JP2000072784A - カルボシロキサンデンドリマー - Google Patents
カルボシロキサンデンドリマーInfo
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Abstract
結合とシルアルキレン結合が交互に配列した高分岐構造
を有し、高分子量化が可能であり、かつ分子量分布が狭
く、置換基を有する新規なカルボシロキサンデンドリマ
ーを提供する。 【解決手段】 一般式:X1R1 aSiO(3-a)/2 {式中、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基もしくは
アリール基であり、aは0〜2の整数であり、X1は i =
1とした場合の次式 で示されるシリルアルキル基である。}具体的には、例
えば で示されるシロキサン単位を含有するケイ素原子数2以
上のポリシロキサン構造を核に有するカルボシロキサン
デンドリマー。
Description
サンデンドリマーに関し、詳しくは、ポリシロキサン構
造を核として、シロキサン結合とシルアルキレン結合が
交互に配列した高分岐構造を有し、分子量分布が狭く置
換基を有する新規なカルボシロキサンデンドリマーに関
する。
造を有し、分子量分布が狭い高分子はデンドリマーと呼
ばれ、低粘度性,高反応性,高溶解性,低ガラス転移温
度といった特徴的な性質を持っており、その応用が注目
されている。有機ケイ素デンドリマーとしては、例え
ば、シロキサンデンドリマー{レブロフら、Dokl. Aka
d.Nauk. SSSR 309, 367 (1989);正宗ら、J. Am. Chem.
Soc. 112, 7077 (1990)参照},カルボシロキサンデン
ドリマー{柿本ら、Macromolecules 24, 3469 (1991);
特開平7−17981号公報、シェイコら、Macromol.
Rapid Commun. 17,283 (1996)参照},カルボシランデ
ンドリマー{ルーバースら、Macromolecules26, 963 (1
993);特開平8−311205号公報参照}などが知ら
れている。これらの中には、シロキサン結合とシルアル
キレン結合が交互に配列したカルボシロキサンデンドリ
マーも開示されているが{特開平7−17981号公
報;シェイコら、Macromol. Rapid Commun. 17, 283 (1
996)参照}、これらは一個のケイ素原子に複数のビニル
基またはアリル基が結合したシラン化合物をデンドリマ
ーの核構成原料とするものに限定されており、しかも、
階層数が小さい低分子量のデンドリマーしか得られない
という欠点があった。また、一段階重合法によるシロキ
サン結合とシルアルキレン結合が交互に配列した高分岐
状ポリマーの合成も開示されているが{マシウスら、J.
Am. Chem. Soc. 113, 4043 (1991)参照}、この方法で
は、分子量分布の狭いデンドリマーは得られないという
欠点があった。すなわち、シロキサン結合とシルアルキ
レン結合が交互に配列した高分岐構造を有し、高分子量
化が可能であり、かつ分子量分布が狭く、置換基を有す
るカルボシロキサンデンドリマーはこれまで知られてい
なかった。
を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。即
ち、本発明の目的は、ポリシロキサン構造を核として、
シロキサン結合とシルアルキレン結合が交互に配列した
高分岐構造を有し、高分子量化が可能であり、かつ分子
量分布が狭く、置換基を有する新規なカルボシロキサン
デンドリマーを提供することにある。
aSiO(3-a)/2{式中、R1は炭素原子数1〜10のアルキ
ル基もしくはアリール基であり、aは0〜2の整数であ
り、X1は i = 1とした場合の次式で示されるシリルアル
キル基である。
アリール基であり、R2は炭素原子数2〜10のアルキレ
ン基であり、R3は炭素原子数1〜10のアルキル基であ
り、Xi+1は上記シリルアルキル基,非置換の一価炭化水
素基,炭素原子および水素原子以外の原子で置換された
一価炭化水素基または炭素原子および水素原子以外の原
子を含む基で置換された一価炭化水素基である。iは該
シリルアルキル基の階層を示している1〜10の整数で
あり、biは0〜3の整数である。)}で示されるシロキ
サン単位を含有するケイ素原子数2以上のポリシロキサ
ン構造を核に有し、式:
アリール基であり、R4は炭素原子および水素原子以外の
原子で置換された一価炭化水素基または炭素原子および
水素原子以外の原子を含む基で置換された一価炭化水素
基である。)で示されるシロキシ基を1個以上有するカ
ルボシロキサンデンドリマーに関する。
リマーは、一般式:X1R1 aSiO(3-a)/2 で示される同種も
しくは異種のシロキサン単位を含有するケイ素原子数2
以上のポリシロキサン構造を核に有する化合物である。
上式中、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基もしくは
アリール基であり、アルキル基としては、メチル基,エ
チル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,イソプロ
ピル基,イソブチル基,シクロペンチル基,シクロヘキ
シル基が例示され、アリール基としては、フェニル基,
ナフチル基が例示される。これらの中でもメチル基が好
ましい。aは0〜2の整数である。X1はi = 1とした場合
の次式で示されるシリルアルキル基である。
り、エチレン基,プロピレン基,ブチレン基,ヘキシレ
ン基などの直鎖状アルキレン基;メチルメチレン基,メ
チルエチレン基,1−メチルペンチレン基,1,4−ジ
メチルブチレン基などの分岐状アルキレン基が例示され
る。これらの中でも、エチレン基,メチルメチレン基,
ヘキシレン基,1−メチルペンチレン基,1,4−ジメ
チルブチレン基が好ましい。R3は炭素原子数1〜10の
アルキル基であり、メチル基,エチル基,プロピル基,
ブチル基,ペンチル基,イソプロピル基が例示される。
これらの中でもメチル基またはエチル基が好ましい。R1
は前記と同じである。Xi+1は上記シリルアルキル基,非
置換の一価炭化水素基,炭素原子および水素原子以外の
原子で置換された一価炭化水素基または炭素原子および
水素原子以外の原子を含む基で置換された一価炭化水素
基である。非置換の一価炭化水素基は炭素原子数が1〜
30であることが好ましく、具体的には、メチル基,エ
チル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,イソプロ
ピル基,イソブチル基,シクロペンチル基,シクロヘキ
シル基などのアルキル基;フェニル基,ナフチル基,ト
リル基,キシリル基などのアリール基;ビニル基,アリ
ル基、ブテニル基、ペンテニル基,へキセニル基などの
アルケニル基;ベンジル基,フェネチル基などのアラル
キル基が例示される。また、炭素原子および水素原子以
外の原子で置換された一価炭化水素基または炭素原子お
よび水素原子以外の原子を含む基で置換された一価炭化
水素基とは、各種シリコーン化合物中に存在し得る公知
の有機基で置換された一価炭化水素基を指し、好ましく
は1種以上の、アルコール性水酸基,フェノール性水酸
基,アミノ基,アルコキシ基,カルボキシル基,ニトリ
ル基,ハロゲン原子,環状もしくは非環状のエーテル含
有基,カルボン酸エステル含有基で置換された炭素原子
数1〜30の一価炭化水素基である。具体的には、アル
コール性水酸基置換炭化水素基として3−ヒドロキシプ
ロピル基,ヒドロキシメチル基,(ヒドロキシエトキ
シ)プロピル基;フェノール性水酸基置換炭化水素基と
してヒドロキシフェニル基,(ヒドロキシフェニル)プ
ロピル基;アミノ基置換炭化水素基としてアミノプロピ
ル基,アミノメチル基,N−ブチルアミノプロピル基,
N−シクロヘキシルアミノプロピル基,N,N−ジブチ
ルアミノプロピル基,N,N−ジブチルアミノメチル
基;アルコキシ基置換炭化水素基として3−ブトキシプ
ロピル基,3,3−ジメトキシプロピル基;カルボキシ
ル基置換炭化水素基として3−カルボキシプロピル基,
10−カルボキシデシル基;ニトリル基置換炭化水素基
として2−シアノエチル基,3−シアノプロピル基;ハ
ロゲン原子置換炭化水素基として3−クロロプロピル
基,クロロメチル基,3,3,3−トリフルオロプロピ
ル基,p−クロロメチルフェネチル基,ノナフルオロヘ
キシル基;環状エーテル含有基置換炭化水素基としてグ
リシドキシプロピル基,5,6−オキシラニルブチル
基,テトラヒドロフルフリロキシプロピル基;非環状エ
ーテル含有基置換炭化水素基としてメトキシエトキシプ
ロピル基,ポリオキシエチレニルプロピル基,ポリオキ
シプロピレニルプロピル基;カルボン酸エステル含有基
置換炭化水素基としてアセトキシプロピル基,エトキシ
カルボニルプロピル基;フェノール性水酸基とアルコキ
シ基で置換された炭化水素基として4−ヒドロキシ−3
−メトキシフェニルプロピル基;アルコール性水酸基と
カルボン酸エステル含有基で置換された炭化水素基とし
て6−アセトキシ−5−ヒドロキシヘキシル基;アルコ
ール性水酸基,カルボン酸エステル含有基およびエーテ
ル含有基で置換された炭化水素基として7−アクリロキ
シ−6−ヒドロキシ−4−オキサヘプチル基が例示され
る。iは1〜10の整数であり、biは0〜3の整数であ
る。ここで、iは該シリルアルキル基の階層数、即ち、
該シリルアルキル基の繰り返し数を示している。従っ
て、階層数が1である場合に、該シリルアルキル基は一
般式:
基は一般式:
基は一般式:
同じであり、R5は非置換の一価炭化水素基,炭素原子お
よび水素原子以外の原子で置換された一価炭化水素基ま
たは炭素原子および水素原子以外の原子を含む基で置換
された一価炭化水素基であるが、1分子中のR5の内少な
くとも1個は、炭素原子および水素原子以外の原子で置
換された一価炭化水素基または炭素原子および水素原子
以外の原子を含む基で置換された一価炭化水素基であ
る。この置換炭化水素基としては、前記Xi+1で例示した
のと同様の基が挙げられる。
核であるポリシロキサン構造は、上記一般式:X1R1 aSiO
(3-a)/2(式中、X1,R1およびaは前記と同じである。)
で示されるシロキサン単位を含有するケイ素原子数2以
上のシロキサン構造であればよく、一般式:X1R1 aSiO
(3-a)/2(式中、X1,R1およびaは前記と同じである。)
で示されるシロキサン単位からなるポリシロキサン構造
の他、該一般式で示されるシロキサン単位と一般式:R1
cSiO(4-c)/2(式中、R1は前記と同じであり、cは0〜
3の整数である。)で示されるシロキサン単位からなる
ポリシロキサン構造が挙げられる。このような本発明の
カルボシロキサンデンドリマーの核を構成するシロキサ
ン単位としては、一般式: X1R1 2SiO1/2またはR1 3SiO
1/2で示される1官能シロキサン単位(M単位),一般
式:X1R1SiO2/2またはR1 2SiO2/2で示される2官能シロ
キサン単位(D単位),一般式:X1SiO3/2またはR1SiO
3/2で示される3官能シロキサン単位(T単位),SiO
4/2で示される4官能シロキサン単位(Q単位)があ
る。このようなシロキサン単位が結合したポリシロキサ
ン構造を核とし、この核から放射状に高度な枝分かれ構
造を有する本発明のカルボシロキサンデンドリマーとし
ては、次の一般式で示される化合物が挙げられる。式
中、X1およびR1は前記と同じであり、m, n, x, y, z,
p, q, r, s, tは一分子中に存在するシロキサン単位数
を示す1以上の数であるが、(p+q)は5以上、(s+t)
は6以上である。
しくはそれらの混合物であるが、ポリスチレン換算の分
子量における分散度指数、即ち重量平均分子量と数平均
分子量の商(Mw/Mn)が2以下であることが好まし
い。
ドリマーとして具体的には、下記平均分子式で示される
重合体が挙げられる。
は、例えば、一般式:HR1 aSiO(3-a)/2(式中、R1および
aは前記と同じである。)で示されるケイ素原子数2以
上のケイ素原子結合水素原子含有ポリシロキサンを出発
物質として、下記の(x)工程と(y)工程を1回以上
交互に行い、最後に(y)工程の後に(z)工程を行う
か、もしくは(x)工程の後に(w)工程を行うことに
より製造することができる。 (x)工程:上記出発物質または下記(y)工程で生成
するケイ素原子結合水素原子含有カルボシロキサンデン
ドリマーと、一般式:R6Si(OR3)3(式中、R3は前記と同
じであり、R6は炭素原子数2〜10のアルケニル基であ
る。)で示されるアルケニル基含有アルコキシシランと
を、白金系遷移金属触媒の存在下に付加反応させる工
程。 (y)工程:上記(x)工程で得られたアルコキシ基含
有カルボシロキサンデンドリマーと、一般式:
サンを酸性条件下に反応させる工程。 (z)工程:上記(y)工程で得られたカルボシロキサ
ンデンドリマーと、一分子中に1個の非共役アルケニル
基と1個以上の炭素原子および水素原子以外の原子もし
くは炭素原子および水素原子以外の原子を含む基とを有
する化合物、または、一分子中に1個の非共役アルケニ
ル基を有する炭化水素化合物を、白金系遷移金属触媒の
存在下に付加反応させる工程。 (w)工程:上記(x)工程で得られたアルコキシ基含
有カルボシロキサンデンドリマーと、一般式:
ジシロキサンを酸性条件下に反応させる工程。
れる白金系遷移金属触媒としては、塩化白金酸,アルコ
ール変性塩化白金酸,白金のオレフィン錯体,白金のジ
ケトナート錯体が例示される。この白金系遷移金属触媒
を用いて付加反応を行う際には、原料中のケイ素原子結
合水素原子を完全に反応させるために、やや過剰のアル
ケニル基含有化合物を反応させるのが好ましい。過剰量
のアルケニル基含有化合物は反応後、減圧蒸留等によっ
て分別回収することができる。またこの付加反応は常温
もしくは加熱条件下に行うことができ、反応を妨害しな
い溶媒を用いて行うこともできる。尚、(x)工程で使
用されるアルケニル基含有アルコキシシランとしては、
ビニルトリメトキシシラン,ビニルトリエトキシシラ
ン,ヘキセニルトリメトキシシラン,ヘキセニルトリエ
トキシシランが例示され、(z)工程で使用される一分
子中に1個の非共役アルケニル基と、1個以上の炭素原
子および水素原子以外の原子もしくは炭素原子および水
素原子以外の原子を含む基とを有する化合物としては、
アルコール性水酸基,フェノール性水酸基,アミノ基,
アルコキシ基,カルボキシル基,ニトリル基,ハロゲン
原子,環状もしくは非環状のエーテル含有基,カルボン
酸エステル含有基から選択される1種以上の原子もしく
は基を有する炭素原子数30以下のアルケニル化合物が
好ましく、具体的には、アリルアルコール,アリロキシ
エタノール,ο−アリルフェノール,アリルアミン,ブ
チルアリルエーテル,ウンデシレン酸,シアン化アリ
ル,アクリロニトリル,塩化アリル,アリルグリシジル
エーテル,アリルメタクリレートが例示される。一方、
一分子中に1個の非共役アルケニル基を有する炭化水素
化合物は炭素原子数が30以下であることが好ましく、
具体的には、プロピレン,1−ブテン,イソブテン,1
−ヘキセン,1−オクテン,スチレン,α−メチルスチ
レンが例示される。
酸性条件を作るのに使われる酸性物質としては、塩酸,
硫酸,カルボン酸類,スルホン酸類またはその混合物が
好ましい。尚、(y)工程では、ケイ素原子結合水素原
子がアルコール分解することにより、本発明のカルボシ
ロキサンデンドリマーに下記式で示されるモノアルコキ
シシロキシ基が少量含まれることがある。
ンドリマーは、ポリシロキサン構造を核として、シロキ
サン結合とシルアルキレン結合が交互に配列した高分岐
構造を有する化合物である。このデンドリマーは高分子
量化が可能であり、かつ、分子量分布が狭いという特徴
を有する。さらに本発明のカルボシロキサンデンドリマ
ーは分岐構造の末端に各種有機基で置換された炭化水素
基を有するので、その物理特性は、有機基の化学的、物
理的性質に支配される傾向にある。例えば、ポリエーテ
ル構造などの親水性基を持つ本発明のカルボシロキサン
デンドリマーは高い水溶性を示し、エポキシ基やアミノ
基などの反応性有機基を有する本発明のカルボシロキサ
ンデンドリマーは、その反応性が非常に高いという特徴
を有する。このため本発明のカルボシロキサンデンドリ
マーは、離型剤,潤滑剤,樹脂改質剤,架橋剤として有
用である。
例中、本発明のカルボシロキサンデンドリマーの同定
は、29Si−核磁気共鳴分析およびゲル透過クロマトグ
ラフィー分析(溶媒:トルエン)により行った。
トを取り付けた200ml4つ口フラスコに、ビニルト
リメトキシシラン107gと塩化白金酸3%イソプロパ
ノール溶液0.04gを投入し、これらを撹拌しながら
100℃に加熱した。これに、テトラキス(ジメチルシ
ロキシ)シラン49.4gを、滴下ロートを用いて反応
温度が100℃を保つようにゆっくり滴下した。滴下終
了後、反応溶液を120℃で1時間加熱した。冷却後、
減圧濃縮したところ、138gの微褐色液体が得られ
た。これを中間体Aとした。次に、撹拌装置、温度計、
還流冷却管、滴下ロートを取り付けた300ml4つ口
フラスコに、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン
80.6g、酢酸72.1gおよびトリフルオロメタン
スルホン酸0.11gを投入して、これらを撹拌しなが
ら、40℃に加熱した。これに、上記で得た中間体A7
6.8gを滴下ロートを用いて1時間かけてゆっくり滴
下した。滴下終了後、反応溶液を50℃で1時間撹拌し
た。反応溶液を分液ロートに移して下層を分取した後、
残った上層液を水50mlで2回、飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液50mlで1回洗浄して、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。固形分を濾別し、得られた溶液を減圧濃
縮したところ、119gの無色透明液体が得られた。こ
れを中間体Bとした。さらに、撹拌装置、温度計、還流
冷却管、滴下ロートを取り付けた200ml4つ口フラ
スコに、ビニルトリメトキシシラン88.9gと塩化白
金酸3%イソプロパノール溶液0.04gを投入し、こ
れらを撹拌しながら100℃に加熱した。これに、上記
で得た中間体B60.5gを、滴下ロートを用いて反応
温度が100℃を保つようにゆっくり滴下した。滴下終
了後、反応溶液を120℃で1時間加熱した。冷却後、
反応溶液を減圧濃縮したところ、134gの微褐色液体
が得られた。これを中間体Cとした。撹拌装置、温度
計、還流冷却管、滴下ロートを取り付けた300ml4
つ口フラスコに、1,1,3,3−テトラメチルジシロキ
サン75.1g、酢酸53.7gおよび上記で得た中間
体C66.9gを投入して、これらを撹拌しながら、5
0℃に加熱した。これに、トリフルオロメタンスルホン
酸0.08gを投入した後、反応溶液を50℃で1時間
撹拌した。反応溶液を分液ロートに移して下層を分取し
た後、残った上層液を水30mlで2回、飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液30mlで1回洗浄して、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。固形分を濾別し、得られた溶液を
減圧濃縮したところ、77.1gの無色透明液体が得ら
れた。これを中間体Dとした。最後に、撹拌装置、温度
計、還流冷却管、滴下ロートを取り付けた100ml4
つ口フラスコに、片末端アリル化ポリオキシエチレング
リコール(25量体)46.1gと塩化白金酸3%イソ
プロパノール溶液0.07gを投入し、これらを撹拌し
ながら80℃に加熱した。これに、上記で得た中間体D
15.0gを、滴下ロートを用いて反応温度が85℃を
保つようにゆっくり滴下した。滴下終了後、反応溶液を
100℃で1時間加熱した。冷却後、反応溶液を減圧濃
縮したところ、64.0gの微褐色液体が得られた。こ
の反応生成物を29Si−核磁気共鳴分析により分析した
ところ、下記の平均分子式で示されるカルボシロキサン
デンドリマーであることが判明した。またこのカルボシ
ロキサンデンドリマーは、ゲル透過クロマトグラフィー
によるポリスチレン換算数平均分子量が26030であ
り、分散度指数が1.32であることが確認された。
トを取り付けた200ml4つ口フラスコに、ビニルト
リメトキシシラン88.9gと塩化白金酸3%イソプロ
パノール溶液0.04gを投入し、これらを撹拌しなが
ら100℃に加熱した。これに、1,3,5,7−テトラ
メチルシクロテトラシロキサン30.1gを、滴下ロー
トを用いて反応温度が100℃を保つようにゆっくり滴
下した。滴下終了後、反応溶液を120℃で1時間加熱
した。冷却後、反応溶液を減圧濃縮したところ、100
gの微褐色液体が得られた。これを中間体Iとした。続
いて、撹拌装置、温度計、還流冷却管、滴下ロートを取
り付けた500ml4つ口フラスコに、1,1,3,3−
テトラメチルジシロキサン93.0g、濃塩酸27m
l、水53mlおよびイソプロパノール53mlを投入
してこれらを撹拌した。次いでこれに、上記で得た中間
体I80.0gを滴下ロートを用いて1時間かけてゆっ
くり滴下した。滴下終了後、反応溶液を室温で1時間撹
拌した。次いで反応溶液を分液ロートに移して下層を分
取した後、残った上層液を水50mlで2回、飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液50mlで1回洗浄して、無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。固形分を濾別し、得られた溶
液を減圧濃縮したところ、98.5gの無色透明液体が
得られた。これを中間体Jとした。最後に、撹拌装置,
温度計,還流冷却管,滴下ロートを取り付けた100m
l4つ口フラスコに、アリルグリシジルエーテル45.
7gと塩化白金酸3%イソプロパノール溶液0.04g
を投入し、これらを撹拌しながら100℃に加熱した。
これに、上記で得た中間体J35.0gを、滴下ロート
を用いて反応温度が100℃を保つようにゆっくり滴下
した。滴下終了後、反応溶液を120℃で1時間加熱し
た。冷却後、減圧濃縮したところ、60.0gの微褐色
液体が得られた。この反応生成物を29Si−核磁気共鳴
分析により分析したところ、下記の平均分子式で示され
るカルボシロキサンデンドリマーであることが判明し
た。またこのカルボシロキサンデンドリマーは、ゲル透
過クロマトグラフィーによるポリスチレン換算数平均分
子量が2061であり、分散度指数が1.21であるこ
とが確認された。
トを取り付けた100ml4つ口フラスコに、ビニルト
リメトキシシラン49.4gと塩化白金酸3%イソプロ
パノール溶液0.04gを投入し、これらを撹拌しなが
ら100℃に加熱した。これに、平均分子式:
用いて反応温度が100℃を保つようにゆっくり滴下し
た。滴下終了後、反応溶液を120℃で1時間加熱し
た。冷却後、反応溶液を減圧濃縮したところ、63.1
gの微褐色液体が得られた。これを中間体Kとした。次
に、撹拌装置、温度計、還流冷却管、滴下ロートを取り
付けた200ml4つ口フラスコに、1,1,3,3−テ
トラメチルジシロキサン33.9g、濃塩酸13ml、
水27mlおよびイソプロパノール27mlを投入して
これらを撹拌した。次いでこれに、上記で得た中間体K
40.0gを滴下ロートを用いて1時間かけてゆっくり
滴下した。滴下終了後、反応溶液を室温で1時間撹拌し
た。反応溶液を分液ロートに移して下層を分取した後、
残った上層液を水20mlで2回、飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液20mlで1回洗浄して、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。固形分を濾別し、得られた溶液を減圧濃
縮したところ、45.4gの無色透明液体が得られた。
これを中間体Lとした。最後に、撹拌装置,温度計,還
流冷却管,滴下ロートを取り付けた100ml4つ口フ
ラスコに、酢酸アリル62.4gと塩化白金酸3%イソ
プロパノール溶液0.05gを投入し、これらを撹拌し
ながら90℃に加熱した。これに、上記で得た中間体L
27.0gを、滴下ロートを用いて反応温度が90℃を
保つようにゆっくり滴下した。滴下終了後、反応溶液を
100℃で1時間加熱した。冷却後、減圧濃縮したとこ
ろ、30.3gの微褐色液体が得られた。この反応生成
物を29Si−核磁気共鳴分析により分析したところ、下
記の平均分子式で示されるカルボシロキサンデンドリマ
ーであることが判明した。またこのカルボシロキサンデ
ンドリマーは、ゲル透過クロマトグラフィーによるポリ
スチレン換算数平均分子量が2894であり、分散度指
数が1.73であることが確認された。
トを取り付けた500ml4つ口フラスコに、ビニルト
リメトキシシラン214gと塩化白金酸3%イソプロパ
ノール溶液0.16gを投入し、これらを撹拌しながら
100℃に加熱した。これに、平均組成式:{H(CH3)2Si
O1/2}10(SiO4/2)5で示されるポリシロキサン 10
0gを、滴下ロートを用いて反応温度が100℃を保つ
ようにゆっくり滴下した。滴下終了後、反応溶液を12
0℃で1時間加熱した。冷却後、減圧濃縮したところ、
234gの微褐色液体が得られた。これを中間体Mとし
た。次に、撹拌装置、温度計、還流冷却管、滴下ロート
を取り付けた1000ml4つ口フラスコに、1,1,
3,3−テトラメチルジシロキサン468g、濃塩酸7
5ml、水150mlおよびイソプロパノール150m
lを投入してこれらを撹拌した。これに、上記で得た中
間体M220gを滴下ロートを用いて1時間かけてゆっ
くり滴下した。滴下終了後、反応溶液を室温で1時間撹
拌した。反応溶液を分液ロートに移して下層を分取した
後、残った上層液を水100mlで2回、飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液100mlで1回洗浄して、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。固形分を濾別し、得られた溶液
を減圧濃縮したところ、273gの無色透明液体が得ら
れた。これを中間体Nとした。最後に、撹拌装置、温度
計、還流冷却管、滴下ロートを取り付けた100ml4
つ口フラスコに、上記で得た中間体N50.0gと塩化
白金酸3%イソプロパノール溶液0.82gを投入し、
これらを撹拌しながら100℃に加熱した。次いでこれ
に、N,N−ビス(トリメチルシリル)アリルアミン1
8.1gを、滴下ロートを用いて反応温度が100℃を
保つようにゆっくり滴下した。滴下終了後、反応溶液を
120℃で1時間加熱した後、メタノール10.0gを
加え、1時間加熱還流した。冷却後、反応溶液を減圧濃
縮したところ、66.5gの微褐色液体が得られた。こ
の反応生成物を29Si−核磁気共鳴分析により分析した
ところ、下記の平均分子式で示されるカルボシロキサン
デンドリマーであることが判明した。またこのカルボシ
ロキサンデンドリマーは、ゲル透過クロマトグラフィー
によるポリスチレン換算数平均分子量が4830であ
り、分散度指数が1.52であることが確認された。
は、ポリシロキサン構造を核として、シロキサン結合と
シルアルキレン結合が交互に配列した高分岐構造を有
し、高分子量化が可能であり、かつ分子量分布が狭いと
いう特徴を有する。さらに分岐構造の末端にポリエーテ
ル構造などの親水性基を持つ本発明のカルボシロキサン
デンドリマーは高い水溶性を示し、エポキシ基やアミノ
基などの反応性有機基を有する本発明のカルボシロキサ
ンデンドリマーは反応性が非常に高いという特徴を有す
る。
ンデンドリマーの29Si−核磁気共鳴スペクトルであ
る。
ンデンドリマーの29Si−核磁気共鳴スペクトルであ
る。
ンデンドリマーの29Si−核磁気共鳴スペクトルであ
る。
ンデンドリマーの29Si−核磁気共鳴スペクトルであ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 一般式:X1R1 aSiO(3-a)/2 {式中、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基もしくは
アリール基であり、aは0〜2の整数であり、X1は i =
1とした場合の次式で示されるシリルアルキル基であ
る。 【化1】 (式中、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基もしくは
アリール基であり、R2は炭素原子数2〜10のアルキレ
ン基であり、R3は炭素原子数1〜10のアルキル基であ
り、Xi+1は上記シリルアルキル基,非置換の一価炭化水
素基,炭素原子および水素原子以外の原子で置換された
一価炭化水素基または炭素原子および水素原子以外の原
子を含む基で置換された一価炭化水素基である。iは該
シリルアルキル基の階層を示している1〜10の整数で
あり、biは0〜3の整数である。)}で示されるシロキ
サン単位を含有するケイ素原子数2以上のポリシロキサ
ン構造を核に有し、式: 【化2】 (式中、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基もしくは
アリール基であり、R4は炭素原子および水素原子以外の
原子で置換された一価炭化水素基または炭素原子および
水素原子以外の原子を含む基で置換された一価炭化水素
基である。)で示されるシロキシ基を1個以上有するカ
ルボシロキサンデンドリマー。 - 【請求項2】 Xi+1およびR4の炭素原子および水素原子
以外の原子で置換された一価炭化水素基または炭素原子
および水素原子以外の原子を含む基で置換された一価炭
化水素基が、アルコール性水酸基,フェノール性水酸
基,アミノ基,アルコキシ基,カルボキシル基,ニトリ
ル基,ハロゲン原子,環状もしくは非環状のエーテル含
有基,カルボン酸エステル含有基から選択される1種以
上の原子もしくは基で置換された炭化水素基である、請
求項1記載のカルボシロキサンデンドリマー。 - 【請求項3】 ポリスチレン換算分子量の分散度指数が
2以下である請求項1または請求項2記載のカルボシロ
キサンデンドリマー。
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