JP2003253221A - 接着フィルム及びそれを用いた電極の接続構造 - Google Patents

接着フィルム及びそれを用いた電極の接続構造

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JP2003253221A JP2002053911A JP2002053911A JP2003253221A JP 2003253221 A JP2003253221 A JP 2003253221A JP 2002053911 A JP2002053911 A JP 2002053911A JP 2002053911 A JP2002053911 A JP 2002053911A JP 2003253221 A JP2003253221 A JP 2003253221A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来用いられていた導電粒子を用いることな
く、高密度高精細化に対応して導電接続することがで
き、また、電極高さのばらつきに対応できる接着フィル
ム及びそれを用いた電極の接続構造を提供する。 【解決手段】 接着剤とポリフタリドよりなる接着フィ
ルム。ポリフタリドが式(1)で示される接着フィル
ム。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電極と電極を電気
的、機械的に接続するのに好適な接着フィルムに関す
る。特に、ICチップとチップ搭載基板との接着や電気
回路相互の接続・接着用の接着フィルムとして好適な接
着フィルム及び電極の接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】電子部品の小型薄型化に伴い、これらに
用いる回路や電極(以下電極)は高密度、高精細化して
いる。これらの電極の接続に、絶縁性接着剤中にカーボ
ン、ニッケル、金属被覆プラスチック粒子等の導電粒子
を分散した異方導電性の接着剤や膜状物を用いて、加熱
加圧により接着剤の厚み方向に電気的接続を得る方法
(例えば特開昭55−104007号公報)が知られて
いる。また、導電粒子を含有せずに接続時の加圧により
電極面の微細な凹凸により電気的接続を得て残余の接着
剤を電極外に排除して接続する方法(例えば特開昭60
−262430号公報)とがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】異方導電性の接着剤の
場合、導電粒子を含んでいるために、電極間距離以下の
導電粒子を用いることや、一つの電極に少なくとも1個
の導電粒子が必要なこと等の制限から、高密度高精細化
に制限があった。すなわち、微少な電極上の導電粒子の
存在確立を向上させるために粒子径を小さくすると粒子
の凝集が起こり電極間で短絡してしまい、一方、粒子径
を大きくすると微細電極上に粒子が存在しなくなるとい
うものである。また、導電粒子を含有しない場合、電極
高さのばらつきに対応できずに多数電極の接続信頼性が
不十分となる欠点があった。本発明は、従来用いられて
いた導電粒子を用いることなく、高密度高精細化に対応
して導電接続することができ、また、電極高さのばらつ
きに対応できる接着フィルム及びそれを用いた電極の接
続構造を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、[1] 接着
剤とポリフタリドよりなる接着フィルムである。また、
本発明は、[2] ポリフタリドが式(1)で示される
上記[1]に記載の接着フィルムである。
【化3】 (式(1)中、Rは、二価の芳香族炭化水素基または二
価の複素環含有芳香族基を示し、Rは、水素、アルキ
ル基、フッ素化アルキル基、アルコキシ基またはハロゲ
ンで、これは複数個(2〜4個)であってもよく、X
は、OまたはN−R (但し、Rは次ぎの基を示
す。)を示し、Yは、SOまたはCOを示し、nはポ
リマの繰り返し単位の数を示す。)
【化4】 また、本発明は、[3] 接着フィルム中にポリフタリ
ド粉体が分散された上記[1]または上記[2]に記載
の接着フィルムである。また、本発明は、[4] 接着
フィルム層とポリフタリド薄層とが一体化した上記
[1]または上記[2]に記載の接着フィルムである。
さらに、本発明は、[5] ポリフタリド薄層の要部に
貫通孔を形成した接着フィルムである。また、本発明
は、[6] 対向する電極間にポリフタリドが存在し、
両電極が接着剤により固定されてなる電極の接続構造で
ある。また、本発明は、[7] 対向する電極間に上記
[1]ないし上記[5]のいずれかに記載の接着フィル
ム中のポリフタリドが存在し、両電極が接着フィルム中
の接着剤により固定されてなる電極の接続構造である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる式(I)のポ
リフタリドについて、更に具体的に説明する。式(I)
中のR(二価の芳香族炭化水素基又は二価の複素環含有
芳香族基)としては、次の基などが挙げられる。
【化5】
【0006】ここで、R2は、前記R1と同様で水素、
アルキル基、フッ素化アルキル基、アルコキシ基又はハ
ロゲン(フッ素や塩素など)で、これは複数個(2〜4
個)であってもよい。また、Ar1は、次の基などであ
る。
【化6】
【0007】また、Ar2は、次の基などである。
【化7】
【0008】ポリフタリドは、単独重合物であっても、
共重合物であっても、あるいは、これらのブレンド物で
あってもよい。また、フタリド環を有するフェノール樹
脂やフタリド環を有するエポキシ樹脂を添加することが
できる。フタリド環を有するフェノール樹脂としては、
フェノールフタレイン、フェノールレッド、o−クレゾ
ールフタレイン、チモールフタレイン、クレゾールレッ
ド等とホルムアルデヒドとを反応させて得られる樹脂
で、通常、反応に際してフェノールやクレゾール等を加
えてコオリゴマーとしたもの(生成物)を用いることが
できる。
【0009】フタリド環を有するエポキシ樹脂として
は、式(I)で示されたフタリド環(又はスルホフタリ
ド環)を有するフェノール化合物とエピクロルヒドリン
とを反応させて得られた樹脂を用いることができる。
【0010】フタリド環を有するフェノール樹脂やフタ
リド環を有するエポキシ樹脂は、50重量%を超えない
範囲で配合することができる。50重量%を超えて使用
すると、成形後の皮膜がもろくなりやすい。なお、ここ
で重量%とは、溶媒を除く不揮発成分の量を100とし
たときの百分率である。
【0011】式(1)で示したポリフタリド(以下総称
してポリフタリドという)は厚みが10nm〜5000
0nm程度の厚みのときに、厚み方向に圧力を加える
と、厚み方向の電気抵抗が大きく変化し導電性を発揮す
る特徴がある。また、式(1)で示したポリフタリドに
フタリド環を含むフェノール樹脂、フタリド環を含むエ
ポキシ樹脂、シランカップリング剤等を添加することが
できる。
【0012】以下、本発明を図面を用いて説明する。図
1は、接着剤1とポリフタリド2よりなる接着フィルム
を示す断面模式図である。接着剤1は、通常の熱可塑性
を含めた電子部品用が適用できるが、接続後の耐熱性や
耐湿性に優れるので、熱や光により硬化性を示す反応性
接着剤が好ましい。なかでもエポキシ系接着剤は短時間
硬化が可能で接続作業性がよく、分子構造上接着性に優
れるなどの特徴から好ましく適用てきる。また、アクリ
ル系などの反応性接着剤をラジカル硬化させた系も同様
な特性が得られるので好ましい。硬化剤としては、保存
性と速硬化性の両立を得るため、潜在性であることが好
ましい。図1の場合、粉体のポリフタリドを必要に応じ
て溶剤を用い接着剤中に分散し、ロールコータ等でフィ
ルム状に形成し、揮発分を乾燥することで比較的簡単に
得られる。また、この場合の使用方法は図5に示すよう
に、基板3に形成された凸状電極4を有する電子部品同
士を接続する時、ポリフタリド2の粉体が接着フィルム
中に分散しているので電極4の密度に応じて粉体数を設
計でき、又接続時に電極4の位置を選ばないで単に電極
間におくだけで接続可能である。ここに凸状電極4は、
半導体チップや配線板等の電気的に接続を必要とする電
子部品そのものであっても良い。
【0013】ポリフタリド2は、粉体もしくは溶液状で
接着剤中に混合分散したペースト状でも適用可能である
が、図1~4のようなフィルム状であると、一定厚みの
連続体であることから自動化が図かれる利点を有し好ま
しい。ポリフタリド2は、図2〜4に示すように薄層に
して接着フィルム層と積層一体化した複合フィルムとす
ることができる。図2、3の場合、接着フィルムの表面
にポリフタリド溶液を塗布し溶剤を乾燥すれば良く、ま
た、接着フィルム層とポリフタリド薄層をそれぞれ形成
してからラミネートしてもよい。さらに、ポリフタリド
の粉体や溶液を気体と共に高圧下で噴射形成しても良
い。また、必要に応じて用いるセパレータなどの基材フ
ィルム上にポリフタリド薄層を形成し、その上に接着フ
ィルム層を構成しても良い。ポリフタリド2の厚みや粒
子径は10nm〜50000nm程度が好ましい。10
nm未満では導電効果が十分でなく、50000nmを
超すと導電性が不十分となる。このようなことから、3
0nm〜40000nmがより好ましく、50nm〜3
0000nmが更に好ましく、100nm〜2000n
mが特に好ましい。
【0014】図2の構成は、接着フィルム層1の片面に
ポリフタリド薄層2を構成すればよいので製造が比較的
容易であり、図6に示すように接続する電極4が凸状の
ときに、凸状電極側に接着剤1を配置して接続すること
ができる。図示してないがポリフタリド薄層2の表面に
別途電極を構成してもよく、その場合電極はクランプ等
の機械的な手段によれば繰り返し使用可能であり例えば
検査用の用途等に有用である。また、この例はマルチチ
ップモジュール(MCM)のように、一つの面上に、大
きさや高さの異なる多数の電子部品を配置し、接続する
ような場合に特に有用である。
【0015】図3は、図2のポリフタリド薄層2の要部
に貫通孔5を設けその部分を接着剤1で充填した場合で
ある。これにより図7に示すように、接続時の加熱加圧
で接着剤はポリフタリド薄層2を超えて基板3’側にも
流動し、この面での接着剤による接続が可能となる。す
なわち対向する電子部品同士の信頼性に優れた電気的及
び機械的な同時接続が可能となる。この場合、貫通孔5
は図7(a)のように電極のピッチに合わせて形成して
も、あるいは図7(b)のようにピッチに関係なく任意
に設けても良い。任意に設けると電極の位置に関係なく
接続操作が可能であり好ましい。
【0016】図4はポリフタリド薄層2を接着フィルム
層1、1’でサンドイッチした構成であり、両面が接着
フィルム層1、1’で覆われた構成である。接着剤1及
び1’の厚みは、接続後に電極が接着剤で覆われスペー
ス部を充填可能となる厚みを基本に、用いる電極高さに
応じて適宜設計可能である。この場合は、ポリフタリド
薄層2が接着剤で覆われて存在するので脱落などの不都
合を生じ難く、接続する電極の両者共に凸状の場合に好
適である。この場合は、図8に示すように基板3、3’
に形成された凸状電極4,4’を有する電子部品同士を
接続する時、電極4−4’間にポリフタリド薄層2を介
して両基板の接続が可能である。図4及び図8において
は図示しないが、図3のように要部に貫通孔を設けその
部分を接着剤1で充填することで、電極高さのばらつき
の影響を吸収できるので好ましい。
【0017】前記で説明したように、図5〜8に示す対
向する電極間にポリフタリドが存在し、両電極が固定さ
れてなる電極の接続構造が極めて簡単に得られる。図5
〜8では、相対峙する双方の電極が突出した場合を示し
たが、凸・平、凸・凹等、少なくとも一方が凸状であれ
ば任意の組み合わせが可能である。この時、ポリフタリ
ドは電極間に存在すれば良く、接着剤を介在させること
で電極の接続の保持と基板間の接着による長期的な接続
信頼性が得られる。
【0018】本発明の接着剤とポリフタリドよりなる接
着フィルムによれば、ポリフタリドは厚み方向に圧力を
加えると、厚み方向の導電性が得られるので、両電極の
加圧部のみに電気的接続が可能であり、高密度電極の接
続に有用である。この時、接着フィルム中の接着剤は、
加圧下で電子部品や電極を機械的に固定できるので電気
的接続と共に機械的な接続が一度の操作により同時に得
られるので、微細な回路接続に極めて有用である。接着
剤は加圧下で流動するので、接続部の凹凸を充填し、防
湿、汚染防止などの封止材的な作用も期待できる。すな
わち、本発明の接着剤とポリフタリドよりなる接着フィ
ルムによれば、加圧による電気的接続と接着剤による固
定を一度の操作で同時に行なえるので、接続工程が極め
て簡単である。
【0019】本発明の接着剤は、熱硬化系接着剤、ラジ
カル硬化系接着剤、光硬化系接着剤、熱可塑系接着剤
(ホットメルト)を用いることができる。熱硬化系接着
剤は、エポキシ樹脂、潜在性硬化剤、フィルム形成材を
含むことが好ましい。エポキシ樹脂は、エピクロルヒド
リンとビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェ
ノールAD、ビスフェノールS等から誘導されるビスフ
ェノール型エポキシ樹脂、エピクロルヒドリンとフェノ
ールノボラックやクレゾールノボラックから誘導される
エポキシノボラック樹脂やナフタレン環を含んだ骨格を
有するナフタレン系エポキシ樹脂、グリシジルアミン、
グリシジルエーテル、ビフェニル、脂環式等の1分子内
に2個以上のグリシジル基を有する各種のエポキシ化合
物等を単独にあるいは2種以上を混合して用いることが
可能である。これらのエポキシ樹脂は、不純物イオン
(Na+、Cl-等)や、加水分解性塩素等を300pp
m以下に低減した高純度品を用いることがエレクトロン
マイグレーション防止のために好ましい。
【0020】潜在性硬化剤は、イミダゾール系、ヒドラ
ジド系、アミンイミド、ジシアンジアミド等が挙げられ
る。これらは、単独または混合して使用することがで
き、分解促進剤、抑制剤等を混合して用いてもよい。ま
た、これらの硬化剤をポリウレタン系、ポリエステル系
の高分子物質等で被覆してマイクロカプセル化したもの
は、可使時間が延長されるために好ましい。潜在性硬化
剤の配合量は充分な反応率を得るために、フィルム形成
材とエポキシ樹脂の合計100重量部に対して、0.1
〜60重量部とするのが好ましく1〜20重量部がより
好ましい。潜在性硬化剤の配合量が0.1重量部未満で
は、充分な反応率を得ることができず良好な接着強度や
小さな接続抵抗が得られにくくなる傾向にある。潜在性
硬化剤の配合量が60重量部を超えると、接着剤の流動
性が低下したり、接続抵抗が上昇したり、接着剤のポッ
トライフが短くなる傾向にある。
【0021】フィルム形成材は、液状物を固形化し、構
成組成物をフィルム形状とした場合に、そのフィルムの
取り扱いが容易で、容易に裂けたり、割れたり、ベたつ
いたりしない機械特性等を付与するものであり、通常の
状態でフィルムとしての取り扱いができるものである。
フィルム形成材としては、フェノキシ樹脂、ポリビニル
ホルマール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルブチラ
ール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、キシレ
ン樹脂、ポリウレタン樹脂等が拳げられる。フィルム形
成材の中でも接着性、相溶性、耐熱性、機械強度に優れ
ることからフェノキシ樹脂が好ましい。フェノキシ樹脂
は2官能フェノール類とエピハロヒドリンを高分子量ま
で反応させるか、又は2官能エポキシ樹脂と2官能フェ
ノール類を重付加させることにより得られる樹脂であ
る。具体的には、2官能フェノール類1モルとエピハロ
ヒドリン0.985〜1.015とをアルカリ金属水酸
化物の存在下で非反応性溶媒中で40〜120℃の温度
で反応させることにより得ることができる。また、樹脂
の機械的特性や熱的特性の点からは、特に2官能性エポ
キシ樹脂と2官能性フェノール類の配合当量比をエポキ
シ基/フェノール水酸基=1/0.9〜1/1.1とし
アルカリ金属化合物、有機リン系化合物、環状アミン系
化合物等の触媒の存在下で沸点が120℃以上のアミド
系、エーテル系、ケトン系、ラクトン系、アルコール系
等の有機溶剤中で反応固形分が50重量部以下で50〜
200℃に加熱して重付加反応させて得たものが好まし
い。2官能エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型
エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビス
フェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エ
ポキシ樹脂などが挙げられる。2官能フェノール類は2
個のフェノール性水酸基を持つもので、例えば、ハイド
ロキノン類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビ
スフェノールAD、ビスフェノールS等のビスフェノー
ル類などが挙げられる。フェノキシ樹脂は、ラジカル重
合性の官能基やエポキシ基,カルボキシル基などで変成
されていても良く、この場合耐熱性が向上する。 ま
た、フェノキシ樹脂は、その分子内に多環芳香族化合物
に起因する分子構造を有するものでもよい。例えばナフ
タレン、ビフェニル、アセナフテン、フルオレン、ジベ
ンゾフラン、アントラセン、フェナンスレン等のジヒド
ロキシ化合物であり、特に好ましくは9,9’−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンである。フィル
ム形成材の配合量は、2〜80重量%であり、5〜70
重量%が好ましく、10〜60重量%が特に好ましい。
2重量%未満では、応力緩和や接着力が十分でなく、8
0重量%を超えると流動性が低下する。
【0022】ラジカル硬化系接着剤は、ラジカル重合性
化合物、重合開始剤、フィルム形成性を含有することが
好ましい。ラジカル重合性化合物は、ラジカルにより重
合する官能基を有する化合物で、(メタ)アクリレート
樹脂、マレイミド樹脂、シトラコンイミド樹脂、ナジイ
ミド樹脂などがあり、2種類以上を混合して使用しても
よい。またラジカル重合性化合物は、モノマー、オリゴ
マーいずれの状態でも使用することができ、モノマーと
オリゴマーを混合して用いてもよい。(メタ)アクリレ
ート樹脂としては、(メタ)アクリレートをラジカル重
合させることで得られるもので、(メタ)アクリレート
としてはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)
アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、イ
ソブチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、テトラメチレングリコールテトラ
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジア
クリロキシプロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキ
シメトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−
(アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ジシク
ロペンテニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニ
ル(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチ
ル)イソシアヌレート、ウレタン(メタ)アクリレー
ト、イソシアヌール酸エチレンオキシド変性ジアクリレ
ートなどが挙げられ、単独または2種類以上を混合して
用いても良い。また、必要によっては、ハイドロキノ
ン、メチルエーテルハイドロキノン等のラジカル重合禁
止剤を硬化性が損なわれない範囲で使用しても良い。
【0023】さらに、ラジカル重合性化合物としてリン
酸エステル化合物を使用した場合、金属等無機物に対す
る接着力を向上することができる。このリン酸エステル
化合物の使用量は、0.1〜10重量部であり、好まし
くは0.5〜5重量部である。リン酸エステル化合物
は、無水リン酸と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レートの反応生成物として得られる。具体的には、モノ
(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェ
ート、ジ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッド
ホスフェート等が有り、単独でも混合して使用しても良
い。
【0024】マレイミド樹脂としては、分子中にマレイ
ミド基を少なくとも1個有しているもので、例えば、フ
ェニルマレイミド、1−メチル−2,4−ビスマレイミ
ドベンゼン、N,N'−m−フェニレンビスマレイミド、N,
N'−p−フェニレンビスマレイミド、N,N'−4,4−ビ
フェニレンビスマレイミド、N,N'−4,4−(3,3−
ジメチルビフェニレン)ビスマレイミド、N,N'−4,4
−(3,3−ジメチルジフェニルメタン)ビスマレイミ
ド、N,N'−4,4−(3,3−ジエチルジフェニルメタ
ン)ビスマレイミド、N,N'−4,4−ジフェニルメタン
ビスマレイミド、N,N'−4,4−ジフェニルプロパンビ
スマレイミド、N,N'−4,4−ジフェニルエーテルビス
マレイミド、N,N'−4,4−ジフェニルスルホンビスマ
レイミド、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノ
キシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−s−ブ
チル−3,4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニ
ル)プロパン、1,1−ビス(4−(4−マレイミドフ
ェノキシ)フェニル)デカン、4,4'−シクロヘキシ
リデン−ビス(1−(4−マレイミドフェノキシ)フェ
ノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン、2,2−ビス
(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)ヘキサ
フルオロプロパンなどが挙げられ、単独でも2種類以上
を混合して使用しても良い。
【0025】シトラコンイミド樹脂としては、分子中に
シトラコンイミド基を少なくとも1個有しているシトラ
コンイミド化合物を重合させたもので、シトラコンイミ
ド化合物としては、例えば、フェニルシトラコンイミ
ド、1−メチル−2,4−ビスシトラコンイミドベンゼ
ン、N,N'−m−フェニレンビスシトラコンイミド、N,N'
−p−フェニレンビスシトラコンイミド、N,N'−4,4
−ビフェニレンビスシトラコンイミド、N,N'−4,4−
(3,3−ジメチルビフェニレン)ビスシトラコンイミ
ド、N,N'−4,4−(3,3−ジメチルジフェニルメタ
ン)ビスシトラコンイミド、N,N'−4,4−(3,3−
ジエチルジフェニルメタン)ビスシトラコンイミド、N,
N'−4,4−ジフェニルメタンビスシトラコンイミド、
N,N'−4,4−ジフェニルプロパンビスシトラコンイミ
ド、N,N'−4,4−ジフェニルエーテルビスシトラコン
イミド、N,N'−4,4−ジフェニルスルホンビスシトラ
コンイミド、2,2−ビス(4−(4−シトラコンイミ
ドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(3
−s−ブチル−3,4−(4−シトラコンイミドフェノ
キシ)フェニル)プロパン、1,1−ビス(4−(4−
シトラコンイミドフェノキシ)フェニル)デカン、4,
4'−シクロヘキシリデン−ビス(1−(4−シトラコ
ンイミドフェノキシ)フェノキシ)−2−シクロヘキシ
ルベンゼン、2,2−ビス(4−(4−シトラコンイミ
ドフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパンなど
が有り、単独でも2種類以上を混合して使用しても良
い。
【0026】ナジイミド樹脂としては、分子中にナジイ
ミド基を少なくとも1個有しているナジイミド化合物を
重合したもので、ナジイミド化合物としては、例えば、
フェニルナジイミド、1−メチル−2,4−ビスナジイ
ミドベンゼン、N,N'−m−フェニレンビスナジイミド、
N,N'−p−フェニレンビスナジイミド、N,N'−4,4−
ビフェニレンビスナジイミド、N,N'−4,4−(3,3
−ジメチルビフェニレン)ビスナジイミド、N,N'−4,
4−(3,3−ジメチルジフェニルメタン)ビスナジイ
ミド、N,N'−4,4−(3,3−ジエチルジフェニルメ
タン)ビスナジイミド、N,N'−4,4−ジフェニルメタ
ンビスナジイミド、N,N'−4,4−ジフェニルプロパン
ビスナジイミド、N,N'−4,4−ジフェニルエーテルビ
スナジイミド、N,N'−4,4−ジフェニルスルホンビス
ナジイミド、2,2−ビス(4−(4−ナジイミドフェ
ノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−s−
ブチル−3,4−(4−ナジイミドフェノキシ)フェニ
ル)プロパン、1,1−ビス(4−(4−ナジイミドフ
ェノキシ)フェニル)デカン、4,4'−シクロヘキシ
リデン−ビス(1−(4−ナジイミドフェノキシ)フェ
ノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン、2,2−ビス
(4−(4−ナジイミドフェノキシ)フェニル)ヘキサ
フルオロプロパンなどが有り、単独でも2種類以上を混
合して使用しても良い。
【0027】上記ラジカル重合性化合物を使用した場合
には、重合開始剤を使用する。重合開始剤としては、光
または加熱によってラジカルを発生する化合物であれば
特に制限はなく、過酸化物、アゾ化合物などがあり、目
的とする接続温度、接続時間、保存安定性等を考慮し適
宜選択されるが、高反応性と保存安定性の点から、半減
期10時間の温度が、40℃以上かつ、半減期1分の温
度が180℃以下の有機過酸化物が好ましく、半減期1
0時間の温度が、50℃以上かつ、半減期1分の温度が
170℃以下の有機過酸化物が特に好ましい。接続時間
を10秒とした場合、十分な反応率を得るための重合開
始剤の配合量は、1〜20重量%が好ましく、2〜15
重量%が特に好ましい。使用される有機過酸化物の具体
的な化合物としては、ジアシルパーオキサイド、パーオ
キシジカーボネート、パーオキシエステル、パーオキシ
ケタール、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオ
キサイド、シリルパーオキサイドなどから選定できる
が、パーオキシエステル、ジアルキルパーオキサイド、
ハイドロパーオキサイド、シリルパーオキサイドは、開
始剤中の塩素イオンや有機酸が5000ppm以下であ
り、分解後に発生する有機酸が少なく、電極の腐食を抑
えることができるため特に好ましい。
【0028】ジアシルパーオキサイド類としては、イソ
ブチルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパ
ーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパ
ーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイ
ルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、スク
シニックパーオキサイド、ベンゾイルパーオキシトルエ
ン、ベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。
【0029】パーオキシジカーボネート類としては、ジ
−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロ
ピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチル
シクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−
エトキシメトキシパーオキシジカーボネート、ジ(2−
エチルヘキシルパーオキシ)ジカーボネート、ジメトキ
シブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−
3−メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネート等が挙
げられる。
【0030】パーオキシエステル類としては、クミルパ
ーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメ
チルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘ
キシル−1−メチルエチルパーオキシノエデカノエー
ト、t−へキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチ
ルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチ
ルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、2,
5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパ
ーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチル
エチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−へ
キシルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ブ
チルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ブチ
ルパーオキシイソブチレート、1,1−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)シクロヘキサン、t−へキシルパーオキ
シイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキ
シ−3,5,5−トリメチルヘキサノネート、t−ブチ
ルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−
ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパ
ーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパ
ーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−
へキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキ
シアセテート等を挙げることができる。
【0031】パーオキシケタール類では、1,1−ビス
(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチル
シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキ
シ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオ
キシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,
1−(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2
−ビス(t−ブチルパーオキシ)デカン等が挙げられ
る。
【0032】ジアルキルパーオキサイド類では、α,
α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベ
ンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチ
ルクミルパーオキサイド等が挙げられる。
【0033】ハイドロパーオキサイド類では、ジイソプ
ロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイド
ロパーオキサイド等が挙げられる。
【0034】シリルパーオキサイド類としては、t−ブ
チルトリメチルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチ
ル)ジメチルシリルパーオキサイド、t−ブチルトリビ
ニルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジビニ
ルシリルパーオキサイド、トリス(t−ブチル)ビニル
シリルパーオキサイド、t−ブチルトリアリルシリルパ
ーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジアリルシリルパー
オキサイド、トリス(t−ブチル)アリルシリルパーオ
キサイド等が挙げられる。
【0035】また、電極の腐食を抑えるために、硬化剤
中に含有される塩素イオンや有機酸は5000ppm以
下であることが好ましく、さらに、加熱分解後に発生す
る有機酸が少ないものがより好ましい。また、作製した
接着剤の安定性が向上することから室温(25℃)、常
圧下で24時間の開放放置後に20重量%以上の重量保
持率を有することが好ましい。これらは適宜混合して用
いることができる。これらの遊離ラジカル発生剤は単独
または混合して使用することができ、分解促進剤、抑制
剤等を混合して用いても良い。また、これらの遊離ラジ
カル発生剤をポリウレタン系、ポリエステル系の高分子
物質等で被覆してマイクロカプセル化したものは、可使
時間が延長されるために好ましい。
【0036】フィルム形成材は、上記と同様である。ラ
ジカル重合性化合物以外に熱硬化性樹脂として上記のエ
ポキシ樹脂を配合することもできる。これらのエポキシ
樹脂は、2種以上を併用してもよい。また、このエポキ
シ樹脂の硬化剤としては、アミン類、フェノール類、酸
無水物類、イミダゾール類、ジシアンジアミド等通常の
エポキシ樹脂の硬化剤として使用されているものが挙げ
られる。さらには、硬化促進剤として通常使用されてい
る3級アミン類、有機リン系化合物を適宜使用しても良
い。また、エポキシ樹脂を反応させる方法として、前記
硬化剤を使用する以外に、スルホニウム塩、ヨードニウ
ム塩等使用して、カチオン重合させても良い。
【0037】光硬化系接着剤は、光カチオン重合性化合
物、主に180〜750nmの波長成分を含む光照射ま
たは加熱によりカチオン種を発生する重合開始剤を含む
ことが好ましい。光カチオン重合性化合物として、エポ
キシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物
及び環状エーテル化合物から1つ以上選ばれる。主に1
80〜750nmの波長成分を含む光照射または加熱に
よりカチオン種を発生する重合開始剤として、芳香族ス
ルホニウム塩、ヨードニウム塩、鉄−アレーン錯体、芳
香族スルホニウム塩、脂肪族スルホニウム塩などから選
ばれる少なくとも一種である。主に180〜750nm
の波長成分を含む光照射によりカチオン種を発生する重
合開始剤は、主として180〜750nmの波長成分を
含む光照射によってカチオン種を発生する重合開始剤で
あり、光照射により発生するカチオン種を指すが、加熱
によって発生したカチオン種を含んでも良く、光照射に
より発生するカチオン種が多いとの意味である。また、
主に加熱によりカチオン種を発生する重合開始剤は、主
として加熱によってカチオン種を発生する重合開始剤で
あり、加熱により発生するカチオン種を指すが、光照射
によって発生したカチオン種を含んでも良く、加熱によ
り発生するカチオン種が多いとの意味である。光カチオ
ン重合性化合物としては、主に180〜750nmの波
長成分を含む光照射、または主に加熱により発生したカ
チオン種によって重合する官能基を有する化合物であ
り、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタ
ン化合物及び環状エーテル化合物等が挙げられる。
【0038】エポキシ化合物としては、1分子中に2個
以上のエポキシ基を有するものであれば特に制限なく、
公知のものを使用しうる。例えば、エピクロルヒドリン
とビスフェノールAやビスフェノールF等から誘導され
るビスフェノール型エポキシ樹脂や、ポリグリシジルエ
ーテル、ポリグリシジルエステル、芳香族エポキシ化合
物、脂環式エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等の
ノボラック型エポキシ化合物、グリシジルアミン系エポ
キシ化合物、グリシジルエステル系エポキシ化合物、ビ
フェニルジグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシ
アヌレート、ポリグリシジルメタクリレート、グリシジ
ルメタクリレートとこれと共重合可能なビニル単量体と
の共重合体等が挙げられる。これらは単独又は2種以上
を組み合わせて使用される。
【0039】ビニルエーテル化合物としては、アルキル
ビニルエーテル化合物、アルケニルビニルエーテル化合
物、アルキニルビニルエーテル化合物、アリールビニル
エーテル化合物等が挙げられる。
【0040】オキセタン化合物としては、オキセタンア
ルコール、脂肪族オキセタン化合物、芳香族オキセタン
化合物等が挙げられる。環状エーテル化合物としては、
テトラヒドロフラン化合物、テトラヒドロピラン化合物
等が挙げられる。これらの中では、他の化合物と比較す
ると分子量の異なるグレードが広く入手可能で、接着性
や反応性、硬化特性等を任意に設定できる点から、エポ
キシ化合物が好ましい。
【0041】光カチオン重合性化合物の含有量として
は、接着剤全体に対して10〜90重量%とするのが好
ましく、25〜75重量%とするのがより好ましい。含
有量が10重量%未満の場合、硬化物の物性に乏しい接
着剤しか得ることができず、含有量が90重量%を超え
ると、例えば硬化収縮率の大きな光カチオン重合性化合
物を使用した場合、これを他の配合成分によって緩和す
る等の手段を用いることが困難になる。
【0042】エポキシ化合物のエポキシ当量は、43〜
1000が好ましく、50〜800がより好ましく、7
3〜600が特に好ましい。エポキシ当量が43未満又
は1000を超えると、電極の接続時に、接着強度が低
下する傾向がある。これらのエポキシ化合物は、不純物
イオン(Na+、Cl-等)や、加水分解性塩素等を30
0ppm以下に低減した高純度品を用いることが、エレ
クトロンマイグレーション防止のために好ましい。
【0043】主に180〜750nmの波長成分を含む
光照射によりカチオン種を発生する重合開始剤、主に加
熱によりカチオン種を発生する重合開始剤としては、芳
香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、脂肪族ス
ルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、ホスホニウム
塩、ピリジニウム塩、セレノニウム塩等のオニウム塩や
金属アレーン錯体、シラノール/アルミニウム錯体等の
錯体化合物、ベンゾイントシレート、o−ニトロベンジ
ルトシレート等を用いることができる。また、塩を形成
する際の対アニオンとしてはヘキサフルオロアンチモネ
ート、ヘキサフルオロホスフェート、テトラフルオロボ
レート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレー
ト等が反応性の点で好適に用いられる。主に加熱により
カチオン種を発生する重合開始剤としては、100℃以
下の温度で熱触媒活性の低い化合物が、接着剤の保存安
定性を高める点で好ましい。また、主に180〜750
nmの波長成分を含む光照射によりカチオン種を発生す
る重合開始剤が、主に加熱によりカチオン種を発生する
重合開始剤と同等の熱活性を有していたり、その反対
に、主に加熱によりカチオン種を発生する重合開始剤
が、主に180〜750nmの波長成分を含む光照射に
よりカチオン種を発生する重合開始剤と同等の光活性を
有している化合物である場合は、接着剤の反応性が向上
する点で好ましい。
【0044】主に180〜750nmの波長成分を含む
光照射によりカチオン種を発生する重合開始剤として
は、分子内に芳香族環が1個以上含まれる化合物が好ま
しく、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)−フェニ
ル]スルフィド−ビス−ヘキサフルオロホスフェート、
ビス[4−ジ(4−(2−ヒドロキシエチル)フェニ
ル)スルホニオ−フェニル]スルフィドビス−ヘキサフ
ルオロホスフェート、ビス[4−ジ(4−(2−ヒドロ
キシエチル)フェニル)スルホニオ−フェニル]スルフ
ィドビス−ヘキサフルオロアンチモネート等といった芳
香族スルホニウム塩やη−5,2,4−(シクロペンタ
ジエニル)[(1,2,3,4,5,6−η)−(メチ
ルエチル)−ベンゼン]−鉄(II)ヘキサフルオロホ
スフェート、(トリルクミル)ヨードニウムテトラキス
(ペンタフルオロペニル)ボレート、ジアリルヨードニ
ウムヘキサフルオロアンチモネート及びこれらの混合物
を用いることができ、アデカオプトマーSP−150、
アデカオプトマーSP−170(旭電化工業株式会社製
商品名)、サイラキュアUVI−6990(ユニオンカ
ーバイド社製商品名)、サンエイドSI−60L、サン
エイドSI−80L、サンエイドSI−100L(三新
化学工業株式会社製商品名)、イルガキュア261(チ
バ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Che
micals)社製商品名)、RHODORSIL PHOTOINITIATOR20
74(ローディアジャパン社製商品名)等といった市販
品としてこれらの化合物及びその溶液を用いることがで
きる。
【0045】主に加熱によりカチオン種を発生する重合
開始剤としては、芳香族スルホニウム塩、脂肪族スルホ
ニウム塩やジアルキルフェナシルスルホニウム塩等の化
合物が好適に用いられ、サンエイドSI−60L、サン
エイドSI−80L、サンエイドSI−100L(三新
化学工業株式会社製商品名)、アデカオプトンCP−6
6、アデカオプトンCP−77(旭電化工業株式会社製
商品名)、CI−2624(日本曹達株式会社製商品
名)等といった市販品としてこれらの化合物及びその溶
液を用いることができる。
【0046】主に180〜750nmの波長成分を含む
光照射によりカチオン種を発生する重合開始剤、及び、
主に加熱によりカチオン種を発生する重合開始剤を使用
する場合、各々、その使用量は、光カチオン重合性化合
物の100重量%に対して0.05〜30重量%とする
ことが好ましく、0.1〜15重量%とすることがより
好ましく、0.5〜10重量%とすることが特に好まし
い。この量が、0.05重量%未満では、硬化促進効果
が不十分となる傾向があり、30重量%を超えると相溶
性が低下する傾向がある。
【0047】また、主に180〜750nmの波長成分
を含む光照射によりカチオン種を発生する重合開始剤の
含有量と主に加熱によりカチオン種を発生する重合開始
剤の含有量の重量比率は、1/50〜50/1であるの
が好ましい。この範囲外の比率の場合、他方の重合開始
剤の含有量が極端に少なくなるために、充分な硬化物が
得られなくなる恐れがある。
【0048】主に180〜750nmの波長成分を含む
光照射によりカチオン種を発生する重合開始剤、及び、
主に加熱によりカチオン種を発生する重合開始剤を使用
する場合、それぞれを単独あるいは複数種を併用するこ
ともできる。また、カチオン重合を促進して接着剤の硬
化性を高めるために、光増感剤を適宜組み合わせて使用
することもできる。光増感剤としては、用いる励起光の
吸収波長を有効に利用するためのものであれば特に制限
されるものではなく、公知の化合物を使用することがで
き、具体的には、アントラセン、フェノチアジン、ペリ
レン、カルバゾール、ベンゾフェノン、チオキサント
ン、フルオレノン、アントラキノン等の化合物及びこれ
らの誘導体等を用いることができる。
【0049】接着剤には、さらにフィルム形成材を添加
してもよい。その使用量としては、光カチオン重合性化
合物100重量部に対して20〜320重量部とするこ
とが好ましい。この使用量が、20重量部未満又は32
0重量部を超える場合は、フィルム形成性が低下する傾
向がある。
【0050】熱可塑系接着剤(ホットメルト)は、基本
的には絶縁性を示す通常の凝集力を付与するポリマと、
その他必要に応じて用いる粘着付与剤、粘着性調整剤、
架橋剤、老化防止剤、分散剤等を含むと好ましい。これ
らポリマ種としては、エチレン酢酸ビニル共重合体、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体変性物、ポリエチレン、エ
チレン−プロピレン共重合体、エチレン−アクリル酸共
重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチ
レン−アクリル酸塩共重合体、アクリル酸エステル系ゴ
ム、ポリイソブチレン、アタクチックポリプロピレン、
ポリビニルブチラール、アクリロニトリル−ブタジエン
共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、ス
チレン−イソプレンブロック共重合体、ポリブタジエ
ン、エチレンセルロース、ポリエステル、ポリアミド、
ポリウレタン、天然ゴム、シリコン系ゴム、ポリクロロ
プレン等の合成ゴム類、ポリビニルエーテルなどが適用
可能であり、単独あるいは2種以上併用して用いられ
る。
【0051】粘着付与剤としては、ジシクロペンタジエ
ン樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、キシレン
樹脂、テルペン−フェノール樹脂、アルキルフェノール
樹脂、クマロン−インデン樹脂等があり、これらを必要
に応じて、単独あるいは2種以上併用して用いる。粘着
性調整剤としてはたとえばジオクチルフタレートをはじ
めとする各種可塑剤類等が代表的である。架橋剤はポリ
マの凝集力を高めることが必要な場合に用いられ、ポリ
マの官能基と反応する多官能性物質であり、たとえばポ
リイソシアネート、メラミン樹脂尿素樹脂、フェノール
樹脂等があげられる。老化防止剤は、ポリマーバインダ
の熱、酸素、光等に対する安定性を高めることが必要な
場合に用いるものでたとえば金属石ケン類を代表とする
安定剤や、アルキルフェノール類などの酸化防止剤、ベ
ンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系などの紫外線吸
収剤等が挙げられ、やはり必要に応じて単独あるいは2
種以上併用して用いられる。分散剤は、粒子の分散性向
上のために用いる場合があり、この例としてたとえば界
面活性剤が挙げられ、ノニオン系、カチオン系、アニオ
ン系、両性のうち1種あるいは2種以上併用して用いる
ことができる。
【0052】本発明の接着フィルムには、適宜充填剤、
軟化剤、促進剤、老化防止剤、着色剤、難燃剤、カップ
リング剤を添加しても良い。
【0053】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されない。 (実施例1) (1)接着フィルム フィルム形成材としてフェノキシ樹脂(PKHC、ユニ
オンカーバイド株式会社製商品名、平均分子量45,0
00)、潜在性硬化材としてマイクロカプセル型硬化剤
(HX3941HP、旭化成エポキシ株式会社製商品
名、熱活性温度120℃、DSCピーク温度)を含有す
る液状エポキシ樹脂、応力緩和材としてアクリルゴム及
びビスフェノールA型エポキシを用い、アクリルゴム3
0g、フェノキシ樹脂10g、ビスフェノールA型エポ
キシ10g、マイクロカプセル型硬化剤50g、シラン
カップリンダ剤(東レ・ダウシリコーン株式会社製商品
名;SH6040)1gのトルエン/酢酸エチル=50
/50重量比に溶解ないし分散させ下記のポリフタリド
を上記の固形分100体積に対し3体積%分散配合し、
剥離性を有するように表面処理したポリエチレンテレフ
タレートフィルム(セパレータ)上に塗布乾燥し厚み2
0μmの図1のフィルム状接着剤(セパレータは図示せ
ず)を用意した。式(1)において、R=ビフェニル、
=H、X=O、Y=SOであるポリ(4,4−ジ
フェニレンスルホフタリド)の粉体は、ポリ(4、4’
−ジフェニレンスルホフタリド)をシクロヘキサノンに
溶解して3重量%溶液を作製し、これをホモジナイザー
で激しく撹拌したメタノール(100倍容積)中に滴下
して得られた粉体を200℃で30分窒素雰囲気中で乾
燥処理した後、分級し、粒子径0.1〜3μm、平均粒
径1.5μmのポリフタリド粉体を得た。
【0054】(2)配線板 厚みが0.4mmのガラス・エポキシ基板に、後述する
半導体チップの電極パッドに対応する回路電極を、厚み
が15μmの銅箔のエッチング法により形成した。 (3)半導体チップ 半導体チップとして、2mm×10mm、厚み300μ
m、接続面は厚み2μmの窒化珪素で覆われ、4辺の周
縁部に50μm角で高さ15μmのバンプ(突起電極)
200個を形成した試験用チップを用いた。
【0055】(4)接続 前記配線板と半導体チップの電極の間に、前記の接着フ
ィルムを載置し、両電極の位置合わせ行った後、180
℃、5MPa(50kg/cm)、10秒間、加熱加
圧した。電極間の接着剤はバンプのないスペース部に排
除され、配線板の回路電極と半導体チップの電極は、ポ
リ(4,4−ジフェニレンスルホフタリド)の粉体を介
して接触していた。接着剤はマイクロカプセル型硬化剤
のカプセルが破壊し硬化が十分に行なわれていた。 (5)評価 相対峙する電極間の接続抵抗と隣接電極間の絶縁抵抗を
測定した、接続抵抗は0.1Ω以下、絶縁抵抗は10
Ω以上と良好な特性を示した。これらは85℃、85%
RH、1000時間処理後(以下高温高湿試験後とい
う)もほとんど変化なく良好な接続信頼性を示した。こ
の接続構造体の断面を研磨し顕微鏡観察を行なったとこ
ろ、図5に示したような接続構造であった。
【0056】(実施例2)実施例1と同様であるが、接
着フィルムの構成を変えた。すなわち図2に示す構成の
ように接着フィルム層の片面にポリフタリド薄層を構成
した。接着剤として実施例1と同じフィルム形成材とし
てフェノキシ樹脂(PKHC、ユニオンカーバイド株式
会社製商品名、平均分子量45,000)、潜在性硬化
材としてマイクロカプセル型硬化剤(HX3941H
P、旭化成エポキシ株式会社製商品名、熱活性温度12
0℃、DSCピーク温度)を含有する液状エポキシ樹
脂、応力緩和材としてアクリルゴム及びビスフェノール
A型エポキシを用い、アクリルゴム30g、フェノキシ
樹脂10g、ビスフェノールA型エポキシ10g、マイ
クロカプセル型硬化剤50g、シランカップリンダ剤
(東レ・ダウシリコーン株式会社製商品名;SH604
0)1gのトルエン/酢酸エチル=50/50重量比に
溶解ないし分散させた配合液を、剥離性を有するように
表面処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(セ
パレータ)上に塗布乾燥し厚み20μmの接着剤(セパ
レータは図示せず)を用意した。さらに、剥離性を有す
るように表面処理したポリエチレンテレフタレートフィ
ルム(セパレータ)上にポリフタリドであるポリ(4,
4−ジフェニレンスルホフタリド)をシクロヘキサノン
に溶解した6重量%溶液を塗布し、100℃で乾燥し厚
み2μmのポリフタリド薄層を形成した。ラミネータを
用いて、上記接着剤層とポリフタリド薄層が面するよう
にラミネート(80℃)し、接着剤層の上にポリフタリ
ド薄層が形成された接着フィルムを得た(図2の構成、
但し、セパレータは図示せず。)。実施例1と同様の配
線板を用い、接着剤側のセパレータを剥離して、接着剤
面を配線板に180℃、5MPa(50kg/c
)、15秒間、加熱加圧し、図6に示すように配線
板の隣接する回路電極の空間を接着剤で充填し表面がポ
リフタリド薄層となる構成とした。ポリフタリド薄層側
から実施例1と同じ半導体チップを用い、位置合わせし
た後、室温23℃で、0.3MPa/バンプの圧力を加
えたまま、接続抵抗と絶縁抵抗を測定した。その結果、
接続抵抗は0.1Ω以下、絶縁抵抗は10Ω以上と良
好な値が得られた。このように、この方法は、例えば半
導体チップの電気特性を予め評価するのに(いわゆるK
GDチップ)有用である。
【0057】(実施例3)実施例1と同様であるが接着
フィルムの構成を変えて、図3の構成とした。すなわ
ち、剥離性を有するように表面処理したポリエチレンテ
レフタレートフィルム(セパレータ)上にポリフタリド
であるポリ(4,4−ジフェニレンスルホフタリド)を
シクロヘキサノンに溶解した6重量%溶液を塗布し、1
00℃で乾燥し厚み2μmのポリフタリド薄層を形成し
た。この上に厚み25μmのネガ型感光性フィルムをラ
ミネートし、10個/mmの割合で直径100μmの
透孔部を有するマスクを積層し、露光、現像した後、後
露光と後加熱した。そして、シクロヘキサノンで露出部
分を溶解させ、感光性フィルムを剥離した。この面に、
実施例1で用いたと同じ接着剤(ポリフタリドを除く)
を塗布乾燥し(80℃、5分)厚み20μmの接着フィ
ルムを形成した。この接着フィルムを用い、実施例1と
同じ配線板と半導体チップを用い、それらの電極の間
に、配線板側に接着剤層となるように接着フィルムを載
置し、両電極の位置合わせ行った後、180℃、5MP
a(50kg/cm)、10秒間、加熱加圧した。実
施例1と同様な評価を行なった結果、良好な接続抵抗
(0.32Ω)と絶縁抵抗(10Ω以上)を示し、ま
た、高温高湿試験後も良好な接続信頼性を示した。この
場合は図7に示す接続断面であり、接続時の加熱加圧で
接着剤はポリフタリド薄層側にも流動し、この面での接
着剤による接続が可能となり対向電極の接着剤による固
定が得られた。すなわち対向する電子部品同士の電気的
及び機械的な接続が可能であった。
【0058】(実施例4)実施例1と同様であるが、接
着フィルムの構成を図4の構成である厚み2μmのポリ
フタリドの両面を電極高さの厚みである厚み15μmの
接着フィルムでサンドイッチした形とした。接着剤は実
施例1で用いたと同じ接着剤(ポリフタリドを除く)を
表面処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(セ
パレータ)上に塗布乾燥(70℃、10分)し厚み15
μmの接着剤(セパレータは図示せず)を用意した。こ
れとは別に、剥離性を有するように表面処理したポリエ
チレンテレフタレートフィルム(セパレータ)上にポリ
フタリドであるポリ(4,4−ジフェニレンスルホフタ
リド)をシクロヘキサノンに溶解した6重量%溶液を塗
布し、100℃で乾燥し厚み2μmのポリフタリド薄層
を形成した。ラミネータを用いて、上記接着剤層とポリ
フタリド薄層が面するようにラミネート(80℃)し、
接着剤層の上にポリフタリド薄層が形成された接着フィ
ルムを得た、さらに、接着剤層とポリフタリド薄層の積
層体に接着剤層をラミネート(80℃)し図4に示す構
成の接着フィルムを得た。実施例1と同様な配線板と半
導体チップの電極の間に、前記の接着フィルムを載置
し、両電極の位置合わせ行った後、180℃、5MPa
(50kg/cm)、10秒間、加熱加圧した。接続
体は図8の構成であるが、良好な接続抵抗(0.7Ω)
と絶縁抵抗(10Ω以上)を示し、また、高温高湿試
験後の良好な接続信頼性を示した。本実施例によれば、
ポリフタリド薄層を介して両基板の接続が可能である。
【0059】(実施例5〜7)実施例1と同様である
が、ポリフタリドの種類を変えた。すなわち、実施例5
は式(1)のR、R、X、Yとして表1のNo.2を
用いた。同様に実施例6は表1のNo.3を、実施例7
は表1のNo.4を用いた。
【表1】 実施例5〜7は、いずれも良好な接続抵抗(1Ω以下)
と絶縁抵抗(10Ω以上)を示し、また、高温高湿後
の良好な接続信頼性を示した。
【0060】(実施例8)フィルム形成剤としてフェノ
キシ樹脂(PKHC、ユニオンカーバイド株式会社製商
品名、平均分子量45,000) 50g、ラジカル重
合性化合物としてジシクロヘキシルメタアクリレート
48g、りん酸エステル化合物としてりん酸エステルア
クリレート 2g、有機化酸化物として2,5−ジメチ
ル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキ
シ)ヘキサン 3gをメチルエチルケトンを溶媒として
溶解配合し、さらに実施例1と同じポリフタリド粉体を
3体積%配合分散した。厚さ50μmの片面を表面処理
したポリエチレンテレフタレートフィルムに塗工機を用
いて塗布し、70℃、10分間乾燥させ、厚み30μm
の接着フィルムを得た。そして、実施例1と同じ配線板
と半導体チップの電極の間に、前記の接着フィルムを載
置し、両電極の位置合わせ行った後、150℃、4MP
a、20秒間、加熱加圧した。接続抵抗は0.1Ω以
下、絶縁抵抗は10 Ω以上と良好な特性を示した。こ
れらは85℃、85%RH、1000時間処理後もほと
んど変化なく良好な接続信頼性を示した。
【0061】(実施例9)光カチオン重合性化合物とし
て、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート82
8;油化シェルエポキシ株式会社製商品名、エポキシ当
量184)50gを、主に180〜750nmの波長成
分を含む光照射によりカチオン種を発生する重合開始剤
として、トリアリールスルホニウムのヘキサフルオロリ
ン塩混合物50重量%炭酸プロピレン溶液(サイラキュ
アUVI−6990;ユニオンカーバイド社製商品名)
を1.0g、主に加熱によりカチオン種を発生する重合
開始剤として、ベンジルスルホニウムのヘキサフルオロ
アンチモン塩の50重量%酢酸エチル溶液(サンエイド
SI−60L;三新化学工業株式会社製商品名)を3.
0g用いた。フィルム形成材としてビスフェノールA、
F共重合型フェノキシ樹脂(平均分子量20,000)
50gを用い、さらに実施例1と同じポリフタリド粉体
を3体積%配合分散した。厚さ50μmの片面を表面処
理したポリエチレンテレフタレートフィルムに塗工機を
用いて塗布し、70℃、10分間乾燥させ、厚み25μ
mの接着フィルムを得た。ライン幅50μm、ピッチ1
00μm、厚み18μmの銅回路を500本有するフレ
キシブル回路板(FPC、絶縁基板:ポリイミドフィル
ム、厚み;125μm)と、0.2μmの酸化インジウ
ム(ITO)の薄層を形成したガラス(厚み1.1m
m、表面抵抗20Ω/□)とを、紫外線照射併用型熱圧
着装置(加熱方式:コンスタントヒート型、東レエンジ
ニアリング株式会社製)を用いて120℃、2MPaで
20秒間の加熱加圧およびITOガラス側からの紫外線
照射を同時に行って幅2mmにわたり接続し、時間経過
後圧力開放して、接続体を作製した。回路接続材料に照
射される紫外線照射量は2.0J/cm2とした。この
時、あらかじめITOガラス上に、接着フィルムの接着
面を貼り付けた後、70℃、0.5MPaで5秒間加熱
加圧して仮接続し、その後、PETフィルムを剥離し、
接着フィルムからなるフィルム面に、高圧水銀ランプを
有する紫外線照射装置(ウシオ電機株式会社製)を用い
て2.0J/cm2の紫外線を照射した。その後にもう
一方のFPCと位置合わせを行い接続し接続体を得た。
また20秒間の接続の際、加熱加圧のみを開始して3秒
経過した後17秒間の紫外線照射を開始し、加熱加圧2
0秒後に2工程が同時に終了するようにした。接続抵抗
は0.1Ω以下、絶縁抵抗は10Ω以上と良好な特性
を示した。これらは85℃、85%RH、1000時間
処理後もほとんど変化なく良好な接続信頼性を示した。
【0062】(実施例10)タフプレン(スチレン−ブ
タジエンブロックポリマー(旭化成工業株式会社製商品
名)60重量部、YSポリスターT−115(テルペン
フェノール樹脂、安原油脂株式会社製商品名)40重量
部、トルエン200重量部の接着剤溶液に、さらに実施
例1と同じポリフタリド粉体を3体積%配合分散した。
厚さ50μmの片面を表面処理したポリエチレンテレフ
タレートフィルムに塗工機を用いて塗布し、100℃、
20分間乾燥させ、厚み25μmの接着フィルムを得
た。そして、実施例1と同じ配線板と半導体チップの電
極の間に、前記の接着フィルムを載置し、両電極の位置
合わせ行った後、150℃、3MPa、20秒間、加熱
加圧した。接続抵抗は0.1Ω以下、絶縁抵抗は10
Ω以上と良好な特性を示した。これらは85℃、85%
RH、1000時間処理後もほとんど変化なく良好な接
続信頼性を示した。
【0063】(参考例)接着剤として実施例1と同じフ
ィルム形成材としてフェノキシ樹脂(PKHC、ユニオ
ンカーバイド株式会社製商品名、平均分子量45,00
0)、潜在性硬化材としてマイクロカプセル型硬化剤
(HX3941HP、旭化成エポキシ株式会社製商品
名、熱活性温度120℃、DSCピーク温度)を含有す
る液状エポキシ樹脂、応力緩和材としてアクリルゴム及
びビスフェノールA型エポキシを用い、アクリルゴム3
0g、フェノキシ樹脂10g、ビスフェノールA型エポ
キシ10g、マイクロカプセル型硬化剤50g、シラン
カップリンダ剤(東レ・ダウシリコーン株式会社製商品
名;SH6040)1gのトルエン/酢酸エチル=50
/50重量比に溶解ないし分散させた配合液に導電粒子
(ポリスチレンを核とする粒子の表面に、厚み0.2μ
mのニッケル層を設け、このニッケル層の外側に、厚み
0.04μmの金層を設けた平均粒径5μmの導電粒子
を使用)を3体積%分散させ、剥離性を有するように表
面処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(セパ
レータ)上に塗布乾燥し厚み20μmの接着フィルム
(セパレータは図示せず)を用意した。実施例1と同じ
配線板と半導体チップを用い、それらの電極の間に、上
記の接着フィルムを載置し、両電極の位置合わせ行った
後、180℃、5MPa(50kg/cm)、10秒
間、加熱加圧した。実施例1と同様な評価を行なった結
果、良好な接続抵抗(1Ω以下)と絶縁抵抗(10Ω
以上)を示し、また、高温高湿試験後も良好な接続信頼
性を示した。
【0064】以上のように、電極間の導電接続にポリフ
タリドを用いることにより、従来の導電粒子を用いるこ
となく接続抵抗が低く、しかも高温高湿後においても、
その接続抵抗の低さを維持しており、また、面方向にお
いては、絶縁性を示している。ポリフタリドは、圧力が
加わることによりわずかに変形し絶縁性から導電性に変
化するので、接続すべき電極−電極間を加圧して、その
状態を接着剤により固定することで電気的な接続を確保
することができる。一方、面方向に隣接する電極と電極
の間では、圧力が掛からないので絶縁性を維持してい
る。ポリフタリドが粒子で接着剤中に分散している場
合、面方向に隣接する電極と電極の間では、圧力が加わ
らず絶縁性を示し、例え、粒子同士が接触していても圧
力が加わらず変形がないので絶縁性を示す。このこと
は、従来の導電粒子を絶縁物で被覆した場合と同様な効
果を生じるが、本願の場合、導電処理することなく、絶
縁物を被覆することもなく、絶縁物の膜厚の均一性に注
意する必要がないなどの利点がある。
【0065】
【発明の効果】本発明の接着剤とポリフタリドよりなる
接着フィルムによれば、加圧による電気的接続と接着剤
による固定を一度の操作で同時に行なえるので、接続工
程が極めて簡単であり、ポリフタリドは厚み方向の圧力
により導電性を示すので電極ピッチに応じた高密度高精
細な電極接続が可能である。また、電極表面にポリフタ
リドが存在することで電極高さのばらつきの吸収が可能
で信頼性に優れた電極の接続構造がきわめて簡単に得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す接着フィルムを示す
断面模式図である。
【図2】 本発明の一実施例を示す接着フィルムを示す
断面模式図である。
【図3】 本発明の一実施例を示す接着フィルムを示す
断面模式図である。
【図4】 本発明の一実施例を示す接着フィルムを示す
断面模式図である。
【図5】 本発明の一実施例を示す接続構造を示す断面
模式図である。
【図6】 本発明の一実施例を示す接続構造を示す断面
模式図である。
【図7】 本発明の一実施例を示す接続構造を示す断面
模式図である。
【図8】 本発明の一実施例を示す接続構造を示す断面
模式図である。
【符号の説明】
1.接着剤(接着フィルム層) 1’.接着剤(接着フィルム層) 2.ポリフタリド(ポリフタリド薄層) 3.基板 3’基板 4.凸状電極(電極) 4’.凸状電極(電極) 5.貫通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 173/00 C09J 173/00 179/00 179/00 H01L 21/60 311 H01L 21/60 311S H05K 3/32 H05K 3/32 B 3/36 3/36 A (72)発明者 後藤 泰史 茨城県下館市大字五所宮1150 日立化成工 業株式会社五所宮事業所内 Fターム(参考) 4J004 AA05 AA07 AA09 AA10 AA11 AA13 AB03 AB04 AB05 AB07 CA06 CC02 FA05 4J040 DF001 EC001 EC061 EC071 EC161 EH001 EH002 EJ032 EL002 JA09 JB01 JB02 JB08 KA03 NA19 NA20 5E319 AA03 AB06 AC02 BB16 CC61 GG01 GG03 5E344 AA01 AA22 BB02 BB10 CD04 DD10 EE13 5F044 KK01 LL07 LL09 LL13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接着剤とポリフタリドよりなる接着フィ
    ルム。
  2. 【請求項2】 ポリフタリドが式(1)で示される請求
    項1に記載の接着フィルム。 【化1】 (式(1)中、Rは、二価の芳香族炭化水素基または二
    価の複素環含有芳香族基を示し、Rは、水素、アルキ
    ル基、フッ素化アルキル基、アルコキシ基またはハロゲ
    ンで、これは複数個(2〜4個)であってもよく、X
    は、OまたはN−R (但し、Rは次ぎの基を示
    す。)を示し、Yは、SOまたはCOを示し、nはポ
    リマの繰り返し単位の数を示す。) 【化2】
  3. 【請求項3】 接着フィルム中にポリフタリド粉体が分
    散された請求項1または請求項2に記載の接着フィル
    ム。
  4. 【請求項4】 接着フィルム層とポリフタリド薄層とが
    一体化した請求項1または請求項2に記載の接着フィル
    ム。
  5. 【請求項5】 ポリフタリド薄層の要部に貫通孔を形成
    した接着フィルム。
  6. 【請求項6】 対向する電極間にポリフタリドが存在
    し、両電極が接着剤により固定されてなる電極の接続構
    造。
  7. 【請求項7】 対向する電極間に請求項1ないし請求項
    5のいずれかに記載の接着フィルム中のポリフタリドが
    存在し、両電極が接着フィルム中の接着剤により固定さ
    れてなる電極の接続構造。
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