JPH10101802A - フォトクロミックオルガノポリシロキサンおよびその製造方法 - Google Patents

フォトクロミックオルガノポリシロキサンおよびその製造方法

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JPH10101802A
JPH10101802A JP27555296A JP27555296A JPH10101802A JP H10101802 A JPH10101802 A JP H10101802A JP 27555296 A JP27555296 A JP 27555296A JP 27555296 A JP27555296 A JP 27555296A JP H10101802 A JPH10101802 A JP H10101802A
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photochromic
organopolysiloxane
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JP27555296A
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Hisataka Nakajima
久隆 中島
Masahiro Irie
正浩 入江
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DuPont Toray Specialty Materials KK
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Dow Corning Toray Silicone Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外線の照射によってスペクトルの変化を伴
う分子構造の変化を生じ、次いで、可視光の照射によっ
て、この分子構造が元に戻るというフォトクロミズムを
示す新規なフォトクロミックオルガノポリシロキサン、
およびこのような新規なフォトクロミックオルガノポリ
シロキサンを効率よく製造する方法を提供する。 【解決手段】 分子中のケイ素原子に、一般式: 【化1】 (式中、R1は水素原子、アルキル基、アリール基、ア
ルコキシ基、シアノ基、アシル基、カルボキシル基、ニ
トロ基、およびアミノ基からなる群から選択される基、
またはアルキレン基、アリーレン基とアルキレン鎖を有
する基、エステル結合とアルキレン鎖を有する基、アミ
ド結合とアルキレン鎖を有する基、およびエーテル結合
とアルキレン鎖を有する基からなる群から選択される二
価有機基であり、ただし、少なくとも1個のR1はこの
二価有機基であり、nは3または4である。)で表され
るフォトクロミック有機基を結合しているフォトクロミ
ックオルガノポリシロキサン、およびヒドロシリル化反
応による上記フォトクロミックオルガノポリシロキサン
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なフォトクロ
ミックオルガノポリシロキサンおよびその製造方法に関
し、詳しくは、紫外線の照射によってスペクトルの変化
を伴う分子構造の変化を生じ、次いで、可視光の照射に
よって、この分子構造が元に戻るというフォトクロミズ
ムを示す新規なフォトクロミックオルガノポリシロキサ
ン、およびこのような新規なフォトクロミックオルガノ
ポリシロキサンを効率よく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フォトクロミズムとは、特定の波長の光
を照射することによってスペクトルの変化を伴った分子
構造の変化を生じ、次いで、異なる波長の光を照射する
ことによって、この分子構造が元に戻るという現象をい
い、このような現象を有する化合物をフォトクロミック
化合物と呼んでいる。このようなフォトクロミック化合
物としては、例えば、ジアリールエテン、フルギド、ス
ピロベンゾピラン、スピロナフトオキサジンが知られて
おり、特に、チオフェン環やベンゾチオフェン環で置換
したジアリールエテンは、ベンゼン環やインドール環で
置換したものに比べて良好な熱安定性を有することが知
られている{有機合成化学協会誌,49,373(19
91)参照}。
【0003】また、オルガノポリシロキサンは主鎖が炭
素系のポリマーに比較して、その自由体積が大きく、フ
ォトクロミック化合物の光照射による分子構造の変化を
妨げないことからも、これらのフォトクロミック化合物
の一種であるスピロピラン化合物の媒体として有用であ
ることが知られている(特開昭64−38744号公報
参照)。
【0004】しかし、このようなオルガノポリシロキサ
ンはスピロピレン化合物の単なる媒体であるために、時
間経過と共にこのスピロピラン化合物が析出したりして
しまうという問題があった。そのため、そのような問題
のないオルガノポリシロキサンを開発すべく鋭意検討し
た結果、分子中のケイ素原子にフォトクロミック化合物
を結合したオルガノポリシロキサンであればそのような
問題がなく、光メモリや光スイッチング素子等のオプト
エレクトロニクス材料として有用であることが判明し
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、本発明の目
的は、新規なフォトクロミックオルガノポリシロキサン
を提供することにあり、具体的には、紫外線の照射によ
ってスペクトルの変化を伴う分子構造の変化を生じ、次
いで、可視光の照射によって、この分子構造が元に戻る
というフォトクロミズムを示す新規なフォトクロミック
オルガノポリシロキサン、およびこのような新規なフォ
トクロミックオルガノポリシロキサンを効率よく製造す
る方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のフォトクロミッ
クオルガノポリシロキサンは、分子中のケイ素原子に、
一般式:
【化3】 (式中、R1は水素原子、アルキル基、アリール基、ア
ルコキシ基、シアノ基、アシル基、カルボキシル基、ニ
トロ基、およびアミノ基からなる群から選択される基、
またはアルキレン基、アリーレン基とアルキレン鎖を有
する基、エステル結合とアルキレン鎖を有する基、アミ
ド結合とアルキレン鎖を有する基、およびエーテル結合
とアルキレン鎖を有する基からなる群から選択される二
価有機基であり、ただし、少なくとも1個のR1はこの
二価有機基であり、nは3または4である。)で表され
るフォトクロミック有機基を結合していることを特徴と
する。
【0007】また、本発明の製造方法は、(A)分子中に
少なくとも1個のケイ素原子結合水素原子を有するオル
ガノポリシロキサンと(B)一般式:
【化4】 (式中、R2は水素原子、アルキル基、アリール基、ア
ルコキシ基、シアノ基、アシル基、カルボキシル基、ニ
トロ基、およびアミノ基からなる群から選択される基、
またはアルケニル基、アリーレン基とアルケニル基を有
する基、エステル結合とアルケニル基を有する基、アミ
ド結合とアルケニル基を有する基、およびエーテル結合
とアルケニル基を有する基からなる群から選択される脂
肪族炭素−炭素不飽和結合を有する一価有機基であり、
ただし、少なくとも1個のR2はこの一価有機基であ
り、nは3または4である。)で表されるフォトクロミ
ック有機化合物とを、(C)ヒドロシリル化反応用触媒の
存在下で反応させることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】はじめに、本発明のフォトクロミ
ックオルガノポリシロキサンについて説明する。このオ
ルガノポリシロキサンは、その分子中のケイ素原子に、
一般式:
【化5】 で表されるフォトクロミック有機基を結合していること
を特徴とする。上式中のR1は水素原子、アルキル基、
アリール基、アルコキシ基、シアノ基、アシル基、カル
ボキシル基、ニトロ基、およびアミノ基からなる群から
選択される基、またはアルキレン基、アリーレン基とア
ルキレン鎖を有する基、エステル結合とアルキレン鎖を
有する基、アミド結合とアルキレン鎖を有する基、およ
びエーテル結合とアルキレン鎖を有する基からなる群か
ら選択される二価有機基であり、ただし、少なくとも1
個のR1はこの二価有機基である。このR1のアルキル基
としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−
プロピル基、n−ブチル基が例示され、アリール基とし
ては、フェニル基、トリル基、ナフチル基が例示され、
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−
プロポキシ基、i−プロポキシ基が例示される。また、
このR1のアミノ基としては、アルキル基やアリール基
などにより置換されたものであってもよい。また、この
1のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン
基、ブチレン基、オクチレン基が例示され、アリーレン
基とアルキレン鎖を有する基としては、式:
【化6】 で表される基が例示され、エステル結合とアルキレン鎖
を有する基としては、式:
【化7】 で表される基が例示され、アミド結合とアルキレン鎖を
有する基としては、式:
【化8】 で表される基が例示される。そして、上式中のR1の少
なくとも1個は上記の二価有機基であることが必要であ
るが、これは、この基を介してオルガノポリシロキサン
分子鎖中のケイ素原子と結合するためである。また、上
式中のnは3または4である。
【0009】このような上記一般式で表されるフォトク
ロミック有機基としては、次のような有機基が例示され
る(ただし、式中のMeはメチル基を、OMeはメトキ
シ基を示している。)。
【化9】
【0010】このようなオルガノポリシロキサンの分子
量は限定されないが、実用的であることから、その数平
均分子量が1,000〜1,000,000であること
が好ましい。また、このオルガノポリシロキサンの分子
構造も限定されず、直鎖状、一部分枝を有する直鎖状、
分枝鎖状、環状、網状、梯子状が例示される。このよう
なオルガノポリシロキサンとしては、一般式: (R3SiO3/2)a(R3 3SiO1/2)b(AR3 2SiO1/2)c (式中、R3は同種もしくは異種の脂肪族炭素−炭素不
飽和結合を有しない一価炭化水素基であり、Aは上記の
フォトクロミック有機基であり、aは正の整数であり、
bは0または正の整数であり、cは正の整数である。)
で表されるオルガノポリシロキサンや一般式: R3 3SiO(R3 2SiO)p(AR3SiO)qSiR3 3 (式中、R3は同種もしくは異種の脂肪族炭素−炭素不
飽和結合を有しない一価炭化水素基であり、Aは上記の
フォトクロミック有機基であり、pは0または正の整数
であり、qは正の整数である。)で表されるオルガノポ
リシロキサンが例示され、前者のオルガノポリシロキサ
ンが製膜性が良好であることから好ましい。また、分子
中にケイ素原子結合水素原子が残存しているものであっ
てもよい。このようなオルガノポリシロキサンとして
は、次のようなものが例示される(ただし、式中のMe
はメチル基を、Aは上記のフォトクロミック有機基を、
Phはフェニル基を、また、i−PrOはイソプロポキ
シ基を示している。)。 (MeSiO3/2)88(Me3SiO1/2)4(AMe2SiO
1/2)8 (PhSiO3/2)150(AMe2SiO1/2)5 (Me2SiO2/2)10(Me3SiO1/2)2(AMeSiO
2/2)2 (MeSiO3/2)111(i−PrOMe2SiO1/2)5(AM
2SiO1/2)7 (MeSiO3/2)155(Me3SiO1/2)7(AMe2SiO
1/2)10(SiO4/2)224
【0011】続いて、本発明の製造方法を詳細に説明す
る。(A)成分のオルガノポリシロキサンはフォトクロミ
ックオルガノポリシロキサンの主原料であり、分子中に
少なくとも1個のケイ素原子結合水素原子を有すること
を特徴とする。このオルガノポリシロキサンの分子構造
は限定されず、直鎖状、一部分枝を有する直鎖状、分枝
鎖状、環状、網状、梯子状が例示される。このようなオ
ルガノポリシロキサンとしては、一般式: (R3SiO3/2)a(R3 3SiO1/2)b(HR3 2SiO1/2)c (式中、R3は同種もしくは異種の脂肪族炭素−炭素不
飽和結合を有しない一価炭化水素基であり、aは正の整
数であり、bは0または正の整数であり、cは正の整数
である。)で表されるオルガノポリシロキサンや一般
式: R3 3SiO(R3 2SiO)p(HR3SiO)qSiR3 3 (式中、R3は同種もしくは異種の脂肪族炭素−炭素不
飽和結合を有しない一価炭化水素基であり、pは0また
は正の整数であり、qは正の整数である。)で表される
オルガノポリシロキサンが例示され、前者のオルガノポ
リシロキサンが、得られるフォトクロミックオルガノポ
リシロキサンの製膜性が良好であることから好ましい。
このようなオルガノポリシロキサンとしては、次のよう
なものが例示される(ただし、式中のMeはメチル基
を、Aは上記のフォトクロミック有機基を、Phはフェ
ニル基を、また、i−PrOはイソプロポキシ基を示し
ている。)。 (MeSiO3/2)88(Me3SiO1/2)4(HMe2SiO
1/2)8 (PhSiO3/2)150(HMe2SiO1/2)5 (Me2SiO2/2)10(Me3SiO1/2)2(HMeSiO
2/2)2 (MeSiO3/2)111(i−PrOMe2SiO1/2)5(HM
2SiO1/2)7 (MeSiO3/2)155(Me3SiO1/2)7(HMe2SiO
1/2)10(SiO4/2)224
【0012】また、(B)成分のフォトクロミック有機化
合物はフォトクロミックオルガノポリシロキサンのフォ
トクロミズムを有する基を導入するための原料であり、
一般式:
【化10】 で表される。上式中のR2は水素原子、アルキル基、ア
リール基、アルコキシ基、シアノ基、アシル基、カルボ
キシル基、ニトロ基、およびアミノ基からなる群から選
択される基、またはアルケニル基、アリーレン基とアル
ケニル基を有する基、エステル結合とアルケニル基を有
する基、アミド結合とアルケニル基を有する基、および
エーテル結合とアルケニル基を有する基からなる群から
選択される脂肪族炭素−炭素不飽和結合を有する一価有
機基であり、ただし、少なくとも1個のR2はこの一価
有機基である。このR2のアルキル基としては、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−
ブチル基が例示され、アリール基としては、フェニル
基、トリル基、ナフチル基が例示され、アルコキシ基と
しては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、
i−プロポキシ基が例示され、アルケニル基としては、
ビニル基、アリル基、ブテニル基、オクテニル基が例示
され、アリーレン基を有するアルケニル基としては、
式:
【化11】 で表される基が例示され、エステル結合とアルケニル基
を有する基としては、式:
【化12】 で表される基が例示され、アミド基とアルケニル基を有
する基としては、式:
【化13】 で表される基が例示される。そして、上式中のR2の少
なくとも1個は上記の脂肪族炭素−炭素不飽和結合を有
する一価有機基であることが必要であるが、これは、こ
の基と上記(A)成分中のケイ素原子結合水素原子とをヒ
ドロシリル化反応させるためである。また、上式中のn
は3または4である。
【0013】このようなフォトクロミック有機化合物と
しては、次のような化合物が例示される(ただし、式中
のMeはメチル基を、OMeはメトキシ基を示してい
る。)。
【化14】
【0014】この製造方法において(A)成分と(B)成分
の添加量の割合は限定されないが、好ましくは(A)成分
中のケイ素原子結合水素原子1モルに対して、(B)成分
中の脂肪族炭素−炭素不飽和結合を有する一価有機基が
1〜2モルとなる量である。これは、(A)成分中のケイ
素原子結合水素原子1モルに対して、(B)成分中の脂肪
族炭素−炭素不飽和結合を有する一価有機基が1モル未
満となる量であると、(B)成分中の未反応のケイ素原子
結合水素原子により好ましくないためであり、また、こ
れが2モルをこえると、未反応の(B)成分が多くなり、
効率が悪いためである。
【0015】また、(C)成分のヒドロシリル化反応用触
媒は(A)成分中のケイ素原子結合水素原子と(B)成分中
の脂肪族炭素−炭素不飽和結合とのヒドロシリル化反応
を促進するための触媒である。この触媒としては、白金
系触媒、ロジウム系触媒、パラジウム系触媒等の金属系
触媒が用いられ、特に、白金系触媒が好ましい。この白
金系触媒としては、塩化白金酸、白金黒、白金のオレフ
ィン錯体、白金のホスフィン錯体、白金のアルケニルシ
ロキサン錯体が例示され、このパラジウム系触媒として
は、塩化トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、
塩化カルボニルビス(トリフェニルホスフィン)ロジウ
ム、アセチルアセトナトジカルボニルロジウムが例示さ
れ、オアラジウム系触媒としては、パラジウムカーボ
ン、塩化パラジウム、塩化ビス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウムが例示される。
【0016】この触媒の添加量は限定されず、上記のヒ
ドロシリル化反応が進行するに十分な量であれば特に限
定されず、例えば、(A)成分と(B)成分の合計量に対し
て、(C)成分中の触媒金属が重量単位で0.01〜10
00ppmとなる量であることが好ましい。
【0017】また、上記の製造方法においては、必要に
応じて有機溶媒を使用することができる。この有機溶媒
としては、付加反応を阻害しないものであれば特に限定
されないが、反応後に除去しやすいことから、トルエ
ン、キシレン等の有機溶媒であることが好ましい。
【0018】本発明のフォトクロミックオルガノポリシ
ロキサンは、液状、半固体状、固体状等の形態をとるこ
とができるので、これをトルエン等の有機溶剤に溶解さ
せて液状のフォトクロミック材料としたり、また、これ
をフォトクロミズムを示さない周知のオルガノポリシロ
キサンに溶解させて液状のフォトクロミック材料とした
り、また、半固体もしくは固体状のものをトルエン等の
有機溶剤に溶解させた後、これを石英板等の基材にスピ
ンコート等の方法により塗布して有機溶剤を除去するこ
とにより、フィルムないしは塗膜状のフォトクロミック
材料とすることができる。また、ケイ素原子結合水素原
子が分子中に2個以上残存している場合には、アルケニ
ル基含有オルガノポリシロキサン、およびヒドロシリル
化反応用触媒と混合して硬化性組成物としてもよい。こ
のようなフォトクロミック材料は光メモリや光スイッチ
ング素子等のオプトエレクトロニクス材料として好適で
ある。
【0019】
【実施例】本発明のフォトクロミックオルガノポリシロ
キサンおよびその製造方法を実施例により詳細に説明す
る。なお、式中のMeはメチル基を、Phはフェニル基
を、i−PrOはイソプロポキシ基を示している。
【0020】[実施例1]ガラス転移点(Tg)が57.
9℃である、平均単位式: (PhSiO3/2)14(HMe2SiO1/2)3 で表されるオルガノポリシロキサン214ミリグラム、
トルエン10ミリリットル、および式:
【化15】 で表されるフォトクロミック有機化合物78ミリグラム
に、白金の1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジ
ビニルジシロキサン錯体のトルエン溶液(白金含有量=
5重量%)10ミリグラムを添加して、これを73〜9
0℃で12時間加熱攪拌してヒドロシリル化反応させ
た。次いで、これを室温まで冷却した後、減圧下でトル
エンを留去した。この反応混合物に水およびクロロホル
ムを添加して、生成物をクロロホルム抽出した。この抽
出分を大量のメタノール中に投入して、ガラス転移点
(Tg)が57.6℃である白色固体217ミリグラムを
再沈させて得た。この白色固体を赤外線分光分析したと
ころ、ケイ素原子結合水素原子を示す2130cm-1
特性吸収シグナルの消失、および1H−核磁気共鳴分析
により分析したところ、オレフィンを示すピークの消失
から、平均単位式:
【化16】 で表されるオルガノポリシロキサンであることが確認さ
れた。このオルガノポリシロキサンのトルエン溶液を石
英板上にスピンコートした後、トルエンを留去させて、
膜厚750nmのオルガノポリシロキサンフィルムを作
成した。このフィルムに313nmの紫外線を照射する
と、平均単位式:
【化17】 で表される閉環体へと異性化し、これに550nm以上
の可視光を照射するともとの開環体に戻るフォトクロミ
ズムを示した。
【0021】[実施例2]ガラス転移点(Tg)が26.
4℃である、平均単位式: (MeSiO3/2)111(i−PrOMe2SiO1/2)5(HM
2SiO1/2)7 で表されるオルガノポリシロキサン203ミリグラム、
トルエン5ミリリットル、および式:
【化18】 で表されるフォトクロミック有機化合物122.7ミリ
グラムに、白金の1,1,3,3−テトラメチル−1,
3−ジビニルジシロキサン錯体のトルエン溶液(白金含
有量=5重量%)7ミリグラムを添加して、これを75
℃で4時間加熱攪拌してヒドロシリル化反応させた。次
いで、これを室温まで冷却した後、減圧下でトルエンを
留去した。この反応混合物に水およびクロロホルムを添
加して、生成物をクロロホルムで抽出した。この抽出分
を大量のメタノール中に投入して、ガラス転移点(Tg)
が24.2℃である白色固体176ミリグラムを再沈さ
せて得た。この白色固体を赤外線分光分析したところ、
ケイ素原子結合水素原子を示す2120cm-1の特性吸
収シグナルの消失、および1H−核磁気共鳴分析により
分析したところ、オレフィンを示すピークの消失から、
平均単位式:
【化19】 で表されるオルガノポリシロキサンであることが確認さ
れた。このオルガノポリシロキサンのトルエン溶液を石
英板上にスピンコートした後、トルエンを留去させて、
膜厚1050nmのオルガノポリシロキサンフィルムを
作成した。このフィルムに313nmの紫外線を照射す
ると、平均単位式:
【化20】 で表される閉環体へと異性化し、これに550nm以上
の可視光を照射するともとの開環体に戻るフォトクロミ
ズムを示した。
【0022】[実施例3]粘度が5センチポイズであ
る、式: Me3SiO(Me2SiO)6(HMeSiO)3SiMe3 で表されるオルガノポリシロキサン30ミリグラム、ト
ルエン3ミリリットル、および式:
【化21】 で表されるフォトクロミック有機化合物26ミリグラム
に1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジ
シロキサン錯体のトルエン溶液(白金の含有量=5重量
%)7ミリグラムを添加して、これを80〜90℃で5
時間加熱攪拌してヒドロシリル化反応させた。次いで、
これを室温まで冷却した後、減圧下でトルエンを留去し
た。この反応混合物に水およびクロロホルムを添加し
て、生成物をクロロホルムで抽出した。この抽出分を無
水硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過、濃縮して、淡
黄色液体56ミリグラムを得た。この淡黄色液体を赤外
線分光分析したところ、ケイ素原子結合水素原子を示す
2150cm-1の特性吸収シグナルの消失、および1
−核磁気共鳴分析により分析したところ、オレフィンを
示すピークの消失から、式:
【化22】 で表されるオルガノポリシロキサンであることが確認さ
れた。このオルガノポリシロキサン1重量部を、式: Me3SiO(Me2SiO)17SiMe3 で表されるオルガノポリシロキサン40重量部に溶解さ
せてフォトクロミックオルガノポリシロキサン組成物を
調製した。この組成物を石英セルに入れた。この溶液に
313nmの紫外光を照射すると式:
【化23】 で表される閉環体へと異性化し、これに550nm以上
の可視光を照射するともとの開環体に戻るフォトクロミ
ズムを示した。
【0023】
【発明の効果】本発明のフォトクロミックオルガノポリ
シロキサンは新規な化合物であり、紫外線の照射によっ
てスペクトルの変化を伴う分子構造の変化を生じ、次い
で、可視光の照射によって、この分子構造が元に戻ると
いうフォトクロミズムを示すという特徴がある。また、
本発明の製造方法は、このような新規なフォトクロミッ
クオルガノポリシロキサンを効率よく製造できるという
特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は実施例1で調製したフォトクロミック
オルガノポリシロキサンの赤外線分光分析によるスペク
トルチャートである。
【図2】 図2は実施例1で調製したフォトクロミック
オルガノポリシロキサンの1H−核磁気共鳴分析による
スペクトルチャートである。
【図3】 図3は実施例1で調製したフォトクロミック
オルガノポリシロキサンの吸収スペクトルを示してお
り、実線は開環体を、点線はこの開環体に313nmの
紫外線を照射したときの光定常状態(開環体:閉環体=
60:40)を示している。
【図4】 図4は実施例2で調製したフォトクロミック
オルガノポリシロキサンの赤外線分光分析によるスペク
トルチャートである。
【図5】 図5は実施例2で調製したフォトクロミック
オルガノポリシロキサンの1H−核磁気共鳴分析による
スペクトルチャートである。
【図6】 図6は実施例2で調製したフォトクロミック
オルガノポリシロキサンの吸収スペクトルを示してお
り、実線は開環体を、点線はこの開環体に313nmの
紫外線を照射したときの光定常状態(開環体:閉環体=
55:45)を示している。
【図7】 図7は実施例3で調製したフォトクロミック
オルガノポリシロキサンの赤外線分光分析によるスペク
トルチャートである。
【図8】 図8は実施例3で調製したフォトクロミック
オルガノポリシロキサンの1H−核磁気共鳴分析による
スペクトルチャートである。
【図9】 図9は実施例3で調製したフォトクロミック
オルガノポリシロキサンの吸収スペクトルを示してお
り、実線は開環体を、点線はこの開環体に313nmの
紫外線を照射したときの光定常状態(開環体:閉環体=
49:51)を示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 入江 正浩 福岡県福岡市早良区室見4丁目24番25− 706号

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子中のケイ素原子に、一般式: 【化1】 (式中、R1は水素原子、アルキル基、アリール基、ア
    ルコキシ基、シアノ基、アシル基、カルボキシル基、ニ
    トロ基、およびアミノ基からなる群から選択される基、
    またはアルキレン基、アリーレン基とアルキレン鎖を有
    する基、エステル結合とアルキレン鎖を有する基、アミ
    ド結合とアルキレン鎖を有する基、およびエーテル結合
    とアルキレン鎖を有する基からなる群から選択される二
    価有機基であり、ただし、少なくとも1個のR1はこの
    二価有機基であり、nは3または4である。)で表され
    るフォトクロミック有機基を結合しているフォトクロミ
    ックオルガノポリシロキサン。
  2. 【請求項2】 (A)分子中に少なくとも1個のケイ素原
    子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサンと(B)
    一般式: 【化2】 (式中、R2は水素原子、アルキル基、アリール基、ア
    ルコキシ基、シアノ基、アシル基、カルボキシル基、ニ
    トロ基、およびアミノ基からなる群から選択される基、
    またはアルケニル基、アリーレン基とアルケニル基を有
    する基、エステル結合とアルケニル基を有する基、アミ
    ド結合とアルケニル基を有する基、およびエーテル結合
    とアルケニル基を有する基からなる群から選択される脂
    肪族炭素−炭素不飽和結合を有する一価有機基であり、
    ただし、少なくとも1個のR2はこの一価有機基であ
    り、nは3または4である。)で表されるフォトクロミ
    ック有機化合物とを、(C)ヒドロシリル化反応用触媒の
    存在下で反応させることを特徴とする、請求項1記載の
    フォトクロミックオルガノポリシロキサンの製造方法。
JP27555296A 1996-09-26 1996-09-26 フォトクロミックオルガノポリシロキサンおよびその製造方法 Withdrawn JPH10101802A (ja)

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