JP2003252330A - 金属製ボトル缶 - Google Patents
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Abstract
しているにも拘わらず、開栓トルクが良好でかつねじ部
の耐腐食性を確実に得ること。 【解決手段】 発泡性マイクロカプセル22を有するイ
ンク21は、缶基体の表面において、ねじ部14を避け
た位置に印刷されており、例えば、ねじ部14より下方
に印刷される。インク21に混入されている発泡性マイ
クロカプセル22としては、気体又は低沸点の液体が封
入されていて、加熱されると体積膨張する性質をもった
小球体であり、加熱されることによって光拡散性を有す
ることから、缶基体の表面がマット感に優れた模様を有
することができる。インク21が塗装された後、その上
にオーバーバーニッシュ23が塗られる。
Description
に係り、特に内容物等を表示するため、発泡性マイクロ
カプセルを有するインクで印刷されたボトル缶に関す
る。
いるボトル缶は、アルミニウムやアルミニウム合金製の
金属板を絞り加工(Drawing)と、次いで行われ
るしごき加工(Ironing)とによって形成され
る、一般にDI缶と呼ばれている缶の上部に、口金部が
形成されて製造されている。このボトル缶に内容物を充
填した後、ボトル缶の口金部にキャップが冠着され、キ
ャップ付きボトル缶とされる。
腐食性を向上させるためや、缶素材と塗膜との密着性を
高めるために塗装処理が施されている。例えば、従来の
ボトル缶は、缶基体の表面に、まずサイズコーティング
が塗装され、十分に焼付け乾燥された後その上に内容物
に合わせた情報や絵柄などがインクによって印刷され、
さらに、その上にウェットオンウェットでオーバーバー
ニッシュが塗装される。サイズコーティングは、その後
に塗装されるインクと金属表面との密着性を良くするた
めに用いられる。オーバーバーニッシュは、塗装された
インクを保護したり、製造時、缶基体をコンベアで移送
する際に缶表面の滑りを良好にし、缶基体同士、あるい
は缶基体とコンベアガイドの摩擦を小さくしてコンベア
の詰まり(ジャム)を防止する。また、近年、ボトル缶
以外の金属製の缶に発泡インクにより塗膜を形成するこ
とが行われている。この塗膜は、塗膜表面に微細な凹凸
が形成されるため、光を乱反射して独特なマット感が得
られるという美観に優れるという特徴を有する。しかし
て、この発泡インクを上述したボトル缶の塗膜形成用に
使用することが考えられる。
缶は、口金部にキャップが巻き締められる構成であり、
口金部にねじ部が形成されており、このねじ部の存在に
より以下の問題が生じる。
して発泡性マイクロカプセルを有するインクで印刷する
と、印刷部の表面に凹凸ができるので、インクが印刷さ
れた後でねじ部が形成された場合に、ねじ部の表面の塗
膜が割れやすくなり、剥離されてしまう結果、ボトル缶
の耐腐食性が低下する問題が生じる。また、缶基体にね
じ部が形成された後、そのねじ部にキャップを装着する
と、発泡性マイクロカプセルによってキャップの開栓ト
ルクが大となるので、キャップが開けにくくなり、開栓
上の問題が生じる。従って、従来、発泡インクによる塗
膜を形成したボトル缶が提供されていないのが実情であ
る。
されたもので、その目的は、発泡インクで塗膜を形成し
ているにも拘わらず、開栓トルクが良好でかつねじ部の
耐腐食性を確実に得ることができる金属製ボトル缶を提
供することにある。
に、この発明は以下の手段を提案している。請求項1に
係る発明は、キャップを装着するねじ部を有する金属製
の缶基体の表面に塗膜が形成された金属製ボトル缶にお
いて、前記塗膜が発泡性マイクロカプセルを有するイン
クにより形成され、かつこの塗膜が缶基体のねじ部より
下方に形成されていることことを特徴とする。
発泡性マイクロカプセルを有するインクを、缶基体のね
じ部より下方に印刷するので、缶基体にねじ部を形成し
ても、インクの発泡性マイクロカプセルがキャップによ
って割れるような影響を受けることがないばかりでな
く、キャップの開栓トルクが高くなることもなく、従っ
て、発泡性マイクロカプセルの機能を良好に活かすこと
ができる。
属製ボトル缶において、前記発泡性マイクロカプセル
は、樹脂からなる外殻を有し、かつ外殻内に気体又は低
沸点の液体を封入していることを特徴とする。この発明
に係る金属製ボトル缶によれば、発泡性マイクロカプセ
ルが、気体又は低沸点の液体が封入されていて、加熱さ
れると体積膨張する性質をもっているので、加熱によっ
て発泡すると、缶基体の表面がマット感に優れた模様を
有することができる。
載の金属製ボトル缶において、前記缶基体の少なくとも
ねじ部にサイズコーティングが塗装されていることを特
徴とする。この発明に係る金属製ボトル缶によれば、缶
基体の少なくともねじ部にサイズコーティングが塗装さ
れているので、発泡性マイクロカプセルを有するインク
と缶基体の表面との密着性を高めることができ、塗装処
理後に行われる加工処理の加工性を向上させることがで
きる。
載の金属製ボトル缶において、前記缶基体の表面全面ま
たは前記ねじ部を除く全面にベースコーティングが塗装
されていることを特徴とする。この発明に係る金属製ボ
トル缶によれば、缶基体の表面全面または前記ねじ部を
除く全面にベースコーティングが塗装されているので、
発泡性マイクロカプセルを有するインクと缶基体の表面
との密着性を高めることができると共に、金属色の影響
を抑えることができる。
いずれかに記載の金属製ボトル缶において、前記缶基体
の表面全面にオーバーバーニッシュが塗装されているこ
とを特徴とする。この発明に係る金属製ボトル缶によれ
ば、缶基体の表面全体にオーバーバーニッシュが塗装さ
れているので、発泡性マイクロカプセルを有するインク
を保護することができると共に、缶基体全体に良好な耐
腐食性を得ることができる。
実施の形態について説明する。図1から図4はこの発明
の一実施の形態を示す金属製ボトル缶の図であって、図
1は金属製ボトル缶を製造工程順に示す説明図、図2は
金属製ボトル缶の缶基体に設けられた口金部を示す拡大
図、図3は口金部のねじ部とこれに装着されたキャップ
とを示す拡大図、図4(a)は缶基体に塗装されたイン
クを示す拡大図及び(b)は発泡性マイクロカプセルが
加熱によって発泡した後の模様を示す拡大図である。
(以下、単に「ボトル缶」と略称す)10は、アルミニ
ウム若しくはアルミニウム合金製の一枚の金属板10A
に絞り加工及びしごき加工の加工処理Aが行われること
によって缶基体11が形成され、次いで、その缶基体1
1の上端部が切断されることによって缶基体11の高さ
が調整されるトリミング処理Bが行われると、缶基体1
1の表面に塗装処理Cが行われる。
2のように缶基体11の全面にサイズコーティング24
が塗装され、その上に発泡性マイクロカプセル22を有
するインク21が塗装され、その上にオーバーバーニッ
シュ23が塗装され、かつ加熱によって乾燥される。
ると、ネックイン処理Dされることにより、缶基体11
の上端側を絞り加工して細い形状とされ口金部12と肩
部18が形成されると共に、加工されなかった部分が胴
部19とされる。その後、口金部12の上端部を若干膨
出させ、更に図1のようにねじ切り処理Eによって図2
に示す膨出部13及びねじ部14が形成される。このね
じ部14の形成時には、図2及び図3に示すように、上
端を外側に折り返してねじ部14の先端に密着させるカ
ール部15が形成されている。
部14が形成されると、内容物の充填工程に移送され、
そこで内容物が充填された後、口金部12にキャップ1
6が巻き締められて密封されるようになっている。な
お、図3において、符号17はキャップ16内に設けら
れたシール材である。
ル22を有するインク21は、缶基体11の表面におい
て、ねじ部14を避けた位置に印刷されており、例えば
図2及び図3のようにねじ部14より下方に印刷されて
いる。この場合、インク21に混入されている発泡性マ
イクロカプセル22としては、内部に気体又は低沸点の
液体が封入されていて、加熱されると図4(a)から
(b)のように体積膨張する性質をもった小球体であ
る。そして、加熱されることによって発泡した発泡性マ
イクロカプセル22は、気泡を含み、光拡散性を有する
ことから金属の光沢感が薄れて、缶基体11の表面がマ
ット感に優れた模様を有する。
は、本例では平均粒径が6〜30μm、特に6〜15μ
mのものが用いられる。その理由は、6μm未満である
と、発泡による泡が小さすぎるので、缶基体11の表面
のマット感が十分に得られず、また15μmを越える
と、オフセット印刷等において発泡性マイクロカプセル
22の転写性能が悪く、発泡性マイクロカプセル22が
版,ブラケット上に残留して印刷不良を招きやすく、更
に塗膜の強度が低下しやすいので、上記の大きさの粒径
とするのが好ましい。
1に対しその種類に応じ適度の重量%で配合することが
好ましいが、少な過ぎて缶基体11の表面がマット感が
十分に得られなくなったり、また多すぎると、印刷時の
インク転移性を損ない、印刷不良を招きやすくなったり
することから、それらを解消し得る程度の割合にするこ
とが望ましい。
有するインク21が塗装された後、その上にオーバーバ
ーニッシュ23が塗装され、発泡によって体積膨張した
発泡性マイクロカプセル22を缶基体11の上に固着す
ると共に、発泡後の発泡性マイクロカプセル22の表面
を保護する。また、オーバーバーニッシュ23は、印刷
された発泡性マイクロカプセル22を十分に覆うような
厚みにより塗装され、その厚みは、発泡性マイクロカプ
セル22の粒径等に応じ適宜選定される。
(ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、アクリル樹脂、エポ
キシ樹脂、等)を溶剤(ソルベッソ150、スワゾール
1000、キシレン、トルエン、1−ブタノール、イソ
ブタノール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル
アセテート、等)で溶かし、ワックス(0.9ラノリ
ン、0.3カルナバ、0.6マイクロクロスタリンポリ
エチレン、0.3PTFE、等)が添加されて構成され
た透明な塗料が塗装されて形成されており、硬くて、滑
りがよい。
樹脂材料(ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、等)を溶剤
(シクロヘキサノン、ソルベッソ100、ソルベッソ1
50、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ート、等)で溶かして構成され、少量の顔料が添加され
る場合もあるが、ほぼ透明な塗料が塗装されて形成され
ている。
うに、缶基体11のねじ部14より下方に発泡性マイク
ロカプセル22を有するインク21が印刷されるので、
その後に缶基体11の口金部12が形成され、かつ口金
部12にねじ部14が形成されても、口金部12及びね
じ部14の形成時に、インク21に含まれている発泡性
マイクロカプセル22が影響を受けることがなく、その
ため、従来のように発泡性マイクロカプセル22が割れ
たり剥離したりすることがない。
しても、インク21の発泡性マイクロカプセル22がキ
ャップ16によって割れるような影響を受けることがな
いばかりでなく、キャップ16の開栓トルクが高くなる
こともなく、従って、発泡性マイクロカプセル22の機
能を良好に活かすことができる。即ち、発泡性マイクロ
カプセル22によって缶基体11の表面がマット感に優
れた模様を有することができる。
体又は低沸点の液体が封入されており、加熱されると体
積膨張する性質をもっているので、加熱によって図4
(b)のように発泡すると、缶基体11の表面がマット
感に優れた模様を有することができる。
ーティング24が塗装されているので、発泡性マイクロ
カプセル22を有するインク21およびオーバーバーニ
ッシュ23と缶基体11の表面とが良好な密着性を得る
ことができる。これにより、塗装処理後に行われる加工
処理において、オーバーバーニッシュ23が缶基体11
の変形に追従するので、加工性を向上させることができ
る。
バーニッシュ23が塗装されているので、発泡性マイク
ロカプセル22を有するインク21を保護することがで
きると共に、ボトル缶10の全体に良好な耐腐食性を得
ることができる。また、オーバーバーニッシュ23は硬
く滑りがよいので、表面の耐磨耗性を向上させ、摩擦を
低減させる効果が得られる。
有するインク21が缶基体11のねじ部14より下方に
塗装されると、ボトル缶10の製造工程を変えることが
不要になり、従来より行われている製造方法で実現する
ことができ、コスト高を招くおそれもない良好なボトル
缶10が得られる。
ボトル缶10’は、サイズコーティング24が塗装され
ずに、缶基体11の表面に発泡性マイクロカプセル22
を有するインク21が塗装され、その上にオーバーバー
ニッシュ23が塗装されて塗膜が形成されている。イン
ク21およびオーバーバーニッシュ23と缶基体11と
が十分な密着性を有する場合は、このように構成するこ
とで塗装工程を減らすことができ、製作コストを下げる
ことができる。
グ24が塗装されて構成されたボトル缶や、口金部12
と肩部18とにサイズコーティング24が塗装されて構
成されたボトル缶としてもよい。また、サイズコーティ
ング24ではなく、顔料が添加されて構成された不透明
な塗料が使用されたベースコーティングが用いられるこ
とで金属色の影響を抑える場合もあり、口金部12と肩
部18と胴部19とにベースコーティングが塗装されて
構成されたボトル缶としてもよい。また、胴部19と肩
部18とにベースコーティングが塗装されて構成された
ボトル缶とすることで、トリミング処理Bにおいて、塗
料によるトリミング工具の磨耗を抑えることができると
共に、キャップ16の開栓トルクが高くなる事を防止で
きる。また、発泡性マイクロカプセル22を有するイン
ク21が胴部19のみに塗装されて構成されたボトル缶
としてもよい。
8、および胴部19で分けられた塗装範囲は、それらの
塗装範囲から多少ずれて塗装されても何ら問題はなく、
例えば口金部12と肩部18とにサイズコーティング2
4が塗装される場合、胴部19に2〜3mm程度塗装さ
れていてもよい。また、缶基体11の表面全面にオーバ
ーバーニッシュ23およびサイズコーティング24が塗
装されている場合、口金部12の先端部から2〜3mm
程度を除く下方の範囲全面であってもよい。
10として、アルミニウム若しくはアルミニウム合金に
よって形成された例を示したが、この材質に限定される
ものではなく、他の金属、例えば加工性に優れたスズめ
っき鋼板等で形成しても同様の効果が得られる。
明によれば、缶基体にねじ部を形成しても、インクの発
泡性マイクロカプセルが何等影響を受けることがなく、
またキャップの開栓トルクが高くなることがないように
構成したので、発泡性マイクロカプセル入りのインクの
機能を良好に得ることができ、また、ボトル缶の製造工
程を変えることが不要になり、コスト高を招くおそれの
ない良好なボトル缶が得られる効果がある。
クロカプセルが加熱によって発泡すると、缶基体の表面
がマット感に優れた模様を有することができる。
なくともねじ部にサイズコーティングが塗装されている
ので、発泡性マイクロカプセルを有するインクと缶基体
の表面との密着性を高めることができ、塗装処理後に行
われる加工処理の加工性を向上させることができる。
面全面または前記ねじ部を除く全面にベースコーティン
グが塗装されているので、発泡性マイクロカプセルを有
するインクと缶基体の表面との密着性を高めることがで
きると共に、金属色の影響を抑えることができる。
クロカプセルを有するインクを保護することができると
共に、缶基体のねじ部を形成しても、ねじ部部分のオー
バーバーニッシュが剥がれるおそれがなくなり、ねじ部
の耐腐食性が損なわれるのを防止することができ、良好
なボトル缶が得られる効果がある。
缶を製造工程順に示す説明図である。
を示す拡大図である。
とを示す拡大図である。
3のA−A線の拡大図、及び(b)は発泡性マイクロカ
プセルが加熱によって発泡した後の模様を示す拡大図で
ある。
金部を示す拡大図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 キャップを装着するねじ部を有する金属
製の缶基体の表面に塗膜が形成された金属製ボトル缶に
おいて、 前記塗膜が発泡性マイクロカプセルを有するインクによ
り形成され、かつこの塗膜が缶基体のねじ部より下方に
形成されていることを特徴とする金属製ボトル缶。 - 【請求項2】 請求項1記載の金属製ボトル缶におい
て、 前記発泡性マイクロカプセルは、樹脂からなる外殻を有
し、かつ外殻内に気体又は低沸点の液体を封入している
ことを特徴とする金属製ボトル缶。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の金属製ボトル缶に
おいて、 前記缶基体の少なくとも前記ねじ部にサイズコーティン
グが塗装されていることを特徴とする金属製ボトル缶。 - 【請求項4】 請求項1又は2記載の金属製ボトル缶に
おいて、 前記缶基体の表面全面または前記ねじ部より下方にベー
スコーティングが塗装されていることを特徴とする金属
製ボトル缶。 - 【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載の金属
製ボトル缶において、 前記缶基体の表面全面にオーバーバーニッシュが塗装さ
れていることを特徴とする金属製ボトル缶。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002108074A JP2003252330A (ja) | 2001-12-28 | 2002-04-10 | 金属製ボトル缶 |
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---|---|---|---|
JP2001-401174 | 2001-12-28 | ||
JP2001401174 | 2001-12-28 | ||
JP2002108074A JP2003252330A (ja) | 2001-12-28 | 2002-04-10 | 金属製ボトル缶 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007287873A Division JP2008056358A (ja) | 2001-12-28 | 2007-11-05 | 金属製ボトル缶 |
Publications (1)
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Family Applications (1)
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JP2002108074A Pending JP2003252330A (ja) | 2001-12-28 | 2002-04-10 | 金属製ボトル缶 |
Country Status (1)
Country | Link |
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