JPH0522343U - 印刷ツーピース缶 - Google Patents

印刷ツーピース缶

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JPH0522343U JP7047991U JP7047991U JPH0522343U JP H0522343 U JPH0522343 U JP H0522343U JP 7047991 U JP7047991 U JP 7047991U JP 7047991 U JP7047991 U JP 7047991U JP H0522343 U JPH0522343 U JP H0522343U
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(57)【要約】 【目的】 缶胴側壁を薄肉化して飲料缶として望ましい
缶ハイトを確保しながら、成形後の缶胴表面の脱脂洗浄
や密着性を向上させるための表面処理等を必要とせず
に、精緻でしかも鮮明さ、密着性及び耐久性に優れた印
刷層を備えた印刷ツーピース缶を提供する。 【構成】 金属基体の内外面に熱可塑性ポリエステルフ
ィルムを積層した積層体を、側壁部の厚みが底部の厚み
よりも薄肉化されるように、曲げ及び曲げ戻し加工によ
り深絞り延伸成形することにより得られ且つ外面ポリエ
ステルフィルム層が平均粗さ0.2μm以上の表面粗度
と分子配向とを有するツーピース缶胴の外面に、印刷イ
ンキ層と該印刷インキ層上の仕上げニス層とを順次形成
させる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、印刷ツーピース缶に関するもので、より詳細には、ポリエステル被 覆積層板の深絞り成形で生成され且つ表面に印刷層を有するツーピース缶に関す る。
【0002】
【従来の技術】
従来、缶詰用ツーピース缶としては、ブリキ、テインフリースチール等の表面 処理鋼板やアルミ等の金属板を絞りポンチと絞りダイスとの間で絞り成形し、必 要によりしごきポンチとしごきダイスとの間でしごき加工を行ったものが知られ ている。これらの缶には、内容物や出所を表示し、且つ購買意欲をそそるための 印刷を行っている。
【0003】 本考案者等の提案にかかる特開平1−317629号公報には、事前印刷され た金属素材を絞り−再絞り成形に付すると共に、再絞り成形で曲げ及び曲げもど し変形で側壁部を薄肉化することにより形成された、少なくとも側壁部外面に印 刷像を現出させた絞り成形印刷缶が提案されている。
【0004】 上記提案は、缶胴側壁を薄肉化して飲料缶として望ましい缶ハイトを確保しな がら、成形後の個々の成形体に塗装や印刷を施すことによる操作の複雑さを解消 し、平板状素材に対して絞り成形に先立って、事前に塗装印刷を施すという点で 優れたものであるが、金属素材の塑性流動特性に異方性があると共に、個々の金 属によりバラツキが避けられないため、精緻な印刷を必要とする場合には未だ十 分ではない。
【0005】 勿論、深絞り或いはしごき成形後の缶胴にホワイトコーチング及び印刷等を施 す場合には、精緻な印刷が可能であるが、この場合には、成形後の缶胴表面の脱 脂洗浄及び密着性を向上させるための表面処理等が必要となり、工程数が多くな り、生産性の点でも、製造コストの上でも満足し得るものではない。勿論、この 様な後処理工程を省略することが当然考えられるが、その場合に印刷層が不鮮明 となったり、印刷層がはげ落ちたりするという不都合を避け得ない。
【0006】 従って、本考案の目的は、缶胴側壁を薄肉化して飲料缶として望ましい缶ハイ トを確保しながら、成形後の缶胴表面の脱脂洗浄や密着性を向上させるための表 面処理等を必要とせずに、精緻でしかも鮮明さ、密着性及び耐久性に優れた印刷 層を備えた印刷ツーピース缶を提供するにある。
【0007】
【問題点を解決するための手段】
本考案によれば、金属基体の内外面に熱可塑性ポリエステルフィルムを積層し た積層体を、側壁部の厚みが底部の厚みよりも薄肉化されるように、曲げ及び曲 げ戻し加工により深絞り延伸成形することにより得られ且つ外面ポリエステルフ ィルム層が平均粗さ0.2μm以上の表面粗度と分子配向とを有するツーピース 缶胴の外面に、印刷インキ層と該印刷インキ層上の仕上げニス層とを順次形成さ せてなることを特徴とする印刷ツーピース缶が提供される。
【0008】
【作用】
本考案の印刷ツーピース缶では、金属基体の内外面に熱可塑性ポリエステルフ ィルムを積層した積層体を用いることと、この積層体を曲げ及び曲げ戻し加工に より深絞り延伸成形することとの両方が重要である。曲げ及び曲げ戻し加工によ り深絞り延伸成形では、側壁部の厚みが底部の厚みよりも薄肉化され、これによ り飲料缶として望ましい缶ハイトが確保されるという利点が得られるが、それに 加えて、加工後に行う印刷操作及び印刷層の特性の点で次の顕著な利点をもたら す。
【0009】 先ず、内外面に存在する熱可塑性ポリエステルフィルムは、深絞り延伸成形に 際して、この積層体に潤滑性能を付与し、また成形加工に際して、潤滑剤を施し た場合にも、このフィルム上に残留する潤滑剤が、印刷インキの密着性に悪影響 を及ぼさないという予想外の利点を与える。このため、本考案によれば、成形後 の缶胴表面の脱脂洗浄や密着性を向上させるための表面処理等が不要となり、製 造設備及びコストの点で著しく有利となる。
【0010】 次に、本考案で採用する曲げ及び曲げ戻し加工では、板の一方の側が曲げによ り伸ばされると共に、他方の側が曲げ戻しにより伸ばされることにより側壁部の 延伸成形が進行するが、これに伴って金属板の胴部側壁部には底部には認められ ない粗面、即ち凹凸が形成される。本考案に従い、金属基体の内外面に熱可塑性 ポリエステルフィルムを積層した積層体では、少なくとも外面ポリエステルフィ ルム層に、延伸に伴う一軸配向が付与されると共に、平均粗さ0.2μm以上の 表面粗度とが付与される。金属板表面の粗面がポリエステル表面に転写される理 由は、ポリエステルが他の樹脂に比して大きい剛性を有すること及びポリエステ ルが分子配向されることにより基体表面の転写が容易となるためと思われる。印 刷インキ層が形成されるポリエステル表面が粗面であることは、アンカーリング (投錨)効果により、印刷インキ層のポリエステル表面への密着性を高めるとい う作用をもたらす。
【0011】 更に、深絞り缶の外面に存在するポリエステルフィルム層が配向結晶化されて いるため、このフィルム層は耐熱性に顕著に優れており、印刷インキ層の硬化を 高温で行うことを可能にして、インキの密着性及び耐久性を更に向上させ得るこ とになる。また、印刷インキ層の上に仕上げニス層を形成させたので、耐摩耗性 、耐傷性、美観等を向上させることができる。
【0012】
【実施例】
本考案の印刷ツーピース缶を示す図1において、この印刷ツーピース缶1は底 部2と底部2に対して継目なしに一体に形成された周状側壁部3とから成ってい る。この周状側壁部3は高度に絞られていて、缶高(H)と缶径(D)との比( H/D)は一般に1.0乃至4.0、特に1.1乃至3.8であり、しかも側壁 部3は引き延ばされて薄肉化されていて、側壁部厚(tW)と底部厚(tB)との比 (tW /tB)は一般に0.67乃至1.00、特に0.70乃至0.96である 。この側壁部3には印刷4aが設けられている。
【0013】 印刷ツーピース缶の側壁部の断面構造を示す図2において、金属基板4の両表 面には、クロム酸処理被膜の如き化成皮膜5a,5bが設けられ、この化成皮膜 上に必要に応じ接着プライマー層6aを介して熱可塑性ポリエステルフィルムの 内面層7a、及び必要に応じ接着プライマー層6bを介して熱可塑性ポリエステ ルフィルムの外面層7bが設けられている。熱可塑性ポリエステルフィルム層は 、側壁部の曲げ及び曲げ戻しによる延伸薄肉化に伴い缶軸方向に優先的に分子配 向しており、且つ表面に微細な凹凸からなる粗面8(図2では凹凸が強調されて 示されている)を有している。外面側ポリエステルフィルム層上には、深絞り延 伸成形後印刷された印刷インキ層9があり、この印刷インキ層の全面を覆う仕上 げニス層10がある。
【0014】 内面ポリエステルフィルム層7aは、その優れた腐食成分に対するバリアー性 と連続性を生かして実質上顔料未配合の透明フィルムであり、一方外面ポリエス テルフィルム層7bは、印刷インキ層9に対するバックグランドとなるため、白 色顔料、着色剤、パールエッセンス、メタリック顔料等が配合された白色乃至着 色フィルムである。この印刷ツーピース缶の底部2は、印刷インキ層が設けられ ていない以外は、側壁部と同様の積層構成であるが、底部では絞りによる延伸を 受けていないため、ポリエステル層は、積層に使用したポリエステルフィルムの 分子配向、一般に二軸配向を保有している。底部ポリエステルフィルム外層には 、仕上げニスが施されていてもよいし、いなくてもよい。
【0015】 ラミネートに用いる熱可塑性ポリエステルフィルムフィルムとしては、ポリエ チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、エチレンテレフタレート /イソフタレート共重合体等のそれ自体公知のポリエステルフィルムを挙げるこ とができる。これらのフィルムは未延伸のものでも、二軸延伸のものでもよい。
【0016】 好適なフィルムは、エチレンテレフタレート単位を主体とするコポリエステル からなっており、一般に共重合ポリエステル中の二塩基酸成分の70モル%以上 、特に75モル%以上がテレフタル酸成分から成り、ジオール成分の70モル% 以上、特に75モル%以上がエチレングリコールから成り、二塩基酸成分及び/ 又はジオール成分の1乃至30モル%、特に5乃至25モル%がテレフタル酸以 外の二塩基酸成分及び/又はエチレングリコール以外のジオール成分から成るこ とが好ましい。
【0017】 テレフタル酸以外の二塩基酸としては、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸:シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族 ジカルボン酸:コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪 族ジカルボン酸:の1種又は2種以上の組合せが挙げられ、エチレングリコール 以外のジオール成分としては、プロピレングリコール、1,4 −ブタンジオール、 ジエチレングリコール、1,6 −ヘキシレングリコール、シクロヘキサンジメタノ ール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等の1種又は2種以上が挙 げられる。これらのコモノマーの組合せは、共重合ポリエステルの融点が210 乃至252℃の範囲となっているのがよい。
【0018】 用いるポリエステルは、フィルムを形成するに足る分子量を有するべきであり 、このためには固有粘度(I.V.)が0.55乃至1.9dl/g 、特に0.65乃至1.4dl/g の範 囲にあるものが望ましい。 用いるポリエステルフィルムは、二軸延伸されていることが積層作業性の点で 好ましく、二軸配向の程度は、偏光蛍光法、複屈折法、密度勾配管法密度等でも 確認することができる。 また、フィルムの厚みは、腐食成分に対するバリヤー性と加工性との兼ね合い から、8乃至50μm、特に12乃至40μmの厚みを有することが望ましい。
【0019】 本考案に用いるフィルムには、金属板を隠蔽し、また絞り−再絞り成形時に金 属板へのしわ押え力の伝達を助ける目的で無機フィラー(顔料)を含有させるこ とができる。 無機フィラーとしては、ルチル型またはアナターゼ型の二酸化チタン、亜鉛華 、グロスホワイト等の無機白色顔料:バライト、沈降性硫酸バリウム、炭酸カル シウム、石膏、沈降性シリカ、エアロジル、タルク、焼成或は未焼成クレイ、炭 酸バリウム、アルミナホワイト、合成乃至天然のマイカ、合成ケイ酸カルシウム 、炭酸マグネシウム等の白色体質顔料:カーボンブラック、マグネタイト等の黒 色顔料:ベンガラ等の赤色顔料:シエナ等の黄色顔料:群青、コバルト青等の青 色顔料を挙げることができる。これらの無機フィラーは、樹脂当り10乃至500 重量%、特に10乃至300 重量%の量で配合させることができる。
【0020】 金属板としては各種表面処理鋼板やアルミニウム等の軽金属板が使用される。 表面処理鋼板としては、冷圧延鋼板を焼鈍後二次冷間圧延し、亜鉛メッキ、錫 メッキ、ニッケルメッキ、電解クロム酸処理、クロム酸処理等の表面処理の一種 または二種以上行ったものを用いることができる。好適な表面処理鋼板の一例は 、電解クロム酸処理鋼板であり、特に10乃至200mg/m2 の金属クロム層 と1乃至50mg/m2 (金属クロム換算)のクロム酸化物層とを備えたもので あり、このものは塗膜密着性と耐腐食性との組合せに優れている。表面処理鋼板 の他の例は、0.5乃至11.2g/m2 の錫メッキ量を有する硬質ブリキ板で ある。このブリキ板は、金属クロム換算で、クロム量が1乃至30mg/m2 と なるようなクロム酸処理或はクロム酸/リン酸処理が行われていることが望まし い。更に他の例として、アルミニウムメッキ、アルミニウム圧接等を行ったアル ミニウム被覆鋼板を用いることもできる。
【0021】 軽金属板としては、所謂純アルミニウム板の他にアルミニウム合金板が使用さ れる。耐腐食性と加工性との点で優れたアルミニウム合金板は、Mn:0.2乃 至1.5重量%、Mg:0.8乃至5重量%、Zn:0.25乃至0.3重量% 、及びCu:0.15乃至0.25重量%、残部がAlの組成を有するものであ る。これらの軽金属板も、金属クロム換算で、クロム量が20乃至300mg/ m2 となるようなクロム酸処理或はクロム酸/リン酸処理が行われていることが 望ましい。
【0022】 金属板の素板厚(tB )は、金属の種類、容器の用途或はサイズによっても相 違するが、一般に0.10乃至0.50mmの厚みを有するのがよく、この内で も表面処理鋼板の場合には、0.10乃至0.30mmの厚み、また軽金属板の 場合には0.15乃至0.40mmの厚みを有するのがよい。
【0023】 フィルムの金属板への積層は、熱融着法、ドライラミネーション法等それ自体 公知の手段で行われ、フィルムと金属板との間に接着性(熱融着性)が乏しい場 合には、例えばウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、酸変性オレフィン樹脂系 接着剤、コポリアミド系接着剤、コポリエステル系接着剤等を介在させることが できる。
【0024】 積層金属素材1aを、図3に示す剪断工程において、剪断ダイス11と剪断ポ ンチ12との組合せを用いて円形のブランク13に打抜く。次いで、図4に示す 前絞り工程において、最終成形体よりも大きい口径を有する前絞りダイス14と しわ押え15との間で円形ブランク13を挟み、前絞りポンチ16を押込んで、 前絞りカップ17を製造する。
【0025】 最後に、再絞り工程を示す図5において、前絞りカップ17をこのカップ内に 挿入した環状保持部材18とその下に位置する再絞りダイス19とで保持し、保 持部材18内を出入し得るように設けられた再絞りポンチ20を押込む。前絞り カップ17は環状保持部材18の環状底面21と再絞りダイス19の上面22と で規定される水平面を通り、再絞りダイス19の曲率の小さい作用コーナ部23 により軸方向にほぼ垂直に曲げられ、小径の最終成形体に深絞り成形されると共 に、曲げ及び曲げもどし変形により側壁部の薄肉化が行われる。
【0026】 即ち、前絞りカップ17は十分なバックテンションの下に曲率半径Rdを有す る再絞りダイスの作用コーナ部23に沿って強制的に曲げられる。この場合、素 材1aの作用コーナ部側の面では歪は生じないが、作用コーナ部と反対側の面で は引張りによる歪を受ける。この歪量εS は、作用コーナ部の曲率半径をRd及 び板厚をtとしたとき、下記式
【数1】 2π(Rd+t)−2πRd t εS =─────────────── = ───── 2πRd Rd で与えられる。金属板の面(内面)は、作用コーナ部でεS だけ引き伸ばされる が、他方の面(外面)は作用コーナ部直下でバックテンションによりεS と同じ 量伸ばされることになる。
【0027】 このように被覆金属板は曲げ及び曲げ戻し変形されることにより、その厚みが 薄肉化されるが、その厚み変化率εt は、下記式
【数2】 −t εt = ────── Rd+t で与えられる。上記「数2」から作用コーナ部の曲率半径Rdを小さくすること が被覆金属板を薄肉化するのに有効であること、即ち、Rdを小さくすればする ほど、厚みの変化|εt |は大きくなることがわかる。また、作用コーナ部の曲 率半径Rdを一定にして考えると、作用コーナ部を通る被覆金属板の厚みtが増 大するほど、厚みの変化|εt |が大きくなることがわかる。
【0028】 以上説明した曲げ及び曲げ戻し加工により、板の一方の側が曲げにより伸ばさ れると共に、他方の側が曲げ戻しにより伸ばされることにより、側壁部の延伸成 形が進行するが、これに伴って金属板の胴部側壁部には底部には認められない粗 面、即ち凹凸が形成され、また外面ポリエステルフィルム層に、延伸に伴う一軸 配向が付与されると共に、平均粗さ0.2μm以上の表面粗度とが付与されるこ とになる。
【0029】 絞り成形及び再絞り成形に際して、被覆金属板或いは更にカップに、各種滑剤 、例えば流動パラフィン、合成パラフィン、食用油、水添食用油、パーム油、各 種天然ワックス、ポリエチレンワックスを塗布して成形を行うのがよい。滑剤の 塗布量は、その種類によっても相違するが、一般に0.1 乃至10mg/dm2 、 特に0.2 乃至5mg/dm2 の範囲内にあるのがよく、滑剤の塗布は、これを溶融状態で表面に スプレー塗布することにより行われる。これらの滑剤乃至潤滑剤がそのまま残留 していても、印刷インキの密着低下とならないことが本考案の顕著な利点であり 、かくして本考案では深絞り延伸成形後の缶を脱脂洗浄等の後処理を経ることな く次の印刷工程に賦することができる。 絞り成形は、室温で行うこともできるが、一般には20乃至95℃、特に20 乃至90℃の温度で行うことが望ましい。
【0030】 印刷は、前述した方法で製造される深絞り延伸成形缶の側面に、平版印刷、オ フセット印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、凸版印刷、凹版印刷、電子写真 印刷等の任意の印刷により行うことができ、印刷インキとしては、それ自体公知 の任意の印刷インキ、例えばオレオレジナス系、アルキド系、ウレタン系、エポ キシ系等のインキや紫外線硬化型インキ等が使用される。
【0031】 印刷インキの焼き付けは、高温でできることも本考案の利点の一つであり、例 えば150乃至230℃の温度で、0.5乃至2分間程度の硬化を行うことがで きる。勿論紫外線による硬化も可能である。
【0032】 印刷インキ層を保護するために、それ自体透明性と耐傷性とに優れた仕上げニ スを施す。この様な仕上げニスとしては、セルロース誘導体系ラッカー、アクリ ル樹脂ラッカー、アミノ樹脂系ラッカー等を用いることができる。仕上げニスの 厚みは、一般に0.2乃至2μmの範囲にあるのがよい。
【0033】 成形印刷後の缶は、フランジのトリミング、ドーミング加工、ネックイン加工 、フランジ加工等の各種加工を行い、ツーピース缶用の缶胴とする。 本考案の効果を次の実験例で更に詳細に説明する。
【0034】
【実施例】
実施例1 素板厚0.18mm、調質度DR−9のテインフリースチール(表面処理被膜 量として金属クロム量120mg/m2 、クロム酸化物量15mg/m2 とした 。)の缶内面にある側にクリアの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET )フィルム(厚み25μm)を、一方缶外面にある側に二酸化チタン含有二軸延 伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚み20μm)を両面同時 に熱接着することにより、樹脂被覆金属板を得た。この被覆金属板にパーム油を 塗布し、直径187mmの円板に打ち抜き、常法に従って浅絞りカップに成形し た。この絞り工程における絞り比は1.4である。
【0035】 次いで第1次、第2次、第3次再絞り工程では、絞りカップを80℃に予備加 熱した後、再絞り成形を行った。この時の第1次乃至第3次の再絞り工程の成形 条件は次の通りである。 第1次再絞り比 1.25 第2次再絞り比 1.25 第3次再絞り比 1.25 再絞りダイスの作用コーナ部の曲率半径 0.40mm
【0036】 缶胴の薄肉化のために、曲げ伸ばし法による再絞り加工を施した。このように して行った絞り、再絞り工程では加工性に何等問題がなく、得られた深絞りカッ プの諸特性は以下の通りである。 カップ径 66mm カップの高さ 140mm 側壁厚み変化率 −20% 外面PETフィルム胴部平均粗さRa 0.39 外面PETフィルム底部平均粗さRa 0.15
【0037】 この後、常法に従ってドーミング成形を行った後、フィルムの熱固定処理を行 ないトリミングを行った。次いで印刷工程において通常のインキ及び仕上ニスを 使用し、外面印刷を施し焼付けた後、ネックイン−フランジ加工を施し、薄肉化 印刷ツーピース缶を作成した。
【0038】 このようにして得られた薄肉化印刷ツーピース缶は工程途中、特にネックイン −フランジ加工において外面印刷のインキ及び仕上ニスが剥離することなく加工 が出来た。またこの容器をレトルト処理(125℃で30分間)を行い、外面印 刷の密着性評価を行ったが、何等異常は認められず、容器として満足できる美麗 な外観が得られた。
【0039】
【考案の効果】
本考案によれば、金属基体の内外面に熱可塑性ポリエステルフィルムを積層し た積層体を、側壁部の厚みが底部の厚みよりも薄肉化されるように、曲げ及び曲 げ戻し加工により深絞り延伸成形し、外面ポリエステルフィルム層に平均粗さ0 .2μm以上の表面粗度と分子配向とを付与し、外面に印刷インキ層と仕上げニ ス層とを順次形成させることにより、缶胴側壁を薄肉化して飲料缶として望まし い缶ハイトを確保しながら、成形後の缶胴表面の脱脂洗浄や密着性を向上させる ための表面処理等を必要とせずに、精緻でしかも鮮明さ、密着性及び耐久性に優 れた印刷層を備えた印刷ツーピース缶を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案による印刷ツーピース缶の一例の全体を
示す斜視図である。
【図2】図1の印刷ツーピース缶体の周状側壁部の断面
構造を示す拡大断面図である。
【図3】図1に示す印刷ツーピース缶体の製造工程を説
明するための説明図であって、円板への剪断工程を示
す。
【図4】図1に示す印刷ツーピース缶体の製造工程を説
明するための説明図であって、円板からの前絞り工程を
説明する側面図である。
【図5】曲げ及び曲げ戻しによる深絞り延伸成形工程を
示す側断面図である。
【記号の説明】
引照数字1は印刷ツーピース缶、2は底部、3は周状側
壁部、4は金属基板、5a、5bは化成皮膜、6a、6
bは接着プライマー層、7a、7bは熱可塑性ポリエス
テルの内面及び外面層、8は粗面、9は印刷インキ層、
10は仕上げニス層、11は剪断ダイス、12は剪断ポ
ンチ、13は円形ブランク、14は前絞りダイス、15
はしわ押え、1は前絞りポンチ、 17は前絞りカッ
プ、18は環状保持部材、19は再絞りダイス、20は
再絞りポンチ、23は作用コーナー部。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属基体の内外面に熱可塑性ポリエステル
    フィルムを積層した積層体を、側壁部の厚みが底部の厚
    みよりも薄肉化されるように、曲げ及び曲げ戻し加工に
    より深絞り延伸成形することにより得られ且つ外面ポリ
    エステルフィルム層が平均粗さ0.2μm以上の表面粗
    度と分子配向とを有するツーピース缶胴の外面に、印刷
    インキ層と該印刷インキ層上の仕上げニス層とを順次形
    成させてなることを特徴とする印刷ツーピース缶。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000071406A (ja) * 1998-09-03 2000-03-07 Mitsubishi Polyester Film Copp 金属容器被覆用ポリエステルフィルム
JP2003252330A (ja) * 2001-12-28 2003-09-10 Mitsubishi Materials Corp 金属製ボトル缶

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