JP2003255489A - 記録・表示媒体 - Google Patents
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Abstract
材料として含有する組成物よりなる記録層を備え、多数
回にわたって情報の記録と消去とを繰り返すことがで
き、記録された情報の安定性および保存性に優れ、しか
も、記録されている情報の消去を短時間で行うことがで
きる記録表示媒体を提供する。 【解決手段】 記録表示媒体は、記録層を有する記録表
示媒体において、記録層が、特定のジアリールエテン化
合物よりなるフォトクロミック材料を含有する組成物に
より構成されていることを特徴とする。
Description
化合物よりなるフォトクロミック材料を含有する組成物
により構成されている記録層を有する記録・表示媒体に
関する。
された情報を消去した後に新たな情報を記録することが
可能な記録・表示媒体としては、フォトクロミック材料
を構成部材として用いることが検討されている。
より化学結合状態の異なる2つの異性体を可逆的に生成
する分子または分子集合体を含むフォトクロミック反応
特性を有する材料であって、異性体によって吸収スペク
トルあるいは屈折率が変化するものである。このような
フォトクロミック材料は、典型的には、可視域に吸収を
有さない無色の構造体に紫外線を照射すると、可視域の
特定領域に吸収を有する着色構造体に変化し、この着色
構造体に可視光を照射することによって無色の構造体に
戻るという特性を示すものであることから、このような
特性を利用した製品の研究開発が行われている。
ピロピラン化合物、アゾベンゼン化合物、フルギド化合
物、ジアリールエテン化合物などよりなるものが知られ
ているが、これらのうち、ジアリールエテン化合物は、
フォトクロミック反応の繰り返し耐久性に優れているも
のであることから、実用上、記録・表示媒体などの構成
部材に有用なものとして注目されている。
ルエテン化合物は、無色の構造体である開環体が紫外線
を吸収することにより、特有の光閉環反応を生じて可視
域に吸収を有する閉環体となり、吸収波長領域に応じた
特有の色を呈する着色構造体となるものである。
エテン化合物について研究を重ねた結果、特定の構造を
有するジアリールエテン化合物の着色構造体が可視光に
より光退色しにくく、なおかつ熱開環反応することを見
出したことによって完成されたものであって、その目的
は、ジアリールエテン化合物をフォトクロミック材料と
して含有する組成物よりなる記録層を備え、多数回にわ
たって情報の記録と消去とを繰り返すことができ、記録
された情報の安定性および保存性に優れ、しかも、記録
されている情報の消去を短時間で行うことができる記録
・表示媒体を提供することにある。
は、記録層を有する記録・表示媒体において、記録層
が、下記一般式(i)で表されるジアリールエテン化合
物よりなるフォトクロミック材料を含有する材料により
構成されていることを特徴とする。
もよく、それぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素
数3以上の分岐または環状炭化水素基を示す。〕
層に紫外線を照射することによって情報が記録され、当
該記録された情報が、記録層を加熱することによって消
去される。
する。本発明の記録・表示媒体は、上記一般式(i)で
表される酸素原子を含む特性基(以下、単に「OR基」
ともいう。)を2個有するジアリールエテン化合物より
なるフォトクロミック材料(以下、「特定のフォトクロ
ミック材料」ともいう。)を含有する組成物によって構
成されている記録層を有するものである。
しては、基板と、この基板上に形成された、特定のフォ
トクロミック材料を含有する組成物(以下、「フォトク
ロミック材料含有組成物」ともいう。)よりなるフィル
ム状の記録層とにより構成されており、例えば基板の両
面、あるいは基板の片面に記録層が形成されてなるもの
である。ここで、記録層の厚みは、通常、0.01μm
〜3.0mmである。
するフォトクロミック材料含有組成物は、樹脂バインダ
ーと、これに含有された特定のフォトクロミック材料よ
りなるものである。なお、フォトクロミック材料含有組
成物は、必要に応じて任意の添加剤が添加されてなるも
のであってもよい。
樹脂、ポリスチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビ
ニル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリメチル
メタクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、フェノー
ル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂や、アクリル系樹
脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、オキセタン系樹
脂、ノルボルネン系樹脂などの紫外線硬化樹脂などが挙
げられる。これらの樹脂バインダーは、単独でまたは2
種以上を組み合わせて用いることができる。
クロミック材料の含有割合は、バインダー樹脂100質
量%に対して、0.1〜50質量%、特に1〜10質量
%であることが好ましい。
アリールエテン化合物を表す一般式(i)において、R
1 およびR2 は、それぞれ独立に置換基を有していても
よい炭素数3以上の分岐または環状炭化水素基を示す。
炭化水素基R1 および炭化水素基R2 は、各々、異なっ
たものであってもよいが、同一のものであることが好ま
しい。炭化水素基R1 および炭化水素基R2 は、炭素数
が3〜12のものであることが好ましく、特に炭素数が
3〜6のものであることが好ましい。
ましい具体例としては、例えばイソプロピル基、イソブ
チル基、イソペンチル基などの分岐構造を有するアルキ
ル基、シクロヘキシル基、置換シクロヘキシル基などの
環状アルキル基が挙げられる。
テン化合物は、式(A)に示すように、無色あるいは薄
黄色の構造体である開環体と、青色を呈する着色構造体
である閉環体とに可逆的に変化する。この開環体と閉環
体との可逆的な変化、すなわち、ジアリールエテン化合
物に係る呈色および退色は、繰り返し行うことができ
る。
は、200〜400nmの波長領域の紫外線が照射され
ることにより、各々OR基が結合している2つの炭素原
子が結合して環化し、これによって閉環体に変化して呈
色し、一方、着色構造体である閉環体は、可視光が遮光
された暗所において、常温では高い構造安定性を有する
ものであるが、高温に加熱することによって、6員環に
係るOR基の各々が結合している2つの炭素原子間の結
合が切断して開環し、これによって開環体に変化して退
色する。着色構造体である閉環体は、450〜750n
mの波長領域の可視光を照射することによっても開環体
に変化させることができるが、加熱による変化に要する
時間に比して、変化に要する可視光照射時間が極めて大
きくなる。
もよく、それぞれ独立に置換基を有していてもよい炭化
水素基を示す。〕
構成するジアリールエテン化合物は、例えば反応式
(1)のようにして合成することができる。この反応式
(1)は、一般式(i)のR1 およびR2 が同一の炭化
水素基Xを示すジアリールエテン化合物を合成するため
の例である。
れる2位にOR基を有するジブロモチオフェン化合物
(1)と、ヨードベンゼンとを反応させることにより、
ヨウ素原子が解離したヨードベンゼンの残基と、1個の
臭素原子が解離したジブロモチオフェン化合物(1)の
残基とが結合することによって中間生成物(1)が得ら
れ、この中間生成物(1)と、ペルフルオロシクロペン
テンとを反応させることにより、中間生成物(1)に係
る臭素原子と、ペルフルオロシクロペンテンに係る水素
原子とにおいて解離および結合がなされる結果、目的の
ジアリールエテン化合物(1)が合成される。
炭素数3以上の分岐または環状炭化水素基を示す。〕
化水素基を示すジアリールエテン化合物は、反応式
(1)におけるジブロモチオフェン化合物(1)の炭化
水素基Xが、目的のジアリールエテン化合物に係る炭化
水素基R1 および炭化水素基R2の各々に対応する炭化
水素基である2種のジブロモチオフェン化合物を反応に
供することによって合成することができる。
ル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタ
レート系樹脂、ポリエチレンナフタレート系樹脂、ポリ
カーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系
樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、アクリロニトリルブタジ
エンスチレン(ABS)系樹脂、アクリロニトリルスチ
レン(AS)系樹脂、シクロオレフィン系樹脂などの熱
可塑性樹脂、ガラス、紙などよりなるものを用いること
ができる。
えば以下のようにして形成される。先ず、特定のフォト
クロミック材料を樹脂バインダーと共に、有機溶剤に溶
解または分散させたフォトクロミック材料含有組成物溶
液を調製する。そして、基材の表面おいて、調製したフ
ォトクロミック材料含有組成物溶液をフィルム成形用金
型内に注入し、このフィルム成形用金型内に形成された
溶液層に対して固化処理を行うことによって基材上にフ
ィルム状の記録層が形成される。
製するための有機溶剤としては、ベンゼン、トルエン、
ヘキサン、シクロヘキサン、メチルエチルケトン、アセ
トン、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、
ジオキサン、四塩化炭素、クロロホルムなどが挙げられ
る。これらの有機溶剤は、単独でまたは2種以上を組み
合わせて用いることができる。有機溶剤の使用割合は、
通常、特定のフォトクロミック材料100質量部に対し
て、1〜10質量部となる割合である。
ては、例えばキセノンランプ、水銀ランプ、ハロゲンラ
ンプ、LED、レーザーなどを用い、記録層に集束した
紫外線を、通常、100マイクロ秒(μs)間以上照射
する方法により、この照射に係る部分が着色されること
によって情報が記録され、その記録された情報は、着色
状態の変化として表示される。一方、記録・表示媒体に
記録された情報は、ホットプレート、ヒートローラー、
赤外線ランプなどを用い、記録層の全体を高温で加熱処
理する方法によって消去される。そして、加熱処理によ
って情報が消去された記録・表示媒体には、再び記録層
に紫外線を照射することによって情報を記録することが
できる。
においては、その加熱温度は記録層を構成する特定のフ
ォトクロミック材料の種類などによって異なるが、通
常、100℃以上であることが好ましい。
消去するために要する時間を小さくすることができる。
具体的には、例えば記録層が一般式(i)のR1 および
R2 がシクロヘキシル基を示すジアリールエテン化合物
よりなる特定のフォトクロミック材料を含有する組成物
によって構成されたものである場合には、140℃の加
熱温度では半減期が6分以上であるが、160℃の加熱
温度では半減期が45秒である。
用いるジアリールエテン化合物を適宜に選択することに
より、記録・表示媒体における記録した情報の保存可能
時間および情報を消去するために要する時間を、その使
用目的に応じたものとすることが可能である。具体的に
は、例えば記録層を構成する組成物に係るジアリールエ
テン化合物を表す一般式(i)のR1 およびR2 がアル
キル基である場合には、その炭素数が大きくなるに従っ
て保存可能時間は小さくなるが、情報を消去するために
要する時間が小さくなる傾向がある。
は、情報の記録と消去とを繰り返し行うことができる。
該記録・表示媒体の記録層が特定のフォトクロミック材
料を含有する組成物により構成されており、この特定の
フォトクロミック材料を構成するジアリールエテン化合
物が、かさ高いOR基を有していることから、その着色
構造体が常温では高い構造安定性を有する一方、加熱処
理することによって速やかに無色の構造体に変化するも
のであるため、加熱処理による優れた退色性を有するも
のであることから、温度条件を制御することにより、紫
外線を照射することによって記録した情報の保存および
消去を選択的に行うことができ、これにより、記録され
た情報の安定性および保存性が優れたものとなり、しか
も、記録されている情報の消去を短時間で行うこともで
きる。
定のフォトクロミック材料を構成するジアリールエテン
化合物がフォトクロミック反応の繰り返し耐久性に優れ
ているものであるため、多数回にわたって情報の記録と
消去とを繰り返すことができる。
可能な記録表示カード、リライタブルペーパー、リライ
ト表示ボード、リライトホワイトボード、リライトカー
ド、リライトディスプレー、リライトOHPシート、リ
ライトフォトマスクなどとして好適に使用することがで
きる。
したが、本発明においては、種々の変更を加えることが
できる。例えば記録・表示媒体は、例えばガラスセルな
どの容器と、この容器内に形成された、特定のフォトク
ロミック材料に係る記録層とよりなる構成のものであっ
てもよい。この記録・表示媒体の記録層は、特定のフォ
トクロミック材料を前述の有機溶媒に溶解することによ
って得られる記録層用溶液を、ガラスセルなどに封入す
ることによって形成することができる。
液を基材の表面に塗布し、得られた塗膜に対して有機溶
剤の除去処理を行うことによって形成されたものであっ
てもよい。フォトクロミック材料含有組成物溶液を塗布
する手段としては、例えばスピンコート法、ディッピン
グ法、ロールコート法などを利用することができる。
ク材料含有組成物を成形することによって形成される基
材と記録層とを兼ね備えてなるもの、あるいは、成形体
上に成形されたフォトクロミック材料含有組成物よりな
るフィルムを積層することによって形成されたものであ
ってもよい。
本発明はこれらにより限定されるものではない。
ポキシチオフェン3.5g(24mmol)と、ジクロ
ロメタン48ミリリットルとよりなる温度0℃の溶液
に、N−ブロモスクシンイミド(NBS)8.5g(4
8mmol)をゆっくりと加え、この系を室温で終夜撹
拌した後、氷水槽によって冷却して濾過し、得られた濾
液を中和してからクロロホルム抽出を行って抽出物を硫
酸マグネシウムで乾燥し、この硫酸マグネシウムを濾別
することによって濃縮された反応生成物を、ヘキサンを
溶離液としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによ
って精製することにより、淡黄色のオイルであり、反応
式(1)のジブロモチオフェン化合物(1)においてX
がイソプロピル基を示す化学式で表される2,4−ジブ
ロモ−5−イソプロポキシチオフェンを得た。
2−イソプロポキシチオフェン3.5g(24mol)
に代えて、下記の合成例によって得られた2−シクロヘ
キシルオキシチオフェン0.60g(3.3mmol)
を用いたこと以外はジブロモチオフェン化合物の合成例
1と同様にして薄黄色のオイルであり、反応式(1)の
ジブロモチオフェン化合物(1)においてXがシクロヘ
キシル基を示す化学式で表される2,4−ジブロモ−5
−シクロヘキシルオキシチオフェンを得た。
合成例)アルゴン雰囲気下において、無水ヘキサノール
100ミリリットルが仕込まれたフラスコに、ナトリウ
ム1.6g(71mmol)を加え、120℃で攪拌す
ることによって完全に溶解させた系に、2−ヨードチオ
フェン5.3ミリリットル(48mmol)と、酸化銅
1.9g(24mmol)と、ヨウ化カリウム4.0g
(24mmol)とを加え、130℃で2時間攪拌した
後、エーテル抽出することによって得られた有機層を硫
酸マグネシウムで乾燥し、この硫酸マグネシウムを濾別
することによって濃縮された反応生成物を、ヘキサンを
溶離液としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによ
って精製することにより、薄黄色のオイルである2−シ
クロヘキシルオキシチオフェンを得た。
ゴン雰囲気下において、ジブロモチオフェン化合物の合
成例1で得られた2,4−ジブロモ−5−イソプロポキ
シチオフェン4.3g(14mmol)を含有する無水
テトラヒドロフラン150ミリリットルに、温度−78
℃の15%n−ブチルリチウムヘキサン溶液15ミリリ
ットル(25mmol)を加えて低温で1時間撹拌し、
その後、ホウ酸トリ−n−ブチル9.1ミリリットル
(34mmol)をゆっくり加え、−78℃で1.5時
間撹拌し、更に、この系を室温に戻して炭酸ナトリウム
水溶液53ミリリットルと、ヨードベンゼン4.6g
(23mol)と、テトラキス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム(0)1.1g(0.95mmol)と
を加えて反応させることによって得られた反応生成物を
70℃で終夜還流した後、エーテル抽出することによっ
て得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、この硫
酸マグネシウムを濾別することによって濃縮された反応
生成物を、ヘキサンを溶離液としたシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーによって精製することにより、無色の
オイルであり、中間生成物であって反応式(1)の中間
生成物(1)においてXがイソプロピル基を示す化学式
で表される3−ブロモ−2−イソプロポキシ−5−フェ
ニルチオフェンを得た。
ブロモ−2−イソプロポキシ−5−フェニルチオフェン
4.0g(13.4mmol)を含有する無水テトラヒ
ドロフラン50ミリリットルに、温度−78℃の15%
n−ブチルリチウムヘキサン溶液12ミリリットル(1
9mmol)を加えて低温で1.5時間撹拌し、その
後、この系にペルフルオロシクロペンテン(日本ゼオン
株式会社製)1.2ミリリットル(8.6mmol)を
ゆっくり加えながら−78℃で反応させ、更に、この系
を室温で3時間撹拌した後に水を加えることにより反応
を停止し、エーテル抽出することによって得られた有機
層を硫酸マグネシウムで乾燥し、この硫酸マグネシウム
を濾別することによって濃縮された反応生成物を、ヘキ
サンおよびクロロホルム(質量比;ヘキサン:クロロホ
ルム=7:3)を溶離液としたシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーによって精製し、アセトンによって再結晶
処理することにより、薄黄色の結晶であり、ジアリール
エテン化合物であって反応式(1)のジアリールエテン
化合物(1)においてXがイソプロピル基を示す化学式
で表される1,2−ビス(2−イソプロポキシ−5−フ
ェニル−3−チエニル)ペルフルオロシクロペンテン
(以下、「フォトクロミック材料(1)ともいう。)を
得た。
カリンに溶解することによって得られる無色の溶液をガ
ラスセル中に封入し、その溶液に紫外線を照射したとこ
ろ、青色に呈色し、また、呈色した溶液を可視光が遮光
された暗所において150℃で3.5分間加熱したとこ
ろ、測定される極大吸収波長の吸収強度が半分となるこ
とが確認された。
4−ジブロモ−5−イソプロポキシチオフェン4.3g
(14mol)に代えて、ジブロモチオフェンの合成例
2で得られた2,4−ジブロモ−5−シクロヘキシルオ
キシチオフェン1.6g(4.7mmol)を用いたこ
と以外はフォトクロミック材料の合成例1と同様にし
て、薄黄色の結晶であり、中間生成物であって反応式
(1)の中間生成物(1)においてXがシクロヘキシル
基を示す化学式で表される3−ブロモ−2−シクロヘキ
シルオキシ−5−フェニルチオフェンを得、更に、この
−ブロモ−2−シクロヘキシルオキシ−5−フェニルチ
オフェン0.90g(2.7mol)を用いたこと以外
はフォトクロミック材料の合成例1と同様にして、薄黄
色の結晶であり、ジアリールエテン化合物であって反応
式(1)のジアリールエテン化合物(1)においてXが
シクロヘキシル基を示す化学式で表される1,2−ビス
(2−シクロヘキシルオキシ−5−フェニル−3−チエ
ニル)ペルフルオロシクロペンテン(以下、「フォトク
ロミック材料(2)ともいう。)を得た。
カリンに溶解することによって得られる無色の溶液をガ
ラスセル中に封入し、その溶液に紫外線を照射したとこ
ろ、青色に呈色し、また、呈色した溶液を可視光が遮光
された暗所において150℃で1.6分間加熱したとこ
ろ、測定される極大吸収波長の吸収強度が半分となるこ
とが確認された。
10mgをトルエン1ミリリットルに溶解した溶液に、
ポリビニルアセトフェノンカーボネート200mgを添
加して混合することによって得られたフォトクロミック
材料含有組成物溶液を、表面が平滑な板状のガラスの表
面にアプリケーターを用いて塗布し、得られた塗布膜
を、常圧下において、50℃、4時間の条件で乾燥した
後、100℃、6時間の条件で乾燥し、更に、減圧下に
おいて、100℃、8時間の条件で乾燥することによっ
てガラスよりなる基材上に、厚さ100μmのフィルム
状の記録層が形成されてなる記録・表示媒体(1)を作
製した。
mm角の表面領域(以下、「特定領域」という。)に対
して、株式会社ディーメック製光造形装置「SCS80
00」(レーザー波長355nm、レーザーパワー80
0mW)を用い、スポットサイズ0.15mm、スキャ
ンスピード1m/秒にて紫外線を照射することによって
当該特定領域を着色し、可視光が遮光された暗所におい
て、図1において示す各温度条件下における極大吸収波
長の吸収強度を経時的に測定した。結果を図1に示す。
図1において、「A/A0 」は、「紫外線照射後に係る
吸収強度/紫外線照射前に係る吸収強度」を示す。ま
た、表1に示す各温度条件によって記録層を加熱して、
青色の吸収強度が半分になるのに要する時間を測定し
た。結果を表1に示す。
線の照射処理と、加熱処理とを繰り返して10回行い、
1回目〜10回目の照射処理に係る特定領域を目視にて
確認したところ、特定領域は着色されており、この着色
状態は室温下において長時間保持された。一方、1回目
〜10回目の加熱処理に係る特定領域を目視にて確認し
たところ、特定領域は退色されていた。
に代えて、フォトクロミック材料(2)を用いたこと以
外は実施例1と同様にして、記録・表示媒体(2)を作
製した。作製した記録・表示媒体(2)について、実施
例1と同様にして図2において示す各温度条件下におけ
る極大吸収波長の吸収強度の測定および着色が半分にな
るのに要する時間の測定を行った。各々の結果を図2お
よび表1に示す。また、記録・表示媒体(2)に対し
て、照射処理と、加熱処理とを繰り返して10回行い、
1回目〜10回目の照射処理に係る特定領域を目視にて
確認したところ、特定領域は着色されており、この着色
状態は室温下において長時間保持された。一方、1回目
〜10回目の加熱処理に係る特定領域を目視にて確認し
たところ、特定領域は退色されていた。
れば、(1)温度条件を制御することにより、記録され
ている情報の保存および消去を選択的に行うことができ
ること、(2)加熱により記録されている情報の消去を
短時間で行うこともできること、(3)多数回にわたっ
て情報の記録と消去とを繰り返すことができることが確
認された。
録層が特定のフォトクロミック材料を含有する組成物に
より構成されているものであることから、多数回にわた
って情報の記録と消去とを繰り返すことができ、記録さ
れた情報の安定性および保存性に優れ、しかも、記録さ
れている情報の消去を短時間で行うことができる。
グラフである。
グラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 記録層を有する記録・表示媒体におい
て、 記録層が、下記一般式(i)で表されるジアリールエテ
ン化合物よりなるフォトクロミック材料を含有する組成
物により構成されていることを特徴とする記録・表示媒
体。 【化1】 〔式中、R1 およびR2 は、同一であってもよく、それ
ぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素数3以上の分
岐または環状炭化水素基を示す。〕 - 【請求項2】 記録層に紫外線を照射することによって
情報が記録され、当該記録された情報が、記録層を加熱
することによって消去されることを特徴とする請求項1
に記載の記録・表示媒体。
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