JP4918272B2 - 循環型メディア撹拌ミル - Google Patents
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Description
このような問題を解消するため、特許第3400087号公報に記載された微粉末粉砕用攪拌ミルが提案された。この微粉末粉砕用攪拌ミルは、筒状の容器と、前記容器内に同軸かつ回転自在に配置され周面に攪拌部材を設けた中空の攪拌軸とを備え、前記攪拌軸は一端が開口し他端が閉じており、前記容器には、軸方向一端部に隣接してスラリー入口が、他端部に隣接してスラリー出口がそれぞれ形成されており、前記容器の前記スラリー出口に隣接する前記中空の攪拌軸の開口した端部には媒体循環用入口が、前記スラリー入口に近い方の前記中空の攪拌軸の閉じた端部には媒体循環用出口がそれぞれ形成され、前記スラリー出口を囲んでスクリーンが設けられ、前記容器内面と前記攪拌軸の外面との間に形成される粉砕室に充填された粉砕媒体は前記スラリーの循環圧力により前記容器の軸方向に移動し前記攪拌軸の媒体循環用入口から前記攪拌軸内に入り前記攪拌軸の媒体循環用出口から前記粉砕室内に入る循環経路により前記容器内で循環するようになった攪拌ミルにおいて、前記攪拌軸は軸方向長さのほぼ全体にわたり中空空洞が形成されたコップ形状であり、前記攪拌軸の閉じた端部が前記容器の前記スラリー入口を有する前記一端部に隣接して配置され、前記攪拌軸内の媒体は、前記容器のスラリー入口付近において、該攪拌軸の閉じた端部に形成された前記媒体循環用出口から前記粉砕室に戻されるようになっており、前記攪拌軸には、前記媒体循環用出口に近接して該攪拌軸の回転に伴い前記攪拌軸内の媒体を前記容器内での軸方向循環運動させるためのポンプ作用を果たすポンプ手段を設けて、スラリーを前記媒体に同伴して流れさせるようにした構造を有している。この構造によれば、攪拌軸(攪拌部材)が一端が開放されたコップ状であることによるメディアの偏析をある程度解消することができるが、それにとどまるものである。
前記メディア分離部材は、羽根車であるか、円筒形のスクリーンであることが好ましい。前記原料出口路は、前記第2端板側に設けられていることが好ましい。この場合、前記メディア分離部材が円筒形のスクリーンのときは、前記第2端板に取り付けられ、前記攪拌部材内の空間に延びていることが好ましい。前記原料入口路の原料供給口は前記撹拌部材の背面に位置していることが好ましい。
前記攪拌部材の円筒壁のメディア循環用開口に挟まれた部分である格子状部は、その断面形状が円筒壁の外周面を底辺とする略三角形である
図1は、本発明の実施形態による循環型メディア撹拌ミル10を示すものであり、このメディア撹拌ミル10は、円筒形のバレル12と、このバレル12の一端に固定された端板14と、他端に供給口フランジ16を介して固定されたフレーム18とから構成されたベッセル20を備えている。このベッセル20の内部は、密閉されたベッセル室C1とされている。本メディア撹拌ミル10においては、上記ベッセル室C1の長さをL、直径をDとしたとき、L/Dが1以下、好ましくは0.3〜0.4である。上記値が1を超える場合には、軸方向へのメディアの偏析が生じやすくなり、局部摩耗や異常発熱を生じ易くなる。換言すれば、上記値が1以下のとき、メディアの動きを分散状態にコントロールすることができる。
上記メディア分離部材32としては、図1に示した遠心分離羽根方式のものや、図示しないスクリーン方式が使用できる。遠心分離羽根方式のものは、メディアの径が比較的小さく、原料の粘度が比較的小さい場合に適しており、一方、スクリーン方式のものは、メディアの径が比較的大きく、原料の粘度が比較的大きい場合に適している。
原料出口路26は、図1に示したように端板14側に配置されていることが好ましい。具体的には、閉鎖板22cの中央に円形の開口22dを設けるとともに、原料出口路26を構成する導管27を端板14に取り付け、固定式とする。この導管27は、上記回転駆動軸24と同軸に設けられることが好ましく、その一端(内端)27aが閉鎖板22cに設けた開口22dを通って、メディア分離部材32内の空間内に位置して、粉砕され、メディアが分離された原料スラリーを受け入れるようになっている。もちろん、原料出口路26は、従来からあるように、回転駆動軸24を管状として、その内部空間を使用するものであってもよい。
そこで、本実施の態様では、攪拌部材22の円筒壁22aにおいては、メディア循環用開口22dに挟まれた部分である格子状部22gの断面形状を円筒壁の外周面を底辺とする略三角形とした。これにより、本格子状部22gの内周壁は実質的に直線(ある程度の平面やアールであってもよい)であるので、ここに原料等が堆積し、固着することを防止できる。これにより、攪拌部材の振動や原料のコンタミが防止できる。
12 バレル
14 端板
16 供給口フランジ
18 フレーム
20 ベッセル
22 攪拌部材
22a 円筒壁
22b ハブ部
22c 閉鎖板
22d メディア循環用開口
22e メディア循環用開口
22f メディア循環用開口
22g 格子状部
24 回転駆動軸
26 原料出口路
28 原料入口路
30 粉砕用メディア
32 メディア分離部材
34 端板
44 羽根部材
50 循環系
51 パイプ
52 タンク
54 パイプ
56 ポンプ
58 電動モータ
60 攪拌羽根
Claims (7)
- 筒状のベッセル、外周部に円筒壁を有し、一端がハブ部により閉鎖され、他端が閉鎖板により閉鎖された中空の筒状であり、前記ベッセル内に回転自在に配置された攪拌部材、この攪拌部材の円筒壁と前記ベッセルの内周壁の間に形成された粉砕室に入れられた粉砕メディア、前記攪拌部材の内部空間に、該攪拌部材と同軸に配置されたメディア分離部材、前記粉砕室に、被粉砕物を含む原料を導く原料入口路、および前記粉砕室で処理され、前記攪拌部材とメディア分離部材の間に形成されたメディア分離室に導かれ、前記メディア分離部材により粉砕メディアが分離された原料を外部に導く原料出口路を備え、
前記ベッセル内部の空間であるベッセル室の長さをL、直径をDとしたとき、L/Dが1以下であり、
前記攪拌部材の円筒壁には、周方向に等間隔で複数の第1メディア循環用開口が形成されているとともに、前記攪拌部材のハブ部および閉鎖板には、それらの外縁部に周方向に等間隔で複数の第2および第3メディア循環用開口がそれぞれ形成され、前記攪拌部材は、前記閉鎖板が設けられたことによりその外縁部分が左右対称にされており、前記攪拌部材の円筒壁のメディア循環用開口に挟まれた部分である格子状部は、その断面形状が円筒壁の外周面を底辺とする略三角形であることを特徴とする循環型メディア撹拌ミル。 - 前記L/Dが0.3〜0.4であることを特徴とする請求項1の循環型メディア攪拌ミル。
- 前記メディア分離部材が羽根車であることを特徴とする請求項1または2に記載の循環型メディア撹拌ミル。
- 前記メディア分離部材が、前記攪拌部材に取り付けられた羽根車であり、前記原料出口路が前記端板側に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の循環型メディア撹拌ミル。
- 前記メディア分離部材が円筒形のスクリーンであることを特徴とする請求項1または2に記載の循環型メディア撹拌ミル。
- 前記メディア分離部材が円筒形のスクリーンであり、前記端板に取り付けられ、前記攪拌部材内の空間に延びており、前記原料出口路が前記端板側に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の循環型メディア撹拌ミル。
- 前記攪拌部材のハブ部および閉鎖板に設けられた第2および第3メディア循環用開口が、前記メディア分離室への原料およびメディアの入り込みを容易にするため斜め孔で形成されている請求項1〜6のいずれかに記載の循環型メディア撹拌ミル。
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