JP2570460B2 - 車両の旋回制御装置 - Google Patents

車両の旋回制御装置

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JP2570460B2 JP9096890A JP9096890A JP2570460B2 JP 2570460 B2 JP2570460 B2 JP 2570460B2 JP 9096890 A JP9096890 A JP 9096890A JP 9096890 A JP9096890 A JP 9096890A JP 2570460 B2 JP2570460 B2 JP 2570460B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は車両の旋回時に車輪の横すべりが過大となっ
て旋回状態が操舵装置の操作に対応しなくなる旋回異常
の発生を防止する旋回制御装置に関するものである。
従来の技術 特開昭63−203456号公報には、車両の旋回異常をブレ
ーキを作用させて防止する旋回制御装置が記載されてい
る。この旋回制御装置は、車両が非制動状態で旋回する
場合に、車体速度と操舵装置の操舵角とのうち少なくと
も一方が過大であるために車輪の横すべりが過大となっ
て、旋回状態が操舵装置の操作に対応しなくなる旋回異
常の発生を防止するものである。例えば、後輪が駆動輪
であって、車両旋回中にエンジンから後輪に加えられる
駆動力が路面と車輪との摩擦係数との関係において過大
である場合には、後輪の前後方向のスリップが増大し、
それに伴い車輪と路面との間に作用し得る横力が低下し
て、オーバステアとなるのであるが、このオーバステア
は旋回外側の後輪のブレーキを作用させることによって
防止し得る。旋回外側の後輪に制動力が加えられれば、
その制動力によって車両に旋回外側へのヨーイングモー
メントが生じ、このヨーイングモーメントによってオー
バステア傾向が抑制されるのである。また、ブレーキを
作用させれば、車両速度の増大が抑制され、あるいは低
減させられて、遠心力が抑えられ、それによってもオー
バステア傾向が抑制される。
このように、非制動状態における旋回異常の発生を防
止するためには、特定の車輪のブレーキを作用させて旋
回異常の発生を抑制する向きのヨーイングモーメントを
生じさせることが有効であるが、例えば、左右後輪に等
しい制動力を加えて、単に車体速度を低減させるのみで
も旋回異常の発生を防止することができる。また、制動
力を加える代わりに、エンジン等駆動源の出力を低下さ
せ、あるいは増大を抑制することによっても旋回異常の
発生を防止することができる。
また、車両の旋回中に制動が行われ、車輪の前後方向
のスリップが大きくなったために、車輪と路面との間に
作用し得る横力が低下し、それによって旋回異常が発生
することもある。この場合には、制動力を低減させるこ
とによって旋回異常の発生を防止することができる。
要するに、旋回制御装置は、車両の旋回中に車輪の横
すべりが過大となって旋回状態が操舵装置の操作に対応
しなくなる旋回異常の発生を検出する旋回異常検出手段
と、その旋回異常検出手段により旋回異常が検出された
場合に、車両の駆動力を車輪の横すべりを低減させるよ
うに制御する駆動力制御手段とを含むものとすればよい
のである。なお、ここにおいて、「旋回異常の発生」と
は現実に旋回異常が発生したことのみならず、旋回異常
発生の兆しが生じたこと、あるいは旋回異常発生の可能
性が生じたことをも含むものとし、また、「車両の駆動
力」とは車輪を積極的に回転させる正の駆動力のみなら
ず車輪の回転を抑制する負の駆動力(制動力)をも含む
ものとする。
発明が解決しようとする課題 上記旋回制御装置を設ければ、旋回異常の発生を防止
することができるのであるが、この旋回制御装置の作動
中に操舵装置の切り増しが行われることは望ましいこと
ではない。旋回制御装置が作動するということは、車輪
に過大な横すべりが生じているか、生じ易い状態になっ
ているということであり、このような時期に操舵装置が
大きく切り増されれば、車輪の横すべりが急激に増大
し、旋回制御装置によってはその横すべりの増大を十分
に抑制することができなくなる恐れがあるからである。
本発明はこの事実に鑑みて、旋回異常検出手段が旋回
異常を検出した場合には、操舵装置の切り増しが行われ
難くすることにより、良好に旋回制御を行い得る車両の
旋回制御装置を得ることを課題として為されたものであ
る。
課題を解決するための手段 そして、本発明の要旨は、第1図に示すように、前述
のような旋回異常検出手段1と駆動力制御手段2とを含
む旋回制御装置において、旋回異常検出手段1が旋回異
常を検出した場合には旋回異常を検出しない場合に比較
して操舵装置の操舵抵抗を増加させる操舵抵抗増加手段
3を設けたことにある。
操舵装置が、動力により運転者の操舵を助ける操舵補
助装置を備えたいわゆるパワーステアリング装置である
場合には、操舵補助装置の操舵補助力を低減させること
によって、操舵抵抗を増加させることができる。また、
操舵装置が操舵補助装置を備えないいわゆるマニュアル
ステアリング装置である場合には、操舵装置に文字通り
抵抗を付加することによって操舵抵抗を増加させること
ができる。
作用および効果 上記のように、旋回異常検出手段が旋回異常の発生を
検出した場合に、操舵装置の操舵抵抗を通常より増加さ
せれば操舵装置の切り増しを行うためには意識的に大き
な操舵力を加えることが必要であるため、不用意な操舵
装置の切り増しが行われることを防止することができ
る。したがって、旋回制御装置の制御効果が十分に発揮
され、旋回異常の発生が良好に防止される。
また、操舵抵抗の増加により運転者に旋回制御装置が
作動中であることを知らせることができ、それによって
運転者が操舵装置の切り増しを控え、あるいはアクセル
ペダルやブレーキペダルの踏込みを緩める等、旋回異常
の発生を回避するために適正な操作を行うことができ、
一層確実に旋回異常の発生を回避することができる。
実施例 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。
第2図において、ブレーキペダル10はブースタ12を介
してマスタシリンダ14に接続されている。マスタシリン
ダ14は2つの加圧室を備えたタンデム式であり、一方の
加圧室に発生した液圧は主液通路16により左前輪18のブ
レーキ20と右前輪22のブレーキ24とに伝達され、他方の
加圧室に発生した液圧は主液通路26により左後輪28のブ
レーキ30と右後輪32のブレーキ34とに伝達される。主液
通路16,26の途中にプロポーショニング/バイパスバル
ブ36が設けられており、主液通路16の液圧が正常に上昇
する場合には主液通路26の液圧が減圧され、主液通路16
の液圧が正常に上昇しない場合には主液通路26の液圧が
減圧されないようになっている。
主液通路26のプロポーショニング/バイパスバルブ36
より下流側の部分には、マスタシリンダカット用の電磁
開閉弁であるシリンダカット弁38が設けられ、主液通路
26の二股に分かれた部分にはそれぞれブレーキ制御用の
液圧制御弁40,41が設けられている。液圧制御弁40,41は
戻り通路42によってリザーバ43に接続されている。液圧
制御弁40,41は同じ構造のものであり、液圧制御弁40を
代表的に第3図に示す。ハウジング44の弁孔45にスプー
ル46が実質的に液密かつ摺動可能に嵌合されており、常
にはスプリング47によって図示の位置に保たれて、ブレ
ーキ30に接続された出力圧ポート48をシリンダカット弁
38に接続された高圧ポート49に連通させる一方、リザー
バ43に接続された低圧ポート50から遮断している。スプ
ール46の一端にはボール51を介して制御ピストン52が対
向させられており、スプリング53によりスプール46側へ
付勢されている。スプリング53の弾性力は前記スプリン
グ47の弾性力に比較して著しく小さく、無視することが
できる。制御ピストン52とスプール46との互いに対向す
る側とは反対側の端面に出力圧ポート48の液圧が作用す
るようにされており、制御ピストン52の受圧面積S1はス
プール46の受圧面積S2より大きくされている。ソレノイ
ド54に励磁電流IBが供給されるとき、コア55とスプール
46との間に両者を接近させる向きの制御力が作用する。
この制御力の大きさをC・IB(Cは定数)で表し、スプ
リング47の弾性力をW、出力圧ポート48の液圧(ブレー
キ30の液圧)をPBで表せば、常に一体的に移動するスプ
ール46,ボール51および制御ピストン52における力の釣
合いは、 W=C・IB+(S1−S2)・PB の関係が成立し、これをPBに付いて解けば、 PB=−C・IB/(S1−S2)+W/(S1−S2) となり、ソレノイド50の励磁電流IBを制御することによ
り、出力圧ポート48のブレーキ液圧PBを制御し得ること
となる。励磁電流IBを大きくするほど出力ポート48の液
圧PBが低くなるのである。なお、液圧制御弁40,41をバ
イパスするバイパス通路56,57に逆止弁58,59が設けられ
ている。
主液通路26のシリンダカット弁38と液圧制御弁40,41
との間の部分には、アキュムレータ60がアキュムレータ
カット弁62を介して接続されている。このアキュムレー
タ60にはリザーバ43からポンプ64によって汲み上げられ
たブレーキ液が高圧で蓄えられ、アキュムレータカット
弁62が開かれたとき液圧制御弁40,41を経てブレーキ30,
34に供給される。66はリリーフ弁である。
これらシリンダカット弁38,液圧制御弁40,41,戻り通
路42,逆止弁58,59,アキュムレータ60,アキュムレータカ
ット弁62,ポンプ64,リリーフ弁66等はアンチスキッド制
御を行うためのアクチュエータ68を構成しており、本実
施例の旋回制御装置はこのアクチュエータ68を利用して
ブレーキ30,34を作用させ、旋回制御を行うものであ
る。
前輪18,22は操舵輪であり、ステアリングホイール70,
パワーステアリングユニット72,ステアリングリンク74
等から成る操舵装置76によって向きを変えられる。
パワーステアリングユニット72は、第4図に示すよう
にギヤハウジング80を備えており、このギヤハウジング
80内にはパワーピストン82が実質的に液密かつ摺動可能
に嵌合され、それによって第一室84および第二室86が形
成されている。パワーピストン82の中心部には、リサー
キュレーティング式のボール88を介してウォームシャフ
ト90が嵌合されており、このウォームシャフト90にはト
ーションバー92を介してコントロールバルブシャフト94
が結合されている。このコントロールバルブシャフト94
はウォームシャフト90に固定のロータリバルブ本体96の
中心に嵌合され、ロータリバルブ本体96と共同して、高
圧ポート98および低圧ポート100と前記第一室84および
第二室86との連通状態を切り換えるロータリバルブ102
を構成している。パワーピストン82の一部にはラック10
4が形成されており、これがセクタシャフト106と噛み合
わされている。セクタシャフト106は前記ステアリング
リンク74に連結されている。
前記ステアリングホイール70が回転操作されるとき、
コントロールバルブシャフト94はステアリングホイール
70と一体的に回転するが、セクタシャフト106には左右
前輪18,22と路面との摩擦抵抗によって負荷が加えられ
ているため、ウォームシャフト90は回転せず、トーショ
ンバー92に捩じりが生じてコントロールバルブシャフト
94とロータリバルブ本体96との間に相対回転が生じる。
それによりロータリバルブ102が中立状態から切り換え
られて第一室84と第二室86との間に液圧差が生じ、その
液圧差によってパワーピストン82が作動させられ、セク
タシャフト106を介して左右前輪18,22の向きが変えられ
ることとなる。
ウォームシャフト90には4個の反力室108が形成さ
れ、各反力室108にそれぞれプランジャ110が嵌合され
て、互いに対向する2個ずつのプランジャ110がコント
ローバルブシャフト94から半径方向に突出した2個の突
起112を挟むようにされている。すなわち、プランジャ1
10は反力室108の液圧に見合った大きさの回転抵抗をコ
ントロールバルブシャフト94に加えるようになっている
のである。
上記反力室108に連通する反力ポート114と前記高圧ポ
ート98とには、リザーバ116からポンプ118によって汲み
上げられた作動液が分流弁120により分流されて供給さ
れるようになっている。それぞれ液通路122,124を経て
作動液が供給されるのであるが、反力室108に作動液を
供給する液通路124は、比例式電磁液圧制御弁である操
舵補助用液圧制御弁126を備えた戻り通路128によってリ
ザーバ116にも接続されている。液圧制御弁126はソレノ
イド130と励磁電流ISの増加について開口面積が増加す
るものであり、この開口面積の増加につれて反力室108
の液圧が低下するため、コントロールバルブシャフト94
の回転抵抗が減少し、その分、パワーステアリングユニ
ット72によるホイールシリンダ70の操舵補助力が増大す
ることとなる。すなわち、第20図に示すように液圧制御
弁126の駆動電流ISが増せば操舵補助力FSAが増すことと
なるのである。固定オリフィス132は、ロータリバルブ1
02側の液圧上昇時に反力室108側へ作動液を流す役割を
果たすものであり、戻り通路134はパワーピストン82の
作動に伴って第一室84または第二室86から排出される作
動液をリザーバ116へ戻すためのものである。
ステアリングホイール70の操舵角θが第2図に示す操
舵角センサ140によって検出され、ブレーキペダル10の
踏込みがブレーキスイッチ142で検出され、各車輪18,2
2,28,32の回転速度がそれぞれ回転センサ144,146,148,1
50によって検出され、車体152の横方向の加速度(以
下、横加速度と略称する)が車体152に固定の横加速度
センサ154によって検出されて、これらの出力信号は主
制御装置156に供給される。
主制御装置156はコンピュータを主体とするものであ
り、入力インタフェース160,出力インタフェース162,CP
U164,ROM166およびRAM168を備えている。ROM166には、
第5図に示す各テーブル174,176,178,180がプログラム
メモリ182と共に設けられており、プログラムメモリ182
には第6図ないし第10図のフローチャートで表される制
御プログラムが格納されている。一方、RAM168には、第
11図に示すように、今回車体速度メモリ190を始めとす
る種々のメモリや制御フラグF1等がワーキングメモリ22
0と共に設けられている。入力インタフェース160には前
述の操舵角センサ140,ブレーキスイッチ142,回転センサ
144,146,148,150,横加速度センサ154等が接続されてお
り、出力インタフェース162には、前記シリンダカット
弁38,ブレーキ制御用の液圧制御弁40,41,アキュムレー
タカット弁62,操舵補助用の液圧制御弁126と共に、ポン
プ64を駆動するモータ222が接続されている。
以下、第6図ないし第10図のフローチャートに基づい
て、本旋回制御装置の作動を説明する。
旋回制御用のメインルーチンは第6図に示すように、
初期設定ステップS1,旋回状態判定ステップS2,操舵補助
力制御ステップS3,ブレーキ液圧決定ステップS4および
ブレーキ液圧制御ステップS5から成っている。初期設定
ステップS1は主制御装置156と電源投入と同時に実行さ
れ、その後、S2ないしS5が一定時間毎に繰り返し実行さ
れる。
初期設定ステップS1においては、各メモリがクリアさ
れるとともに制御フラグF1,F2およびFcがOFFとされる。
旋回状態判定ステップS2においては、車体速度Vおよ
び操舵角θの増加に対する横加速度LAの増加率に基づい
て、旋回異常の傾向が発生したか否かが判定(以下、単
に旋回異常の判定と称する)され、発生していれば制御
フラグF1,F2,FcがONとされるとともに、旋回制御に必要
な諸量が決定される。操舵角θが一定の場合、横加速度
LAは第12図に示すように、車体速度Vが低い間は車体速
度Vにほぼ比例して増加するのであるが、車体速度Vが
大きくなってタイヤの横すべりが過大となれば、横加速
度LAの増加率が小さくなって、斜線を施して示す限界領
域に突入する。車体速度Vが一定の場合における操舵角
θと横加速度LAとの間にも第13図に示すように同様な関
係が存在する。そして、車体速度Vを横軸にとり、操舵
角θを縦軸にとった場合には、概して第14図に斜線を施
して示す領域が限界領域となり、この領域においては旋
回異常傾向が発生する。前記特開昭63−203456号公報の
発明においては、この事実に着目して車体速度Vと操舵
角θとの関係から、旋回異常発生の可能性の有無が判定
されるのであるが、限界領域は路面の摩擦係数μの大小
によって異なる。そのため、上記発明においては運転者
がスイッチ操作により路面μの情報を入力し、それに応
じて限界領域の境界線が選択され、その選択された境界
線に基づいて旋回制御が行われるようになっている。し
かし、この場合には運転者のスイッチ操作ミス等が生じ
る恐れがあるため、本実施例においては、車体速度Vお
よび操舵角θの増加に対する横加速度LAの増加率が、そ
れぞれ第16図および第15図に示すように、操舵角θおよ
び車体速度Vの増加に伴って減少する事実に着目し、横
加速度LAの増加率ΔLA/ΔθおよびΔLA/ΔVがそれぞれ
基準値ΔLA1,ΔLA2より小さくなるか否かによって、旋
回異常の判定が行われるようになっている。
すなわち、旋回判定ステップS2は第7図に示す各ステ
ップから成っており、まず、ステップS11(以下、単にS
11で表す。他のステップについても同じ)において、今
回車体速度メモリ190に格納されている車体速度が前回
車体速度メモリ192へ移送されるとともに、新しい車体
速度Vが回転センサ144,146,148および150の出力信号に
基づいて算出され、今回車体速度メモリ190に格納され
る。続いて、S12において今回操舵角メモリ194に格納さ
れていた操舵角θが前回操舵角メモリ196へ移送される
とともに、操舵角センサ140から新しい操舵角θが読み
込まれ、今回操舵角メモリ194に格納される。同様に、S
13において今回横加速度メモリ198の横加速度LAが前回
横加速度メモリ200へ移送されるとともに、横加速度セ
ンサ154から新しい横加速度LAが読み込まれて、今回横
加速度メモリ198に格納される。
次に、S14において、車体速度V,操舵角θおよび横加
速度LAについて、前回メモリの値と今回メモリの値との
差ΔV,Δθ,ΔLAが算出され、S15,S18においてそれぞ
れ差Δθ,ΔVが一定値ΔθS,ΔVSより大きいか否かが
判定されて、判定結果がYESの場合のみS16,S19の判定が
行われる。これは、差ΔV,Δθが余り小さい場合にS16,
S19の判定が行われれば操舵角θの検出誤差の影響で誤
判定が発生する恐れがあるので、それを回避するためで
ある。したがって、操舵角θの増加中にはS16、車体速
度Vの増加中にはS19の判定が行われ、操舵角θも車体
速度Vも増加中でなければS16,S19の判定はいずれも行
われないこととなる。S16,S19の判定結果がいずれもNO
である場合にはそれぞれS17およびS20において制御フラ
グF1,F2がOFFとされた上、S21において制御フラグFCがO
N状態にあるか否かが判定されるが、通常はこの判定結
果はNOであるため、1回の旋回状態判定が終了する。
それに対して、S16またはS19において旋回異常の傾向
が発生していると判定された場合には、S22において制
御フラグFCがONであるか否かが判定される。これは、S1
6等において最初に旋回異常の傾向が発生していると判
定された場合にのみS23およびS24を実行するために設け
られているステップである。S23においては、制御フラ
グF1,F2およびFcがONとされ、S24においてそのときの操
舵角θと車体速度Vとがそれぞれ基準操舵角θおよび
基準車体速度VSとして基準操舵角メモリ202および基準
車体速度メモリ204に格納される。
続いて、S25において、タイヤの伝達可能な前後力TF
が決定され、S26においてブレーキ液圧の上限値PUが決
定される。第17図に示すように、路面の摩擦係数μが大
きいほど大きな横加速度LAが得られ、LAが大きいという
ことは路面の摩擦係数μが大きいことを意味する。した
がって、第18図および第19図に示すように、横加速度LA
が大きいほどタイヤの伝達可能な前後力TFが大きくな
り、それだけ高い液圧でブレーキを作用させても車輪の
スリップが過大とはならないため、第18図,第19図の関
係がそれぞれテーブル化された前後力テーブル174,液圧
上限値テーブル176に基づいて、横加速度LAが大きいほ
ど前後力TFおよびブレーキ液圧上限値PUが大きな値に決
定される。決定された前後力TFおよびブレーキ液圧上限
値PUはそれぞれ伝達可能前後力メモリ210およびブレー
キ液圧上限値メモリ212に格納される。
以上のようにS2において旋回状態の判定、制御フラグ
F1,F2,Fcの設定および諸量の決定が行われた後、S3にお
いて操舵補助力制御が行われる。S3は第8図に示すステ
ップを含み、まずS31において制御フラグFCがONとされ
ているか否かが判定される。旋回異常傾向が生じていな
い場合には制御フラグFCはONとされないため判定の結果
がNOとなり、S32において、今回車体速度メモリ190の車
体速度Vと、第21図の関係がテーブル化された操舵補助
用電流テーブル178とに基づいて操舵補助用液圧制御弁1
26の駆動電流ISが設定され、S33においてその駆動電流I
Sが出力される。なお、操舵輪である左右前輪18,22と路
面との摩擦抵抗は車体速度Vが大きいほど小さくなるた
め、車体速度Vの大きさの如何に問わず操舵補助力FSA0
を一定にすれば、車体速度Vと大きいではステアリング
ホイール70を回転操作するのに要する操舵力が過小にな
ってしまう。そのため、操舵補助用電流テーブル178
は、第21図に示すように、車体速度Vが大きくなるほど
操舵補助用液圧制御弁126の駆動電流ISが小さく設定さ
れるように作成されている。
S31の実行時に、旋回異常傾向が生じて制御フラグFC
がONとされている場合には、S34において予め定められ
ている規定電流IS0が駆動電流ISとして設定され、その
設定電流ISがS33において出力される。規定電流IS0は第
20図に示すように比較的小さい操舵補助力FSA0が得られ
る大きさに定められており、この操舵補助力FSA0は運転
者が明瞭に通常より操舵抵抗が大きくなったと感じる大
きさであって、しかも、状況によってどうしても操舵が
必要である場合には大きな困難を感じることなく操舵を
行い得る大きさとされている。
このS3と操舵補助力制御に続いてS4のブレーキ液圧の
決定が行われる。このブレーキ液圧の決定は、第9図に
示す各ステップの実行によって行われる。まず、S41に
おいて制御フラグFCがON状態にあるか否かが判定され、
判定結果がNOであれば、S42において制御フラグFCがOFF
にされるとともに、ブレーキ液圧メモリ214〜216(P1,P
2およびPB)がクリアされて、ブレーキ液圧決定ルーチ
ンの1回の実行が終了する。
それに対して、制御フラグFCがONとなっていれば、S4
3において制御フラグF1がONとなっているか否かが判定
され、判定結果がYESであれば、S44〜48で操舵角θに関
連したブレーキ液圧P1の設定が行われる。すなわち、S4
4において基準操舵角θと今回操舵角メモリ194の操舵
角θとの差D1、つまり始めて旋回異常の傾向が発生して
いると判定された時点からの操舵角θの増加量が算出さ
れ、S45においてその差D1が正であるか否かが判定され
る。S45の判定結果がYESであった場合には、S46におい
て差D1と予め定められている制御ゲインG1との積として
ブレーキ液圧P1が算出され、ブレーキ液圧メモリ214に
格納される。始めて旋回異常傾向が発生したと判定され
てからの操舵角θの増加量が大きいほどブレーキ液圧P1
が高い値に決定されるのである。
一方、S45の判定結果がNOである場合には旋回制御の
必要性がなくなったとしてS47において制御フラグF1がO
FFとされ、S48においてブレーキ液圧メモリ214(P1)が
クリアされて操舵角θの増加量に基づくブレーキ液圧P1
の決定が終了する。
続いて、S49〜54において車体速度Vの増加量に基づ
くブレーキ液圧P2の決定が行われる。ブレーキ液圧P2
基準車体速度VSとその時点における車体速度Vとの差D2
と制御ゲインG2との積として算出され、始めて旋回異常
傾向が発生したと判定されてからの車体速度Vの増加量
が大きいほどブレーキ液圧P2が高い値に決定されるので
あるが、これらのステップの実行は上記S43〜48と同様
であるため、詳細な説明は省略する。なお、制御フラグ
F1,F2が共にOFFとなった場合には、S49,S55の判定を経
てS42において制御フラグFCがOFFとされ、ブレーキの作
用による旋回制御が終了させられる。
上記のようにS46,S48,S52,S54等においてブレーキ液
圧P1,P2が決定された後、S56においてブレーキ液圧P1,P
2の和として最終的なブレーキ液圧PBが算出され、S57に
おいてそのブレーキ液圧PBと定数KBとの積として制動力
TBが算出されて制動力メモリ218に格納される。そし
て、S58においてその制動力TBの絶対値が前記タイヤの
伝達可能な前後力TFの絶対値から差し引かれ、S59にお
いて両者の差DTが正であるか否かが判定される。正であ
ればS56において算出されたブレーキ液圧PBがそのまま
維持されるのであるが、正でなければS60においてブレ
ーキ液圧PBがブレーキ液圧上限値メモリ212に格納され
ているブレーキ液圧上限値PUに置き変えられる。すなわ
ち、S56において算出されたブレーキ液圧PBによる制動
力TBが、前記S25において算出されたタイヤの伝達可能
な前後力TFを超える場合には、ブレーキ液圧PBが上限値
PUに置き変えられて、左右後輪28,32に過大なスリップ
が生じないようにされるのである。
S4において上記のようにブレーキ液圧の決定が行われ
た後、S5においてブレーキ液圧制御が行われる。
このブレーキ液圧制御は第10図に示す各ステップの実
行により行われる。まず、S61においてブレーキスイッ
チ142からの信号に基づいてブレーキペダル10が踏み込
まれているか否かが判定され、踏み込まれていればS62
において制御フラグF1,F2,FCがOFFとされ、S63において
シリンダカット弁38が開かれる一方、アキュムレータカ
ット弁62が閉じられ、かつ、ポンプ64が停止させられ
る。そして、S64においてブレーキ液圧PBが0に設定さ
れる。ブレーキペダル10が踏み込まれた場合には、本旋
回制御装置による旋回制御が行われないようになってい
るのである。
それに対して、ブレーキペダル10が踏み込まれていな
い場合には、S65において制御フラグFCがON状態にある
か否かが判定され、ON状態になければS63,S64が実行さ
れて本旋回制御装置はブレーキ液圧の制御を行わない状
態とされる。
また、制御フラグFCがON状態にあれば、S66において
シリンダカット弁38が閉じられる一方、アキュムレータ
カット弁62が開かれるとともに、ポンプ64が運転され、
ブレーキ液圧制御が可能な状態となる。
続いて、S67においてブレーキ制御用駆動電流IBの算
出、すなわち液圧制御弁40,41のソレノイド54と励磁電
流IBの設定が行われる。ブレーキ制御用の液圧制御弁4
0,41は前述のようにソレノイド54の励磁電流IBが大きい
ほど出力液圧が低くなる特性を有し、励磁電流IBと出力
液圧たるブレーキ液圧PBとの間には第22図に示す関係が
ある。この関係がテーブル化されたものがブレーキ制御
用電流テーブル180であり、前記S56において設定された
ブレーキ液圧PBからブレーキ制御用電流テーブル180を
用いて励磁電流IBが決定されるのである。そして、S68
において今回操舵角メモリ194に格納されている操舵角
θが正であるか否かによって右旋回中か否かが判定さ
れ、判定の結果がNOである場合にはS69において左の液
圧制御弁40に対してS67で設定された大きさの駆動電流I
Bが出力され、S70において右の液圧制御弁41にブレーキ
34の液圧が0であっても液圧制御弁41を減圧状態に保つ
に足る大きさの駆動電流が出力される。それにより、内
側車輪である左後輪28は適度に制動され、外側車輪であ
る右後輪32は制動されないこととなって、車体を旋回内
側へヨーイングさせるヨーイングモーメントが発生する
とともに、車体速度Vが抑制され、車両が良好に旋回さ
せられる。
一方、右旋回中である場合にはS68の判定結果がYESと
なりS71およびS72が実行され、内側車輪である右後輪32
が制動され、外側車輪である左後輪28は制動されない。
以上の説明から明らかなように、本実施例において
は、操舵角センサ140,回転センサ144,146,148および150
と、主制御装置156のS11〜S16,S18およびS19を実行する
部分とが旋回異常検出手段1を構成しており、アクチュ
エータ68およびブレーキ30,34と、主制御装置156のS22
〜26,S41〜72を実行する部分とが駆動力制御手段を構成
している。また、パワーステアリングユニット72と、主
制御装置156のS31〜34を実行する部分とが操舵抵抗増加
手段を構成している。
本実施例においては、操舵角θの増加に対する横加速
度LAの増加率ΔLA/Δθが基準値ΔLA1以下となるか、あ
るいは車体速度Vの増加に対する横加速度LAの増加率Δ
LA/ΔVが基準値ΔLA2以下となった場合に、車両に旋回
異常が発生したと判定されるようになっている。このよ
うに、横加速度LAの増加率が基準値以下となることを以
て旋回異常傾向の発生と判定することによって、路面の
摩擦係数μの大きさとは無関係に旋回異常の有無の判定
を行うことができ、好都合である。
しかし、ヨーレイトセンサにより車体のヨーレイトを
検出し、ヨーレイトが一定値を超えた場合に旋回異常が
発生したと判定し、あるいはヨーレイトと横加速度との
両方を検出して両者の比例関係がくずれたとき旋回異常
が発生したと判定するなど、他の手段によって旋回異常
の発生を検出することもできる。
また、本実施例においては、左右後輪28,32のうち旋
回内側のものが、始めて旋回異常傾向が発生したと判定
された時点以後の操舵角θと車体速度Vとの増加量に見
合った強さで制動されて車両が適正に旋回するようにさ
れている。このように、旋回内側の車輪、特に旋回内側
の駆動輪を制動することによって、旋回中における車輪
の横滑りに基づくオーバステアを良好に回避することが
できるのであるが、これは不可欠なことではなく、従来
知られている種々の駆動力制御手段を採用することがで
きる。
その他、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を
施した態様で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の構成を概念的に示す図である。第2図
は本発明の一実施例である旋回異常判定装置を含む旋回
制御装置を示す系統図であり、第3図は第2図における
ブレーキ制御用液圧制御弁の詳細を示す正面断面図であ
る。第4図は第2図におけるパワーステアリングユニッ
トの詳細を示す系統図である。第5図は上記装置におけ
るROMの構成を概念的に示す図である。第6図ないし第1
0図は上記ROMに格納されている制御プログラムを示すフ
ローチャートである。第11図は上記装置のRAMの構成を
概念的に示す図である。第12図ないし第22図は上記装置
の作動を説明するためのグラフである。 30,34:ブレーキ、68:アクチュエータ 72:パワーステアリングユニット 140:操舵角センサ 144,146,148,150:回転センサ 154:横加速度センサ、156:主制御装置

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の旋回中に車輪の横滑りが過大となっ
    て旋回状態が操舵装置の操作に対応しなくなる旋回異常
    の発生を検出する旋回異常検出手段と、 その旋回異常検出手段により旋回異常が検出された場合
    に車両の駆動力を前記車輪の横すべりを低減させるよう
    に制御する駆動力制御手段と を含む旋回制御装置において、 前記旋回異常検出手段が旋回異常を検出した場合には旋
    回異常を検出しない場合に比較して前記操舵装置の操舵
    抵抗を増加させる操舵抵抗増加手段を設けたことを特徴
    とする車両の旋回制御装置。
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