JP2003254407A - フリーランニング機能を備えたディファレンシャル装置 - Google Patents

フリーランニング機能を備えたディファレンシャル装置

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JP2003254407A
JP2003254407A JP2002053593A JP2002053593A JP2003254407A JP 2003254407 A JP2003254407 A JP 2003254407A JP 2002053593 A JP2002053593 A JP 2002053593A JP 2002053593 A JP2002053593 A JP 2002053593A JP 2003254407 A JP2003254407 A JP 2003254407A
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Japan
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pinion gear
differential case
pinion
clutch
gear
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JP2002053593A
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Noriyuki Sudo
則幸 須藤
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GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アウターデフケースの回転をクラッチから直
接にピニオンギアに伝達することにより、インナーデフ
ケースを廃止してピニオンギアを可能な限り外方に配置
できるようにし、もってピニオンギアを大径化する。 【解決手段】アウターデフケース20からピニオンシャ
フト31に至る回転伝達経路に設けたクラッチ40の出
力側部材42とアウターデフケース20の内壁との間に
差動機構30のピニオンギア32を回転自在に挟持する
ことで、アウターデフケース20からピニオンギア32
に至る回転伝達経路からインナーデフケースを無くし
て、ピニオンギア32を差動機構30の回転中心からよ
り離れる方向に配置し、もってピニオンギア32とサイ
ドギア33とをより大径部分で噛合させてピニオンギア
32を大径化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アウターデフケー
スに入力された回転を、このアウターデフケースに収納
した差動機構を介して左右に分配するディファレンシャ
ル装置に関し、とりわけ、アウターデフケースから差動
機構に至る回転伝達経路に、アウターデフケースの回転
を断・続するクラッチを設けたフリーランニング機能を
備えたディファレンシャル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】フリーランニング機能を備えたディファ
レンシャル装置は、例えば四輪駆動車に用いられ、前輪
駆動ベースの四輪駆動車では後輪側の終減速装置に適用
されるとともに、後輪駆動ベースの四輪駆動車では前輪
側の終減速装置に適用される。
【0003】従来、この種のディファレンシャル装置と
しては、例えば、実開昭63−193929号公報に開
示されたものがあり、図5に示すように、このディファ
レンシャル装置1は減速大歯車2を介してアウターデフ
ケース3に入力されたエンジン駆動力は、クラッチ4を
介してアウターデフケース3の内方に相対回転自在に収
納したインナーデフケース5に伝達される。
【0004】インナーデフケース5には直径方向にピニ
オンシャフト6が取り付けられるとともに、このピニオ
ンシャフト6の両端部には、インナーデフケース5の内
周に摺接するように1対のピニオンギア7が回転自在に
取り付けられ、これら1対のピニオンギア7はピニオン
シャフト6の軸直角方向に対向配置される1対のサイド
ギア8に噛合される。
【0005】そして、アウターデフケース3に入力した
エンジン回転力を、ピニオンシャフト6およびピニオン
ギア7を介して前記1対のサイドギア8に接続した図外
の車輪駆動軸に分配する際に、これらピニオンシャフト
6、ピニオンギア7およびサイドギア8によって差動機
能を発揮できるようになっている。
【0006】このとき、前記クラッチ4の接続時には、
アウターデフケース3の回転をインナーデフケース5に
伝達して車輪駆動状態とするとともに、クラッチ4の切
断時には、インナーデフケース5に回転を伝達する経路
を遮断してフリーランニング状態とするようになってい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来のフリーランニング機能を備えたディファレンシャ
ル装置1にあっては、アウターデフケース3の内周にイ
ンナーデフケース5を設けて、このインナーデフケース
5の内方にピニオンシャフト6、ピニオンギア7および
サイドギア8を配置するようになっている。
【0008】このため、前記ピニオンギア7はインナー
デフケース5の厚み分だけピニオンシャフト6の回転中
心側に寄った位置に取り付けられることになり、それぞ
れがすぐばかさ歯車などによって構成されるピニオンギ
ア7とピニオンギア7は、両ギア7、8が噛合されるピ
ッチ径が小さくなってしまい、ひいては、ピニオンギア
7が小径化されて強度低下が来されてしまう。
【0009】そこで、ピニオンギア7の強度不足を補う
には、例えばピニオンシャフト6をY字や十字となる放
射状に形成して、その各端部にピニオンギア7を設ける
ことにより、ピニオンギア7の個数を増加してそれぞれ
の負担する回転駆動力を軽減することが考えられる。
【0010】ところが、このようにピニオンギア7の個
数を単に多くした場合には、構成が複雑化されるととも
に部品点数が増加されて、重量増およびコスト高が来さ
れてしまう。
【0011】そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑み
て、アウターデフケースの回転をクラッチから直接にピ
ニオンギアに伝達することにより、インナーデフケース
を廃止してピニオンギアを可能な限り外方に配置できる
ようにし、もってピニオンギアを大径化するようにした
フリーランニング機能を備えたディファレンシャル装置
を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに請求項1の発明は、回転駆動力が入力されて回転す
るアウターデフケースと、前記アウターデフケース内部
に回転自在に支持されるピニオンギアとこのピニオンギ
アに直角に噛合し対向配置される1対のサイドギアから
なる差動機構と、前記アウターデフケースから前記ピニ
オンギアに至る回転伝達経路に設けられ前記アウターデ
フケースに配設される入力部材と前記アウターデフケー
ス内部に配設される出力部材を具備し該入力部材と出力
部材とを互いに断・続するクラッチとを備え、前記クラ
ッチの接続時に前記回転伝達経路を介して前記ピニオン
ギアに回転駆動力が伝達されるとともに、該クラッチの
切断時に前記回転伝達経路を遮断してフリーランニング
状態とする、フリーランニング機能を備えたディファレ
ンシャル装置において、前記出力部材が前記アウターデ
フケースの径方向に回転自在に配置され、該出力部材と
前記アウターデフケースとの間に前記ピニオンギアが回
転自在に挟持されたことを特徴としている。
【0013】この場合、アウターデフケースに入力され
た回転駆動力は、クラッチの出力側部材からピニオンギ
アに直接入力されることになり、アウターデフケースか
らピニオンギアに至る回転伝達経路からインナーデフケ
ースを無くすことができる。
【0014】このため、出力部材とアウターデフケース
の間に挟持されるピニオンギアは、アウターデフケース
の内周により近付く方向、つまり、差動機構の回転中心
からより離れる方向に配置されるため、互いに直角に噛
合されるピニオンギアとサイドギアとは、より大径部分
で噛合されるようになり、ひいては、ピニオンギアが大
径化されるようになる。
【0015】請求項2の発明は、請求項1に記載のフリ
ーランニング機能を備えたディファレンシャル装置にお
いて、前記出力部材と一体にピニオンシャフトを設け、
該ピニオンシャフトの両端部に1対の前記ピニオンギア
を回転自在に支持し、該各ピニオンギア間に前記出力側
部材を配置するとともに、前記クラッチの断・続部を各
ピニオンギアの外周端面の外側に配置したことを特徴と
している。
【0016】この場合、クラッチの出力側部材が1対の
ピニオンギア間に配置され、かつ、クラッチの断・続部
が各ピニオンギアの外周端面の外側に配置されることに
より、回転伝達経路のクラッチからピニオンギアに至る
部分をコンパクトに構成でき、ひいては、ディファレン
シャル装置全体の小型化を達成することができる。
【0017】また、ピニオンシャフトによってピニオン
ギアの位置が安定するためピニオンギアの片当たりを防
止することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面を参照して詳細に説明する。
【0019】図1、図2は本発明にかかるフリーランニ
ング機能を備えたディファレンシャル装置の第1実施形
態を示し、図1は差動機構部分を出力部材に沿って切断
した横断面図、図2は図1中のA−A線に沿った断面図
である。
【0020】本実施形態のディファレンシャル装置10
は、図1、図2に示すようにアウターデフケース20
と、このアウターデフケース20に収納される差動機構
30と、アウターデフケース20から差動機構30に至
る回転伝達経路に設けられるクラッチ40とを備えて構
成され、四輪駆動車の前輪側終減速装置または後輪側終
減速装置として用いた場合に例をとって説明する。
【0021】前記アウターデフケース20は、図2に示
すように一方の端壁21および円筒状の胴部22が一体
に成形されたケース本体23と、このケース本体23の
図2中左端側の開口部22aを閉止する他方の端壁24
が形成された端部ケース25と、を結合することにより
構成される。このとき、一方の端壁21および他方の端
壁24の中心部には、図外の左右の車輪駆動軸の端部を
挿入する取付穴21a、24aが形成されている。
【0022】前記ケース本体23の胴部22の外周には
図外のリングギアが取り付けられ、図外のトランスファ
装置によってエンジンの回転駆動力を前輪側と後輪側に
分配した後、分配された一方のエンジンの回転駆動力が
前記リングギアを介してケース本体23に入力され、こ
れによってアウターデフケース20が回転される。勿
論、このアウターデフケース20は図外の車体側に回転
自在に支持されるようになっている。
【0023】前記差動機構30は、図1、図2に示すよ
うにピニオンギア32と、サイドギア33とを備えて構
成される。
【0024】前記ピニオンギア32は、例えば一対のす
ぐばかさ歯車などとして構成され、後述する出力部材4
2を挟んで出力部材42と胴部22の内壁の間に回転自
在に対向挟持される。
【0025】前記サイドギア33は前記ピニオンギア3
2と同様にすぐばかさ歯車などで構成され、このピニオ
ンギア32に直角に噛合される。また、このサイドギア
33は2個設けられ、それぞれが前記出力部材42を挟
んで回転中心軸C上で対向配置される。そして、各サイ
ドギア33の中心部には、前記端壁21、24に形成さ
れた取付穴21a、24aと同軸上に形成されて、前記
車輪駆動軸の端部を軸方向の移動を許容しつつ回転方向
に係合するスプライン孔33aが形成されている。
【0026】前記クラッチ40は、図2に示すように入
力側部材41と出力側部材42とで構成される。
【0027】入力側部材41はリング状に形成されて、
ケース本体23の端壁21寄りの胴部22内周に回転中
心軸Cに沿った方向の摺動を可能に嵌合され、後端部か
ら突設した操作部41aが端壁21の切欠部21bから
外方に突出している。
【0028】出力側部材42は、図1に示すように所定
幅Dと図2に示すように所定厚さTを持ち、ピニオンギ
ア32の刃先32cと側面42dが当接するように形成
されている。
【0029】前記入力側部材41と前記出力側部材42
の対向部分に、それぞれ互いに噛合可能な断・続部とし
ての歯部41b、42bが形成され、入力側部材41が
図2に示す後退位置から出力側部材42に向かって移動
することにより、歯部41b、42bが互いに噛合して
アウターデフケース20からピニオンギア32に至る回
転伝達経路が接続されるようになっている。
【0030】このとき、前記歯部41b、42bの形成
部分、つまり入力側部材41と出力側部材42との断・
続部は、図1に示すように各ピニオンギア32の外周端
面32bの外側に配置されるようになっている。
【0031】前記操作部41aの突出端には、図外のア
クチュエータによる押圧力が作用する環状のプレシャー
プレート44が取り付けられ、このプレシャープレート
44が押圧されることにより前記歯部41b、42bが
噛合されてクラッチ40の接続状態となる。
【0032】一方、プレッシャープレート44と端壁2
1との間には、前記アクチュエータによる押圧力の作用
方向とは反対方向に付勢力が作用するリターンスプリン
グ45が介装され、前記アクチュエータによる押圧力が
解除された時点で、リターンスプリング45の付勢力で
前記歯部41b、42bが噛合解除されてクラッチ40
の切断状態となる。このクラッチ40の切断状態で前記
回転伝達経路は遮断されてフリーランニング状態とな
る。
【0033】尚、図1に示すように前記出力側部材42
には、軽量化をも考慮した1対の開口部42cが形成さ
れている。
【0034】ところで、ピニオンギア32は、図1に示
すようにクラッチ40の出力側部材42の幅方向両側と
アウターデフケース20の胴部22内周との間に挟まれ
るようにして配置されるが、このとき、ピニオンギア3
2の外周端面32bと胴部22内周との間には、図2に
も示すようにピニオンギア32がサイドギア33に噛合
した時の反力を受ける受け部材34が介在される。
【0035】以上の構成により本実施形態のフリーラン
ニング機能を備えたディファレンシャル装置10にあっ
ては、クラッチ40の接続状態で、アウターデフケース
20に入力された回転駆動力は、クラッチ40の出力側
部材42からピニオンギア32に直接入力されることに
なる。
【0036】すると、一対のピニオンギア32は回転中
心軸Cを中心として軸直角方向に回転しつつ、それぞれ
各サイドギア33に噛合した状態で一体に回転し、前記
回転駆動力をサイドギア33にスプライン結合した図外
の車輪駆動軸に伝達する。
【0037】このとき、差動機構30は、コーナリング
時などにあって左右車輪間に回転差が生じたときに差動
機能を発揮し、ピニオンギア32が自転して各サイドギ
ア32に等しい駆動力を伝達するようになっている。
【0038】従って、本実施形態のディファレンシャル
装置10では、クラッチ40の出力部材42でピニオン
ギア32を直接回転させることができるため、アウター
デフケース20からピニオンギア32に至る回転伝達経
路から従来用いられているインナーデフケースを無くす
ことができる。
【0039】このため、ピニオンギア32は、アウター
デフケース20の内周により近付く方向、つまり、差動
機構30の回転中心Oからより離れる方向に配置される
ため、互いに直角に噛合されるピニオンギア32とサイ
ドギア33とはより大径部分で噛合されるようになり、
このことはピニオンギア32の大径化を達成することが
できる。
【0040】従って、前記ピニオンギア32の強度を高
めることができるようになり、ひいては、ディファレン
シャル装置10の小型化を図りつつ、より大きな回転駆
動力を扱うことができるようになる。
【0041】尚、ピニオンギア32とアウターデフケー
ス20との間には受け部材34が介在されるが、この受
け部材34はピニオンギア32の噛合反力を受けて差動
制限力を発生する為のもので、この受け部材34には回
転駆動力が作用しないことから、従来のインナーデフケ
ースに較べて大幅に薄肉化することができ、ピニオンギ
ア32の大径化に大きく影響するものではない。
【0042】さらに、ピニオンギア32の刃先32cと
出力部材42の側面42は当接するように形成されてい
るので、ピニオンギア32が回転すると、ピニオンギア
32の刃先32cから側面42dが噛合反力を受け、こ
の噛合反力が差動制限力の一部として作用する。
【0043】また、本実施形態では図2に示したよう
に、クラッチ40の出力側部材42を1対のピニオンギ
ア32間に配置し、かつ、図2に示したようにクラッチ
40の断・続部となる歯部41b、42bを、各ピニオ
ンギア32の外周端面32bの外側に配置したので、前
記回転伝達経路のクラッチ40からピニオンギア32に
至る部分をコンパクトに構成でき、ひいては、ディファ
レンシャル装置10全体の小型化を達成することができ
る。
【0044】ところで、本発明のディファレンシャル装
置10は本実施形態に限ることなく、本発明の主旨を逸
脱しない範囲内で各種実施形態を採用することができ
る。
【0045】次に、本発明の第2実施形態を添付図面を
参照して詳細に説明する。
【0046】図3、図4は本発明にかかるフリーランニ
ング機能を備えたディファレンシャル装置の第2実施形
態を示し、図3は差動機構部分を出力部材に沿って切断
した横断面図、図4は図3中のA′−A′線に沿った断
面図である。
【0047】本実施形態のディファレンシャル装置1
0′は、図3、図4に示すようにアウターデフケース2
0′と、このアウターデフケース20′に収納される差
動機構30′と、アウターデフケース20′から差動機
構30′に至る回転伝達経路に設けられるクラッチ4
0′とを備えて構成され、四輪駆動車の前輪側終減速装
置または後輪側終減速装置として用いた場合に例をとっ
て説明する。
【0048】前記アウターデフケース20′は、図4に
示すように一方の端壁21′および円筒状の胴部22′
が一体に成形されたケース本体23′と、このケース本
体23′の図4中左端側の開口部22a′を閉止する他
方の端壁24′が形成された端部ケース25′と、を結
合することにより構成される。このとき、一方の端壁2
1′および他方の端壁24′の中心部には、図外の左右
の車輪駆動軸の端部を挿入する取付穴21a′、24
a′が形成されている。
【0049】前記ケース本体23′の胴部22′の外周
には図外のリングギアが取り付けられ、図外のトランス
ファ装置によってエンジンの回転駆動力を前輪側と後輪
側に分配した後、分配された一方のエンジンの回転駆動
力が前記リングギアを介してケース本体23′に入力さ
れ、これによってアウターデフケース20′が回転され
る。勿論、このアウターデフケース20′は図外の車体
側に回転自在に支持されるようになっている。
【0050】前記差動機構30′は、図3、図4に示す
ようにピニオンシャフト31′と、ピニオンギア32′
と、サイドギア33′とを備えて構成される。
【0051】前記ピニオンシャフト31′は直状の円柱
体として形成され、アウターデフケース20′の回転中
心軸C′を通って、このアウターデフケース20′の径
方向に配置される。
【0052】前記ピニオンギア32′は、例えばすぐば
かさ歯車などとして構成され、このピニオンギア32′
に形成された中心孔32a′が前記ピニオンシャフト3
1′に回転自在に嵌合支持される。また、このピニオン
ギア32′は2個設けられ、それぞれがピニオンシャフ
ト31′の両端部に対を成して配置される。
【0053】前記サイドギア33′は前記ピニオンギア
32′と同様にすぐばかさ歯車などで構成され、このピ
ニオンギア32′に直角に噛合される。また、このサイ
ドギア33′は2個設けられ、それぞれが前記ピニオン
シャフト31′を挟んで回転中心軸C′上で対向配置さ
れる。そして、各サイドギア33′の中心部には、前記
端壁21′、24′に形成された取付穴21a′、24
a′と同軸上に形成されて、前記車輪駆動軸の端部を軸
方向の移動を許容しつつ回転方向に係合するスプライン
孔33a′が形成されている。
【0054】前記クラッチ40′は、図4に示すように
入力側部材41′と出力側部材42′とで構成される。
【0055】入力側部材41′はリング状に形成され
て、ケース本体23′の端壁21′寄りの胴部22′内
周に回転中心軸C′に沿った方向の摺動を可能に嵌合さ
れ、後端部から突設した操作部41a′が端壁21′の
切欠部21b′から外方に突出している。
【0056】出力側部材42′は、図3に示すように所
定幅D′と図4に示すように所定厚さT′をもって、1
対のピニオンギア32′間に挟まれるようにしてピニオ
ンシャフト31′に対して直交配置される。そして、出
力側部材42′の肉厚方向中央部を幅方向に貫通した取
付孔42a′にピニオンシャフト31′を挿通して、こ
れら出力側部材42′とピニオンシャフト31′がピン
43′を介して一体に結合される。
【0057】前記入力側部材41′と前記出力側部材4
2′の対向部分に、それぞれ互いに噛合可能な断・続部
としての歯部41b′、42b′が形成され、入力側部
材41′が図4に示す後退位置から出力側部材42′に
向かって移動することにより、歯部41b′、42b′
が互いに噛合してアウターデフケース20′からピニオ
ンギア32′に至る回転伝達経路が接続されるようにな
っている。
【0058】このとき、前記歯部41b′、42b′の
形成部分、つまり入力側部材41′と出力側部材42′
との断・続部は、図3に示すように各ピニオンギア3
2′の外周端面32b′の外側に配置されるようになっ
ている。
【0059】前記操作部41a′の突出端には、図外の
アクチュエータによる押圧力が作用する環状のプレシャ
ープレート44′が取り付けられ、このプレシャープレ
ート44′が押圧されることにより前記歯部41b′、
42b′が噛合されてクラッチ40′の接続状態とな
る。
【0060】一方、プレッシャープレート44′と端壁
21′との間には、前記アクチュエータによる押圧力の
作用方向とは反対方向に付勢力が作用するリターンスプ
リング45′が介装され、前記アクチュエータ′による
押圧力が解除された時点で、リターンスプリング45′
の付勢力で前記歯部41b′、42b′が噛合解除され
てクラッチ40′の切断状態となる。このクラッチ4
0′の切断状態で前記回転伝達経路は遮断されてフリー
ランニング状態となる。
【0061】尚、図3に示すように前記出力側部材4
2′のピニオンシャフト31′を挟んだ両側には、軽量
化をも考慮した1対の開口部42c′が形成されてい
る。
【0062】ところで、前記ピニオンシャフト31′の
両端部に配置されたピニオンギア32′は、図3に示す
ようにクラッチ40′の出力側部材42′の幅方向両側
とアウターデフケース20′の胴部22′内周との間に
挟まれるようにして配置されるが、このとき、ピニオン
ギア32′の外周端面32b′と胴部22′内周との間
には、図4にも示すようにピニオンギア32′がサイド
ギア33′に噛合した時の反力を受ける受け部材34′
が介在される。
【0063】以上の構成により本実施形態のフリーラン
ニング機能を備えたディファレンシャル装置10′にあ
っては、クラッチ40′の接続状態で、アウターデフケ
ース20′に入力された回転駆動力は、クラッチ40′
の出力側部材42′からピニオンシャフト31′に直接
入力されることになる。
【0064】すると、ピニオンシャフト31′は回転中
心軸C′を中心として軸直角方向に回転し、これに伴っ
て1対のピニオンギア32′はそれぞれ各サイドギア3
3′に噛合した状態で一体に回転し、前記回転駆動力を
サイドギア33′にスプライン結合した図外の車輪駆動
軸に伝達する。
【0065】このとき、差動機構30′は、コーナリン
グ時などにあって左右車輪間に回転差が生じたときに差
動機能を発揮し、ピニオンギア32′が自転して各サイ
ドギア32′に等しい駆動力を伝達するようになってい
る。
【0066】従って、本実施形態のディファレンシャル
装置10′では、クラッチ40′の出力部材42′でピ
ニオンギア32′を直接回転させることができるため、
アウターデフケース20′からピニオンギア32′に至
る回転伝達経路から従来用いられているインナーデフケ
ースを無くすことができる。
【0067】このため、ピニオンシャフト31′に設け
られるピニオンギア32′は、アウターデフケース2
0′の内周により近付く方向、つまり、差動機構30′
の回転中心O′からより離れる方向に配置されるため、
互いに直角に噛合されるピニオンギア32′とサイドギ
ア33′とはより大径部分で噛合されるようになり、こ
のことはピニオンギア32′の大径化を達成することが
できる。
【0068】従って、前記ピニオンギア32′の強度を
高めることができるようになり、ひいては、ディファレ
ンシャル装置10′の小型化を図りつつ、より大きな回
転駆動力を扱うことができるようになる。
【0069】なお、ピニオンギア32′とアウターデフ
ケース20′との間には受け部材34′が介在される
が、この受け部材34′はピニオンギア32′の噛合反
力を受けて差動制限力を発生する為のもので、この受け
部材34′には回転駆動力が作用しないことから、従来
のインナーデフケースに較べて大幅に薄肉化することが
でき、ピニオンギア32′の大径化に大きく影響するも
のではない。
【0070】さらに、ピニオンギア32′の刃先32
c′と出力部材42′の側面42′は当接するように形
成されているので、ピニオンギア32′が回転すると、
ピニオンギア32′の刃先32c′から側面42d′が
噛合反力を受け、この噛合反力が差動制限力の一部とし
て作用する。
【0071】また、本実施形態では図4に示されるよう
に、クラッチ40′の出力側部材42′を1対のピニオ
ンギア32′間に配置し、かつ、図4に示したようにク
ラッチ40′の断・続部となる歯部41b′、42b′
を、各ピニオンギア32′の外周端面32b′の外側に
配置したので、前記回転伝達経路のクラッチ40′から
ピニオンギア32′に至る部分をコンパクトに構成で
き、ひいては、ディファレンシャル装置10′全体の小
型化を達成することができる。
【0072】ところで、本発明のディファレンシャル装
置10′は本実施形態に限ることなく、本発明の主旨を
逸脱しない範囲内で各種実施形態を採用することができ
る。
【0073】
【発明の効果】請求項1に記載の本発明によれば、差動
機構のピニオンシャフトに、アウターデフケースからピ
ニオンシャフトに至る回転伝達経路に設けたクラッチの
出力側部材を一体に設けたので、アウターデフケースに
入力された回転駆動力を、クラッチの出力側部材からピ
ニオンシャフトに直接入力することができるため、従来
用いられていたインナーデフケースを無くすことができ
る。
【0074】従って、前記ピニオンギアを、差動機構の
回転中心からより離れる方向に配置することがされるた
め、サイドギアに直角に噛合される前記ピニオンギアを
大径化することができ、ひいては、ディファレンシャル
装置の小型化を図りつつ、より大きな回転駆動力に対応
させることができる。
【0075】請求項2に記載の本発明によれば、クラッ
チの出力側部材が1対のピニオンギア間に配置され、か
つ、クラッチの断・続部が各ピニオンギアの外周端面の
外側に配置されることにより、回転伝達経路のクラッチ
からピニオンギアに至る部分をコンパクトに構成でき、
ひいては、ディファレンシャル装置全体の小型化を達成
することができる。
【0076】また、ピニオンシャフトによってピニオン
ギアの位置が安定するためピニオンギアの片当たりを防
止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態におけるディファレンシ
ャル装置の差動機構部分を出力部材に沿って切断した横
断面図。
【図2】図1中のA−A線に沿った断面図。
【図3】本発明の第2実施形態におけるディファレンシ
ャル装置の差動機構部分を出力部材に沿って切断した横
断面図。
【図4】図3中のA′−A′線に沿った断面図。
【図5】従来のディファレンシャル装置の要部断面図。
【符号の説明】
10 ディファレンシャル装置 20 アウターデフケース 30 差動機構 32 ピニオンギア 32b 外周端面 33 サイドギア 40 クラッチ 41 入力側部材 42 出力側部材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転駆動力が入力されて回転するアウタ
    ーデフケースと、前記アウターデフケース内部に回転自
    在に支持されるピニオンギアとこのピニオンギアに直角
    に噛合し対向配置される1対のサイドギアからなる差動
    機構と、前記アウターデフケースから前記ピニオンギア
    に至る回転伝達経路に設けられ前記アウターデフケース
    に配設される入力部材と前記アウターデフケース内部に
    配設される出力部材を具備し該入力部材と出力部材とを
    互いに断・続するクラッチとを備え、 前記クラッチの接続時に前記回転伝達経路を介して前記
    ピニオンギアに回転駆動力が伝達されるとともに、該ク
    ラッチの切断時に前記回転伝達経路を遮断してフリーラ
    ンニング状態とする、フリーランニング機能を備えたデ
    ィファレンシャル装置において、 前記出力部材が前記アウターデフケースの径方向に回転
    自在に配置され、 該出力部材と前記アウターデフケースとの間に前記ピニ
    オンギアが回転自在に挟持されたことを特徴とするフリ
    ーランニング機能を備えたディファレンシャル装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のフリーランニング機能
    を備えたディファレンシャル装置において、 前記出力部材と一体にピニオンシャフトを設け、 該ピニオンシャフトの両端部に1対の前記ピニオンギア
    を回転自在に支持し、 該各ピニオンギア間に前記出力側部材を配置するととも
    に、前記クラッチの断・続部を各ピニオンギアの外周端
    面の外側に配置したことを特徴とするフリーランニング
    機能を備えたディファレンシャル装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007223588A (ja) * 2006-02-22 2007-09-06 Ford Global Technologies Llc 自動車及び自動車のトルク伝達経路切り替え方法

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