JP2653215B2 - トラクションステア装置 - Google Patents

トラクションステア装置

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JP2653215B2 JP2100990A JP10099090A JP2653215B2 JP 2653215 B2 JP2653215 B2 JP 2653215B2 JP 2100990 A JP2100990 A JP 2100990A JP 10099090 A JP10099090 A JP 10099090A JP 2653215 B2 JP2653215 B2 JP 2653215B2
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は自動車のトラクションステア装置に関するも
のであり、特に目標値や実測値のふらつきに基づく乗心
地低下の防止に関するものである。
従来の技術 車輪駆動力を制御することにより車両の進行方向を制
御するトラクションステア装置は既に知られている。例
えば、特開昭60−248466号公報には、旋回中に制動が行
われた際にドリフトやスピンが発生することを防止する
トラクションステア装置が開示されている。制動時には
車輪にスリップが発生することによってコーナリングフ
ォースが低下するため、操舵角と車体速度との積が大き
い旋回時には車輪の横すべりが大きくなり、ドリフトや
スピンが発生することがある。上記トラクションステア
装置は、制動開始時の車体速度,操舵角および実ヨーレ
イトと、制動中の車体速度および操舵角とに基づいて目
標ヨーレイトを設定し、実ヨーレイトが目標ヨーレイト
と等しくなるように前輪と後輪とに対するブレーキ液圧
を独立に制御するものである。
また、特開昭63−203456号公報には、非制動状態にお
ける旋回中に、前方への荷重移動をできる限り回避しつ
つ自動車を減速し、後輪の横すべりを抑制してスピンの
発生を防止するトラクションステア装置が開示されてい
る。この装置は、非制動状態における旋回中に実ヨーレ
イトまたは横加速度が設定値以上になった場合に、後輪
のブレーキを作用させて前方への荷重移動が比較的小さ
い状態で自動車を減速し、後輪の横すべりを低減させて
スピンの発生を防止するものであり、また、旋回外側の
後輪のみを制動する望ましい態様においては、旋回外側
へのヨーイングモーメントを発生させてスピンの発生を
一層確実に防止するものである。
発明が解決しようとする課題 トラクションステアを行うためには、実ヨーレイト関
連量(ヨーレイト自体は勿論、横加速度等ヨーレイトと
密接に関連し、間接的にヨーレイトを表す全ての量を包
含する)や操舵角を検出する必要があるのであるが、こ
れらの検出値にはロードノイズや装置のあそび等に基づ
くふらつきが含まれるのが普通である。操舵角にふらつ
きが含まれればそれに基づいて設定される目標ヨーレイ
トがふらつくこととなり、不必要な車輪駆動力の制御が
行われ、しかもその制御量が頻繁に変動することとなる
ため車体に振動が生じて乗り心地が悪くなる。実ヨーレ
イト関連量にふらつきが含まれる場合も同様である。
本発明は、この実ヨーレイト関連量や操舵角のふらつ
きに基づく乗心地低下を軽減し得るトラクションステア
装置を得ることを課題として為されたものである。
課題を解決するための手段 上記課題は、第1図に示すように、自動車の車体速度
を検出する車体速度検出手段1と、操舵装置のステアリ
ングホイールの操舵角を検出する操舵角検出手段2と、
実ヨーレイト関連量を検出する実ヨーレイト関連量検出
手段3と、車体速度検出手段および操舵角検出手段によ
り検出された車体速度および操舵角に基づいて決まる目
標ヨーレイト関連量と、前記実ヨーレイト関連量検出手
段により検出された実ヨーレイト関連量との差が小さく
なるように車輪の駆動力を制御するトラクションステア
手段4とを含み、車両の進行方向の制御を行うトラクシ
ョンステア装置において、車両の直進状態において、操
舵角検出手段と実ヨーレイト関連量検出手段との少なく
とも一方の検出値のふらつき量を、ステアリングホイー
ルの左への操舵と右への操舵とに関して別々に検出する
ふらつき検出手段5と、その少なくとも一方の検出値
を、ステアリングホイールの左への操舵時と右への操舵
時とにそれぞれ、ふらつき検出手段によりステアリング
ホイールの左への操舵と右への操舵とに関してそれぞれ
検出された各ふらつき量に応じた量だけ0に向かってオ
フセットさせるオフセット手段6とを設けることにより
解決される。
上記「ふらつき量に応じた量」は、ふらつき量の最大
値でもよく、ならし処理等の平均化を行った値でもよ
い。また、複数段階に定められたオフセット量のいずれ
かが検出されたふらつき量に基づいて選択された値でも
よい。いずれにしてもオフセット量は検出されたふらつ
き量に応じて設定されるのである。
本発明の一実施態様においては、オフセット手段が、
各ふらつき量に応じてオフセット量を一旦設定したなら
ば少なくとも一定時間の間は一定値に保つ手段を含んで
いる。したがって、本実施態様においては、オフセット
量が、操舵角や実ヨーレイト関連量のふらつきと共には
変えられず、一旦設定されたならば少なくとも一定時間
の間は一定値に保たれる。
また、別の実施態様においては、ふらつき検出手段
が、操舵角が一定値以下であるという条件と、操舵角の
変化量が一定値以下であるという条件とを含む複数の条
件が同時に整った場合に車両の直進状態を検出する直進
状態検出手段を含んでいる。したがって、本実施態様に
おいては、車両が旋回状態から直進状態へ移行する際あ
るいは直進状態から旋回状態へ移行する際にふらつき量
の検出が禁止される。
作用 上記のように操舵角と実ヨーレイト関連量との少なく
とも一方の検出値を、その少なくとも一方のふらつき量
に応じた量だけ0に向かってオフセットさせれば、その
一方の小さい変動は無視されることとなり、無視されな
い場合のように頻繁に車輪駆動力の増減が行われて乗心
地が低下することが回避される。
発明の効果 このように本発明によれば不必要な車輪駆動力の増減
が頻繁に行われることによる乗心地の低下を軽減するこ
とができる。
しかも無視される変動の大きさはふらつき検出手段に
より検出された実際のふらつきに基づいて決定されるた
め、トラクションステア装置の感度が過敏となったり過
剰に低下させられたりすることがない。操舵角や実ヨー
レイトを常に一定量オフセットさせても乗心地低下を軽
減できるのであるが、操舵角や実ヨーレイトのふらつき
は、車両や運転者ごとに異なるとともに走行中の路面の
状態によっても異なるため、オフセット量を常に一定の
値に設定すればオフセット量が大き過ぎたり小さ過ぎた
りすることを避け得ない。オフセット量が大き過ぎれば
トラクションステア装置の感度が悪くなって十分なトラ
クションステア効果が得られず、小さ過ぎれば不要な車
輪駆動力の増減の発生を十分に回避することができな
い。それに対して、本発明においては実際のふらつき量
に基づいてオフセット量が設定されるため、トラクショ
ンステア装置の感度が常に適正に保たれるのである。
実施例 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。
第2図において、ブレーキペダル10はブースタ12を介
してマスタシリンダ14に接続されている。マスタシリン
ダ14は2つの加圧室を備えたタンデム式であり、一方の
加圧室に発生した液圧は主液通路16により左前輪18のブ
レーキ20と右前輪22のブレーキ24とに伝達され、他方の
加圧室に発生した液圧は主液通路26により左後輪28のブ
レーキ30と右後輪32のブレーキ34とに伝達される。主液
通路16,26の途中にプロポーショニング/バイパスバル
ブ36が設けられており、主液通路16の液圧が正常に上昇
する場合には主液通路26の液圧が減圧され、主液通路16
の液圧が正常に上昇しないい場合には主液通路26の液圧
が減圧されないようになっている。
主液通路26のプロポーショニング/バイパスバルブ36
より下流側の部分にマスタシリンダカット用の電磁開閉
弁であるシリンダカット弁40が設けられ、主液通路26の
二股に分かれた部分にはそれぞれ3位置の電磁方向切換
弁である液圧制御弁42,44が設けられている。液圧制御
弁42,44は戻り通路46によってリザーバ48に接続されて
おり、また、液圧制御弁42,44をバイパスするバイパス
通路50,52に逆止弁54,56が設けられている。
主液通路26のシリンダカット弁40と液圧制御弁42,44
との間の部分には、アキュムレータ60がアキュムレータ
カット弁62を介して接続されている。このアキュムレー
タ60にはリザーバ48からポンプ64によって汲み上げられ
たブレーキ液が高圧で蓄えられ、アキュムレータカット
弁62が開かれたとき液圧制御弁42,44を経てブレーキ30,
34に供給される。66はリリーフ弁である。
これらシリンダカット弁40,液圧制御弁42,44,戻り通
路46,逆止弁54,56,アキュムレータ60,アキュムレータカ
ット弁62,ポンプ64,リリーフ弁66等はアンチスキッド制
御を行うためのアクチュエータ68を構成しており、本実
施例のトラクションステア装置はこのアクチュエータ68
を利用して車両の進行方向の制御を行うものである。
前輪18,22は操舵輪であり、ステアリングホイール70,
ステリングギヤボックス72,ステアリングリンク74等か
ら成る操舵装置76によって向きを変えられる。
ステアリングホイール70の操舵角θおよび操舵トルク
τがそれぞれ操舵角センサ80および操舵トルクセンサ81
によって検出され、ブレーキペダル10の踏込みがペダル
スイッチ82で検出され、各車輪18,22,28,32の回転速度
がそれぞれ回転センサ84,86,88,90によって検出され、
車体92のヨーレイトが車体92に固定のヨーレイトセンサ
94によって検出される。これらの出力信号は主制御装置
96に供給される。
主制御装置96はコンピュータを主体とするものであ
り、入力インタフェース100,出力インタフェース102,CP
U104,ROM106およびRAM108を備えている。ROM106には第
3図,第4図,第5図,第6図および第7図のフローチ
ャートで表される制御プログラムと路面μ関連量テーブ
ル109とが記憶されている。路面の摩擦係数μと路面μ
関連量Mの間には第8図に示す関係がある。また、車体
速度Vおよび操舵トルクτと摩擦係数μとの間にも一定
の関係があり、実験によって求められたそれらの関係と
第8図の関係とに基づいて、車体速度Vおよび操舵トル
クτから路面μ関連量Mを求め得る路面μ関連量テーブ
ル109が作成され、ROM106に格納されているのである。
一方、RAM108には第9図に示す車体速度メモリ110を始
め種々のメモリが設けられている。
以下、フローチャートを参照しつつ本トラクションス
テア装置の作動を説明する。
トラクションステアの実行は第3図のメインルーチン
に従って行われる。ステップS1(以下、単にS1で表す。
他のステップについても同様)において初期設定が行わ
れて、トラクションステアフラグFF,前回右制御フラグX
RR,前回左制御フラグXRL等がOFFとされ、更新時間カウ
ンタRC,左右の増圧残り時間カウンタTACCL,TACCR,減圧
残り時間カウンタTBD,左右の反対側減圧残り時間カウン
タTLD,TRD,ヨーレイト差メモリ138,今回ブレーキ液圧メ
モリ140等がクリアされるとともに、シリンダカット弁4
0が開、アキュムレータカット弁62が閉とされ、左右の
液圧制御弁42,44が増圧状態とされ、かつ、ポンプ64が
停止状態とされる。
続いて、S2において操舵角θおよび実ヨーレイトYR
オフセット量の検定が行われ、S3においてブレーキ液圧
が決定され、S4においてブレーキ液圧制御のスタート/
ストップの制御が行われ、S5においてブレーキ液圧の制
御が実行される。
S2のオフセット量の決定は第4図のフローチャートで
表されるプログラムの実行により行われる。まず、S11
において回転センサ84,86,88,90からのパルス信号に基
づいて車体速度Vが算出される。例えば、各回転センサ
からのパルス信号のうち2番目に大きな速度を表すもの
から車体速度Vが算出され、車体速度メモリ110に格納
されるのである。次にS12〜18においてオフセット決定
の条件が整っているか否かの判定が行われる。オフセッ
ト量の決定は、トラクションステア制御が行われておら
ず、かつ、車両が直進状態にある間行われる。具体的に
は、 (1)トラクションステアが実行されていないこと、 (2)車体速度Vが一定値以上であること、 (3)左右前輪18,22の回転速度差が一定値以下である
こと、 (4)操舵角θが一定値以下であること、および (5)操舵角θの変化量が一定値以下であること の各条件が整っている間のみ行われるのである。トラク
ションステア実行中は実ヨーレイトYR等が変動するため
オフセット量の決定に向かず、S12においてトラクショ
ンステアフラグFFがONとされているか否かによりトラク
ションステア実行中であるか否かが判定される。また、
左右の前輪18,22の回転速度に実質的な差がある場合お
よびステアリングホイール70がほぼ中立位置にない場合
には車両が直進状態にはないため、S14とS15、およびS1
6とS17においてそれぞれ左右前輪の速度VWFL,VWFRの差
の絶対値および操舵角θの絶対値がそれぞれ一定値K1,K
2より大きいか否かが判定される。S16の操舵角θの読み
込み時には今回操舵角メモリ112に格納されている値が
前回操舵角メモリ113に移送され、新たに読み込まれた
操舵角θの値が今回操舵角メモリ112に格納される。S13
の判定は、車体速度Vが小さい間は左右前輪18,22の回
転速度VWFL,VWFRを正確に検出できないためその間はS1
4,S15が実行されないようにするために行われる。ま
た、S18の今回操舵角θ(t)と前回操舵角θ(t−
1)との差の絶対値が一定値K3より大きいか否かの判定
は、第10図の上段に示すに、車両が旋回状態から直進状
態へ移行する際あるいは直進状態から旋回状態へ移行す
る際における斜線を施した領域においてオフセット量の
決定が行われることを禁止するために行われる。
上記(1)〜(5)の条件の1つでも成立していなけ
ればS18a以降の実行がスキップされ、S32において更新
時間カウンタRCおよびオフセット量一時メモリ122,124,
126および128がクリアされて1回のオフセット量決定ル
ーチンの実行が終了するが、全ての条件が成立していれ
ば、S18aにおいてヨーレイトセンサ94から実ヨーレイト
YRが読み込まれて実ヨーレイトメモリ136に格納された
後、S19以降においてオフセット量の決定が行われる。
オフセット量決定は上記条件が成立している間、更新
時間RC0毎にS23〜31において行われ、S19およびS20によ
り更新時間RC0の終了が検出されたときS22において、そ
れまで操舵角左オフセット量メモリ114,操舵角右オフセ
ット量メモリ116,ヨーレイト左オフセット量メモリ118
およびヨーレイト右オフセット量メモリ120に格納され
ていた各オフセット量が新たに決定されたオフセット量
に変えられる。
S23において、S16で今回操舵角メモリ112に格納され
た操舵角θの正負によりステアリングホイール70が右に
切られたか左に切られたかが判定され、各判定結果に基
づいてS24〜27およびS28〜31において、それぞれ左およ
び右の操舵角θおよび実ヨーレイトYRのオフセット量θ
OFFL,YOFFLOFFR,YOFFRが決定される。前記(1)〜
(5)の条件が成立している間における操舵角θおよび
実ヨーレイトYRの検出値の最大値が第10図の下段に示す
ようにオフセット量一時メモリ122,124,126および128に
格納されるのである。そして、これら一時メモリの値が
S20で更新時間RC0の経過が判定されたとき各々対応する
オフセット量メモリ114,116,118および120に格納され
る。このように更新時間RC0毎にオフセット量の更新が
行われるのは、適正オフセット量は車両や運転者ごとに
異なる上、路面の状態によっても変わるためである。
S3のブレーキ液圧の決定は第5図のフローチャートに
従って行われる。まず、S41において今回操舵角メモリ1
12に格納されている操舵角θの正負により左旋回中であ
るか右旋回中であるかが判定され、S42,S43またはS44,4
5において操舵角θおよび実ヨーレイトYRが上記S2にお
いて決定された各オフセット量θOFFL,YOFFLまたはθ
OFFR,YOFFRだけ0に向かってオフセットさせられる。操
舵角θおよび実ヨーレイトYRが各オフセット量より大き
い場合には単純にオフセット量だけ小さくされ、オフセ
ット量より小さい場合には操舵角θおよび実ヨーレイト
YRが0とされるのである。
次に、S46において操舵トルクセンサ81から操舵トル
クτが読み込まれて操舵トルクメモリ130に格納され
る。そして、S47において車体速度メモリ110の車体速度
Vと操舵トルクメモリ130の操舵トルクτとを使用して
路面μ関連量テーブル109から路面μ関連量Mが決定さ
れ、路面μ関連量メモリ132に格納される。前記操舵角
θおよび実ヨーレイトYRのオフセット量は直進状態で決
定されるのに対し、路面μ関連量Mは常時決定され、実
際にブレーキ液圧制御に使用されるのは旋回時における
値なのである。続いて、S48において、上記車体速度V,
操舵角θおよび路面μ関連量Mと次式 YT=V・sin(θ/R)・M/L ただし、 L:ホイールベース R:ステアリングギヤ比 とによって目標ヨーレイトYTが算出され、目標ヨーレイ
トメモリ134に格納される。本実施例においては、車体
速度Vおよび操舵角θが同じであれば、路面の摩擦係数
μが小さいほど(この場合には路面μ関連量Mも小さ
い)目標ヨーレイトYTが小さい値に設定されるのであ
る。
目標ヨーレイトYTの設定後、S49において次式 DY=|YT|−|YR| によりヨーレイト差DYが算出されてヨーレイト差メモリ
138に格納される。続いて、S50において今回ブレーキ液
圧メモリ140の内容が前回ブレーキ液圧メモリ142に移送
され、S51において今回ブレーキ液圧P(t)が次式 P(t)=G・DY ただし、Gは制御ゲイン により算出されて今回ブレーキ液圧メモリ140に格納さ
れる。
以上でブレーキ液圧の決定が終了し、次に第6図のフ
ローチャートに従ってブレーキ液圧制御のスタート/ス
トップ制御が行われる。
まず、S60においてペダルスイッチ82の出力信号に基
づいてブレーキペダル10が踏み込まれたか否かが判定さ
れ、踏み込まれていなければS61においてヨーレイト差D
Yが基準値D0より大きいか否かが判定される。目標ヨー
レイトYTと実ヨーレイトYRとの間に一定以上の差がある
か否かが判定されるのであり、あればS62で終了処理残
り時間カウンタECがクリアされ、S63でブレーキの作用
によるトラクションステアをスタートさせるべくトラク
ションステアフラグFFがONとされ、S64でシリンダカッ
ト弁40が閉、アキュムレータカット弁62が開とされると
ともにポンプ64の運転が開始される。
一方、目標ヨーレイトYTと実ヨーレイトYRとの間に一
定以上の差がなければ、S65においてトラクションステ
アフラグFFがONであるか否かにより現在トラクションス
テア実行中であるか否かが判定され、実行中であれば、
S66ないしS69の実行により終了処理待ち時間KTEの経過
が待たれた後、S70,S71の終了処理が行われ、実行中で
なければ単にS70,71の終了処理が行われる。
次に、第7図のフローチャートに従ってトラクション
ステアのためのブレーキ液圧制御が行われる。
まずS81でトラクションステアフラグFFがONとされて
いるか否かによりブレーキ液圧制御を行うべきか否かが
判定され、制御の必要がない場合には、S117およびS108
の終了処理が行われる。S117では左右両ブレーキ用の液
圧制御弁42,44が共に増圧状態とされるとともに、前回
右制御フラグXRRおよび前回左制御フラグXRLがOFFとさ
れ、S108では左右の増圧残り時間カウンタTACCR,TACCL,
減圧残り時間カウンタTBDおよび左右の反対側減圧残り
時間カウンタTRD,TLDがクリアされる。
一方、S81の判定時にトラクションステアフラグFがO
Nとされていれば、S82で終了処理残り時間カウンタECの
カウント値が0であるか否かが判定され、0であればS8
3の判定結果に従って増圧,減圧,保持のいずれかの制
御が実行される。今回ブレーキ液圧P(t)が前回ブレ
ーキ液圧P(t−1)より高ければS84〜104において増
圧制御が行われ、低ければS111〜116において減圧制御
が行われ、今回ブレーキ液圧P(t)と前回ブレーキ液
圧P(t−1)が等しければS107,108において保持制御
が行われる。実ヨーレイトYRと目標ヨーレイトYTとの差
DYが増大している間はS50,51において今回ブレーキ液圧
P(t)が前回ブレーキ液圧P(t−1)より高い値に
設定されるため、S84〜104において旋回内側の後輪のブ
レーキの増圧制御が行われ、ヨーレイト差DYが一定であ
る間は保持制御が行われ、ヨーレイト差DYが減少を始め
れば減圧制御が行われるのである。なお、今回ブレーキ
液圧P(t)が前回ブレーキ液圧P(t−1)と等しい
か否かの判定は、実際には両者の差が比較的小さい負の
値と正の値との間にあるか否かによって行われ、両者の
大小の判定も同様にして行われる。
S83の判定の結果、増圧が必要な場合には、まずS84に
おいて今回操舵角メモリ112に格納されている操舵角θ
に基づいて自動車が右旋回中であるか否かが判定され
る。そして、左旋回中であれはS85〜94において左後輪2
8のブレーキ30の増圧制御が行われ、右旋回中であればS
95〜104において右後輪32のブレーキ34の増圧制御が行
われる。いずれの側の増圧制御も同じであるため、左の
ブレーキ30の増圧制御を代表的に説明する。
始めにS85で次式 TACCL=A・〔P(t)−P(t−1)〕 ただし、Aは定数 により左の増圧残り時間TACCL、すなわち左のブレーキ3
0の液圧を増圧すべき時間が算出されるとともに、右の
増圧残り時間TACCRがクリアされる。
続いてS86で前回右制御フラグXRRに基づいて前回のブ
レーキ液圧制御が右のブレーキについて行われたか否か
が判定され、判定の結果がNOであれば、S92,93,94で右
を保持しつつ左の増圧が行われる。S92で右の液圧制御
弁44が保持状態とされるともに、前回右制御フラグXRR
がOFFとされ、また、S93で左の液圧制御弁42が増圧状態
とされるとともに、前回左制御フラグXRLがONとされ、
増圧残り時間TACCLがデクリメントされるのであり、こ
の制御が左の増圧残り時間TACCLが0になるまで繰り返
されるのである。
それに対し、前回のブレーキ液圧制御が右であってS8
6の判定結果がYESであった場合には、右のブレーキ34に
液圧が残っている可能性があるので、S87〜91において
右のブレーキ34の減圧が行われつつ、S93において左の
ブレーキ30の増圧が行われる。S86の判定結果がYESにな
った後始めてS87が実行される場合には判定の結果がYES
であって、S88で反対側減圧時間KDBが反対側(右側減圧
残り時間TRDとして設定され、S89で反対側減圧残り時間
TRDがデクリメントされる。そして、反対側減圧残り時
間TRDが0となってS90の判定結果がYESとなるまではS91
において右の液圧制御弁44が減圧状態とされ、かつ、S9
3で左の液圧制御弁42が増圧状態とされるのである。S90
の判定結果がYESとなった場合にはS92で前回右制御フラ
グXRRがOFFとされ、以後はS87〜90がスキップされて左
の増圧制御のみが行われる。
次にS111〜116の減圧制御を説明する。まず、S111に
おいて次式 TBD=A・〔P(t−1)−P(t)〕 により減圧残り時間TBD、すなわちブレーキ30または34
の液圧を減圧すべき時間が算出される。続いて、S112で
右旋回中か左旋回中かが判定され、左旋回中であればS1
13で左の液圧制御弁42が減圧状態、右の液圧制御弁44が
保持状態とされるとともに前回左制御フラグXRLがONと
され、右旋回中であればS114で逆の状態とされる。そし
て、S115で減圧残り時間TBDがデクリメントされ、減圧
残り時間TBDが経過してS116の判定結果がYESとなるまで
S112〜115が繰り返される。
また、S83の判定の結果、ブレーキ液圧の保持が必要
と判定された場合には、S107の実行により左右の液圧制
御弁42,44が保持状態とされた上で、S108で増圧残り時
間TACCR等がクリアされる。
以上の増圧制御,減圧制御および保持制御のいずれか
が繰り返し行われることにより、左右のブレーキ30,34
の液圧が制御され、旋回内側のブレーキが適正な制動力
で作用させられてヨーイングモーメントの不足が補わ
れ、実ヨーレイトYRが操舵角θに基づいて決定される目
標ヨーレイトYTに近づけられる。
そして、両者の差DYが基準値D0以下となれば、第6図
のS67で終了処理残り時間カウンタECに終了処理時間KTE
が設定されることによりS82の判定結果がNOとなり、S10
9が実行される。終了処理残り時間カウンタECの内容が
終了前保持時間KTBより大きい間はS109の判定結果がYES
となって、S107,108で保持制御が行われ、終了前保持時
間KTBより小さくなれば、S110で増圧残り時間TACCL等が
クリアされるとともに減圧残り時間TBDとして終了前減
圧時間KTDEが設定され、S112〜116において設定時間だ
けの減圧が行われる。この減圧の終了後、第6図のフロ
ーチャートにおいてS69の判定結果がYESとなり、S70,71
の終了処理が行われてトラクションステアフラグFFがOF
Fとされるため、S81の判定結果がNOとなってS117で左右
の液圧制御弁42,44が増圧状態とされ、S108で増圧残り
時間TACCL等がクリアされて一連のトラクションステア
の実行が終了する。
また、トラクションステアの実行中にブレーキペダル
10が踏み込まれた場合には、第6図のS60の判定結果がY
ESとなり、S70,71およびS117,108の終了処理が行われ、
トラクションステアの実行が終了させられる。
本実施例においては、前述のように、S2において、車
両が直進状態にある間に操舵角θと実ヨーレイトYRとの
ふらつき量の最大値がオフセット量として決定され、S3
において、検出された操舵角θおよび実ヨーレイトYR
そのオフセット量だけ0に向かってオフセットさせられ
た上でブレーキ液圧の決定が行われるため、操舵角θお
よび実ヨーレイトYRのふらつきが無視されることとな
り、ブレーキ液圧の増減が頻繁に行われて車体に振動が
生じ、運転者に不快感を与えることが回避される。
以上の説明から明らかなように、本実施例においては
回転センサ84,86,88,90と主制御装置96のS11を実行する
部分とによって車体速度検出手段1が構成され、操舵角
センサ80,ヨーレイトセンサ94によってそれぞれ操舵角
検出手段2,実ヨーレイト関連量検出手段3が構成されて
いる。また、ブレーキ30,34,アクチュエータ68,主制御
装置96のS46〜51,S60〜71およびS81〜117を実行する部
分によってトラクションステア手段4が構成され、主制
御装置96のS13〜32を実行する部分によってふらつき検
出手段5が構成され、主制御装置96のS42〜45を実行す
る部分によってオフセット手段6が構成されている。
なお付言すれば、本実施例においては前述のように路
面の摩擦係数μが小さいほど目標ヨーレイトYTが小さい
値に設定されるため、スピンアウトの発生が良好に回避
される。路面の摩擦係数μが小さい場合には大きな実ヨ
ーレイトを発生させることが困難であるのに、目標ヨー
レイトYTが摩擦係数μの大きさと無関係に設定されれ
ば、摩擦係数μの小さい路面においては過大な目標ヨー
レイトYTが設定されることとなり、実ヨーレイトYRをそ
の過大な目標ヨーレイトYTに近づけるために旋回内側の
後輪に過大な制動力が加えられて、スピンアウトが発生
する恐れがあるのであるが、本実施例においては摩擦係
数μが小さいほど目標ヨーレイトYTが小さい値に設定さ
れるためスピンアウトの発生を良好に回避し得るのであ
る。しかし、目標ヨーレイトYTの設定を摩擦係数μの低
い路面を主体に考えて行う場合等には、目標ヨーレイト
YTの決定式に路面μ関連量Mを含ませることは不可欠で
はない。
また、本実施例においては、駆動輪である後輪28,32
のブレーキ30,34の作用により旋回制御が行われるよう
になっており、このように一方の駆動輪の回転が抑制さ
れれば差動装置の作用により他方の駆動輪の回転が促さ
れるため、実ヨーレイトYRの遅れが特に良好に回避され
る。その意味では前輪が駆動輪である場合には前輪のブ
レーキを作用させて旋回制御を行うことが望ましい。し
かし、後輪のブレーキを作用させる場合には前輪を作用
させる場合に比較して車体のノーズダイブが小さくて済
むのが普通であるため、前輪が駆動輪である場合に後輪
のブレーキを作用させて旋回制御を行ってもよい。さら
に、前輪と後輪とのブレーキを共に作用させれば実ヨー
レイトの遅れを一層有効に回避し得る。
その他、いちいち例示はしないが、当業者の知識に基
づいて種々の改良,変更を加えた態様で本発明を実施し
得るとは勿論である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の構成を概念的に示す図である。第2図
は本発明の一実施例であるトラクションステア装置を示
す系統図であり、第3図ないし第7図はそれの主制御装
置の制御プログラムを示すフローチャートである。第8
図は路面の摩擦係数μと路面μ関連量Mとの関係を示す
グラフであり、第9図は上記主制御装置のRAMの構成を
概念的に示す図である。第10図は上記トラクションステ
ア装置におけるオフセット量の決定を説明するためのグ
ラフである。 18:左前輪、20:ブレーキ 22:右前輪、24:ブレーキ 28:左後輪、30:ブレーキ 32:右後輪、34:ブレーキ 40:シリンダカット弁 42,44:液圧制御弁 62:アキュムレータカット弁 68:アクチュエータ、76:操舵装置 80:操舵角センサ、81:操舵トルクセンサ 84,86,88,90:回転センサ 92:車体、94:ヨーレイトセンサ 96:主制御装置

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動車の車体速度を検出する車体速度検出
    手段と、 操舵装置のステアリングホイールの操舵角を検出する操
    舵角検出手段と、 車体の実際のヨーレイトに関連する実ヨーレイト関連量
    を検出する実ヨーレイト関連量検出手段と、 前記車体速度検出手段および操舵角検出手段により検出
    された車体速度および操舵角に基づいて決まる目標ヨー
    レイト関連量と、前記実ヨーレイト関連量検出手段によ
    り検出された実ヨーレイト関連量との差が小さくなるよ
    うに車輪の駆動力を制御するトラクションステア手段と を含み、車両の進行方向の制御を行うトラクションステ
    ア装置において、 前記車両の直進状態において、前記操舵角検出手段と実
    ヨーレイト関連量検出手段との少なくとも一方の検出値
    のふらつき量を、前記ステアリングホイールの左への操
    舵と右への操舵とに関して別々に検出するふらつき検出
    手段と、 その少なくとも一方の検出値を、前記ステアリングホイ
    ールの左への操舵時と右への操舵時とにそれぞれ、前記
    ふらつき検出手段によりステアリングホイールの左への
    操舵と右への操舵とに関してそれぞれ検出された各ふら
    つき量に応じた量だけ0に向かってオフセットさせるオ
    フセット手段と を設けたことを特徴とするトラクションステア装置。
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