JP2611503B2 - 自動車の旋回制御装置 - Google Patents

自動車の旋回制御装置

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JP2611503B2 JP15483590A JP15483590A JP2611503B2 JP 2611503 B2 JP2611503 B2 JP 2611503B2 JP 15483590 A JP15483590 A JP 15483590A JP 15483590 A JP15483590 A JP 15483590A JP 2611503 B2 JP2611503 B2 JP 2611503B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は自動車の旋回制御装置に関するものであり、
特にブレーキを利用して旋回性能を向上させる技術に関
するものである。
従来の技術 ブレーキを利用して自動車の旋回性能を向上させる装
置は既に知られている。例えば、特開昭60−248466号公
報には、旋回中に制動が行われた際にドリフトやスピン
が発生することを防止する旋回制御装置が開示されてい
る。制動時には車輪にスリップが発生することによって
コーナリングフォースが低下するため、操舵角と車体速
度との積が大きい旋回時には車輪の横すべりが大きくな
り、ドリフトやスピンが発生することがある。上記旋回
制御装置は、制動開始時の車体速度,操舵角および実ヨ
ーレイトと、制動中の車体速度および操舵角とに基づい
て目標ヨーレイトを設定し、実ヨーレイトが目標ヨーレ
イトと等しくなるように前輪と後輪とに対するブレーキ
液圧を独立に制御するものである。
また、特開昭63−203456号公報には、非制動状態にお
ける旋回中に、前方への荷重移動をできる限り回避しつ
つ自動車を減速し、後輪の横すべりを抑制してスピンの
発生を防止する旋回制御装置が開示されている。この装
置は、非制動状態における旋回中に実ヨーレイトまたは
横加速度が設定値以上になった場合に、後輪のブレーキ
を作用させて前方への荷重移動が比較的小さい状態で自
動車を減速し、後輪の横すべりを低減させてスピンの発
生を防止するものであり、また、旋回外側の後輪のみを
制動する望ましい態様においては、さらに、旋回外側へ
のヨーイングモーメントを発生させてスピンの発生を一
層確実に防止するものである。
発明が解決しようとする課題 しかし、これらの装置によっても自動車の旋回応答性
を改善することはできない。自動車の走行中に操舵が行
われた場合には、直ちにそのときの車体速度と操舵角と
に対応する目標ヨーレイトと等しい実ヨーレイトが生じ
ることが望ましいのであるが、実際には実ヨーレイトが
目標ヨーレイトに対して遅れるのが普通である。従来の
旋回制御装置によってはこの旋回応答性の悪さを軽減す
ることができないのである。
本発明は、操舵装置の操作時にブレーキを作用させる
ことによって上記旋回応答性の悪さを軽減し得る旋回制
御装置を得ることを課題として為されたものである。
課題を解決するための手段 上記課題は、旋回制御装置を第1図に示すように、自
動車の前輪と後輪との少なくとも一方を制動するととも
に、その一方に関して左右輪の制動力を独立に制御可能
なブレーキ装置1と、車体の実ヨーレイトがそれの目標
ヨーレイトに対して遅れたとき、前記ブレーキ装置に前
記左右輪のうち旋回内側の車輪を制動させるとともに、
その制動力を実ヨーレイトと目標ヨーレイトとの差が大
きいほど大きくするブレーキ制御手段2と、そのブレー
キ制御手段が前記ブレーキ装置に前記旋回内側の車輪を
制動させるのと並行して、自動車の駆動源3の出力を、
前記旋回内側の車輪の制動によって自動車に生ずる制動
力を打ち消す量だけ増大させる駆動源出力増大手段4と
を含むものとすることによって解決される。
本発明の望ましい一実施態様においては、第11図に示
すように、さらに、自動車の車体速度を検出する車体速
度検出手段5と、操舵装置の操舵角を検出する操舵角検
出手段6と、車体の実際のヨーレイトに関連する実ヨー
レイト関連量を検出する実ヨーレイト関連量検出手段7
と、少なくとも車体速度検出手段および操舵角検出手段
により検出された車体速度および操舵角に基づいて車体
の目標ヨーレイト関連量を設定する目標ヨーレイト関連
量設定手段8とが設けられるとともに、前記ブレーキ制
御手段2が、前記ブレーキ装置に前記左右輪のうち旋回
内側の車輪を制動させるとともに、その制動力を実ヨー
レイト関連量と目標ヨーレイト関連量との差が大きいほ
ど大きくするものとされる。
ここにおいて、ヨーレイト関連量とは、ヨーレイト自
体は勿論、横加速度等ヨーレイトと密接に関連し、間接
的にヨーレイトを表す全ての量を包含する用語である。
作用 本発明に係る旋回制御装置においては、実ヨーレイト
が目標ヨーレイトに対して遅れ、両者の間に差が生じた
とき、ブレーキ制御手段が旋回内側の車輪のブレーキ装
置を作動させる。その結果、車体を旋回内側にヨーイン
グさせるモーメントが生じ、実ヨーレイトが大きくなっ
て、目標ヨーレイトに対する遅れが低減する。しかも、
ブレーキ制御手段は、旋回内側の車輪に対する制動力を
実ヨーレイトと目標ヨーレイトとの差が大きいほど大き
くするため、実ヨーレイトは速やかに目標ヨーレイトに
近づけられることとなる。
さらに、この旋回制御装置においては、ブレーキ制御
手段がブレーキ装置に旋回内側の車輪を制動させるのと
並行して、自動車の駆動源の出力が、旋回内側の車輪の
制動によって自動車に生ずる制動力を打ち消す量だけ増
大させられる。
発明の効果 このように、本発明によれば、自動車の旋回時に実ヨ
ーレイトに遅れが生じたときに、ブレーキ装置の作動に
より実ヨーレイトが速やかに目標ヨーレイトに近づけら
れ、自動車の旋回応答性が向上する効果が得られる。
ところで、旋回制御のためにブレーキが作用させられ
ると、自動車が減速されるため、運転者に違和感を与え
るという不利益がある。これに対して、本発明によれ
ば、旋回制御のためにブレーキを作用させるのと並行し
て駆動源の出力が増大させられ、しかも、その増大が旋
回制御のためのブレーキの作用によって生ずる制動力を
打ち消す量だけ行われるため、旋回制御に伴う自動車の
減速が回避され、運転者に違和感を与えることなく旋回
制御を行うことが可能となる効果も得られる。
実施例 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。
第2図において、ブレーキペダル10はブースタ12を介
してマスタシリンダ14に接続されている。マスタシリン
ダ14は2つの加圧室を備えたタンデム式であり、一方の
加圧室に発生した液圧は主液通路16により左前輪18のブ
レーキ20と右前輪22のブレーキ24とに伝達され、他方の
加圧室に発生した液圧は主液通路26により左後輪28のブ
レーキ30と右後輪32のブレーキ34とに伝達される。主液
通路16,26の途中にプロポーショニング/バイパスバル
ブ36が設けられており、主液通路16の液圧が正常に上昇
する場合には主液通路26の液圧が減圧され、主液通路16
の液圧が正常に上昇しない場合には主液通路26の液圧が
減圧されないようになっている。
主液通路26のプロポーショニング/バイパスバルブ36
より下流側の部分にマスタシリンダカット用の電磁開閉
弁であるシリンダカット弁40が設けられ、主液通路26の
二段に分かれた部分にはそれぞれ3位置の電磁方向切換
弁である液圧制御弁42,44が設けられている。液圧制御
弁42,44は戻り通路46によってリザーバ48に接続されて
おり、また、液圧制御弁42,44をバイパスするバイパス
通路50,52に逆止弁54,56が設けられている。
主液通路26のシリンダカット弁40と液圧制御弁42,44
との間の部分には、アキュムレータ60がアキュムレータ
カット弁62を介して接続されている。このアキュムレー
タ60にはリザーバ48からポンプ64によって汲み上げられ
たブレーキ液が高圧で蓄えられ、アキュムレータカット
弁62が開かれたとき液圧制御弁42,44を経てブレーキ30,
34に供給される。66はリリーフ弁である。
これらシリンダカット弁40,液圧制御弁42,44,戻り通
路46,逆止弁54,56,アキュムレータ60,アキュムレータカ
ット弁62,ポンプ64,リリーフ弁66等はアンチスキッド制
御を行うためのアクチュエータ68を構成しており、本実
施例の旋回制御装置はこのアクチュエータ68を利用して
旋回制御を行うものである。
前輪18,22は操舵輪であり、ステアリングホイール7
0、ステアリングギヤボックス72,ステアリングリンク74
等から成る操舵装置76によって向きを変えられる。
ステアリングホイール70の操舵角θおよび操舵トルク
τがそれぞれ操舵角センサ80および操舵トルクセンサ81
によって検出され、ブレーキペダル10の踏込みがペダル
スイッチ82で検出され、各車輪18,22,28,32の回転速度
がそれぞれ回転センサ84,86,88,90によって検出され、
車体92のヨーレイトが車体92に固定のヨーレイトセンサ
94によって検出される。これらの出力信号は主制御装置
96に供給される。
主制御装置96にはさらに、第3図に示すように、アク
セルセンサ132,スロットルセンサ134,エンジン回転数セ
ンサ135,変速制御ユニット136およびスロットルアクチ
ュエータ138も接続される。アクセルセンサ132はアクセ
ルペダル140の踏込み量に比例する電圧を出力するもの
であり、スロットルセンサ134はスロットルバルブ142の
開度に比例する電圧を出力するものであり、エンジン回
転数センサ135はエンジン143の回転数に比例する電圧を
出力するものである。また、変速制御ユニット136は変
速ソレノイド144を制御することにより、トランスミッ
ション146のギヤ位置を制御するものであり、変速ソレ
ノイド144へのギヤ位置指令信号が主制御装置96にも供
給されるようになっている。スロットルアクチュエータ
138はスロットルバルブ142を駆動する直流モータであ
り、主制御装置96によりスロットルアクチュエータ138
が制御されることによってスロットルバルブ142がアク
セルペダル140の踏込み量に比例する量だけ開かれ、エ
ンジン143の出力が制御される。
主制御装置96はコンピュータを主体とするものであ
り、第2図に示すように、入力インタフェイス100,出力
インタフェイス102、CPU104,ROM106およびRAM108を備え
ている。ROM106には第4図,第5図,第6図,第7図お
よび第8図のフローチャートで表される制御プログラム
と路面μ関連量テーブル109とエンジン特性マップ148と
が記憶されている。路面の摩擦係数μと路面μ関連量K
との間には第9図に示す関係がある。また、車体速度v
および操舵トルクτと摩擦係数μとの間にも一定の関係
があり、実験によって求められたそれらの関係と第9図
の関係とに基づいて、車体速度vおよび操舵トルクτか
ら路面μ関連量Kを求め得る路面μ関連量テーブル109
が作成され、ROM106に格納されているのである。一方、
RAM108には第10図に示す車体速度メモリ110を始め種々
のメモリが設けられている。
以下、フローチャートを参照しつつ本旋回制御装置の
作動を説明する。
旋回制御は第4図のメインルーチンに従って行われ
る。ステップS101(以下、単にS101で表す。次のステッ
プについても同様)において初期設定が行われて、旋回
制御フラグFF,前回右制御フラグXRR,前回左制御フラグX
RL等がOFFとされ、左右の増圧残り時間カウンタTACCL,T
ACCR,減圧残り時間カウンタTBD,左右の反対側減圧残り
時間カウンタTLD,TRD,ヨーレイト差メモリ120,今回ブレ
ーキ液圧メモリ122等がクリアされるとともに、シリン
ダカット弁40が開、アキュムレータカット弁62が閉とさ
れ、左右の液圧制御弁42,44が増圧状態とされ、かつ、
ポンプ64が停止状態とされる。
続いてS102においてブレーキ液圧が算出され、S103に
おいて目標駆動力が算出され、S104においてブレーキ液
圧制御のスタート/ストップの制御が行われ、S105にお
いて駆動力の制御が実行され、S106においてブレーキ液
圧の制御が実行される。
S102のブレーキ液圧の算出は第5図のフローチャート
に従って行われる。S11において回転センサ84,86,88,90
からのパルス信号に基づいて車体速度vが算出される。
例えば、各回転センサからのパルス信号のうち2番目に
大きな速度を表すものから車体速度vが算出され、車体
速度メモリ110に格納されるのである。続いて、S12にお
いて操舵角センサ80から操舵角θが読み込まれて操舵角
メモリ112に格納され、S13において操舵トルクセンサ81
から操舵トルクτが読み込まれて操舵トルクメモリ113
に格納される。そして、S14において車体速度メモリ110
の車体速度vと操舵トルクメモリ113の操舵トルクτと
を使用して路面μ関連量テーブル109から路面μ関連量
Kが決定され、路面μ関連量メモリ114に格納される。
さらに、S15において、上記車体速度v,操舵角θおよび
路面μ関連量Kと次式 YT=v・sin(θ/R)・K/L ただし、 L:ホイールベース R:ステアリングギヤ比 とによって目標ヨーレイトYTが算出され、目標ヨーレイ
トメモリ116に格納される。本実施例においては、車体
速度vおよび操舵角θが同じであれば、路面の摩擦係数
μが小さいほど(この場合には路面μ関連量Kも小さ
い)目標ヨーレイトYTが小さい値に設定されるのであ
る。
目標ヨーレイトYTの設定後、S16においてヨーレイト
センサ94から実ヨーレイトYRが読み込まれて実ヨーレイ
トメモリ118に格納され、 S17において次式 DY=|YT|−|YR| によりヨーレイト差DYが算出されてヨーレイト差メモリ
120に格納される。S18において今回ブレーキ液圧メモリ
122の内容が前回ブレーキ液圧メモリ124に格納され、S1
9において今回ブレーキ液圧P(t)が次式 P(t)=G・DY ただし、Gは制御ゲイン により算出されて今回ブレーキ液圧メモリ122に格納さ
れる。
第4図のS103においては、目標駆動力TDFが、次式 TDF=KBF×P(t) ただし、 KBF:液圧・制動力変換係数 によって算出される。旋回制御のためのブレーキ作用に
よって得られる制動力はほぼブレーキ液圧p(t)に比
例するものであってKBF×P(T)で表され、目標駆動
力TDFはその制動力KBF×P(t)と同じ大きさのものと
して算出されるのである。算出された目標駆動力TDFは
目標駆動力メモリ150に格納される。
S104においては、第6図のフローチャートに従ってブ
レーキ液圧制御のスタート/ストップ制御が行われる。
まず、S20においてペダルスイッチ82の出力信号に基
づいてブレーキペダル10が踏み込まれたか否かが判定さ
れ、踏み込まれていなければS21においてヨーレイト差D
Yが基準値D0より大きいか否かが判定される。目標ヨー
レイトYTと実ヨーレイトYRとの間に一定以上の差がある
か否かが判定されるのであり、あればS22で終了処理残
り時間カウンタCCがクリアされ、S23でブレーキの作用
による旋回制御をスタートさせるべく旋回制御フラグFF
がONとされ、S24でシリンダカット弁40が閉、アキュム
レータカット弁62が開とされるとともにポンプ64の運転
が開始される。
一方、目標ヨーレイトYTと実ヨーレイトYRとの間に一
定以上の差がなければ、S25において旋回制御フラグFF
がONであるか否かにより現在旋回制御中であるか否かが
判定され、旋回制御中であれば、S26ないしS29の実行に
より終了処理待ち時間KTEの経過が待たれた後、S30,31
の終了処理が行われ、制御中でなければ単にS30,31の終
了処理が行われる。
第4図のS105においては、第7図のフローチャートに
従って駆動力制御が行われる。
まず、S111においてペダルスイッチ82の出力信号に基
づいてブレーキペダル10が踏み込まれているか否かが判
定され、また、S112において旋回制御フラグFFがONであ
るか否かが判定される。ブレーキペダル10が踏み込まれ
ているか、あるいは旋回制御フラグFFがOFFの場合にはS
113以降のステップがスキップされて実質的な駆動力制
御は行われない。
しかし、ブレーキペダル10が踏み込まれておらず、か
つ、旋回制御フラグFFがONとされていれば、S113におい
てエンジン回転数センサ135からエンジン回転数NEが読
み込まれ、エンジン回転数メモリ152に格納される。続
いて、S114においてスロットルセンサ134から実スロッ
トル開度TAが読み込まれて実スロットル開度メモリ154
に格納され、S115において変速制御ユニット136からの
ギヤ位置PGが読み込まれてギヤ位置メモリ156に格納さ
れる。そして、S116において、これら各メモリ152,154
および156に格納されているデータに基づいて実際の駆
動力DFが求められ、実駆動力メモリ158に格納される。
実駆動力DFはROM106に設けられたエンジン特性マップ14
8を使用して、エンジン回転数NE,実スロットル開度TAお
よびギヤ位置PGから求められるが、この実駆動力の決定
はよく知られているため詳細な説明は省略する。
その後、S117の判定が行われ、実駆動力DFがS103で求
められた目標駆動力TDFより小さい場合には、S118にお
いて目標スロットル開度TTAが決定され、目標スロット
ル開度メモリ160に格納される。目標スロットル開度TTA
は、目標駆動力TDF,エンジン回転数NEおよびギヤ位置PG
から決まるものであり、この目標スロットル開度TTAの
決定もよく知られたものであるため、詳細な説明は省略
する。続いてS119において目標スロットル開度メモリ16
0に格納されている目標スロットル開度TTAが出力され、
その出力に基づいてスロットルアクチュエータ138が作
動し、スロットルバルブ142の開度を増大させてエンジ
ン143の出力を増大させる。
その結果、実駆動力DFが目標駆動力TDFに達すれば、S
117の判定結果がYESとなり、この判定結果がYESの間はS
118およびS119がスキップされる。
第4図のS106においては、第8図のフローチャートに
従って旋回制御のためのブレーキ液圧制御が行われる。
まず、S41で旋回制御フラグFFがONとされているか否
かによりブレーキ液圧制御を行うべきか否かが判定さ
れ、制御の必要がない場合には、S77およびS68の終了処
理が行われる。S77では左右両ブレーキ用の液圧制御弁4
2,44がともに増圧状態とされるとともに、前回右制御フ
ラグXRRおよび前回左制御フラグXRLがOFFとされ、S68で
は左右の増圧残り時間カウンタTACCR,TACCL,減圧残り時
間カウンタTBDおよび左右の反対側減圧残り時間カウン
タTRD,TLDがクリアされる。
一方、S41の判定時に旋回制御フラグFFがONとされて
いれば、S42で終了残り時間カウンタCCのカウント値が
0であるか否かが判定され、0であればS43の判定結果
に従って増圧,減圧,保持のいずれかの制御が実行され
る。今回ブレーキ液圧P(t)が前回ブレーキ液圧P
(t−1)より高ければS44〜64において増圧制御が行
われ、低ければS71〜76において減圧制御が行われ、今
回ブレーキ液圧P(t)と前回ブレーキ液圧P(t−
1)とが等しければS67,68において保持制御が行われ
る。実ヨーレイトYRと目標ヨーレイトYTとの差DYが増大
している間はS17,19において今回ブレーキ液圧P(t)
が前回ブレーキ液圧P(t−1)より高い値に設定され
るため、S44〜64において旋回内側の後輪のブレーキの
増圧制御が行われ、ヨーレイト差DYが一定である間は保
持制御が行われ、ヨーレイト差DYが減少を始めれば減圧
制御が行われるのである。なお、今回ブレーキ液圧P
(t)が前回ブレーキ液圧P(t−1)と等しいか否か
の判定は、実際には両者の差が比較的小さい負の値と正
の値との間にあるか否かによって行われ、両者の大小の
判定も同様にして行われる。
S43の判定の結果、増圧が必要な場合には、まずS44に
おいて操舵角メモリ112に格納されている操舵角θに基
づいて自動車が右旋回中であるか否かが判定される。そ
して、左旋回中であればS45〜54において左後輪28のブ
レーキ30の増圧制御が行われ、右旋回中であればS55〜6
4において右後輪32のブレーキ34の増圧制御が行われ
る。いずれの側の増圧制御も同じであるため、左のブレ
ーキ30の増圧制御を代表的に説明する。
始めにS45で次式 TACCL=A・〔P(t)−P(t−1)〕 ただし、Aは定数 により左の増圧残り時間TACCL、すなわち左のブレーキ3
0の液圧を増圧すべき時間が算出されるとともに、右の
増圧残り時間TACCRがクリアされる。
続いてS46で前回右制御フラグXRRに基づいて前回のブ
レーキ液圧制御が右のブレーキについて行われたか否か
が判定され、判定の結果がNOであれば、S52,S53,S54で
右を保持しつつ左の増圧が行われる。S52で右の液圧制
御弁44が保持状態とされるとともに、前回右制御フラグ
XRRがOFFとされ、また、S53で左の液圧制御弁42が増圧
状態とされるとともに、前回左制御フラグXRLがONとさ
れ、増圧残り時間TACCLがデクリメントされるのであ
る。この制御は左の増圧残り時間TACCLが0になるまで
繰り返される。
それに対し、前回のブレーキ液圧制御が右であってS4
6の判定結果がYESであった場合には、右のブレーキ34に
液圧が残っている可能性があるので、S47〜51において
右のブレーキ34の減圧が行われつつ、S53において左の
ブレーキ30の増圧が行われる。S46の判定結果がYESにな
った後始めてS47が実行される場合には判定の結果がYES
であって、S48で反対側減圧時間KDBが反対側(右側)減
圧残り時間TRDとして設定され、S49で反対側減圧残り時
間TRDがデクリメントされる。そして、反対側減圧残り
時間TRDが0となってS50の判定結果がYESとなるまではS
51において右の液圧制御弁44が減圧状態とされ、かつ、
S53で左の液圧制御弁42が増圧状態とされるのである。S
50の判定結果がYESとなった場合にはS52で前回右制御フ
ラグXRRがOFFとされ、以後はS47〜50がスキップされて
左の増圧制御のみが行われる。
次にS71〜76の減圧制御を説明する。まず、S71におい
て次式 TBD=A・〔P(t−1)−P(t)〕 により減圧残り時間TBD、すなわちブレーキ30または34
の液圧を減圧すべき時間が算出される。続いて、S72で
右旋回中か左旋回中かが判定され、左旋回中であればS7
3で左の液圧制御弁42が減圧状態、右の液圧制御弁44が
保持状態とされるとともに前回左制御フラグXRLがONと
され、右旋回中であればS74で逆の状態とされる。そし
て、S75で減圧残り時間TBDがデクリメントされ、減圧残
り時間TBDが経過してS76の判定結果がYESとなるまでS72
〜75が繰り返される。
また、S43の判定の結果、ブレーキ液圧の保持が必要
と判定された場合には、S67の実行により左右の液圧制
御弁42,44が保持状態とされた上で、S68で増圧残り時間
TACCR等がクリヤされる。
以上の増圧制御,減圧制御および保持制御のいずれか
が繰り返し行われることにより、左右のブレーキ30,34
の液圧が制御され、旋回内側のブレーキが適正な制動力
で作用させられてヨーイングモーメントの不足が補わ
れ、実ヨーレイトYRが操舵角θに基づいて決定される目
標ヨーレイトYTに近づけられる。
そして、両者の差DYが基準値D0以下となれば、第6図
のS27で終了処理残り時間カウンタCCに終了処理時間KTE
が設定されることによりS42の判定結果がNOとなり、S69
が実行される。終了処理残り時間カウンタCCの内容が終
了前保持時間KTBより大きい間はS69の判定結果がYESと
なって、S67,68で保持制御が行われ、終了前保持時間KT
Bより小さくなれば、S70で増圧残り時間TACCL等がクリ
アされるとともに減圧残り時間TBDとして終了前減圧時
間KTDEが設定され、S72〜76において設定時間だけの減
圧が行われる。この減圧の終了後、第6図のフローチャ
ートにおいてS29の判定結果がYESとなり、S30,31の終了
処理が行われて旋回制御フラグFFがOFFとされるため、S
41の判定結果がNOとなってS77で左右の液圧制御弁42,44
が増圧状態とされ、S68で増圧残り時間TACCL等がクリア
されて一連の旋回制御が終了する。
また、旋回制御の途中にブレーキペダル10が踏み込ま
れた場合には、第6図のS20の判定結果がYESとなり、S3
0,31およびS77,68の終了処理が行われ、旋回制御が終了
させられる。
以上の説明から明らかなように、本実施例においては
回転センサ84,86,88,89,90と主制御装置96のS11を実行
する部分とによって車体速度検出手段が構成され、操舵
角センサ80,ヨーレイトセンサ94によってそれぞれ操舵
角検出手段,実ヨーレイト関連量検出手段が構成されて
いる。また、ブレーキ30,34とアクチュエータ68とによ
ってブレーキ装置が構成され、主制御装置96のS12,13,1
4および15を実行する部分によって目標ヨーレイト関連
量設定手段が構成され、S16〜19,S20〜31およびS41〜77
を実行する部分によってブレーキ制御手段が構成され、
エンジン143によって駆動源が構成され、スロットルア
クチュエータ138と主制御装置96の第7図の駆動力制御
プログラムを実行する部分とによって駆動源出力増大手
段が構成されている。
なお付言すれば、本実施例においては前述のように路
面の摩擦係数μが小さいほど目標ヨーレイトYTが小さい
値に設定されるため、スピンアウトの発生が良好に回避
される。路面の摩擦係数μが小さい場合には大きな実ヨ
ーレイトを発生させることが困難であるのに、目標ヨー
レイトYTが摩擦係数μの大きさと無関係に設定されれ
ば、摩擦係数μの小さい路面においては過大な目標ヨー
レイトYTが設定されることとなり、実ヨーレイトYRをそ
の過大な目標ヨーレイトYTに近づけるために旋回内側の
後輪に過大な制動力が加えられて、スピンアウトが発生
する恐れがあるのであるが、本実施例においては摩擦係
数μが小さいほど目標ヨーレイトYTが小さい値に設定さ
れるためスピンアウトの発生を良好に回避し得るのであ
る。しかし、目標ヨーレイトYTの設定を摩擦係数μの低
い路面を主体に考えて行う場合等には、目標ヨーレイト
YTの決定式に路面μ関連量Kを含ませることは不可欠で
はない。
また、本実施例においては、目標駆動輪である後輪2
8,32のブレーキ30,34の作用により旋回制御が行われる
ようになっており、このように一方の駆動輪の回転が抑
制されれば差動装置の作用により他方の駆動輪の回転が
促されるため、実ヨーレイトYRの遅れが特に良好に回避
される。その意味では前輪が駆動輪である場合には前輪
のブレーキを作用させて旋回制御を行うことが望まし
い。しかし、後輪のブレーキを作用させる場合には前輪
を作用させる場合に比較して車体のノーズダイブが小さ
くて済むのが普通であるため、前輪が駆動輪である場合
に後輪のブレーキを作用させて旋回制御を行ってもよ
い。さらに、前輪と後輪とのブレーキを共に作用させれ
ば実ヨーレイトの遅れを一層有効に回避し得る。
また、本実施例においては、S105の駆動力制御によ
り、旋回制御のためのブレーキ作用による自動車の減速
がエンジン出力の増大によって防止されることとなる。
旋回制御のためには、ブレーキ30,34のうち、旋回内側
の後輪に対応するものが作動させられ、それによって車
体に旋回内向きのヨーモーメントが発生させられ、目標
ヨーレイトに対する実ヨーレイトの遅れが回避されるの
であるが、ブレーキが作用させられれば左右後輪28,32
の駆動力の和がその制動力分だけ小さくなり、自動車が
減速されることとなる。しかし、本実施例においては、
上記エンジン出力の増大によって左右後輪28,32の駆動
力がそれぞれ上記制動力のほぼ半分に対応する量だけ増
大させられるため、自動車全体としての駆動力はブレー
キの作用にもかかわらず変化しないのである。そのた
め、自動車は減速されず、運転者に違和感を与えること
なく旋回制御が行われることとなる。
その他、いちいち例示はしないが、当業者の知識に基
づいて種々の改良,変更を加えた態様で本発明を実施し
得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の構成を概念的に示す図である。第2図
および第3図は本発明の一実施例である旋回制御装置を
示す系統図であり、第4図ないし第8図はそれの主制御
装置の制御プログラムを示すフローチャートである。第
9図は路面の摩擦係数μと路面μ関連量Kとの関係を示
すグラフであり、第10図は上記主制御装置のRAMの構成
を概念的に示す図である。第11図は、本発明の望ましい
一実施形態の構成を概念的に示す図である。 18:左前輪 20,24:ブレーキ 22:右前輪 28:左後輪 30,34:ブレーキ 32:右後輪 40:シリンダカット弁 42,44:液圧制御弁 62:アキュムレータカット弁 68:アクチュエータ 76:操舵装置 80:操舵角センサ 81:操舵トルクセンサ 84,86,88,90:回転センサ 92:車体 94:ヨーレイトセンサ 96:主制御装置 138:スロットルアクチュエータ 142:スロットルバルブ 143:エンジン

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動車の旋回応答性を制御する装置であっ
    て、 自動車の前輪と後輪との少なくとも一方を制動するとと
    もに、その一方に関して左右輪の制動力を独立に制御可
    能なブレーキ装置と、 車体の実ヨーレイトがそれの目標ヨーレイトに対して遅
    れたとき、前記ブレーキ装置に前記左右輪のうち旋回内
    側の車輪を制動させるとともに、その制動力を実ヨーレ
    イトと目標ヨーレイトとの差が大きいほど大きくするブ
    レーキ制御手段と、 そのブレーキ制御手段が前記ブレーキ装置に前記旋回内
    側の車輪を制動させるのと並行して、自動車の駆動源の
    出力を、前記旋回内側の車輪の制動によって自動車に生
    ずる制動力を打ち消す量だけ増大させる駆動源出力増大
    手段と を含むことを特徴とする自動車の旋回制御装置。
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