JP2003253526A - ポリアミドモノフィラメント - Google Patents
ポリアミドモノフィラメントInfo
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Abstract
時のいずれにおいても引張強度に均衡した高い結節強度
を有するという優れた特徴を持ち、釣り糸、漁網を始め
とした水産資材に好適なポリアミドモノフィラメントを
提供する。 【解決手段】 (1)ポリアミド6/66共重合体で形
成され、波数977cm−1と928cm−1にて測定
した赤外線吸収スペクトルの吸光度比が、下記(I)式
を満たすことを特徴とするポリアミドモノフィラメント 【数1】 977cm−1吸光度/928cm−1吸光度 ≧ 1.5……(I) 及び(2)ポリアミド6を主成分とするポリアミド樹脂
100重量部に対して、有機ベントナイトを0.000
1〜0.1重量部配合したポリアミド樹脂組成物を溶融
紡糸してなることを特徴とするポリアミドモノフィラメ
ント。
Description
ならず、乾時および湿時のいずれにおいても引張強度に
均衡した高い結節強度を有するという優れた特徴を持
ち、釣り糸を始めとした水産資材に好適なポリアミドモ
ノフィラメントに関する。
アミド6を主成分としたポリアミドモノフィラメント
は、強度が高く、透明性が高く、柔軟性に富み、適度な
伸度を有する等の特徴があることから、釣り糸、漁網を
始めとした水産資材や工業用途に幅広く用いられてい
る。釣り糸や漁網等の水産資材やレジャーフィッシング
用の釣り糸には引張強度が高いのみならず、結節強度が
高いこと、すなわち、引張強度と結節強度が均衡してい
ることが求められてきた。特に実際の使用状態である湿
時において、高い結節強度を有することが求められてき
た。
上、結節強度向上のための提案は、これまで数多くなさ
れてきた。例えば、特許文献1には、共重合ポリアミド
6/66にポリアミド66を5〜30%配合してなり、
乾時引張強度10.0g/d(8.85cN/dte
x)以上、乾時結節強度8.2g/d(7.26cN/
dtex)以上、湿時結節強度7.8g/d(6.9c
N/dtex)以上のポリアミドモノフィラメントを提
供することが記載されている。このポリアミドモノフィ
ラメントは、溶融紡糸の際、常圧水蒸気下で3.1〜
4.5倍に延伸、ついで総合延伸倍率が6.2倍以上に
なるように2段目以降の延伸を行った後、弛緩熱処理す
る方法で製造されている。しかし、実施例には、比較的
強度が得られやすい直径0.17mmの細物モノフィラ
メントにおいて、乾時結節強度8.2cN/dtex
(8.2g/d)、湿時結節強度7.6N/dtex
(8.6g/d)が例示されており、同時にやや太めの
0.3mmのモノフィラメントでは、乾時結節強度が
7.5cN/dtex(8.5g/d)、湿時結節強度
が7.3cN/dtex(8.2g/d)が示されるに
とどまっていた。
れた結節強度、引張強度、及びそれらの、乾時並びに湿
時におけるバランスが、不十分であり、より結節強度が
高く、引張強度と結節強度が均衡しているモノフィラメ
ントが望まれていた。しかも該特許文献1では、ポリア
ミド66を特定量配合することが必要であり、該ポリア
ミド66を併用した場合は、連続して紡糸を行う際、樹
脂を吐出する口金の部分に樹脂の付着物(いわゆる目や
に)が生じやすいという問題があった。該付着物は、紡
糸の途中で剥がれ落ちて、製品中に混ざると、糸切れや
製品不良等の問題を起こしやすい。
鑑みてなされたものであって、その目的は、乾時並びに
湿時のいずれにおいても高い結節強度を有し、且つこれ
に均衡した引張強度を有するポリアミドモノフィラメン
トを提供することにある。
を解決するため、鋭意検討を重ね、素材となるポリアミ
ド樹脂の種類や、製造条件の選択により、乾時並びに湿
時の何れにおいても、高い引張強度とこれに均衡した高
い結節強度を有するモノフィラメントが得られること、
その赤外線吸収スペクトルの特定波長における吸光度比
に特徴があることを見出し、本発明に到達した。本発明
における請求項1に記載の発明の要旨は、ポリアミド6
を主成分とするポリアミド6/66共重合体で形成さ
れ、波数977cm−1と928cm−1にて測定した
赤外線吸収スペクトルの吸光度比が、下記(I)式を満
たすことを特徴とするポリアミドモノフィラメントに存
する。
して測定した乾時結節強度が8.2cN/dtex以
上、且つ、湿時結節強度が7.7cN/dtex以上で
あることを特徴とする請求項1に記載のポリアミドモノ
フィラメントに存する。請求項3の発明の要旨は、ポリ
アミド6を主成分とするポリアミド6/66共重合体の
相対粘度が2.5〜5.5であることを特徴とする請求
項1または2のいずれかに記載のポリアミドモノフィラ
メントに存する。請求項4の発明の要旨は、ポリアミド
6を主成分とするポリアミド6/66共重合体を溶融紡
糸し、冷却後、延伸および熱固定してモノフィラメント
を製造する際、延伸および熱固定の温度を、DSCによ
って測定した原料ポリアミド樹脂ペレットの融点ピーク
温度より低い温度にて実施することを特徴とする請求項
1〜3のいずれかに記載のポリアミドモノフィラメント
の製造方法に存する。
主成分とするポリアミド樹脂100重量部に対して、有
機ベントナイトを0.0001〜0.1重量部配合した
ポリアミド樹脂組成物を溶融紡糸してなることを特徴と
するポリアミドモノフィラメントに存する。請求項6の
発明の要旨は、ポリアミド6を主成分とするポリアミド
樹脂の相対粘度が2.5〜5.5であることを特徴とす
る請求項5に記載のポリアミドモノフィラメントに存す
る。請求項7の発明の要旨は、請求項1〜6のいずれか
に記載のポリアミドモノフィラメントからなる釣り糸に
存する。請求項8の発明の要旨は、請求項1〜6のいず
れかに記載のポリアミドモノフィラメントからなる漁網
に存する。
本発明の請求項1の発明に係るモノフィラメントの素材
として使用されるポリアミド6を主成分とするポリアミ
ド6/66共重合体は、アジピン酸とヘキサンメチレン
ジアミンで誘導されるポリアミド66単位、及びεーカ
プロラクタムの重合により得られるポリアミド6の単位
を有する樹脂であって、共重合の比率は、ポリアミド6
単位が50重量%以上であり、50〜99重量%の範囲
であるのが好ましく、より好ましくは70〜99重量%
である。なお、請求項1のモノフィラメントは、ポリア
ミド6/66共重合体以外にポリアミド樹脂を含まな
い。
フィラメントの素材として使用されるポリアミド6を主
成分とするポリアミド樹脂としては、ポリアミド6の他
に、3員環以上のラクタム、重合可能なω−アミノ酸、
または、二塩基酸とジアミンなどの重縮合によって得ら
れる広い範囲から選ばれる樹脂を配合していてもよいポ
リアミド6である。他のポリアミド樹脂として、具体的
には、アミノカプロン酸、エナントラクタム、7ーアミ
ノヘプタン酸、11ーアミノウンデカン酸、9ーアミノ
ノナン酸、αーピロリドン、αーピペリドンなどの重合
体、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、
ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、
メタキシリレンジアミンなどのジアミンと、テレフタル
酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン
二塩基酸、グルタール酸などのジカルボン酸と重縮合せ
しめて得られる重合体またはこれらの共重合体、例え
ば、ポリアミド4、6、7、8、11、12、66、6
9、610、611、612、6T、6/66、6/1
2、6/6T、6T/6I、MXD6などが挙げられ
る。
6〜22のカルボン酸またはアミンで封止されていても
よい。具体的に封止に用いるカルボン酸としては、カプ
ロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリス
チン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸など
の脂肪族モノカルボン酸が挙げられる。また、アミンと
しては、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミ
ン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、パルミチルア
ミン、ステアリルアミン、ベヘニルアミンなどの脂肪族
第一級アミンが挙げられる。封止に使用するカルボン酸
またはアミンの量は、30μeq/g程度がよい。この
ようなポリアミドとしてはポリアミド6、およびポリア
ミド6を主成分とする共重合ポリアミド6/66、共重
合ポリアミド6/6Tが好ましく、より好ましくは、ポ
リアミド6を主成分とする共重合ポリアミド6/66で
ある。共重合ポリアミド中のポリアミド6の比率は、5
0〜99重量%が好ましく、より好ましくは70〜99
重量%である。更に上述のポリアミドを2種以上混合し
てもかまわない。混合方法は、紡糸用押出機への供給直
前までの任意の方法で実施できる。例えば、2種以上の
ペレット同士をドライブレンドした後に押出機ホッパー
に供給する方法、単軸や二軸押出機で予め溶融混練する
方法等が挙げられる。
成分とする」とは、ポリアミド6樹脂を含有する樹脂混
合物、ポリアミド6を構成成分とする共重合ポリアミ
ド、あるいはこれらの混合物等において、εーカプロラ
クタムから誘導される成分が50重量%以上であること
を意味する。
る範囲内の重合度、すなわち相対粘度を有するものが好
ましい。好ましい相対粘度は、JIS K6810に従
って98%硫酸中、樹脂濃度1%、温度25℃で測定し
た値で2.5〜5.5であり、より好ましくは3〜5で
ある。相対粘度が2.5より低いと溶融粘度が低すぎて
紡糸が困難になるばかりでなく、引張強度も低下する。
また相対粘度が5.5より高いと溶融流動性を損うよう
になり、好ましくない。また、ポリアミド樹脂には、本
発明の主旨を超えない範囲で、染料、顔料、酸化防止
剤、耐候剤、紫外線吸収剤、可塑剤等の慣用の添加剤を
配合しても良い。
ィラメントは、モノフィラメントの状態で測定した赤外
線吸収スペクトルの特定波長の吸光度比が前記(I)式
の関係を満たす、すなわち977cm−1/928cm
−1の吸光度比が1.5以上であることを特徴とする。
なお、従来のモノフィラメントは、通常、977cm
−1の吸光度は、928cm−1の吸光度より小さかっ
た(すなわちその比は1未満である)。しかして、97
7cm−1の吸光度は、ポリアミドのγ型結晶と呼ばれ
る結晶構造に由来し、928cm−1の吸光度はα型結
晶と呼ばれる結晶構造に由来する。そして、本発明者等
は、γ型結晶を多くすることにより、モノフィラメント
の結節強度が向上し、引張強度と高い均衡性を有するモ
ノフィラメントが得られることを見出した。このことは
後記実施例と比較例を対比することから明らかである。
すなわち、吸光度比が1を超えるものの1.5未満の比
較例では、引っ張り強度は乾時、湿時共に比較的高い値
を有するものの、引張強度に対する結節強度の割合は、
乾時、湿時共に85%を超えるものではなく、均衡が充
分とはいえない。一方、この吸光度比が1.5以上の本
願実施例の場合は引張強度が高いのみならず、結節強度
も高く、引張強度に対する結節強度の割合は、何れも乾
時85%以上、湿時は90%以上の高い均衡度を示して
いる。なお、赤外線吸収スペクトルは、一般的な既存の
装置で測ることが出来る。
フィラメントの吸光度比が、下記(II)式を満たすこ
とが更に好ましい。
フィラメントも、その赤外線吸収スペクトルの特定波長
の吸光度比が上記一般式(I)、好ましくは一般式(I
I)を満足するのが好ましい。
ノフィラメントは、乾時の結節強度が8.2cN/dt
ex(9.3g/d)以上、湿時の結節強度が7.7c
N/dtex(8.7g/d)以上という高い強度を有
する。又、乾時、湿時のいずれにおいても、結節強度に
均衡する高い引張強度を有し、乾時の引張強度は、8.
7cN/dtex(9.8g/d)以上、且つ、湿時の
引張強度が8.0cN/dtex(7.9g/d)以上
の強度を有する。特に、本発明のポリアミドモノフィラ
メントは湿時における強度が高く、且つ、引張強度と結
節強度が均衡していることに特徴を有する。なお、強度
測定時の乾時および湿時とは以下のことを言う。乾時と
は成形後のモノフィラメントを、23℃、65%RHの
環境下で48時間以上調湿した後、JIS L−101
3に準拠して測定することを言う。一方、湿時とは23
℃で水中に48時間以上漬浸後に、JIS L−101
3に準拠して測定することを言う。請求項5の発明のポ
リアミドモノフィラメントも、上記と同様の乾時及び湿
時の結節強度を有するものが好ましく、更には引張強度
も上記と同様であるのがより好ましい。
吸収スペクトルが(I)式を満たす本発明の請求項1の
ポリアミドモノフィラメントを製造する方法は、特に限
定されるものではないが、例えば、溶融紡糸したモノフ
ィラメントを延伸及び熱固定する際の温度を、該原料ポ
リアミドの融点より低い温度で実施することによって、
製造したり(なお、この場合の融点とは、DSC(示差
走査熱量測定)にて測定した融点ピークを意味す
る。)、素材となるポリアミド6/66共重合体に有機
ベントナイトを特定量配合する方法等の方法で、製造す
ることが出来る。
で使用される有機ベントナイトは、コロイド性含水ケイ
酸アルミニウムの有機複合体であり、例えばベントナイ
トの主成分であり、粘土膠質物のうちで塩基置換能の大
きいモンモリロナイト類を有機塩基類で処理することに
より得られる。モンモリロナイト類は、シリカ、アルミ
ナ、マグネシアを主成分とする層状構造の粘土鉱物あ
り、具体的には、ナトリウムモンモリロナイト、カルシ
ウムモンモリロナイト等が挙げられる。有機ベントナイ
ト類は、モンモリロナイトの結晶層間に主として介在す
る水や交換性カチオンを有機極性化合物や有機カチオン
で置換して親油性を与えた粘土−有機物複合体である。
有機ベントナイトの平均粒径(数平均)は、通常3μm
未満であり、好ましくは1μm未満である。
あり、その例としては、高級脂肪族もしくは芳香族の第
1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、これらアミ
ンの塩類または第4級アンモニウム塩が挙げられる。具
体的にはオクタデシルアミン、ジメチルジオクタデシル
アミン、トリメチルオクタデシルアンモニウム塩等の脂
肪族塩基類、p−フェニレンジアミン、α−ナフチルア
ミン、p−アミノジメチルアニリン、2,7−ジアミノ
フロレン、ベンジジン等の芳香族塩基類、ピベリジン等
の窒素原子を持つ複素環式の芳香族塩基等が挙げられ
る。これらは1種または2種以上の混合物として用いる
ことが出来る。好ましくはトリオクチルオクタデシルア
ンモニウム塩および/またはジメチルオクタデシルアン
モニウム塩を用いる。
配合する方法は、ポリアミド樹脂の重合過程で添加した
り、重合後のポリアミド樹脂ペレットにドライブレンド
したり、ポリアミド樹脂に溶融混練したり、予め高濃度
の有機ベントナイトをポリアミド樹脂に配合したマスタ
ーバッチを調製しこれを成形時に希釈して用いる方法
等、ポリアミドモノフィラメント成形までの任意の段階
で配合することが出来る。有機ベントナイトの配合量
は、ポリアミド樹脂100重量部に対して0.0001
〜0.1重量部である。有機ベントナイトの配合量が
0.0001未満の場合、本発明の目的とする引張強度
と結節強度の均衡が得られない。一方、有機ベントナイ
トの配合量が0.1重量部を越えると、延伸工程で糸切
れが多発してしまい、好ましくない。有機ベントナイト
の配合量は、好ましくは0.0005〜0.05重量部
である。
を配合したポリアミド樹脂を用いて本発明のモノフィラ
メントを製造する装置は、通常のモノフィラメント紡糸
装置が使用できる。例えば、特開昭63−235524
や特開平1−8531にあるように、ポリアミド樹脂を
押出機にて溶融押出後、水に浸漬したり、空冷にて固化
させた後、湿式または乾式によって延伸し、熱固定を施
すことが可能な装置であれば良い。具体的には、まず原
料となるべきポリアミド樹脂のペレットを押出機ホッパ
ーへ投入し、溶融ポリアミドをノズルより紡出し、3〜
30℃の水浴に通して未延伸糸を得、次いで、1回以上
延伸した後、熱固定する。
ミド樹脂を用い、2段延伸を行う場合を例に説明する
と、1段目の延伸を、温度90〜100℃で100%R
H雰囲気下にて、延伸倍率3.0〜4.5倍にて行う。
次に2段目の延伸は、原料であるポリアミド樹脂ペレッ
トの融点より50℃低い温度から融点までの温度範囲内
の一定温度で全延伸倍率が、5.0〜6.6倍になるよ
うに行う。温度がポリアミド樹脂ペレットの融点温度よ
り50℃以上低い場合は、延伸が出来ず、糸切れしてし
まう。一方、融点を超える温度では、本発明の効果が得
られない。2段目の延伸温度は、好ましくは、原料であ
るポリアミド樹脂ペレットの融点ピークより40℃低い
温度以上、原料ポリアミド樹脂ペレットの融点ピークよ
り5℃低い温度までの範囲である。また、融点の異なる
ポリアミド樹脂を2種以上ブレンドして用いる場合は、
最も低い融点を基準に上述の温度にて延伸を行う。な
お、全延伸倍率とは、1段延伸倍率と2段延伸倍率の積
である。
度から2段延伸と同温度の範囲内の一定温度で、弛緩率
0.9〜1.0倍にて熱固定を行う。熱固定温度が2段
延伸温度より100℃以上低いと、熱固定が不完全とな
り、経時によって強度が低下する。一方熱固定温度が2
段延伸温度を越えると本発明の効果が得られない。ま
た、上記延伸工程中又は後に必要に応じて、シリコンエ
マルジョンや、ポリエチレングリコール等を主成分とし
た油剤を塗布してもかまわない。更に、本発明の主旨を
超えない範囲であれば、熱固定後、巻き上げたモノフィ
ラメントに、再度延伸およびまたは、熱固定を行っても
かまわない。有機ベントナイトを配合したポリアミド樹
脂を使用する場合は、上記の如き特定の温度条件を必ず
しも採用する必要はない。
直径が0.001〜1mmであるのが好ましい。直径が
0.001mm未満では、細すぎて実用上の強さが不足
してしまい、使用する用途が限られてくる。直径が1m
mを越えるようなモノフィラメントは、実際には結んで
使用することが殆ど無く、本発明の効果を享受するもの
ではない。本発明は、更に、用途や、実用性等の点か
ら、0.1〜0.8mmの範囲がより好ましく、0.1
5〜0.60mmの範囲が更に好ましい。
するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施
例に限定されるものではない。なお、使用した材料およ
び物性値の測定法は以下に示した。
ピン酸とヘキサメチレンジアミンとの塩(以下AH塩と
略記する。)の50重量%水溶液およびε−カプロラク
タム(以下CLと略記する。)を各々100℃まで昇温
したものを、AH塩を15重量部、CLを85重量部の
割合で混合した。この混合物を、200リットルのオー
トクレーブに仕込み、内圧13kg/cm2で270℃
まで昇温した後、内温を245℃に保ち、撹拌しながら
0.5kg/cm2まで徐々に減圧して、撹拌動力が所
定の値になったところで停止した。窒素を導入して復圧
後、ストランドにして抜き出し、ペレット化し、沸騰水
を用いて未反応物を抽出除去して乾燥した。このように
して得られた、共重合ポリアミド6/66樹脂(ポリア
ミドAと称す)の相対粘度は4.5、融点は198℃で
あった。
ピン酸とヘキサメチレンジアミンとの塩(以下AH塩と
略記する。)の50%水溶液およびε−カプロラクタム
(以下CLと略記する。)を各々100℃まで昇温した
ものを、AH塩を20重量部、CLを80重量部になる
ように混合した後、200リットルのオートクレーブに
仕込み、内圧13kg/cm2で270℃まで昇温した
後、内温を245℃に保ち、撹拌しながら0.5kg/
cm 2まで徐々に減圧して、撹拌動力が所定の値になっ
たところで停止した。窒素を導入して復圧後、ストラン
ドにして抜き出し、ペレット化し、沸騰水を用いて未反
応物を抽出除去して乾燥した。このようにして得られ
た、共重合ポリアミド6/66樹脂(ポリアミドBと称
す)の相対粘度は4.5、融点は193℃であった。
(デュポン社製、商品名:101−NC10)、JIS
K6810に準拠して、25℃98%硫酸中濃度1%で
測定した相対粘度は3.0であった。<有機ベントナイ
ト>白石工業(株)製、New D ORBEN、数平
均粒径1.0μm以下。
濃度1%で測定した。 (2)融点 セイコー電子工業(株)製、DSC20を用い、ポリア
ミドペレット試料10mgを20℃/分で昇温した時の
融解ピーク温度を測定した。 (3)赤外線吸収スペクトル ポリアミドモノフィラメントを長さ3mm程度に切り、
厚さ30μm程度にプレスした後、日本分光(株)製F
T−IR MFT−2000を用い、赤外線吸収スペク
トルを吸光度モードで測定し、977cm−1吸光度/
928cm−1吸光度を算出した。 (4)引張強度・結節強度 乾時は、成形したモノフィラメントを23℃、65%R
H室内で48時間以上放置した後、また湿時は、23℃
で水に48時間以上漬浸後、JIS L−1013に準
拠して引張強度および結節強度(シングルノット)の測
定を行った。尚、単位はSIであるcN/dtexにて
表示した。また、引張強度と結節強度均衡度合いは、測
定した結節強度の引張強度にしめる割合(%)で示し
た。
剤であるエチレンビスステアリルアミド0.2重量部を
ドライブレンドした後、シリンダ径40mm、L/D=
27のフルフライトスクリュ−を持った、単軸押出機の
先端にギヤポンプを装着した押出機にてシリンダ設定温
度260℃で溶融紡糸し、水温15℃の冷却水槽に通し
て冷却固化させた後、97℃、100%RH下で3.5
倍に湿熱延伸を施した。次に表1、表2に示した温度の
熱風延伸槽にて、表1、表2に示した倍率にて、乾熱延
伸を施し、さらに表1、表2に示した温度の熱風延伸槽
にて、表1に示した弛緩率で熱固定を施して、モノフィ
ラメントを得た。得られたモノフィラメントの赤外線吸
収スペクトル、引張物性を測定し、表1、表2に示し
た。
トナイト0.005重量部、およびエチレンビスステア
リルアミド0.2重量部をドライブレンドした後、シリ
ンダ径40mm、L/D=27のフルフライトスクリュ
−を持った、単軸押出機の先端にギヤポンプを装着した
押出機にてシリンダ設定温度260℃で溶融紡糸し、水
温15℃の冷却水槽に通して冷却固化させた後、97
℃、100%RH下で3.5倍に湿熱延伸を施し、次に
表2に示した温度の熱風延伸槽にて、表1に示した倍率
で乾熱延伸を施し、さらに表2に示した温度の熱風延伸
槽にて表1に示した弛緩率で熱固定を施して、モノフィ
ラメントを得た。得られたモノフィラメントの赤外線吸
収スペクトル、引張物性を測定し、表2に示した。 比較例4 表2に示したポリアミド樹脂100重量部に、有機ベン
トナイト0.5重量部およびエチレンビスステアリルア
ミド0.2重量部をドライブレンドした後、シリンダ径
40mm、L/D=27のフルフライトスクリュ−を持
った、単軸押出機の先端にギヤポンプを装着した押出機
にて、シリンダ設定温度260℃で溶融紡糸し、水温1
5℃の冷却水槽に通して冷却固化させた後、97℃、1
00%RH下で3.5倍に湿熱延伸を施し、次に表2に
示した温度の熱風延伸槽にて、表2に示した倍率で乾熱
延伸を施し、さらに表2に示した温度の熱風延伸槽にて
表2に示した弛緩率で熱固定を施し、モノフィラメント
を得ようと試みたが、2段延伸工程で糸切れが多発し、
直径0.22mmのモノフィラメントが得られなかっ
た。
に、エチレンビスステアリルアミド0.2重量部をドラ
イブレンド後、シリンダ径40mm、L/D=27のフ
ルフライトスクリュ−を持った、単軸押出機の先端にギ
ヤポンプを装着した押出機にてシリンダ設定温度285
℃で溶融紡糸し、水温15℃の冷却水槽に通して冷却固
化させた後、97℃、100%RH下で3.5倍に湿熱
延伸を施し、次に表2に示した温度の熱風延伸槽にて表
2に示した倍率にて乾熱延伸を施し、最後に表2に示し
た温度の熱風延伸槽にて表2に示した弛緩率で熱固定を
施してモノフィラメントを得た。得られたモノフィラメ
ントの赤外線吸収スペクトル、引張物性を測定し、表2
に示した。
乾時および湿時において高い結節強度を持ち、且つ、こ
れに均衡した高い引張強度を持つという、従来に無い優
れた特徴を持っているので、漁業用釣り糸や漁網等の水
産資材、更にレジャーフィッシング用釣り糸を始め、工
業用モノフィラメント等の資材として極めて有用であ
る。
Claims (8)
- 【請求項1】 ポリアミド6を主成分とするポリアミド
6/66共重合体で形成され、波数977cm−1と9
28cm−1にて測定した赤外線吸収スペクトルの吸光
度比が、下記(I)式を満たすことを特徴とするポリア
ミドモノフィラメント。 【数1】 977cm−1吸光度/928cm−1吸光度 ≧ 1.5……(I) - 【請求項2】 JIS L−1013に準拠して測定し
た乾時結節強度が8.2cN/dtex以上、且つ、湿
時結節強度が7.7cN/dtex以上であることを特
徴とする請求項1に記載のポリアミドモノフィラメン
ト。 - 【請求項3】 ポリアミド6を主成分とするポリアミド
6/66共重合体の相対粘度が2.5〜5.5であるこ
とを特徴とする請求項1又は2に記載のポリアミドモノ
フィラメント。 - 【請求項4】 ポリアミド6を主成分とするポリアミド
6/66共重合体を溶融紡糸し、冷却後、延伸および熱
固定してモノフィラメントを製造する際、延伸および熱
固定の温度を、DSCによって測定した原料ポリアミド
樹脂ペレットの融点ピーク温度より低い温度にて実施す
ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポ
リアミドモノフィラメントの製造方法。 - 【請求項5】 ポリアミド6を主成分とするポリアミド
樹脂100重量部に対して、有機ベントナイトを0.0
001〜0.1重量部配合したポリアミド樹脂組成物を
溶融紡糸してなることを特徴とするポリアミドモノフィ
ラメント。 - 【請求項6】 ポリアミド6を主成分とするポリアミド
樹脂の相対粘度が2.5〜5.5であることを特徴とす
る請求項5に記載のポリアミドモノフィラメント。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載のポリア
ミドモノフィラメントからなる釣り糸。 - 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかに記載のポリア
ミドモノフィラメントからなる漁網。
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