JP2844965B2 - 車両の後輪操舵装置 - Google Patents

車両の後輪操舵装置

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JP2844965B2
JP2844965B2 JP14561591A JP14561591A JP2844965B2 JP 2844965 B2 JP2844965 B2 JP 2844965B2 JP 14561591 A JP14561591 A JP 14561591A JP 14561591 A JP14561591 A JP 14561591A JP 2844965 B2 JP2844965 B2 JP 2844965B2
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wheels
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薫 大橋
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両の後輪操舵装置に係
り、特に車輪のスリップを抑制するトラクション制御装
置を搭載した車両に適用された車両の後輪操舵装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来から、前輪の操舵状態、車両の走行
速度、走行路面の状態などの車両の走行状態を検出する
と共に、この検出走行状態に応じて後輪の操舵量を決定
して、後輪を前輪に対して同相及び逆相に操舵する後輪
操舵装置はよく知られている。(例えば、特開平2−2
62471号公報参照)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の後
輪操舵装置を、車輪のスリップを検出して同検出時に車
輪に対する駆動力、制動力などを制御して前記車輪のス
リップを回避するトラクション制御装置を搭載した車両
に適用した場合、前記トラクション制御装置におけるト
ラクション機能が選択されていなかったり、トラクショ
ン制御装置の故障により同トラクション機能が作用して
いなかったり、トラクション制御装置の許容スリップ率
が大きかったりすると、後輪が前輪に対して逆相に大き
く操舵された際には、車両の安定性が重視されていない
ので、この逆相操舵に車輪のスリップ抑制機能の欠如が
相乗されて、車両の挙動が不安定になる場合がある。本
発明は上記問題に対処するためなされたもので、その目
的は、トラクション制御装置による車輪のスリップの抑
制程度に応じて後輪の前輪に対する逆相操舵量を制限し
て、車両の挙動を常に安定に保つようにした車両の後輪
操舵装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、上記請求項1に記載の発明の構成上の特徴は、図1
に示すように、車輪のスリップを検出して同スリップを
抑制するスリップ抑制手段1aと、スリップ抑制手段1
aの作動又は非作動を選択する選択手段1bとからなる
トラクション制御装置1を搭載した車両に適用され、後
輪を操舵する後輪操舵機構2と、後輪操舵機構2を制御
して後輪を車両の走行状態に応じた操舵量に操舵する操
舵制御手段3とを備えた車両の後輪操舵装置において、
選択手段1bによってスリップ抑制手段1aの非作動が
選択されているとき操舵制御手段3を制御して後輪の前
輪に対する逆相操舵を禁止する操舵制限手段4を設けた
ことにある。
【0005】また、上記請求項2に記載の発明の構成上
の特徴は、図1に示すように、車輪のスリップを検出し
て同スリップを抑制するスリップ抑制手段1aと、スリ
ップ抑制手段1aの異常を検出するフェイル検出手段1
cとからなるトラクション制御装置1を搭載した車両に
適用され、後輪を操舵する後輪操舵機構2と、後輪操舵
機構2を制御して後輪を車両の走行状態に応じた操舵量
に操舵する操舵制御手段3とを備えた車両の後輪操舵装
置において、フェイル検出手段1cによってトラクショ
ン制御装置1の異常が検出されたとき操舵制御手段3を
制御して後輪の前輪に対する逆相操舵を禁止する操舵制
限手段4を設けたことにある。
【0006】また、上記請求項3に記載の発明の構成上
の特徴は、図1に示すように、車輪のスリップを検出し
て車輪のスリップ率を目標値以下に抑制するトラクショ
ン制御装置1を搭載した車両に適用され、後輪を操舵す
る後輪操舵機構2と、後輪操舵機構2を制御して後輪を
車両の走行状態に応じた操舵量に操舵する操舵制御手段
3とを備えた車両の後輪操舵装置において、トラクショ
ン制御装置1によるスリップ率の目標値に応じて操舵制
御手段3を制御して同目標値が大きいとき後輪の前輪に
対する逆相方向への操舵量を小さな操舵量に制限する操
舵制限手段4を設けたことにある。
【0007】
【発明の作用・効果】上記のように構成した請求項1に
係る発明においては、選択手段1bによってスリップ抑
制手段1aの作動が選択されていれば、スリップ抑制手
段1aによって車輪のスリップが抑制され、この場合に
は、操舵制御手段3が後輪操舵機構2を制御して後輪を
自由に操舵する。一方、選択手段1bによってスリップ
抑制手段1aの非作動が選択されていれば、車輪のスリ
ップは抑制されないが、この場合には、操舵制限手段4
が操舵制御手段3による後輪の操舵制御を制限して、後
輪の前輪に対する逆相操舵を禁止する。
【0008】その結果、前記請求項1に係る発明によれ
ば、スリップ抑制手段1aの非作動によって車輪がスリ
ップしている状態で、後輪が前輪に対して逆相に操舵さ
れるという車両の挙動の不安定要素が重畳されなくなる
ので、車両の走行安定性が良好となる。
【0009】また、上記のように構成した請求項2に係
る発明においては、スリップ抑制手段1aが正常であれ
ば、同手段1aによって車輪のスリップが適正に抑制さ
れ、この場合には、操舵制御手段3が後輪操舵機構2を
制御して後輪を自由に操舵する。一方、スリップ抑制手
段1aに異常が発生して、車輪のスリップが適正に抑制
されない状態では、前記異常がフェイル検出手段1cに
よって検出され、操舵制限手段4が操舵制御手段3によ
る後輪の操舵制御を制限して、後輪の前輪に対する逆相
操舵を禁止する。
【0010】その結果、前記請求項2に係る発明によれ
ば、スリップ抑制手段1aの異常により車輪のスリップ
が適正に抑制されない状態で、後輪が前輪に対して逆相
に操舵されるという車両の挙動の不安定要素が重畳され
なくなるので、車両の走行安定性が良好となる。
【0011】さらに、上記のように構成した請求項3に
記載の発明においては、トラクション制御装置1が車輪
のスリップ率を目標値以下に抑制している。一方、後輪
操舵装置においては、操舵制限手段4が前記スリップ率
の目標値に応じて操舵制御手段3を制御して、同目標値
が大きいとき、操舵制御手段3及び後輪操舵機構2によ
る後輪の逆相操舵量を小さな操舵量に制限する。これに
より、車輪のスリップ率が小さく抑制される場合には、
後輪は前輪に対して逆相に大きく操舵される可能性を有
し、かつ車輪のスリップ率が大きくなる可能性のある場
合には、後輪の前記逆相操舵量は小さく保たれる。
【0012】その結果、前記請求項3に係る発明によれ
ば、車輪のスリップ率が大きくなると同時に、後輪が前
輪に対して大きく逆相に操舵されることがなくなり、車
両の挙動の不安定要素が重畳されなくなるので、車両の
走行安定性が良好となる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の各実施例について順次説明す
る。 a.第1実施例 まず、第1実施例を図面を用いて説明すると、図2は同
実施例に係る車両の前後輪操舵装置部分を概略的に示し
ている。この前後輪操舵装置部分は左右前輪FW1,F
W2を操舵する前輪操舵機構Aと、左右後輪RW1,R
W2を左右前輪FW1,FW2の操舵等に連動して操舵
する後輪操舵機構Bと、後輪操舵機構Bを電気的に制御
する後輪操舵電気制御回路Cとによって構成されてい
る。
【0014】前輪操舵機構Aは軸方向に変位して左右前
輪FW1,FW2を操舵するラックバー11を有する。
ラックバー11は、ピニオンギヤ12と操舵軸13を介
して操舵ハンドル14に接続されると共に、その両端に
固定したラックエンド15a,15bに揺動可能に接続
された左右タイロッド16a,16bと同タイロッド1
6a,16bに回動可能に接続された左右ナックルアー
ム17a,17bを介して左右前輪FW1,FW2を連
結している。操舵軸13の中間には四方弁からなる制御
バルブ18が組付けられ、同バルブ18は操舵軸13に
作用する操舵トルクに応じて油圧ポンプ21から導管P
1を介して供給された作動油をパワーシリンダ22の一
方の油室へ供給するとともに、同シリンダ22の他方の
油室内の作動油を導管P2を介してリザーバ23へ排出
する。このパワーシリンダ22は作動油の給排に応じて
ラックバー11を軸方向に駆動し、左右前輪FW1,F
W2の操舵を助勢する。なお、油圧ポンプ21はエンジ
ン24により駆動されるようになっている。
【0015】後輪操舵機構Bは軸方向に変位して左右後
輪RW1,RW2を操舵するリレーロッド31を有す
る。リレーロッド31は車体に支持されたハウジング3
2に軸方向に変位可能に支持されており、その両端に
て、前記前輪操舵機構Aの場合と同様、左右タイロッド
33a,33bと左右ナックルアーム34a,34bを
介して左右後輪RW1,RW2を連結している。ハウジ
ング32内にはリレーロッド31を軸方向へ駆動するた
めのパワーシリンダ35が形成されており、同シリンダ
35はリレーロッド31に固定されたピストン35aに
より液密的に区画された左右油室35b,35cを有す
る。左右油室35b,35c内には、プレロードの付与
されたスプリング36a,36bがリレーロッド31を
貫通させて組み込まれており、同スプリング36a,3
6bはリレーロッド31を中立位置に付勢している。
【0016】ハウジング32内には、パワーシリンダ3
5と共に油圧倣い機構を構成するスプールバルブ42が
組み込まれている。このスプールバルブ42はハウジン
グ32内に軸方向に液密的かつ摺動可能に収容されたバ
ルブスリーブ42aと、同スリーブ42a内に収容され
るとともに一端がハウジング32に固定されたバルブス
プール42bとからなり、同スリーブ42aが同スプー
ル42bに対して左方向へ変位したとき、油圧ポンプ4
3から導管P3を介して供給ポート42cに供給される
作動油を流入出ポート42dを介してパワーシリンダ3
5の左油室35bへ供給するとともに、同シリンダ35
の右油室35c内の作動油を流入出ポート42eと排出
ポート42f及び導管P4を介してリザーバ23へ排出
する。したがって、このときリレーロッド31は右方向
へ変位し、左右後輪RW1,RW2は左方向に操舵され
る。
【0017】また、バルブスリーブ42aがバルブスプ
ール42bに対して右方向へ変位したとき、油圧ポンプ
43から導管P3を介して供給ポート42cに供給され
る作動油を流入出ポート42eを介してパワーシリンダ
35の右油室35cへ供給すると共に、同シリンダ35
の左油室35b内の作動油を流入出ポート42dと排出
ポート42f及び導管P4を介してリザーバ23へ排出
する。したがって、この場合はリレーロッド31が左方
向へ変位し、左右後輪RW1,RW2は右方向に操舵さ
れる。なお、この油圧ポンプ43もエンジン24により
駆動されるようになっている。
【0018】バルブスリーブ42aの右端部に設けた貫
通孔42a1にはレバー45が貫通され、このレバー4
5はその中間部分に設けた球型の節状隆起部外周面にて
傾動かつ摺動可能に前記貫通孔42a1の内周面上に嵌
合している。このレバー45の下端部はピストン35a
の外周上に設けた環状溝35a1内に回動可能かつ上下
方向に摺動可能に嵌合されており、同レバー45の上端
部はピン46の中央部に回動可能に接続されている。
【0019】ピン46の右端部はハウジング32に形成
した孔32aに対してその軸方向に摺動可能に挿入さ
れ、その左端部はその外周上に形成した雄ネジによりナ
ット部材47に形成した雌ネジに螺着されている。ナッ
ト部材47の外周上には雄ネジが形成されており、同部
材47はこの雄ネジによってハウジング32に設けた孔
32bの内周上に形成した雌ネジに螺着されている。か
かる場合、ピン46とナット部材47を結合するネジ部
と、ナット部材47とハウジング32を結合するネジ部
とにおいては、それらのピッチ又はネジ方向が異ならせ
てあり、ナット部材47の回転に応じてピン46が軸方
向へ変位するようになっている。ナット部材47はステ
ップモータ48によって駆動され、同モータ48の回転
に応じて回転するようになっている。ここで、ステップ
モータ48は所定のパルス信号によって正逆転方向に所
望の回転数だけ回転することが可能であり、同モータ4
8の回転軸はナット部材47に対して軸方向に摺動可能
で、かつ、その回転方向に固定されるよう接続されてい
る。なお、ステップモータ48は、後述するように正の
方向と負の方向に回転し、ステップモータ48が正(又
は負)の方向に回転するとピン46は図面上で右(又は
左)方向に変位する。また、同ピン46が右(又は左)
方向に変位すると同ピン46の中央部に回動可能に取り
付けられたレバー45の上端も右(又は左)方向に変位
して同レバー45の中央部に設けられた節状隆起部外周
面によってバルブスリーブ42aを右(又は左)方向に
変位させる。バルブスリーブ42aが右(又は左)方向
に変位すれば上述したようにリレーロッド31は左(又
は右)方向に変位して左右後輪RW1,RW2が右(又
は左)に操舵されるとともにピストン35aによってレ
バー45の下端を左(又は右)方向に変位させるため、
バルブスリーブ42aが左(又は右)方向に変位してバ
ルブスプール42bとの変位がなくなる。
【0020】後輪操舵電気制御回路Cは、前輪操舵角セ
ンサ61、車速センサ62、ヨーレートセンサ63及び
モータ回転角センサ64を備えている。前輪操舵角セン
サ61は操舵軸13の回転角又はラックバー11の軸方
向の変位量を検出し、左右前輪FW1,FW2の操舵角
δH を表す検出信号を出力する。車速センサ62は、例
えば変速機の出力軸の回転数を計測することにより、こ
の回転数に比例して変化する車速Vを検出し、同車速V
を表す検出信号を出力する。ヨーレートセンサ63は、
車体の垂直回りの回転角速度を計測することによりヨー
レートγを検出し、同ヨーレートγを表す検出信号を出
力する。モータ回転角センサ64は、ステップモータ4
8の回転軸に対して同軸的に固定された回転部材の回転
角度δθを検出し、同回転角度δθを表す検出信号を出
力する。
【0021】ここで、理解の便宜のために検出信号など
の符号と実方向の整合を取っておくと、前輪操舵角δH
は操舵ハンドル14を右旋回(又は左旋回)方向に回転
せしめるときに正(又は負)の値となり、ヨーレートγ
は車体が右旋回(又は左旋回)するときに正(又は負)
の値となり、ステップモータ48が正(又は負)の方向
に回転するとピン46が右方向(又は左方向)に変位
し、そのとき回転角度δθは正(又は負)の値となる。
【0022】これらのセンサ61〜64は後輪操舵マイ
クロコンピュータ(以下、AWSマイコンという)65
に接続されており、このAWSマイコン65はバス65
aにそれぞれ接続されたROM65b、CPU65c、
RAM65d及びI/O65e(入出力インターフェー
ス)からなる。ROM65bは、図3〜5のフローチャ
ートに対応したプログラムを記憶しており、CPU65
cは、イグニッションスイッチ(図示しない)の閉成か
ら開成まで、このROM65bを逐次アクセスして前記
プログラムを実行する。また、ROM65bには、図6
に示すように車速Vに対応する前輪操舵角比例係数Kδ
及び図7に示すように車速Vに対するヨーレート比例係
数Kr がそれぞれテーブルの形で記憶されている。すな
わち、車速Vから前輪操舵角比例係数読み出し用アドレ
スとヨーレート比例係数読み出し用アドレスを生成し、
両アドレスデータでROM65bをアクセスすると、そ
の車速Vに応じた前輪操舵角比例係数Kδとヨーレート
比例係数Kr がデータとして読み出される。RAM65
dは、CPU65cがプログラムを実行する際に必要な
変数などを一時的に記憶するための記憶領域であり、C
PU65cはバス65aを介して逐次このRAM65d
をアクセスする。
【0023】I/O65eには、各センサ61〜64及
び駆動回路66が接続され、それぞれのセンサ61〜6
4から出力された各検出信号を入力するとともに、駆動
回路66に対してはステップモータ48の回転角を制御
する駆動信号Δrを出力する。すなわち、CPU65c
は前記プログラムの実行時に適宜このI/O65eを介
して各センサ61〜64の検出データを入力し、また、
後述する処理によって演算した駆動信号△rをI/O6
5eを介して駆動回路66に出力する。駆動回路66
は、AWSマイコン65から供給された駆動信号Δrに
応じた駆動パルスをステップモータ48に供給すること
により、ステップモータ48をその駆動信号Δrに対応
した角度分だけ回転させ、その後、このステップモータ
48を回転後の位置に維持せしめるよう制御する。
【0024】さらに、I/O65eにはトラクションコ
ントロール用マイクロコンピュータ(以下、TRCマイ
コンという)70が接続され、同TRCマイコン70と
の制御信号の授受を行なう。
【0025】TRCマイコン70は、摩擦係数の小さな
路面における発進加速時や過剰な駆動力によるホイール
スピンを抑えるトラクション制御を行なうものであり、
図8に示すようにトラクションコントロール電気制御回
路Dの要部を構成しており、エンジン吸気機構Eにおけ
るスロットル開度を制御する。同TRCマイコン70
は、バス70aにそれぞれ接続されたROM70b、C
PU70c、RAM70d及びI/O70e(入出力イ
ンターフェース)からなる。
【0026】ROM70bはCPU70cが実行する図
9に示すプログラムを記憶すると共に、図10に示すエ
ンジン回転速度と所定の関係にあるスロットル開度をテ
ーブル内に記憶しており、RAM70dはCPU70c
がプログラムを実行する際に必要な変数などを一時的に
記憶するための記憶領域である。また、同I/O70e
には、第1及び第2の従動輪回転速度センサ71a,7
1b、駆動輪回転速度センサ72、エンジン回転速度セ
ンサ73、エアフロメータ74、スロットル開度センサ
75、スロットルモータ76及びスイッチ77が接続さ
れている。
【0027】第1及び第2の従動輪回転速度センサ71
a,71bは従動輪としての左右前輪FW1,FW2の
各回転速度θfl,θfrを検出して、各回転速度θfl,θ
frを表す検出信号をそれぞれ出力する。駆動輪回転速度
センサ72は変速機80の出力軸の回転速度によって間
接的に左右後輪RW1,RW2の回転速度θr を検出し
て、同回転速度θr を表す検出信号を出力する。エンジ
ン回転速度センサ73はエンジン81の回転速度NE を
検出して、同回転速度NE を表す検出信号を出力する。
エアフロメータ74はエンジン81による吸入空気量を
計測して、同吸入空気量を表す検出信号を出力する。ス
ロットル開度センサ75は運転者によるアクセル操作に
よって駆動される第1スロットル82の開度θM を検出
し、同開度θMを表す検出信号を出力する。スロットル
モータ76は第2スロットル83を通常時に全開にする
とともに加速スリップ制御時には適宜閉じるもので、駆
動信号θTRによって制御されて、この駆動信号θTRによ
って表される開度となるように第2スロットル83を開
閉する。なお、この駆動信号θTRと前記検出信号θM は
共に各スロットル83,82における開度を全開時の開
度に対する100分率で表した値となっている。スイッ
チ77はトラクションコントロールを作動させるか否か
を指示するもので、その作動指示時にハイレベルとな
り、その非作動指示時にローレベルとなるスイッチ信号
SWを出力する。
【0028】次に、以上のように構成した実施例の動作
を説明する。後輪操舵電気制御回路Cにおいては、CP
U65cがイグニッションスイッチの閉成と同時に図3
〜5に示すプログラムの実行を開始して、ステップ10
0〜114からなるメインルーチンの処理とステップ2
00〜220及びステップ300〜302からなるサブ
ルーチンの処理を繰り返し実行し続けて左右後輪RW
1,RW2の操舵制御を行なう。
【0029】CPU65cはステップ100にて変数を
クリアするなどの初期設定を行なった後、ステップ10
2にてステップモータ48の目標回転角δθ*を算出す
るサブルーチンを実行する。同サブルーチンでは、ま
ず、ステップ200にて車両の走行状態を検出する。す
なわち、CPU65cがI/O65eを介して前輪操舵
角センサ61、車速センサ62及びヨーレートセンサ6
3がそれぞれ検出した前輪操舵角δH 、車速V及びヨー
レートγを表すデータを受け取り、それぞれのデータを
一時的にRAM65dに記憶させる。
【0030】次に、CPU65cは、ステップ210に
てRAM65dに記憶されている車速Vに対応した前輪
操舵角比例係数Kδとヨーレート比例係数Krを得るべ
く、ROM65bをアクセスする。上述したように、R
OM65bは、プログラムの記憶領域として使用されて
いる他、データテーブルとしても使用されている。した
がって、前輪操舵角比例係数Kδとヨーレート比例係数
Krの各データについては検出された車速Vを表すデー
タを所定の手順で加工してROM65bのアドレスデー
タとし、このアドレスデータで示されるアドレスに記憶
された値を読み出す。
【0031】ステップ200,210にて左右後輪RW
1,RW2の操舵量を決定する諸要素を得る処理が完了
すると、ステップ220にてステップモータ48に対す
る目標回転角δθ*を下記数1にしたがって求める。
【数1】δθ*=Kδ・δH+Kr・γ 車速Vに対応して読み出される前輪操舵角比例係数Kδ
は、図6に示すように、車速「0」の時に負の最大値と
なり、車速が上がるにつれて徐々に「0」に近づいてい
く。ヨーレート比例係数Kr は、図7に示すように、一
定の車速までは「0」であり、同一定の車速以上となる
と徐々に増加してある車速以上で一定の正の値となって
いる。
【0032】前記目標回転角δθ*の計算後、CPU6
5cはステップ104にてトラクションコントロール電
気制御回路D内のスイッチ77がオンされているか否か
を判断する。この場合、スイッチ77はTRCマイコン
70のI/O70eに接続されており、CPU65cは
I/O65eとI/O70eとを介して同スイッチ77
から出力される制御信号SWを入力し、同スイッチ77が
オンされているか否かを判断する。今、運転者は路面状
況を判断してトラクションコントロールが必要と考え、
同スイッチ77をオンにしていたとすると、CPU65
cはステップ104とステップ106によってトラクシ
ョンコントロール制御のためのフラグTRCFLGに「1」を
セットする。
【0033】次に、CPU65cはステップ108にて
後輪操舵処理を行なう。同後輪操舵処理では、CPU6
5cは図4のステップ300にてモータ回転角センサ6
4が検出したモータ回転角δθを入力し、ステップ30
2にて前記算出した目標回転角δθ*と現在のモータ回
転角δθとの差δθ*−δθを表す信号をステップモー
タ48に対する駆動信号Δrとして駆動回路66に出力
する。すると、同駆動回路66はステップモータ48を
同駆動信号Δrで表される角度だけ回転せしめて、同回
転後の位置に維持せしめる。
【0034】駆動信号Δrが出力されると駆動回路66
はステップモータ48に対して駆動パルスを出力し、ス
テップモータ48はこの駆動パルスにしたがって目標回
転角δθ*まで回転するが、同目標回転角δθ*が負
(又は正)であれば、同モータ48は負方向(又は正方
向)の回転位置まで回転する。このとき、ピン46は基
準位置から左(又は右)方向に変位するので、その中間
部に回動可能に取り付けられたレバー45の上部も左
(又は右)方向に変位する。このレバー45は、中間部
に設けた球型の節状隆起部の外周面でバルブスリーブ4
2aの右端部に設けた貫通孔42a1内に嵌合している
ため、バルブスリーブ42aも左(又は右)側に変位
し、油圧ポンプ43から導管P3を介して供給ポート4
2cに供給される作動油は、流入出ポート42d(又は
流入出ポート42e)を介して左油室35b(又は右油
室35c)に流入し、ピストン35aを右(又は左)方
向に変位させるとともに、右油室35c(又は左油室3
5b)内の作動油を流入出ポート42e(又は流入出ポ
ート42d)から導管P4を介してリザーバ23に排出
せしめる。
【0035】ピストン35aは、その溝35a1内でレ
バー45の下端部と嵌合しているため、作動油によって
同ピストン35aが右(又は左)に変位するとき、レバ
ー45の下端部を右(又は左)へ変位せしめるととも
に、このレバー45によってバルブスリーブ42aを右
(又は左)に戻す。したがって、ピストン35aが一定
量だけ右(又は左)へ変位した時点で左油室35b(又
は右油室35c)に作動油が供給されなくなり、ピスト
ン35aは停止する。ピストン35aが変位すると共に
リレーロッド31も右(又は左)方向に変位され、タイ
ロッド33a,33bを介してナックルアーム34a,
34bをその回転軸周りに反時計(又は時計)方向に回
転せしめ、左右後輪RW1,RW2を左(又は右)方向
に操舵する。
【0036】このように左右後輪RW1,RW2が操舵
される結果、車両が低速走行中であって、運転者がハン
ドル14を操作して左右前輪FW1,FW2を右(又は
左)に操舵したとすれば、前記ステップ200にて入力
される前輪操舵角δH は正(又は負)の値になると共に
ヨーレートγも正(又は負)の値になり、前記ステップ
210にて設定される前輪操舵角比例係数Kδは絶対値
が大きな負の値になると共にヨーレート比例係数Kr は
「0」又は正の小さな値になる。このため、前記ステッ
プ220にて算出される目標回転角δθ*は負(又は
正)の値となる。したがって、左右後輪RW1,RW2
は左(又は右)方向に操舵され、すなわち左右前輪FW
1,FW2に対して逆相に操舵され、低速走行中の車両
の小回り性能が良好となる。
【0037】一方、車両が高速走行中であって、運転者
がハンドル14を操作して左右前輪FW1,FW2を右
(又は左)に操舵したとすれば、前記場合と同様、前記
ステップ200にて入力される前輪操舵角δH は正(又
は負)の値になると共にヨーレートγも正(又は負)の
値になる。しかし、前記ステップ210にて設定される
前輪操舵角比例係数Kδは「0」又は絶対値が小さな負
の値になると共にヨーレート比例係数Kr は絶対値の大
きな正の値になるので、前記ステップ220にて算出さ
れる目標回転角δθ*は正(又は負)の値となる。した
がって、左右後輪RW1,RW2は右(又は左)方向に
操舵され、すなわち左右前輪FW1,FW2に対して同
相に操舵され、高速走行中の車両の走行安定性が良好と
なる。
【0038】一方、運転者がトラクションコントロール
を不要と考えてスイッチ77をオフにすると、CPU6
5cはステップ104にて「NO」と判定し、ステップ
110にてトラクションコントロールを非作動に制御す
るためにトラクションフラグTRCFLGを「0」に設定す
る。
【0039】次に、CPU65cはステップ112にて
左右後輪RW1,RW2を左右前輪FW1,FW2に対
して逆相に操舵すべき状態であるか否かを判定する。こ
の場合、前輪操舵角δH が正であれば左右前輪FW1,
FW2が右に操舵されており、負であれば左に操舵され
ていることを表すのに対し、目標回転角δθ*が正であ
れば左右後輪RW1,RW2は右に操舵され、負であれ
ば左に操舵されるので、逆相に操舵すべきか否かは、例
えば前輪操舵角δH と目標回転角δθ*を掛け合わせた
積が負となるか否かを判断すればよい。
【0040】今、車両が低速走行中であって、左右後輪
RW1,RW2が左右前輪FW1,FW2に対して逆相
に操舵されるべき状態にあれば、CPU65cはステッ
プ112にて「YES」と判定し、ステップ114にて
目標回転角δθ*を「0」として後輪操舵を行なう。す
なわち、ステップモータ48を上記算出された目標回転
角δθ*に駆動せしめず、強制的に中立位置に戻す。ま
た、車両が高速走行中であって、左右後輪RW1,RW
2が左右前輪FW1,FW2に対して同相に操舵される
べき状態にあれば、CPU65cはステップ112にて
「NO」と判定し、ステップ108の前述の処理により
左右後輪RW1,RW2を左右前輪FW1,FW2に対
して同相に操舵する。その結果、スイッチ77がオフさ
れている状態すなわちトラクションフラグTRCFLGが
「0」である状態では、左右後輪RW1,RW2の左右
前輪FW1,FW2に対する同相方向への操舵のみが許
容され、逆相方向への操舵が禁止されることになる。
【0041】このようなCPU65cによる後輪操舵制
御中、TRCマイコン70においては、CPU70cが
ROM70bに記憶された図9のフローチャートに対応
するステップ400〜422からなるプログラムを繰り
返し実行して、トラクションコントロールを行なってい
る。
【0042】同プログラムでは、まずCPU70cがス
テップ400にて加速スリップが生じているか否かを検
出する。加速スリップを検出するには既に多数の方法が
公知となっているが、本実施例では従動輪回転速度セン
サ71a,71bにて検出された左右前輪FW1,FW
2の回転速度θfl,θfrの平均速度を算出するととも
に、同平均速度と駆動輪回転速度センサ72にて検出さ
れた駆動輪の回転速度θr との差を算出し、同差と前記
平均速度との割合を算出して同割合が所定以上の割合と
なったときに加速スリップが生じたものと判断する。同
割合を算出して加速スリップが生じていないと判断すれ
ば、ステップ422にて第2スロットル83を全開にす
るようにサーボモータ76に対して「100%」の開度
を表す制御信号θTRを出力し、再度、同割合を算出して
同判断を行なうという処理を繰り返す。
【0043】しかし、路面の摩擦係数が低い、加速度が
大きいなどの理由により、駆動輪としての左右後輪RW
1,RW2に加速スリップが生じると、CPU70cは
ステップ400にて「YES」と判定し、ステップ40
2にてトラクションフラグTRCFLGが「1」であるか否か
を判断する。トラクションフラグTRCFLGはAWSマイコ
ン65に記憶されているので、CPU70cはI/O7
0eとI/O65eとを介して前記フラグTRCFLGの値を
入力し、同フラグTRCFLGに「1」がセットされている場
合のみ、前記ステップ402にて「YES」と判定し
て、ステップ404〜420からなる加速スリップ抑制
処理を実行する。また、トラクションフラグTRCFLGが
「0」であれば、CPU65cはステップ402にて
「NO」と判定して、ステップ422における前記処理
を実行するので、加速スリップ抑制処理が実行されな
い。
【0044】加速スリップ抑制処理では、CPU70c
はステップ404にて当該加速スリップの抑制処理が初
めて実行されたか否かを判断する。この場合、初めて実
行されたか否かを表すフラグFFLG(「0」にて初めてで
ないことを表し、「1」にて初めてであることを表
す。)を用意し、ステップ422において同フラグFFLG
を「1」にセットし、ステップ404において初めてと
判断された場合に同フラグFFLGに「0」をセットする。
これにより、加速スリップ抑制処理を実行しない場合に
は同フラグFFLGに初めてであることを表す「1」をセッ
トしておき、加速スリップ抑制処理の実行を開始したら
同フラグに初めてではないことを表す「0」をセットし
ておくことになる。
【0045】現在は、初めてであるのでCPU70cは
ステップ406にてエンジン回転速度センサ73が検出
したエンジン80の回転速度NE を入力し、ステップ4
08にてROM70bに記憶されたテーブルより同回転
速度NEに対応するトルクに対して85%のトルクとな
るスロットル開度θT を読み出す。
【0046】次に、CPU70cはステップ410にて
スロットル開度センサ75が検出した第1スロットル8
2の開度θM を入力し、ステップ412にて前記読み出
したスロットル開度θT とこの第1スロットル82の開
度θM とを比較してステップ414,416にていずれ
か小さい方をサーボモータ76に対する駆動信号θTRに
セットする。これは、加速スリップ抑制処理の開始時に
おける第2スロットル83の初期値を設定するものであ
り、同初期値を運転者によって操作されている第1スロ
ットル82の開度よりも小さくして、当該加速スリップ
抑制処理の開始時から駆動力を低下せしめるようにす
る。この初期値が大きすぎれば加速スリップ抑制処理の
開始時に駆動力が低下しないのでタイムラグが生じ、ま
た、この初期値が小さすぎれば駆動力の低下が急すぎて
乗り心地が悪くなるため、現在出力されているトルクの
85%となるようなスロットル開度を初期値にしてい
る。
【0047】スロットル開度の初期値が設定されたら、
CPU70cはステップ418にて同初期値を表す駆動
信号θTRをサーボモータ76に出力する。これにより、
同サーボモータ76は同駆動信号θTRによって表される
開度まで第2スロットル83を閉じ、駆動力はトルク比
で85%以下に減少する。同駆動信号θTRを出力する
と、再度ステップ400にて加速スリップが生じている
か判断し、加速スリップが生じていて、かつ、フラグTR
CFLGが「1」であればステップ404にて加速スリップ
抑制処理が初めてであるか判断する。
【0048】今回は初めてではないと判断されるので、
CPU70cはステップ420にて加速スリップに対応
した開度となるように第2スロットルの開度を増減させ
るフィードバック制御を行ない、加速スリップを抑制す
る。以後、加速スリップが検出されなくなるまでこの処
理を繰り返し、加速スリップが検出されなくなったらC
PU70cはステップ422にて第2スロットル83を
全開にするように「100%」の開度を表す制御信号θ
TRをサーボモータ76に対して出力する。
【0049】これを時間の経過にしたがって観察する
と、図11に示すように時刻T1において加速スリップ
が検出された後、時刻T2において第2スロットル83
の開度が初期値θTRにまで閉じられ、以後、加速スリッ
プが抑制されるように第2スロットル83の開度を増減
せしめ、時刻T3において加速スリップがなくなると時
刻T4には第2スロットル83の開度を100%に戻
す。ゆえに、駆動輪としての左右後輪RW1,RW2の
スリップ率は所定値に抑えられる。
【0050】上述のように、上記第1実施例によれば、
運転者はトラクションコントロールを不要と考えてお
り、スイッチ77がオフに設定されていて駆動輪として
の左右後輪RW1,RW2の加速スリップが抑制されな
い状態では、図3のステップ104,110〜114の
処理により、左右後輪RW1,RW2の左右前輪FW
1,FW2に対する逆相操舵が禁止されるので、加速ス
リップの抑制欠如と左右後輪RW1,RW2の逆相操舵
による相乗効果に起因して車両の挙動が不安定になるこ
とが防止される。また、前記以外の場合には、左右後輪
RW1,RW2の逆相から同相に渡る操舵制御が許容さ
れるので、同後輪RW1,RW2の操舵機能が充分に発
揮され、車両の操安性が良好となる。
【0051】b.第2実施例 次に、本発明の第2実施例について説明する。この実施
例におけるハードウェアの構成は上記第1実施例と同じ
であり、AWSマイコン65のROM65bに、図3の
フローチャートに対応したプログラムに代えて、図12
のフローチャートに対応したプログラムが記憶されてい
る点で上記第1実施例と異なる。なお、図12のフロー
チャートにおいては、上記第1実施例と同一部分には同
一の符号を付してある。
【0052】このように構成した第2実施例において
は、CPU65cが、上述した図12のステップ112
にて「YES」すなわち左右後輪RW1,RW2が左右
前輪FW1,FW2に対して逆相に操舵されるべきであ
ると判定された後、ステップ120にて車速センサ62
からの車速Vを表す検出信号を入力すると共に、同車速
Vと予め定めた所定車速V0 (例えば、10km/h)
とを比較することにより、車両が前記所定車速V0 以下
(微低速)で走行しているか否かを判定する。
【0053】今、車両が微低速で走行していれば、運転
者がトラクションコントロールを不要と考えてスイッチ
77がオフされていても、上述したステップ104,1
10,112の処理後、CPU65cはステップ120
にて「YES」と判定し、ステップ108にてステップ
モータ48の回転位置を上述したステップ102の処理
により計算した目標回転角δθ*に設定する。この場
合、車速Vは極めて小さい(10km/h以下)ので、目標
回転角δθ*は左右後輪RW1,RW2を左右前輪FW
1,FW2に対して逆相に大きく操舵する値に設定され
ており、同後輪RW1,RW2は左右前輪FW1,FW
2に対して逆相に大きく操舵される。
【0054】一方、車両が微低速状態になければ、運転
者がトラクションコントロールを不要と考えてスイッチ
77がオフされているときには、CPU65cはステッ
プ120にて「NO」と判定し、上述したステップ11
4の処理により左右後輪RW1,RW2は中立状態に維
持される。
【0055】このように、左右後輪RW1,RW2の逆
相操舵により、車両が微低速状態にあれば、トラクショ
ンコントロールとは無関係に車両の小回り性が発揮され
る。なお、車両が前記のように微低速走行状態にあれ
ば、駆動輪としての左右後輪RW1,RW2が加速スリ
ップしても、車両の挙動が不安定になることはない。ま
た、それ以外のときには、上記第1実施例と同様に、ス
イッチ77がオフに設定されていて駆動輪としての左右
後輪RW1,RW2の加速スリップが抑制されない状態
では、左右後輪RW1,RW2の左右前輪FW1,FW
2に対する逆相操舵が禁止されるので、加速スリップの
抑制欠如と左右後輪RW1,RW2の逆相操舵による相
乗効果に起因して車両の挙動が不安定になることが防止
される。
【0056】c.第3実施例 次に、本発明の第3実施例について説明する。この実施
例におけるハードウェアの構成は、AWSマイコン65
のI/O65eに摩擦係数センサ67が接続されている
ことを除き、上記第1実施例と同じである。ソフト的に
は、AWSマイコン65のROM65bに、図3のフロ
ーチャートに対応したプログラムに代えて、図13のフ
ローチャートに対応したプログラムが記憶されている点
と、TRCマイコン70のROM70bに、図9のフロ
ーチャートに対応したプログラムに代えて、図14のフ
ローチャートに対応したプログラムが記憶されている点
とで上記第1実施例と異なる。なお、図13,14のフ
ローチャートにおいては、上記第1実施例と同一部分に
は同一符号を付してある。
【0057】摩擦係数センサ67は走行路面とタイヤと
の間の摩擦係数μを検出するもので、具体的には、雨が
降って路面が濡れているか、気温が低くて路面が凍結し
ているか、アンチスキットブレーキシステム(図示しな
い)が頻繁に作動したか、ハンドル操作に対する反力は
大きいか、車両の運動状態などの種々の要素により、前
記摩擦係数値μを推定し、同推定結果を検出信号として
出力する。
【0058】このように構成した第3実施例において
は、図14のステップ400における「YES」との判
定後、TRCマイコン70のCPU70cがステップ4
30にてトラクションコントロール電気制御回路Dの異
常発生の有無を検出する。具体的には、トラクションコ
ントロール電気制御回路D内の従動輪回転速度センサ7
1a,71b、駆動輪回転速度センサ72、エンジン回
転速度センサ73、エアフロメータ74、スロットル開
度センサ75、スロットルモータ76、スイッチ77及
びTRCマイコン70自体のいずれかの異常発生の有無
を検出する。
【0059】今、トラクションコントロール電気制御回
路Dに異常が発生していなければ、CPU70cは図1
4のステップ430にて「NO」と判定して、プログラ
ムをステップ402へ進めるので、トラクションコント
ロール電気回路Dは上記第1実施例と同様に動作する。
【0060】このとき、AWSマンコン65において
は、図13のステップ102における目標回転角δθ*
の算出後、CPU65cがステップ130にてトラクシ
ョンコントロール電気制御回路Dの状態を表すフェイル
フラグFAILFLG が「1」であるか否かを判定する。な
お、このフェイルフラグFAILFLG はTRCマイコン70
により設定されると共にTRCマイコン70のI/O7
0eを介して入力されるもので、初期には「0」に設定
されていて、トラクションコントロール電気制御回路D
の異常時に、図14のステップ432の処理により
「1」に設定されるものである。この場合、トラクショ
ンコントロール電気制御回路Dに異常が発生していない
ので、CPU65cは前記ステップ130にて「NO」
すなわちフェイルフラグFAILFLG が「0」であると判定
してプログラムをステップ104以降へ進め、上記第1
実施例とほぼ同様に左右後輪RW1,RW2を操舵制御
する。
【0061】ただし、この場合、スイッチ77がオフさ
れていて、かつ左右後輪RW1,RW2が逆相に操舵さ
れるべき状態にあれば、ステップ104,110,11
2の処理後、CPU65cはステップ132にて摩擦係
数センサ67からの信号を入力して摩擦係数μが小さい
か否かを判定する。車両が滑り易い路面を走行していて
摩擦係数μが小さければ、CPU65cはこのステップ
132にて「YES」と判定して、ステップ114の処
理により、左右後輪RW1,RW2を中立状態に維持す
る。したがって、スイッチ77がオフされていてトラク
ションコントロールが行われないと共に、車両が滑り路
面を走行していた場合には、左右後輪RW1,RW2が
左右前輪FW1,FW2に対して逆相に操舵されること
がなくなり、駆動輪としての左右後輪RW1,RW2の
加速スリップと前記逆相操舵との相乗により車両の挙動
が不安定になることがない。
【0062】また、スイッチ77がオフされていてトラ
クションコントロールが行われない場合でも、走行路面
が滑り難い、すなわち摩擦係数μが大きければ、CPU
65cはステップ132にて「NO」と判定して、ステ
ップ108の処理を実行するので、この場合には、左右
後輪RW1,RW2は左右前輪FW1,FW2に対して
も逆相に操舵され、車両の小回り性能が良好となる。
【0063】一方、トラクションコントロール電気制御
回路Dに異常が発生すると、TRCマイコン70のCP
U70cは図14のステップ430にて「YES」と判
定し、ステップ432にてフェイルフラグFAILFLG 及び
トラクションフラグTRCFLGをそれぞれ「1」、「0」に
設定する。そして、CPU70cはステップ402にて
前記「0」に設定されたトラクションフラグTRCFLGに基
づき常に「NO」と判定し、ステップ422にて第2ス
ロットル83を全開状態に制御する。これにより、この
場合には、トラクションコントロール電気制御回路Dに
よるトラクションコントロールが行われない。
【0064】このとき、後輪操舵電気制御回路Cにおい
ては、CPU65cがステップ130にて前記「1」に
設定されたフェイルフラグFAILFLG に基づいて「YE
S」と判定して、プログラムをステップ112以降へ進
める。この場合、左右後輪RW1,RW2が左右前輪F
W1,FW2に対して逆相に操舵されるべき状態にあ
り、摩擦係数μが小さいときのみ、CPU65cはステ
ップ112,132にて共に「YES」と判定して、ス
テップ114にて左右後輪RW1,RW2を中立状態に
維持する。その結果、トラクションコントロール電気制
御回路Dの異常によってトラクションコントロールが行
われず、かつ走行面が滑り易い状態にあれば、左右後輪
RW1,RW2を左右前輪FW1,FW2に対して逆相
に操舵することが禁止されるので、駆動輪としての左右
後輪RW1,RW2の加速スリップと前記逆相操舵との
相乗作用により、車両の挙動が不安定になることが防止
される。
【0065】また、トラクションコントロール電気制御
回路Dの異常によってトラクションコントロールが行わ
れない場合でも、走行路面が滑り難い状態にあって摩擦
係数μが大きければ、CPU65cはステップ132に
て「NO」と判定して、ステップ108にて左右後輪R
W1,RW2を前記ステップ102にて算出した目標回
転角δθ*に対応した操舵角に操舵制御する。その結
果、この場合には、左右後輪RW1,RW2は左右前輪
FW1,FW2に対して逆相に操舵され、車両の小回り
性能が良好となる。
【0066】d.第4実施例 次に、本発明の第4実施例について説明する。この実施
例におけるハードウェアの構成は上記第1実施例と同じ
であり、AWSマイコン65のROM65bに、図3の
フローチャートに対応したプログラムに代えて、図15
のフローチャートに対応したプログラムが記憶されてい
ると共に、同ROM65b内に設けたテーブルに図17
のグラフに示す特性のステップモータ48の最大回転角
δθMAX が記憶されている点と、TRCマイコン70の
ROM70bに、図9のフローチャートに対応したプロ
グラムに代えて、図16のフローチャートに対応したプ
ログラムが記憶されていると共に、同ROM70b内に
設けたテーブルに図18のグラフに示す特性の目標スリ
ップ率S*が記憶されている点とで上記第1実施例と異
なる。図15,16のフローチャートにおいては、上記
第1実施例と同一部分には同一符号を付してある。
【0067】このように構成した第4実施例において
は、TRCマイコン70のCPU70cは、図16のス
テップ440にてスイッチ77からの制御信号SWを入力
して、運転者によりトラクションコントロールが選択さ
れているか否かを判定する。
【0068】今、運転者がスイッチ77をオンしていれ
ば、CPU70cはステップ440にて「YES」と判
定し、ステップ442にて従動輪回転速度センサ71
a,71b及び駆動輪回転速度センサ72からの検出信
号を入力して、左右前輪FW1,FW2の回転速度θf
l,θfrを表すデータをRAM70d内に一時的に記憶
する。次に、CPU70cはステップ444にて前記回
転速度θfl,θfrの平均値(θfl+θfr)/2に基づいてR
OM70b内のテーブルから目標スリップ率S*を読み
出す。この場合、従動輪である左右前輪FW1,FW2
の回転速度の前記平均値(θfl+θfr)/2は車速を表して
いるので、目標スリップ率S*は車速が小さいとき大き
な値に設定されると共に、車速が大きくなるにしたがっ
て小さな値に設定される(図18参照)。次に、CPU
70cはステップ446にて駆動輪である左右後輪RW
1,RW2のスリップ率Sを下記数2に基づいて計算す
る。
【数2】S=(2・θr−θfl−θfr)/(θfl+θfr)
【0069】前記目標スリップ率S*の決定及びスリッ
プ率Sの計算後、CPU70cはステップ448にて両
値S*,Sを比較する。この場合、スリップ率Sが目標
スリップ率S*より大きければ、CPU70cはステッ
プ448にて「YES」判定して、上記第1実施例と同
様なステップ404〜420の処理によって、駆動輪と
しての左右後輪RW1,RW2の加速スリップを抑制す
る。また、スリップ率Sが目標スリップ率S*以下なら
ば、CPU70cはステップ448にて「NO」と判定
して、上記第1実施例と同一のステップ422の処理に
よって第2スロットル83を全開にして前記加速スリッ
プの抑制を解除する。このような制御の結果、左右後輪
RW1,RW2のスリップ率Sはほぼ目標スリップ率S
*以下に維持される。
【0070】また、運転者がスイッチ77をオフしてい
れば、CPU70cはステップ440にて「NO」と判
定し、ステップ450にて目標スリップ率S*をスリッ
プ最大値SMAX に設定して、ステップ422の処理によ
って第2スロットル83を全開にして前記加速スリップ
の抑制を解除する。なお、この場合、スリップ最大値S
MAX は、図17に示すように、ステップモータ48の最
大回転角δθMAX が「0」になる値に対応している。
【0071】一方、後輪操舵電気制御回路Cにおいて
は、AWSマイコン65のCPU65cが、ステップ1
02にて上記第1実施例の場合と同様に上記数1に基づ
いてステップモータ48の目標回転角δθ*を計算した
後、ステップ140にて同実施例の場合と同様な方法に
より左右後輪RW1,RW2が左右前輪FW1,FW2
に対して逆相に操舵されるべき状態にあるか否かを判定
する。この場合、左右後輪RW1,RW2が前記逆相に
操舵されるべき状態になければ、CPU65cはステッ
プ140にて「NO」と判定して、ステップ108に
て、上記第1実施例の場合と同様に、左右後輪RW1,
RW2を前記目標回転角δθ*に対応させて操舵する。
【0072】また、左右後輪RW1,RW2が左右前輪
FW1,FW2に対して逆相に操舵されるべき状態にあ
れば、CPU65cはステップ142にて目標スリップ
率S*に基づいてROM65b内のテーブルからステッ
プモータ48の最大回転角δθMAX を読み出す。この最
大回転角δθMAX は、図17に示すように、目標スリッ
プ率S*が大きくなるにしたがって小さな値になり、ス
リップ最大値SMAX 以上で「0」になる。
【0073】この最大回転角δθMAX の決定後、CPU
65cはステップ144,148にて目標回転角δθ*
の絶対値|δθ*|(左右後輪RW1,RW2の左右へ
の操舵量に対応)が最大回転角δθMAX の範囲内である
か否かを判定する。この場合、目標回転角δθ*が正の
最大回転角δθMAX より大きければ、CPU65cはス
テップ144にて「YES」と判定して、ステップ14
6にて目標回転角δθ*を値δθMAX (正の値)に変更
する。また、目標回転角δθ*が負の最大回転角−δθ
MAX より小さければ、CPU65cはステップ148に
て「YES」と判定して、ステップ150にて目標回転
角δθ*を値−δθMAX (負の値)に変更する。目標回
転角δθ*の絶対値|δθ*|が最大回転角δθMAX
範囲内であれば、CPU65cはステップ144,14
8にて共に「NO」と判定して、目標回転角δθ*を変
更しないで、プログラムをステップ108に進める。
【0074】このようなステップ142〜150の処理
により、目標回転角δθ*は目標スリップ率S*が大き
くなるにしたがって、その絶対値|δθ*|が小さな値
に制限されることになる。特に、トラクション電気制御
回路Dにおいて、トラクションコントロールがなされな
い場合には、目標スリップ率S*がスリップ最大値S
MAX に設定されるので、目標回転角δθ*は「0」に設
定される。
【0075】そして、CPU65cがステップ108に
て左右後輪RW1,RW2の操舵角を前記目標回転角δ
θ*に対応して操舵するので、トラクション電気制御回
路Dが駆動輪である左右後輪RW1,RW2の加速スリ
ップを小さなものに抑制しているほど、同後輪RW1,
RW2は大きな逆相操舵が許容される。そして、この加
速スリップの抑制が緩和されるにしたがって、左右後輪
RW1,RW2の逆相への許容操舵量は小さく制限さ
れ、トラクションコントロールが行われない場合には、
同後輪RW1,RW2の操舵は禁止される。
【0076】その結果、この第4実施例においても、駆
動輪としての左右後輪RW1,RW2の加速スリップと
前記逆相操舵との相乗作用により、車両の挙動が不安定
になることが防止される。また、この実施例によれば、
加速スリップの抑制と左右後輪RW1,RW2の逆相操
舵との両程度が連続的に制御されるので、トラクション
コントロール及び後輪操舵機能を最大限に生かすことが
できる。
【0077】e.上記各実施例の変形例 上記第2実施例においては、車両が微低速で走行してい
るとき、スイッチ77がオフされていてトラクションコ
ントロールが作用していなくても、図12のステップ1
20の判定処理により、左右後輪RW1,RW2の左右
前輪FW1,FW2に対する逆相操舵禁止を解除するよ
うにしたが、このステップ120の判定処理の代わり
に、上記第3実施例の図13のステップ132の摩擦係
数μの大小の比較判定処理を行うようにして、車両が摩
擦係数μの大きな路面を走行している場合には、左右後
輪RW1,RW2の前記逆相操舵禁止を解除するように
してもよい。また、前記ステップ120の判定処理とス
テップ114の逆相操舵禁止処理との間に、前記ステッ
プ132の処理を挿入して、トラクションコントロール
が作用していなくても、車両が微低速走行している場合
と、車両が摩擦係数μの大きな路面を走行している場合
には、左右後輪RW1,RW2の前記逆相操舵禁止を解
除するようにしてもよい。
【0078】また、上記第3実施例においては、車両が
摩擦係数μの大きな路面を走行しているとき、トラクシ
ョン電気制御回路Dに異常が発生していてトラクション
コントロールが作用していなくても、図13のステップ
132の判定処理により、左右後輪RW1,RW2の左
右前輪FW1,FW2に対する逆相操舵禁止を解除する
ようにしたが、このステップ132の判定処理の代わり
に、上記第2実施例の図12のステップ120の微低速
走行の判定処理を行うようにして、車両が微低速で走行
している場合には、左右後輪RW1,RW2の前記逆相
操舵禁止を解除するようにしてもよい。また、前記ステ
ップ132の判定処理とステップ114の逆相操舵禁止
処理との間に、前記ステップ120の処理を挿入して、
トラクションコントロールが作用していなくても、車両
が摩擦係数μの大きな路面を走行している場合と、車両
が微低速走行している場合には、左右後輪RW1,RW
2の前記逆相操舵禁止を解除するようにしてもよい。
【0079】また、上記第4実施例においても、上記第
2,3実施例のように、車両が微低速で走行していると
き、および車両が摩擦係数μの高い路面を走行している
ときには、左右後輪RW1,RW2の逆相操舵制限を解
除するようにしてもよい。この場合、上記図12のステ
ップ120と図13のステップ132の判定処理を図1
5のステップ140,142の両処理間に挿入して、車
両の微低速走行が検出されたとき、および車両の高摩擦
係数路の走行が検出されたとき、ステップ142〜15
0の処理を飛ばしてプログラムをステップ108へ進め
るようにすればよい。また、それ以外のときには、上述
したように、ステップ142〜150の処理後に、ステ
ップ108の処理を行うようにすればよい。
【0080】また、上記第1〜第4実施例においては、
加速スリップを検出するために従動輪と駆動輪の回転速
度差を使用しているが、駆動輪の回転速度を微分して加
速度を検出し、同加速度が所定値以上となったときに加
速スリップが生じたと検出する構成としたり、駆動輪が
有効に路面に伝達することができる駆動力を算出すると
ともに機関出力が同駆動力を越えた場合に加速スリップ
を検出する構成とするなど、他の構成によって検出する
ことも可能である。
【0081】さらに、上記第1〜第4実施例において
は、加速スリップを抑制するために、スロットル開度を
開閉せしめて駆動力を減少させているが、ブレーキを作
動させて駆動力を減少させるなど、他の構成によって加
速スリップを抑制することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 上記特許請求の範囲に記載した各発明の構成
に対応するクレーム対応図である。
【図2】 本発明の各実施例に係る車両の操舵装置部の
概略図である。
【図3】 本発明の第1実施例に係り図2のAWSマイ
コンで実行されるメインルーチンに対応したフローチャ
ートである。
【図4】 本発明の各実施例に係り図3,12,13,
15の目標回転角算出ルーチンに対応したフローチャー
トである。
【図5】 本発明の各実施例に係り図3,12,13,
15の後輪操舵ルーチンに対応したフローチャートであ
る。
【図6】 本発明の各実施例に係り図2のAWSマイコ
ンにて記憶されている前輪操舵角比例係数の車速に対す
る変化特性グラフである。
【図7】 本発明の各実施例に係り図2のAWSマイコ
ンにて記憶されているヨーレート比例係数の車速に対す
る変化特性グラフである。
【図8】 本発明の各実施例に係り図2の車両のトラク
ションコントロール装置部の概略図である。
【図9】 本発明の第1及び第2実施例に係り図8のT
RCマイコンで実行される制御プログラムに対応したフ
ローチャートである。
【図10】本発明の各実施例に係り図8のTRCマイコ
ンにて記憶されている第2スロットルの初期開度のテー
ブル内容を表す図である。
【図11】本発明の各実施例に係り図8の第2スロット
ルの開度の時間変化を表すタイムチャートである。
【図12】本発明の第2実施例に係り図3のフローチャ
ートに代わるメインルーチンに対応したフローチャート
である。
【図13】本発明の第3実施例に係り図3のフローチャ
ートに代わるメインルーチンに対応したフローチャート
である。
【図14】本発明の第3実施例に係り図9のフローチャ
ートに代わる制御プログラムに対応したフローチャート
である。
【図15】本発明の第4実施例に係り図3のフローチャ
ートに代わるメインルーチンに対応したフローチャート
である。
【図16】本発明の第4実施例に係り図9のフローチャ
ートに代わる制御プログラムに対応したフローチャート
である。
【図17】本発明の第4実施例に係り図2のAWSマイ
コンにて記憶されている最大回転角の目標スリップ率に
対する変化特性グラフである。
【図18】本発明の第4実施例に係り図8のTRCマイ
コンにて記憶されている目標スリップ率の車速に対する
変化特性グラフである。
【符号の説明】
A…前輪操舵機構、B…後輪操舵機構、C…後輪操舵電
気制御回路、D…トラクションコントロール電気制御回
路、E…エンジン吸気機構、FW1,FW2…前輪、R
W1,RW2…後輪、14…操舵ハンドル、61…前輪
操舵角センサ、62…車速センサ、63…ヨーレートセ
ンサ、65…AWSマイコン、67…摩擦係数センサ、
70…TRCマイコン、71a,71b…従動輪回転速
度センサ、72…駆動輪回転速度センサ、73…エンジ
ン回転速度センサ、75…スロットル開度センサ、76
…サーボモータ、77…スイッチ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B62D 137:00 (72)発明者 武田 修 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 田中 宏明 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 小池 伸 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 杉山 瑞穂 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 大橋 薫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 岩田 仁志 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 石川 将 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B62D 6/00 - 6/06 B62D 7/14

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪のスリップを検出して同スリップを
    抑制するスリップ抑制手段と、前記スリップ抑制手段の
    作動又は非作動を選択する選択手段とからなるトラクシ
    ョン制御装置を搭載した車両に適用され、後輪を操舵す
    る後輪操舵機構と、前記後輪操舵機構を制御して後輪を
    車両の走行状態に応じた操舵量に操舵する操舵制御手段
    とを備えた車両の後輪操舵装置において、前記選択手段
    によって前記スリップ抑制手段の非作動が選択されてい
    るとき前記操舵制御手段を制御して後輪の前輪に対する
    逆相操舵を禁止する操舵制限手段を設けたことを特徴と
    する車両の後輪操舵装置。
  2. 【請求項2】 車輪のスリップを検出して同スリップを
    抑制するスリップ抑制手段と、前記スリップ抑制手段の
    異常を検出するフェイル検出手段とからなるトラクショ
    ン制御装置を搭載した車両に適用され、後輪を操舵する
    後輪操舵機構と、 前記後輪操舵機構を制御して後輪を車両の走行状態に応
    じた操舵量に操舵する操舵制御手段とを備えた車両の後
    輪操舵装置において、前記フェイル検出手段によって前
    記トラクション制御装置の異常が検出されたとき前記操
    舵制御手段を制御して後輪の前輪に対する逆相操舵を禁
    止する操舵制限手段を設けたことを特徴とする車両の後
    輪操舵装置。
  3. 【請求項3】 車輪のスリップを検出して車輪のスリッ
    プ率を目標値以下に抑制するトラクション制御装置を搭
    載した車両に適用され、後輪を操舵する後輪操舵機構
    と、前記後輪操舵機構を制御して後輪を車両の走行状態
    に応じた操舵量に操舵する操舵制御手段とを備えた車両
    の後輪操舵装置において、前記トラクション制御装置に
    よるスリップ率の目標値に応じて前記操舵制御手段を制
    御して同目標値が大きいとき後輪の前輪に対する逆相方
    向への操舵量を小さな操舵量に制限する操舵制限手段を
    設けたことを特徴とする車両の後輪操舵装置。
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