JP2003252084A - 操舵・制動統合制御装置 - Google Patents

操舵・制動統合制御装置

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JP2003252084A
JP2003252084A JP2002057728A JP2002057728A JP2003252084A JP 2003252084 A JP2003252084 A JP 2003252084A JP 2002057728 A JP2002057728 A JP 2002057728A JP 2002057728 A JP2002057728 A JP 2002057728A JP 2003252084 A JP2003252084 A JP 2003252084A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 操舵・制動統合制御装置に関し、車両の旋回
操作性を向上させることができるようにする。 【解決手段】 車両の旋回状態を判定する旋回状態判定
手段11と、ドライバの加える操舵トルクを検出する操
舵トルク検出手段31と、ドライバの操舵操作に対する
操舵反力を与える操舵反力制御手段12と、車両の旋回
制動力を制御する旋回制動力制御手段13と、を備え、
旋回状態判定手段11によって車両の旋回状態がアンダ
ーステア状態であると判定されると、操舵反力制御手段
12が、アンダーステアの強さに対応して操舵反力を加
えるとともに、旋回制動力制御手段13が、操舵トルク
検出手段31により検出された操舵トルクの大きさに対
応して上記旋回制動力を強めるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の旋回に係
る制御を行なう、操舵・制動統合制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車において、車両の旋回状態がアン
ダーステア状態かオーバーステア状態かを検出して、そ
の状態に応じて各輪の制動力を制御する技術(車両挙動
制御)が開発されている。この技術では、例えばアンダ
ーステア状態の場合には、アンダーステアの強さに応じ
て旋回内輪(後内輪又は前内輪)に制動力を付加すると
ともにエンジン出力も低減することによりアンダーステ
アを抑制するように制御する。
【0003】なお、ステア状態の判断は、車速と操舵角
度(ハンドル角)とから算出した計算ヨーレイトと、ヨ
ーレイトセンサにより実測された実ヨーレイトとを比較
することにより行なうことができる。つまり、実ヨーレ
イトが計算ヨーレイトとほぼ一致すればニュートラルス
テア状態であると判定することができ、実ヨーレイトが
計算ヨーレイトよりも小さい場合には、アンダーステア
状態であると判定することができる。
【0004】また、アンダーステアの強さは、計算ヨー
レイトと実ヨーレイトとの差(計算ヨーレイト−実ヨー
レイト)に対応するので、車両挙動制御では、アンダー
ステア状態の場合に、旋回内輪にこの差(計算ヨーレイ
ト−実ヨーレイト)に応じた制動力を付加するととも
に、エンジン出力もこの差に応じて低減させることにな
る。
【0005】一方、自動車において、車両の旋回状態が
アンダーステア状態かオーバーステア状態かを検出し
て、アンダーステア状態の場合には、操舵反力を大きく
するとともにドライバに「これ以上の旋回はできない」
旨をアナウンスして、ドライバのハンドル切り込みを抑
制させる技術(操舵抑制制御)も開発されている。これ
は、アンダーステア状態の場合にさらにハンドルを切り
込むと、アンダーステアが一層強まって車両の旋回限界
の低下を招いてしまうので、これを回避しようとするた
めである。
【0006】また、アンダーステアが強まってタイヤが
グリップ限界を超えると操舵反力が抜けて(急激に小さ
くなって)しまうため、ドライバが過剰なハンドル切り
込みをしてしまうおそれがあるが、アンダーステア状態
の場合に操舵反力を大きくすれば、これを防ぐこともで
きる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一つの車両
に、上記の車両挙動制御と操舵抑制制御とを併用するこ
とが考えられる。つまり、車両の旋回状態がアンダース
テア状態かオーバーステア状態かを検出して、アンダー
ステア状態の場合には、車両挙動制御としてはアンダー
ステアの強さに応じて旋回内輪に制動力を付加するとと
もにエンジン出力も低減してアンダーステアを抑制し、
操舵抑制制御としては操舵反力を大きくして、ドライバ
のハンドル切り込みを抑制させるのである。
【0008】しかしながら、アンダーステア状態で操舵
抑制制御として操舵反力を大きくすると、ドライバはハ
ンドルを切り込みにくくなるため、車両のステア状態と
してはアンダーステアが弱い状態になる。車両挙動制御
では、アンダーステアの強さに応じて旋回内輪に制動力
を付加するので、操舵抑制制御によってアンダーステア
が弱くなると、車両挙動制御により加えられる制動力は
小さくなり、それだけ、車両挙動制御の効果が発揮され
なくなってしまう。
【0009】本発明は、このような課題に鑑み案出され
たもので、車両挙動制御と操舵抑制制御とをそれぞれ効
果的に利用できるようにして、車両の旋回操作性を向上
させることができるようにした、操舵・制動統合制御装
置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目標を達成するた
め、本発明の操舵・制動統合制御装置は、車両の旋回状
態を判定する旋回状態判定手段と、ドライバの加える操
舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、上記ドライ
バの操舵操作に対する操舵反力を与える操舵反力制御手
段と、車両の旋回制動力を制御する旋回制動力制御手段
と、を備え、上記旋回状態判定手段が、車両の旋回状態
がアンダーステア状態であると判定すると、上記操舵反
力制御手段が、アンダーステアの強さに対応して操舵反
力を高めるとともに、上記旋回制動力制御手段が、上記
操舵トルク検出手段により検出された操舵トルクの大き
さに対応して上記旋回制動力を高めるように構成されて
いる(請求項1)。
【0011】上記車両のエンジン出力を制御するエンジ
ン出力制御手段をさらにそなえ、上記エンジン出力制御
手段は、上記旋回状態判定手段によって車両の旋回状態
がアンダーステア状態であると判定されると、上記操舵
トルク検出手段により検出された操舵トルクの大きさに
対応して上記車両のエンジン出力を低下させることが好
ましい(請求項2)。
【0012】さらに、上記操舵トルク検出手段により検
出される操舵トルクとは、操舵系に基本的に発生するベ
ース操舵反力と上記操舵反力制御手段により与えられる
制御操舵反力とに抗して上記ドライバが加える操舵トル
クであって、上記旋回制動力制御手段による上記旋回制
動力の強化及び/又は上記エンジン出力制御手段による
エンジン出力の低下は、上記操舵反力制御手段により与
えられる制御操舵反力に抗して上記ドライバが加える操
舵トルク分に応じて行われることが好ましい(請求項
3)。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の実施
の形態について説明する。図1〜図5は本発明の一実施
形態に係る操舵・制動統合制御装置を示すもので、これ
らの図に基づいて図面に基づいて説明する。本実施形態
にかかる自動車(以下、車両という)の駆動系,制動系
及び操舵系は、図1に示すように構成されている。
【0014】つまり、エンジン1の出力は、駆動輪(こ
こでは、前輪の左右輪)2FL,2FRに送られ駆動輪
2FL,2FRが回転するようになっている。このエン
ジン1は、図示しないスロットル弁の開度をECU(電
子制御ユニット)10からの指令信号によって調整され
るスロットルバイワイヤ方式に構成されている。ECU
10では、通常はドライバのアクセル操作信号に応じて
スロットル弁の開度を調整するが、特定の運転時にはド
ライバのアクセル操作以外の情報にも基づいてスロット
ル弁の開度を調整する。
【0015】また、各車輪(つまり、前輪の左右輪及び
後輪の左右輪)2FL,2FR,2RL,2RRには、
ブレーキ装置(例えば、ブレーキディスクとこのブレー
キディスクを把持するキャリパ等からなるディスクブレ
ーキ装置)3FL,3FR,3RL,3RRがそれぞれ
装備されている。各車輪のブレーキ装置3FL,3F
R,3RL,3RRは、供給される油圧に応じた制動力
を発揮するようになっており、各ブレーキ装置3FL,
3FR,3RL,3RRへの油圧は、コントロールバル
ブ4を通じて制御される。
【0016】なお、ここでは簡略化しているが、コント
ロールバルブ4は複数のバルブからなっており、このよ
うなコントロールバルブ4はECU10によって制御さ
れ、各ブレーキ装置3FL,3FR,3RL,3RRを
個別に制御できるようになっている。コントロールバル
ブ4は、通常はドライバのブレーキ操作に応じて作動す
るが、ECU10では、ドライバのブレーキ操作とは異
なる態様でコントロールバルブ4を操作しうるようにな
っている。したがって、ブレーキング時にタイヤがロッ
クしそうになるとそのタイヤのブレーキ力を弱めてタイ
ヤロックを未然に防ぎ制動性を確保する、いわゆるAB
S(アンチロックブレーキシステム)に相当する制御も
可能になっている。
【0017】操舵系について説明すると、ステアリング
シャフト5の一端にはステアリングホイール(以下、ハ
ンドルという)5aが結合され、ステアリングシャフト
5の他端にはラックアンドピニオン等の機構5bを介し
てタイロッド5cが連結されている。これにより、ハン
ドル5aを回転操作すると、ステアリングシャフト5が
回転してタイロッド5cを移動させ、タイロッド5cの
両端部に連結されたナックルアーム5dとともに操舵輪
(ここでは、前輪の左右輪)2FL,2FRを転舵する
ようになっている。
【0018】そして、本操舵系には、トルクセンサ付き
電動パワーステアリング21が用いられている。このト
ルクセンサ付き電動パワーステアリング21は、ステア
リングシャフト5の中間部に装備されてハンドル入力ト
ルクを検出する操舵トルクセンサ(操舵トルク検出手
段)31と、ステアリングシャフト5の中間部に装備さ
れてステアリングシャフト5に回転力(操舵アシスト
力)を付与する電動モータ22と、トルクセンサ31等
の情報に基づいて電動モータ22による操舵アシスト力
を制御するECU10内の機能要素とをそなえている。
電動モータ22は通常はハンドル操作力を軽くする操舵
アシスト力を発揮するが、この操舵アシスト力とは逆
に、ハンドル操作力を重くする操舵反力を付与すること
も可能になっている。
【0019】本操舵・制動統合制御装置は、このような
車両の駆動系,制動系及び操舵系を統合制御するもので
あり、車両の旋回状態を判定する機能要素(旋回状態判
定手段)11と、ドライバの操舵操作に対する操舵反力
を与える機能要素(操舵反力制御手段)12と、車両の
旋回制動力を制御する機能要素(旋回制動力制御手段)
13と、エンジン出力を制御する機能要素(エンジン出
力制御手段)14と、ドライバの加える操舵トルクを検
出する操舵トルクセンサ31とを備えて構成されてい
る。なお、旋回状態判定手段11,操舵反力制御手段1
2,旋回制動力制御手段13,エンジン出力制御手段1
4の各機能要素は、いずれもECU10内に設けられて
いる。
【0020】そして、旋回状態判定手段11によって車
両の旋回状態がアンダーステア状態であると判定される
と、操舵反力制御手段12が、アンダーステアの程度に
比例して操舵反力を高めるように操舵アシスト系(電動
モータ22)を制御し、旋回制動力制御手段13が、操
舵トルクセンサ31により検出された操舵トルクに対応
して旋回制動力を強めるようにブレーキ系(コントロー
ルバルブ4)を制御し、エンジン出力制御手段14が、
操舵トルクセンサ31により検出された操舵トルクに反
対応して上記車両のエンジン出力を低下させるようにエ
ンジンの出力制御系(スロットルバルブ開度)を制御す
るようになっている。
【0021】つまり、旋回状態判定手段11では、実ヨ
ーレイトγRの大きさ|γR|と計算ヨーレイトγIの大
きさ|γI|との偏差Δγ(=|γI|−|γR|)を、
旋回状態を示すパラメータとして算出し、この偏差Δγ
が所定値以上の正の値(正の閾値Δγthよりも大きい
値)であればアンダーステア状態であると判定し、所定
値以下の負の値(負の閾値−Δγthよりも小さい値)で
あればオーバーステア状態であると判定するようになっ
ている。勿論、いずれでもなければニュートラルステア
状態であると判定することができる。
【0022】なお、計算ヨーレイトγIは、車速Vとハ
ンドル角θhとに基づいて、公知の手法によって演算で
求めることができる。このため、ECU10には、車速
センサ(車速検出手段)32から車速Vが、ハンドル角
センサ(ハンドル角検出手段)33からハンドル角θh
が、それぞれ入力されるようになっている。また、EC
U10には、上記操舵トルクセンサ31から検出された
操舵トルクTSが、センサヨーレイトセンサ(ヨーレイ
ト検出手段)34から検出された実ヨーレイトγRが、
それぞれ入力されるようになっている。
【0023】なお、後述する図2,図3では、左回りの
ヨーレイトγを負、右回りのヨーレイトγを正としてお
り、左回りのヨーレイトγに対しては、偏差Δγを実ヨ
ーレイトγRと計算ヨーレイトγIとの差(Δγ=γI
γR)として、偏差Δγが所定値以下の負の値(負の閾
値:−Δγth)以下であればアンダーステア状態である
と判定し、右回りのヨーレイトγに対しては、偏差Δγ
を実ヨーレイトγRと計算ヨーレイトγIとの差(Δγ=
γI−γR)として、偏差Δγが所定値以下の正の値(正
の閾値:Δγth)以上であればアンダーステア状態であ
ると判定する。
【0024】操舵反力制御手段12は、図2に示すよう
に、旋回状態判定手段11により車両の旋回状態がアン
ダーステア状態であるとされた場合(偏差Δγが閾値Δ
γth以上になった場合)に、アンダーステアの強さ(偏
差Δγの大きさ)に応じた大きさの操舵反力を付与する
ようになっている。具体的には、電動モータ22のモー
タ電流をアンダーステアの強さ(偏差Δγの大きさ)に
応じた大きさに制御する。また、これとともに図示しな
い警報手段(例えば、スピーカ及びこのスピーカに音声
信号を送るコントローラ等からなる)によって、ドライ
バに「これ以上の旋回はできない」旨をアナウンスする
ようになっている。これによって、アンダーステア時に
おけるドライバのハンドル切り込みを抑制させている。
【0025】この操舵反力付与制御は、アンダーステア
状態の場合にさらにハンドルを切り込むと、アンダース
テアが一層強まって車両の旋回限界の低下を招いてしま
うので、これを回避しようとするためとともに、アンダ
ーステアが強まってタイヤがグリップ限界を超えると操
舵反力が抜けて(急激に小さくなって)しまうため、ド
ライバが過剰なハンドル切り込みをしてしまうおそれが
あり、これを防ぐために行なう。
【0026】旋回制動力制御手段13は、図3に示すよ
うに、旋回状態判定手段11により車両の旋回状態がア
ンダーステア状態であるとされた場合(偏差Δγが閾値
Δγ th以上になった場合)に、このとき操舵トルクセン
サ(操舵トルク検出手段)31により検出されるドライ
バの加えた操舵トルクTSの大きさに応じて旋回内輪
(後内輪及び/又は前内輪)に制動力を付加する。この
旋回制動力付加制御は、アンダーステア状態の場合に旋
回内輪に制動力を付加することによって車両の回頭を促
進して、アンダーステアを抑制しようとするものであ
る。
【0027】旋回制動力制御手段13は、図3に示すよ
うに、旋回状態判定手段11により車両の旋回状態がア
ンダーステア状態であるとされた場合(偏差Δγが閾値
Δγ th以上になった場合)に、このとき操舵トルクセン
サ31により検出されるドライバの加えた操舵トルクT
Sの大きさに応じてスロットルバルブ開度を小さくして
エンジン出力を低減する。このエンジン出力低減制御
は、タイヤから路面へ伝達される駆動トルクを弱めれば
アンダーステアが弱まるという特性に着目し、エンジン
出力を低減してタイヤから路面へ伝達される駆動トルク
を弱めるようにして、アンダーステアを抑制しようとす
るものである。
【0028】特に、旋回制動力付加制御及びエンジン出
力低減制御では、ドライバの加えた操舵トルクTSの大
きさに応じて制御を行なうが、本実施形態では、操舵ト
ルクセンサ31により検出される操舵トルクTSが、操
舵反力付与の開始時における操舵トルクTSthよりも大
きくなった分(=TS−TS0)に応じて、旋回制動力を
与えるとともにエンジン出力を低減するようになってい
る。
【0029】つまり、操舵反力の付与を開始すると、ド
ライバがハンドルを保持しようとするだけでも、操舵反
力付与分だけドライバの加える操舵トルクTSは増加す
る。本実施形態では、この操舵トルク増加分ΔTSが所
定値(微小な値)ΔTSth以上になった場合、旋回制動
力制御手段13では、この操舵トルク増加分ΔTSと比
例するように旋回内輪側に制動力(即ち、旋回制動力)
を付与し、旋回制動力制御手段13では、エンジン出力
の大きさがこの操舵トルク増加分ΔTSと反比例するよ
うにエンジン出力を低減するのである。
【0030】これによって、操舵反力が付与されてもド
ライバがこれに対抗すれば、そのとき加える操舵トルク
に応じて、旋回制動力が発揮されるとともにエンジン出
力が低減されて、車両のアンダーステアが抑制されるよ
うになっているのである。本発明の一実施形態としての
操舵・制動統合制御装置は、上述のように構成されてい
るので、例えば図4に示すように、操舵・制動統合制御
が行なわれる。
【0031】つまり、車速V,ハンドル角θh,実ヨー
レイトγRを読み込んで(ステップS10)、計算ヨー
レイトγIを算出し、この計算ヨーレイトγIと実ヨーレ
イトγ Rとの差Δγを算出する(ステップS20)。そ
して、差Δγの大きさ|Δγ|を閾値Δγthと比較して
(ステップS30)、差Δγの大きさ|Δγ|が閾値Δ
γthよりも大きければ、偏差Δγの大きさ(アンダース
テアの強さ)に応じた操舵反力を計算し出力して、これ
に応じて操舵反力を制御する(ステップS40)。
【0032】操舵反力を制御する場合、さらに、ステッ
プS50に進み、操舵トルクTSの読み込みを行ない
(ステップS50)、操舵反力付与の開始時における操
舵トルクTS0よりも大きくなった分の偏差ΔTS(=TS
−TS0)の計算を行なう(ステップS60)。そして、
偏差ΔTSを閾値ΔTSthと比較して(ステップS7
0)、偏差ΔTSが閾値ΔTSthよりも大きければ、偏差
ΔTSに応じた旋回制動力を計算し出力して、これに応
じて旋回制動力を制御するとともに(ステップS8
0)、偏差ΔT Sに応じたスロットル開度を計算し出力
して、これに応じてエンジン出力(スロットル開度)を
制御する(ステップS90)。
【0033】このようにして、車両の操舵状態が一定以
上のアンダーステア状態になると、操舵反力が付与され
るため、ドライバの更なるハンドルの切り込みが抑制さ
れる。特に、アンダーステアの程度に比例して操舵反力
を高めることは、ドライバに車両がアンダーステアであ
ること及びその程度を知らせることができ、ドライバに
適切な運転操作を案内することができる。
【0034】したがって、アンダーステア状態の場合に
さらにハンドルを切り込むと、アンダーステアが一層強
まって車両の旋回限界の低下を招いてしまうが、これが
回避される。また、アンダーステアが強まってタイヤが
グリップ限界を超えると操舵反力が抜けて(急激に小さ
くなって)しまうことがあるが、これも防止されるた
め、ドライバが過剰なハンドル切り込みをしてしまうお
それも回避できる。
【0035】これにより、道路のカーブから直線に戻る
部分を走行する場合や、S字カーブを走行する場合に、
ハンドル操作を容易にできるようになり、ドライバがよ
り用意に運転操作を行なえるようになる。一方、操舵反
力が付与されると、ドライバがハンドルを保持しようと
するだけでも、操舵反力付与分だけドライバの加える操
舵トルクTSは増加するので、この操舵トルク増加分Δ
Sに応じて旋回内輪側に制動力(即ち、旋回制動力)
が付与されるとともに、エンジン出力が低減されるの
で、車両のアンダーステアが抑制され、ニュートラルス
テアに近づき、ドライバの意思に応じた旋回動作を行な
えるようになる。
【0036】また、操舵トルクに応じて、旋回制動力を
付与したりエンジン出力を低減したりすると、ハンドル
角に応じて作動させる場合よりも、応答性が高くなり、
車両のアンダーステアの抑制を速やかに行なえる効果も
ある。以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は
かかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣
旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができ
る。
【0037】例えば、図5に示すように、操舵系に、ト
ルクセンサ31で検出した操舵トルクに応じてECU1
0によって操舵反力を制御できる油圧パワーステアリン
グ機構(例えば、車速感応型油圧パワーステアリング機
構)40を設け、これを用いて上記の操舵反力付与制御
を行なうようにしてもよい。また、図6に示すように、
操舵系を、ハンドルと操舵輪との間が機械的に連結され
ないで、ECU10によってステアリングアクチュエー
タ51を制御するステアバイワイヤ方式50として、こ
れを用いて上記の操舵反力付与制御を行なうようにして
もよい。
【0038】また、車両のアンダーステア時に、エンジ
ン出力の低減は行なわないで、操舵反力と旋回制動力と
を付与するだけで対応することも考えられる。さらに、
上記実施形態では、エンジン出力抑制をスロットル開度
の低減で行なっているが、燃料供給量の抑制や休筒な
ど、他の制御要素を用いてエンジン出力を行なってもよ
い。
【0039】また、旋回制動力の付与は、前後の両方の
内輪にしているか、前後のいずれかの内輪にしてもよ
い。操舵トルクに応じて、旋回制動力を付与したりエン
ジン出力を低減したりすると、ハンドル角に応じて作動
させる場合よりも、応答性が高くなり、車両のアンダー
ステアの抑制を速やかに行なえる効果もある。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の操舵・制
動統合制御装置によれば、旋回状態判定手段によって車
両の旋回状態がアンダーステア状態であると判定される
と、操舵反力制御手段が、アンダーステアの程度に比例
して操舵反力を高めるので、アンダーステアが強いほど
ドライバによるハンドルの切り込みを抑制することがで
きる。
【0041】このとき、旋回制動力制御手段が、上記操
舵トルク検出手段により検出された操舵トルクに比例し
て上記旋回制動力を高めるので、ドライバがハンドルを
更に切り込まないでも上記操舵反力に抗してハンドルを
保持しようとすれば、相応の操舵トルクが入力されるこ
とになり、この操舵トルクに比例して上記旋回制動力を
高められる。すなわち、アンダーステア時に操舵反力を
高めたからといって旋回制動力が付与されにくくなるこ
とはなく、操舵反力を高めるのとともに旋回制動力を必
要に応じて高めることができ、ドライバの意思の応じて
車両を旋回させることができるようになる。
【0042】また、不必要なハンドルの切り込みが抑制
されるため、ハンドルの戻し遅れを減少させることもで
き、道路のカーブから直線に戻る部分を走行する場合
や、S字カーブを走行する場合に、ハンドル操作を容易
にできるようになる。さらに、アンダーステアの程度に
比例して操舵反力を高めることは、ドライバに車両がア
ンダーステアであること及びその程度を知らせることが
でき、ドライバに適切な運転操作を案内することができ
る。
【0043】車両の旋回状態がアンダーステア状態であ
ると判定されると、操舵トルク検出手段により検出され
た操舵トルクに反対応して車両のエンジン出力を低下さ
せれば、車両のアンダーステアを解消し易くなり、車両
のステア特性を向上させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる操舵・制動統合制
御装置の全体構成を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる操舵・制動統合制
御装置による操舵反力制御を説明するグラフである。
【図3】本発明の一実施形態にかかる操舵・制動統合制
御装置による旋回用制動制御を説明するグラフである。
【図4】本発明の一実施形態にかかる操舵・制動統合制
御装置による操舵・制動統合制御を説明するフローチャ
ートである。
【図5】本発明に適用しうる操舵系の他の構成を示す模
式図である。
【図6】本発明に適用しうる操舵系のさらに他の構成を
示す模式図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2FL,2FR,2RL,2RR 車輪 3FL,3FR,3RL,3RR ブレーキ装置 4 コントロールバルブ 5 ステアリングシャフト 5a ステアリングホイール(ハンドル) 10 ECU(電子制御ユニット) 11 旋回状態判定手段 12 操舵反力制御手段 13 旋回制動力制御手段 14 エンジン出力制御手段 21 トルクセンサ付き電動パワーステアリング 22 電動モータ 31 トルクセンサ 32 車速センサ 33 ハンドル角センサ 34 ヨーレイトセンサ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B62D 6/00 B62D 6/00 F02D 29/02 311 F02D 29/02 311A 341 341 41/04 301 41/04 301G // B62D 101:00 B62D 101:00 113:00 113:00 119:00 119:00 137:00 137:00 Fターム(参考) 3D032 CC12 CC16 DA03 DA15 DA23 DA33 EB12 EB15 FF01 FF07 3D041 AA40 AA47 AB01 AC04 AC26 AD50 AE03 AE41 AF01 3D046 BB21 BB28 GG02 GG10 HH08 HH11 HH22 3G093 AA01 BA01 BA04 BA27 CB09 DB00 DB05 DB17 EA01 EB04 EC01 FA04 3G301 JA03 JA38 KB06 ND03 NE06 PF15Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の旋回状態を判定する旋回状態判定
    手段と、 ドライバの加える操舵トルクを検出する操舵トルク検出
    手段と、 上記ドライバの操舵操作に対する操舵反力を与える操舵
    反力制御手段と、 車両の旋回制動力を制御する旋回制動力制御手段と、を
    備え、 上記旋回状態判定手段によって車両の旋回状態がアンダ
    ーステア状態であると判定されると、上記操舵反力制御
    手段が、アンダーステアの強さに対応して操舵反力を加
    えるとともに、上記旋回制動力制御手段が、上記操舵ト
    ルク検出手段により検出された操舵トルクの大きさに対
    応して上記旋回制動力を強めることを特徴とする、操舵
    ・制動統合制御装置。
  2. 【請求項2】 上記車両のエンジン出力を制御するエン
    ジン出力制御手段をそなえ、 上記エンジン出力制御手段は、上記旋回状態判定手段に
    よって車両の旋回状態がアンダーステア状態であると判
    定されると、上記操舵トルク検出手段により検出された
    操舵トルクの大きさに対応して上記車両のエンジン出力
    を低下させることを特徴とする、請求項1記載の操舵・
    制動統合制御装置。
  3. 【請求項3】 上記操舵トルク検出手段により検出され
    る操舵トルクとは、操舵系に基本的に発生するベース操
    舵反力と上記操舵反力制御手段により与えられる制御操
    舵反力とに抗して上記ドライバが加える操舵トルクであ
    って、 上記旋回制動力制御手段による上記旋回制動力の強化及
    び/又は上記エンジン出力制御手段によるエンジン出力
    の低下は、上記操舵反力制御手段により与えられる制御
    操舵反力に抗して上記ドライバが加える操舵トルク分に
    応じて行われることを特徴とする、請求項1又は2記載
    の操舵・制動統合制御装置。
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