JP2856378B2 - アクリロキシプロピル基含有シクロテトラシロキサン、その重合体組成物の製造方法及び重合体組成物 - Google Patents
アクリロキシプロピル基含有シクロテトラシロキサン、その重合体組成物の製造方法及び重合体組成物Info
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- JP2856378B2 JP2856378B2 JP29945293A JP29945293A JP2856378B2 JP 2856378 B2 JP2856378 B2 JP 2856378B2 JP 29945293 A JP29945293 A JP 29945293A JP 29945293 A JP29945293 A JP 29945293A JP 2856378 B2 JP2856378 B2 JP 2856378B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規シクロテトラシロ
キサン、その重合体組成物の製造方法及び得られた重合
体組成物に関する。このシリコーン系重合体組成物は剥
離紙用電子線硬化型シリコーンとして好適である。
キサン、その重合体組成物の製造方法及び得られた重合
体組成物に関する。このシリコーン系重合体組成物は剥
離紙用電子線硬化型シリコーンとして好適である。
【0002】
【従来の技術】電子線硬化型シリコーン系重合体組成物
は、従来、アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラ
ンの加水分解部分縮合物と環状シロキサンとを酸触媒存
在下で平衡化し、中和、濾過後ストリップすることによ
り製造されていた。
は、従来、アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラ
ンの加水分解部分縮合物と環状シロキサンとを酸触媒存
在下で平衡化し、中和、濾過後ストリップすることによ
り製造されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、アクリロキシ
プロピルメチルポリシロキサンはその立体障害のため平
衡化がかかりにくく、アクリル基をもつシロキサン単位
が重合体中にブロックとなって導入され、硬化性に劣る
という問題があった。また、アクリル基が高温例えば1
70℃以上に加熱すると熱重合を起こしゲル化してしま
うことから、ストリップの際に高温にすることは許され
ず、従って、低分子体が残留することは避けられない。
このために低分子体にアクリル基が均一に導入されてい
ないと、重合体組成物をセパレーターに用いた場合にこ
の低分子体が移行成分となり表面にブリードして剥離紙
としての物性に悪影響を及ぼすといった問題点があっ
た。上記のような状況から、アクリル基をもつシロキサ
ン単位が低分子体をも含めた重合体中に均一に導入され
た重合体組成物を取得することが望まれていた。
プロピルメチルポリシロキサンはその立体障害のため平
衡化がかかりにくく、アクリル基をもつシロキサン単位
が重合体中にブロックとなって導入され、硬化性に劣る
という問題があった。また、アクリル基が高温例えば1
70℃以上に加熱すると熱重合を起こしゲル化してしま
うことから、ストリップの際に高温にすることは許され
ず、従って、低分子体が残留することは避けられない。
このために低分子体にアクリル基が均一に導入されてい
ないと、重合体組成物をセパレーターに用いた場合にこ
の低分子体が移行成分となり表面にブリードして剥離紙
としての物性に悪影響を及ぼすといった問題点があっ
た。上記のような状況から、アクリル基をもつシロキサ
ン単位が低分子体をも含めた重合体中に均一に導入され
た重合体組成物を取得することが望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため重合原料にまで遡って研究を行い、本
発明に到達した。本発明は上記の課題を解決したもので
あり、その要旨は、 (A)式
題を解決するため重合原料にまで遡って研究を行い、本
発明に到達した。本発明は上記の課題を解決したもので
あり、その要旨は、 (A)式
【化5】 で表される1−アクリロキシプロピル−1,3,3,
5,5,7,7−ヘプタメチルシクロテトラシロキサ
ン。
5,5,7,7−ヘプタメチルシクロテトラシロキサ
ン。
【0005】また、(A)式
【化6】 で表される1−アクリロキシプロピル−1,3,3,5,5,7,7−ヘプタメ チルシクロテトラシロキサン 1〜100重量% ならびに (B)式
【化7】 (式中、R1、R2は非置換またはフッ素置換の一価の炭化
水素基を表し、n=3〜10の整数を表す)で表される
環状オルガノポリシロキサン及び (C)式
水素基を表し、n=3〜10の整数を表す)で表される
環状オルガノポリシロキサン及び (C)式
【化8】 (式中、R3、R4、R5、R6は非置換またはフッ素置換の一
価の炭化水素基を表し、p=0〜10の整数を表す)で
表される鎖状オルガノポリシロキサンの合計で0〜99
重量%の混合物を、酸触媒で平衡化することを特徴とす
る電子線硬化型重合体組成物の製造方法。
価の炭化水素基を表し、p=0〜10の整数を表す)で
表される鎖状オルガノポリシロキサンの合計で0〜99
重量%の混合物を、酸触媒で平衡化することを特徴とす
る電子線硬化型重合体組成物の製造方法。
【0006】また、オルガノポリシロキサンを酸触媒で
平衡化させる前記の製造方法により得られた電子線硬化
型重合体組成物、にある。以下に本発明について詳しく
説明する。
平衡化させる前記の製造方法により得られた電子線硬化
型重合体組成物、にある。以下に本発明について詳しく
説明する。
【0007】本発明の(A)式で表される1−アクリロ
キシプロピル−1,3,3,5,5,7,7−ヘプタメ
チルシクロテトラシロキサンは、本発明者らが重合原料
として好適であることを見出したもので、文献未載の新
規な化合物である。このシクロテトラシロキサンは、例
えば、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルシクロト
リシロキサンと式
キシプロピル−1,3,3,5,5,7,7−ヘプタメ
チルシクロテトラシロキサンは、本発明者らが重合原料
として好適であることを見出したもので、文献未載の新
規な化合物である。このシクロテトラシロキサンは、例
えば、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルシクロト
リシロキサンと式
【化9】 で表されるアクリロキシプロピルメチルジクロロシラン
から、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、ジメチル
スルホキシド等の触媒の存在下に開環反応により1−ア
クリロキシプロピル−1,7−ジクロロ−1,3,3,
5,5,7,7−ヘプタメチルテトラシロキサンを合成
し、さらにこれを加水分解させることにより合成するこ
とができる。
から、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、ジメチル
スルホキシド等の触媒の存在下に開環反応により1−ア
クリロキシプロピル−1,7−ジクロロ−1,3,3,
5,5,7,7−ヘプタメチルテトラシロキサンを合成
し、さらにこれを加水分解させることにより合成するこ
とができる。
【0008】なお、出発原料のアクリロキシプロピルメ
チルジクロロシランはメチルジクロロシランにアリルア
クリレートを白金触媒存在下で付加反応させることによ
り容易に合成することができる。本発明の1−アクリロ
キシプロピル−1,3,3,5,5,7,7−ヘプタメ
チルシクロテトラシロキサンは、メタンスルホン酸、ト
リフルオロメタンスルホン酸等で平衡化させることがで
き、アクリル基が重合体中によく分散したシリコーンを
合成することができる。
チルジクロロシランはメチルジクロロシランにアリルア
クリレートを白金触媒存在下で付加反応させることによ
り容易に合成することができる。本発明の1−アクリロ
キシプロピル−1,3,3,5,5,7,7−ヘプタメ
チルシクロテトラシロキサンは、メタンスルホン酸、ト
リフルオロメタンスルホン酸等で平衡化させることがで
き、アクリル基が重合体中によく分散したシリコーンを
合成することができる。
【0009】次に、上述の1−アクリロキシプロピル−
1,3,3,5,5,7,7−ヘプタメチルシクロテト
ラシロキサンを用いる重合体組成物の製造方法について
説明する。この製造方法は、(A)式で表される1−ア
クリロキシプロピル−1,3,3,5,5,7,7−ヘ
プタメチルシクロテトラシロキサン1〜100重量%な
らびに(B)式
1,3,3,5,5,7,7−ヘプタメチルシクロテト
ラシロキサンを用いる重合体組成物の製造方法について
説明する。この製造方法は、(A)式で表される1−ア
クリロキシプロピル−1,3,3,5,5,7,7−ヘ
プタメチルシクロテトラシロキサン1〜100重量%な
らびに(B)式
【化10】 (式中、R1、R2は非置換またはフッ素置換の一価の炭化
水素基を表し、n=3〜10の整数を表す)で表される
環状オルガノポリシロキサン及び(C)式
水素基を表し、n=3〜10の整数を表す)で表される
環状オルガノポリシロキサン及び(C)式
【化11】 (式中、R3、R4、R5、R6は非置換またはフッ素置換の一
価の炭化水素基を表し、p=0〜10の整数を表す)で
表される鎖状オルガノポリシロキサンの合計で0〜99
重量%の混合物を、酸触媒で平衡化させるものである。
価の炭化水素基を表し、p=0〜10の整数を表す)で
表される鎖状オルガノポリシロキサンの合計で0〜99
重量%の混合物を、酸触媒で平衡化させるものである。
【0010】この平衡化により目的とする重合体組成物
が得られるが、(A)式で表されるシクロテトラシロキ
サンと(B)式で表されるオルガノポリシロキサン+
(C)式で表されるオルガノポリシロキサンの混合比は
上記の範囲内で所望により種々変えることができる。混
合比を変えることによりアクリル基含有量を変化させ、
電子線硬化の速度と硬化後の架橋度を調整することがで
きる。また、(C)式で表されるオルガノポリシロキサ
ンは末端基を導入するためのもので、その量により重合
体の平均重合度を調整することができる。混合比の好ま
しい範囲は、(A)式で表されるシクロテトラシロキサ
ン:(B)式で表されるオルガノポリシロキサン+
(C)式で表されるオルガノポリシロキサン=10〜8
0重量%:90〜20重量%である。さらに、(C)式
で表されるオルガノポリシロキサンについては(A)+
(B)+(C)の全量中1〜3重量%とすることが好ま
しい。
が得られるが、(A)式で表されるシクロテトラシロキ
サンと(B)式で表されるオルガノポリシロキサン+
(C)式で表されるオルガノポリシロキサンの混合比は
上記の範囲内で所望により種々変えることができる。混
合比を変えることによりアクリル基含有量を変化させ、
電子線硬化の速度と硬化後の架橋度を調整することがで
きる。また、(C)式で表されるオルガノポリシロキサ
ンは末端基を導入するためのもので、その量により重合
体の平均重合度を調整することができる。混合比の好ま
しい範囲は、(A)式で表されるシクロテトラシロキサ
ン:(B)式で表されるオルガノポリシロキサン+
(C)式で表されるオルガノポリシロキサン=10〜8
0重量%:90〜20重量%である。さらに、(C)式
で表されるオルガノポリシロキサンについては(A)+
(B)+(C)の全量中1〜3重量%とすることが好ま
しい。
【0011】(B)式で表される環状オルガノポリシロ
キサンの例としては、1,1,3,3,5,5,7,7
−オクタメチルシクロテトラシロキサン、1,3,3,
5,5,7,7−ヘプタメチル−1−ビニルシクロテト
ラシロキサン、1,3,3,5,5,7,7−ヘプタメ
チル−1−フェニルシクロテトラシロキサン、1,3,
5,7−テトラキス(トリフルオロプロピル)−1,
3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン等が
挙げられる。
キサンの例としては、1,1,3,3,5,5,7,7
−オクタメチルシクロテトラシロキサン、1,3,3,
5,5,7,7−ヘプタメチル−1−ビニルシクロテト
ラシロキサン、1,3,3,5,5,7,7−ヘプタメ
チル−1−フェニルシクロテトラシロキサン、1,3,
5,7−テトラキス(トリフルオロプロピル)−1,
3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン等が
挙げられる。
【0012】(C)式で表される鎖状オルガノポリシロ
キサンは、前述のとおり末端基を導入するためのもので
あるが、その例としては、
キサンは、前述のとおり末端基を導入するためのもので
あるが、その例としては、
【化12】 等が挙げられる。
【0013】平衡化のための酸触媒は通常のシロキサン
の平衡化反応に用いられているものでよく、具体的に
は、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスル
ホン酸等が例示される。酸触媒の量はシロキサン中のけ
い素原子に対するmol比で0.3〜2mol%、特に
は0.5〜1mol%とすることが好ましい。平衡化は
50℃から80℃で6時間から8時間行えばよく、目的
の重合体組成物を得ることができる。
の平衡化反応に用いられているものでよく、具体的に
は、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスル
ホン酸等が例示される。酸触媒の量はシロキサン中のけ
い素原子に対するmol比で0.3〜2mol%、特に
は0.5〜1mol%とすることが好ましい。平衡化は
50℃から80℃で6時間から8時間行えばよく、目的
の重合体組成物を得ることができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。 実施例1 容積1Lのフラスコにアクリロキシプロピルメチルジク
ロロシラン227.2g(1.0mol)と、あらかじ
めよく粉砕したヘキサメチルシクロトリシロキサン24
4.75g(1.1mol)を仕込み、均一に攪拌して
から、開環触媒としてヘキサメチルホスホリックトリア
ミド5.0gを添加し、50℃に昇温して3時間攪拌し
た。この結果、1−アクリロキシプロピル−1,7−ジ
クロロ−1,3,3,5,5,7,7−ヘプタメチルテ
トラシロキサンが定量的に得られた。これにトルエン5
00mlを添加してトルエン溶液とした。
る。 実施例1 容積1Lのフラスコにアクリロキシプロピルメチルジク
ロロシラン227.2g(1.0mol)と、あらかじ
めよく粉砕したヘキサメチルシクロトリシロキサン24
4.75g(1.1mol)を仕込み、均一に攪拌して
から、開環触媒としてヘキサメチルホスホリックトリア
ミド5.0gを添加し、50℃に昇温して3時間攪拌し
た。この結果、1−アクリロキシプロピル−1,7−ジ
クロロ−1,3,3,5,5,7,7−ヘプタメチルテ
トラシロキサンが定量的に得られた。これにトルエン5
00mlを添加してトルエン溶液とした。
【0015】3Lのフラスコに水2000gを仕込み、
ここへ上記で得たトルエン溶液を4時間かけて滴下し
た。最初18℃だった水温は最高26℃まで昇温した。
滴下終了後、室温で3時間熟成し、その後常法にしたが
って水層が中性になるまで水洗し、油層を乾燥剤で乾燥
した後、重合禁止剤としてアンテージW−500(川口
化学社製、商品名)を11g、サンセラーTTCU(三
新化学社製、商品名)を11g、BHTを1.1g、メ
トキシハイドロキノンを1.1g添加して蒸留したとこ
ろ、沸点が107〜116℃/4mmHgである無色透
明の液状物が145.7g得られた。
ここへ上記で得たトルエン溶液を4時間かけて滴下し
た。最初18℃だった水温は最高26℃まで昇温した。
滴下終了後、室温で3時間熟成し、その後常法にしたが
って水層が中性になるまで水洗し、油層を乾燥剤で乾燥
した後、重合禁止剤としてアンテージW−500(川口
化学社製、商品名)を11g、サンセラーTTCU(三
新化学社製、商品名)を11g、BHTを1.1g、メ
トキシハイドロキノンを1.1g添加して蒸留したとこ
ろ、沸点が107〜116℃/4mmHgである無色透
明の液状物が145.7g得られた。
【0016】得られた液状物について、ガスマススペク
トル、核磁気共鳴スペクトル及び赤外吸収スペクトルの
測定を行ったところ測定結果は下に示すとおりであり、
これらの結果から、得られた液状物は1−アクリロキシ
プロピル−1,3,3,5,5,7,7−ヘプタメチル
シクロテトラシロキサンであると同定された。
トル、核磁気共鳴スペクトル及び赤外吸収スペクトルの
測定を行ったところ測定結果は下に示すとおりであり、
これらの結果から、得られた液状物は1−アクリロキシ
プロピル−1,3,3,5,5,7,7−ヘプタメチル
シクロテトラシロキサンであると同定された。
【0017】ガスマススペクトル(m/e) 395 (分子イオンピーク)M 281 M−(CH2CH2CH2-O-CO-CH=CH2) 55 CO-CH=CH2 核磁気共鳴スペクトル ppm(δ) 5.58〜6.55 (3H,m,a) 4.08 (2H,t,b) 1.41〜1.97 (2H,m,c) 0.44〜0.81 (2H,m,d) 0.12 (21H,s,e)
【化13】 赤外吸収スペクトル 図1にチャートで示す。また、得られた液状物質の一般
物性は25℃で、比重が1.019、屈折率が1.42
4、粘度が4.8csであった。
物性は25℃で、比重が1.019、屈折率が1.42
4、粘度が4.8csであった。
【0018】実施例2 実施例1で得た1−アクリロキシプロピル−1,3,
3,5,5,7,7−ヘプタメチルシクロテトラシロキ
サン15.56g(0.0395mol) 、オクタメチルシクロテ
トラシロキサン17.17g(0.58mol) 及び1,1,
1,3,3,5,5,7,7,7−デカメチルテトラシ
ロキサン0.62g (2.00×10-4mol)を100mlの還
流冷却器を備えたフラスコに仕込み、60℃に昇温した
後、メタンスルホン酸0.50g(3.3×10-3mol)を添加
した。6時間後、重合は完結したので、100℃に昇温
し、中和剤として炭酸水素ナトリウム2.5g(3.0×10
-3mol)を添加し4時間攪拌後、加圧濾過により生成した
メタンスルホン酸のナトリウム塩を除去した。
3,5,5,7,7−ヘプタメチルシクロテトラシロキ
サン15.56g(0.0395mol) 、オクタメチルシクロテ
トラシロキサン17.17g(0.58mol) 及び1,1,
1,3,3,5,5,7,7,7−デカメチルテトラシ
ロキサン0.62g (2.00×10-4mol)を100mlの還
流冷却器を備えたフラスコに仕込み、60℃に昇温した
後、メタンスルホン酸0.50g(3.3×10-3mol)を添加
した。6時間後、重合は完結したので、100℃に昇温
し、中和剤として炭酸水素ナトリウム2.5g(3.0×10
-3mol)を添加し4時間攪拌後、加圧濾過により生成した
メタンスルホン酸のナトリウム塩を除去した。
【0019】これを110℃/5mmHgで3時間スト
リッピングすることにより、無色透明の液状物が28.
0g得られた。得られた液状物について25℃における
粘度(回転粘度計による)及び屈折率を測定した。ま
た、核磁気共鳴スペクトル(NMR)からSi-CH3のプロ
トンとアクリル基のプロトンの比をもとめ、これからア
クリル基のプロトンの理論プロトン量に対する割合をも
とめた。それらの結果を表1に示した。さらに、得られ
た液状物をオフセット印刷機を用いてポリエチレンラミ
ネート紙に転写し、2Mradあるいは3Mradの電
子線を照射して硬化させ、硬化性を観察した。また、3
Mradで硬化させた硬化物にPETフィルムを10k
g/cm2 の圧力で22時間密着させ、その後に、硬化
物に接していたPETフィルムの面に油性マーカーを塗
り、はじきを観察することにより移行性を観察した。こ
れらの結果を表1に示した。
リッピングすることにより、無色透明の液状物が28.
0g得られた。得られた液状物について25℃における
粘度(回転粘度計による)及び屈折率を測定した。ま
た、核磁気共鳴スペクトル(NMR)からSi-CH3のプロ
トンとアクリル基のプロトンの比をもとめ、これからア
クリル基のプロトンの理論プロトン量に対する割合をも
とめた。それらの結果を表1に示した。さらに、得られ
た液状物をオフセット印刷機を用いてポリエチレンラミ
ネート紙に転写し、2Mradあるいは3Mradの電
子線を照射して硬化させ、硬化性を観察した。また、3
Mradで硬化させた硬化物にPETフィルムを10k
g/cm2 の圧力で22時間密着させ、その後に、硬化
物に接していたPETフィルムの面に油性マーカーを塗
り、はじきを観察することにより移行性を観察した。こ
れらの結果を表1に示した。
【0020】比較例1 1,3,5,7−テトラアクリロキシプロピル−1,
3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン6
8.8g(0.10mol) 、オクタメチルシクロテトラシロキ
サン260.5g(0.88mol) 、末端基としての1,1,
1,3,3,5,5,7,7,7−デカメチルテトラシ
ロキサン6.2g(0.020mol)を500mlの還流冷却器
を備えたフラスコに仕込み、100℃に昇温した後、メ
タンスルホン酸3.36g(0.042mol)を添加して6時間
攪拌した。その後中和剤として炭酸水素ナトリウム1
0.6g(0.126mol)を少しずつ添加し、100℃で2時
間攪拌した。その後冷却し、生成した塩を加圧濾過で取
り除き、実施例2と同一条件でストリッピングしたとこ
ろ、無色透明の液状物が280g得られた。得られた液
状物について実施例2の場合と同様の試験を行い、結果
を表1に示した。
3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン6
8.8g(0.10mol) 、オクタメチルシクロテトラシロキ
サン260.5g(0.88mol) 、末端基としての1,1,
1,3,3,5,5,7,7,7−デカメチルテトラシ
ロキサン6.2g(0.020mol)を500mlの還流冷却器
を備えたフラスコに仕込み、100℃に昇温した後、メ
タンスルホン酸3.36g(0.042mol)を添加して6時間
攪拌した。その後中和剤として炭酸水素ナトリウム1
0.6g(0.126mol)を少しずつ添加し、100℃で2時
間攪拌した。その後冷却し、生成した塩を加圧濾過で取
り除き、実施例2と同一条件でストリッピングしたとこ
ろ、無色透明の液状物が280g得られた。得られた液
状物について実施例2の場合と同様の試験を行い、結果
を表1に示した。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】本発明により、文献未載の新規な化合物
である1−アクリロキシプロピル−1,3,3,5,
5,7,7−ヘプタメチルシクロテトラシロキサンが提
供された。また、この化合物を用いて酸触媒による平衡
化を行う本発明の製造方法によると、アクリル基をもつ
シロキサン単位が重合体中に均一に導入された重合体組
成物が得られ、その結果この重合体組成物を電子線照射
により硬化した皮膜には成分の移行性がない。すなわ
ち、本発明のシリコーン系重合体組成物は剥離紙用電子
線硬化型シリコーンとして重要な特性が改良されている
ので、本発明の効果は大きい。
である1−アクリロキシプロピル−1,3,3,5,
5,7,7−ヘプタメチルシクロテトラシロキサンが提
供された。また、この化合物を用いて酸触媒による平衡
化を行う本発明の製造方法によると、アクリル基をもつ
シロキサン単位が重合体中に均一に導入された重合体組
成物が得られ、その結果この重合体組成物を電子線照射
により硬化した皮膜には成分の移行性がない。すなわ
ち、本発明のシリコーン系重合体組成物は剥離紙用電子
線硬化型シリコーンとして重要な特性が改良されている
ので、本発明の効果は大きい。
【図1】実施例1で得られた液状物の赤外吸収スペクト
ルを示す図である。
ルを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大庭 敏夫 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−73250(JP,A) 特開 昭61−229886(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07F 7/21 C08G 77/10 C08G 77/20 C08F 299/08 C08L 83/07 CA(STN2) REGISTRY(STN)
Claims (3)
- 【請求項1】 (A)式 【化1】 で表される1−アクリロキシプロピル−1,3,3,
5,5,7,7−ヘプタメチルシクロテトラシロキサ
ン。 - 【請求項2】 (A)式 【化2】 で表される1−アクリロキシプロピル−1,3,3,5,5,7,7−ヘプタメ チルシクロテトラシロキサン 1〜100重量% ならびに (B)式 【化3】 (式中、R1、R2は非置換またはフッ素置換の一価の炭化
水素基を表し、n=3〜10の整数を表す)で表される
環状オルガノポリシロキサン及び (C)式 【化4】 (式中、R3、R4、R5、R6は非置換またはフッ素置換の一
価の炭化水素基を表し、p=0〜10の整数を表す)で
表される鎖状オルガノポリシロキサンの合計で0〜99
重量%の混合物を、酸触媒で平衡化することを特徴とす
る電子線硬化型重合体組成物の製造方法。 - 【請求項3】 前記請求項2に記載の製造方法により得
られた電子線硬化型重合体組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29945293A JP2856378B2 (ja) | 1993-11-30 | 1993-11-30 | アクリロキシプロピル基含有シクロテトラシロキサン、その重合体組成物の製造方法及び重合体組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP29945293A JP2856378B2 (ja) | 1993-11-30 | 1993-11-30 | アクリロキシプロピル基含有シクロテトラシロキサン、その重合体組成物の製造方法及び重合体組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07149902A JPH07149902A (ja) | 1995-06-13 |
JP2856378B2 true JP2856378B2 (ja) | 1999-02-10 |
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ID=17872763
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP29945293A Expired - Fee Related JP2856378B2 (ja) | 1993-11-30 | 1993-11-30 | アクリロキシプロピル基含有シクロテトラシロキサン、その重合体組成物の製造方法及び重合体組成物 |
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Country | Link |
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US7189868B2 (en) | 2005-05-19 | 2007-03-13 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Cyclic siloxane compounds and making method |
JP4828171B2 (ja) * | 2005-07-08 | 2011-11-30 | 株式会社メニコン | 環状シロキサン化合物を重合して得られる眼科用レンズ、細胞または臓器の培養基材、生体物容器、透明ゲルおよびその製造方法 |
WO2021166871A1 (ja) * | 2020-02-21 | 2021-08-26 | 信越化学工業株式会社 | 環状ポリシロキサンの製造方法 |
-
1993
- 1993-11-30 JP JP29945293A patent/JP2856378B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH07149902A (ja) | 1995-06-13 |
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