JP3333659B2 - 太物ナイロン・モノフィラメント - Google Patents

太物ナイロン・モノフィラメント

Info

Publication number
JP3333659B2
JP3333659B2 JP09947295A JP9947295A JP3333659B2 JP 3333659 B2 JP3333659 B2 JP 3333659B2 JP 09947295 A JP09947295 A JP 09947295A JP 9947295 A JP9947295 A JP 9947295A JP 3333659 B2 JP3333659 B2 JP 3333659B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
parts
caprolactam
acid
thick nylon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP09947295A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08269817A (ja
Inventor
宏 浦部
克彦 杉浦
守男 角田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Original Assignee
Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Engineering Plastics Corp filed Critical Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Priority to JP09947295A priority Critical patent/JP3333659B2/ja
Publication of JPH08269817A publication Critical patent/JPH08269817A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3333659B2 publication Critical patent/JP3333659B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成樹脂製モノフィラ
メントに関するものである。詳しくは、強度が高く、透
明性、柔軟性が優れかつ使用時に表層部剥離、白化、等
の不具合が起こらない優れた特徴を持った太物ナイロン
・モノフィラメントの提供に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂製モノフィラメントは、その優
れた強度のため、釣り用テグス、漁網、ガットなどに多
用されてきた。中でも、簡単に連続紡糸が可能で、強
度、柔軟性、透明性等の物性バランスが優れていること
から、モノフィラメントには、ポリアミド樹脂が多く使
用されてきた。特に、延縄漁等に使用される直径の大き
なテグス用モノフィラメント(本明細書において、太物
モノフィラメントという)には、強度は勿論のこと、ハ
ンドリングの容易さのため更なる柔軟性が、また商品価
値としての透明性が要求される。
【0003】このような太物ナイロン・モノフィラメン
トには、透明性、柔軟性の付与のため、通常、可塑剤と
して代表的なε−カプロラクタムを配合させること、ま
た透明性の付与のため、脂肪族ジアミンとイソフタル酸
および/またはテレフタル酸を主成分とする芳香族ポリ
アミドやビスアミド化合物を配合させること(例えば、
特開平1−8531)が行われてきた。しかし、これら
の太物ナイロン・モノフィラメントには、使用中や保存
中に、表層部に剥離が発生し表面外観を悪化させたり、
白化が起こり透明性が失われたようになり、商品価値が
損なわれたりするという問題点があった。
【0004】
【問題解決の手段】本発明者らは、上述のような可塑剤
等を配合した太物モノフィラメントに生ずる、使用時の
表層部剥離、白化といった問題点を改善し、安定した商
品価値を得られるモノフィラメントを提供すべく鋭意検
討した結果、使用時の表層部剥離、白化は、太物ナイロ
ン・モノフィラメントの表層部と中心部の結晶構造に極
端な違いがあることが原因であることが判った。そこ
で、樹脂可塑剤およびその他の配合組成の最適化と、押
出機内の可塑化条件を最適化することで、モノフィラメ
ント表層部と中心部の極端な結晶構造の違いを回避でき
ることを見い出し、本発明に至った。
【0005】即ち、本発明の主旨は、直径0.4mm以
上の太物ナイロン・モノフィラメントにおいて、モノフ
ィラメントの中心部から表層部へ向かって結晶構造が連
続的に変化するもので、中心部のα型結晶/γ型結晶比
率が1.5以下、表層部から中心部へ向けて30μmの
部位のα型結晶/γ型結晶比率が1.5を越え3.0以
下であることを特徴とする太物ナイロン・モノフィラメ
ントにある。
【0006】
【発明の構成】以下本発明を具体的に説明する。本発明
に使用されるポリアミド樹脂は、結晶性樹脂であり、高
い強度を得るために、溶融紡糸後に延伸、熱固定をする
ことによって、分子を配向結晶させることのできるもの
である。しかして、所望の太物ナイロン・モノフィラメ
ントを得るには、後に詳述するように、結晶構造を調整
することが必要である。
【0007】本発明に使用されるポリアミド樹脂は、ε
−カプロラクタムを主構成単位とする、即ち50重量%
以上がε−カプロラクタム単位である単独重合体または
共重合体である。共重合成分である他の構成単位として
は、三員環以上のラクタム、重合可能なω−アミノ酸、
二塩基酸とジアミンにより導入されるポリアミド構成単
位などがある。具体的には、α−ピロリドン、α−ピペ
リドン、エナントラクタム、カプリルラクタム、ラウリ
ルラクタムなどのラクタム、7−アミノヘプタン酸、1
1−アミノウンデカン酸などのω−アミノ酸、あるいは
グルタール酸、アジピン酸、セバチン酸、ドデカン二
酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの二塩基酸と、ヘ
キサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデ
カメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、メタキ
シリレンジアミンなどのジアミンにより導入されるポリ
アミド構成単位が挙げられる。
【0008】これらの構成単位からなるポリアミド樹脂
の例としては、ナイロン6、6/66、6/12、6/
6T、6/66/6T等が挙げられる。ポリアミド樹脂
の選定は、用途に応じて行うが、特に太物モノフィラメ
ントには、ナイロン6/66、6/12、6/6T等の
ε−カプロラクタムを主構成単位とする共重合体が好適
である。さらには、ポリアミド構成単位全体の50〜9
5重量%が、ε−カプロラクタムである共重合体をポリ
アミド樹脂として使用するのが好ましい。ポリアミド樹
脂の分子量は、JIS−K−6810で測定した相対粘
度で2.5〜5.5、好ましくは3.0〜5.0のもの
が用いられる。
【0009】本発明に使用されるε−カプロラクタム
は、ε−カプロラクタムを主構成単位とするポリアミド
樹脂100重量部に対して5〜20重量部、特に7〜1
8重量部の割合で配合するのが好ましい。少ないと柔軟
性改良効果がなく、多いと混練不良を起こし、安定した
紡糸ができない。なお、ε−カプロラクタムは、ナイロ
ン6の重合原料で、重合直後のナイロン6中には、未反
応モノマーとしてかなりの量残存しており、通常はこれ
を0.5重量%以下の残存量となるように抽出処理して
から、溶融紡糸に供している。従って、本発明において
使用するポリアミド樹脂中の残存量が多い場合は、残存
するε−カプロラクタムと添加するε−カプロラクタム
の合計量が、上記配合量範囲になるようにすれば良い。
【0010】本発明において使用することのできる、脂
肪族ジアミンとイソフタル酸および/またはテレフタル
酸を主成分とする芳香族ポリアミドは、本来芳香族基を
含む繊維形成可能なポリアミドであり、具体的には、脂
肪族ジアミンとテレフタル酸および/またはイソフタル
酸とからなる単独重合体または共重合体を主成分とする
もの、好ましくは85重量%以上が脂肪族ジアミンとテ
レフタル酸および/またはイソフタル酸とからなる単独
重合体または共重合体である。
【0011】上記芳香族ポリアミドの主成分である、テ
レフタル酸とイソフタル酸とは、任意の割合で使用され
るが、好ましくはテレフタル酸/イソフタル酸=10/
90〜50/50(重量比)である。該芳香族ポリアミ
ドの主成分である、脂肪族ジアミンとしては、エチレン
ジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジ
アミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミ
ン等およびこれらの化合物のメチレン基がメチル化、エ
チル化またはハロゲン化された誘導体を含むものであ
り、重合に際してはその1種ないし2種以上を用いるこ
とができる。
【0012】芳香族ポリアミドは、上記主成分が100
重量%である単独重合体であってもよいが、該主成分8
5重量%以上と、他の成分、例えば前記ε−カプロラク
タムを主構成単位とするポリアミド樹脂で使用する、三
員環以上のラクタム、重合可能なω−アミノ酸、二塩基
酸とジアミンにより導入されるポリアミド構成単位など
の成分、15重量%以下とからなる共重合体であっても
よい。具体的には、共重合体の場合に使用しうる成分の
うち、ラクタムとしては、カプロタクタム、ラウリルラ
クタム等が挙げられる。ジアミンとしては、上記芳香族
ポリアミドの主成分として例示した脂肪族ジアミンのほ
か、2,2−ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキ
シル)プロパン、メタキシリレンジアミン、イソホロン
ジアミン等が挙げられる。またジカルボン酸としては、
コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベ
リン酸、アゼライン酸、セバチン酸等の脂肪族ジカルボ
ン酸、並びにこれらの化合物のメチレン基がメチル化、
エチル化またはハロゲン化された誘導体等が挙げられ
る。重合に際しては、上記ジアミンとジカルボン酸とか
らなるポリアミド形成成分の形で、その1種ないし2種
以上を、重合に使用することが出来る。
【0013】本発明において使用することのできる、芳
香族ポリアミドの配合量は、ε−カプロラクタムを主構
成単位とするポリアミド樹脂100重量部に対して、好
ましくは0.5〜20重量部、さらに好ましくは1〜1
5重量部である。配合量が少ないと透明性および強度改
良効果がないし、量が多いと柔軟性が悪化する。芳香族
ポリアミドの分子量は、280℃、剪断速度100s-1
で測定した溶融粘度で2000〜10000pois
e、好ましくは3500〜7500poiseのものが
用いられる。
【0014】本発明で使用することのできる、ビスアミ
ド化合物は、下記化1の式または下記化2の式で表され
る化合物である。
【0015】
【化1】
【0016】
【化2】
【0017】(両式中、R1 は、二価の炭化水素基、R
2 およびR3 は、一価の炭化水素基、R4 およびR
5 は、水素原子または一価の炭化水素基を示す。)
【0018】上記化1の式で表されるビスアミド化合物
としては、メチレンジアミン、エチレンジアミン、プロ
ピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジ
アミン、オクタメチレンジアミン、ドデカメチレンジア
ミンなどのアルキレンジアミン;キシリレンジアミンな
どのアリーレンジアルキルジアミンのようなジアミン
と、ステアリン酸、ヘキサン酸、オクタン酸、デカン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、アラキ
ジン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エライジン酸、モンタ
ン酸などの脂肪酸との反応等によって得られるアルキレ
ンビス脂肪酸アミド、アリーレンビス脂肪酸アミド、ア
リーレンジアルキレンビス脂肪酸アミドの全てが含まれ
るが、代表的なものとして、N,N’−メチレンビスス
テアリン酸アミド、N,N’−エチレンビスステアリン
酸アミドが挙げられる。
【0019】また、上記化2の式で表されるビスアミド
化合物としては、エチルアミン、メチルアミン、ブチル
アミン、ヘキシルアミン、デシルアミン、ペンタデシル
アミン、オクタデシルアミン、ドデシルアミンなどのア
ルキルアミン;アニリン、ナフチルアミンなどのアリー
ルアミン;ベンジルアミンなどのアラルキルアミン;シ
クロヘキシルアミンなどのシクロアルキルアミンのよう
なモノアミンと、テレフタル酸、p−フェニレンジプロ
ピオン酸、コハク酸、アジピン酸などのジカルボン酸と
の反応によって得られるもの全てが含まれるが、代表的
なものとして、N,N’−ジオクタデシルテレフタル酸
アミドのようなジオクタデシル二塩基酸アミドが挙げら
れる。
【0020】これらのビスアミド化合物は、両式のいず
れによって表される化合物であるかの別なく、単独であ
るいは混合物として使用される。本発明において使用す
ることのできる、ビスアミド化合物の配合量は、ε−カ
プロラクタムを主構成単位とするポリアミド樹脂100
重量部に対して、好ましくは0.1〜0.5重量部、さ
らに好ましくは0.15〜0.4重量部である。配合量
が少ないと、モノフィラメントの表面が白化してしま
い、改良効果がないし、量が多いと、溶融紡糸時に糸切
れなどの問題を生じ易くなる。
【0021】ε−カプロラクタムを主構成単位とするポ
リアミド樹脂の場合、延伸配向による結晶はγ型結晶で
あり、溶融−冷却−固化による結晶はα型結晶である。
γ型結晶は、アミド基平面とメチレン鎖が同一平面に無
い構造であり、α型結晶は、アミド基平面とメチレン鎖
のジグザグ面が同一平面上にある構造である。しかし
て、α型結晶とγ型結晶は、赤外線吸収スペクトルの違
いから同定できる。具体的には、赤外線吸収スペクトル
の928cm-1,977cm-1の吸収ピークが、それぞ
れα型結晶とγ型結晶の特性吸収に相当する。モノフィ
ラメント断面各部のα型結晶とγ型結晶の存在比率は、
顕微鏡付き赤外分光光度計にて測定した、928cm-1
と977cm-1の吸光度比から知ることができる。
【0022】なお、ナイロン・モノフィラメントの優れ
た物性である、高強度と高靭性は、このγ型結晶に依存
しているといわれている。また、ポリアミド樹脂の高結
晶性に起因する、透明性および柔軟性の不足を改良する
ために、可塑剤を添加すると、延伸による配向結晶化が
起こりにくくなり、溶融−冷却−固化の場合に生成する
結晶、α型結晶が優先的に生成するのが、一般的であ
る。
【0023】しかし、冷却固化延伸によって得られる、
ナイロン・モノフィラメントは、α型結晶あるいはγ型
結晶のみの単一な結晶構造ではなく、結晶構造が中心部
から表層部へ向かって連続的に変化し、通常、α型結晶
/γ型結晶比率は、表層部へ向かって増大する。特に表
面近傍では、その変化が大きくなりやすい。従って、構
造を異にする結晶の存在比率が極端に変化すると、モノ
フィラメントの表面が白化したように見えるし、また構
造を異にする結晶の間では接着性が低いために、僅かな
きっかけで剥離が起こる。実際に、本発明者らは、使用
時に表層部剥離、表層部白化を起こしたモノフィラメン
トは、表層部のα型結晶/γ型結晶比率が大きく、その
値は3.5以上であることを知見した。
【0024】本発明においては、0.4mm以上の直径
を有する太物ナイロン・モノフィラメントは、α型結晶
/γ型結晶比率で表すと、中心部が1.5以下、表層部
から中心部へ向けて30μmの部位が1.5を越え3.
0以下であることを必要とする。すなわち、中心部のα
型結晶/γ型結晶比率が1.5を超えると、硬くなって
使い勝手が悪くなったり、白化して商品価値がなくなっ
たりする。また、表層部剥離、白化を起こさせないため
には、表層部から中心部へ向けて30μmの部位のα型
結晶/γ型結晶比率が、3.0以下であることが必要で
ある。
【0025】かかるα型結晶/γ型結晶比率が3.0以
下を達成させるためには、原料の可塑化工程で、溶融混
練を良く行うことが必要である。実際には、混練温度を
上げることと、ミキシング部を持つスクリューを使用す
ることで達成される。混練の温度は、265℃〜320
℃、好ましくは270℃〜290℃である。265℃以
下の温度では、混練が不十分であり、320℃以上の温
度では、樹脂の分解ガスが多量に発生し、好ましくな
い。押出機は、単軸、2軸どちらでもかまわないが、吐
出の安定性等から単軸押出機が好ましい。スクリュー
は、根本から先端までがネジ状の、いわゆるフルフライ
トタイプでは、混練効果が小さく好ましくない。混練を
良くするためには、いわゆるミキシング部を持つスクリ
ューが好ましい。ミキシング部のタイプは各種あるが、
一般的にダルメージと呼ばれるタイプで良く、特殊な形
状は必要ない。
【0026】なお、溶融押出後の冷却は、水に浸漬する
ほか、空冷等公知の方法で良く、延伸工程についても、
例えば特開平1−8531や特開昭63−235524
にあるような方法など、既知方法でかまわない。
【0027】本発明の太物ナイロン・モノフィラメント
は、高強度で透明性、柔軟性に優れており、商品価値を
著しく損なうことのない、良好なモノフィラメントであ
る。延縄用幹縄および枝縄は、上記のような製造方法に
よって得られた、太物ナイロン・モノフィラメントを、
定法に従い、所望の長さに裁断し、その他の漁具を装着
することによって製造することができる。
【0028】
【実施例】以下実施例により具体的に説明するが、本発
明はその主旨を逸脱しない限りこれら実施例により限定
されるものではない。
【0029】 参考例 (芳香族ポリアミドの製造) ヘキサメチレンジアミン90%水溶液 2.28 kg 水 9.0 kg イソフタル酸 1.96 kg テレフタル酸 0.98 kg からなる塩水溶液に酢酸11.0gを添加し、撹拌機付
き反応槽に仕込み、充分N2 置換した後、18kg/c
2 に系内圧力がなる迄、加熱昇圧を行い、18kg/
cm2 に到達後、系内圧力が18kg/cm2 になるよ
うに放圧させながら撹拌し、重合反応を開始させた。そ
の間、内温は210℃よりゆるやかに昇温し、5時間後
に殆ど水の留出はなくなり、この時点で内温は250℃
を指示した。更に放圧し、最終的に系内圧力が、700
mmHgになる迄減圧した後、圧戻しを行い、反応槽底
より溶融ポリマーを抜き出した。このポリマーは、脂肪
族ジアミンとイソフタール酸およびテレフタール酸より
のポリアミド形成成分が100重量%の芳香族ポリアミ
ドで、280℃、剪断速度100s-1で測定した溶融粘
度が、4000poiseであった。
【0030】実施例1〜7、比較例1〜7 ポリアミド樹脂として、ε−カプロラクタム82重量%
とヘキサメチレンジアミン−アジピン酸塩18重量%を
共重合して得た、相対粘度ηrel4.0、ε−カプロ
ラクタム残存量0.5重量%の、ポリアミド6/66共
重合体を使用し、これに対し、表1に示される他の成分
を、同表記載の比率でタンブラー式ブレンダーを用い
て、ドライブレンドして、原料組成1〜5の配合物を得
た。芳香族ポリアミドは、上記参考例で製造したものを
使用した。
【0031】
【表1】
【0032】これらの配合物を、単軸押出機(ユニプラ
ス社製、口径40mmφ、L/D=27)で、ダルメー
ジおよびフルフライトの2種類のスクリューを用いて、
表2に示される可塑化条件にて混練して、溶融紡糸し、
水温10℃の冷却水に通して冷却固化させた後、温度9
5℃、湿度100%RH下で3.8倍に湿熱延伸を施
し、次に乾燥空気中温度300℃下で1.51倍に乾熱
延伸を施し、最後に温度280℃下で弛緩率0.96倍
で乾熱アニーリングを施して、表2記載の直径(0.5
mm,2.0mm.3.3mmなど)の透明性、柔軟性
の良好な太物モノフィラメントを得た。
【0033】得られた各々のモノフィラメントについて
は、次のような手順で物性を測定し、評価した。 a)α型結晶/γ型結晶比率:各モノフィラメントの表
層部(表層部から中心部へ向けて30μmの部位)と中
心部について、顕微鏡付き赤外分光光度計(日本分光株
式会社製、商品名FT−IR7000)を用いて、スポ
ット径10mmφ、室温大気中で、赤外線吸収スペクト
ルを測定し、その波数928cm-1および977cm-1
の吸光度を測定した。吸光度比(928cm-1の吸光度
/977cm-1の吸光度)を算出し、これをα型結晶/
γ型結晶比率として、表2に示した。数値が大きいほ
ど、α型結晶が多いことを示している。
【0034】b)剥離の状況、白化の有無:各モノフィ
ラメントを、40℃の海水に500時間浸漬し、表層部
剥離の状況、表層部白化の有無を観察した。その結果を
表2に示した。剥離の状況は、3段階表示とし、○は剥
離なし、△は剥離少々発生、×は剥離発生多いことを表
した。
【0035】c)ヤング率および透明性:得られたもの
フィラメントについて、JIS−L−1013に準拠し
て、ヤング率を測定し、その結果を表2に示した。ヤン
グ率の値は、小さいほど柔軟性が優れていることを示し
ている。透明性は、オプチパワーメーター(株式会社ソ
アー社製)を用いて測定した値で、数値が小さいほど透
明性が良好なことを示している。
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】以上のように、本発明によると使用時
(延縄漁操業時)に剥離、表層部白化等の不具合の生ず
ることのない、透明性、柔軟性の良好な優れた太物ナイ
ロン・モノフィラメントを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 角田 守男 神奈川県茅ヶ崎市円蔵370番地 三菱エ ンジニアリングプラスチックス株式会社 技術センター茅ヶ崎内 審査官 川口 裕美子 (56)参考文献 特開 平6−136258(JP,A) 特開 平3−269113(JP,A) 特開 昭62−41315(JP,A) 特開 平2−128966(JP,A) 特開 昭64−85315(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D01F 6/60,6/80,6/90

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】0.4mm以上の直径を有する太物ナイロ
    ン・モノフィラメントであって、結晶構造が中心部から
    表層部へ向かって連続的に変化し、α型結晶/γ型結晶
    比率で表すと、中心部が1.5以下、表層部から中心部
    へ向けて30μmの部位が1.5を越え3.0以下であ
    ることを特徴とする太物ナイロン・モノフィラメント。
  2. 【請求項2】請求項1のモノフィラメントが、(a)ε
    −カプロラクタムを主構成単位とするポリアミド樹脂1
    00重量部、(b)ε−カプロラクタム5〜20重量部
    および(c)下記化1の式で表されるビスアミド化合物
    および/または化2の式で表されるビスアミド化合物
    0.1〜0.5重量部を含有することを特徴とする請求
    項1記載の太物ナイロン・モノフィラメント。 【化1】 【化2】 (両式中、R1 は、二価の炭化水素基、R2 およびR3
    は、一価の炭化水素基、R4 およびR5 は、水素原子ま
    たは一価の炭化水素基を示す。)
  3. 【請求項3】請求項1のモノフィラメントが、(a)ε
    −カプロラクタムを主構成単位とするポリアミド樹脂1
    00重量部、(b)ε−カプロラクタム5〜20重量部
    および(d)脂肪族ジアミンとイソフタル酸および/ま
    たはテレフタル酸を主成分とする芳香族ポリアミド0.
    5〜20重量部を含有することを特徴とする請求項1記
    載の太物ナイロン・モノフィラメント。
  4. 【請求項4】請求項1のモノフィラメントが、(a)ε
    −カプロラクタムを主構成単位とするポリアミド樹脂1
    00重量部、(b)ε−カプロラクタム5〜20重量
    部、(c)下記化1の式で表されるビスアミド化合物お
    よび/または化2の式で表されるビスアミド化合物0.
    1〜0.5重量部および(d)脂肪族ジアミンとイソフ
    タル酸および/またはテレフタル酸を主成分とする芳香
    族ポリアミド0.5〜20重量部を含有することを特徴
    とする請求項1記載の太物ナイロン・モノフィラメン
    ト。 【化1】 【化2】 (両式中、R1 〜R5 は、いずれも請求項2と同じ意義
    を有する。)
  5. 【請求項5】請求項1〜4の太物ナイロン・モノフィラ
    メントから得られる延縄用幹縄および枝縄。
JP09947295A 1995-04-03 1995-04-03 太物ナイロン・モノフィラメント Expired - Lifetime JP3333659B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09947295A JP3333659B2 (ja) 1995-04-03 1995-04-03 太物ナイロン・モノフィラメント

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09947295A JP3333659B2 (ja) 1995-04-03 1995-04-03 太物ナイロン・モノフィラメント

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08269817A JPH08269817A (ja) 1996-10-15
JP3333659B2 true JP3333659B2 (ja) 2002-10-15

Family

ID=14248265

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09947295A Expired - Lifetime JP3333659B2 (ja) 1995-04-03 1995-04-03 太物ナイロン・モノフィラメント

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3333659B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08269817A (ja) 1996-10-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8691911B2 (en) Melt-blended thermoplastic composition
US9611356B2 (en) Copolymer polyamide
US4745143A (en) Salt resistant polyamide composition
US4532100A (en) Blown nylon film and process for the preparation thereof
US6297345B1 (en) Polyamide having excellent stretching properties
JP2559759B2 (ja) 熱可塑変形可能な耐衝撃性ポリアミドアロイ
US4606144A (en) Monofilament of improved vinylidene fluoride-based resin
JP2016223037A (ja) モノフィラメント
US4866115A (en) Solid mixture of nucleated and nonnucleated polyamides
EP0069475A2 (en) Process for producing aliphatic copolyesteramide and tube moulded therefrom
US4383084A (en) Polyamide-polyolefin compositions
JP3333659B2 (ja) 太物ナイロン・モノフィラメント
US4801633A (en) Salt resistant polyamide composition
JP5997526B2 (ja) ポリアミド樹脂組成物及び成形品
EP0445810B1 (en) Polyamide monofilament
JPH06207099A (ja) 熱可塑性成形材料
JP2000192331A (ja) ポリアミド・モノフィラメント
JP2743520B2 (ja) ポリアミド樹脂組成物及びそれからなるモノフィラメント
JP3138070B2 (ja) モノフィラメント
JP4898067B2 (ja) ポリアミドモノフィラメント
US5321079A (en) Impact resistant polyamide compositions
JP3485717B2 (ja) ポリフタルアミド樹脂配合物
JP3368727B2 (ja) ポリアミドモノフィラメント
JP3246059B2 (ja) ポリアミドモノフィラメント
JP2003155359A (ja) 2軸延伸ポリアミドフィルム

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080726

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080726

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090726

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090726

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100726

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100726

Year of fee payment: 8

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100726

Year of fee payment: 8

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110726

Year of fee payment: 9

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110726

Year of fee payment: 9

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110726

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110726

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110726

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120726

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120726

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130726

Year of fee payment: 11

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term