JPH0710696B2 - 鋼板ラミネ−ト材を用いた缶体 - Google Patents

鋼板ラミネ−ト材を用いた缶体

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JPH0710696B2
JPH0710696B2 JP62225229A JP22522987A JPH0710696B2 JP H0710696 B2 JPH0710696 B2 JP H0710696B2 JP 62225229 A JP62225229 A JP 62225229A JP 22522987 A JP22522987 A JP 22522987A JP H0710696 B2 JPH0710696 B2 JP H0710696B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、鋼板ラミネート材を用いた缶体に関するもの
で、より詳細には、加工時における金属露出が防止さ
れ、優れた耐食性と外観特性とを有するフィルムラミネ
ート鋼板から成る絞り乃至深絞り缶に関する。
(従来の技術) 従来、アルミニウム板或いは表面処理鋼板等の金属素材
を、絞りダイスとポンチとの間で一段或いは多段の絞り
加工に賦し、側面に継目のない胴部と該胴部に継目なし
に一体に接続された底部とから成る側面無継目缶(シー
ムレス缶)を製造することは広く行われている。
このシームレス缶、即ち絞り乃至深絞り缶を樹脂フィル
ムラミネート表面処理鋼板から製造することも既に知ら
れており、例えば特公昭59-34580号公報には、全グリコ
ール成分の少なくとも45モル%がテトラメチレングリコ
ールから成り且つ二塩基酸成分の少なくとも66モル%が
テレフタル酸から成る熱可塑性ポリエステルをシート状
の金属基質に被覆した素材より成る側面無継目容器が記
載されている。
(発明が解決しようとする問題点) 先行技術におけるテトラメチレングリコールをグリコー
ル成分として含有する熱可塑性ポリエステル類は、表面
処理鋼板等の金属基質に対する接着性及び絞り加工等に
対する加工性に特に優れたものではあるが、腐食性成分
に対するバリヤー性が未だ十分なレベルになく、金属に
対して高度に腐食性を有する内容物を充填し、加熱殺菌
後保存する用途に対しては改善すべき余地が残されてい
る。
種々の熱可塑性樹脂フィルムの内でも二軸延伸ポリエチ
レンテレフタレート(PET)のフィルムは、腐食性成分
に対するバリヤー性に優れ且つ耐熱性にも優れたもので
あることから、表面処理鋼板に対して二軸延伸PETフィ
ルムをラミネートし、これを絞り乃至深絞り缶の素材と
して用いることが考えられる。
しかしながら、二軸延伸PETフィルムをラミネートした
表面処理鋼板を、実際に絞り成形或いは深絞り成形して
得られる缶体は、内面に金属露出部が屡々存在し、鉄溶
出による香味低下や内容品の変質、並びに孔食発生等の
欠点を有することがわかった。
本発明者等は、この原因について鋭意研究を重ねた結
果、二軸延伸PETフィルムには、フィルム相互のブロッ
キング防止やフィルム表面の摩擦係数を小さくしフィル
ムの加工や取扱を容易とする為にシリカ系の添加剤が例
外なしに含有されており、この添加剤の1部がPETフィ
ルム表面に存在している。このPETフィルム表面の硬い
添加剤は、ラミネート時のロールや絞り加工時のしわ押
えやポンチ等の加工工具と接触した時PETフィルムにピ
ンホールやクラック等を発生させる原因となると共に、
これらの加工工具の表面を荒らす。この荒れた工具表面
とPETフィルムとの接触は、さらにPETフィルムのピンホ
ールやクラック等の欠陥部を増加させることに原因があ
ることをつきとめた。
PETフィルム被覆クロメート処理鋼板にこのような傷が
微少存在したとしても、この部分から鋼板の腐食が進行
して漏洩を生じたり鉄の溶出による食品のフレーバー低
下や溶出鉄と内容食品との化学反応による変色等の変質
を来すことになる。
従って、本発明の目的は、二軸延伸PETフィルムと表面
処理鋼板とから成るラミネート素材を用いた絞り缶乃至
深絞り缶において、上記欠点を解消し、絞り加工時に、
PETフィルムでのピンホールやクラックの発生が防止さ
れ、優れた耐食性と内容物の香味保持性とが得られる絞
り缶乃至深絞り缶を提供するにある。
本発明の他の目的は、優れた耐食性と外観特性とを有し
且つレトルト殺菌においても、内面の被覆状態が完全で
ある内面ポリエステル被覆絞り缶乃至深絞り缶を提供す
るにある。
(問題を解決するための手段) 本発明によれば、表面にクロメート層を有する表面処理
鋼板と、該鋼板の少なくとも缶内面となる側に接着用プ
ライマー乃至は接着剤を介して設けられた二軸延伸ポリ
エチレンテレフタレートフィルムと、該ポリエチレンテ
レフタレートフィルム表面に設けられた、 (A)数平均分子量(n)が1000乃至2000で水酸基価
が3乃至8の水酸基含有ポリエステル樹脂と、 (B)エポキシ樹脂、フェノール樹脂及びアミノ樹脂か
ら成る群より選ばれた少なくとも1種の熱硬化性樹脂と
を 80:20乃至40:60の重量比で組合せて成るトップコート層
とから成るラミネート材を、該トップコート層が缶内面
となるように絞り成形乃至深絞り成形することにより得
られた缶体が提供される。
(作用) 本発明に用いるラミネート材を示す第1図において、こ
のラミネート材1は、表面にクロメート層を有する表面
処理鋼板2、缶内面となる側に接着用プライマー乃至接
着剤3を介して設けられた二軸延伸PETフィルム層4、
及びこのPETフィルム層の表面に設けられた特定の樹脂
(後述する)のトップコート層5から成っている。表面
処理鋼板2の缶外面となる側には、任意の保護被覆例え
ば熱硬化性樹脂の下地塗膜6、印刷インキ層7及び透明
ラッカー8がこの順に設けられている。
本発明において、クロメート層含有表面処理鋼板を金属
基体として使用するのは、アルミ等の他の金属に比し
て、食塩類を含有する内容物に対して孔食速度が著しく
小さいこと、及びアルミ等に比して約2.5倍のヤング率
を有し、絞り缶や深絞り缶として十分に大きな耐圧変形
性が得られることによるものであり、またこのものが表
面にクロメート層を有するのは、接着剤や接着用プライ
マー或いは塗膜に対して、絞り成形後は勿論のこと、レ
トルト殺菌のような過酷な処理後にも十分な密着性が得
られるためである。
また、缶内面となる樹脂被覆として二軸延伸PETフィル
ムを使用するのは、このものが種々の熱可塑性樹脂フィ
ルムの内でも、種々の塩類や酸類或いは含硫黄化合物等
の腐食成分に対して高いバリヤー性を示し、しかもレト
ルト殺菌のような苛酷な熱水処理にも耐える優れた耐熱
性を有することになる。ところで、ポリエチレンテレフ
タレートは、非晶質状態では加熱により球晶状の大きい
結晶を生じ、白色化すると共にその機械的性質が脆くな
るという欠点があるが、本発明では、二軸延伸により二
軸方向に分子配向されたフィルムを用いることにより、
熱処理に際しても粗大な結晶化が防止され(配向結晶化
のみが生じ)優れた機械的特性が維持される。
ところで、二軸延伸PETフィルムは、それ単独では絞り
成形性に著しく劣っている。即ち、絞り成形では、缶胴
側壁に対応する素材が缶軸方向には引き延され、缶周囲
方向には圧縮されるように塑性流動することにより成形
が行われるが、二軸延伸PETフィルムではこのような塑
性流動に追従し得なく、フィルムの破断を生じる。これ
を防止するためには、絞り成形時に、PETフィルムが表
面処理鋼板に常に強固に密着した状態で存在することが
不可欠であり、そのために、表面処理鋼板と二軸延伸PE
Tフィルムとを接着用プライマー乃至接着剤を介してラ
ミネートすることが必要不可欠となる。
本発明では、この二軸延伸PETフィルムの表面に、 (A)数平均分子量(n)が1000乃至2000で水酸基価
が3乃至8の水酸基含有ポリエステル樹脂と、 (B)エポキシ樹脂、フェノール樹脂及びアミノ樹脂か
ら成る群より選ばれた少なくとも1種の熱硬化性樹脂と
を 80:20乃至40:60の重量比で組合せて成るトップコート層
を設けたことが顕著な特徴であり、これにより、絞り成
形時におけるPETフィルム層へのクラック、ピンホール
等の被覆欠陥の発生を防止することが可能となる。
PETフィルム層における被覆欠陥の発生原因が、フィル
ム中にアンチブロッキング剤として配合されたシリカや
シリカ含有屑によるものであることは既に指摘したが、
これらを粒子が絞りポンチとフィルムとの間に介在する
と、フィルム層のこの位置で応力集中が生じ、これがピ
ンホール、クラックとなる。又工具表面に微細な疵を付
ける。
これを防止するために、PETフィルム上に更に被覆を設
けることが考えられるが、多くの熱硬化性樹脂はPETフ
ィルムへの密着性や被覆強度が不十分であり、絞り成形
のような過酷な条件では、PETフィルムから剥離乃至潜
在的剥離を生じ、所望の作用が得られない。
本発明で用いる(a)特定の水酸基含有ポリエステルと
(b)エポキシ樹脂、フェノール樹脂及びアミノ樹脂の
少なくとも1種とから成る塗膜は、PETフィルムに対す
る親和性が大であり、PETフィルムへの密着性に優れて
いると共に、塗膜の強靭性にも優れている。かくして、
この塗膜は、PETフィルム層と絞りポンチ等の工具との
直接的な接触或いは成形工具とシリカ含有粒子との直接
的な接触を防止し、これによりピンホール、クラック等
の被覆欠陥の発生を解消し得るものである。更に、PET
フィルムの表面に存在する特定の熱硬化性樹脂のトップ
コート層は、絞りポンチとPETフィルム層との間に介在
して潤滑剤的作用をするものと解され、未塗装のPETフ
ィルム層の場合に比して絞り加工性の向上することが認
められる。
本発明に用いる水酸基含有ポリエステルは、下地である
PETフィルムに対する濡れ性及びPETフィルムに対する接
着性の点では、数平均分子量(n)が1000乃至2000と
通常のポリエステル樹脂よりも低い範囲内にあることが
重要であり、また硬化により緻密で強靭な被膜を形成す
るために、このポリエステル樹脂の水酸基価は3乃至8
の範囲にあることが重要である。
PETフィルムとの密着性、絞り加工時の潤滑性能及び塗
膜の強靭性の見地からは、水酸基含有ポリエステル
(A)と熱硬化性樹脂(B)とは70:30乃至40:60の重量
比で存在すべきである。
更に、トップコート層としてゴールドのもの、或いはホ
ワイトのものを使用することにより、開缶後の缶内面が
美麗なものとなり、透明なPETフィルム層を介して表面
処理鋼板が透視されるのが隠蔽され、優れた外観特性、
商品価値を付与することができる。
(発明の好適態様) 各構成素材 ラミネート素材中のクロメート層含有表面処理鋼板とし
ては、特に電解クロム酸処理鋼板、クロメート処理ニッ
ケルめっき鋼板、クロメート処理鉄・錫合金めっき鋼
板、クロメート処理錫・ニッケル合金めっき鋼板、クロ
メート処理鉄・錫・ニッケル合金めっき鋼板、クロメー
ト処理アルミニウムめっき鋼板が好適に使用される。
電解クロム酸処理鋼板は、冷間圧延鋼板基質の上に金属
クロム層とその上の非金属クロム層から成る。鋼板基質
の厚みは、耐圧変形性と加工性及び易開封性との兼合い
により決定され、一般に0.10乃至0.40mm特に0.12乃至0.
35mmの範囲にあるのが望ましい。金属クロム層の厚み
は、耐腐食性と加工性との兼合いにより決定され、その
量は30乃至300mg/m2、特に50乃至250mg/m2の範囲にある
ことが望ましい。また非金属クロム層の厚みは、塗膜密
着性や接着剥離強度に関連するものであり、クロム量と
して表わして4乃至40mg/m2、特に7乃至30mg/m2の範囲
にあることが望ましい。
クロメート処理ニッケルめっき鋼板は、冷間圧延鋼板基
質の上にニッケル層とその上のクロメート層から成る。
ニッケル層の厚みは耐腐食性に関連するものであり、そ
の量は、30乃至3000mg/m2、特に100乃至1000mg/m2の範
囲にあることが望ましい。またクロメート層は非金属ク
ロム層単層又は金属クロム層を含んでいてもよい。クロ
メート層の厚みは、塗膜密着性や接着剥離強度に関連す
るものであり、クロム量として3乃至200mg/m2、特に5
乃至150mg/m2の範囲にあることが望ましい。
クロメート処理鉄・錫合金めっき鋼板は、冷間圧延鋼板
基質の上に鉄・錫合金層とその上のクロメート層から成
る。鉄・錫合金層の厚みは、耐腐食性に関連するもので
あり、その量は、錫量として30乃至800mg/m2、特に200
乃至700mg/m2の範囲にあることが望ましい。またクロメ
ート層は非金属クロム層単層又は金属クロム層を含んで
いてもよい。クロメート層の厚みは、塗膜密着性や接着
剥離強度に関連するものであり、クロム量として3乃至
200mg/m2、特に5乃至150mg/m2の範囲にあることが望ま
しい。
クロメート処理錫・ニッケル合金めっき鋼板は、冷間圧
延鋼板基質上に錫・ニッケル合金層とその上のクロメー
ト層から成る。錫・ニッケル合金層の厚みは耐腐食性に
関連するものであり、その量は、錫量として30乃至800m
g/m2、特に50乃至500mg/m2にあることが望ましい。クロ
メート層は非金属クロム層又は金属クロム層を含んでい
てもよい。クロメート層の厚みは塗膜密着性や接着剥離
強度に関連するものであり、クロム量として3乃至200m
g/m2、特に5乃至150mg/m2の範囲にあることが望まし
い。又、錫・ニッケル合金層に少量の鉄、マンガン、亜
鉛、モリブデン、銅等を耐食性向上の為に添加すること
もできる。錫・ニッケル合金層と鋼板の間にニッケル層
又は錫層を設けることもできる。
クロメート処理鉄・錫・ニッケル合金めっき鋼板は、冷
間圧延鋼板基質上に鉄・錫・ニッケル合金めっき層とそ
の上のクロメート層から成る。鉄・錫・ニッケル合金め
っき層の厚みは、耐腐食性に関連するものであり、その
量は、錫量として10乃至800mg/m2、特に30乃至400mg/m2
にあることが望ましい。又、クロメート層は非金属クロ
ム単層又は金属クロム層を含んでいてもよい。クロメー
ト層の厚みは塗膜密着性や接着剥離強度に関連するもの
であり、クロム量として3乃至200mg/m2、特に5乃至15
0mg/m2の範囲にあることが望ましい。又、鉄・錫・ニッ
ケル合金層に少量の、マンガン、亜鉛、モリブデン、銅
等を耐食性向上の為に添加することもできる。
クロメート処理アルミニウムめっき鋼板は、冷間圧延鋼
板基質上にアルミニウム層とその上のクロメート層から
成り、鋼板とアルミニウム層の間に鉄・アルミニウム合
金層を設る場合もある。アルミニウム層の厚みは耐腐食
性に関連するものであり、その量は、30乃至3000mg/m2
であり、特に100乃至2500mg/m2にあることが望ましい。
またクロメート層は非金属クロム単層又は金属クロム層
を含んでいてもよい。また、クロメート層がリン酸クロ
メート層であってもよい。クロメート層の厚みは、塗膜
密着性や接着剥離強度に関連するものであり、クロム量
として3乃至200mg/m2、特に5乃至150mg/m2の範囲にあ
ることが望ましい。
二軸延伸PETフィルムとしては、エチレンテレフタレー
ト単位を主体とするポリエステルのフィルムを使用す
る。というのは、このポリエステルは延伸成形性に優れ
ており、機械的性質及び腐食成分に対するバリヤー性等
の性能にも優れているからである。エチレンテレフタレ
ート単位を主体とするポリエステルとしては、酸成分の
80モル%以上、特に90モル%以上がテレフタル酸成分で
あり、ジオール成分の80%モル以上、特に90%モル以上
がエチレングリコール成分から成るポリエステルが好適
である。ポリエチレンテレフタレートが最も好適である
が、ポリエチレンテレフタレートの本質を失わない範囲
内での改質コポリエステルも用いることができ、例えば
イソフタル酸、P−β−オキシエトキシ安息香酸、ナフ
タレン2,6−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン−4,4′
−ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、
アジピン酸、セバシン酸またはこれらのアルキルエステ
ル誘導体などのジカルボン酸成分や、プロピレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,6−ヘキシレングリコール、シクロヘキサンジメ
タノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加
的などのグリコール成分を含有するコポリエステル等も
使用し得る。
用いるポリエステルは、フィルムを形成するに足る分子
量を有するべきであり、このために後述する固有粘度
(I.V.)が0.55乃至1.9 dl/g、特に0.65乃至1.4 dl/gの
範囲にあるものが望ましい。
ポリエステルフィルムは、二軸延伸されていることが重
要である。二軸配向の程度は、偏光蛍光法、複屈折法、
密度勾配管法密度等で確認することができるが、本発明
においては、PETフィルムは、1.38g/cm3以上の密度、特
に1.39g/cm3以上の密度を有するように分子配向されて
いることのが望ましい。
また、フィルムの厚みは、腐食成分に対するバリヤー性
と加工性との兼ね合いから、8乃至50μm、特に12乃至
40μmの厚みを有することが望ましい。
フィルムへの接着用プライマー乃至接着剤との密着性を
高め且つトップコート層の塗布性を高めるために、二軸
延伸PETフィルムの表面をコロナ放電処理しておくこと
が一般に望ましい。コロナ放電処理の程度は、そのぬれ
張力が44dyne/cm以上となるようなものであることが望
ましい。
この他、フィルムへのプラズマ処理、火炎処理等のそれ
自体公知の接着性向上表面処理やウレタン樹脂系変性ポ
リエステル樹脂系等の接着性向上コーティング処理を行
なうことも可能である。
本発明においては、表面処理鋼板と二軸延伸PETフイル
ムとを接着用プライマーを介してラミネートすることが
望ましい。というのは、接着用プライマーは、表面処理
鋼板とPETフイルムとの両方に強固な密着性を示すのみ
ならず、表面処理鋼板に対する耐腐食性にも優れている
からである。
密着性と耐腐食性とに優れたプライマー塗料の代表的な
ものは、種々のフェノール類とホルムアルデヒドから誘
導されるレゾール型フェノール−ホルムアルデヒド樹脂
と、ビスフェノール型エポキシ樹脂とから成るフェノー
ル−エポキシ系塗料であり、特にフェノール樹脂とエポ
キシ樹脂とを50:50乃至5:95重量比、特に40:60乃至10:9
0の重量比で含有する塗料である。
接着プライマー層は、一般に0.3乃至2μmの厚みに設
けるのがよい。
接着プライマーにかえて、PETフイルムと表面処理鋼板
との両者に対して接着性を示すことが知られている公知
の接着剤、例えばイソシアネート系接着剤、エポキシ系
接着剤等の熱硬化型接着剤や、コポリエステル型熱接着
剤等の熱可塑性接着剤を使用することもできる。
本発明では、(a)水酸基含有ポリエステルと(b)エ
ポキシ樹脂、フェノール樹脂及びアミノ樹脂から選ばれ
た少なくとも1種との組合せを用いることが特に好まし
い。
本発明において、トップコート層を構成する熱硬化性樹
脂中に含有せしめる水酸基含有ポリエステル樹脂として
は、グリコール成分として、 (i)トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエ
リスリトール、マンニトール、ソルビトール等の3価以
上の多価アルコールと、(ii)エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレン
グリコール等の2価アルコールとの組合せを、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼラ
イン酸等の二塩基酸成分と重縮合させて得られたポリエ
ステル樹脂が使用される。
このポリエステルは、1000乃至2000の数平均分子量(
n)と3乃至8の水酸基価とを有するべきである。
このポリエステルと組合せで用いるエポキシ樹脂、フェ
ノール樹脂或いはアミノ樹脂は何れも、ポリエステル中
の水酸基に対して反応性を有するものであり、これによ
り硬化した樹脂被覆が形成される。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールAとエピハロヒ
ドリンとの重縮合で得られた数平均分子量1400乃至4000
及びエポキシ当量1000乃至4000のエポキシ樹脂が使用さ
れる。フェノール樹脂としては、単環又は多環フェノー
ル(ビスフェノール類)とホルムアルデヒドとを塩基性
触媒の存在下に縮合して得られるレゾール型フェノール
ホルムアルデヒド樹脂、特に平均分子量が1000乃至3000
のものが使用される。また、アミノ樹脂としては、尿
素、メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン等
とホルムアルデヒドとを塩基性触媒の存在下に重縮合さ
せて成る樹脂が使用される。これらの樹脂は単独でも2
種以上の組合せでも使用される。
ポリエステル樹脂成分と、エポキシ樹脂等の硬化剤樹脂
成分との重量比は、80:20乃至40:60の範囲内にあるべき
である。
ポリエステル樹脂成分として、水酸基末端ポリエステル
とエポキシ樹脂とを反応させて、エポキシ−ポリエステ
ル・ブロックコポリマーとし、これをフェノール樹脂や
アミノ酸との組合せでトップコート層として用いること
もできる。
本発明の一つの態様では、トップコート層がゴールドの
色相を有する。このゴールドの色相は、トップコート層
中にフェノール樹脂を含有させることにより得られる。
このタイプの塗料の好適な例は、フェノール・エポキシ
・ポリエステル塗料である。この場合、塗膜の厚みは1
乃至6μmの範囲にあることが望ましい。
本発明の別の態様では、トップコート層がホワイトの色
相を有する。このホワイトの色相は、熱硬化性樹脂中に
二酸化チタン、例えばルチル或いはアナターゼを含有さ
せることにより得られる。二酸化チタンの配合量は樹脂
当り30乃至60重量%、特に35乃至50重量%であることが
望ましい。用いる樹脂クリアーであることが色相の点で
望ましく、このためにアミノ・エポキシ・ポリエステル
塗料又はアミノポリエステル塗料が使用される。このタ
イプのトップコート層は5乃至15μmの厚みを有するこ
とが望ましい。
また、トップコート層には、素材搬送中において発生す
る傷を防止するために、滑剤を予じめ含有させることが
できる。
製造方法 ラミネート材の製造は任意の順序で行うことができる。
本発明の最も好適な態様においては、二軸延伸ポリエス
テルフイルムの一方の面にエポキシ系熱硬化性接着プラ
イマーを塗布する工程と、鋼板基質に前記塗装ポリエス
テルフィルムを接着プライマー層と鋼板基質とが対面す
る位置関係でラミネートする工程と、得られるラミネー
ト材の缶内面となるべき表面にトップコート層用熱硬化
性樹脂塗料を塗装焼付する工程と、鋼板基質の缶外面と
なるべき表面に外面保護塗膜を形成させる工程とにより
缶用ラミネート板を製造する。
又このラミネート板をコイルコートより内外面同時に塗
装し、焼付処理に賦し、接着プライマー層、トップコー
ト層及び外面保護塗膜の硬化を一挙に行なうことが可能
となる。
更に他の好適な態様においては、二軸延伸ポリエステル
フィルムの缶内面となるべき表面にトップコート用熱硬
化性樹脂塗料を塗布し、該フィルムの他方の面にエポキ
シ系熱硬化性接着ポリマーを塗布する工程と、塗装鋼板
基質の一方の面に、前記塗装ポリエステルフィルムを、
接着プライマー層と鋼板基質とが対面する位置関係で施
こす工程と、得られるラミネートを、接着プライマー層
及びトップコート層熱硬化性樹脂塗膜が硬化するように
熱処理する工程とにより、絞り加工用のラミネート板を
製造する。
前記接着プライマーを塗布された二軸延伸ポリエステル
フイルムを鋼板にラミネートする場合鋼板の温度は230
℃〜250℃に達するようにすることが望ましい。このラ
ミネート時の温度により二軸延伸ポリエステルフィルム
の分子配向効果が実質上損なわれないようにすることが
重要であり、その為には、ラミネート後の冷却が水冷等
により1秒以内に行なわれるようにする。
本発明の缶体は、前述したラミネート材を用いる点を除
けば、それ自体公知の方法で製造される。即ち、このラ
ミネートを円板等の形状に剪断し、これを絞りポンチと
絞りダイスとの間で一段或いは多段の絞り加工に賦す
る。絞り成形は大径の浅いカップへの絞り成形と小径の
深絞りカッブへの深絞り成形とでも行うことができ、こ
の深絞り成形工程では、肉厚を均一化するためカップ側
壁部の上方部分に軽度のしごきを加えるようにしてもよ
い。絞り成形に際しては、素材に潤滑剤を適用すること
もできる。絞り加工は室温で行い得るのは勿論である
が、一般には20乃至70℃の温度で行う方が良好な成形作
業性が得られる。
得られる絞りカップは、トリミング、更にはネッキング
等の後加工を行った後、フランジ加工を行って缶蓋との
巻締を行う缶体とする。
(発明の効果) 本発明によれば、二軸延伸PETフイルムと表面処理鋼板
とから成るラミネート材を用いた絞り缶乃至深絞り缶に
おいて、フィルム表面に熱硬化性樹脂のトップコート層
を設けておくことにより、二軸延伸PETフイルムの絞り
加工に際して生じ易いクラックやピンホールの発生が防
止され、金属露出のない耐腐食性に特に優れた缶体が提
供できた。
また、このトップコート層を、ゴールド又はホワイトの
色相のものとすることにより、外観特性特性及び商品価
値に優れた缶体とすることもできた。
実施例1 接着用プライマー塗料 ビスフェノールA75重量%、P−クレゾール25重量%か
ら成る混合フェノールとホルムアルデヒドとを塩基触媒
の存在下に反応させ、精製させ、溶媒に溶解させて、レ
ゾール型フェノールホルムアルデヒド樹脂の溶液を製造
した。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート1009、平
均分子量3750、エポキシ当量2650)溶液と上記レゾール
型フェノールホルムアルデヒド樹脂溶液とを、固型分重
量比が70:30の量比で混合し、予備縮合させて、接着プ
ライマー塗料を調製した。
内面塗料 P−クレゾールとホルマリンをアンモニアの存在下で反
応して得られたレゾール型フェノール樹脂とビスフェノ
ール型エポキシ樹脂(エポキシ当量1900)とポリエステ
ル樹脂(数平均分子量1700、水酸基価7…以下同じ)を
ケトン系、エステル系、アルコール系混合溶剤中に重量
固型分比30:50:20になる様に混合し、80℃−2時間予備
縮合し、内面塗料を調製した。
塗装ラミネート板の製造 両面コロナ放電処理された、厚み16μmの二軸延伸熱固
定ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、前記
接着プライマー塗料を固型分として10mg/dm2の塗工量と
なる様塗布し、120℃で乾燥させた。
市販されているTFS板(板厚0.17mm、硬度DR−8、金属
クロム層100mg/m2、オキサイドクロム量20mg/m2を240℃
に加熱し、前記塗装のポリエステルフィルムをTFS材と
接着プライマーとが対面する様に供給して熱圧着し、ラ
ミネート後水冷した。
次いでラミネート板のポリエステルフィルム面に前記内
面塗料を乾燥塗膜厚2μmになる様ロールコーターで塗
装し、205℃−10分間焼付けた。
次いでラミネート板の未塗装TFS面にエポキシフェノー
ル系塗料をロールコーターで乾繰塗膜厚5μmになる様
に塗装し、205℃−10分間焼付けた。
缶の製造 前記塗装ラミネート板のポリエステルフィルムラミネー
ト面が缶の内面側となる様に二段絞り成形法で缶体を作
成した。
この工程を説明すると先ず、1段目絞り工程で直径約12
6mmの円板を円板側カットエッジのカエリ発生方向がラ
ミネート面側になる様に打ち抜き、次いで絞り比約1.5
のフランジ付きカップを成形する。さらに、2段目絞り
工程で絞り比約1.3のフランジ付きカップを成形する。
この絞りカップを常法に従い開口端縁部のトリミング、
フランジング加工を行なって径66mm、高さ37mmの深絞り
缶を作成した。
以上の様にして得られた缶体について以下の試験を実施
した。
(1)深絞り缶成形後の缶内面金属露出 1%食塩水を缶に満たし、6Vの電位を与え、4秒後に流
れている電流値で缶内面金属露出程度を評価した。
この試験は毎分600缶の速度で連続成形開始直後の100缶
と10,000缶の連続成形後の100缶について測定した。
(2)レトルト試験 1.5%食塩水を常温で80mlを缶に充填し、蓋を二重巻締
め後、115℃−70分レトルト処理した。
1晩放置後開缶し、巻締め部近傍の缶胴塗膜の剥離状態
を目視評価した。
(3)実缶試験 鮭鱒水煮を10,000缶連続成形した後半の缶に充填し、常
法に従い巻締め、殺菌処理した。直後、及び50℃−3ケ
月経時後の缶内面状態を目視評価した。
以上の評価結果を表−1に示す。
実施例2 実施例1の内面塗料の乾燥塗膜厚を5μmになる様に塗
装した点を除けば実施例1と同様にして缶体迄成形し
た。実施例1と同様に試験を行ない、得られた結果を表
−1に示す。
実施例3 実施例1の内面塗料の重量固形分比を30:30:40になる様
調合した塗料を乾燥塗膜厚4μmになる様塗装した点を
除けば、実施例1と同様にして缶体迄成形した。実施例
1と同様に試験を行ない、得られた結果を表−1に示
す。
実施例4 実施例1の内面塗料をエポキシ樹脂(エポキシ当量190
0)とユリアホルムアルデヒド樹脂とポリエステルをケ
トン系、エステル系、アルコール系混合溶剤中に重量固
形分比30:20:50になる様調合し、これに二酸化チタン粉
末を40PHR混合した塗料を乾燥塗膜厚8μmになる様塗
装した点を除けば実施例1と同様にして缶体迄成形し
た。実施例1と同様に試験を行ない、得られた結果を表
−1に示す。
実施例5 実施例4の内面塗料の乾燥塗膜厚を13μmになる様に塗
装した点を除けば実施例4と同様にして缶体迄成形し
た。実施例4と同様に試験を行ない、得られた結果を表
−1に示す。
実施例6 実施例4の内面塗料をポリエステルとユリアーベンゾグ
アナミン−ホルムアルデヒド共重合樹脂をケトン系、エ
ステル系、アルコール系混合溶剤中に重量固形分比70:3
0になる様に調合した点を除けば実施例4と同様にして
缶体迄成形した。実施例4と同様に試験を行ない、得ら
れた結果を表−1に示す。
実施例7 実施例1の塗装ラミネート板の製造においてコロナ放電
処理を行なわない二軸延伸熱固定ポリエチレンテレフタ
レートフィルムを用い、ラミネート後、ポリエステルフ
ィルム上にコロナ放電処理を行なった点を除けば実施例
1と同様にして缶体迄成形した。実施例1と同様に試験
を行ない、得られた結果を表−1に示す。
実施例8 実施例2の二軸延伸熱固定ポリエチレンテレフタレート
フィルムの膜厚を25μmとし、コロナ放電処理を行なわ
ない点を除けば実施例2と同様にして缶体迄成形した。
実施例2と同様に試験を行ない、得られた結果を表−1
に示す。
実施例9 実施例2の表面処理鋼板をクロメート処理ニッケルめっ
き鋼板(板厚0.17mm、硬度DR−8ニッケル量500mg/m2
クロム量20mg/m2)を使用した点を除けば実施例2と同
様にして缶体迄成形した。実施例2と同様に試験を行な
い、得られた結果を表−1に示す。
実施例10 実施例2の表面処理鋼板をクロメート処理鉄・錫合金っ
き鋼板(板厚0.17mm、硬度DR−8、錫量500mg/m2、クロ
ム量20mg/m2)を使用した点を除けば実施例2と同様に
して缶体迄成形した。実施例2と同様に試験を行ない、
得られた結果を表−1に示す。
実施例11 実施例2の表面処理鋼板をクロメート処理鉄・錫・ニッ
ケル合金めっき鋼板(板厚0.17mm、硬度DR−8、錫量30
0mg/m2、クロム量20mg/m2)を使用した点を除けば実施
例2と同様にして缶体迄成形した。実施例2と同様に試
験を行ない、得られた結果を表−1に示す。
比較例1 実施例1の内面塗料を使用しない点を除けば実施例1と
同様にして缶体迄成形した。実施例1と同様に試験を行
ない、得られた結果を表−1に示す。
比較例2 実施例1の内面塗料の乾燥塗膜厚を0.8μmになる様に
塗装した点を除けば実施例1と同様にして缶体迄成形し
た。実施例1と同様に試験を行ない、得られた結果を表
−1に示す。
比較例3 実施例1の内面塗料の乾燥塗膜厚を7μmになる様に塗
装した点を除けば、実施例1と同様にして缶体迄成形し
た。実施例1と同様に試験を行ない、得られた結果を表
−1に示す。
比較例4 実施例6の内面塗料の乾燥塗膜厚を17μmになる様に塗
装した点を除けば、実施例6と同様にして缶体迄成形し
た。実施例6と同様に試験を行ない、得られた結果を表
−1に示す。
比較例5 実施例2の二軸延伸熱固定ポリエチレンテレフタレート
の膜厚を6μmとした点を除けば、実施例2と同様にし
て缶体迄成形した。実施例2と同様に試験を行ない、得
られた結果を表−1に示す。
比較例6 実施例2の二軸延伸熱固定ポリエチレンテレフタレート
フィルムの膜厚を60μmとした点を除けば、実施例2と
同様にして缶体迄成形した。実施例2と同様に試験を行
ない、得られた結果を表−1に示す。
実施例12 実施例2の缶の製造において、三段絞り成形法で円型テ
ーパー缶を作成した点を除けば、実施例2と同様に缶体
迄成形した。この缶体成形工程を説明すると先ず第1段
目絞り工程で、底部径52.0mm、開口部径58.6mm、高さ1
9.6mmのカップに絞り、次いで第2段目絞り工程で底部
径52.0mm、開口部径61.4mm、高さ28.2mmのカップに絞っ
た。さらに第3段目絞り工程で底部径52.0mm、開口部径
66.0mm、高さ34.0mmの円型テーパーカップを成形した。
この円型テーパーカップを常法に従い、開口端縁部のト
リミング、リフランジ加工を行い、円型テーパー缶を得
た。
実施例2の実缶試験における内容物及び殺菌処理をそれ
ぞれグレープゼリー及び85℃−30分で行った点を除け
ば、実施例2と同様に試験を行い、その結果を表−1に
示す。
実施例13 実施例12の内面塗料を実施例4と同様に行った点を除け
ば、実施例12と同様にして缶体迄成形した。実施例12と
同様に試験を行い、得られた結果を表−1に示す。
比較例7 実施例12の内面塗料を使用しない点を除けば、実施例12
と同様にして缶体迄成形した。実施例12と同様に試験を
行い、得られた結果を表−1に示す。
比較例8 P−クレゾールとホルマリンをアンモニアの存在下で反
応して得られたレゾール型フェノール樹脂とビスフェノ
ール型エポキシ樹脂(エポキシ当量1900)をケトン系、
エステル系、アルコール系混合溶剤中に重量固形分比8
0:20になる様に混合し、80℃−2時間予備縮合し、内面
塗料を調整し、乾燥塗膜厚5μmになる様塗装した点を
除けば、実施例12と同様にして缶体迄成形した。実施例
12と同様に試験を行い、得られた結果を表−1に示す。
比較例9 内面塗料をエポキシ樹脂(エポキシ当量1900)とユリア
ホルムアルデヒド樹脂とケトン系、エステル系、アルコ
ール系混合溶剤中に重量固形分比80:20になる様に混合
し、乾燥塗膜厚5μmになる様塗装した点を除けば実施
例12と同様にして缶体迄成形した。実施例12と同様に試
験を行ない、得られた結果を表−1に示す。
比較例10 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、平均分子量約20000
を82部と、メラミンとホルマリンの付加縮合物であるメ
ラミン樹脂3部をそれぞれケトン、アルコール、炭化水
素等からなる混合溶剤に溶解させ、更にキシレノールと
ホルマリン及び触媒にアンモニアを使用し付加縮合して
得られたレゾール型フェノール樹脂を5部と高分子可塑
剤としてポリエステルを5部そして安定剤として平均分
子量350のエポキシ樹脂5部配合して調整した熱硬化性
ビニル塗料を乾燥膜厚5μmになる様塗装した点を除け
ば、実施例12と同様にして缶体迄成形した。実施例12と
同様に試験を行い、得られた結果を表−1に示す。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に用いるラミネート材を示す。 1……ラミネート材、2……表面処理鋼板、3……接着
用プライマー乃至接着剤、4……二軸延伸PETフイルム
層、5……トップコート層、6……下地塗膜、7……印
刷インキ層、8……透明ラッカー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−17736(JP,A) 特開 昭50−27679(JP,A) 特公 昭58−23219(JP,B2)

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面にクロメート層を有する表面処理鋼板
    と、該鋼板の少なくとも缶内面となる側に接着用プライ
    マー乃至は接着剤を介して設けられた二軸延伸ポリエチ
    レンテレフタレートフィルムと、該ポリエチレンテレフ
    タレートフィルム表面に設けられた、 (A)数平均分子量(n)が1000乃至2000で水酸基価
    が3乃至8の水酸基含有ポリエステル樹脂と、 (B)エポキシ樹脂、フェノール樹脂及びアミノ樹脂か
    ら成る群より選ばれた少なくとも1種の熱硬化性樹脂と
    を 80:20乃至40:60の重量比で組合せて成るトップコート層
    とから成るラミネート材を、該トップコート層が缶内面
    となるように絞り成形乃至深絞り成形することにより得
    られた缶体。
  2. 【請求項2】トップコート層がゴールドの色相を有する
    塗膜から成る特許請求の範囲第1項記載の缶体。
  3. 【請求項3】トップコート層がフェノール樹脂を含有す
    る熱硬化性樹脂膜である特許請求の範囲第2項記載の缶
    体。
  4. 【請求項4】トップコート層がフェノールエポキシ・ポ
    リエステル塗料から成る特許請求の範囲第2項記載の缶
    体。
  5. 【請求項5】トップコート層が1乃至6μmの厚みを有
    する特許請求の範囲第2項記載の缶体。
  6. 【請求項6】トップコート層がホワイトの色相を有する
    塗膜からなる特許請求の範囲第1項記載の缶体。
  7. 【請求項7】トップコート層が二酸化チタンを配合した
    熱硬化性樹脂塗膜から成る特許請求の範囲第6項記載の
    缶体。
  8. 【請求項8】熱硬化性樹脂がアミノ・エポキシ・ポリエ
    ステル塗料又はアミノ・ポリエステル塗料から成る特許
    請求の範囲第7項記載の缶体。
  9. 【請求項9】トップコート層が5乃至15μmの厚みを有
    する特許請求の範囲第6項記載の缶体。
  10. 【請求項10】接着用プライマーがエポキシ−フェノー
    ル系プライマーである特許請求の範囲第1項記載の缶
    体。
  11. 【請求項11】ポリエチレンテレフタレートフィルム
    が、二軸延伸され且つコロナ放電処理された厚み8乃至
    50μmのフィルムである特許請求の範囲第1項記載の缶
    体。
  12. 【請求項12】表面処理鋼板が電解クロム酸処理鋼板で
    ある特許請求の範囲第1項記載の缶体。
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