JP2003257455A - 固体高分子型燃料電池セパレータシール用ゴム組成物及びこれを用いたシール材並びに固体高分子型燃料電池セパレータ - Google Patents
固体高分子型燃料電池セパレータシール用ゴム組成物及びこれを用いたシール材並びに固体高分子型燃料電池セパレータInfo
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Abstract
くとも片側周縁部をシールするシール用ゴム組成物であ
って、 (A)分子鎖の両末端がアルケニルジアルキルシロキシ
基、ジアルケニルアルキルシロキシ基又はトリアルケニ
ルシロキシ基で封鎖され、分子側鎖に珪素原子と結合す
る脂肪族不飽和1価炭化水素基を含まないオルガノポリ
シロキサン (B)分子側鎖に珪素原子と結合するアルケニル基を3
個以上含むオルガノポリシロキサン (C)Si−H基を3個以上有するオルガノハイドロジ
ェンポリシロキサン (D)ヒュームドシリカ (E)付加反応触媒 を含有する。 【効果】 本発明のゴム組成物を用いることにより、強
度に優れかつ圧縮永久歪も小さいシール材が得られる。
Description
して使用できる固体高分子型燃料電池のセパレータシー
ル用ゴム組成物及びこれを用いたシール材並びに固体高
分子型燃料電池セパレータに関する。
池は、資源の枯渇に留意する必要がある化石燃料を使用
する必要が殆どない上に、発電において騒音を殆ど発生
せず、エネルギーの回収率も他のエネルギー発生機関と
比べて高くできる等の優れた性質を持つために、ビルや
工場の比較的小型の発電プラントとして開発が進めら
れ、一部実用化している。中でも固体高分子燃料電池
は、他のタイプの燃料電池と比べて低温で作動するの
で、電池を構成する部品について材料面での腐食の心配
が少ないばかりか、低温作動の割に比較的大電流を放電
可能といった特徴をもち、家庭のコージェネレーション
用としてだけでなく、車載用の内燃機関の代替電源とし
ても注目を集めている。
の中で、セパレータは、一般に平板の両面又は片面に複
数の並行する溝を形成してなるもので、燃料電池セル内
のガス拡散電極で発生した電気を外部へ伝達すると共
に、発電の過程で前記溝中に生成した水を排水し、当該
溝を燃料電池セルへ流入する反応ガスの流通路として確
保するという役割を担っている。このような電池用のセ
パレータとしては、より小型化が要求され、また多数の
セパレータを重ね合わせて使用することから、シール材
としての厚みは通常2mm以下とかなり薄いシール形状
となるため、強度が優れ、かつ圧縮永久歪が小さくて長
期間使用できるセパレータシール材が要求されている。
種樹脂からなるシール材が検討されているが、成形性、
耐熱性、弾性に優れたシリコーンゴム製のパッキング材
が主に使用されている。シリコーンゴムとしては、特
に、より成形性に優れた付加硬化型のシリコーンゴム組
成物のゴム硬化物が用いられているが、一般のシリコー
ンゴムは、ゴム強度を重視すると圧縮永久歪が大きくな
ってしまい、圧縮永久歪を重視するとゴム強度が不十分
になってしまうという問題があった。
たもので、分子鎖の末端にのみ架橋官能基を持つオルガ
ノポリシロキサンと、分子側鎖にも架橋官能基を持つオ
ルガノポリシロキサンを一定の配合比で組み合わせるこ
とで、強度に優れかつ圧縮永久歪も小さい、燃料電池の
セパレータシール用途に優れた固体高分子型燃料電池セ
パレータシール用ゴム組成物及びこれを用いたシール材
並びに固体高分子型燃料電池セパレータを提供すること
を目的とする。
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結
果、(A)分子鎖の両末端が、アルケニルジアルキルシ
ロキシ基、ジアルケニルアルキルシロキシ基、トリアル
ケニルシロキシ基からなる群から選ばれる互いに同一又
は異種の基で封鎖され、分子側鎖に珪素原子と結合する
脂肪族不飽和1価炭化水素基を含まないオルガノポリシ
ロキサン、(B)一分子中に、分子側鎖に珪素原子と結
合するアルケニル基を3個以上含むオルガノポリシロキ
サン、(C)一分子中に珪素原子と結合する水素原子を
少なくとも3個有するオルガノハイドロジェンポリシロ
キサン、(D)比表面積が50〜400m2/gである
ヒュームドシリカ、(E)付加反応触媒を一定の割合で
含有するシリコーンゴム組成物を用いることにより、固
体高分子型燃料電池セパレータシール用途に優れた、強
度に優れかつ圧縮永久歪も小さいシール材が得られるこ
とを知見し、本発明をなすに至った。
セパレータの少なくとも片側周縁部をシールするシール
用ゴム組成物であって、 (A)分子鎖の両末端が、アルケニルジアルキルシロキシ基、ジアルケニルアル キルシロキシ基、トリアルケニルシロキシ基からなる群から選ばれる互いに同一 又は異種の基で封鎖され、分子側鎖に珪素原子と結合する脂肪族不飽和1価炭化 水素基を含まないオルガノポリシロキサン 70〜95重量部 (B)一分子中に、分子側鎖に珪素原子と結合するアルケニル基を3個以上含む オルガノポリシロキサン 5〜30重量部 (C)一分子中に珪素原子と結合する水素原子を少なくとも3個有するオルガノ ハイドロジェンポリシロキサン (A)、(B)成分の合計100重量部に対し、0.5〜20重量部 (D)比表面積が50〜400m2/gであるヒュームドシリカ (A)、(B)成分の合計100重量部に対し、10〜40重量部 (E)付加反応触媒 触媒量 を含有することを特徴とする固体高分子型燃料電池セパ
レータシール用ゴム組成物及びこれを硬化させてなる固
体高分子型燃料電池セパレータシール材を提供する。
ル用ゴム組成物にあっては、特に、(A)成分のオルガ
ノポリシロキサンの(重量)平均重合度が200〜20
00で、かつ珪素原子に結合する全有機基(即ち、非置
換又は置換1価炭化水素基)の90モル%以上がメチル
基であることが好ましく、また、(A)成分のアルケニ
ル基含有量が0.00012モル/g未満、(B)成分
のアルケニル基含有量が0.00012モル/g以上で
あることが好ましい。更に、(A)成分及び(B)成分
中のアルケニル基の総量と(C)成分中の珪素原子と結
合する水素原子の総量とのモル比が、珪素原子と結合す
る水素原子/アルケニル基=0.8〜5.0の範囲であ
ることが好ましい。
パレータとして、金属薄板、又は導電性粉末とバインダ
ーとを含む基材の少なくとも片面の周縁部に、シール部
として上記ゴム組成物を圧縮成型、注入成型、射出成
型、トランスファー成型、ディッピング、コーティング
又はスクリーン印刷し硬化させてなる固体高分子型燃料
電池セパレータを提供する。
本発明の(A)成分の分子鎖の両末端がアルケニルジア
ルキルシロキシ基、ジアルケニルアルキルシロキシ基、
トリアルケニルシロキシ基からなる群から選ばれる互い
に同一又は異種の基で封鎖され、分子側鎖(即ち、主鎖
を構成する2官能性シロキサン単位のケイ素原子に結合
した非置換又は置換の1価炭化水素基として)に珪素原
子と結合する脂肪族不飽和1価炭化水素基を含まないオ
ルガノポリシロキサンは、下記一般式(I)で示される
ものを用いることができる。
又は異種の炭素数1〜10、好ましくは1〜8の置換又
は非置換の一価炭化水素基であり、R2、R3はそれぞれ
同一又は異種の炭素数1〜10、好ましくは1〜8の置
換又は非置換の一価炭化水素基であり、それぞれ少なく
とも1個はアルケニル基である。aは200〜200
0、好ましくは250〜1500の範囲の整数であ
る。)
換の一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、
tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘ
キシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、
デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシ
リル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェ
ニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基
や、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭
素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したも
の、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモ
エチル基、トリフロロプロピル基、シアノエチル基等が
挙げられる。
置換一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、
tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘ
キシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、
デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシ
リル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェ
ニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、
ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル
基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、
オクテニル基等のアルケニル基や、これらの基の水素原
子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原
子、シアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル
基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプ
ロピル基、シアノエチル基等が挙げられるが、R2、R3
は、それぞれ少なくとも1個はアルケニル基であり、ア
ルケニル基としては、炭素数2〜8のものが好ましく、
更に好ましくは2〜6であり、特に、ビニル基が好まし
い。
アルケニル基の含有量は、0.00012モル/g未
満、特に、1.0×10-6モル/g〜1.0×10-4モ
ル/gであることが好ましい。アルケニル基の量が1.
0×10-6モル/g未満だと、ゴム硬度が低く十分なシ
ール性が得られなくなるおそれがあり、0.00012
モル/g以上だと、分子鎖長が短く架橋密度が高くなり
すぎて、脆いゴムとなってしまう場合がある。
(R1,R2,R3で表される非置換又は置換1価炭化水
素基の合計)の90モル%以上がメチル基であることが
好ましい。また、(A)成分のオルガノポリシロキサン
の(重量)平均重合度は、200〜2000、特に25
0〜1500であることが好ましい。(重量)平均重合
度が200未満だと、シール材として十分なゴム弾性が
得られない場合があり、2000を超えると、粘度が高
すぎてシールの成形が困難になる場合がある。
(即ち、主鎖を構成するジオルガノシロキサン単位のケ
イ素原子に結合した非置換又は置換の1価炭化水素基と
して)に珪素原子と結合するアルケニル基を3個以上含
むオルガノポリシロキサンとしては、下記一般式(I
I)で示されるものを用いることができる。
又は異種の炭素数1〜10、好ましくは1〜8の置換又
は非置換の一価炭化水素基である。R5はアルケニル基
である。R6は互いに同一又は異種の炭素数1〜10、
好ましくは1〜8の置換又は非置換の一価炭化水素基で
ある。n+mは20〜3000、好ましくは30〜20
00の整数で、3≦m<nである。)
(A)成分のR2,R3と同じものが具体例として挙げら
れる。
8のものが好ましく、特に2〜6が好ましく、R2,R3
で例示したものと同様のものが具体例として挙げられ
る。その中でも特に、ビニル基が好ましい。オルガノポ
リシロキサン中のアルケニル基の含有量は、0.000
12mol/g以上、特に、0.00015〜0.00
30mol/gであることが好ましい。アルケニル基の
量が0.00012mol/gより少ないと(A)成分
との併用による効果がなくゴム強度が不十分になってし
まう場合があり、0.0030mol/gより多いと圧
縮永久歪が著しく低下してしまうおそれがある。
個以上、好ましくは4個以上100個未満であり、2個
以下ではゴム強度が不十分であり、100以上では、圧
縮永久歪に悪影響を与えてしまう場合がある。また、
(重量)平均重合度については20〜3000、特に3
0〜2000で、常温で液状であるものが好ましい。
(重量)平均重合度が20未満では、十分なゴム強度が
得られない場合があり、3000を超えると、配合が困
難になったり、射出等の成形も困難になる場合がある。
シロキサンの構造は、基本的には直鎖状構造を有するこ
とが好ましいが、部分的には分岐状の構造、環状構造な
どであってもよい。
(A)成分95重量部に対し(B)成分5重量部から、
(A)成分70重量部に対し(B)成分30重量部の範
囲が好ましく、(B)成分が5重量部未満では十分なゴ
ム強度が得られない場合があり、30重量部を超えると
圧縮永久歪が悪くなってしまう場合がある。
と結合する水素原子(Si−H基)を少なくとも3個有
するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、分子中
のSi−H基が、(A)及び(B)成分中の珪素原子に
結合したアルケニル基とヒドロシリル付加反応により架
橋し、組成物を硬化させるための架橋剤として作用する
ものである。
ポリシロキサンとしては、下記平均組成式(III) R7 bHcSiO(4-b-c)/2 (III) (式中、R7は互いに同一又は異種の炭素数1〜10、
好ましくは1〜8の置換又は非置換の一価炭化水素基で
ある。また、bは0.7〜2.1、cは0.001〜
1.0、かつb+c=0.8〜3.0を満足する正数で
ある。)で示され、一分子中に少なくとも3個(通常、
3〜300個)、好ましくは3〜100個、より好まし
くは3〜50個の珪素原子に結合した水素原子を有する
ものが好適に用いられる。
水素基としては、前述のR2で例示したものと同様のも
のを挙げることができるが、アルケニル基等の脂肪族不
飽和結合を有しないものが好ましい。また、bは好まし
くは0.8〜2.0、cは好ましくは0.01〜1.
0、b+cは好ましくは1.0〜2.5である。
サンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網目
状のいずれの構造であってもよく、一分子中の珪素原子
の数(又は重合度)が2〜300(個)、特に4〜15
0(個)程度の室温(25℃)で液状(通常、25℃で
1000mPa・s以下、好ましくは0.1〜500m
Pa・s程度)のものが好適に用いられる。
鎖末端、分子鎖の途中のいずれに位置していてもよく、
両方に位置するものであってもよい。
ポリシロキサンとしては、両末端トリメチルシロキシ基
封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリ
メチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイ
ドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイド
ロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末
端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロ
キサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両
末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシ
ロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリ
メチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン
・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合
体、(CH3)2HSiO1/2単位とSiO4/2単位とから
なる共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位とSiO4/2
単位と(C6H5)SiO3/2単位とからなる共重合体な
どが挙げられる。
ェンポリシロキサンの配合量は、(A)、(B)成分の
合計100重量部に対し、0.5〜20重量部、好まし
くは1.0〜15重量部であるが、特に、(A)及び
(B)成分中のアルケニル基の総量と(B)成分中の珪
素原子と結合する水素原子(Si−H基)の総量とのモ
ル比が、珪素原子と結合する水素原子(Si−H基)/
アルケニル基=0.8〜5.0、特に1.0〜3.0に
なるように配合することが好ましい。この比が0.8未
満であったり、5.0を超えると、得られるゴム硬化物
の圧縮永久歪が大きくなって、シール性が不十分となっ
てしまう場合がある。
は、シリコーンゴムに十分な強度を与え、優れたシール
性を得るために必須なものである。ヒュームドシリカの
BET法による比表面積は、50〜400m2/g、特
に、100〜350m2/gが好ましい。50m2/g未
満だと、十分な強度が得られなくなっていまい、400
m2/gより大きいと、配合が困難になったり、圧縮永
久歪が悪くなったりしてしまう。
もかまわないが、表面疎水化処理剤で予め処理したもの
を使用したり、あるいはシリコーンオイルとの混練時に
表面処理剤を添加して処理することにより使用すること
が好ましい。これら表面処理剤としては、アルキルアル
コキシシラン、アルキルクロロシラン、アルキルシラザ
ン、シランカップリング剤、チタネート系処理剤、脂肪
酸エステル等が挙げられ、一種で用いてもよく、また2
種以上を同時または異なるタイミングで用いてもよい。
は、(A)、(B)成分の合計100重量部に対し、1
0〜40重量部、特に15〜35重量部であることが好
ましい。配合量が10重量部未満だと十分なゴム強度が
得られず、また40重量部を超えると、圧縮永久歪が高
くなってしまう。
(A)成分及び(B)成分のオルガノポリシロキサンの
アルケニル基と(C)成分のオルガノハイドロジェンポ
リシロキサンの珪素原子に結合した水素原子(Si−H
基)とを付加反応させるための触媒である。付加反応触
媒としては、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化
白金酸と一価アルコ−ルとの反応物、塩化白金酸とオレ
フィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金
系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒などの白金
族金属系触媒が挙げられるが、特に白金系触媒が好まし
い。
よく、触媒量であり、通常、(A)成分及び(B)成分
の合計に対して白金族金属重量として、0.5〜100
0ppm、特に1〜500ppm程度が好ましい。1p
pm未満では付加反応が十分促進されず、硬化が不十分
となる場合があり、1000ppmを超えると、反応性
に対する効果が変わらなくなる場合があり、不経済とな
るおそれがある。
として、必要に応じて沈降シリカ、石英粉、珪藻土、炭
酸カルシウムのような充填剤や、カ−ボンブラック、導
電性亜鉛華、金属粉等の導電剤、窒素含有化合物やアセ
チレン化合物、リン化合物、ニトリル化合物、カルボキ
シレート、錫化合物、水銀化合物、硫黄化合物等のヒド
ロシリル化反応制御剤、酸化鉄、酸化セリウムのような
耐熱剤、ジメチルシリコ−ンオイル等の内部離型剤、接
着性付与剤、チクソ性付与剤等を配合することも可能で
ある。
付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物からなる
ものであり、該シリコーンゴム組成物を公知の方法で硬
化して、固体高分子型燃料電池セパレータのシーリング
に使用する。
レータ用シール材を得る方法として、具体的には、上記
シリコーンゴム組成物を圧縮成型、注入成型、射出成型
などによりシール形状に成型してセパレータと組み合わ
せる方法や、ディッピング、コーティング、スクリーン
印刷、インサート成型などによりセパレータとシール材
が一体化したものとして得る方法などがある。なお、こ
れらの硬化条件としては、温度100〜300℃で10
秒〜30分の範囲が好ましい。
としては、金属薄板、又は導電性粉末及びバインダーと
共に一体成型された基材が好適に用いられ、このセパレ
ータ基材に上述の方法でシール材を形成することによ
り、本発明の固体高分子型燃料電池セパレータを得るこ
とができる。
黒鉛等の天然黒鉛、人造黒鉛、アセチレンブラック、ケ
ッチェンブラック等に代表される導電性カーボンブラッ
ク等を挙げることができるが、導電性粉末であれば特に
限定されるものではない。また、バインダーの種類とし
ては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ゴム変性フェノ
ール樹脂などが挙げられる。
レータの一例を示す。本発明においては、セパレータ基
材の周縁部にゴム組成物を圧縮成型、注入成型、射出成
型、トランスファー成型、ディッピング、コーティング
又はスクリーン印刷により形成して硬化させることによ
り、図1に示すような、シリコーンゴム組成物の硬化物
をシール部として用いた、基材1の周縁部に周方向に沿
ってリング状にシール部(シール材)2を形成した固体
高分子型燃料電池セパレータを得ることができる。な
お、図中3はガス流路を示す。
2mmの範囲が好ましい。0.1mm未満ではシール材
の形成がしにくい場合があり、シールが有効でなくなる
おそれがあり、2mmを超えると小型化しづらくなる場
合がある。
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。尚、平均重合度は重量平均重合度を意味
する。
キシ基で封鎖された平均重合度が500のジメチルポリ
シロキサン(ビニル基含有量:0.000055mol
/g)(1)40重量部、両末端がトリメチルシロキシ
基で封鎖され、一分子あたり平均6個の分子側鎖に結合
したビニル基を有する平均重合度が150でビニル基含
有量が0.00055mol/gであるジメチルポリシ
ロキサン(2)20重量部、比表面積が200m2/g
であるヒュームドシリカ(日本アエロジル社製、アエロ
ジル200)35重量部、ヘキサメチルジシラザン6重
量部、水2.0重量部を室温で30分混合後、150℃
に昇温し、3時間撹拌後冷却し、シリコーンゴムベース
を得た。
ジメチルポリシロキサン(1)を60重量部を入れ、3
0分撹拌を続けた後、更に架橋剤として両末端及び側鎖
にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキ
サン(3)(重合度20、Si−H量0.0060mo
l/g)を4.1重量部[Si−H基/ビニル基=1.
5]、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール
0.05重量部を添加し、15分撹拌して混合物を得
た。
(Pt濃度1%(重量%、以下同様))0.1重量部を
混合してシリコーンゴム組成物を得、120℃/10分
のプレスキュアにより硬化させ、更に200℃のオーブ
ンで4時間ポストキュアさせたものを、JISK624
9に基づいて、硬さ、引張り強度、切断時伸び、引き裂
き強度、圧縮永久歪を測定した結果を表1に示した。
キシ基で封鎖された平均重合度が750のジメチルポリ
シロキサン[ビニル基含有量:0.000072mol
/g](4)80重量部、表面を疎水化処理された比表
面積が260m2/gであるヒュームドシリカ(トクヤ
マ製、レオロシールDM30S)30重量部、ヘキサメ
チルジシラザン5重量部、水1.0重量部を室温で30
分混合後、150℃に昇温し、3時間撹拌後冷却し、シ
リコーンゴムベースを得た。
に、両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖され、一
分子あたり平均14個の分子側鎖にビニル基を有する平
均重合度が250でビニル基含有量が0.00089m
ol/gであるジメチルポリシロキサン(5)15重量
部を入れ、30分撹拌を続けた後、更に架橋剤として両
末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェ
ンポリシロキサン(3)(重合度20、Si−H量0.
0060mol/g)を6.4重量部[Si−H基/ビ
ニル基=2.0]、反応制御剤としてエチニルシクロヘ
キサノール0.05重量部を添加し、15分撹拌して混
合物を得た。
濃度1%)0.1重量部を混合してシリコーンゴム組成
物を得、120℃/10分のプレスキュアにより硬化さ
せ、更に200℃のオーブンで4時間ポストキュアさせ
たものを、JISK6249に基づいて、硬さ、引張り
強度、切断時伸び、引き裂き強度、圧縮永久歪を測定し
た結果を表1に示した。
キシ基で封鎖された平均重合度が500のジメチルポリ
シロキサン[ビニル基含有量:0.000055mol
/g](1)60重量部、比表面積が200m2/gで
あるヒュームドシリカ(日本アエロジル社製、アエロジ
ル200)35重量部、ヘキサメチルジシラザン6重量
部、水2.0重量部を室温で30分混合後、150℃に
昇温し、3時間撹拌後冷却し、シリコーンゴムベースを
得た。
ジメチルポリシロキサン(1)を60重量部入れ、30
分撹拌を続けた後、更に架橋剤として両末端及び側鎖に
Si−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサ
ン(3)(重合度20、Si−H量0.0060mol
/g)を1.7重量部[Si−H基/ビニル基=1.
5]、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール
0.05重量部を添加し、15分撹拌して混合物を得
た。
濃度1%)0.1重量部を混合してシリコーンゴム組成
物を得、120℃/10分のプレスキュアにより硬化さ
せ、更に200℃のオーブンで4時間ポストキュアさせ
たものを、JISK6249に基づいて、硬さ、引張り
強度、切断時伸び、引き裂き強度、圧縮永久歪を測定し
た結果を表1に示した。
キシ基で封鎖された平均重合度が750のジメチルポリ
シロキサン[ビニル基含有量:0.000072mol
/g](4)50重量部、両末端がジメチルビニルシロ
キシ基で封鎖された平均重合度が250でビニル基含有
量が0.00089mol/gである実施例2のジメチ
ルポリシロキサン(5)30重量部、表面を疎水化処理
された比表面積が260m2/gであるヒュームドシリ
カ(トクヤマ製、レオロシールDM30S)30重量
部、ヘキサメチルジシラザン5重量部、水1.0重量部
を室温で30分混合後、150℃に昇温し、3時間撹拌
後冷却し、シリコーンゴムベースを得た。
に、ジメチルポリシロキサン(5)15重量部を入れ、
30分撹拌を続けた後、更に架橋剤として両末端及び側
鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロ
キサン(3)(重合度20、Si−H基量0.0060
mol/g)を14.5重量部[Si−H基/ビニル基
=2.0]、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノ
ール0.05重量部を添加し、15分撹拌して混合物を
得た。
濃度1%)0.1重量部を混合してシリコーンゴム組成
物を得、120℃/10分のプレスキュアにより硬化さ
せ、更に200℃のオーブンで4時間ポストキュアさせ
たものを、JISK6249に基づいて、硬さ、引張り
強度、切断時伸び、引き裂き強度、圧縮永久歪を測定し
た結果を表1に示した。
キシ基で封鎖された平均重合度が500のジメチルポリ
シロキサン[ビニル基含有量:0.000055mol
/g](1)60重量部、比表面積が200m2/gで
あるヒュームドシリカ(日本アエロジル社製、アエロジ
ル200)35重量部、ヘキサメチルジシラザン6重量
部、水2.0重量部を室温で30分混合後、150℃に
昇温し、3時間撹拌後冷却し、シリコーンゴムベースを
得た。
両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖され、一分子
あたり平均1個の分子側鎖にビニル基を有する平均重合
度が200のジメチルポリシロキサン[ビニル基含有
量:0.00020mol/g](6)20重量部、ジ
メチルポリシロキサン(1)を20重量部入れ、30分
撹拌を続けた後、更に架橋剤として両末端及び側鎖にS
i−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン
(3)(重合度20、Si−H量0.0060mol/
g)を2.1重量部[Si−H基/ビニル基=1.
5]、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール
0.05重量部を添加し、15分撹拌して混合物を得
た。
濃度1%)0.1重量部を混合してシリコーンゴム組成
物を得、120℃/10分のプレスキュアにより硬化さ
せ、更に200℃のオーブンで4時間ポストキュアさせ
たものを、JISK6249に基づいて、硬さ、引張り
強度、切断時伸び、引き裂き強度、圧縮永久歪を測定し
た結果を表1に示した。
り、強度に優れかつ圧縮永久歪も小さいシール材が得ら
れる。このシール材は、固体高分子型燃料電池のセパレ
ータシール材として有用である。
の一例を示す平面図である。
の一例を示す断面図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 固体高分子型燃料電池セパレータの少な
くとも片側周縁部をシールするシール用ゴム組成物であ
って、 (A)分子鎖の両末端が、アルケニルジアルキルシロキシ基、ジアルケニルアル キルシロキシ基、トリアルケニルシロキシ基からなる群から選ばれる互いに同一 又は異種の基で封鎖され、分子側鎖に珪素原子と結合する脂肪族不飽和1価炭化 水素基を含まないオルガノポリシロキサン 70〜95重量部 (B)一分子中に、分子側鎖に珪素原子と結合するアルケニル基を3個以上含む オルガノポリシロキサン 5〜30重量部 (C)一分子中に珪素原子と結合する水素原子を少なくとも3個有するオルガノ ハイドロジェンポリシロキサン (A)、(B)成分の合計100重量部に対し、0.5〜20重量部 (D)比表面積が50〜400m2/gであるヒュームドシリカ (A)、(B)成分の合計100重量部に対し、10〜40重量部 (E)付加反応触媒 触媒量 を含有することを特徴とする固体高分子型燃料電池セパ
レータシール用ゴム組成物。 - 【請求項2】 (A)成分のオルガノポリシロキサンの
平均重合度が200〜2000で、かつ珪素原子に結合
する全有機基の90モル%以上がメチル基であることを
特徴とする請求項1記載の固体高分子型燃料電池セパレ
ータシール用ゴム組成物。 - 【請求項3】 (A)成分のアルケニル基含有量が0.
00012モル/g未満、(B)成分のアルケニル基含
有量が0.00012モル/g以上であることを特徴と
する請求項1又は2記載の固体高分子型燃料電池セパレ
ータシール用ゴム組成物。 - 【請求項4】 (A)成分及び(B)成分中のアルケニ
ル基の総量と(C)成分中の珪素原子と結合する水素原
子の総量とのモル比が、珪素原子と結合する水素原子/
アルケニル基=0.8〜5.0の範囲であることを特徴
とする請求項1〜3のいずれか1項記載の固体高分子型
燃料電池セパレータシール用ゴム組成物。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項記載のゴム
組成物の硬化物からなる固体高分子型燃料電池セパレー
タシール材。 - 【請求項6】 金属薄板、又は導電性粉末とバインダー
とを含む基材の少なくとも片面の周縁部に、シール部と
して請求項1〜4のいずれか1項記載のゴム組成物を圧
縮成型、注入成型、射出成型、トランスファー成型、デ
ィッピング、コーティング又はスクリーン印刷し、硬化
させてなる固体高分子型燃料電池セパレータ。
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