JPWO2007141992A1 - メディア式分散機 - Google Patents

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Abstract

微粒子化したメディアであっても、簡単な構造でスラリーの処理効率を低下させることなく、メディアをスラリーから確実に分離することができると共にメディアの流出を防止することができ、安定した粉砕特性及び分散特性を維持することができるメディア式分散機を提供する。本発明のメディア式分散機10は、容器11内でロータ12が回転し、ロータ12の回転により、容器11内に供給される粒子状物質を含むスラリーと、予め充填されている粒子状のメディアMとを攪拌、混合して、粒子状物質を粉砕、分散させるメディア式分散機であって、容器11は、その上面の中心部で開口するように設けられた第1流通部13を有し、また、ロータ12は、その中心部及び容器11の上面の中心部を貫通するように設けられた第2流通部15を有し、スラリーは、第1流通部13と第2流通部15の隙間から流入し、第2流通部15から排出される。

Description

本発明は、種々の顔料や種々のセラミック粉末等の粒子状物質を粉砕し、均一に分散させるメディア式分散機に関し、更に詳しくは、容器内で粒子状物質を粉砕、分散する媒体として用いられるメディアの容器外への流出を抑制することができる遠心分離型のメディア式分散機に関する。
メディア式分散機は、粒子状のメディアと溶媒中に粒子状物質を含むスラリーとを混合、攪拌して、メディアを介して粒子状物質を粉砕して微粒子化し、その粒子状物質を溶媒中に均一に分散させる機能を有している。例えば、セラミック電子部品の製造工程には、セラミック粉末を溶媒中に分散させたセラミックスラリーをビーズミルによって混合、分散させる工程がある。この工程では、セラミック粉末を粉砕して微粒子化して、バインダ等の有機成分をセラミック粉末に均一に付着させると共にセラミック粉末をスラリー中に均一に分散させている。この際、ビーズをミル外へ流出させないためには、ビーズをスラリーから分離しなくてはならない。そこで、従来から遠心分離型のビーズミルが用いられている。
この種の遠心分離型のビーズミルとしては、例えば特許文献1において提案されたビーズミルがある。このビーズミルは、筒状の攪拌槽内に、所定の間隔を存して配設された複数の攪拌部材を備え、この攪拌槽内に充填されたビーズ状の分散媒体と攪拌槽内に注入されるスラリー状の被分散材料とを攪拌する攪拌部と、この攪拌部の上部に分散媒体を被分散材料から遠心分離し、被分散材料を攪拌槽外に取り出す遠心分離部とを備えている。このビーズミルでは、攪拌槽の底部から攪拌槽内へスラリーを供給し、攪拌槽内の下部の攪拌部でスラリー状の被分散材料を攪拌し、上部の遠心分離部で分散媒体を遠心分離した後、攪拌槽の上面を貫通する回転軸の内部通路からスラリーを排出している。
また、同種の技術として、特許文献2にはメディア攪拌型湿式粉砕機について記載されている。このメディア攪拌型粉砕機は、内部に粉砕室が設けられる粉砕タンクと、この粉砕タンクに回転自在に取り付けられる中空状の主軸と、この主軸の上記粉砕室内に位置する部分に取り付けられる遠心セパレータとを備え、上記遠心セパレータに上記主軸の中空部と上記粉砕室との間を連通する分離室が設けられており、上記遠心セパレータの外周部に、一対のリングと両リング間を連結する複数の攪拌羽根とからなる攪拌部材を一体に設けて構成されている。このメディア攪拌型湿式粉砕機では、粉砕タンクの主軸に隣接する供給口からスラリーを供給し、粉砕室内で攪拌メディアを介してスラリーを処理した後、遠心セパレータにより攪拌メディアを分離して中空状の主軸からスラリーを排出している。
特開2001−046899 特開2005−246316
しかしながら、特許文献1に記載のビーズミルの場合には、ビーズをスラリーから遠心分離するため、運転時には容器内からのビーズの流出を防止することができるが、このボールミルは攪拌槽の底部の供給口からスラリーを供給する構造になっているため、運転停止時にはビーズが自重により攪拌槽の底部に沈降してスラリーの供給口から流出する問題がある。
また、機種によっては運転開始時にスラリー供給用のポンプを止めたまま遠心分離部を先に回転させ、運転停止時にはポンプを先に止めた後、遠心分離部を止めることによってメディアの流出を防止している。このような運転を特許文献2に記載のメディア攪拌型粉砕機において実施すると、スラリーの供給口が粉砕タンクの外周寄りに配置されているため、遠心セパレータの作用で攪拌メディアがスラリーの流動に従って粉砕室内で舞い上がってスラリーの供給口から逆流して粉砕室外へ流出する問題がある。このようにメディアが容器内から一旦外部へ流出すると、メディアが配管内またはポンプ内に滞留し、容器内におけるメディアが減少し、メディアのもつ本来の機能が損なわれ、その粉砕特性や分散特性が得られなくなる。
また、近年、スラリー中のセラミック粉末等の粉末を更に微粒子化すると共に高分散化することが求められている。このため、メディアの粒径が100μm未満と超微粒子化してきている。このようにメディアが微粒子化すると特許文献1、2に記載の遠心力によるメディアの分離ではメディアを完全に分離することが難しくなってきている。その対策として、スラリーのみの通過を許容するスリットを流出口の前段に設けてメディアを分離する手法もあるが、メディアの粒径が100μm未満にまで微粒子化すると、スリットが非常に狭くなりスラリーの通過効率が悪くなって処理効率が低下し、また、スリットの目詰まり等の管理が難しくなる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、微粒子化したメディアであっても、簡単な構造でスラリーの処理効率を低下させることなく、メディアをスラリーから確実に分離することができると共にメディアの流出を防止することができ、安定した粉砕特性及び分散特性を維持することができるメディア式分散機を提供することを目的としている。
本発明のメディア式分散機は、容器内でロータが回転し、上記ロータの回転により、上記容器内に供給される粒子状物質を含むスラリーと、予め充填されている粒子状のメディアとを攪拌、混合して、上記粒子状物質を粉砕、分散させるメディア式分散機であって、上記容器は、その上面の中心部で開口するように設けられた第1流通部を有し、また、上記ロータは、その中心部及び上記容器の上面の中心部を貫通するように設けられた第2流通部を有し、上記スラリーは、上記第1流通部及び上記第2流通部を介して上記容器の中央部において給排されることを特徴とするものである。
また、本発明のメディア式分散機において、上記ロータの下面には攪拌羽根が設けられていることが好ましい。
また、本発明のメディア式分散機において、上記第1流通部は、上記第2流通部と軸芯を共有し且つ上記第2流通部より大径に形成されていることが好ましい。
また、本発明のメディア式分散機において、上記第1流通部は、上記第2流通部と一体的に回転するように上記容器に対して回転自在に設けられ且つ回転駆動源に連結されていることが好ましい。
本発明によれば、微粒子化したメディアであっても、簡単な構造でスラリーの処理効率を低下させることなく、メディアをスラリーから確実に分離することができると共にメディアの流出を防止することができ、安定した粉砕特性及び分散特性を維持することができるメディア式分散機を提供することができる。
本発明のメディア式分散機の一実施形態の要部を示す断面図である。 図1に示すメディア式分散機の要部を破断して示す全体の構成図である。 図1に示すメディア式分散機の要部を下方から見た平面図である。
符号の説明
10 メディア式分散機
11 容器
12 ロータ
13 第1流通部
15 第2流通部
16 モータ(駆動源)
18 攪拌羽根
以下、図1〜図3に示す実施形態に基づいて本発明を説明する。
本実施形態のメディア式分散機10は、例えば図1の断面図に示すように、扁平な円形状の容器11と、この容器11内に回転可能に収容されたロータ12と、を備え、容器11の内面とロータ12の表面との間には隙間が形成されている。この容器11内には所定量のメディアMが充填されている。従って、容器11内でロータ12が回転することにより、容器11の内周面とロータ12の外周面の隙間において、メディアMと粒子状物質を含むスラリーとが攪拌、混合され、スラリー中で粒子状物質が粉砕されて微粒子化すると共に微粒子がスラリー内で均一に分散される。この際、メディアMとしては、例えば平均粒径が100μm未満のものを使用することができる。
また図1に示すように、容器11の上面の中心部には貫通孔11Aが形成され、この貫通孔11Aに対して第1流通部13がシール部材14を介して回転自在に装着されている。第1流通部13は、容器11の上面中心部で開口し、垂直上方に延設されている。また、ロータ12の中心部には貫通孔11Aに対応する貫通孔12Aが形成され、この貫通孔12Aにスラリーの流出路となる第2流通部15が装着されている。第2流通部15は、ロータ12の下面から容器11の貫通孔11Aを貫通し第1流通部13に沿って垂直上方に延設されている。つまり、第1流通部13は、第2流通部15より大径に形成され、第2流通部15と軸芯を共有している。また、本実施形態では、第1、第2流通部13、15は互いに連結されて、容器11に対して一体的に回転するように構成されている。第1流通部13の内周面と第2流通部13の外周面との間には隙間があり、この隙間がスラリーの流入路として形成されている。
図2の要部を破断して示すメディア式分散機の全体図のように、容器11の側方にはロータ12を回転させるモータ16が配置されている。即ち、モータ16の回転軸にはプーリ16Aが取り付けられ、また、容器11側の第1流通部13にはプーリ13Aが取り付けられている。そして、これらのプーリ13A、16Aには無端状ベルト17が掛け回されて、モータ16の回転により第1、第2流通部13、15が容器11に対して一体的に回転し、容器11内でロータ12が回転するようになっている。
また、図1及び図3の下方からの平面図に示すように、ロータ12の下面には例えば3枚の細長形状の攪拌羽根18が周方向等間隔を空けて放射状に固定され、これらの攪拌羽根18によってロータ12の下面に侵入するメディアMに遠心力を付与して、メディアMが容器11の中央部から内周面側へスラリーの流れに逆らって移動するようになっている。ここでは攪拌羽根18は、平板羽根として形成されているが、必要に応じて湾曲羽根等の他の形状を適宜採用することができ、また、使用枚数も必要に応じて適宜増減することができる。また、攪拌羽根18の長さも適宜変更することができる。尚、図3ではメディアMは一部のみを図示してあるが、実際は容器12の内周面とロータ12の外周面の隙間全周に渡って分散している。
次に、動作について説明する。まず、所定量のメディアMを予め容器11内に充填する。この状態にてモータ16を介してロータ12を回転させ、直ちに図1、図2に矢印で示すように第1、第2流通部13、15の隙間から粒子状物質を含むスラリーを供給し、容器11内をスラリーで満たす。すると、ロータ12の回転により容器11の底部に存在するメディアMが攪拌羽根18から遠心力を付与されて、図1、図3に示すように容器11の内周面とロータ12の外周面の隙間に集合する。この状態で、スラリーを供給すると容器11の内周面側に集合したメディアMは、スラリーの流れに従って容器11の底部から第2流通部15へ移動しようとするが、回転するロータ12の攪拌羽根18から遠心力を受けてスラリーの流れに逆らって容器11の中央部から内周面へ移動し、第2流通部15側へ移動することがなく、延いては第2流通部15から外部へ流出することがない。
容器11の内周面とロータ12の外周面との隙間では、スラリーとメディアMがロータ12から回転力を受けて混合、攪拌され、スラリー中の粒子状物質はメディアMの作用で粉砕されて微粒子化すると共に微粒子化した粒子状物質がスラリー中で均一に分散する。この間もスラリーは連続的に供給されるため微粒子化した粒子状物質を含むスラリーは容器11内を矢印方向に流れて、容器11の底面に沿って中心部に収束し、第2流通部15を矢印Y方向に流れて容器11外へ排出される。
メディアMはスラリーの流れに随伴して容器11の内周面側から中央部へ移動しようとしても、上述したように攪拌羽根18から遠心力を受けて、スラリーから遠心分離されて容器11の内周面側へ戻る。一方、微粒子化した粒子状物質は攪拌羽根18の遠心力を受けてもメディアMと比較して遥かに粒径が小さく僅かの遠心力しか受けないため、スラリーの流れに打ち勝つことができず、第2流通部15から外部へ排出される。
スラリーの処理後、メディアMの流出を防止するために、従来のようにスラリーの供給を停止した後、モータ16をしばらく回転させてもメディアMは攪拌羽根18の作用で容器11の内周面側へ集合し、第2流通部15を逆流して外部へ流出することはない。
以上説明したように本実施形態によれば、容器11の中心部にある第1流通部13と第2流通部15との隙間からスラリーを供給し、容器11内でロータ12の作用でスラリーとメディアMとを攪拌、混合することでスラリー中の粒子状物質を微粒子化すると共に、微粒子化した粒子状物質をスラリー中で均一に分散させることができる。また、このスラリーは、含有される微粒子の粒径より遥かに大きな容器11の底面とロータ12の下面の隙間を通ってロータ12の中心部から第2流通部15を経由して外部へ排出されるため、スラリーの処理効率を低下させることなく、第2流通部15から効率良く排出することができる。また、スラリーの供給を止めた後でロータ12が回転しても、メディアMはスラリーから遠心分離されて容器11の内周面側に確実に集合し、第2流通部15から外部へ流出することはない。
また、本実施形態によれば、ロータ12の下面に攪拌羽根18を設けたため、攪拌羽根18がメディアMに遠心力を付与して、より効率的にメディアMをスラリーから遠心分離することができる。また、第1流通部13は、第2流通部15と軸芯を共有し且つ第2流通部15より大径に形成されているため、スラリーの出入口を容器11の中央部にコンパクトに纏めることができる。また、第1流通部13は、第2流通部15と一体的に回転するように容器11に対して回転自在に設けられ且つモータ16に連結されているため、ロータ12の回転機構を簡素化することができる。
尚、本発明は、上記実施形態に何等制限されるものではない。例えば、上記実施形態では第1流通部13と第2流通部15の隙間をスラリーの流入通路として利用し、第2流通部15をスラリーの流出通路として利用しているが、その逆であっても良い。また、ロータの回転駆動機構は、プーリ以外に歯車機構等で構成されたものであっても良い。また、本発明のメディア式分散機の運転条件などは、必要に応じて適宜設定することができる。要は、スラリーの流出入部が容器の中心部にあり、メディアが流出しないようになっていれば良い。
本発明は、種々の顔料や種々のセラミック粉末等の粒子状物質を粉砕し、均一に分散させるメディア式分散機に対して広く利用することができる。

Claims (4)

  1. 容器内でロータが回転し、上記ロータの回転により、上記容器内に供給される粒子状物質を含むスラリーと、予め充填されている粒子状のメディアとを攪拌、混合して、上記粒子状物質を粉砕、分散させるメディア式分散機であって、上記容器は、その上面の中心部で開口するように設けられた第1流通部を有し、また、上記ロータは、その中心部及び上記容器の上面の中心部を貫通するように設けられた第2流通部を有し、上記スラリーは、上記第1流通部及び上記第2流通部を介して上記容器の中央部において給排されることを特徴とするメディア式分散機。
  2. 上記ロータの下面に攪拌羽根を設けたことを特徴とする請求項1に記載のメディア式分散機。
  3. 上記第1流通部は、上記第2流通部と軸芯を共有し且つ上記第2流通部より大径に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のメディア式分散機。
  4. 上記第1流通部は、上記第2流通部と一体的に回転するように上記容器に対して回転自在に設けられ且つ回転駆動源に連結されていることを特徴とする請求項3に記載のメディア式分散機。
JP2008520469A 2006-06-05 2007-05-11 メディア式分散機 Abandoned JPWO2007141992A1 (ja)

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