JPH0558326A - パワーステアリング装置 - Google Patents

パワーステアリング装置

Info

Publication number
JPH0558326A
JPH0558326A JP25294791A JP25294791A JPH0558326A JP H0558326 A JPH0558326 A JP H0558326A JP 25294791 A JP25294791 A JP 25294791A JP 25294791 A JP25294791 A JP 25294791A JP H0558326 A JPH0558326 A JP H0558326A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steering
control device
vehicle
assist amount
reaction force
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25294791A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiaki Matsuo
芳明 松尾
Masanori Yamamoto
真規 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP25294791A priority Critical patent/JPH0558326A/ja
Publication of JPH0558326A publication Critical patent/JPH0558326A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 4WS制御装置等の車両運動制御装置が正常
である場合と故障した場合とで操舵力のアシスト量を変
化させることにより、その故障とは無関係に常に適正な
操舵反力を実現するパワーステアリング装置を提供す
る。 【構成】 車速Vを検出し(S2)、4WS制御装置が
故障しているか否かを判定し(S3)、そうであるとき
の方がそうでないときよりアシスト量Aが少なくなるよ
うにアシスト量Aを決定し(S4,5)、それを実現す
る電流を、操舵力のアシスト量を変えるソレノイドバル
ブに供給する(S6)。4WS制御装置の故障に基づく
操舵反力の減少分がアシスト量Aの減少分で補充され
て、4WS制御装置の故障時にも適正な操舵反力が実現
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両運動制御装置を備え
た車両に設けられるパワーステアリング装置に関するも
のであり、特に車両運動制御装置の故障時にも適正な操
舵反力を実現する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】パワーステアリング装置の一態様とし
て、ドライバにより車両のステアリングホイールに加え
られる操舵力をアシストし、そのアシスト量を操舵力の
みならず他のパラメータによっても変化させるものが既
に存在する。実開昭58−180381号公報に記載さ
れているように、車速に応じてアシスト量を変化させる
車速感応型のパワーステアリング装置や、エンジン回転
数に応じてアシスト量を変化させる回転数感応型のパワ
ーステアリング装置などがそれの一例である。
【0003】そして、この種のパワーステアリング装置
は例えば、車両運動制御装置を備えた車両に設けられ
る。ここにおいて車両運動制御装置は例えば、車両の後
輪の舵角を前輪の舵角等との関係において適正に制御す
るいわゆる4輪操舵制御装置や、路面の状況および車両
の加減速,旋回等とは無関係に車体の姿勢を水平に維持
するサスペンション制御装置や、車両制動時に車輪がロ
ック状態に陥らないように車輪のブレーキ圧を制御する
アンチロック制御装置や、車両発進時および加速時に駆
動車輪に過大なスリップが発生しないように駆動車輪の
駆動力を減殺するトラクション制御装置などである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】車両運動制御装置が何
らかの事情で故障したために正規の作動を行い得ない状
態と正常であるために正規の作動を行う状態とでは、車
両の運動状態が異なる。車両の運動状態が異なると路面
と舵取り車輪との間の関係、すなわち、例えば、舵取り
車輪が路面から受ける路面反力が異なり、ひいては、ド
ライバがステアリングホイールから受ける操舵反力が異
なる。
【0005】しかし、従来のパワーステアリング装置
は、車両運動制御装置が故障したか否かとは無関係に、
操舵力のアシスト量を制御するように設計されているた
め、従来のパワーステアリング装置には、車両運動制御
装置が故障すると正規の操舵反力が実現されないという
問題があった。
【0006】本発明はこの問題を解決することを課題と
して為されたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】そして、本発明の要旨
は、車両運動制御装置を備えた車両に設けられるパワー
ステアリング装置に、車両運動制御装置が故障した状態
と故障していない状態とで、ドライバによりステアリン
グホイールに加えられる操舵力をアシストするアシスト
量を変化させるアシスト量変化手段を設けたことにあ
る。
【0008】なお、本発明は例えば、車速感応型のパワ
ーステアリング装置に適用することも回転数感応型のパ
ワーステアリング装置に適用することもできる。
【0009】また、本発明は例えば、操舵力アシストの
動力源としてオイルポンプを用いる油圧型のパワーステ
アリング装置に適用することも動力源として電動モータ
を用いる電動型のパワーステアリング装置に適用するこ
ともできる。
【0010】また、本発明におけるアシスト量変化手段
は例えば、アシスト量を直接変化させる直接アシスト量
変化型とすることも、アシスト量は変化させないが操舵
抵抗を付与してそれを変化させることによって擬似的に
アシスト量を変化させる間接アシスト量変化型とするこ
ともできる。なお、操舵抵抗は例えば、ステアリングホ
イールまたはそれと一体的に運動する部材を中立位置に
向かう方向に付勢する油圧反力として発生させること
も、ステアリングホイールまたはそれと一体的に運動す
る部材の摩擦力として発生させることもできる。
【0011】
【作用】本発明に係るパワーステアリング装置において
は、アシスト量変化手段により操舵力のアシスト量が、
車両運動制御装置が故障した状態と故障していない状態
とで変化させられる。
【0012】アシスト量変化手段は例えば、車両運動制
御装置がそれが故障すると操舵反力を減少させる特性を
持つものである場合には、車両運動制御装置が故障した
状態の方が故障しない状態より少なくなるようにアシス
ト量を変化させる態様とすることができる。車両運動制
御装置の故障による操舵反力の減少をアシスト量の減少
で補充する態様とすることができるのである。
【0013】アシスト量変化手段はまた、車両運動制御
装置がそれが故障すると操舵反力を増加させる特性を持
つものである場合には、車両運動制御装置が故障した状
態の方が故障しない状態より多くなるようにアシスト量
を変化させる態様とすることができる。車両運動制御装
置の故障による操舵反力の増加をアシスト量の増加で減
殺する態様とすることができるのである。
【0014】アシスト量変化手段はまた、車両運動制御
装置がそれが故障すると操舵反力を減少させる特性を持
つものであると操舵反力を増加させる特性を持つもので
あるとを問わず、車両運動制御装置が故障した状態の方
が故障しない状態より少なくなるようにアシスト量を変
化させる態様とすることができる。車両運動制御装置が
車両の走行安定性を向上させるべく車両に設けられる場
合には、車両運動制御装置の故障により車両の走行安定
性が低下するのであるから、その低下をアシスト量の減
少で補充する態様とすることができるのである。アシス
ト量を減少させれば操舵反力が増加し、ドライバによる
過剰な操舵や素早い操舵が抑制され、車両挙動が安定
し、結局、車両の走行安定性の低下が防止されるからで
ある。
【0015】
【発明の効果】このように、本発明に従えば、車両運動
制御装置が故障すればそれに応じてアシスト量が変化さ
せられるため、車両運動制御装置の故障時にも十分適正
な操舵反力が実現されるという効果が得られる。
【0016】
【実施例】以下、本発明のいくつかの実施例である油圧
型,間接アシスト量変化型および車速感応型のパワース
テアリング装置を図面に基づいて詳細に説明する。
【0017】本発明の一実施例であるパワーステアリン
グ装置は、車両運動制御装置として4輪操舵(以下、4
WSと略称する。図においても同じ)制御装置を備えた
車両に設けられている。
【0018】4WS制御装置は、車両の後輪の舵角を前
輪の舵角すなわちステアリングホイールの操舵角,車
速,車輪速等に基づき、車両の旋回性能および操縦応答
性・走行安定性が向上するように制御するものである。
ところで、車両走行中に突然横風を受けた時や、車両の
急制動時や、雪路,砂利路など車輪の路面に対する接地
力が不足する状態での車両の発進時および加速時には一
般に、車体に予定外の自転運動が発生したり(車両が偏
向したり)車両がふらついて進路が乱れる傾向が強い。
そのため、本4WS制御装置はそのような予定外の自転
運動の発生を抑制すべく、フロントステアリングの状態
とは無関係に車両のヨーレートに基づくフィードバック
制御により後輪の舵角を積極的に制御するいゆわるアク
ティブ型とされている。
【0019】すなわち、本4WS制御装置は基本的に
は、舵角比例制御とヨーレートフィードバック制御との
共同により後輪の舵角を制御するものなのであり、結
局、後輪の舵角δr は前輪の舵角δf すなわち操舵角と
ヨーレートγとを用いて次式のように表されるのであ
る。 δr =Kf ・δf +Kb ・γ ただし、Kf およびKb はそれぞれ制御定数である。
【0020】そのため、本4WS制御装置は図2に示す
ように、後輪の舵角を変化させるべくリヤステアリング
機構を作動させるリヤステアリングアクチュエータ1
と、車速センサ2,操舵角センサ3,ヨーレートセンサ
4,車輪速センサ5等の各種センサと,それらセンサか
らの信号に基づき、リヤステアリングアクチュエータ1
を介してリヤステアリング機構を制御する4WSコンピ
ュータ6とを備えている。
【0021】なお、4WSコンピュータ6は自己診断機
能を備えている。具体的には、4WSコンピュータ6
は、リヤステアリングアクチュエータ1や各種センサが
断線などにより故障したか否かを診断し、さらに、故障
したと診断した場合にはその旨の診断信号を、故障して
いないと診断した場合にはその旨の診断信号を外部に対
して出力するように設計されている。そして、例えば、
ヨーレートセンサ4については、左右前輪の車輪速セン
サ5を用いて左右前輪の車輪速差を検出してそれから参
照ヨーレートを算出し、それとヨーレートセンサ4によ
る検出ヨーレートとを互いに比較し、それらの間の不整
合量が異常に多い場合にはヨーレートセンサ4が故障し
ていると診断する。
【0022】また、4WSコンピュータ6は、ヨーレー
トセンサ4等、ヨーレートフィードバック制御に係る構
成要素に故障が発生したと診断した場合にはそのヨーレ
ートフィードバック制御を中止し、一方、操舵角センサ
3等、舵角比例制御に係る構成要素に故障が発生したと
診断した場合にはその舵角比例制御のみならず4WS制
御全体を中止するようにも設計されている。
【0023】次に本パワーステアリングの構造および作
動を説明する。
【0024】本パワーステアリング装置においては図3
に示すように、リザーバタンク10内のオイルがオイル
ポンプとしての、図示しない車両のエンジンによって駆
動されるベーンポンプ12によって汲み上げられてパワ
ーシリンダ14に供給される。ベーンポンプ12は図示
しないフローコントロールバルブを内蔵していて、ベー
ンポンプ12の回転数すなわちエンジンの回転数とは無
関係にベーンポンプ12からの吐出油量が一定に保たれ
るようになっている。パワーシリンダ14は、ベーンポ
ンプ12から供給されたオイルの油圧を機械力に変換し
て舵取り車輪である左右前輪の操舵力をアシストするも
のであって、車両の左右方向に移動して左右前輪の舵角
を変化させるコントロールラック18に固定のパワーピ
ストン20と、そのパワーピストン20に、左右前輪を
右方向に操舵するための右切り圧と左方向に操舵するた
めの左切り圧とをそれぞれ作用させるシリンダ右室22
およびシリンダ左室24とを備えている。
【0025】上述のリザーバタンク10,ベーンポンプ
12およびパワーシリンダ14の間にステアリングギヤ
ボックス(以下、単にギヤボックスという)30が設け
られている。このギヤボックス30においては、一端が
図示しないステアリングホイールに一体的に回転可能に
連結されたトーションバー32の他端がピニオンギヤ3
4に一体的に回転可能に連結され、そのピニオンギヤ3
4の歯部が前記コントロールラック18の歯部に噛み合
わされている。すなわち、本パワーステアリング装置の
ステアリングギヤ機構はラックアンドピニオン型なので
ある。
【0026】ギヤボックス30内には、いずれも複数の
半径方向油路を持つコントロールバルブシャフト36お
よびロータリバルブ38を主体とするコントロールバル
ブ40が、リザーバタンク10,ベーンポンプ12,シ
リンダ右室22およびシリンダ左室24に接続された状
態で設けられている。コントロールバルブシャフト36
は、円筒状を成してトーションバー32の外側に適当な
隙間を隔てて挿通され、それの一端部はピン42により
トーションバー32に固定されているが、他端部はトー
ションバー32から浮かされている。ロータリバルブ3
8は、円筒状を成してコントロールバルブシャフト36
の外側に油密かつ摺動回転可能に嵌合されるとともに、
自身の外周面においてギヤハウジング44に油密かつ摺
動回転可能に嵌合されている。また、ロータリバルブ3
8はピニオンギヤ34と一体的に回転可能に連結されて
いる。そして、コントロールバルブ40は、ドライバに
よる操舵によってトーションバー32が捩じられればそ
の捩じられた分だけロータリバルブ38に対するコント
ロールバルブシャフト36の相対的な位相が変化すると
いう現象を利用して、リザーバタンク10,ベーンポン
プ12,シリンダ右室22およびシリンダ左室24の間
の油路の切り換えおよび各油路の絞り面積の制御を行
い、これにより、ステアリングホイールの操舵方向およ
び操舵力に応じてパワーシリンダ20の作動方向(すな
わち操舵力のパワーアシスト方向)および作動力(すな
わち操舵力のパワーアシスト量)を制御する。
【0027】ギヤボックス30内にはさらに、ステアリ
ングホイールにそれの回転を抑制する力を油圧反力とし
て作用させる油圧反力作用装置50も設けられている。
油圧反力作用装置50は、コントロールバルブシャフト
36の外周面からそれの直径方向に互いに逆向きに延び
出させられた一対のレバー52の各々の両側面にそれぞ
れ対向させられた4個のプランジャ54と、各レバー側
面に油圧反力を作用させるべく各プランジャ54の背面
に油圧を作用させる4個の油圧反力室58と、各油圧反
力室58に発生する油圧(以下、反力圧という)を変化
させるソレノイドバルブ60とを備えている。なお、プ
ランジャ54および油圧反力室58は前記ピニオンギヤ
34に組み込まれている。
【0028】ギヤボックス30内にはさらに分流弁64
も設けられている。分流弁64は、ベーンポンプ12か
ら吐き出されたオイルをコントロールバルブ40側とソ
レノイドバルブ60側とに分流するとともに、コントロ
ールバルブ40側の油圧とソレノイドバルブ60側の油
圧との差が変動してもベーンポンプ12からのオイルを
常に一定流量でソレノイドバルブ60側に供給するもの
である。そして、分流弁64からソレノイドバルブ60
に供給されたオイルがソレノイドバルブ60で絞られる
ことにより、各油圧反力室58に反力圧が発生させられ
る。なお、ソレノイドバルブ60はそれへの供給電流が
小さいほど開口面積を小さくするように(分流弁64と
リザーバタンク10との間の流路面積を小さくするよう
に)設計されているため、結局、供給電流が小さいほど
各油圧反力室58に高い反力圧が発生することとなる。
【0029】なお、コントロールバルブ40側と油圧反
力室58側とは固定オリフィス68を経て互いに接続さ
れている。コントロールバルブ40側の圧力の上昇時
(操舵時)に、オイルを油圧反力室58側へ流してそれ
の油圧を増加させ、これにより、中・高速域の操舵時に
手応えのある操舵フィーリングが実現されるようになっ
ているのである。
【0030】上記ソレノイドバルブ60はパワーステア
リングコンピュータ(以下、単にPSコンピュータとい
う)70によって制御される。PSコンピュータ70に
は前記車速センサ2および4WSコンピュータ6が接続
されている。PSコンピュータ70には、車速センサ2
からの車速信号と、4WSコンピュータ6からの診断信
号とが入力されるようになっているのである。また、P
Sコンピュータ70のROMには、(a) 操舵アシスト制
御プログラム(図1のフローチャートで表されるプログ
ラム)と、(b) 4WS制御装置が正常である場合に用い
られる車速Vと本パワーステアリング装置の作動による
操舵力の実質的なアシスト量A(コントロールバルブ4
0等の作動に基づく本来的なアシスト量から油圧反力作
用装置50の作動に基づく油圧反力を差し引いたもので
あって、以下、単にアシスト量Aという)との間の関係
(図4の実線グラフで表される関係)を規定する正常時
用アシスト量マップと、(c) 4WS制御装置が故障して
いる場合に用いられる車速Vとアシスト量Aとの間の関
係(同図の破線グラフで表される関係)を規定する故障
時用アシスト量マップとが記憶されている。
【0031】なお、正常時用アシスト量マップおよび故
障時用アシスト量マップはいずれも、図4に示すよう
に、車速Vが高いほどアシスト量Aが少なくなる関係を
規定するものとされている。そのため、低速時および据
え切り時にはアシスト量Aが多くなって軽快な操舵フィ
ーリングが実現される一方、中・高速時にはアシスト量
Aが少なくなって手応えのある操舵フィーリングが実現
される。
【0032】ところで、4WS制御装置が採用する舵角
比例制御とヨーレートフィードバック制御とのうち、舵
取り車輪である左右前輪と路面との間の関係、すなわ
ち、ドライバがステアリングホイールから受ける操舵反
力に強い影響を及ぼすのがヨーレートフィードバック制
御である。そして、ヨーレートセンサ4の故障等により
そのヨーレートフィードバック制御が中止されると、左
右前輪に発生するコーナリングフォースの減少等の原因
で操舵反力が減少してしまう。
【0033】そこで、本実施例においては、故障時用ア
シスト量マップの方が正常時用アシスト量マップより、
同じ車速Vに対するアシスト量Aが少なくなるようにそ
れら2つのマップの特性が設定されている。したがっ
て、4WS制御装置が故障したときの方が正常であると
きよりアシスト量Aが少なくなり、操舵反力が大きくな
るため、ドライバはステアリングホイールを操舵し難く
なって過剰な操舵や素早い操舵が抑制され、結局、車両
の走行安定性が向上するとともに、ドライバはステアリ
ングホイールから適度な手応えを感じることができる。
【0034】次にPSコンピュータ70の作動を図1を
用いて詳細に説明する。
【0035】まず、車両のイグニションスイッチがON
状態に操作されてPSコンピュータ70の電源が投入さ
れれば、まず、ステップS1(以下、単にS1で表す。
他のステップについても同じ)において初期設定が行わ
れ、続いて、S2において車速センサ2により車速Vが
検出される。その後、S3において、4WSコンピュー
タ6から4WS制御装置が故障した旨の診断信号が出さ
れたか否か、すなわち、4WS制御装置が故障したか否
かが判定される。4WS制御装置が正常である場合には
判定がNOとなり、S4において図4の実線グラフで示
す正常時用アシスト量マップを用いて車速Vに対応する
アシスト量Aが決定されるのに対し、4WS制御装置が
故障した場合にはS3の判定がYESとなり、S5にお
いて図4の破線グラフで示す故障時用アシスト量マップ
を用いて車速Vに対応するアシスト量Aが決定される。
4WS制御装置が故障したときの方が正常であるときよ
り少なくなるようにアシスト量Aが決定されるのであ
る。
【0036】いずれの場合にもその後、S6において、
そのアシスト量Aを実現する大きさの電流iがソレノイ
ドバルブ60に供給される。その後、S2に戻る。
【0037】したがって、本実施例においては、4WS
制御装置が故障したときの方が正常であるときより操舵
反力が大きくなるため、ドライバによる過剰な操舵や素
早い操舵が抑制されて車両の走行安定性が向上するとと
もに、ドライバはステアリングホイールから適度な手応
えを感じることができるという効果が得られる。
【0038】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、車速センサ2と、油圧反力作用装置50
と、PSコンピュータ70の、図1の操舵アシスト制御
プログラムを実行する部分とが、車速Vと車両運動制御
装置としての4WS制御装置が正常であるか故障してい
るかの状態とに基づいてアシスト量Aを変化させる形式
のアシスト量変化手段を構成しているのである。
【0039】なお、以上説明した実施例においては、車
両運動制御装置が正常であるか故障しているかによって
車速Vとアシスト量Aとの間の関係を規定するマップを
変えるマップ変更方式が採用されていたが、例えば補正
係数変更方式を採用することもできる。
【0040】以下、この補正係数変更方式を採用した本
発明の別の実施例を図5に基づいて説明するが、本実施
例も先の実施例と同様に、車両運動制御装置として4W
S制御装置を備えた車両に設けられた油圧型,間接アシ
スト量変化型および車速感応型のパワーステアリング装
置であって、先の実施例と共通する部分が多いため、そ
の部分については文章による説明および図による説明を
省略する。
【0041】本実施例におけるPSコンピュータ70は
次のように作動する。すなわち、PSコンピュータ70
の電源が投入されれば、図5に示すように、まず、S1
1において初期設定が行われ、続いて、S12におい
て、車速センサ2により車速Vが検出され、S13にお
いて、図4の正常時用アシスト量マップを用いてその車
速Vに対応するアシスト量Aが基準アシスト量A0 に決
定される。
【0042】その後、S14において、4WS制御装置
が故障しているか否かが判定される。故障していない場
合にはS15において、基準アシスト量A0に掛け算さ
れて真のアシスト量Aを算出するために用いられる補正
係数Kが1とされるのに対し、故障している場合にはS
16において、その補正係数Kが0より大きくかつ1よ
り小さな定数K0 とされる。4WS制御装置が故障して
いるときの方が正常であるときより補正係数Kが小さく
されるのである。
【0043】いずれの場合にもその後、S17におい
て、その補正係数KとS13において決定された基準ア
シスト量A0 との積が真のアシスト量Aに決定される。
その結果、4WS制御装置が故障しているときの方が正
常であるときより真のアシスト量Aが少なくされる。続
いて、S18において、それを実現する大きさの電流が
ソレノイドバルブ60に供給される。
【0044】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、車速センサ2と、油圧反力作用装置50
と、PSコンピュータ70の、図5の操舵アシスト制御
プログラムを実行する部分とが、車速Vと車両運動制御
装置としての4WS制御装置が正常であるか故障してい
るかの状態とに基づいてアシスト量を変化させる形式の
アシスト量変化手段を構成しているのである。
【0045】なお、以上説明した実施例はいずれも、唯
一の車両運動制御装置を備えた車両に設けられたパワー
ステアリング装置とされていたが、複数の車両運動制御
装置を備えた車両に設けられたパワーステアリング装置
に本発明を適用することもできる。例えば、車両運動制
御装置として4WS制御装置のみならず、前述の、サス
ペンション制御装置,アンチロック制御装置およびトラ
クション制御装置を備えた車両に本発明を適用すること
もできるのである。
【0046】この場合にもアシスト量Aの決定方式とし
て前述のマップ変更方式や補正係数変更方式などを採用
することができる。
【0047】そして、マップ変更方式を採用する場合に
は例えば、(a) 複数の車両運動制御装置すべてが正常で
ある場合に適当な車速Vとアシスト量Aとの間の関係を
規定する正常時用アシスト量マップ(図4の実線グラフ
で示す正常時用アシスト量マップに相当する)と、(b)
車速Vと、各車両運動制御装置が故障した場合に適当な
基準アシスト量A0 の補正量ΔA(基準アシスト量A0
から差し引かれるもの)との間の関係を規定する補正ア
シスト量マップであって、各車両運動制御装置について
個々に対応するものとを用意する。さらに、PSコンピ
ュータ70の操舵アシスト制御プログラムを、図6に示
すように、まず、S31において車速Vを検出し、続い
て、S32〜S37において、故障した一つまたは複数
の車両運動制御装置の種類(同図においては車両運動制
御装置を単に装置として示し、また、各装置の種類を1
〜nまでの番号を付して示す)の各々に応じて補正アシ
スト量マップを選択し、選択された各補正アシスト量マ
ップを用いて車速Vに対応する補正アシスト量ΔAを決
定し、その後、S38において、正常時用アシスト量マ
ップを用いて車速Vに対応する基準アシスト量A0 を決
定し、S39において、基準アシスト量A0 を一つの補
正量ΔAまたは複数の補正量ΔAの和で補正することに
よって真のアシスト量Aを決定し、それを実現する大き
さの電流をソレノイドバルブ60に供給するものとす
る。
【0048】なお、補正アシスト量マップは例えば、故
障した複数の車両運動制御装置の組合せの種類ごとに用
意することもできる。
【0049】これに対して、補正係数変更方式を採用す
る場合には例えば、上記正常時用アシスト量マップと、
各車両運動制御装置が故障した場合に適当な基準アシス
ト量A0 の補正係数K(基準アシスト量A0 に掛け算さ
れるもの)とを用意する。そして、正常時用アシスト量
マップを用いて決定した車速Vに対応する基準アシスト
量A0 を、故障した一つの車両運動制御装置の補正係数
Kまたは複数の車両運動制御装置の複数の補正係数Kの
積で補正することによって真のアシスト量Aを決定す
る。なお、この補正係数Kも、故障した複数の車両運動
制御装置の組合せの種類ごとに用意することができる。
【0050】以上、本発明のいくつかの実施例を図面に
基づいて詳細に説明したが、これらの他にも、特許請求
の範囲を逸脱することなく、当業者の知識に基づいて種
々の変形,改良を施した態様で本発明を実施することが
できるのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるパワーステアリング装
置が用いる操舵アシスト制御プログラムを示すフローチ
ャートである。
【図2】上記パワーステアリング装置が設けられる車両
に備えられている4WS制御装置を示すシステム図であ
るとともに、それとパワーステアリング装置との間の関
係を示す図である。
【図3】上記パワーステアリング装置を示すシステム図
である。
【図4】上記パワーステアリング装置が用いる車速Vと
アシスト量Aとの間の関係を示すグラフである。
【図5】本発明の別の実施例であるパワーステアリング
装置が用いる操舵アシスト制御プログラムを示すフロー
チャートである。
【図6】本発明のさらに別の実施例であるパワーステア
リング装置が用いる操舵アシスト制御プログラムを示す
フローチャートである。
【符号の説明】
2 車速センサ 6 4WSコンピュータ 12 ベーンポンプ 14 パワーシリンダ 32 トーションバー 38 ロータリバルブ 40 コントロールバルブ 50 油圧反力作用装置 60 ソレノイドバルブ 70 パワーステアリングコンピュータ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の運動を制御する車両運動制御装置
    を備えた車両に設けられるパワーステアリング装置にお
    いて、 前記車両運動制御装置が故障した状態と故障していない
    状態とで、ドライバによりステアリングホイールに加え
    られる操舵力をアシストするアシスト量を変化させるア
    シスト量変化手段を設けたことを特徴とするパワーステ
    アリング装置。
JP25294791A 1991-09-04 1991-09-04 パワーステアリング装置 Pending JPH0558326A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25294791A JPH0558326A (ja) 1991-09-04 1991-09-04 パワーステアリング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25294791A JPH0558326A (ja) 1991-09-04 1991-09-04 パワーステアリング装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0558326A true JPH0558326A (ja) 1993-03-09

Family

ID=17244376

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25294791A Pending JPH0558326A (ja) 1991-09-04 1991-09-04 パワーステアリング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0558326A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008201168A (ja) * 2007-02-16 2008-09-04 Honda Motor Co Ltd 操舵システム
JP2008221996A (ja) * 2007-03-12 2008-09-25 Honda Motor Co Ltd 操舵システム
JP2008247077A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Honda Motor Co Ltd 操舵システム
JP2010100098A (ja) * 2008-10-21 2010-05-06 Honda Motor Co Ltd パワーステアリング装置
JP2010179800A (ja) * 2009-02-06 2010-08-19 Honda Motor Co Ltd 電動パワーステアリング装置
JP2010254266A (ja) * 2009-03-30 2010-11-11 Honda Motor Co Ltd 車両の操舵制御装置
US8073592B2 (en) 2007-03-27 2011-12-06 Honda Motor Co., Ltd. Steering system

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008201168A (ja) * 2007-02-16 2008-09-04 Honda Motor Co Ltd 操舵システム
JP4495739B2 (ja) * 2007-02-16 2010-07-07 本田技研工業株式会社 操舵システム
JP2008221996A (ja) * 2007-03-12 2008-09-25 Honda Motor Co Ltd 操舵システム
US8073592B2 (en) 2007-03-27 2011-12-06 Honda Motor Co., Ltd. Steering system
JP2008247077A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Honda Motor Co Ltd 操舵システム
JP4504991B2 (ja) * 2007-03-29 2010-07-14 本田技研工業株式会社 操舵システム
JP2010100098A (ja) * 2008-10-21 2010-05-06 Honda Motor Co Ltd パワーステアリング装置
JP2010179800A (ja) * 2009-02-06 2010-08-19 Honda Motor Co Ltd 電動パワーステアリング装置
JP2010254266A (ja) * 2009-03-30 2010-11-11 Honda Motor Co Ltd 車両の操舵制御装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8833504B2 (en) Steering apparatus
US6308122B1 (en) Steering system for motor vehicle
JPH08216909A (ja) 車両挙動制御装置
US7441627B2 (en) Vehicle control system
US5446660A (en) Electronically controlled power steering apparatus and method therefor
JP4137041B2 (ja) 車輌の制御装置
JP4639146B2 (ja) パワーステアリング装置
JPH0558326A (ja) パワーステアリング装置
US7677352B2 (en) Method for steering a vehicle by means of a superimposed steering system
JPH0558317A (ja) パワーステアリング装置
JP4178218B2 (ja) パワーステアリング装置
JP4802629B2 (ja) 車輌のロール剛性制御装置
JP4702028B2 (ja) 車輌の走行制御装置
JPH0558318A (ja) パワーステアリング装置
JP2844965B2 (ja) 車両の後輪操舵装置
JP2548293B2 (ja) 車両用走行制御装置
JP2570460B2 (ja) 車両の旋回制御装置
JP3032849B2 (ja) 動力舵取装置
JP3487980B2 (ja) 前後輪操舵車両の制御方法
JPS63162314A (ja) 車両のロ−ル剛性制御装置
JP2998328B2 (ja) パワーステアリング装置
JPH0542881A (ja) パワーステアリング装置
JPH05112249A (ja) 車両用パワーステアリング装置
KR0131567B1 (ko) 자동차의 조향 제어장치 및 그의 제어방법
JPH03114972A (ja) 車両の4輪操舵装置