JP4785773B2 - 光記録媒体用組成物および記録/表示媒体 - Google Patents

光記録媒体用組成物および記録/表示媒体 Download PDF

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Description

本発明は、光記録媒体用組成物ならびに該光記録媒体用組成物を使用した光記録媒体および光スイッチに関する。詳しくは、光機能材料であるフォトクロミズムを示す物質を使用して高い光学的性質を発揮する機能性複合材料としての光記録媒体用組成物ならびに該光記録媒体用組成物を使用した光記録媒体および光スイッチに関する。
これまでフォトクロミズムを示す物質(以下、フォトクロミック物質、フォトクロミック化合物またはフォトクロミック材料ともいう)は、2つの異性体の間で可逆的に変換し、その少なくともどちらか一方の過程が光反応により起きて、吸収スペクトルその他の特性が変化するというその特徴的な物性が注目され、古くより研究されてきた。現在、光応答性有機色素の中でもフォトクロミズムを示す有機化合物の開発が最も活発であり、現在求められているデバイス機能に合致した有機化合物の分子設計および合成研究が活発に行われている。
フォトクロミズムとは、下記の式(3)に示したように「光の作用により単一の化学種が分子量を変えることなく、吸収スペクトルの異なる2つの状態を可逆的に往復する現象」と定義されている。即ち、フォトクロミズムとは、ある種の化合物に、それぞれの化合物に特定の波長hν の光を照射すると、速やかに色が変わり、また特定の波長hν の光を照射するか、もしくは加熱することにより、元の色に戻る可逆作用を示すことである。このような性質を有する物質は、フォトクロミック物質と呼ばれ、従来から種々の化合物が合成されてきた。
Figure 0004785773
このフォトクロミック化合物を、書き換え可能な記録媒体として利用する方法としては、光照射により光異性化させることを利用する記録媒体が提案されている(例えば、非特許文献1を参照)。ところが、光異性化に伴う変化を利用した、この光記録媒体では、読み出し時に吸収のある波長域で読み出す必要がある。従って、記録の読み出しに使用する光は、記録を消去する光となる。そのために記録が読み出しにより徐々に崩壊してしまうという問題点があった。その解決方法として、フォトクロミック化合物が分散した延伸フィルムに、光を照射し、照射前後の旋光度の差をフォトクロミック化合物の吸収のない波長領域の光によって検出することによって、記録情報の読み出しを行なう方法が提案されている(特許文献1を参照)。しかし、この方法では、フォトクロミック化合物がフィルム中で充分に配向せず期待した性能が出ないこと、フォトクロミック化合物の感度はフィルム中では充分でないこと、マトリックスによってはその相溶性の乏しさによって、フォトクロミック化合物がフィルムからブリードするなどの問題があった。
フォトクロミック化合物は、コーティングして薄膜化したり、ポリマー中に練り混んだりしてフィルム化して使用するのが一般的である(例えば、特許文献2〜4を参照)。そのマトリックスとしては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートなどの樹脂が用いられている。しかし、これらの場合も、フォトクロミック化合物の感度が充分に出ないことや、ブリードなどの問題があった。フィルム化や薄膜化以外でも、フォトクロミック材料をエポキシ樹脂や光硬化剤材料に分散させて、材料化する技術も開示されているが、この場合も、フォトクロミック化合物はランダムに配列し、光を利用した読み出し方法を利用するため、記録の読み出しにより記録が徐々に崩壊してしまうという問題を解決していなかった。
特開平2−181746号公報 特開平5−271648号公報 特開平6−102616号公報 特開平11−315199号公報 Chem.Rev.2000,100,1777−1788
本発明の目的は、フォトクロミック物質を利用した非破壊読み出しが可能で、着色体への変換率が高く、応答速度が速く、繰り返し耐久性が高いなど、優れた性能を有する光記録媒体および光スイッチを与えることのできる光記録媒体用組成物、該組成物を用いた光記録媒体および光スイッチを提供することにある。
本発明は、ケイ素系樹脂よりなるマトリックスとフォトクロミズムを示す物質を含有することを特徴とする光記録媒体用組成物、該組成物により構成されている記録層を有することを特徴とする光記録媒体および光スイッチを提供することにより、上記目的を達成したものである。
本発明の効果は、フォトクロミック物質を利用した非破壊読み出しが可能で、着色体への変換率が高く、応答速度が速く、繰り返し耐久性が高いなど、優れた性能を有する光記録媒体および光スイッチを与えることのできる光記録媒体用組成物、該組成物を用いた光記録媒体および光スイッチを提供したことにある。
本発明でマトリックスとして使用されるケイ素系樹脂は、特に限定されるものではないが、環状および/または鎖状(直鎖状および分岐鎖状を含む)のポリシロキサン構造を有するケイ素系樹脂が好ましく、より好ましくは構造の一部に光または熱による硬化反応基を有し、フォトクロミック化合物を混合後に硬化できる、硬化性ポリシロキサンである。上記硬化反応基としては、光による硬化反応基として、アクリル基、メタクリル基、チオール基、エポキシ基、オキセタンビニル基、アリル基、ヒドロシランなどが挙げられ、熱による硬化反応基として、アクリル基、メタクリル基、チオール基、エポキシ基、オキセタンビニル基、アリル基、ヒドロシランなどが挙げられる。
上記ケイ素系樹脂としては、具体的には例えば、Si−O−Si結合による橋かけ構造を一箇所以上有し、分子量500〜1,000,000、好ましくは分子量500〜500,000の上記のようなポリシロキサンを挙げることができ、さらに、当該ポリシロキサンと反応性を有する化合物および/または当該反応に対する触媒を併用することができる。
本発明で使用されるフォトクロミック化合物(フォトクロミズムを示す物質)は、光反応性を持つフォトクロミック化合物であればよい。また、単独で使用してもよく、使用目的によっては、2種類以上のフォトクロミック化合物を組み合わせて使用してもよい。
上記フォトクロミック化合物としては、例えば、スピロピラン類、スピロオキサジン類、フルギド類、フルギミド類、ジアリールエテン類などの有機フォトクロミック化合物が挙げられ、いずれも用いることができるが、特にジアリールエテン類が好ましい。
以下にフォトクロミック化合物としてのジアリールエテン類の例を挙げる。
該ジアリールエテン類としては、下記一般式(1)で表される化合物や、下記一般式(2) で表される化合物などを挙げることができる。
Figure 0004785773
(式中、Y1 、Y2 およびY3 は、炭素原子、窒素原子、酸素原子のいずれかであり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。R1 、R1'、R2 、R2'、R3 およびR3'は、Y1 、Y2 またはY3 に結合している原子または置換基を表し、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、ハロゲン原子、水素原子、置換または無置換のアルキル基、アラルキル基、アリール基のいずれかであり、、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。但し、これらの原子または置換基が結合しているY1 、Y2 またはY3 が炭素原子の場合、R1 とR1'、R2 とR2'、R3 とR3'はそれぞれ同じ一つの原子あるいは置換基である場合もあり、それぞれY1 、Y2 またはY3 と二重結合を形成しても構わない。Y1 、Y2 またはY3 が窒素原子の場合、R1'、R2'またはR3'は存在しない。Y1 、Y2 またはY3 が酸素原子の場合、R1 とR1'、R2 とR2'またはR3 とR3'は存在しない。R4 およびR5 は、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、エステル基、シアノ基、ホルミル基、カルボキシル基、アミノ基のいずれかであり、同一であっても異なっていてもよく、これらの基はさらに置換基を有していてもよい。X1 、X2 、X3 およびX4 は、置換または無置換の炭素環、置換または無置換の複素環、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、エステル基、シアノ基、ホルミル基、カルボキシル基、アミノ基のいずれかであり、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、さらに上記より選ばれる複数の置換基、炭素環あるいは複素環が付いたいずれでもよく、さらにX1 とX2 、X3 とX4 は、それぞれ互いに結合してヘテロ原子を含んでもよい環を形成してもよい。Z1 およびZ2 はヘテロ原子であり、3価以上の場合には水素原子、アルキル基またはアラルキル基が結合してもよい。)
Figure 0004785773
(式中、Y4 、Y5 およびY6 は、それぞれY1 、Y2 、Y3 と同義であり、R6 、R6'、R7 、R7'、R8 およびR8'は、それぞれR1 、R1'、R2 、R2'、R3 、R3'と同義であり、R9 およびR10は、それぞれR4 、R5 と同義であり、X5 、X6 、X7 およびX8 は、それぞれX1 、X2 、X3 、X4 と同義であり、Z3 およびZ4 は、それぞれZ1 、Z2 と同義である。)
このようなジアリールエテン類の好ましい具体例としては、例えば以下の構造式で表される化合物1〜6を挙げることができる。
Figure 0004785773
上記一般式(1)および(2) で表されるジアリールエテン類化合物は、下記式(4)および(5)によって表されるように、特定の波長hν またはhν の紫外線照射により閉環し、また特定の波長hν またはhν の可視光の照射により元に戻るという可逆的変化をする。
この可逆的変化は熱エネルギーにより起こらないので、熱不可逆的である。
Figure 0004785773
尚、多くのジアリールエテン類化合物では、閉環体の吸収スペクトルと開環体の吸収スペクトルにおいて重複する波長域があるので、開環あるいは閉環を完全に行なうには波長域の重複しない領域の波長の光を用いる。但し、現実的にはこのような波長の光で使用に適したものは少ないので、開環をほぼ完全に行なえる波長の光、あるいは閉環をほぼ完全に行なえる波長の光があれば、この何れかを用い、それぞれ逆反応用には開閉環反応いずれをも来たす波長の光を用い、開環体あるいは閉環体と、光定常状態(開環体と閉環体の混合状態)との間で状態変化を起こすことにより情報の記録を行なうことができる。この場合、開環体あるいは閉環体と、光定常状態の間で、旋光度変化を検出することにより情報の読み出しを行なうことができる。
また、旋光度変化を検出しなくても、色変化を来たす場合には目視により情報を読み出すことができる。
本発明の光記録媒体用組成物は、上記ケイ素系樹脂をマトリックスとして上記フォトクロミック化合物を含有するものであり、両者は単に混合されていればよいが、好ましくはケイ素系樹脂と混合された状態でのフォトクロミック化合物の濃度が、0.01〜50ミリモル/立方デシメートル(mmol/dm3 )、より好ましくは0.1〜10mmol/dm3 、さらに好ましくは0.5〜5mmol/dm3 となるように混合するのがよい。
本発明の光記録媒体用組成物には、ケイ素系樹脂を硬化させるための触媒を配合することができる。さらに所望により、フォトクロミック材料に使用できることが知られている添加剤を本発明の効果を阻害しない範囲内で、且つ通常の使用量の範囲内で任意に配合することができる。
また、本発明の光記録媒体用組成物は、上記ケイ素系樹脂をマトリックスとするものであるが、その他の樹脂を併用することもできる。このような樹脂としては、非晶性ポリオレフィン樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのポリメタクリル樹脂、ポリメチルアクリレートなどのポリアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルケトン、メチルペンテンポリマー、ポリアリレート樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどのポリオレフィン、ポリフェニレンサルファイド、ナイロン、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセタール、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルエーテル、エポキシ樹脂、セルロース誘導体などが挙げられる。
本発明の光記録媒体用組成物は、溶媒を用いずに、上記ケイ素系樹脂と上記フォトクロミック化合物を混合したものでよいが、所望により任意成分として本発明の効果を阻害しない範囲で溶媒を用いることができる。
そのような溶媒としては、上記ケイ素系樹脂および上記フォトクロミック化合物を溶解または分散し、変性や反応を起こさない溶剤であれば特に限定されないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イソプロピルベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶剤、アルカン類、シクロアルカン類などの脂肪族炭化水素系溶剤、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、ヨウ化メチル、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、ジクロロナフタレンなどのハロゲン化炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランなどのエーテル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、ギ酸エチル、ギ酸ブチル、セロソルブアセテート、カルビトールアセテートなどのエステル系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、セロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジアセトンアルコールなどのアルコール系溶剤を用いることができ、これらの溶剤のうち、特に、炭化水素系溶剤、ハロゲン化炭化水素系溶剤、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤を用いることが好ましい。これら溶剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
この様な溶媒を用いる場合において、上記ケイ素系樹脂および上記フォトクロミック化合物を溶媒に溶解する方法は何ら限定されるものではなく、室温でも高温でもよく、充分に攪拌することにより均一な組成物とすればよい。
また、上記のような溶媒を用いる場合の本発明の光記録媒体用組成物の濃度は、上記ケイ素系樹脂および上記フォトクロミック化合物の分子量や、本発明の光記録媒体用組成物の用途の種類などによって自由に選択することが可能であるが、粘度にして100mPa・s〜500,000mPa・sの範囲にあることが好ましい。粘度が500,000mPa・sを超える場合には、流動性が悪く表面状態の良い記録層が得られなくなるおそれがある。
次に、本発明の光記録媒体について説明する。尚、便宜上特に説明の無い限り、以下、本発明の旋光度の変化により記録の読み出しを行なう光記録媒体を単に光記録媒体と称し、本発明の視力により記録の読み出しを行なう光記録媒体を光表示媒体と称する。
本発明の光記録媒体および光表示媒体は、上記の本発明の光記録媒体用組成物により構成された記録層を有するものであり、その他の態様としては特に限定されないが、基板と、この基板上に形成された上記記録層とにより構成されていることが好ましく、例えば基板の両面あるいは基板の片面に上記記録層が形成されてなるものを例示することができる。
上記記録層の厚みは特に限定されないが、好ましくは0.01μm〜5.0mm、特に0.05μm〜3.0mmであることが好ましい。記録層の厚みが0.01μm未満である場合には、記録層の記録性能、或いは記録層からの情報読み出し性能、若しくは表示性能が十分に発揮されないおそれがある。
上記基板としては、例えば、ポリメチルメタクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリエチレンナフタレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)系樹脂、アクリロニトリルスチレン(AS)系樹脂、シクロオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂、シリコーン系樹脂、ガラス、紙などを基材として用いた基板を用いることができる。
基材としてガラスやシリコーン系樹脂よりなるものを用いることにより、当該基材からなる基板と記録層との密着性が高くなり、また、シリコーン系樹脂が優れた透明性を有するものであることから、基材を介して記録層の接着面から記録や読み出し、消去などに必要な波長の光を照射することが可能となるので好ましい。
本発明の光記録媒体および光表示媒体における上記記録層は、例えば以下のようにして形成することができる。
上記の本発明の光記録媒体用組成物を、基板上に、例えばバーコーターなどを用いて流延し、得られた溶液層に対して溶媒の除去処理を行うことによって、基板上に記録層を形成することができる。
基板上に塗膜を形成する方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、刷毛塗り法、浸漬塗布法、スプレーコーティング法、プレートコーティング法、スピンコーティング法、ビードコーティング法、カーテンコーティング法などの湿式法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、凸版印刷法などの製膜法が挙げられる。
また、本発明の光記録媒体あるいは光表示媒体は、基材の種類を選択することによって基材と記録層とを兼ね備えてなることもでき、あるいは、上記の本発明の光記録媒体用組成物をフィルム状に成形し、基板あるいは他の成形体上に、当該フィルムを積層することによって形成されたものであってもよい。
上記の本発明の光記録媒体用組成物のフィルム化の方法は任意であるが、例えば、キャスト法、スピンコート法、延伸法などで行なうことができる。フィルム化時に加熱する場合は、フィルムの変成を防ぐため100℃以下で行なうことが好ましい。また、フィルムは延伸方向あるいは放射状に配向させることもできる。
更に、本発明の光記録媒体および光表示媒体は、例えば表面保護膜などが設けられてなるものであってもよい。
以上のように構成した本発明の光記録媒体および光表示媒体においては、例えばキセノンランプ、水銀ランプ、ハロゲンランプ、LED、レーザーなどを用い、記録層に対して集束した紫外線を、例えば、100マイクロ秒(μs)間以上照射する方法により、この照射に係る部分に存在するフォトクロミック化合物が構造変化することによって情報が記録される(上記の式(4)および式(5)参照)。
即ち、開環をほぼ完全に行なえる波長の光、あるいは閉環をほぼ完全に行なえる波長の光があれば、この何れかを用い、それぞれ逆反応用には開閉環反応いずれをも来たす波長の光を用い、開環体あるいは閉環体と、光定常状態(開環体と閉環体の混合状態)との間で状態変化を起こすことにより情報の記録を行なうことができる。一例を示すと、あるフォトクロミック化合物の開環体は405nmの光で光定常状態にすることができる。
ここで、本発明の光記録媒体は、開環体あるいは閉環体と、光定常状態の間で、旋光度変化を検出することにより情報の読み出しを行なうことができる。一例を示すと、589nmの光(ナトリウムのD線)で旋光度変化を検出することができる。
また、本発明の光表示材料は、上記の本発明の光記録媒体用組成物中のフォトクロミック化合物の構造変化によって色変化を来たすので、目視により情報を読み出すことができる。
同様に、本発明の光記録媒体および光表示媒体は、フォトクロミック化合物の開環をほぼ完全に行なえる波長の光、あるいは閉環をほぼ完全に行なえる波長の光によって、記録層の全体を、処理することによって記録された情報を消去することができるので、本発明の光記録媒体および光表示媒体は、情報の記録と消去とを繰り返し行うことができる。一例を示すと、あるフォトクロミック化合物は507nmの光で光定常状態から開環体にすることができる。
本発明の光記録媒体および光表示媒体は、上記の本発明の光記録媒体用組成物中のフォトクロミック化合物をジアリールエテン類化合物とした場合、フォトクロミック反応の繰り返し耐久性に優れているものであり、しかも、マトリックスであるケイ素系樹脂が優れた耐光性、耐熱性を有し、その上、光および熱履歴による劣化が小さいものであるため、弊害を伴わずに多数回にわたって情報の記録と消去とを繰り返すことができる。
本発明の光記録媒体は、各種記録媒体として利用することができる。その具体的用途としては、高密度光記録メモリなどが挙げられる。
本発明の光表示媒体は、例えば電子ペーパーとして利用することができる。
本発明の光スイッチは、上記の本発明の光記録媒体用組成物により構成された記録層を有するものである。本発明の光スイッチにおける記録層は、上記の本発明の光記録媒体あるいは光表示媒体における記録層と同様に記録することができる。
本発明の光スイッチは、例えば光導波路を用いた回路中において、記録層中のフォトクロミック化合物の構造変化により光の屈折率、透過度、旋光度などの光に関する物理量を変化させることによって光スイッチの役割を果たすことができるものである。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。尚、実施例中の「部」や「%」は重量によるものである。
〔シリコーン合成例1〕
ジクロロジメチルシラン100部を100部のイオン交換水中に滴下した。この反応液から、水相を取り除き溶媒を留去しながら250℃で2時間重合した。得られた反応溶液にジオキサン50部とイオン交換水5部を加え30分間撹拌した後に沈殿物を回収した。その後、得られた沈殿物に、トルエン50部を加え、100℃で溶媒を減圧留去し、ケイ素含有重合体前駆体−1を得た。下記条件のGPCによる分析の結果、ケイ素含有重合体前駆体−1の分子量は、Mw=50,000であった。
分子量のGPC測定条件
カラム:東ソー株式会社製TSK−GEL MULTIPORE HXL M 、7.8mm X 300mm
展開溶媒:テトラヒドロフラン
以下の合成例、実施例および比較例のGPC測定も同様の測定条件で行なった。
〔シリコーン合成例2〕
トルエンを溶媒として、シリコーン合成例1で得られたケイ素含有重合体前駆体−1を50部にピリジン5部を加え、さらにフェニルトリクロロシラン0.5部を加え室温で30分間、さらに70℃で30分間攪拌した後、半分に分割した。一方にクロロジメチルシラン2.5部、他方にクロロジメチルビニルシラン2.5部を加え、それぞれ、室温で30分間、さらに70℃で30分間攪拌した後、イオン交換水で水洗することによりピリジン塩酸塩を除き、ケイ素含有重合体(前者をケイ素含有重合体2−Bとし、後者をケイ素含有重合体2−Aとする)をそれぞれ得た。ケイ素含有重合体2−Aおよび2−B共に、分子量はMW=130,000であり、アリール基の含有量は 1H−NMRおよびGPC分析から8.4重量%であり、重量平均分子量1,000以下の成分は0%であった。
〔シリコーン合成例3〕
メチルトリエトキシシラン100部に、0.4%のリン酸水溶液86部を加えて10〜15℃に保って3時間攪拌した。この反応液にエタノール80部を加え、水酸化ナトリウム水溶液で反応液を中和後、60℃で30分間攪拌した。反応後、900部のトルエンを加えながら溶媒中のエタノールと水を留去し、ケイ素含有重合体前駆体−3を得た。GPCによる分析の結果、ケイ素含有重合体前駆体−3の分子量は、Mw=5, 000であった。
〔シリコーン合成例4〕
ジクロロジメチルシラン90部とジクロロジフェニルシラン9部を混合し、100部のイオン交換水中に滴下した。この反応液から、水相を取り除き溶媒を留去しながら250℃で2時間重合した。得られた反応溶液にピリジンを20部加え、これにさらにジクロロジメチルシラン20部を加えて30分間攪拌した。その後、反応溶液を250℃で熱しながら減圧して、低分子量成分とピリジン塩酸塩を除き、ケイ素含有重合体前駆体−4を得た。GPCによる分析の結果、ケイ素含有重合体前駆体−4の分子量は、Mw=50,000であった。
〔シリコーン合成例5〕
トルエンを溶媒として、シリコーン合成例3で得られたケイ素含有重合体前駆体−3を5部にピリジンを10部、クロロトリメチルシランを1.5部加えて、室温で30分間攪拌した。これにシリコーン合成例4で得られたケイ素含有重合体前駆体−4を100部加えて攪拌しながら4時間共重合を行い、イオン交換水を加えて反応を止めた。水洗によってピリジン塩酸塩などを除き、ケイ素含有重合体前駆体−5を得た。GPCによる分析の結果、ケイ素含有重合体前駆体−5の分子量は、MW=92,000であった。
〔シリコーン合成例6〕
トルエンを溶媒として、シリコーン合成例5で得られたケイ素含有重合体前駆体−5を50部にピリジン5部を加え、半分に分割した。一方にクロロジメチルシラン5部、他方にクロロジメチルビニルシラン5部を加え、それぞれ、室温で30分間、さらに70℃で30分間攪拌した後、イオン交換水で水洗することによりピリジン塩酸塩を除き、ケイ素含有重合体(前者をケイ素含有重合体6−Bとし、後者をケイ素含有重合体6−Aとする)をそれぞれ得た。ケイ素含有重合体6−Aおよび6−B共に、分子量はMW=92,000であり、アリール基の含有量は 1H−NMRおよびGPC分析から8.4重量%であり、重量平均分子量1, 000以下の成分は0%であった。
〔シリコーン合成例7〕環状シロキサン化合物−7の合成
1,4−ジオキサン300部及び塩酸300部を加えて攪拌した混合液中に、ジクロロメチルビニルシラン210部とジクロロフェニルメチルシラン90部の混合物を滴下した。 加水分解反応により発生した塩酸を回収しつつ室温下で30分反応の後、 70℃で3時間反応させた。 反応後、 2層に分離した液層の内、 上層について真空ポンプによる減圧下120−140℃の条件で蒸留精製し、 下記の式(6)で示される環状シロキサン化合物−7を得た。
GC−MSによる分析の結果、 環状シロキサン化合物−7には分子量=395のものが面積比で85%以上含まれており、 FT−IRによる分析の結果、 環状シロキサン化合物−7には3200−3600cm-1の吸収域に帰属する水酸基の吸収が見られなかった。 また 1H−NMRによる分析の結果、 ビニル基とフェニル基のモル比が3.3:1.0の割合で認められた。
Figure 0004785773
〔シリコーン合成例8〕プレポリマー−8の合成
l,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン100部、1,4−ビス(ジメチルビニルシリル)ベンゼン100部、 トルエン60部および白金−カルボ二ルビニルメチル錯体(Ossko触媒)0.0005部を加えて攪拌しながら、 5時間還流処理した。 反応液を70℃で溶媒を減圧留去し、 プレポリマー−8を得た。
GPCによる分析の結果、 プレポリマー−8の分子量はMw=3,000であり、 ヒドロシリル基(Si−H基) の含有量は 1H−NMRから5.3mmol/gであった。
〔合成例9:ジアリールエテン化合物1’の合成〕
下式で表される1−(3−(1−ヒドロキシ)エチルベンゾチオフェン−2−イル)−2−(3−メチルベンゾチエノ[5',4' :2,3]ベンゾ−2−チエニル)パーフルオロシクロペンテン(ジアリールエテン化合物1’)の合成
Figure 0004785773
300ml二つ口ナスフラスコにスピナーとジアリールエテン(前記化合物1)(該前記化合物1は特開2003−321467号公報に記載の製造法に従って合成した。)0.3085g(0.462mmol,1.0eq.)、エタノール75mlを加え、60℃まで加熱して溶かした。室温まで冷まし、そこに4mol/dm3 HCl4.0ml(16.17mmol,35eq.) を加え、4時間半還流した。室温まで冷まし、ロータリーエバポレーターでエタノールを留去した。そこに酢酸エチルと水を加えて有機層と水層を分液し、水層を酢酸エチルで3回抽出した。飽和食塩水と無水硫酸ナトリウムで有機層の水分を除いた後、吸引濾過で無水硫酸ナトリウムを除去し、ロータリーエバポレーターで溶媒を留去した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(3%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製し、目的物(ジアリールエテン化合物1’)を収量0.0988g( 0.159mmol) 、収率34%で得た。
1H-NMR (270 MHz, TMS, CDCl)δ/ ppm 1.33 (3H, d, J/Hz = 6.6), 2.59 (3H, s), 5.01 (1H,d, J/Hz = 5.9), 7.32-7.45 (4H, m), 7.83 (2H, s), 7.88 (1H, s), 7.90 (1H, s), 8.15 (1H, s), 8.17(1H, s); IR (KRS-5, nujol)ν / cm -1= 3060, 1588, 1529, 1378, 1274, 1198, 1136, 987, 895;LRMS(EI, 70eV) m/z (rel intensity), 604(M+ ,80), 584((M-20)+ ,100), 569((M-35) + , 79) .
Found: m/z 604.04281. Calcd for C30H18FOS : M, 604.04238 (0.4 mmu); Mp 83-85℃
黄色固体
〔合成例10:ジアリールエテン(前記化合物3)の合成〕
(1) デカン二酸モノ(ポリジメチルシロキサンヒドロキシエトキシプロピル)エステル(化合物−a) の合成
100ml二つ口ナスフラスコにスピナーとデカン二酸1.0g( 4.94mmol,4.0eq.) 、poly(dimethylsiloxane) hydroxyethoxypropyl terminated 1.174g(1.235mmol,1.0eq.) 、4−ジメチルアミノ−ピリジン0.06g(0.494mmol,0.4eq.) を入れ、窒素置換した。溶媒としてテトラヒドロフラン25mlを入れ、反応容器を0℃にした。
これとは別に、50mlナスフラスコにスピナーと1,3−ジヘキシルカルボジイミド0.255g(1.235mmol,1.0eq.)を入れ窒素置換した。そこにテトラヒドロフラン5mlを加えて室温で10分間攪拌した。これを先ほどの100ml二つ口ナスフラスコにカヌーラで一気に加えて、0℃から徐々に室温に戻し、一晩攪拌した。析出したジシクロヘキシル尿素(DCU)をろ過し、ロータリーエバポレーターで濃縮後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(20%酢酸エチル/ヘキサン)によって目的物質(化合物−a)を0.4885g(0.4mmol) 、収率32%で得た。
1H-NMR (300 MHz, TMS, CDCl)δ/ ppm 0.0 (72H, m), 0.42-0.49 (4H, m), 0.81 (3H, t,J/Hz = 6.8), 1.23 (12H, br), 1.48-1.59 (6H, m), 2.27 (4H, dt, J/Hz = 3.8, 7.6), 3.36 (2H, t, J/Hz= 7.2), 3.55 (2H, t, J/Hz = 4.9), 4.14 (2H, t, J/Hz = 4.7) ;
IR (KRS-5, neat)ν / cm -1= 2961,2929, 2859, 1741, 1712, 1461, 1414, 1260, 1092, 1025.
MALDI-TOF MASS m/z calct for C43H108O16Si12 1216.49 (M) + , found 1249.73(M + Ag - CHSi)+
無色液体
(2) ジアリールエテン(前記化合物3)の合成
30ml二つ口ナスフラスコにスピナーと上記合成例9で得られたジアリールエテン化合物1’を0.0269g( 0.043mmol, 1.0eq.) 、上記(1) で得られた化合物−aを0.0528g( 0.043mmol, 1.0eq.) 、4−ジメチルアミノ−ピリジン0.001g( 0.0086mmol, 0.2eq.) を入れ、窒素置換した。溶媒としてジクロロメタン2mlを入れ、反応容器を0℃にした。
これとは別に、10mlナスフラスコにスピナーと1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(WSCI・HCl)0.0083g(0.043mmol, 1.0eq.) を入れ窒素置換した。そこにジクロロメタン1mlを加えて室温で10分間攪拌した。これを先ほどの30ml二つ口ナスフラスコにカヌーラで一気に加えて、0℃から徐々に室温に戻し、一晩攪拌した。水を加え反応を終了させ、ジクロロメタンで抽出し、有機層と水層を分けた。
有機層を0.05mol/dm3 塩酸水溶液、10%炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を取り除いた。ロータリーエバポレーターで濃縮後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(5%酢酸エチル/ヘキサン)によって目的物質〔ジアリールエテン(前記化合物3)〕を0.0445g(0.024mmol)、収率56% で得た。
1H-NMR (300 MHz, CDCl) δ/ ppm 0.00-0.08 (72H, m), 0.49-0.56 (4H, m), 0.87 (3H, t, J/Hz= 7.0), 0.95-1.1 (4H, br), 1.16 (3H, d, J/Hz = 6.6), 1.25-1.38 (8H, m), 1.49-1.64 (4H, m),1.80-1.92 (2H, m), 2.29 (2H, t, J/Hz = 7.5), 2.54 (3H, s), 3.42 (2H, t, J/Hz = 7.0), 3.62 (2H, t,J/Hz = 4.9), 4.21 (2H, t, J/Hz = 4.7), 5.91(1H, q, J/Hz = 6.8), 7.23-7.25 (1H, m), 7.37-7.46(3H, m), 7.82 (2H, s), 7.90 (1H, d, J/Hz = 6.6), 7.91 (1H, d, J/Hz = 7.3), 8.0 (1H, d, J/ Hz =7.3), 8.1 (1H, d, J/Hz = 8.1) ;
IR (KRS-5, neat)ν / cm -1 = 2961, 2919, 2890, 2854, 2360, 1740,1453, 1445, 1343, 1260, 1097, 1026, 990, 801;
MALDI-TOF MASS m/z calct forC73H124FO16SSi12 1802.52 (M)+, found 1837.54(M + Ag - CHSi) +
黄色液体
実施例1
シリコーン合成例2で得られたケイ素含有重合体2−Aとケイ素含有重合体2−Bとの等量混合物983mgに、硬化反応触媒として白金−カルボニルビニルメチル錯体(Ossko触媒)0.049mgを混合してケイ素系樹脂−1を得た。このケイ素系樹脂−1 1gと、ジアリールエテン(前記化合物1)0.71mgを混合して、ジアリールエテン濃度1.1×10-3mol/dm3 の記録・表示組成物前駆体−1を得、ガラスシャーレ中にキャストし、100℃で2時間熱硬化して、記録・表示組成物−1を得た。
実施例2
シリコーン合成例6で得られたケイ素含有重合体6−Aとケイ素含有重合体6−Bとの等量混合物100部に、硬化反応触媒として白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(Karstedt触媒)0.0005部を混合して、ケイ素系樹脂−2を得た。このケイ素系樹脂−2 1gと、ジアリールエテン(前記化合物2)0.51mgを混合して、ジアリールエテン濃度1.1×10-3mol/dm3 の記録・表示組成物前駆体−2を得、ガラスシャーレ中にキャストし、100℃で2時間熱硬化して、記録・表示組成物−2を得た。
実施例3
PP2−OE41 Gelest OETM(Gelest社製シリコーン樹脂) OE41−AとOE41−Bをそれぞれ同重量ずつ撹拌した混合物1gに、ジアリールエテン(前記化合物3)2.0mgを混合して、ジアリールエテン濃度1.1×10-3mol/dm3 の記録・表示組成物前駆体−3を得、ガラスシャーレ中にキャストし、55℃で4時間硬化処理して、記録・表示組成物−3を得た。
実施例4 ケイ素含有硬化性組成物−1
シリコーン合成例8で得られたプレポリマー−8を100部と、合成例7で得られた環状シロキサン化合物−7を67部混合して、硬化性シリコーン樹脂を得た。このシリコーン樹脂1gにジアリールエテン(前記化合物2)0.51mgを配合して、 ジアリールエテン濃度1.1×10-3mol/dm3 の記録・表示組成物前駆体−4を得、ガラスシャーレ中にキャストし、100℃で5分間予備加熱後、150℃で2時間熱硬化して、記録・表示組成物−4を得た。
比較例1
ポリメチルメタクリレート1.2gにクロロホルム2mlを加え、撹拌溶解した後にジアリールエテン(前記化合物1)0.71mgを添加し、撹拌混合し、これをガラスシャーレ中にキャストし、ジアリールエテン濃度1.1×10-3mol/dm3 の記録・表示組成物−5を得た。
比較例2
ポリメチルメタクリレート1.2gにクロロホルム2mlを加え、撹拌溶解した後にジアリールエテン(前記化合物2)0.51mgを添加し、撹拌混合して、これをガラスシャーレ中にキャストし、ジアリールエテン濃度1.1×10-3mol/dm3 の記録・表示組成物−6を得た。
比較例3
ポリメチルメタクリレート1.2gにクロロホルム2mlを加え、撹拌溶解した後にジアリールエテン(前記化合物3)2.0mgを添加し、撹拌混合して、これをガラスシャーレ中にキャストし、ジアリールエテン濃度1.1×10-3mol/dm3 の記録・表示組成物−7を得た。
試験例
実施例1−4および比較例1−3で得られた開環体の記録・表示組成物−1〜7それぞれに405nm光を照射し、光定常状態(PSS)になった際の閉環体の割合および、開環体とPSSの旋光度変化を測定した。
また、紫外光(405nm光)を照射して開環体からPSSへの光反応、可視光(507nm光)を照射してPSSから開環体への光反応を1往復として、変換率を測定し、繰り返し試験を行った。
また、保存安定性試験として、紫外光を照射した後、暗所、80℃で3ヶ月保存した後、旋光度を測定し、変化の有無をみた。(○;保存前と同じ; △;保存前よりわずかに差が減少 ×;旋光度差が消失)
上記試験の結果を下記表1に示す。尚、比較例は、開環体からPSSへの変換率が著しく低く、繰り返し試験および保存安定性試験は実施しなかった。
Figure 0004785773

Claims (5)

  1. ケイ素系樹脂よりなるマトリックスとフォトクロミズムを示す物質を含有し、前記ケイ素系樹脂が、光または熱による硬化反応基を有するものであり、前記フォトクロミズムを示す物質が、下記式で表される化合物であることを特徴とする光記録媒体用組成物。
    Figure 0004785773
  2. 請求項1に記載の光記録媒体用組成物により構成されている記録層を有することを特徴とする、光により記録の読み出しを行なう光記録媒体。
  3. 請求項1に記載の光記録媒体用組成物により構成されている記録層を有することを特徴とする、旋光度の変化により記録の読み出しを行なう光記録媒体。
  4. 請求項1に記載の光記録媒体用組成物により構成されている記録層を有することを特徴とする、目視により記録の読み出しを行なう光記録媒体。
  5. 請求項1に記載の光記録媒体用組成物により構成されている記録層を有することを特徴とする、光スイッチ。
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