JP2985308B2 - 車両用制動力制御装置 - Google Patents

車両用制動力制御装置

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JP2985308B2
JP2985308B2 JP3013827A JP1382791A JP2985308B2 JP 2985308 B2 JP2985308 B2 JP 2985308B2 JP 3013827 A JP3013827 A JP 3013827A JP 1382791 A JP1382791 A JP 1382791A JP 2985308 B2 JP2985308 B2 JP 2985308B2
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善作 村上
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両の制動力を制御する
装置に関するものであり、特に車両の旋回制動性能を向
上させる技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両の旋回走行中に制動が行われた場
合、車輪のスリップ率が増大してコーナリングフォース
が低下し、オーバステアやアンダステアが発生すること
がある。この傾向を抑制する対策が旋回制動性能向上策
であり、特開昭60−248466号公報,特開平1−
178059号公報等により既に知られている。
【0003】特開昭60−248466号公報に記載の
ものは、車輪のコーナリングフォースがその車輪のスリ
ップ率により変化することを利用したものであり、実ヨ
ーレートの目標ヨーレートからの偏差が設定ヨーレート
偏差以上となった場合に、前車輪のブレーキと後車輪の
ブレーキとに上記偏差を減少させる制動力差を生じさせ
る制動力前後配分制御手段が設けられる。オーバステア
気味の場合には前車輪の制動力を増すことによりスリッ
プ率を増して前車輪のコーナリングフォースを低下さ
せ、後車輪については逆に制動力を減少させることによ
りコーナリングフォースを増大させるのであり、それに
対して、アンダステア気味の場合には後車輪の制動力を
増すとともに前車輪の制動力を減少させるのであって、
それによりニュートラルステアに戻すことができる。
【0004】一方、特開平1−178059号公報に記
載のものは、右後車輪と左後車輪との制動力の差により
車体にヨーモーメントを発生させてアンダステア傾向ま
たはオーバステア傾向を抑制するものであり、実ヨーレ
ートの目標ヨーレートからの偏差が設定ヨーレート偏差
以上となった場合に、右後車輪のブレーキと左後車輪の
ブレーキとに上記偏差を減少させる制動力差を生じさせ
る制動力左右配分制御手段が設けられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記特開昭60−24
8466号公報に記載の対策は路面の摩擦係数が高い場
合には有効であるが、低い場合には効果が薄い。それに
対して、特開平1−178059号公報に記載の対策は
効果は大きいが操舵反力が大きくなって運転者に違和感
を与えることを避け得ない。本発明は、この事情を背景
として、路面の摩擦係数が低い場合でも十分な旋回制動
性能向上効果が得られ、かつ、運転者に違和感を与える
ことが少ない車両用制動力制御装置を得ることを課題と
して為されたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明に係る車両用制動力制御装置は、図1に示すよ
うに、車体の前後左右にそれぞれ設けられた車輪のブレ
ーキによる制動力を検出する制動力検出手段1と、車体
の実ヨーレートの目標ヨーレートからの偏差を検出する
ヨーレート偏差検出手段2と、車体の横加速度を検出す
る横加速度検出手段3と、制動力検出手段により検出さ
れた制動力が設定制動力以上でありかつヨーレート偏差
検出手段により検出されたヨーレート偏差が設定偏差以
上であるとき、横加速度検出手段により検出された横加
速度が設定加速度以内であれば左ブレーキと右ブレーキ
とにヨーレート偏差を減少させる制動力差を生じさせる
制動力左右配分制御手段4と、制動力が設定制動力以上
でありかつヨーレート偏差が設定偏差以上であるとき、
横加速度が設定加速度を越えていれば前ブレーキと後ブ
レーキとにヨーレート偏差を減少させる制動力差を生じ
させる制動力前後配分制御手段5とを含むように構成さ
れる。
【0007】なお、制動力左右配分制御手段4は、左車
輪と右車輪との両方の制動力を制御することによって左
右制動力配分を制御するものであっても、いずれか一方
のみの制動力の制御によって左右制動力配分を制御する
ものであってもよく、制動力前後配分制御手段5は、前
車輪と後車輪との両方の制動力を制御することによって
前後制動力配分を制御するものであっても、いずれか一
方のみの制動力の制御によって前後制動力配分を制御す
るものであってもよい。
【0008】また、制動力左右配分制御手段4は、左の
車輪の制動力を制御する場合も右の車輪の制動力を制御
する場合も前車輪および後車輪の制動力を共に制御する
ものであることが望ましいが、不可欠ではなく、後車輪
あるいは前車輪のみの制動力を制御するものであっても
よい。制動力前後配分制御手段5も、前車輪の制動力を
制御する場合も後車輪の制動力を制御する場合も左右の
車輪の制動力を共に制御し、左右の制動力差によるステ
アを生じさせないものであることが望ましい。
【0009】
【作用】制動力が設定制動力以上でありかつヨーレート
偏差が設定偏差以上であるということは、制動中にオー
バステア傾向あるいはアンダステア傾向が生じたことを
意味する。そして、その際に横加速度が設定加速度以内
であるということは、横加速度が大きくないのに車輪に
大きな横すべりが生じたということであって、路面の摩
擦係数が小さいことを意味する。この場合には、制動力
左右配分制御手段4が左ブレーキと右ブレーキとに前記
ヨーレート偏差を減少させる制動力差を生じさせ、オー
バステア傾向あるいはアンダステア傾向を抑制する。逆
に、オーバステア傾向あるいはアンダステア傾向が生じ
た際に横加速度が設定加速度を越えているということ
は、横加速度が大きくなるまでニュートラルステアが保
たれたということであって、路面の摩擦係数が大きいこ
とを意味する。この場合には、制動力前後配分制御手段
5が前ブレーキと後ブレーキとに前記ヨーレート偏差を
減少させる制動力差を生じさせ、オーバステア傾向ある
いはアンダステア傾向を抑制する。
【0010】
【発明の効果】このように、本発明の車両用制動力制御
装置においては、摩擦係数が小さい路面上における制動
中に車輪の横すべりによるステアが生じた場合には制動
力左右配分制御によりそのステアが低減させられる。制
動力左右配分制御によれば摩擦力が小さい路面上におい
ても十分な旋回制動性能向上効果が得られ、しかも、路
面の摩擦係数が小さい場合には制動力左右配分制御を行
っても生じる操舵反力が比較的小さく、運転者に違和感
を与えることが少ない。また、摩擦係数が大きい路面上
における制動中に車輪の横すべりによるステアが生じた
場合には制動力前後配分制御によりそのステアが低減さ
せられる。路面の摩擦係数が大きい場合には制動力前後
配分制御により十分な旋回制動性能向上効果が得られ、
しかも操舵反力が生じないため運転者に違和感を与える
ことがない。結局、本発明によれば、路面の摩擦係数が
低い場合でも十分な旋回制動性能向上効果が得られ、か
つ、運転者に違和感を与えることが少ない車両用制動力
制御装置が得られることとなる。
【0011】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の一実施例を詳
細に説明する。図2において、10はブレーキ操作部材
としてのブレーキペダルであり、ブレーキブースタ12
を介してマスタシリンダ14に接続されている。マスタ
シリンダ14はタンデム式であり、2個の独立した加圧
室にブレーキペダル10の踏力に対応した液圧を発生さ
せる。各加圧室のマスタシリンダ圧はそれぞれ電磁切換
・増圧弁16,18を備えた主液通路20,22によ
り、左右前車輪24,26のフロントホイールシリンダ
28,30と左右後車輪32,34のリヤホイールシリ
ンダ36,38とに伝達される。主液通路20,22は
それぞれ二股に分岐しており、各分岐通路の先端にホイ
ールシリンダ28,30,36,38が設けられている
のであるが、それら分岐通路の途中に電磁減圧弁40,
42,44,46が設けられている。
【0012】上記電磁切換・増圧弁16,18にはそれ
ぞれマスタシリンダ14と並列に動力液圧源48が接続
されている。動力液圧源48はリザーバ50,ポンプ5
2およびアキュムレータ54を備えており、アキュムレ
ータ54に一定範囲の圧力のブレーキ液を蓄えるように
構成されている。主液通路20,22にはまた、それぞ
れ電磁切換・増圧弁16,18をバイパスし、逆止弁5
6,58を備えたバイパス通路60,62が設けられ、
電磁切換・増圧弁16,18の状態いかんを問わずマス
タシリンダ圧がホイールシリンダ28,30,36,3
8に伝達されるようになっている。
【0013】上記電磁切換・増圧弁16,18の構造は
同じであるため、電磁切換・増圧弁16を代表的に説明
する。ハウジング70内にスプール72が実質的に液密
に嵌合されており、第一高圧ポート74を出力ポート7
6に連通させ、第二高圧ポート78を遮断する図示の第
一位置と、第二高圧ポート78を出力ポート76に連通
させ、第一高圧ポート74を遮断する第二位置とに移動
可能とされている。スプール72と同心にプランジャ8
0が設けられ、スプール72がスプリング82によりプ
ランジャ80に当接する向きに付勢されている。プラン
ジャ80の外周にはコイル84が配設されており、この
コイル84が励磁されるとき、プランジャ80に励磁電
流に比例する大きさでかつスプリング82の付勢力に抗
する向きの制御力が加えられる。スプール72のプラン
ジャ80と当接する側とは反対側の端面に有底穴が軸方
向に形成され、これが液通路により出力ポート76に連
通させられている。この有底穴にハウジング70に固定
のロッド86が実質的に液密に嵌合されることにより、
常に出力ポート76と同圧に保たれる出力圧室88が形
成されている。
【0014】図から明らかなように、第一高圧ポート7
4はマスタシリンダ14に接続され、第二高圧ポート7
8は動力液圧源48に接続され、出力ポート76は電磁
減圧弁40等を経てホイールシリンダ28等に接続され
ている。また、スプール72はコイル84の非励磁状態
におてはスプリング82の付勢力により図示の第一位置
にあるため、通常はマスタシリンダ14がホイールシリ
ンダ28等に連通している。また、マスタシリンダ14
およびホイールシリンダ28等に圧力が発生している状
態ではこの圧力が出力圧室88に作用し、この圧力に基
づく力もスプール72を第一位置に保つ向きに作用す
る。したがって、スプール72を第二位置に移動させて
電磁切換・増圧弁16を切り換え、動力液圧源48をホ
イールシリンダ28等に連通させるためには、コイル8
4に出力圧室88の出力圧に基づく力とスプリング82
の付勢力との和に打ち勝つだけの制御力を発生させる励
磁電流を供給する必要がある。
【0015】電磁切換・増圧弁16が第二位置に切り換
わった状態では、出力圧室88の断面積をS1,出力圧
をPo,スプリング82の付勢力をF1,コイル84の
励磁電流をI1とすれば、 Po・S1+F1=C1・I1 が成立する。ただし、C1は定数である。この式をPo
について解けば、 Po=(C1/S1)・I1−F1/S1 となり、励磁電流I1が増大するほど出力圧Poが高く
なることとなる。すなわち、電磁切換・増圧弁16(電
磁切換・増圧弁18も同様)はマスタシリンダ圧より高
い任意の圧力をホイールシリンダ28等に供給するため
に設けられているものなのである。
【0016】前記電磁減圧弁40,42,44,46は
図2に電磁減圧弁46を代表的に示すように、ハウジン
グ92,スプール94,高圧ポート96,出力ポート9
8,低圧ポート100,プランジャ102,スプリング
104,コイル106,ロッド108および出力圧室1
10を備え、前記電磁切換・増圧弁16等に類似の構造
を有するものであるが、スプリング104の付勢力の方
向およびコイル106の励磁によりプランジャ102に
加えられる制御力の方向が逆である点において異なって
いる。スプール94は、常には、高圧ポート96を出力
ポート98に連通させ、低圧ポート100を遮断する第
一位置にあるが、コイル106に、出力圧室110の出
力圧と共同してスプリング104の付勢力に打ち勝つ制
御力を発生させる励磁電流が供給されたとき、低圧ポー
ト100を出力ポート98に連通させ、高圧ポート96
を遮断する第二位置に移動する。この状態においては、
出力圧Pwと励磁電流I2との間には Pw=−(C2/S2)・I2+F2/S2 の関係が成立する。ただし、S2は出力圧室110の断
面積,F2はスプリング104の付勢力,C2は定数で
ある。励磁電流I2を増大させることによって出力圧P
wを低下させ、ホイールシリンダ圧Pwを低くすること
ができるのである。
【0017】上記電磁切換・増圧弁16,18および電
磁減圧弁40,42,44,46はそれぞれドライブ回
路120,122,124,126,128,130お
よび入出力ボード132を経て制御装置134に接続さ
れている。入出力ボード132および制御装置134に
はさらに、操舵角センサ136,ヨーレートセンサ13
8,横加速度センサ140,マスタシリンダ圧センサ1
42および車輪速センサ144が接続されている。操舵
角センサ136は操舵装置に取り付けられ、ステアリン
グホイールの操作角度を、それが中立位置から右に操作
された場合には正、左に操作された場合に負として検出
するものである。ヨーレートセンサ138は車体に取り
付けられて、右まわりのヨーレートを正、左まわりを負
として検出するものである。横加速度センサ140も車
体に取り付けられ、右向きの横加速度を正、左向きを負
として検出するものである。マスタシリンダ圧センサ1
40は制動力の大小を表すものとしてマスタシリンダ圧
を検出するものである。また、車輪速センサ144は図
2には1個のみが代表的に図示されているが、実際は前
記車輪24,26,32,34の各々に取り付けられ、
各車輪の回転速度を検出するものである。
【0018】制御装置134はコンピータを主体とする
ものであり、そのコンピュータのROMには図3のフロ
ーチャートで表される旋回制動性能向上プログラムを始
めとする種々のプログラムが格納されている。
【0019】以下、本ブレーキ装置の作動を説明する。
前述のように、通常は、電磁切換・増圧弁16等および
電磁減圧弁40等がマスタシリンダ14とホイールシリ
ンダ28等とを連通させる状態にある。したがって、ブ
レーキペダル10が踏み込まれれば、マスタシリンダ1
4およびホイールシリンダ28等の圧力が上昇し、車両
が制動される。
【0020】その間、コンピュータは旋回制動性能向上
プログラム等を一定微小時間ごとに繰り返し実行してい
る。まず、S1おいて操舵角θ,車速Vおよびヨーレー
トγが取り込まれる。車速Vは4個の車輪速センサ14
4により検出された車輪速のうち最大のものである。S
2においてヨーレート偏差Δγが Δγ=γ(θ,V)−γ なる式により算出される。ここにおいて、γは実際のヨ
ーレート、γ(θ,V)は目標ヨーレートである。目標
ヨーレートは車速Vおよび操舵角θの関数であり、車速
Vおよび操舵角θが大きいほど大きい値となる。続いて
S3においてヨーレート偏差Δγが−A〜+Aの設定範
囲内にあるか否かが判定され、判定の結果がYESであ
れば車両は正常に走行しているとしてS4以降がスキッ
プされ、旋回制動性能向上ためのホイールシリンダ圧制
御は行われない。
【0021】S3の判定結果がNOであった場合には、
S4においてマスタシリンダ圧Pmが取り込まれ、その
値が設定値Kpm以上であるか否かの判定がS5におい
て行われる。S3の判定結果がNOであるということは
車両がアンダステア気味もしくはオーバステア気味とな
っているということであり、S5の判定結果がYESで
あるということは制動中であるということであるから、
その場合には旋回制動性能向上のためのホイールシリン
ダ圧制御が行われる。
【0022】すなわち、S6において横加速度gが取り
込まれ、S7において横加速度gが−B〜+Bの設定範
囲内の大きさであるか否かの判定が行われる。判定の結
果がNOであれば、車両がオーバステア気味あるいはア
ンダステア気味になった際には既に大きな横加速度gが
生じていたことなり、路面の摩擦係数が大きいこととな
るため、S8の制動力前後配分制御ステップが実行され
る。一方、S7の判定結果がYESであれば、横加速度
gが小さいのに車両がオーバステア気味あるいはアンダ
ステア気味になったということであり、路面の摩擦係数
が小さいということであるから、S9の制動力左右配分
制御ステップが実行される。
【0023】S8の制動力前後配分制御ステップにおい
ては、修正係数R1が R1=K1・Δγ・γ なる式により算出される。K1は定数であり、修正係数
R1はヨーレート偏差Δγとヨーレートγとの積に比例
する大きさに定められることとなる。修正係数R1はフ
ロントホイールシリンダ28,30とリヤホイールシリ
ンダ36,38との圧力の修正率を表すものであり、ヨ
ーレート偏差Δγが大きいほど修正係数R1が大きくさ
れるべきことは自明のことである。さらにヨーレートγ
を掛けることにより旋回方向による符号の変化を修正す
る。すなわち、アンダステアの場合は左右旋回に関係な
くR1が正になるようにするのである。また、同時に旋
回の程度が激しいほど修正係数R1を大きくすることに
もなる。
【0024】修正係数R1の算出後、右前車輪26のフ
ロントホイールシリンダ圧Pfrが Pfr=(1−R1)・Pm なる式により算出されるとともに、左前車輪24のフロ
ントホイールシリンダ圧PflがPfrと等しくされ
る。また、右後車輪34のリヤホイールシリンダ圧Pr
rが Prr=(1+R1)・Pm なる式により算出されるとともに、左後車輪32のリヤ
ホイールシリンダ圧PrlがPrrと等しくされる。こ
のようにして決定されたホイールシリンダ圧の値がS1
0において出力され、その出力に応じて電磁切換・増圧
弁16,18および電磁減圧弁40,42,44,46
が制御されることにより、オーバステア傾向あるいはア
ンダステア傾向が抑制される。
【0025】例えば、後車輪32,34の横すべりが大
きく、オーバステア気味となった場合には、電磁切換・
増圧弁16が作動させられてフロントホイールシリンダ
圧Pfr,Pflがマスタシリンダ圧Pmの(1+R
I)倍とされる一方、電磁減圧弁44,46が作動させ
られてリヤホイールシリンダ圧Prr,Prlがマスタ
シリンダ圧Pmの(1−R1)倍とされて、前車輪2
4,26の横すべりが増大させられるとともに後車輪3
2,34の横すべりが減少させられ、オーバステア傾向
が抑制されるのである。
【0026】一方、S9の制動力左右配分制御ステップ
においては、修正係数R2が R2=K2・Δγ 但し、K2は定数 なる式により算出された後、フロントホイールシリンダ
圧Pfr,Pflが Pfr=(1+R2)・Pm Pfl=(1−R2)・Pm なる式により算出されるとともに、リヤホイールシリン
ダ圧Prr,Prlが Prr=Pfr・K2(Pm) Prl=Pfl・K2(Pm) なる式により算出される。そして、S10において各ホ
イールシリンダ圧が出力される。
【0027】上記修正係数R2が正であれば、右まわり
のヨーモーメントが不足あるいは左まわりのヨーモーメ
ントが過大ということであり、右前車輪22のホイール
シリンダ圧Pfrがマスタシリンダ圧Pmより高くされ
る一方、左前車輪22のホイールシリンダ圧Pflがマ
スタシリンダ圧Pmより低くされて、右まわりのヨーモ
ーメントが増加させられる。修正係数R2が負の場合に
は逆の制御が行われる。リヤホイールシリンダ圧Pr
r,Prlはそれぞれフロントホイールシリンダ圧Pf
r,Pflに係数K2(Pm)を掛けた高さに制御され
る。この係数K2(Pm)はマスタシリンダ圧Pmが大
きいほど小さい値となる係数である。マスタシリンダ圧
Pmが大きいほど前車輪24,26側への車両重量の移
動が大きくなり、後車輪32,34の荷重が小さくなる
ため、マスタシリンダ圧Pmが高いほどリアホイールシ
リンダ圧Prr,Prlへの修正係数R2の影響が小さ
くなつようにされているのである。
【0028】以上の説明から明らかなように、本実施例
装置においては、マスタシリンダ圧センサ142が制動
力検出手段1を構成し、ヨーレートセンサ138と制御
装置134のS1およびS2を実行する部分とがヨーレ
ート偏差検出手段2を構成している。また、横加速度セ
ンサ140が横加速度検出手段3を構成し、制御装置1
34のS7とS9とを実行する部分が制動力左右配分制
御手段4を、S7とS8とを実行する部分が制動力前後
配分制御手段5をそれぞれ構成している。
【0029】本実施例装置においては、制動力前後配分
制御が、前車輪と後車輪とのうち一方の圧力を高める場
合には他方の圧力を同量だけ低くする態様で行われ、制
動力左右配分制御も、左の前車輪および後車輪と右の前
車輪および後車輪とのうち一方の圧力を高める場合には
他方の圧力を同量だけ低くする態様で行われる。そのた
め、これらの制御が行われた場合でも、車両全体として
は制御が行われない場合とほぼ同じ制動効果が得られ、
運転者に違和感を与えることが少ない利点がある。
【0030】しかし、これは不可欠なことではなく、制
動力前後配分制御と制動力左右配分制御との少なくとも
一方を、前車輪と後車輪とのうち一方のみ、あるいは左
の前車輪および後車輪と右の前車輪および後車輪とのう
ち一方のみの圧力を制御する態様で行うことも可能であ
る。
【0031】また、前記実施例においては制動力の大き
さを表すものとしてマスタシリンダ圧が検出されたが、
ブレーキペダル10の踏力,車体の前後方向の加速度等
を検出するものとすることも可能である。また、車速検
出手段を路面と車体との相対移動速度を直接検出するド
ップラ型車速検出装置に変えるなど、他のセンサを前記
実施例のセンサとは別のものにすることも可能である。
【0032】さらに、各ホイールシリンダ圧を制御する
液圧制御弁も前記実施例のものに限定されるわけではな
く、旋回制動性能向上プログラムも変更が可能であるな
ど、当業者の知識に基づいて種々の改良,変形を施した
態様で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を概念的に示す図である。
【図2】本発明の一実施例である制動力制御装置を含む
車両用ブレーキ装置の系統図である。
【図3】上記制動力制御装置における旋回制動性能向上
プログラムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
14 マスタシリンダ 16 電磁切換・増圧弁 18 電磁切換・増圧弁 24 左前車輪 26 右前車輪 28 フロントホイールシンダ 30 フロントホイールシンダ 32 左後車輪 34 右後車輪 36 リヤホイールシリンダ 38 リヤホイールシリンダ 40 電磁減圧弁 42 電磁減圧弁 44 電磁減圧弁 46 電磁減圧弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60T 8/24 B60T 8/00 B60T 8/58

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体の前後左右にそれぞれ設けられた車
    輪のブレーキによる制動力を検出する制動力検出手段
    と、前記車体の実ヨーレートの目標ヨーレートからの偏
    差を検出するヨーレート偏差検出手段と、前記車体の横
    加速度を検出する横加速度検出手段と、前記制動力検出
    手段により検出された制動力が設定制動力以上でありか
    つ前記ヨーレート偏差検出手段により検出されたヨーレ
    ート偏差が設定偏差以上であるとき、前記横加速度検出
    手段により検出された横加速度が設定加速度以内であれ
    ば左ブレーキと右ブレーキとに前記ヨーレート偏差を減
    少させる制動力差を生じさせる制動力左右配分制御手段
    と、前記制動力が設定制動力以上でありかつ前記ヨーレ
    ート偏差が設定偏差以上であるとき、前記横加速度が前
    記設定加速度を越えていれば前ブレーキと後ブレーキと
    に前記ヨーレート偏差を減少させる制動力差を生じさせ
    る制動力前後配分制御手段とを含むことを特徴とする車
    両用制動力制御装置。
JP3013827A 1991-01-10 1991-01-10 車両用制動力制御装置 Expired - Lifetime JP2985308B2 (ja)

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