JP2003258306A - 半導体発光素子 - Google Patents

半導体発光素子

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JP2003258306A
JP2003258306A JP2002057663A JP2002057663A JP2003258306A JP 2003258306 A JP2003258306 A JP 2003258306A JP 2002057663 A JP2002057663 A JP 2002057663A JP 2002057663 A JP2002057663 A JP 2002057663A JP 2003258306 A JP2003258306 A JP 2003258306A
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electrode
region
layer
semiconductor layer
light emitting
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JP2002057663A
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Masahiko Sano
雅彦 佐野
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Nichia Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Nichia Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】発光出力及び光取り出し効率に優れた半導体素
子を提供する。 【手段】n型半導体層とp型半導体層との間に活性層を
有し、p型半導体層の表面にp側電極が設けられ、p型
半導体層側からのエッチングによって一部が露出された
n型半導体層の表面にn側電極が設けられている半導体
発光素子であって、p側電極は、p型半導体層とオーミ
ック接続されたp側オーミック電極と、p側オーミック
電極の一部と電気的に接するよう設けられたワイヤボン
ディング用のp側パッド電極とからなり、p側オーミッ
ク電極は、p側パッド電極と接し、一部がp側パッド電
極から離れる方向に延長する延長部を有する第1の領域
と、第1の領域の延長部の一部を起点としてその延長部
と異なる方向でかつn側電極に近づく方向に延長する延
長部からなる第2の領域とを有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は正負一対の電極が形成さ
れている半導体発光素子に関し、特にAlInGa
1−x−yN(0≦x、0≦y、x+y<1)からなる
半導体発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】今日我々が生活するなかで信号機、駅や
空港の行き先案内板、ビルの外壁に設置される大型ディ
スプレイさらには、携帯電話のバックライト光源など、
発光素子を見かけないことはないと言っても過言ではな
い。このように半導体が積層されてなる発光素子や発光
素子を応用した受光素子は欠かせないものになってきて
おり、これらに求められる特性向上のニーズはとどまる
ところを知らない。
【0003】なかでも青色発光素子は他の3原色となる
赤、緑から遅れて開発されたもので、特性の向上やそれ
ぞれの目的に適応した青色発光素子を求める声は最も強
い。
【0004】この青色発光素子としては、ガリウムを含
む窒化物半導体素子が最も多く使われている。このGa
N系半導体素子の構造としては、基本的に、サファイア
基板上にGaNよりなるバッファ層と、SiドープGa
Nよりなるn型コンタクト層と、単一量子井戸構造、も
しくは多重量子井戸構造のInGaN層を包含する活性
層と、MgドープAlGaNよりなるp型クラッド層
と、MgドープGaNよりなるp型コンタクト層とが順
に積層され、さらにp型コンタクト層の一部がエッチン
グされて露出したn型コンタクト層の表面にはチタン/
アルミニウムからなるn側オーミック電極が、p型コン
タクト層の表面のほぼ全面にニッケル/金からなる透光
性のp側オーミック電極が形成され、各オーミック電極
の上にはボンディングパッド用のパッド電極が形成され
ている。このような半導体発光素子は、20mAにおい
て、発光波長450nmで5mW、外部量子効率9.1
%と非常に優れた特性を示す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、発光出
力や光の取り出し効率、及び寿命などの特性はまだ十分
満足のいくレベルには達しておらず、さらなる特性の向
上が必要とされている。そこで、本発明の目的は上記の
ような素子の特性に優れた半導体発光素子を提供するも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した問題を解決する
ために、本発明の半導体発光素子は、n型半導体層とp
型半導体層との間に活性層を有し、p型半導体層の表面
にp側電極が設けられ、p型半導体層側からのエッチン
グによって一部が露出されたn型半導体層の表面にn側
電極が設けられている半導体発光素子であって、p側電
極は、p型半導体層とオーミック接続されたp側オーミ
ック電極と、p側オーミック電極の一部と電気的に接す
るよう設けられたワイヤボンディング用のp側パッド電
極とからなり、p側オーミック電極は、p側パッド電極
と接し、一部がp側パッド電極から離れる方向に延長す
る延長部を有する第1の領域と、第1の領域の延長部の
一部を起点として、その延長部と異なる方向でかつn側
電極に近づく方向に延長する延長部からなる第2の領域
とを有することを特徴とする。これにより、半導体層の
広い範囲に均一に電流が流れやすくなり、光の取り出し
効率を向上させて発光出力の優れた半導体発光素子とす
ることができる。
【0007】また、本発明の請求項2に記載の半導体発
光素子は、第1の領域は、延長部を複数有していること
を特徴とする。
【0008】また、本発明の請求項3に記載の半導体発
光素子は、第1の領域は、延長部の一部が、n側電極か
ら離れる方向に延長する第2の延長部を有することを特
徴とする。これにより、第1の起点の位置によらず、n
側電極から離れた部分に電流を供給することができるの
で、発光出力を向上させることができる。
【0009】また、本発明の請求項4に記載の半導体発
光素子は、第2の領域は、第1の領域の1つの延長部
に、複数の起点を有する延長部を有することを特徴とす
る。これにより、第1の領域によってp側パッド電極か
ら離れた位置にまで流された電流を、複数の経路に分割
した状態で流れるようにすることができるので、電極に
係る負荷を低減し、かつ均一に発光しやすくすることが
できる。
【0010】また、本発明の請求項5に記載の半導体発
光素子は、第2の領域は、隣接する延長部と互いに離間
していることを特徴とする。これにより、離間した部分
からの光の取り出しを効率よく行うことができる。
【0011】また、本発明の請求項6に記載の半導体発
光素子は、p側オーミック電極は、活性層の面積をS
(μm)とし、p側オーミック電極の外周長の和をL
(μm)とすると、L/S≧0.02であるように設け
るのが好ましい。このようにすることで、p型半導体層
の露出部を面内に広く分布させることができ、光の取り
出し効率の優れた発光素子とすることができる。
【0012】また、本発明の請求項7に記載の半導体発
光素子は、p側オーミック電極は、少なくともRhを含
むものが好ましい。これにより、外部に放出される光の
吸収を低減させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明につい
て説明するが、本発明の半導体発光素子は実施の形態に
示された素子構造に限定されるものではない。
【0014】本発明の実施の形態の半導体発光素子を図
1に示す。図1(a)は平面図であり、図1(d)は図
1(a)のX−Y位置での断面図である。本実施の形態
1では、半導体発光素子として、ガリウムを含む窒化物
半導体(以下、窒化ガリウム系化合物半導体とする)を
用いている。具体的には、サファイア基板101上にn
型半導体層102、活性層103、p型半導体104層
が順に積層されてなる窒化ガリウム系化合物半導体層
の、p型半導体層及び活性層の一部をp型半導体層側か
ら基板に向けてエッチングしてn型半導体層を露出させ
てある。そして、p型半導体層表面にはp側電極、エッ
チングにより露出されたn型半導体層表面にはn側電極
がそれぞれを設けられている。各電極はp型及びn型半
導体とそれぞれオーミック接触可能なp側オーミック電
極1及びn側オーミック電極3と、このオーミック電極
と導通し、かつ、ワイヤをボンディングさせるp側パッ
ド電極2及びn側パッド電極4が設けられている。p側
パッド電極は、略方形に形成されており、その縁部でp
側オーミック電極と接するように形成されている。ま
た、p型パッド電極の中央部付近は、絶縁層5を介して
p型半導体層と接するようにしてある。また、ショート
を防ぐために、p型半導体層上面から、n型半導体層側
面やn型半導体層露出面にかけて絶縁層が設けられてい
る。この絶縁膜は、SiOなどのような透光性のもの
であれば、図1(d)に示すように、p側オーミック電
極の上にも設けることができる。
【0015】ここで、本実施の形態における半導体発光
素子は、p側オーミック電極は、p側パッド電極と接す
る部分を起点としてp側パッド電極から離れる方向に延
長する延長部を有する第1の領域と、延長部を起点とし
てn側電極に近づく方向に延長する延長部からなる第2
の領域とを有することを特徴とする。図1(b)及び図
1(c)は、図1(a)のp側オーミック電極の構成を
説明するための図であり、図1(b)ではp側オーミッ
ク電極1の第1の領域11を、また、図1(c)ではp
側オーミック電極1の第2の領域12をそれぞれ斜線部
で示す。
【0016】p側オーミック電極1は、第1の領域11
と第2の領域12とによって、p型半導体層の表面のほ
ぼ全面に渡るように設けられている。第1の領域は、延
長部を、第2の領域は延長部を有しており、延長部と延
長部とは、異なる方向に延長するように設けられてい
る。各延長部は、ストライプ状に形成されており、ほぼ
一定の幅を保つように設けられている。また、膜厚を厚
くすることで抵抗を下げることができるので好ましい。
このようにすると、光は透過しないので、各延長部を離
間させてp型半導体層を露出させることで、その部分を
発光部とすることができる。電極の広がりと共に、この
発光部が面内に均一に広がっていることで、効率よく発
光させ、かつ、効率よく光を取り出すことができる。
【0017】本発明においては、p側パッド電極に注入
された電流は、このように、延長方向の異なる延長部を
少なくとも2つ有している第1の領域と第2の領域によ
って、広く素子全体に拡散される。特に、本実施の形態
においては、図1に示すように第1の領域が、素子の端
辺に沿って延長するように設けられていることで、p型
パッド電極に注入された電流が、n側電極方向に向かっ
て流れるのではなく、まず、p側パッド電極とn側電極
とを結ぶ線の法線方向に流れる。そして、その第1の領
域を通った電流は、延長部に起点を有する延長部内をn
電極方向に向かって流れる。
【0018】電流は抵抗の低い方に向かって最も近い経
路で流れやすいため、p型オーミック電極が図3に示す
比較例のように全面に設けられていると、p側パッド電
極とn側電極を結ぶ直線状の部位が最も発光しやすくな
り、面内において不均一な発光となりやすい。しかしな
がら、本発明のように、p側オーミック電極を全面に面
状に設けるのではなく、ストライプ状などの延長部が、
その延長する方向(ストライプ方向)を特定の方向とな
るように設けることで、その電流の流れる方向を制御す
ることができる。
【0019】(p側オーミック電極の第1の領域11)
本明細書において、p側オーミック電極の第1の領域
は、p側パッド電極と電気的に接続された部分であり、
具体的には図1(b)の11に示す斜線部の領域を指
す。この部分は、p側パッド電極と電気的に接続された
部分であり、まず、最初に電流が流れる部分である。図
1では、この第1の領域の一部は。p側パッド電極の形
状に沿って接するようにしており、そのうちの一部分が
p側パッド電極から離れる方向に延長するように設けら
れる延長部として形成される。こ延長部の起点を図1
(b)に示すようにA部とすると、このA部からp型半
導体層の端辺に沿って延長するようにして形成されてい
ることで、p型パッド電極から離れる方向に延長するよ
うに設けられている。第1の領域は、このような延長部
のみで構成することもでき、例えば、図1(b)の2つ
のA部の間にはp側オーミック電極が形成されないよう
な形状とすることもできる。
【0020】また、延長部の起点であるA部は、p側パ
ッド電極が略方形の場合、図1及び図2(a)〜(c)
のように、p側パッド電極の一辺に一つでもよいし、図
2(d)〜(h)に示すAのように複数あってもよい。
この場合、X−Y線を中心として略対称になるよう設け
ることで、両方の領域に均一に電流を流しやすくなるの
で好ましい。しかし、半導体素子の形状や、p側パッド
電極の形状に応じて変更することもできる。
【0021】また、第1の領域は、第2の領域に達する
まえに、n側電極から離れる方向に延長する第2の延長
部を有していてもよい。この第2の延長部は、第2の延
長部によって電流はn側電極方向と逆の方向に流される
ことになり、例えば、第1の領域の延長部の起点A部が
素子の中央部に近い位置に形成されている場合などで
は、n側電極から離れる方向に延長するように設けるこ
とで、まず、端部に向かって電流を流すことができるよ
うになる。具体的な例としては、図2(a)のように、
第1の領域の延長部の起点となるA部が素子中心付近の
みである場合、図2(a)の斜線で示す第2の延長部C
を設けることで、素子端辺にも電流を供給することがで
きる。そして、端辺まで流された電流が、B部から第2
の領域に流れてn側電極方向に向かって流れるような経
路とすることができる。このような第2の延長部は、図
2(b)のような形状のp側オーミック電極にも一部形
成されており、このような領域を設けることで、活性層
の広い範囲を発光に寄与させることができる。
【0022】第1の領域の延長部は、p側パッド電極の
一辺につき一つ設ける場合は、図1(b)のように、素
子の端辺近傍に設けてもよいし、また、図2(b)のよ
うに、素子端辺からやや離間するように設けてもよい。
端辺近傍に第1の領域の延長部の起点を設けることで、
広い範囲に電流を流しやすくなる。また、素子端辺から
やや離間して設けると、素子端辺近傍に係る負荷を低減
することができるので、出力の低下を抑制することがで
きる。
【0023】また、延長部の起点となるA部を複数設け
ることで、局所的に電流が集まって輝度にムラが生じる
のを抑制することができる。複数設ける場合は、図2
(d)、図2(e)のように比較的接近するように設け
ることもできるし、また、図2(f)のように、距離を
大きくすることもできる。また、複数設けられる起点同
士の距離が同じであっても、延長部の延長する方向を変
えることで、電流の広がり方を制御することができる。
例えば、図2(d)では、第1の領域の延長部の延長方
向は、略同じ方向であるが、このようにすることで、電
極の形成されていない角部に向けて広がるように電流を
流しやすくすることができる。
【0024】また、図2(e)は、図2(d)とは違
い、起点となるA部からそれぞれ異なる方向に延長する
ように延長部が設けられている。これにより、起点であ
るA部と、延長部の先端部との距離が異なるようにする
ことができる。このようにすることで、p側パッド電極
から最も離れたp側オーミック電極の先端部にまで電流
を流れやすくすることができる。また、図2(f)のよ
うに、延長部の起点のA部の距離が、先端部の距離より
も大きくなるようにすることもできる。図2(f)で
は、素子の角部に向かって収束する方向に、2つの延長
部が形成されており、素子中央部に近い方を起点とする
延長部は、n側電極との距離が略一定になるように延長
されている。これにより、第2の領域に流れる電流を均
一にしやすくなる。
【0025】延長部は、延長方向の素子の端部近傍にま
で形成することで、その端部近傍にまで電流を流れやす
くすることができるので好ましい。しかし、図2(h)
のように、複数の延長部のうちの一部が、延長部は素子
の端部まで延長しなくてもよい。図2(h)では、素子
の中央近傍の延長部は、隣接する延長部に起点を有する
第2の領域の延長部が形成されているために、素子端部
にまで延長していないが、このような形状であっても構
わない。素子端部にまで達していなくても、第2の領域
の延長部の起点であるB部を有しているので、n側電極
方向に向かって電流を流すことができる。
【0026】(p側オーミック電極の第2の領域12)
本明細書において、p側オーミック電極の第2の領域
は、p側オーミック電極の第1の領域の延長部を起点と
し、n側電極に近づく方向に延長するように設けられる
延長部であり、具体的には図1(c)の12に示す斜線
部の領域を指す。この部分は、p側オーミック電極の第
1の領域と電気的に接続された部分であり、第1の領域
によってp側パッド電極から離れた位置にまで拡散され
た電流が流れる部分である。図1では、この第2の領域
の一部は、p側オーミック電極の第1の領域の延長部分
と略直交する方向に延長するように設けられることで、
n側電極に近づく方向に延長しており、その先端部に近
づくほどn側電極に近くなるように形成されている。
【0027】第2の領域の延長部の起点を図1(c)に
示すようにB部とすると、このB部からp型半導体層の
端辺に略平行でかつn側電極に近づく方向に延長するよ
うに、複数の延長部が形成されている。各延長部は、隣
接する延長部と互いに離間しており、第1の領域を介し
てそれぞれ電気的に接続されている。また、異なる第1
の領域から延長された第2の領域の延長部とも、互い離
間するように設けるのが好ましい。
【0028】このB部は、p側オーミック電極の第1の
領域の1つの延長部に複数設けるのが好ましい。例え
ば、図1(c)では、B部は6箇所であり、それぞれの
起点B部からn側電極に向かって延長する延長部が設け
られている。X−Y線を中心として略対称に設けること
で、両方の領域に均一に電流を流しやすくなるので好ま
しい。しかし、半導体素子の形状や、p側パッド電極の
形状に応じて変更することもできる。例えば、図1にお
いては、素子の中央付近に先端を有する延長部は、対称
になっておらず、一方の延長部が長くなるように形成さ
れている。このように、互いに離間しつつ、かつ広い面
積に設けることで、効率よく発光させることができる。
【0029】また、第1の領域の延長部がp側パッド電
極の一辺に対して複数ある場合は、再度第一の領域と接
することになる。第2の領域同士は接しないように設け
られるが、第1の領域と第2の領域とが接することがで
きる。例えば、図2(d)では、第一の領域の延長部の
起点A部が2つあり、それぞれの延長部が6つの起点B
部を有している。このように電流の流れる経路が複数あ
る場合で、第2の領域内を通過した後に再度第1の領域
内を通過する場合であっても、少なくともn側電極から
離れる方向に流れることはなく、様々な方向に広がるよ
うに電極領域を設定することで、局所的に電流が集中し
やすくなるのを防いで素子内の部分劣化を低減させるこ
とができる。
【0030】p側オーミック電極の第2の領域の延長部
は、互いに離間するように設け、かつ、第1の領域が形
成されていない領域のほぼ全面に渡るように設けるのが
好ましい。第2の領域がそれぞれ離間するように設けら
れることで、p型半導体層の表面が露出されることにな
り、この露出部から光が放出される。この露出されたp
型半導体層は、p側オーミック電極の第1の領域及び第
2の領域に挟まれた領域であるため、電流が流れやす
く、したがって活性層を効率よく発光される部分であ
る。p側オーミック電極を、広い範囲に設けても、活性
層からの発光を外部に放出されなければ出力を向上させ
ることはできないが、本発明のように電極間で露出され
た部分も、半導体層の広い範囲に渡って形成されている
ことで、効率よく電流が流れ、かつ、効率よく外部に出
力させることができる。
【0031】また、第2の領域が占める面積は、第1の
領域より多くするのが好ましい。第1の領域はp側パッ
ド電極と電気的に接しているため電流が流れやすく、仮
に第1の領域の面積を大きくすると、第2の領域に流れ
る前にn側電極に電流が流れてしまう。まず、素子の広
い範囲に電流が供給されるようにp側電極から遠い位置
にまで電流を拡散し、その拡散された位置から第2の領
域を通ってn側電極に向かって電流を流すことで、効率
よく発光させることができる。
【0032】上記のように本発明では、p側オーミック
電極を第1の領域と第2の領域とから構成される電極と
することで広く電流を拡散して、効率よく光を発光し、
かつ、外部への取り出し効率にも優れた半導体発光素子
とすることができる。このようなp側オーミック電極
は、図2(a)〜図2(h)に示すような模式図を、例
として挙げてあるが、ここに挙げたものに限定されるも
のではない。
【0033】p側オーミック電極は、前述の通り、広い
範囲に渡るように設けるのが好ましく、それとともに、
p型半導体層の露出部も全面に渡って設けられるのが好
ましい。特に、p側オーミック電極とp型半導体層との
界面の長さを長くすることで、より効率よく発光を取り
出すことができる。ここで、活性層の面積をS(μ
)とし、p側オーミック電極の露出された部分の外
周長の和をL(μm)とすると、L/S≧0.02の範
囲を満たすように設定することで、より効率よく光を取
り出すことができる。
【0034】ここで、外周長とは、p側オーミック電極
とp型半導体層との界面をさし、その中でも、露出され
た部分の外周の総和を指すものとする。p側パッド電極
が上に形成されている部分はのぞき、表面にp側オーミ
ック電極が露出している部分をさす。但し、p側オーミ
ック電極の上に絶縁層が設けられ場合は、p側半導体層
の露出部からの光の放出効率がやや落ちるものの、膜厚
を薄くして吸収を少なくすることで、効率をあまり下げ
ることなく発光させることができるので、このような絶
縁層を設けられる部分のp側オーミック電極の露出部を
含めた外周長の総和をLとする。
【0035】また、図2(b)〜図2(h)などは、第
2の領域が再び第1の領域と接合するように設けられて
いるため、周りを電極で囲まれてしまうp型半導体層が
設けられることになるが、この囲まれた部分のp型半導
体層と、p側オーミック電極との界面も外周とし、外周
長の和Lに含めるものとする。L/Sが小さくなる、つ
まり、活性層の面積Sに対してp側オーミック電極の外
周長和Lが小さくなると、p型半導体層側への出力が低
下する。
【0036】p側オーミック電極は、第1の領域及び第
2の領域とも、その領域全体が、方向を定めて延長され
ているものであればよく、p型半導体層との界面が直線
である必要はない。例えば、波状であったり、マスクの
精度によって荒れた界面になっていても、電流の流れる
方向には影響を与えにくいものであるので、そのような
形状であっても何ら問題はない。
【0037】ここで、活性層の面積S(μm)が同じ
で外周長L(μm)を変化させたときの電力変換効率を
図4に示す。示すものである。外周長Lを変化させるこ
とで、電力変換効率は図4のように変化し、特に、L/
S≧0.02を満たすような範囲とすることで、高出力
の半導体発光素子とすることができる。L/Sが0.0
2μm/μmより小さくなると、光が取り出されるp
型半導体層の露出部が少なくなって、光取り出し効率が
低下するので好ましくない。また、上限は特に定めてい
ないが、実質的には1μm/μmより大きくなると、
第1の領域及び第2の領域を構成する延長部が細くなり
すぎて抵抗が高くなり、電流効率が悪くなるので好まし
くない。
【0038】p側オーミック電極の好ましい材料として
は、Ni、Co、Fe、Ti、Cu、Rh、Au、R
u、W、Zr、Mo、Ta、Pt、Ag及びこれらの酸
化物、窒化物からなる群から選択される少なくとも一種
を含む合金または多層膜があげられる。これらは、40
0℃以上の温度でアニールすることにより、p型半導体
層と良好なオーミック特性を得ることができる。特に、
Rhが好ましく、Rhを用いることで熱的に安定で、し
かも吸収のすくないp側オーミック電極とすることがで
きる。しかも、接触抵抗を低くすることができる。p側
オーミック電極の総膜厚としては50Å〜10000Å
が好ましく、特に、1000Å〜5000Åが好まし
い。
【0039】(p側パッド電極)本実施の形態において
は、p側パッド電極は、負荷がかかる中央部を、p型半
導体層上に形成された絶縁層上に接するよう設けるのが
好ましい。p側パッド電極を、このように主として絶縁
膜上に設けることで、p側オーミック電極の上方にバン
プが形成されないようにして負荷がかかるのを防ぐのと
同時に、p型半導体層の上にかかる負荷を軽減させる緩
衝層としても機能させることができる。p型半導体層に
負荷がかかった場合は、n型半導体層に比べて層厚の薄
いp型半導体層とさらにその下にある活性層を含む発光
層まで損傷してしまうおそれがあるが、絶縁層を設けて
それを緩衝層とすることで、そのような半導体層の破壊
をも防ぐことができる。そして、負荷のかかりにくいp
側パッド電極の外周部をp側オーミック電極上に接する
ように設けることで、電気的に接続させている。
【0040】本実施の形態では、半導体発光素子は、平
面形状が四角形状である。特に一辺の長さを等しくした
方形が好ましいが、長方形等でも用いることができる。
そして、p側パッド電極とn側電極は、それら素子形状
に応じて好ましい位置を選択することができるが、効率
よく活性層を発光させるためには、できるだけ離れた位
置に形成させるのが好ましい。図1のような略正方形の
場合は、1つの角部である第一角部にp側パッド電極
が、そして第一角部と対向する第二角部にn側電極を設
けるのが好ましい。このようにp側パッド電極とn電極
との間の距離が大きくなるように半導体発光素子の対向
する角部にそれぞれp側パッド電極及びn側電極を形成
すし、かつ、本発明の特徴であるp側オーミック電極の
形態とすることで、素子内の活性層を含む発光層の広い
範囲に電流を流すことができる。
【0041】特に、本実施の形態においては、p側パッ
ド電極を図1のようにp側オーミック電極の最外周部よ
りも内側に形成させることで、p側オーミック電極の最
外周部が第一角部に形成されることになり、第一角部近
傍も有効に発光させることができる。
【0042】p側パッド電極の好ましい材料としては、
Ni、Co、Fe、Ti、Cu、Rh、Au、Ru、
W、Zr、Mo、Ta、Pt及びこれらの酸化物、窒化
物からなる群から選択される少なくとも一種を含む合金
または多層膜があげられる。特に、Niの上にAuが積
層された多層膜が、p側オーミック電極との密着性に優
れ、しかもバンプとの接着力にも優れているため好まし
い。
【0043】p側パッド電極の総膜厚としては1000
Å〜20000Åが好ましく、更に3000〜1500
0Åが好ましい。1000Åより薄いと、バンプを形成
しにくく、また、形成できたとしても不安定で信頼性に
欠けるものとなるため好ましくない。また、20000
Åよりも厚く形成すると、突出することで取り扱い時に
引っかかるなどしてかえって剥がれやすくなるので好ま
しくない。
【0044】(n側電極)n側電極については、p側電
極と同様に、オーミック電極とパッド電極とを形成させ
るが、p側電極と違って、電極の下方に活性層を含む発
光層が存在しないので、多少の負荷がかかっても素子の
特性に悪影響を及ぼしにくいため、絶縁層は形成されて
いなくてもよい。むしろ、絶縁層を形成することで電極
の高さが高くなり、活性層端面から放出される光を遮る
などの問題がおこることもあるので、形成しないほうが
好ましい。
【0045】(絶縁層)本実施の形態において、p側パ
ッド電極は、中央部がp型半導体層の表面に形成された
絶縁層上に形成されている。このような構成とすること
で、ワイヤボンディング時にかかる負荷によってp型半
導体層及びp側オーミック電極が破損するのを防ぐこと
ができるので、信頼性の高い半導体発光素子とすること
ができる。
【0046】ここで用いられる絶縁層の材料としては、
活性層を含む発光層からの光を反射しやすいもの(屈折
率が低く、透明であるもの)を用いるのが好ましく、特
に、窒化ガリウム系化合物半導体よりも屈折率が低いも
のを用いるのが好ましい。p側パッド電極は、ワイヤボ
ンディングのためのバンプが形成されるため、ある程度
の厚みが必要であり、そのために光は透過しにくくなっ
ている。そのため、p側パッド電極の下方にある活性層
で発生した光は、p型半導体層の表面まで伝搬しても、
そこから外部に放出されることはなく、反射されて素子
内部を伝搬し、放出可能な部分から放出される。しか
し、このとき、p型半導体層上にp側パッド電極が形成
されていると、光が吸収されやすく発光効率が低下す
る。しかし、反射率が高い絶縁層、すなわち屈折率が低
く透明な絶縁層を形成することで、p側パッド電極とp
型半導体層の接触面積を少なくして光の吸収を抑制する
ことができ、素子内部へ効率よく光を反射させて出力を
向上させることができる。
【0047】絶縁層の材料としては、SiO、Al
,TiO、ZrOなどが好ましく、膜厚は0.
05μm〜2μmの範囲が好ましく、より好ましくは
0.1μm〜1.5μmである。2μmよりも厚くなる
と、p側パッド電極とp型半導体層やp側オーミック電
極との段差が大きくなって、かえって剥がれやすくなる
ことがあるため好ましくない。また、0.05μmより
も薄くなると、p型半導体層にかかる負荷を吸収しきれ
なくなるので好ましくない。
【0048】また、このようにp側パッド電極とp型半
導体層との間に形成される絶縁層は、半導体発光素子の
端面にまで連続して形成されていてもよい。特に活性層
の断面(端面)まで連続するように設けることで、電極
間のショートを防ぐだけでなく、活性層が露出されるこ
とで劣化しやすくなるのを抑制できる保護膜としても機
能することができる。
【0049】また、この絶縁膜は、p側オーミック電極
の上にまで連続して形成されていてもよい。特に、絶縁
層としてSiOのような透光性のものを用いる場合、
p側パッド電極とp型半導体層との間では、絶縁層は反
射率の低いp側パッド電極に接しているために反射膜と
して機能するので、電極材料に光が到達するのを防ぐこ
とができ、光の吸収を抑制することができるが、p側オ
ーミック電極の上に設けられた場合、絶縁膜の表面は屈
折率の低い空気と接していることになるので、反射膜と
しては機能せず、光の透過が可能な膜となる。これによ
り、p側オーミック電極が空気中の水分などによって劣
化するのを防ぐ保護膜として、あるいは機械的な外力に
対する緩衝層として機能させることができる。
【0050】(半導体)本発明の半導体発光素子は特に
ガリウムを含む窒化物半導体において顕著な効果を示
す。ガリウムを含む窒化物半導体(窒化ガリウム系化合
物半導体)とは、AlInGa1−x−yN(0≦
x、0≦y、x+y<1)からなる半導体を意味し、ガ
リウムを含む窒化物半導体が半導体素子の一部を構成し
ていればこれに含まれる。
【0051】半導体の構造としては、MIS接合、PI
N接合やpn接合などを有するホモ構造、ヘテロ構造あ
るいはダブルへテロ構成のものが好適に挙げられる。半
導体層の材料やその混晶比によって発光波長を種々選択
することができる。また、半導体活性層を量子効果が生
ずる薄膜に形成させた単一量子井戸構造や多重量子井戸
構造とすることでより出力を向上させることもできる。
【0052】窒化ガリウム系化合物半導体を使用した場
合、半導体用基板にはサファイア、スピネル、SiC、
Si、ZnO、GaAs、GaN等の材料が好適に用い
られる。結晶性の良い窒化物半導体を量産性よく形成さ
せるためにはサファイア基板を利用することが好まし
い。このサファイア基板上にHVPE法やMOCVD法
などを用いて窒化物半導体を形成させることができる。
サファイア基板上にGaN、AlN、GaAIN等の低
温で成長させ非単結晶となるバッファ層を形成しその上
にpn接合を有する窒化物半導体を形成させる。
【0053】窒化ガリウム系化合物半導体を使用したp
n接合を有する紫外領域を効率よく発光可能な発光素子
例として、バッファ層上に、サファイア基板のオリフラ
面と略垂直にSiO2をストライプ状に形成する。スト
ライプ上にHVPE法を用いてGaNをELOG(Ep
itaxial Lateral Over Grow
th GaN)成長させてもよい。続いて、MOCVD
法により、n型窒化ガリウムで形成した第1のコンタク
ト層、n型窒化アルミニウム・ガリウムで形成させた第
1のクラッド層、窒化インジウム・アルミニウム・ガリ
ウムの井戸層と窒化アルミニウム・ガリウムの障壁層を
複数積層させた多重量子井戸構造とされる活性層、p型
窒化アルミニウム・ガリウムで形成した第2のクラッド
層、p型窒化ガリウムで形成した第2のコンタクト層を
順に積層させたダブルへテロ構成などの構成が挙げられ
る。
【0054】窒化物半導体は、不純物をドープしない状
態でn型導電性を示す。発光効率を向上させるなど所望
のn型窒化物半導体を形成させる場合は、n型ドーパン
トとしてSi、Ge、Se、Te、C等を適宜導入する
ことが好ましい。一方、p型窒化物半導体を形成させる
場合は、p型ドーパントであるZn、Mg、Be、C
a、Sr、Ba等をドープさせることが好ましい。窒化
物半導体は、p型ドーパントをドープしただけではp型
化しにくいためp型ドーパント導入後に、炉による加熱
やプラズマ照射等により低抵抗化させることが好まし
い。
【0055】前述のように、GaN系半導体は不純物を
ドープしない(アンドープの)場合、導電型はn型を示
し、Mgなどのp型となる不純物をドープすることでp
型を示すが、MgをドープしてGaN系半導体を成長さ
せるだけでは良好なp型を示すGaN系半導体は得られ
ず、基板上にn型の半導体層とMgをドープした半導体
層を積層後、例えば600℃でアニーリングすること
で、Mgが電気的に活性化し、低抵抗のp型のGaN系
半導体を得ることができる。これは1つの考えとして、
p型のGaN系半導体層に含まれる水素がアニーリング
により除去されることで、低抵抗化が起こるとも考えら
れている。このようにアニーリングにより低抵抗化する
場合、低抵抗化する層は基板から最も離れた側に設ける
ことで、水素が効率よく除去される。以下、本発明の実
施例について詳述する。
【0056】
【実施例】[実施例1]図1に示すような半導体層を形
成する。この半導体層は窒化ガリウム系化合物半導体で
あり、活性層を含む発光層からの発光ピークが紫外域に
ある400nmのInAlGaN半導体を有する窒化物
半導体素子を用いる。より具体的には、洗浄させたサフ
ァイア基板上にTMG(トリメチルガリウム)ガス、T
MI(トリメチルインジウム)ガス、窒素ガス及びドー
パントガスをキャリアガスと共に流し、MOCVD法で
窒化物半導体を成膜させることにより形成させることが
できる。ドーパントガスとしてSiHとCpMgを
切り替えることによってn型窒化物半導体やp型窒化物
半導体となる層を形成させる。
【0057】半導体素子の構造としてはサファイア基板
上に、アンドープの窒化物半導体であるn型GaN層、
Siドープのn型電極が形成されn型コンタクト層とな
るGaN層、アンドープの窒化物半導体であるn型Ga
N層、n型クラッド層となるSiが含有されたAlGa
N層、次に発光層として井戸層を構成するAlInGa
N層、井戸層よりもAl含有量が多いバリア層となるA
lInGaN層を1セットとし5セット積層させた多重
量子井戸構造としてある。発光層上にはMgがドープさ
れたp型クラッド層としてAlGaN層、静電耐圧を高
めるGaN層、Mgがドープされたp型コンタクト層で
あるGaN層を順次積層させた構成としてある。(な
お、サファイア基板上には低温でGaN層を形成させバ
ッファ層とさせてある。また、p型半導体は、成膜後4
00℃以上でアニールさせてある。)。
【0058】詳細に記載すると、2インチφ、(000
1)C面を主面とするサファイア基板上に、500℃に
てGaNよりなるバッファ層を200Åの膜厚にて成長
させた後、温度を1050℃にしてアンドープGaN層
を5μmの膜厚にて成長させる。尚、この成長させる膜
厚は、5μmに限定されるものではなく、バッファ層よ
りも厚い膜厚で成長させて、10μm以下の膜厚に調整
することが望ましい。
【0059】(n型半導体層)次に、n型コンタクト
層、およびn型窒化ガリウム系化合物半導体層を形成す
る。まず、1050℃で、同じく原料ガスTMG、アン
モニアガス、不純物ガスにシランガスを用い、Siを
4.5×1018/cmドープしたGaNよりなるn
型コンタクト層を2.25μmの膜厚で成長させる。次
に、シランガスのみを止め、1050℃で、TMG、ア
ンモニアガスを用い、アンドープGaN層を75Åの膜
厚で成長させ、続いて同温度にてシランガスを追加しS
iを4.5×1018/cmドープしたGaN層を2
5Åの膜厚で成長させる。このようにして、75Åのア
ンドープGaNからなるA層と、SiドープGaN層を
有する25ÅのB層とからなるペアを成長させる。そし
てペアを25層積層して2500Å厚として、超格子構
造の多層膜よりなるn型窒化ガリウム系化合物半導体層
を成長させる。
【0060】(活性層)次に、アンドープGaNよりな
る障壁層を250Åの膜厚で成長させ、続いて温度を8
00℃にして、TMG、TMI、アンモニアを用いアン
ドープInGaNよりなる井戸層を30Åの膜厚で成長
させる。そして、障壁+井戸+障壁+井戸+……+障壁
の順で障壁層を7層、井戸層を6層、交互に積層して、
総膜厚1930Åの多重量子井戸構造よりなる活性層を
成長させる。
【0061】(p型半導体層)次に、p側多層膜クラッ
ド層及びp型コンタクト層からなるp型半導体層を形成
する。まず、温度1050℃でTMG、TMA、アンモ
ニア、CpMg(シクロペンタジエニルマグネシウ
ム)を用い、Mgを1×1020/cmドープしたp型
Al0.2Ga0.8Nよりなる第3の窒化物半導体層
を40Åの膜厚で成長させ、続いて温度を800℃にし
て、TMG、TMI、アンモニア、CpMgを用い、
Mgを1×1020/cmドープしたIn0.03
0.97Nよりなる第4の窒化物半導体層を25Åの
膜厚で成長させる。そしてこれらの操作を繰り返し、第
3+第4の順で交互に5層ずつ積層し、最後に第3の窒
化物半導体層を40Åの膜厚で成長させた超格子構造の
多層膜よりなるp側多層膜クラッド層を365Åの膜厚
で成長させる。続いて1050℃で、TMG、アンモニ
ア、CpMgを用い、Mgを1×1020/cm
ープしたp型GaNよりなるp側コンタクト層を700
Åの膜厚で成長させる。反応終了後、温度を室温まで下
げ、さらに窒素雰囲気中、ウエハを反応容器内におい
て、700℃でアニールを行い、p型層をさらに低抵抗
化する。
【0062】次に、エッチングによりサファイア基板上
の窒化物半導体に同一面側で、pn各コンタクト層表面
を露出させる。具体的には、ウエハを反応容器から取り
出し、表面に所定の形状のマスクを形成し、RIE(反
応イオンエッチング)装置にてp型窒化ガリウム系化合
物半導体層側からエッチングを行い、第二角部にn型コ
ンタクト層の表面を露出させる。
【0063】(p側オーミック電極、n側オーミック電
極)次に、p型層のほぼ全面を覆うように、膜厚0.1
5μmのp側オーミック電極(Rh)を形成させる。p
側オーミック電極は、図1に示すように、p側パッド電
極が形成される第一角部は、p側パッド電極の中央部付
近(図中の5に相当する位置)に絶縁膜が形成されるよ
うな開口部を設けておき、p側パッド電極の二辺と接す
るように第1の領域を設ける。そのうちの一部を起点A
部から素子の2つの端辺に沿って延長するように第1の
領域の延長部とする。また、第2の領域として、第1の
領域の延長部に起点B部を有し、n側電極に近づくよう
に延長するように形成させる。実施例1では、この第1
の領域の延長部のストライプ幅は20μm、また、第2
の領域は、ストライプ幅10μmとなるようにし、第2
の領域は、隣接する第2の領域の延長部のストライプと
の距離を5μmとしている。また、起点B部は、一つの
第1の領域の延長部に対して6カ所設けてある。また、
第2の領域の延長部の先端は、n側電極を形成するため
のn型半導体層を露出時のエッチングによって形成され
た端部から、約20μm程度離れる位置になるように形
成させる。図1のように、曲線状になったn側電極近傍
のp型半導体層の端部の形状に合わせて、それぞれの延
長部の起点からの長さが異なるように形成させる。。ま
た、このとき、n側オーミック電極も同時に形成させ
る。これにより同じ材料を用いて少ない工程で各電極を
形成させることができるが、材料が異なる場合は、別工
程で形成させてもよい。オーミック電極形成後、酸素を
含む窒素雰囲気中(酸素含有量1%)、600℃で10
分間アニールを行う。これにより、半導体層とオーミッ
ク接触させる。
【0064】(絶縁層)第一角部でp側オーミック電極
を形成しなかった部分及び、p側オーミック電極の上で
p側パッド電極の外周部と接続される部分を除く全面
に、にSiOよりなる絶縁層を膜厚5000Åで形成
させる。
【0065】(p側パッド電極、n側パッド電極)絶縁
層とその周辺のp側オーミック電極との上にp側パッド
電極(Ni/Au=1000/6000)を膜厚700
0Åで形成させる。また、n型半導体層からなるコンタ
クト層の表面のn側オーミック電極上にも、p側パッド
電極と同様にNi/Au(1000/6000)からな
るnパッド電極を形成する。同一の材料を用いることで
工程を少なくすることができる。しかし、異なる材料を
用いても何ら問題はない。パッド電極形成後、基板を約
80μmになるまで研磨する。このように研磨して基板
を薄くしておくことで、分割しやすくなる。出来上がっ
た半導体ウエハにスクライブラインを引いた後、外力に
より分割させて、図1に示すような本発明の半導体発光
素子を得る。得られた半導体発光素子は、Vfが3.5
V、発光出力が10mW、となり、電流値20mAでの
電力変換効率が約14.3%である。
【0066】[実施例2]実施例2は、p側オーミック
電極を、図2(a)に示すような形状とする以外は、実
施例1と同様に行い、本発明の半導体発光素子を得る。
得られた半導体発光素子は、Vfが3.5V、発光出力
が10mWとなり、電流値20mAでの電力変換効率が
約14.3%である。
【0067】[実施例3]実施例3は、p側オーミック
電極を、図2(b)に示すような形状とする以外は、実
施例1と同様に行い、本発明の半導体発光素子を得る。
得られた半導体発光素子は、Vfが3.5V、発光出力
が10mWとなり、電流値20mAでの電力変換効率が
約14.3%である。
【0068】[実施例4]実施例4は、p側オーミック
電極を、図2(c)に示すような形状とする以外は、実
施例1と同様に行い、本発明の半導体発光素子を得る。
得られた半導体発光素子は、Vfが3.5V、発光出力
が10mWとなり、電流値20mAでの電力変換効率が
約14.3%である。
【0069】[実施例5]実施例5は、p側オーミック
電極を、図2(d)に示すような形状とする以外は、実
施例1と同様に行い、本発明の半導体発光素子を得る。
得られた半導体発光素子は、Vfが3.5V、発光出力
が10mWとなり、電流値20mAでの電力変換効率が
約14.3%である。
【0070】[実施例6]実施例6は、p側オーミック
電極を、図2(e)に示すような形状とする以外は、実
施例1と同様に行い、本発明の半導体発光素子を得る。
得られた半導体発光素子は、Vfが3.5V、発光出力
が10mWとなり、電流値20mAでの電力変換効率が
約14.3%である。
【0071】[実施例7]実施例7は、p側オーミック
電極を、図2(f)に示すような形状とする以外は、実
施例1と同様に行い、本発明の半導体発光素子を得る。
得られた半導体発光素子は、Vfが3.5V、発光出力
が10mWとなり、電流値20mAでの電力変換効率が
約14.3%である。
【0072】[実施例8]実施例8は、p側オーミック
電極を、図2(g)に示すような形状とする以外は、実
施例1と同様に行い、本発明の半導体発光素子を得る。
得られた半導体発光素子は、Vfが3.5V、発光出力
が10mWとなり、電流値20mAでの電力変換効率が
約14.3%である。
【0073】[実施例9]実施例9は、p側オーミック
電極を、図2(h)に示すような形状とする以外は、実
施例1と同様に行い、本発明の半導体発光素子を得る。
得られた半導体発光素子は、Vfが3.5V、発光出力
が10mWとなり、電流値20mAでの電力変換効率が
約14.3%である。
【0074】[比較例1]p型窒化物半導体上のほぼ全
面にp側オーミック電極を透光性の電極として形成させ
た後に、その上の一部にp側パッド電極を形成させてあ
る。具体的には、エッチング後、p型半導体層の表面の
ほぼ全面を覆うように、膜厚110Åの透光性のp側オ
ーミック電極(Ni/Au=60/50)と、そのp側
オーミック電極の上に膜厚0.5μmのAuよりなるp
側パッド電極を半導体層の第一角部に形成する以外は実
施例1と同様に行い、半導体発光素子を得る。得られる
半導体発光素子のVfは3.5V、発光出力は8mW、
電流値20mAでの電力変換効率は約13.6%であ
る。p側パッド電極がp側オーミック電極上に形成され
ていることで、光の吸収が起こり、出力が低下している
ものと考えられる。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように、本発明ではp側オ
ーミック電極が、まず、p側パッド電極と直接接してい
る部分である第1の領域が、p側パッド電極から離れる
方向に延長するように設けられることで、半導体層の広
い範囲に電流を拡散させることができる。そして、その
広げられた第1の領域を起点としてn側電極に近づく方
向に延長するように設けられる第2の領域を設けること
で、電流の抵抗を低くして、効率よく電流が流れるよう
にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の一実施例に係わる半導体素子の
平面図である。 (b)図1(a)の構成を説明する平面図である。 (c)図1(a)の構成を説明する平面図である。 (d)図1(a)のX−Yにおける断面図である。
【図2】(a)〜(h)本発明のp側オーミック電極の
他の例を示す平面図である。
【図3】比較例に係わる半導体素子の平面図である。
【符号の説明】
1・・・p側オーミック電極 11・・・p側オーミック電極の第1の領域 12・・・p側オーミック電極の第2の領域 2・・・p側パッド電極 3・・・n側オーミック電極 4・・・n側パッド電極 5・・・絶縁層 101・・・基板 102・・・n型半導体層 103・・・活性層 104・・・p型半導体層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 n型半導体層とp型半導体層との間に活
    性層を有し、前記p型半導体層の表面にp側電極が設け
    られ、前記p型半導体層側からのエッチングによって一
    部が露出されたn型半導体層の表面にn側電極が設けら
    れている半導体発光素子であって、 前記p側電極は、前記p型半導体層とオーミック接続さ
    れたp側オーミック電極と、該p側オーミック電極の一
    部と電気的に接するよう設けられたワイヤボンディング
    用のp側パッド電極とからなり、 前記p側オーミック電極は、前記p側パッド電極と接
    し、一部がp側パッド電極から離れる方向に延長する延
    長部を有する第1の領域と、該第1の領域の延長部の一
    部を起点としてその延長部と異なる方向でかつ前記n側
    電極に近づく方向に延長する延長部からなる第2の領域
    とを有することを特徴とする半導体発光素子。
  2. 【請求項2】 前記第1の領域は、前記延長部を複数有
    している請求項1記載の半導体発光素子。
  3. 【請求項3】 前記第1の領域は、前記延長部の一部
    が、前記n側電極から離れる方向に延長する第2の延長
    部を有する請求項1又は請求項2記載の半導体発光素
    子。
  4. 【請求項4】 前記第2の領域は、前記第1の領域の1
    つの延長部に、複数の起点を有する延長部を有する請求
    項1乃至請求項3記載の半導体発光素子。
  5. 【請求項5】 前記第2の領域は、隣接する延長部と互
    いに離間している請求項4記載の半導体発光素子。
  6. 【請求項6】 前記p側オーミック電極は、前記活性層
    の面積をS(μm2)とし、前記p側オーミック電極の
    外周長の和をL(μm)とすると、L/S≧0.02で
    ある請求項1乃至請求項5記載の半導体発光素子。
  7. 【請求項7】 前記p側オーミック電極は、少なくとも
    Rhを含む請求項1乃至請求項6記載の半導体発光素
    子。
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JP2006261609A (ja) * 2005-03-18 2006-09-28 Mitsubishi Cable Ind Ltd GaN系発光ダイオードおよびそれを用いた発光装置
JP2011258974A (ja) * 2011-08-12 2011-12-22 Mitsubishi Chemicals Corp GaN系発光ダイオードおよびそれを用いた発光装置
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