流作用を働かせている。整流板12は同一レベルの
円周上で90°間隔に配置されている。整流板12の底
辺の形状は円筒胴4の径と同じ径の円狐状にし、長さは
円筒胴4の長さの5/6、最大幅は円筒胴4の径の1/
10としている。整流板12の長さを二分するところに
整流板12を槽壁に固定するために中心軸35が設けら
れている。その中心軸35を中心に底辺が円弧状に伸
び、片側は円筒胴4側、他の片側は下鏡部3側に伸びて
いる。中心軸35は中空で内部にガスが通る構造となっ
ている。その中心軸35にはガスの吹き出し方向が整流
板12に平行し、その整流板12を挟んで両側にそれぞ
れガス吹き出し口13が設けられている。また、中心軸
35は処理槽1及びジャケット5を貫通して外部に露出
し、外部でガス配管と接続されている。このような構造
のもとでガスが中心軸35のガス吹き出し口13から吹
き出て整流板12に沿って流動する。
【0033】投入された処理物は回転している撹拌部材
14により放出され、さらに槽底から吹き出すガスとと
もに流動を始める。壁面に沿って螺旋状に上昇してきた
処理物は槽壁の形状が球形部から円筒部に変更する不連
続部にさしかかる。しかし、その不連続部に設けられた
整流板12によって処理物の流れが乱れることなく、整
流板12に沿って一様に一定方向で上昇する。整流板1
2に導かれて壁面に沿って上昇した処理物は頂部近傍ま
で到達して失速、降下し槽底の撹拌部材14のところに
戻る。処理物はこのように槽内を循環し、挿入されてい
る排気管10内に処理物が入り込むことはない。処理が
終了すると、撹拌部材14を回転させながら処理物は下
鏡部3に設けられた排出口34から排出する。
【0034】ガスについては槽底から槽壁に沿って吹き
出され処理槽1内を上昇し、処理槽1の上鏡部2で方向
転換し降下に転じ、降下してきた流動ガスは処理槽1内
の適度な深さに挿入されていた排気管10の吸気口15
に流れ込み、排気管10内を通過し、排気口16から大
気に放出される。なお、前記したように槽底から槽壁に
沿って放射状に吹き出されたガスについては槽内を隈無
く流れるので、最短距離で排気管10の吸気口15に到
達することはない。
【0035】
【発明の効果】本発明は、請求項1のように構成したこ
とにより、処理物から分離されたガスのみが排気管に流
入することになるので、排気管の目詰まりがなくなる。
従って、撹拌部材の回転速度又は流動用、冷却用のガス
量を増加させることが可能となり、冷却効果を向上させ
ることが可能となる。また、請求項2のように構成した
ことにより、処理物の処理槽内における流動化が促進さ
れることになるので、混合、分散、表面改質の性能が向
上することになる。さらに、請求項3又は4のように構
成したことにより、ガスの導入量の増加が可能となるの
で、処理物の流動化が促進されることになり、混合、分
散、表面改質の性能が向上することになる。さらに、請
求項5のように構成したことにより、処理槽のジャケッ
トとの接触面積を増大させることができ、それに伴って
冷却効果を増大させることが可能となる。さらに、請求
項6のように構成したことにより、処理槽の槽壁の形状
変化による処理物の流れの乱れを抑え、処理物の流動に
一様な方向性を与えることができることになる。処理物
の滞留、付着を防止できることになる。さらに、請求項
7のように構成したことにより、整流板の周辺での処理
物の滞留を防止し、槽壁への付着を防止できることにな
る。さらに、請求項8のように構成したことにより、処
理物の処理槽内における流動性を高めることができるこ
とになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による高速撹拌型分散機の一実施の形態
を示した概略縦断面図である。
【図2】図1の要部の拡大図である。
【図3】図1の整流板付近の横断面図である。
【図4】従来の高速撹拌型分散機の一例を示した概略縦
断面図である。
【図5】従来の高速撹拌型分散機の他の例を示した概略
縦断面図である。
【符号の説明】
1、41、51……処理槽 2……上鏡部 3……下鏡部 4……円筒胴 5、55……ジャケット 6……槽底部 7、52……回転軸 8……台座 9、42、54……撹拌羽根 10……排気管 11……通路 12……整流板 13……ガス吹き出し口 14……撹拌部材 15……吸気口 16、56……排気口 21……フランジ 22、25……Oリング 23……ボス部 24……ボルト 26……濾布 27……リング 28、53……ボス 29……押さえナット 30……ガス吹き出し口 31……シールボックス 32……シールリング 33……オイルシール 34……排出口 35……中心軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤羽根 淳 栃木県栃木市国府町1番地 三井鉱山株式 会社内 Fターム(参考) 4G036 AC15 AC17 4G078 AA17 BA05 CA01 CA06 CA08 CA13 DA01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 竪型処理槽の槽底部の中心を垂直に貫く
    回転軸に処理槽内壁に沿って処理物を放出する撹拌羽根
    を設けた高速撹拌型分散機において、処理槽頂部から槽
    内に排気管を挿入することを特徴とする高速撹拌型分散
    機。
  2. 【請求項2】 竪型処理槽の槽底部を水平板状に構成
    し、この槽底部の中心を垂直に貫く回転軸に円錐状もし
    くはこれに類似した形状の台座を取り付け、台座上に処
    理槽内壁に沿って処理物を放出する撹拌羽根を設けたこ
    とを特徴とする請求項1に記載の高速撹拌型分散機。
  3. 【請求項3】 竪型処理槽の槽底から処理槽内壁に沿っ
    てガスを吹き出すことを特徴とする請求項1又は2に記
    載の高速撹拌型分散機。
  4. 【請求項4】 外部ガス配管と接続可能な通路を槽底部
    に設けてガスを導入し、槽底部と回転軸との隙間、及び
    槽底部と台座との隙間を経由して処理槽内壁に沿ってガ
    スを吹き出すことを特徴とする請求項3に記載の高速撹
    拌型分散機。
  5. 【請求項5】 処理槽を上下鏡部が半球状、中間部が円
    筒状の三段構造とすることを特徴とする請求項1から4
    の何れかに記載の高速撹拌型分散機。
  6. 【請求項6】 処理槽内において、下鏡部の半球形と中
    間部の円筒形との接合部又はその近傍に処理物の流動方
    向に沿って円周方向に均等な複数の整流板を設けること
    を特徴とする請求項5に記載の高速撹拌型分散機。
  7. 【請求項7】 整流板に沿ってガスを吹き出させること
    を特徴とする請求項6に記載の高速撹拌型分散機。
  8. 【請求項8】 処理槽を球形とすることを特徴とする請
    求項1から4の何れかに記載の高速撹拌型分散機。
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