JP2003260283A - ミシン - Google Patents

ミシン

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JP2003260283A
JP2003260283A JP2002066435A JP2002066435A JP2003260283A JP 2003260283 A JP2003260283 A JP 2003260283A JP 2002066435 A JP2002066435 A JP 2002066435A JP 2002066435 A JP2002066435 A JP 2002066435A JP 2003260283 A JP2003260283 A JP 2003260283A
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needle
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Masaki Shimizu
正樹 清水
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 上糸を切断した際の糸残り量のばらつきを防
止して糸抜け防止に必要な糸残り量を安定的に確保する
こと。 【解決手段】 最終針の針落後に、ピッカー60で上糸
100を保持した状態で、ミシン主軸80を一時的に回
転停止させてから、ピッカー60を上糸保持位置から上
糸解放位置に切換えるようにミシンモータ81とピッカ
ー駆動機構61を制御するように構成したので、ピッカ
ー60を上糸解放位置に切換える際にはミシン主軸80
の回転が一時停止しているために、ピッカー60の切換
タイミングのずれなどにより糸残り量がばらつくのを抑
えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、ミシンに関し、
特に、ミシン主軸を一時的に停止させあるいは低速回転
に切換えてからピッカーを上糸保持位置から上糸解放位
置に切換えることが可能なものに関する。
【0002】
【従来の技術】 従来より、刺繍ミシン等の種々のミシ
ンにおいて、最終針の縫製後に糸切り機構により上糸と
下糸を切断した際に、縫針の目孔から上糸の自由端の方
へ延びる上糸の糸残り量が少ないと、次の縫製作業を開
始した時に上糸が目孔から抜けやすくなるという問題が
あった。この問題を解決するために、天秤で上糸を引き
上げる際に針板の下側で上糸を保持するピッカーと、こ
のピッカーを上糸保持位置と上糸解放位置とに亙って駆
動するピッカー駆動手段とを設けたミシンが実用に供さ
れている。
【0003】このようなミシンにおいては、最終針の針
落後にピッカーを上糸保持位置に駆動してピッカーによ
り上糸を保持し、続いて、天秤の上昇に伴って上糸が所
定量引き上げられたときに、ピッカー駆動手段によりピ
ッカーを所定のタイミングで上糸保持位置から上糸解放
位置に切換えて上糸を解放し、その後に糸切り機構によ
り上糸と下糸を切断することにより、次の縫製開始にお
ける糸抜けを防止するのに必要な糸残り量を確保でき
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、天秤
の上昇はミシン主軸の回転と連動しており、通常の糸切
り時のミシン主軸の回転数(例えば、100rpm)で
は、天秤の上昇速度は比較的速いため、ピッカーの切換
タイミングのわずかなずれや、上糸の振る舞いなどの些
細な要因により、糸残り量がばらつき、糸抜け防止に必
要な糸残り量を確保できない虞がある。ここで、糸切り
時のミシン主軸の回転数を下げると、その回転数の低下
に伴って天秤の上昇が緩やかになるため糸残り量のばら
つきは抑えられるが、一方で、ミシン主軸を回転駆動す
るミシンモータの回転トルクが不足して、最終針におい
て縫針が加工布を十分に貫通できなくなる虞がある。本
発明の目的は、上糸を切断した際の糸残り量のばらつき
を防止して糸抜け防止に必要な糸残り量を安定的に確保
することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】 請求項1のミシンは、
針棒と天秤と糸捕捉釜を含む縫製機構と、針板の下側に
おいて下糸と上糸とを切断可能な糸切り機構とを備えた
ミシンにおいて、前記糸切り機構で下糸と上糸を切断し
た際に縫針の目孔から上糸自由端の方へ延びる上糸の糸
残り量を確保するために、天秤で上糸を引き上げる際に
針板の下側で上糸を保持するピッカーと、前記ピッカー
を上糸保持位置と上糸解放位置とに亙って駆動するピッ
カー駆動手段と、糸切り直前の最終針の針落後、前記ピ
ッカーで上糸を保持した状態で、ミシン主軸を一時的に
回転停止させてから、前記ピッカーを上糸保持位置から
上糸解放位置に切換えるように、ミシンモータとピッカ
ー駆動手段とを制御するピッカー解放制御手段とを備え
たことを特徴とするものである。
【0006】糸切り直前の最終針の針落前までに、ミシ
ンモータを制御してミシン主軸の回転数を所定値(例え
ば、100rpm)まで低下させておく。最終針の針落
後に下死点位置から針棒が上昇し始めると、針板の下側
に糸輪が形成されるが、このときに、ピッカー駆動手段
により上糸保持位置に駆動されてピッカーの先端が糸捕
捉釜内に収容されたボビンに当接すると、糸輪がこのピ
ッカーに引っ掛かって上糸がピッカーに保持される。次
に、糸捕捉釜に設けられた剣先で上糸の糸輪を捕捉しな
がら糸捕捉釜が回転駆動されて上糸と下糸が絡み合うと
ともに、ミシン主軸と連動して天秤が上昇し上糸を引き
上げる。
【0007】ここで、前記のように、最終針の針落後、
ピッカーで上糸を保持した状態で、ピッカー解放制御手
段により、ミシン主軸を一時的に回転停止させた状態
で、ピッカーを上糸保持位置から上糸解放位置に切換え
るように、ミシンモータとピッカー駆動手段を制御す
る。従って、最終針の針落時には、ミシン主軸には縫針
が加工布を貫通するのに十分なトルクが伝達されている
し、一方、ピッカーを上糸解放位置に切換える際にはミ
シン主軸の回転が一時的に停止しているために、その切
換タイミングのずれ等の要因により糸残り量がばらつく
のを抑えることができる。
【0008】請求項2のミシンは、針棒と天秤と糸捕捉
釜を含む縫製機構と、針板の下側において下糸と上糸と
を切断可能な糸切り機構とを備えたミシンにおいて、前
記糸切り機構で下糸と上糸を切断した際に縫針の目孔か
ら上糸自由端の方へ延びる上糸の糸残り量を確保するた
めに、天秤で上糸を引き上げる際に針板の下側で上糸を
保持するピッカーと、前記ピッカーを上糸保持位置と上
糸解放位置とに亙って駆動するピッカー駆動手段と、糸
切り直前の最終針の針落後、前記ピッカーで上糸を保持
した状態で、ミシン主軸を所定の低速回転に切換えてか
ら、前記ピッカーを上糸保持位置から上糸解放位置に切
換えるように、ミシンモータとピッカー駆動手段とを制
御するピッカー解放制御手段とを備えたことを特徴とす
るものである。
【0009】最終針の針落後、ピッカーで上糸を保持し
た状態で、ピッカー解放制御手段により、ミシン主軸を
低速回転に切換えてから、ピッカーを上糸保持位置から
上糸解放位置に切換えるように、ミシンモータとピッカ
ー駆動手段を制御する。従って、請求項1と同様に、最
終針の針落時には、ミシン主軸には縫針が加工布を貫通
するのに十分なトルクが伝達されているし、ピッカーを
上糸解放位置に切換える際にはミシン主軸は低速回転に
切換えられているために、その切換タイミングのずれ等
の要因により糸残り量がばらつくのを抑えることができ
る。
【0010】尚、請求項1又は2の発明において、前記
ピッカー駆動手段は、ピッカーを上糸保持位置と上糸解
放位置とに亙って切換える為のピッカー駆動ソレノイド
とスプリングとを有し、ピッカー駆動ソレノイドがON
になったときにピッカーを上糸保持位置に切換えるよう
に構成してもよく(請求項3)、逆に、ピッカー駆動ソ
レノイドがONになったときにピッカーを上糸解放位置
に切換えるように構成してもよい(請求項4)。
【0011】
【発明の実施の形態】 本発明の実施の形態について説
明する。本実施形態は、3つの多針式刺繍ミシンを備え
た多頭式ミシンに本発明を適用した一例である。先ず、
多頭式ミシンMについて説明する。図1に示すように、
左右方向に延びるベースフレーム1の上面の後部側に
は、左右方向に所定長さを有するミシン支持板2が配設
され、このミシン支持板2の後端部には、左右方向に延
びる支持フレーム3が立設されている。多頭式ミシンM
には、3台の多針式刺繍ミシンM1〜M3が左右方向に
所定間隔毎に並設されている。
【0012】3台の刺繍ミシンM1〜M3は、支持フレ
ーム3に左右方向に所定間隔毎に並設されたヘッド部4
〜6と、シリンダ状のベッド部7〜9と、上糸100と
下糸101を絡ませて加工布Wに刺繍模様を形成する縫
製機構10と、ベッド部7〜9の前端部の上面に設けら
れた針板36(図2参照)の下側において下糸101と
上糸100とを切断可能な糸切り機構11(図4参照)
と、糸切り機構11で下糸101と上糸100とを切断
した際に縫針34の目孔から上糸自由端の方へ延びる上
糸100の糸残り量を確保する為のピッカー60を有す
るピッカー機構12(図6参照)などを備えている。
【0013】ベッド部7〜9の後端部は、ミシン支持板
2の前端部の位置において、ベースフレーム1に夫々支
持されている。ミシン支持板2の前方には作業用テーブ
ル20が水平に配設され、この作業用テーブル20の左
右両側には1対の補助テーブル21,22も設けられて
いる。
【0014】作業用テーブル20と左右両側の補助テー
ブル21,22に亙って、左右方向に延びる平面視矩形
枠状の可動枠23が載置され、この可動枠23には、加
工布Wを保持する布保持枠24が夫々取付けられてい
る。そして、この可動枠23の右端部の駆動枠部23a
がX軸駆動モータ88(図7参照)によりX軸方向(左
右方向)に駆動されるとともに、駆動枠部23aと、可
動枠23の左端部の駆動枠部23bとがY軸駆動モータ
90(図7参照)によりY軸方向(前後方向)に駆動さ
れる。従って、可動枠23は、X軸駆動モータ88、Y
軸駆動モータ90によりXY平面上を移動可能に構成さ
れている。補助テーブル22の後側には、刺繍縫製作業
に関する種々の指令を入力したりするための操作パネル
24が設けられている。この操作パネル24には、前述
の種々の入力をする為の各種キーや、刺繍縫製作業に関
するメッセージを表示するディスプレイ25が設けられ
ている。
【0015】次に、縫製機構10、糸切り機構11、ピ
ッカー機構12について順に説明する。但し、これら縫
製機構10、糸切り機構11、ピッカー機構12は各刺
繍ミシンM1〜M3について夫々同様の構成を有するの
で、左端の刺繍ミシンM1について以下説明する。先
ず、縫製機構10について説明する。縫製機構10は1
2本の針棒30と、これら12本の針棒30に夫々対応
する上糸100を引き上げる為の12個の天秤31と、
上糸100を針板36の下側から捕捉する糸捕捉釜32
を有する。
【0016】図1、図2に示すように、12本の針棒3
0は針棒ケース33内に一列状且つ上下動可能に配設さ
れており、12本の針棒30の下端部には夫々縫針34
が取付けられている。各針棒ケース33は、針棒変更モ
ータ86(図7参照)により左右方向に一斉に移動され
て、糸色の異なる上糸100に同時に変更可能に構成さ
れている。ここで、ベッド部7には押え足35が設けら
れ、この押え足35は、押え足駆動ソレノイド76(図
7参照)により、針板36上の加工布Wを押圧する押え
位置と、所定距離上昇した退避位置とに亙って上下に切
換可能に構成されている。
【0017】針棒ケース33内には、ミシンモータ81
(図7参照)からミシン主軸80(図7参照)に伝達さ
れた回転駆動力により針棒30を上下駆動する針棒上下
駆動機構(図示略)と、針棒30をその最上位置(上死
点位置)にジャンプさせる針棒ジャンプ機構(図示略)
などが設けられている。
【0018】図1に示すように、12個の天秤31は針
棒ケース33に上下に揺動可能に支持され、これらの天
秤31は、縫針34が加工布Wを貫通した後に針棒30
が下死点位置から上昇する際に、その針棒30の上昇よ
りも位相がやや遅れてミシン主軸80の回転と連動して
上昇し、上糸100を引き上げる。
【0019】図3に示すように、ベッド部7の上面は、
針板36とこの針板36に連続するカバー板40とで覆
われている。図4〜図6に示すように、ベッド部7の前
端部分において、針板36の下側には、針落後に針棒3
0が下死点位置から上昇する際に、針板36の下側に形
成される上糸100の糸輪を捕捉して、上糸100と下
糸101を絡ませる糸捕捉釜32が回転自在に配設され
ている。
【0020】図4、図5に示すように、糸捕捉釜32
は、ボビンを収容するボビンケース41を保持する内釜
42と、この内釜42の外側を回転する外釜43とを有
し、その外釜43には、上糸100の糸輪を引っ掛けて
上糸ループを形成する為の剣先43aが形成されてい
る。糸捕捉釜32の後端には釜駆動軸44が連結されて
おり、糸捕捉釜32は釜駆動軸44を介して、ミシンモ
ータ81の回転駆動力によりミシン主軸80と連動して
回転駆動される。
【0021】次に、糸切り機構11について説明する。
図4に示すように、ベッド部7に固着した固定板(図示
略)が糸捕捉釜32の上側に延びており、この固定板に
は、可動刃50が、実線で示す待機位置と鎖線で示す最
大回動位置とに亙って揺動可能に枢支されている。そし
て、この可動刃50と協働して下糸101と上糸100
とを切断する為の固定刃51が、固定板に刃部を前向き
にして取付けられている。
【0022】可動刃50には後方へ延びる糸切り作動レ
バー52が連結されており、図3に示すように、この糸
切り作動レバー52は、作動軸53を介して糸切りモー
タ54と連結されている。可動刃50が待機位置にある
状態から、糸切りモータ54により作動軸53が右方へ
駆動されると、糸切り作動レバー52が前方へ駆動され
て、可動刃50が時計回りに回動して最大回動位置に往
動する。次に、糸切りモータ54により、糸切り作動レ
バー52が後方へ駆動されると、可動刃50が反時計回
りに回動して待機位置に復動するが、このとき、上糸1
00と下糸101とが可動刃50の係合部50aに係合
され、その後、可動刃50と固定刃51との協働により
上糸100と下糸101とが同時に切断される。糸切り
機構11により切断された上糸100の縫針34側の糸
残り部分は、針棒30の後側に設けられた糸払い(図示
略)により、後方へ払われて保持される。
【0023】次に、ピッカー機構12について説明す
る。このピッカー機構12は、図5に示すように、糸切
り機構11で上糸100を切断する前に、ピッカー60
の先端をボビンに当接させて、上糸100をピッカー6
0の先端部に引っ掛けさせることにより上糸100を保
持して、上糸100の切断の際に所定量の糸残り量を確
保する為のものである。
【0024】図6に示すように、ピッカー機構12は、
天秤31で上糸100を引き上げる際に針板36の下側
で上糸100を保持するピッカー60と、このピッカー
60を図6の鎖線で示す上糸保持位置(ピッカーON)
と実線で示す上糸解放位置(ピッカーOFF)とに亙っ
て駆動するピッカー駆動機構61とを有する。ピッカー
60は、糸捕捉釜32の前方において、上糸保持位置と
上糸解放位置とに亙って揺動可能に配設され、図5に示
すように、ピッカー60の先端部には、ピッカーONの
際にボビンに当接する二股状の当接部60aが形成され
ている。ピッカー60の下端部にはピッカー作動レバー
62が連結されている。
【0025】ピッカー駆動機構61は、ピッカー駆動ソ
レノイド63とスプリング64とを有し、これらピッカ
ー駆動ソレノイド63とスプリング64は、ベッド部7
内で糸捕捉釜32の後方に配設されている。ピッカー駆
動ソレノイド63にはピッカー作動レバー62の後端部
が連結されている。ピッカー駆動ソレノイド63がOF
Fの状態では、スプリング64によりピッカー作動レバ
ー62が後方へ弾性付勢されて、ピッカー60が上糸保
持位置、つまりピッカーONの状態にある。この状態か
ら、ピッカー駆動ソレノイド63がONになると、ピッ
カー駆動ソレノイド63によりピッカー作動レバー62
が前方へ駆動されて、ピッカーOFFの状態に切換えら
れる。
【0026】次に、多頭式ミシンMの制御系の概要につ
いて、図7のブロック図を参照して説明する。多頭式ミ
シンMの制御系を司る制御装置70は、CPU71とR
OM72とRAM73とを含むマイクロコンピュータ
と、マイクロコンピュータにバスを介して接続された入
出力インターフェース(図示略)とから構成されてい
る。この制御装置70には、各ヘッド部4〜6に関し
て、針棒ジャンプ機構の針棒ジャンプ用ソレノイド74
の為の駆動回路75と、押え足駆動ソレノイド76の為
の駆動回路77と、ピッカー駆動ソレノイド63の為の
駆動回路78と、糸切れセンサ79が夫々接続されてい
る。
【0027】さらに、制御装置70には、ミシン主軸8
0を回転駆動するミシンモータ81を駆動する駆動回路
82と、ミシン主軸80に設けられたディスクエンコー
ダの1回転で1000個のパルス信号からなるエンコー
ダ信号を出力するパルス発生器83と、ディスクエンコ
ーダの1回転で1個の主軸同期信号を出力する主軸原点
センサ84と、糸切りモータ54の為の駆動回路85
と、針棒変更モータ86の為の駆動回路87と、X軸駆
動モータ88の為の駆動回路89と、Y軸駆動モータ9
0の為の駆動回路91と、操作パネル24とが夫々接続
されている。
【0028】ここで、ミシンモータ81はインダクショ
ンモータからなり、ミシンモータ81はインバータ制御
される。ROM72には、全体の縫製作業を制御する縫
製制御プログラムや複数の縫製データが格納されてい
る。さらに、所定の糸残り量を確保するために、ミシン
モータ81とピッカー駆動機構61を制御しながら糸切
り機構11により上糸と下糸とを切断する次述の糸切り
処理のプログラムもROM72に格納されている。
【0029】次に、糸切り処理について、図8のフロー
チャートと、図9のタイムチャートとを参照して説明す
る。この糸切り処理においては、糸切り直前の最終針の
針落後、ピッカー60で上糸100を保持した状態で、
ミシン主軸80を一時的に回転停止させてから、ピッカ
ー60をONからOFFへ切換えるように、ミシンモー
タ81とピッカー駆動機構61を制御する。この点を主
に以下説明する。
【0030】縫製制御プログラムによる縫製作業を実行
中に、縫製作業が最終針の縫製前の状態に達すると、ミ
シンモータ81を制御して主軸速度をNs(例えば、N
s=100rpm)まで低下させ(S10)、最終針の
針落動作後(S11)、針棒30が下死点位置(主軸角
度θ=180°)に到達して針棒30が上昇し始めた
ら、ピッカー駆動ソレノイド63をOFFにして、ピッ
カー60をON、つまり上糸保持位置に切換える(S1
2)。さらに、糸切り機構11の可動刃50を最大回動
位置まで往動させてから(S13)、糸切り後に切断さ
れた上糸100の縫針34側の部分を針棒30の後方で
保持する準備として、糸払いを前方へ繰り出しておき
(S14)、可動刃50の切断側(待機位置側)への復
動を開始させる(S15)。そして、天秤31が針棒3
0の上昇よりもやや位相が遅れた状態で上昇して上糸1
00を引き上げ始めると、図5に示すように、上糸10
0がピッカー60の先端部に引っ掛かって、上糸100
はピッカー60に保持された状態となる。
【0031】ここで、上糸100を切断した際の糸残り
量は、ピッカー60をONからOFFに戻すタイミング
で決定される。しかし、このタイミングにおける天秤3
1の上昇速度が速い場合には、ピッカー60のOFFに
するタイミングがわずかでもずれると、実際の糸残り量
がばらつく虞がある。従って、この糸切り処理において
は、図9に示すように、ミシン主軸80の回転を一時的
に停止させて、天秤31の上昇が停止した状態でピッカ
ー60をONからOFFに切換える。
【0032】ただし、ミシンモータ81に停止の指令を
下しても、慣性によりミシン主軸80自体はすぐには停
止しないため、主軸角度が、ピッカー60を切換えるタ
イミングにおける角度θ2(例えば、θ2=40°)よ
りも所定角度だけ前の角度θ1(例えば、θ1=30
°)になったときに(S16:Yes )、ミシンモータ8
1に停止指令を下してミシン主軸80を停止させる(S
17)。さらに、主軸角度がθ2になったときに(S1
8:Yes )、ミシン主軸80は略停止したとして、ピッ
カー駆動ソレノイド63をONにしてピッカー60をO
FFに切換える(S19)。
【0033】その後、再度ミシン主軸80を回転させて
天秤31で上糸100を引き上げてから(S20)、上
糸100と下糸101の切断のためにミシン主軸80を
停止させて(S21)、可動刃50を待機位置まで回動
させて上糸100と下糸101とを同時に切断する(S
22)。そして、糸払いを戻して切断された上糸100
を後方で保持するとともに(S23)、天秤31側の上
糸100を加工布Wから抜く糸抜き動作を行って(S2
4)、リターンする。
【0034】尚、以上の説明において、ピッカー駆動機
構61がピッカー駆動手段に相当し、マイクロコンピュ
ータと図8におけるS16〜S19がピッカー解放制御
手段に相当する。
【0035】以上説明した多頭式ミシンMによれば、次
のような効果が得られる。 1)最終針の針落後、ピッカー60で上糸100を保持
した状態で、ミシン主軸80を一時的に回転停止させて
から、ピッカー60をONからOFFに切換えるように
ミシンモータ81とピッカー駆動機構61を制御するの
で、最終針の針落時には、ミシン主軸80には縫針34
が加工布Wを貫通するのに十分なトルクが伝達されてい
るし、一方、ピッカー60を上糸解放位置に切換える際
にはミシン主軸80の回転が一時停止しているために、
ピッカー60の切換タイミングのずれ等の要因で糸残り
量がばらつくのを抑えることができる。従って、糸切り
時に所定の糸残り量を安定的に確保して、次の縫製作業
開始の際の糸抜けを確実に防止することができる。 2)ピッカー駆動ソレノイド63がONになったときに
ピッカー60をOFFに切換えるので、ピッカー60を
OFFに切換える際の応答性がよくなり、切換タイミン
グのずれが小さくなり、糸残り量のばらつきをさらに小
さく抑えることができる。
【0036】次に、前記実施形態に種々の変更を加えた
変更形態について説明する。尚、前記実施形態と同様の
ものについては、同じ符号を付してその説明を適宜省略
する。 1]糸切り直前の最終針の針落後、ピッカー60で上糸
100を保持した状態で、ミシン主軸80を所定の低速
回転に切換えてから、ピッカー60を上糸保持位置から
上糸解放位置に切換えるように、ミシンモータ81とピ
ッカー駆動機構61とを制御するようにしてもよい。以
下、図10、図11を参照して説明する。
【0037】縫製作業が最終針の縫製前の状態に達する
と、ミシンモータ81を制御して主軸速度をNs1(例
えば、Ns1=100rpm)まで低下させ(S3
0)、最終針の針落動作後(S31)、ピッカー60を
ONに切換える(S32)。その後、主軸角度が所定の
角度θ3(例えば、θ3=240°)になったときに
(S33:Yes )、主軸速度を減速させて、所定の速度
Ns2(例えば、Ns2=50rpm)の低速回転に切
換える(S34)。
【0038】この状態で、可動刃50を最大回動位置ま
で往動させてから(S35)、糸払いを前方へ繰り出し
ておき(S36)、可動刃50の切断側への復動を開始
させる(S37)。次に、主軸角度がθ4(例えば、θ
4=40°)になったときに(S38:Yes )、ピッカ
ー60をOFFに切換える(S39)。その後、前記実
施形態と同様に、ミシン主軸80を停止させ(S4
0)、可動刃50を待機位置まで回動させて上糸100
と下糸101とを同時に切断する(S41)。そして、
糸払いを戻してから(S42)、糸抜き動作を行って
(S43)、リターンする。
【0039】この変形形態においては、最終針の針落
後、ピッカー60で上糸100を保持した状態でミシン
主軸80を低速回転に切換えてからピッカー60をON
からOFFに切換えるので、ピッカー60の切換時にお
ける天秤31の上昇速度が緩やかになるので、前記実施
形態と同様に、ピッカー60の切換タイミングのずれ等
の要因により糸残り量がばらつくのを抑えることができ
る。
【0040】2]図12に示すように、ピッカー駆動機
構61Aを、ピッカー駆動ソレノイド63AがONにな
ったときにピッカー60Aを上糸保持位置に切換えるよ
うに構成してもよい。ピッカー駆動ソレノイド63Aが
OFFの状態では、スプリング64Aによりピッカー作
動レバー62Aが前方へ弾性付勢されてピッカー60A
はOFFの状態であり、ピッカー駆動ソレノイド63A
がONになると、ピッカー駆動ソレノイド63Aにより
ピッカー作動レバー62Aが前方へ駆動されてピッカー
60AがONに切換えられる。尚、この場合には、ピッ
カー駆動ソレノイド63AのOFFを速やかに行えるよ
うに、例えば、駆動回路78を図13に示すような回路
構成とすることが望ましい。3]ピッカー60をOFF
に切換えるときの主軸角度(θ2,θ4)を適宜変更す
ることで、ミシンの型式、縫製条件等を変更する場合で
も、最も適切な糸残り量を確保できるように調整するこ
とができる。
【0041】
【発明の効果】 請求項1の発明によれば、最終針の針
落後、ピッカーで上糸を保持した状態で、ピッカー解放
制御手段により、ミシン主軸を一時的に回転停止させて
から、ピッカーを上糸保持位置から上糸解放位置に切換
えるように、ミシンモータとピッカー駆動手段を制御す
るので、最終針の針落時には、ミシン主軸には縫針が加
工布を貫通するのに十分なトルクが伝達されているし、
一方、ピッカーを上糸解放位置に切換える際にはミシン
主軸の回転が一時停止しているために、ピッカーの切換
タイミングのずれ等の要因により糸残り量がばらつくの
を抑えることができる。従って、次の縫製開始時の糸抜
けを防止するのに必要な所定の糸残り量を、糸切り時に
安定的に確保することができる。
【0042】請求項2の発明によれば、最終針の針落
後、ピッカーで上糸を保持した状態で、ピッカー解放制
御手段により、ミシン主軸を低速回転に切換えてから、
ピッカーを上糸保持位置から上糸解放位置に切換えるよ
うにミシンモータとピッカー駆動手段を制御するので、
ピッカー切換時の天秤の上昇速度を緩やかにすることが
できる。従って、請求項1と略同様の効果が得られる。
【0043】請求項3の発明によれば、ピッカー駆動ソ
レノイドがONになったときにピッカーを上糸保持位置
に切換えるように構成されたので、ピッカー駆動ソレノ
イドをOFFにすることで、ピッカーを上糸解放位置に
切換えることができる。請求項4の発明によれば、ピッ
カー駆動ソレノイドがONになったときにピッカーを上
糸解放位置に切換えるように構成されたので、ピッカー
を上糸解放位置に切換える際の応答性がよくなり、切換
タイミングのずれが小さくなるため、糸残り量のばらつ
きをさらに小さく抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る多頭式ミシンの斜視図
である。
【図2】針棒と針棒ケースの一部拡大斜視図である。
【図3】作業用テーブル及びベッド部を示す多頭式ミシ
ンの要部平面図である。
【図4】糸捕捉釜と糸切り機構の要部平面図である。
【図5】上糸保持位置のピッカーを含む糸捕捉釜の斜視
図である。
【図6】ベッド部の要部断面図である。
【図7】多頭式ミシンの制御系のブロック図である。
【図8】糸切り処理のルーチンを示すフローチャートで
ある。
【図9】糸切り処理のタイムチャートである。
【図10】変更形態の図8相当図である。
【図11】変更形態の図9相当図である。
【図12】変更形態の図6相当図である。
【図13】変更形態のピッカー駆動ソレノイドの駆動回
路の回路図である。
【符号の説明】
M 多頭式ミシン 10 縫製機構 11 糸切り機構 30 針棒 31 天秤 32 糸捕捉釜 36 針板 60,60A ピッカー 61,61A ピッカー駆動機構 63,63A ピッカー駆動ソレノイド 64,64A スプリング 71 CPU 72 ROM 73 RAM 80 ミシン主軸 81 ミシンモータ 100 上糸 101 下糸

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 針棒と天秤と糸捕捉釜を含む縫製機構
    と、針板の下側において下糸と上糸とを切断可能な糸切
    り機構とを備えたミシンにおいて、 前記糸切り機構で下糸と上糸を切断した際に縫針の目孔
    から上糸自由端の方へ延びる上糸の糸残り量を確保する
    ために、天秤で上糸を引き上げる際に針板の下側で上糸
    を保持するピッカーと、 前記ピッカーを上糸保持位置と上糸解放位置とに亙って
    駆動するピッカー駆動手段と、 糸切り直前の最終針の針落後、前記ピッカーで上糸を保
    持した状態で、ミシン主軸を一時的に回転停止させてか
    ら、前記ピッカーを上糸保持位置から上糸解放位置に切
    換えるように、ミシンモータとピッカー駆動手段とを制
    御するピッカー解放制御手段と、 を備えたことを特徴とするミシン。
  2. 【請求項2】 針棒と天秤と糸捕捉釜を含む縫製機構
    と、針板の下側において下糸と上糸とを切断可能な糸切
    り機構とを備えたミシンにおいて、 前記糸切り機構で下糸と上糸を切断した際に縫針の目孔
    から上糸自由端の方へ延びる上糸の糸残り量を確保する
    ために、天秤で上糸を引き上げる際に針板の下側で上糸
    を保持するピッカーと、 前記ピッカーを上糸保持位置と上糸解放位置とに亙って
    駆動するピッカー駆動手段と、 糸切り直前の最終針の針落後、前記ピッカーで上糸を保
    持した状態で、ミシン主軸を所定の低速回転に切換えて
    から、前記ピッカーを上糸保持位置から上糸解放位置に
    切換えるように、ミシンモータとピッカー駆動手段とを
    制御するピッカー解放制御手段と、 を備えたことを特徴とするミシン。
  3. 【請求項3】 前記ピッカー駆動手段は、ピッカーを上
    糸保持位置と上糸解放位置とに亙って切換える為のピッ
    カー駆動ソレノイドとスプリングとを有し、ピッカー駆
    動ソレノイドがONになったときにピッカーを上糸保持
    位置に切換えるように構成されたことを特徴とする請求
    項1又は2に記載のミシン。
  4. 【請求項4】 前記ピッカー駆動手段は、ピッカーを上
    糸保持位置と上糸解放位置とに亙って切換える為のピッ
    カー駆動ソレノイドとスプリングとを有し、ピッカー駆
    動ソレノイドがONになったときにピッカーを上糸解放
    位置に切換えるように構成されたことを特徴とする請求
    項1又は2に記載のミシン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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CN113846442A (zh) * 2021-11-15 2021-12-28 汝州玛雅机电科技有限公司 绣花机剪线方法
CN113846442B (zh) * 2021-11-15 2022-07-29 诸暨远景机电有限公司 绣花机剪线方法

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