JPH0616740Y2 - 被覆深絞りアルミニウム缶 - Google Patents

被覆深絞りアルミニウム缶

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JPH0616740Y2
JPH0616740Y2 JP6808689U JP6808689U JPH0616740Y2 JP H0616740 Y2 JPH0616740 Y2 JP H0616740Y2 JP 6808689 U JP6808689 U JP 6808689U JP 6808689 U JP6808689 U JP 6808689U JP H0616740 Y2 JPH0616740 Y2 JP H0616740Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、被覆深絞りアルミニウム缶に係り、より詳細
には、内外樹脂被膜層が耐腐食性、絞り成形性及び缶の
美観に関して最適の組合せを与えるように構成された軽
量な被覆深絞りアルミニウム缶に関する。
(従来技術) アルミニウム板あるいは表面処理鋼板等の金属素材を、
絞りダイスとポンチとの間で一段或は多段の絞り加工に
賦し、側面に継目のない胴部と該胴部に継目無しに一体
に接続された底部とからなる側面無継目缶(シームレス
缶)を製造することは広く行われている。また、所望に
より前記胴部に、しごきポンチとしごきダイスとの間で
しごき加工を加えて、容器胴部を薄肉化したものが知ら
れている。また、しごき加工の代わりに、再絞りダイス
の曲率コーナ部で曲げ延ばしして側壁部を薄肉化するこ
とも既に知られている(特表昭56-501442号公報)。
ところで、このようなシームレス缶は樹脂フイルムラミ
ネート表面を有する通常の表面処理金属板からも製造さ
れるが、先行技術として熱可塑性ポリエステル類をラミ
ネートフイルムとしたものが知られている(特公昭59-3
4580号公報)。また、熱可塑性樹脂フイルムの内でも二
軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)のフイル
ムは、腐食性成分に対するバリヤ性に優れ且つ耐熱性に
も優れたものであることから、表面処理アルミニウム板
に対して二軸延伸PETフイルムをラミネートし、これ
を絞り乃至深絞り缶の素材として用いることが考えられ
ている。
(考案が解決しようとする課題) しかしながら、このようなアルミニウム板などの被覆金
属板の絞り成形に際しては、容器側壁部となる部分では
径方向(缶高さ方向)には引き延ばされるが周方向には
圧縮されるような塑性流動を生じる。そのため、金属と
樹脂被覆の塑性変形挙動に著しい相違があると、両者の
剥離を生じたり、或は弾性率の小さい樹脂被覆層にクラ
ック、ピンホールが発生して、被覆深絞り缶の耐腐食性
が低下する。
金属缶の分野では、用いる金属板の厚みを減少させ、金
属のコストを低減させると共に、容器を軽量化させよう
とする絶えざる要求がある。しかしながら、樹脂フイル
ム積層金属板の絞り成形において、金属板の厚みを小さ
くすると、前述した圧縮応力により皺が発生しやすくな
る等、絞り成形作業性や生産性が低下することになる。
種々の製缶用金属板の内でも、アルミニウム板は軽量で
あるが、そのままの素材として用いると、粉末状の酸化
アルミが缶の内外面に発生し、工具にビルドアップする
傾向があり生産上問題が生じてくる。
また、アルミニウム板に樹脂フイルムを積層して、絞り
成形を行う場合には、アルミニウム板と樹脂フイルムと
の接着性が必ずしも高くなく、剥離を生じる傾向があ
り、更にアルミニウム地金が耐腐食性に劣るため、樹脂
フイルムにピンホールやクラックが発生すると、アルミ
ニウム地金の孔食を生じて漏洩につながり易い。
従って、本考案の目的は、内外樹脂被覆層が耐腐食性、
絞り成形性及び缶の美観に関して最適な組合せを与える
ように構成された軽量な被覆深絞りアルミニウム缶を提
供することにある。
(課題を解決するための手段) 本考案によれば、両表面にリン酸−クロム酸系処理被膜
を有する表面処理アルミニウム合金板と、該表面処理ア
ルミニウム合金板の缶内面となる側に接着プライマ乃至
接着剤層を介して設けられたクリヤポリエステル系分子
配向フイルム層と、該表面処理アルミニウム合金板の缶
外面となる側に接着プライマ乃至接着剤層を介して設け
られた二酸化チタン含有ポリエステル系分子配合フイル
ム層と、該二酸化チタン含有ポリエステル系フイルム層
上に設けられた印刷インキ層と、該印刷インキ層上の仕
上ニスとからなる積層構造を有することを特徴とする被
覆深絞りアルミニウム缶が提供される。
本考案によればまた、前記特徴を有し、且つ缶底部に比
較して缶胴部の厚みが実質上薄肉化されることを特徴と
する被覆深絞りアルミニウム缶が提供される。
(作用) 本考案で、金属素材としてアルミニウム合金板を用いる
のは、缶の軽量化が可能であることにもよるが、純アル
ミニウムに比べて耐食性、加工性に優れていることによ
る。即ち、アルミニウム合金板とは、アルミニウムを主
体とし、これに周期律表第I族、第II族、第VII族の金
属の少なくとも1種を小量含有させたものであるが、こ
れらの金属の配合によりアルミニウムの優れた加工性を
損なうことなしに、その耐食性を向上させることが出来
る。更に両表面にリン酸−クロム酸系処理被覆を有する
ようにしたのは、このものが厚みの小さい軽量缶とした
ときにも緻密な化合物層の存在により耐腐食性が大であ
り、該化合物層の存在により、有機樹脂被覆層との密着
性が大であることによる。
しかしながら、上記表面処理アルミニウム合金板はアル
ミニウム板よりは耐食性に優れているものの、絞り−再
絞り成形時に処理被膜に傷が入ることを避け得なく、ま
た内容物に対する耐食性も未だ充分でない、これを防止
するために樹脂被膜を設けるが、本考案ではこの表面処
理アルミニウム合金板に対して、接着プライマ或は接着
剤層を介して、缶内面と成る側にクリアポリエステル系
分子配向フイルム層を、缶外面と成る側に二酸化チタン
含有ポリエステル系分子配向フイルム層を設けることが
特徴である。
クリアポリエステル系分子配向フイルム層は後述する二
酸化チタン等の顔料や不透明充填剤が含まれておらずク
リヤー、即ち透明層に成っており、このような添加物が
存在しないことによって絞り加工時にポンチ等の加工工
具と接触する缶内面は抜けが良くなっている。このた
め、缶内面の分子配向フイルム層はボイドの発生が少な
く、缶内面の美観がよく缶内容物に対して充分なバリア
性を有するものである。また、工具の表面はこのような
フイルム層と接触するため粗れも減少しており、これは
大量生産ラインにおいて被覆深絞り缶の絞り成形性を向
上させるものである。特に缶胴を薄肉にする曲げ伸ばし
やしごき工程を加えることにより、例えば缶底部に比較
して 缶胴部の厚みを1/20乃至1/2に薄肉化する
場合には、ボイドの発生、抜けの悪さ等の欠点を生じ易
いが、このようなフイルム層の存在がこれらの欠点を防
止し充分な美観と、優れた耐腐食性と、絞り成形性とを
与えるのである。このような美観等の優れた薄肉被覆深
絞りアルミニウム缶は軽量で、しかもネックフランジ加
工が容易なため汎用性が高い。
被覆深絞り缶の外面は二酸化チタン含有ポリエステル系
分子配向フイルム層を有しており、このフイルム層はク
ロム表面処理層を隠蔽し、印刷インキ層を浮き出させる
ことによって像の美観を良好にしており、また絞り再絞
り工程の際に皺押え力の伝達を良好にし、防皺性及び絞
りを均一にする作用が見られるため、缶の外面は充分な
美観が得られている。また、缶の外面はリン酸−クロム
酸系表面処理層によって耐腐食性を有する他に、防錆作
用のある二酸化チタンがポリエステル系分子配向性フイ
ルム層に存在するため防錆性に特に優れている。
(考案の好適な実施態様) 以下添付図面に従って本考案に係る被覆深絞りアルミニ
ウム缶の好ましい実施態様を示す。
第1図は本考案に係る被覆深絞りアルミニウム缶の成形
前の缶素材の断面図である。第1図に示すように缶素材
1の上面は被覆深絞り缶の内面に相当する部分であり、
下面は缶の外面に相当する部分である。缶素材1のアル
ミニウム合金板2の下面には、リン酸−クロム酸表面処
理層4、接着用プライマ乃至接着剤層5、二酸化チタン
含有分子配向ポリエステル系フイルム層6、印刷インキ
層7及び仕上ニス8が順次形成されている。また、缶素
材1のアルミニウム合金板2の上面にはリン酸−クロム
酸系表面処理層4、接着用プライマ乃至接着剤層5、ク
リアポリエステル系分子配向フイルム層9が順次形成さ
れている。リン酸−クロム酸系表面処理層は通常薄層に
形成され(第1図では厚みが強調されている。)、その
形成方法は化成処理としてそれ自体公知の方法である。
また、各樹脂層、印刷層等も公知の方法によってアルミ
ニウム合金板上に形成される。以下、各構成素材につい
て詳述する。
アルミニウム合金板、及びリン酸−クロム酸系表面処理
層 アルミニウム合金板は、アルミニウムに周期律表第I
族、第II族乃至第VIIの金属を添加したものであり、具
体的にはマンガン、マグネシウム、亜鉛または銅等であ
り、その組成としは、Mn:0.2乃至1.5重量%、Mg:0.8乃
至5重量%、Zn:0.25乃至0.3重量%、及びCu:0.15乃至
0.25重量%を添加し、全体として100重量%となるよ
うにAlを含有させる組成が好ましい。このようなアルミ
ニウム金は耐食性、加工性が良好で粉末状の酸化アルミ
の発生が防止されるものである。アルミニウム合金板基
質の厚みは、耐圧変形性と加工性及び昜開封性との兼ね
合により決定され、一般に0.10乃至0.40mm特に0.12乃至
0.35mmの範囲にあるのが望ましい。
リン酸−クロム酸系表面処理層の厚みは、耐腐食性と加
工性との兼ね合により決定され、リン酸−クロム酸系表
面処理層は、金属クロム換算で20乃至300mg/m2、特に5
0乃至250mg/m2の範囲にあることが好ましい。
上面(内面)のクリアポリエステル系分子配向フイルム
層 クリアポリエステル系分子配向フイルムに用いられるフ
イルムとしては、おもに二軸延伸ポリエチレンテレフタ
レート(PET)のフイルムが挙げられる。このような
PETフイルムとしては、エチレンテレフタレート単位
を主体とするポリエステルのフイルムを使用する。とい
うのは、このポリエステルは延伸成形性に優れており、
機械的性質及び腐食成分に対するバリア性等の性能に優
れているからである。エチレンテレフタレート単位を主
体とするポリエステルとしては、酸成分の80モル%以
上、特に90モル%以上がテレフタル酸成分であり、ジ
オール成分の80モル%以上、特に90モル%以上がエ
チレングリコール成分から成るポリエステルが好適であ
る。ポリエチレンテレフタレートが最も好適であるが、
ポリエチレンテレフタレートの本質を失わない範囲内で
の改質コポリエステルも用いることが出来、例えばイソ
フタル酸、p-β−オキシエトキシ安息香酸、ナフタレン
-2,6-ジカルボン酸、ジフェノキシエタン-4,4′−ジカ
ルボン酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、アジピン
酸、セバシン酸またはこれらのアルキルエステル誘導体
などのジカルボン酸成分や、プロピレエングリコール、
1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘ
キシレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビ
スフェノールAのエチレンオキサイド付加物などのグリ
コール成分を含有するコポリエステル等も使用し得る。
用いるポリエステルは、フイルムを形成するにたる分子
量を有すべきであり、このため固有粘度(I.V.)が
0.55乃至1.9dl/g、特に0.65乃至1.4dl/gの範囲にあるも
のが望ましい。また、ポリエステルは樹脂クリアであ
り、着色顔料、充填剤等が含まれないことが好ましい。
ポリエステルフイルムは、二軸延伸されていることが重
要である。二軸配向の程度は、偏向蛍光法、複屈折法、
密度勾配管法等で確認することができるが、本発明にお
いてはPETフイルムが1.38g/cm3以上の密度、特に1.3
9g/cm3以上の密度を有するように分子配向されているこ
とが望ましい。
また、フイルムの厚みは、腐食成分に対するバリア性と
加工性との兼ね合から、8乃至50μm、特に12乃至
40μmの厚みを有することが望ましい。
フイルムへの接着用プライマ乃至接着剤との密着性を高
め且つトップコート層の塗布性を高めるために、二軸延
伸PETフイルムの表面をコロナ放電処理して置くこと
が一般に好ましい。コロナ放電処理の程度はその濡れ張
力が44dyne/cm以上になるようなものであることが望ま
しい。
この他、フイルムへのプラズマ処理、火災処理等のそれ
自体公知の接着性向上表面処理やウレタン樹脂系、変性
ポリエステル樹脂系等の接着性向上コーテイング処理を
行うことも可能である。
接着用プライマ乃至接着剤 本発明においては、表面処理アルミニウム合金板と二軸
延伸PETフイルムとを接着用プライマを介してラミネ
ートすることが望ましい。というのは、接着用プライマ
は表面処理アルミニウム合金板とPETフイルムとの両
方に強固な密着性を示すのみ成らず、表面処理アルミニ
ウム合金板に対する耐腐食性にも優れているからであ
る。
密着性と耐腐食性とに優れたプライマ塗料の代表的なも
のは、種々のフェノール類とホルムアルデヒドから誘導
されるレゾール型フェノール−アルデヒド樹脂と、ビス
フェノール型エポキシ樹脂とから成るフェノール−エポ
キシ系塗料であり、特にフェノール樹脂とエポキシ樹脂
とを50:50乃至5:95重量比で含有する塗料であ
る。
接着用プライマにかえて、PETフイルムと表面処理鋼
板との両者に対して接着性を示すことが知られている公
知の接着剤、例えばイソシアネート系接着剤、エポキシ
系接着剤等の熱硬化型接着剤や、コポリエステル型熱接
着剤等の熱可塑性接着剤を使用することもできる。
下面(外面)の二酸化チタン含有ポリエステル系分子配
向フイルム層、印刷インキ層及び仕上ニス層 二酸化チタン含有ポリエステル系分子配向フイルムに用
いられるフイルムは、通常のポリエステル系フイルムで
も良いが、前述したPETフイルムに二酸化チタンを添
加したものが好適である。
PETフイルムとなるポリエステルにはルチル型或はア
ナターゼ型の二酸化チタンが通常公知の方法で添加され
る。二酸化チタンのポリエステルに対する含有量は10
乃至500重量%の範囲にあり、より好ましくは10乃
至300重量%の範囲である。
また、印刷インキ層及び仕上ニス層は、公知の材料が使
用され、公知の方法によって形成される。
以上のように構成された缶素材からの缶体の製造はそれ
自体公知の方法で製造される。
第2図に示すように前記被覆アルミニウム合金板を円板
10等の形状にせん断し、これを絞りポンチと絞りダイ
スとの間で一段12或は多断14、16絞り加工に賦す
る。絞り成形は大径の浅いカップへの深絞り成形と小径
の深絞りカップへの深絞り成形とでも行うことができ、
この深絞り成形加工では、肉厚tBを均一化するためカ
ップ側壁部の上方部分に軽度のしごきを加えるようにし
ても良い。絞り成形に際しては、素材に潤滑剤を適用す
ることもできる。絞り加工は室温で行い得るのは勿論で
あるが、一般には20乃至70℃の温度で行う方が良好
な成形作業性が得られる。
また、再絞り成形に際して再絞りダイスの作用コーナ部
において被覆金属板の曲げ伸ばしによる薄肉化が行われ
るようにしたり、或は再絞り成形に際して再絞りポンチ
と再絞りダイスとの間で被覆金属板に軽度のしごきが加
わり、これにより薄肉化が行われるようにすることが好
ましい。
で定義される絞り比は、一般に1.2乃至2.0、特に
1.2乃至1.8の範囲内にあることが好ましく、また
側壁部の薄肉化の程度は一般に素板厚(底部厚)の5乃
至50%、特に5乃至45%程度が良い。絞り−深絞り
成形に際して、樹脂層に分子配向が生じるような条件を
用いることが好ましく、このため成形を樹脂層の延伸温
度、例えばPETの場合は40乃至100℃の温度で行
うのがよい。このような加工缶に前述の缶素材を用いる
と、耐腐食性及び優れた外観を有し、軽量で以下の加工
性の良い被覆深絞りアルミニウム缶を得ることが出来
る。
以上、得られる絞りカップは、トリミング、皿にはネッ
キング等の後加工を行った後、フランジ加工を行って缶
蓋との巻締めを行う缶体とする。尚、第3図は本考案に
係る被覆深絞り缶の完成時のものであり、缶体21は缶
底部22及び缶胴部23が所望の状態に形成されてお
り、缶体上部にはネックイン部24及びフランジ部25
が形成されている。
(考案の効果) 本考案によれば、被覆深絞り缶は、アルミニウム合金を
基体とし、その内外面にリン酸−クロム酸系表面処理層
を有し、内面にはクリアポリエステル系分子配向フイル
ム層を有し、外面には二酸化チタン含有ポリエステル系
分子配向フイルム層を有するので、耐腐食性、絞り成形
性及び缶の美観に関して最適な組合せ構成となり、軽量
な被覆深絞りアルミニウム缶を提供することが出来る。
(実施例) 以下、本考案に係る被覆深絞りアルミニウム缶の好まし
い実施例を示す。本考案は以下に示す実施例に限るもの
でわない。
(実施例1) 素板厚0.24mm、Al−Mg系の表面処理アルミニウム合金板
(表面処理被膜量としてリン酸−クロム酸化合物量を金
属クロムに換算し、その金属クロム量を20mg/m2とし
た。)の缶内面に成る側に予めエポキシフェノール系接
着プライマを塗布したクリアの二軸延伸ポリエチレンテ
レフタレート(PET)フイルム(厚み25μm)を、
一方缶外面に成る側に前述と同様の接着プライマを塗布
した二酸化チタン含有二軸延伸ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)フイルム(厚み20μm)を両面同時に
熱接着することにより、樹脂被覆金属板を得た。この被
覆金属板にパーム油を塗布し、直径187mmの円板に打
ち抜き、常法に従って浅絞りカップに成形した。この絞
り工程における絞り比は1.4である。
次いで第1次、第2次、第3次再絞り工程では、絞りカ
ップを80℃に予備加熱をした後、再絞り成形を行っ
た。この時の第1次乃至第3次の再絞り工程の成形条件
は次の通りである。
第1次再絞り比 1.25 第2次再絞り比 1.25 第3次再絞り比 1.25 再絞りダイスの作用コーナ部の曲率半径 0.80mm 缶胴の薄肉化の為に、曲げ伸ばし法による再絞り加工を
施した。このようにして行った絞り、再絞り工程では加
工性に何等問題がなく、得られた深絞りカップの諸特性
は以下の通りである。
カップ径 66mm カップ高さ 140mm 側壁厚み変化率 -10% この後、常法に従ってドーミング成形を行った後、パー
ム油を洗浄水で脱脂後トリミングを行った。
次いで印刷工程において通常のインキ及び仕上ニスを使
用し、外面印刷を施し焼付けた後、ネックイン−フラン
ジ加工を施し、薄肉被覆深絞り缶を作成した。
このようにして得られた被覆深絞り缶は工程途中で被覆
材料が剥離することがなく加工が出来、その後、この容
器にコーラ飲料を充填巻締めし、37℃の条件で長期保
存し、缶内面の腐食状態、孔食漏洩を観察したが、何等
異常は認められなかった。更に満足できる美麗な外観と
軽量なものが得られた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係る被覆深絞りアルミニウム缶の缶素
材の断面図、 第2図は被覆深絞りアルミニウム缶の成形加工の説明
図、 第3図は本考案に係る被覆深絞りアルミニウム缶の断面
図である。 1……缶素材、2……アルミニウム合金板、4……リン
酸−クロム酸系表面処理層、5……接着用プライマ層、
6……二酸化チタン含有分子配向ポリエステル系フイル
ム層、7……印刷インキ層、8……仕上ニス、9……ク
リアポリエステル分子配向フイルム層、21……缶体、
22……缶底部、23……缶胴部、24……ネック部、
25……フランジ部。

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】両表面にリン酸−クロム酸系処理被膜を有
    する表面処理アルミニウム合金板と、該表面処理アルミ
    ニウム合金板の缶内面となる側に接着プライマ乃至接着
    剤層を介して設けられたクリヤポリエステル系分子配向
    フイルム層と、該表面処理アルミニウム合金板の缶外面
    となる側に接着プライマ乃至接着剤層を介して設けられ
    た二酸化チタン含有ポリエステル系分子配向フイルム層
    と、該二酸化チタン含有ポリエステル系フイルム層上に
    設けられた印刷インキ層と、該印刷インキ層上の仕上ニ
    スとからなる積層構造を有することを特徴とする被覆深
    絞りアルミニウム缶。
  2. 【請求項2】缶底部に比較して缶胴部の厚みが実質上薄
    肉化されることを特徴とする請求項第1項記載の被覆深
    絞りアルミニウム缶。
JP6808689U 1989-06-13 1989-06-13 被覆深絞りアルミニウム缶 Expired - Lifetime JPH0616740Y2 (ja)

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