JP3797519B2 - 分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体 - Google Patents

分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、分子中に複数のケイ素原子結合水素原子またはケイ素原子結合アルコキシ基を含有する、新規な分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】
分子中に複数のケイ素原子結合水素原子を含有する有機ケイ素重合体は、ヒドロシリル化反応による架橋反応の架橋剤や官能性有機ケイ素重合体合成の前駆体として利用されている。近年、架橋効率が高く、しかも機械的強度、接着性、耐久性等の諸特性に優れた硬化体を形成し得る新規な架橋剤や、特異な反応性を有する官能性有機ケイ素重合体を合成するための新規な前駆体の開発が望まれており、このような目的で、一分子中に複数のケイ素原子結合水素原子を有する種々の有機ケイ素重合体が提案されている(特開昭61−195129号公報および特開平6−107671号公報参照)。しかしこれらの有機ケイ素重合体を架橋剤や前駆体として使用した場合でも、その結果は十分満足できるものではなかった。
一方、分子中に複数のケイ素原子結合アルコキシ基を含有する有機ケイ素重合体は、コーティング剤や塗料ビヒクルの原料もしくは湿気硬化型組成物の架橋剤として有用であることが知られている。さらに近年、反応性が高く、最終製品の機械的強度、接着性、耐久性等の諸特性の向上に有効な有機ケイ素重合体の開発が切望されている。
また、特殊な構造を有する有機ケイ素重合体として樹枝形状を有するものが知られており(特開平7−17981号公報参照)、その製法としてテトラビニルシランとオルガノクロロシランとを付加反応させる方法が提案されているが、原料であるテトラビニルシランは特殊な化合物であり、そのため該有機ケイ素重合体は工業的利用性が小さいという欠点があった。さらにこの有機ケイ素重合体はケイ素原子結合水素原子を含有するものの、上記の製造方法では該重合体中にアルコキシ基を含有させることができないとう欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は上記問題点を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
即ち、本発明の目的は、分子中に複数のケイ素原子結合水素原子またはケイ素原子結合アルコキシ基を含有する、新規な分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体を提供することにある。
【0004】
【問題を解決するための手段】
本発明は、一般式:
【化6】
Figure 0003797519
{式中、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基もしくはアリール基であり、aは3または4であり、X1はi=1とした場合の次式で示されるシリルアルキル基である。
【化7】
Figure 0003797519
(式中、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基もしくはアリール基であり、R2は炭素原子数2〜10のアルキレン基であり、R3は炭素原子数1〜10のアルキル基であり、Xi+1は水素原子または上記シリルアルキル基である。biは0〜3の整数であり、1分子中のb 1 の合計は ( 3×a ) 未満である。)}で示される分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体。に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体は、一般式:
【化8】
Figure 0003797519
で示される。上式中、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基もしくはアリール基であり、アルキル基としては、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,イソプロピル基,イソブチル基,シクロペンチル基,シクロヘキシル基が例示され、アリール基としては、フェニル基,ナフチル基が例示される。これらの中でもメチル基が好ましい。aは3または4である。X1はi=1とした場合の次式で示されるシリルアルキル基である。
【化9】
Figure 0003797519
上式中、R2は炭素原子数2〜10のアルキレン基であり、エチレン基,プロピレン基,ブチレン基,ヘキシレン基などの直鎖状アルキレン基;メチルメチレン基,メチルエチレン基,1−メチルペンチレン基,1,4−ジメチルブチレン基などの分岐状アルキレン基が例示される。これらの中でも、エチレン基,メチルメチレン基,ヘキシレン基,1−メチルペンチレン基,1,4−ジメチルブチレン基が好ましい。R3は炭素原子数1〜10のアルキル基であり、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,イソプロピル基が例示される。これらの中でもメチル基またはエチル基が好ましい。R1は前記と同じである。Xi+1は水素原子または上記シリルアルキル基であるが、分子鎖末端に位置するXi+1は水素原子である。iは1〜10の整数であり、これは該シリルアルキル基の階層数、即ち、該シリルアルキル基の繰り返し数を示している。 i は0〜3の整数であり、1分子中のb 1 の合計は ( 3×a ) 未満である。従って、階層数が1である場合に、本発明の分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体は、一般式:
【化10】
Figure 0003797519
[式中、1分子中のb 1 の合計は ( 3×a ) 未満である。]で示され、階層数が2である場合に、本発明の分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体は、一般式:
【化11】
Figure 0003797519
[式中、1分子中のb1の合計は(3×a)未満である。]で示され、階層数が3である場合に、本発明の分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体は、一般式:
【化12】
Figure 0003797519
[式中、1分子中のb1の合計は(3×a)未満であり、1分子中の2の合計は[3×a×{3−(1分子中のb 1 の合計)/a}]未満である。]で示される。
【0006】
このような本発明の分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体は単一化合物もしくはそれらの混合物として得られ、具体的には下記平均分子式で示される。
【化13】
Figure 0003797519
【化14】
Figure 0003797519
【化15】
Figure 0003797519
【化16】
Figure 0003797519
【化17】
Figure 0003797519
【化18】
Figure 0003797519
【化19】
Figure 0003797519
【化20】
Figure 0003797519
【化21】
Figure 0003797519
【化22】
Figure 0003797519
【化23】
Figure 0003797519
【0007】
本発明の分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体は、例えば、下記の(x)工程と(y)工程を1回以上交互に行うことにより製造することができる。
(x)一般式:
【化24】
Figure 0003797519
(式中、R1およびaは前記と同じである。)で示されるシロキサンまたは下記(y)工程で生成する分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体と、一般式:R4−Si(OR33(式中、R3は前記と同じであり、R4は炭素原子数2〜10のアルケニル基である。)で示されるアルケニル基含有アルコキシシランとを、白金系遷移金属触媒の存在下に付加反応させてアルコキシ基封鎖分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体を製造する工程、
(y)上記(x)工程で得られた分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体と、一般式:
【化25】
Figure 0003797519
(式中、R1は前記と同じである。)で示されるジシロキサンを酸性水溶液存在下に反応させてケイ素原子結合水素原子含有分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体を製造する工程。
この製法では、最後に(x)工程を行うことにより、分子鎖末端がアルコキシ基で封鎖された分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体を得ることができ、最後に(y)工程を行うことにより、分子鎖末端にケイ素原子結合水素原子を含有する分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体を得ることができる。
【0008】
上記(x)工程で使用される白金系遷移金属触媒としては、塩化白金酸,アルコール変性塩化白金酸,白金のオレフィン錯体,白金のジケトナート錯体が例示される。この白金系遷移金属触媒を用いて付加反応を行う際には、原料中のケイ素原子結合水素原子を完全に反応させるために、ケイ素原子結合水素原子含有ケイ素化合物に対してやや過剰のアルケニル基含有アルコキシシランを反応させるのが好ましい。過剰量のアルケニル基含有アルコキシシランは反応後、減圧蒸留等によって分別回収することができる。またこの付加反応は常温もしくは加熱条件下に行うことができ、反応を妨害しない溶媒を用いて行うこともできる。
【0009】
上記(y)工程では、上記ジシロキサンと酸性水溶液の混合物中に、(x)工程で得られた分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体を滴下する方法で反応を行うのが好ましい。このとき、該共重合体中のアルコキシ基1モルに対して1モル以上のジシロキサンを用いるのが好ましい。反応温度は50℃以下であることが好ましい。また、メタノール,エタノール,イソプロパノールなどの親水性の溶媒を共存させて反応を行うと、反応を効率よく進行させることができる。反応後は有機層を分取し、次いでこれを減圧蒸留することにより残存する分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体を純度よく回収することができる。
【0010】
具体的には、例えば、式:
【化26】
Figure 0003797519
で示されるテトラキス(ジメチルシロキシ)シランを原料とし、これにビニルトリメトキシシランを白金触媒存在下で付加反応させて、式:
【化27】
Figure 0003797519
で示されるケイ素原子結合メトキシ基を12個含有する反応化合物を得る。次いでこれを、1,1,3,3―テトラメチルジシロキサンと塩酸水溶液の混合物中に滴下して反応させると、平均分子式:
【化28】
Figure 0003797519
で示される一分子中に平均8.6個のケイ素原子結合水素原子と平均3.4個のケイ素原子結合メトキシ基を有する分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体が得られる。また、この分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体に、ビニルトリメトキシシランを白金触媒存在下で反応させれば、平均分子式:
【化29】
Figure 0003797519
で示される一分子中に平均29個のケイ素原子結合メトキシ基を有する分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体が得られる。さらにこの分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体を、1,1,3,3―テトラメチルジシロキサンと塩酸水溶液の混合物中に滴下して反応させることにより、平均分子式:
【化30】
Figure 0003797519
で示される一分子中に平均17.9個のケイ素原子結合水素原子と平均11.1個のケイ素原子結合メトキシ基を有する分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体が得られる。さらにこの分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体に、ビニルトリメトキシシランを白金触媒存在下で反応させれば、平均分子式:
【化31】
Figure 0003797519
で示される一分子中に平均65個のケイ素原子結合メトキシ基を有する分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体を製造することができる。
【0011】
尚、この製造方法では(y)工程において、ケイ素原子結合水素原子がアルコール分解して、Xiとして下記モノアルコキシシロキシ基が少量含まれることもある。
【化32】
Figure 0003797519
(式中、R1およびR3は前記と同じである。)
【0012】
以上のような本発明の分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体は、分子中に複数のケイ素原子結合水素原子またはケイ素原子結合アルコキシ基を含有することを特徴とする。特にケイ素原子結合水素原子を含有する場合には、ヒドロシリル化反応硬化性組成物の架橋剤や官能性有機ケイ素重合体合成のための前駆体として有用であり、また、ケイ素原子結合アルコキシ基を含有する場合には、反応性に富み、コーティング剤や塗料ビヒクルの原料もしくは湿気硬化型組成物の架橋剤として有用であるという利点を有する。
【0013】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明する。実施例中、本発明の分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体の同定は、29Si−核磁気共鳴分析およびゲル透過クロマトグラフィー分析(溶媒:トルエン)により行った。
【0014】
【実施例1】
撹拌装置,温度計,還流冷却管,滴下ロートを取り付けた200ml4つ口フラスコに、ビニルトリメトキシシラン103.6gと塩化白金酸3%イソプロパノール溶液0.04gを投入し、これらを撹拌しながら100℃に加熱した。次いでこれに、テトラキス(ジメチルシロキシ)シラン49.4gを、滴下ロートを用いて反応温度が100〜110℃を保つようにゆっくり滴下した。滴下終了後、反応溶液を120℃で1時間加熱した。冷却後、反応溶液をなす型フラスコに移してロータリーエバポレーターにより減圧濃縮したところ、138.4gの微褐色液体が得られた。続いて、撹拌装置、温度計、還流冷却管、滴下ロートを取り付けた1リットル4つ口フラスコに、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン141.0g、濃塩酸100ml、水200mlおよびイソプロパノール200mlを投入してこれらを撹拌した。次いでこれに、上記で得た微褐色液体80.6gを滴下ロートを用いて1時間かけてゆっくり滴下した。滴下終了後、反応溶液を室温で1時間撹拌した。次いで反応溶液を分液ロートに移して下層を分取した後、残った上層液を水200mlで2回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50mlで1回洗浄して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。生成した固形分を濾別し、得られた溶液をなす型フラスコに移してロータリーエバポレーターにより減圧濃縮したところ、115.2gの無色透明液体が得られた。この反応生成物を29Si−核磁気共鳴分析により分析したところ、下記の平均分子式で示される、一分子中に平均8.6個のケイ素原子結合水素原子と平均3.4個のケイ素原子結合メトキシ基を有する分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体であることが判明した。またこの分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体は、ゲル透過クロマトグラフィーによるポリスチレン換算数平均分子量が1,980であることが確認された。
【化33】
Figure 0003797519
【0015】
【実施例2】
撹拌装置、温度計、還流冷却管、滴下ロートを取り付けた200ml4つ口フラスコに、ビニルトリメトキシシラン51.8gと塩化白金酸3%イソプロパノール溶液0.04gを投入し、これらを撹拌しながら100℃に加熱した。次いでこれに、実施例1で得られた分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体44.1gを、滴下ロートを用いて反応温度が100〜110℃を保つようにゆっくり滴下した。滴下終了後、反応溶液を120℃で1時間加熱した。冷却後、反応溶液をなす型フラスコに移してロータリーエバポレーターにより減圧濃縮したところ、186.2gの微褐色液体が得られた。この反応生成物を29Si−核磁気共鳴分析により分析したところ、下記の平均分子式で示される、1分子中に平均29個のケイ素原子結合メトキシ基を有する分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体であることが判明した。またこの分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体は、ゲル透過クロマトグラフィーによるポリスチレン換算数平均分子量が2,900であることが確認された。
【化34】
Figure 0003797519
【0016】
【実施例3】
撹拌装置、温度計、還流冷却管、滴下ロートを取り付けた1リットル4つ口フラスコに、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン134.3g、濃塩酸100ml、水200mlおよびイソプロパノール200mlを投入して撹拌した。次いでこれに、実施例2で得られた分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体73.3gを、滴下ロートを用いて1時間かけてゆっくり滴下した。滴下終了後、反応溶液を室温で1時間撹拌した。次いで反応溶液を分液ロートに移して下層を分取した後、残った上層液を水200mlで2回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50mlで1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。生成した固形分を濾別し、得られた溶液をなす型フラスコに移してロータリーエバポレーターにより減圧濃縮したところ、102.2gの無色透明液体が得られた。この反応生成物を29Si−核磁気共鳴分析により分析したところ、下記の平均分子式で示される、一分子中に平均17.9個のケイ素原子結合水素原子と平均11.1個のケイ素原子結合メトキシ基を有する分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体であることが判明した。またこの分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体は、ゲル透過クロマトグラフィーによるポリスチレン換算数平均分子量が4,350であることが確認された。
【化35】
Figure 0003797519
【0017】
【実施例4】
撹拌装置、温度計、還流冷却管、滴下ロートを取り付けた200ml4つ口フラスコに、ビニルトリメトキシシラン51.8gと塩化白金酸3%イソプロパノール溶液0.04gを投入し、これらを撹拌しながら100℃に加熱した。次いでこれに、実施例3で得られた分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体44.1gを、滴下ロートを用いて反応温度が100〜110℃を保つようにゆっくり滴下した。滴下終了後、反応溶液を120℃で1時間加熱した。冷却後、反応溶液をなす型フラスコに移してロータリーエバポレーターにより減圧濃縮したところ、186.2gの微褐色液体が得られた。この反応生成物を29Si−核磁気共鳴分析により分析したところ、下記の平均分子式で示される、一分子中に平均65個のケイ素原子結合メトキシ基を有する分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体であることが判明した。またこの分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体は、ゲル透過クロマトグラフィーによるポリスチレン換算数平均分子量が4,430であることが確認された。
【化36】
Figure 0003797519
【0018】
【実施例5】
撹拌装置,温度計,還流冷却管,滴下ロートを取り付けた200ml4つ口フラスコに、ビニルトリメトキシシラン97.8gと塩化白金酸3%イソプロパノール溶液0.04gを投入し、これらを撹拌しながら100℃に加熱した。次いでこれに、メチルトリス(ジメチルシロキシ)シラン53.7gを、滴下ロートを用いて反応温度が100〜110℃を保つようにゆっくり滴下した。滴下終了後、反応溶液を120℃で1時間加熱した。冷却後、反応溶液をなす型フラスコに移してロータリーエバポレーターにより減圧濃縮したところ、142.5gの微褐色透明液体が得られた。続いて、撹拌装置、温度計、還流冷却管、滴下ロートを取り付けた1リットル4つ口フラスコに、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン120.9g、濃塩酸100ml、水200mlおよびイソプロパノール200mlを投入してこれらを撹拌した。次いでこれに、上記で得た微褐色透明液体71.3gを滴下ロートを用いて1時間かけてゆっくり滴下した。滴下終了後、反応溶液を室温で1時間撹拌した。次いで反応溶液を分液ロートに移して下層を分取した後、残った上層液を水200mlで2回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50mlで1回洗浄して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。生成した固形分を濾別し、得られた溶液をなす型フラスコに移してロータリーエバポレーターにより減圧濃縮したところ、98.3gの無色透明液体が得られた。この反応生成物を29Si−核磁気共鳴分析により分析したところ、下記の平均分子式で示される、一分子中に平均6.5個のケイ素原子結合水素原子と平均2.5個のケイ素原子結合メトキシ基を有する分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体であることが判明した。またこの分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体は、ゲル透過クロマトグラフィーによるポリスチレン換算数平均分子量が1,446であることが確認された。
【化37】
Figure 0003797519
【0019】
【発明の効果】
本発明の分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体は、一分子中に複数のケイ素原子結合水素原子またはケイ素原子結合アルコキシ基を有する新規な重合体であるという特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、実施例1で得られた分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体の29Si−核磁気共鳴スペクトルである。
【図2】 図2は、実施例2で得られた分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体の29Si−核磁気共鳴スペクトルである。
【図3】 図3は、実施例3で得られた分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体の29Si−核磁気共鳴スペクトルである。
【図4】 図4は、実施例4で得られた分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体の29Si−核磁気共鳴スペクトルである。
【図5】 図5は、実施例5で得られた分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体の29Si−核磁気共鳴スペクトルである。

Claims (4)

  1. 一般式:
    Figure 0003797519
    {式中、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基もしくはアリール基であり、aは3または4であり、X1はi=1とした場合の次式で示されるシリルアルキル基である。
    Figure 0003797519
    (式中、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基もしくはアリール基であり、R2は炭素原子数2〜10のアルキレン基であり、R3は炭素原子数1〜10のアルキル基であり、Xi+1は水素原子または上記シリルアルキル基である。iは該シリルアルキル基の階層を示している1〜10の整数であり、biは0〜3の整数であり、1分子中のb 1 の合計は ( 3×a ) 未満である。)}で示される分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体。
  2. 一般式:
    Figure 0003797519
    [式中、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基もしくはアリール基であり、R2は炭素原子数2〜10のアルキレン基であり、R3は炭素原子数1〜10のアルキル基である。aは3または4であり、b1は0〜3の整数であり、1分子中のb 1 の合計は ( 3×a ) 未満である。]で示される請求項1に記載の分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体。
  3. 一般式:
    Figure 0003797519
    [式中、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基もしくはアリール基であり、R2は炭素原子数2〜10のアルキレン基であり、R3は炭素原子数1〜10のアルキル基である。aは3または4であり、b1およびb2は0〜3の整数であるが、1分子中のb1の合計は(3×a)未満である。]で示される請求項1に記載の分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体。
  4. 一般式:
    Figure 0003797519
    [式中、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基もしくはアリール基であり、R2は炭素原子数2〜10のアルキレン基であり、R3は炭素原子数1〜10のアルキル基である。aは3または4であり、b1,b2およびb3は0〜3の整数であるが、1分子中のb1の合計は(3×a)未満であり、1分子中のb2の合計は[3×a×{3−(1分子中のb 1 の合計)/a}]未満である。]で示される請求項1に記載の分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体。
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