JPH07223526A - 車両状態推定装置及び制動制御装置 - Google Patents

車両状態推定装置及び制動制御装置

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JPH07223526A
JPH07223526A JP1541694A JP1541694A JPH07223526A JP H07223526 A JPH07223526 A JP H07223526A JP 1541694 A JP1541694 A JP 1541694A JP 1541694 A JP1541694 A JP 1541694A JP H07223526 A JPH07223526 A JP H07223526A
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悟 丹羽
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は車両旋回時に舵角と車速から車両状
態を推定し、推定結果に応じて操舵特性を改善すべく制
動制御を行う装置に関し、車両がスピン傾向である場合
に、制動制御によりその傾向を助長しないことを目的と
する。 【構成】 演算装置1は舵角センサ42とヨーレートセ
ンサ44の検出値に基づいて車両の挙動モデルを演算す
る。演算装置2はモデルとして演算された目標ヨーレー
トγd及び目標横加速度Gydを、実ヨーレートγ及び
実横加速度Gyと比較して操舵特性と車両のスピン状態
を判定する。演算装置3は車両がスピン傾向でない場合
はγを、車両がスピン傾向である場合はGydから換算
した換算ヨーレートγgを制御目標値Cdとして設定す
る。演算装置4は設定された制御目標値Cdに基づいて
前後輪のコーナリング力を変化させるべく制動制御を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両状態推定装置及び
制動制御装置に係り、特に車両の旋回時において、舵角
と車速から予測される挙動と現実の挙動との偏差に基づ
いて車両の状態を推定する車両状態推定装置と、当該車
両状態推定装置の推定結果に応じて実現すべき車両挙動
を設定して所定の制動制御を行う制動制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】車両の旋回中に制動が行われた場合、車
輪のスリップ率が増加して4輪のコーナリング力が変化
し、そのためにオーバステアやアンダーステアが生じる
ことがある。このような操舵特性の変動は、円滑な旋回
性を阻害し、車両特性としては好ましいものではない。
【0003】ここで、かかる旋回中の操舵特性変化を抑
制する装置としては、従来特開平4−287754号公
報に開示される装置が公知である。この装置は、旋回時
において車両がニュートラルステアを示すとした場合に
実現されるヨーレートを目標ヨーレートγdとし、その
γdに対して現実のヨーレートが小さい場合をアンダー
ステア、大きい場合とオーバステアと判断する。
【0004】そして、アンダーステアと判断された場合
は、前輪が発生している制動力の低下と、後輪が発生す
る制動力の向上を図り、また、オーバステアと判断され
た場合は、前輪が発生している制動力の向上と、後輪が
発生している制動力の低下とを図る。
【0005】この場合、車輪のコーナリングパワーは、
車輪のスリップ率に応じて変動し、スリップ率が小さい
程大きなコーナリングパワーが得られることが公知であ
る。また、車輪のスリップ率は、車輪が発生している制
動力に応じて変動し、発生する制動力が大きいほどその
スリップ率は高い値を示す。従って、車両において特定
の車輪に着目した場合、その車輪が発生している制動力
が小さいほど高いコーナリング力が得られることにな
る。
【0006】上記公報記載の装置は、かかる点に着目し
て旋回時の操舵特性を補正するものである。すなわち、
上述の如く制動力制御を行った場合、アンダーステア時
には前輪コーナリング力が相対的に向上してその特性が
ニュートラルな特性に向けて補正され、一方オーバステ
ア時には前輪コーナリング力が相対的に低下してやはり
ニュートラルな特性に補正されることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
装置の制御は、旋回時において予定したニュートラル特
性が得られない場合に、前後輪のスリップ率を適宜調整
すればニュートラルステアが実現できることを前提とし
て行われる。
【0008】しかし、例えば低μ路において車両がほぼ
限界に達している状況では、上記の如き線型モデルによ
る判定が必ずしも適切でない場合がある。このため、常
に車速と操舵角との関係から求めた目標ヨーレートを制
御目標とする上記従来の装置は、操舵特性を補正すべく
制動制御を行うことにより、却って車両をスピン状態に
至らしめることがあるという問題を有していた。
【0009】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、旋回時における車両の挙動を推定するに際し、
目標ヨーレートと実ヨーレートとの偏差を考慮すると共
に、旋回時における目標横加速度と実横加速度との偏差
をも考慮することにより上記の課題を解決する車両状態
推定装置、及び当該車両状態推定装置の推定結果に基づ
いて適切に車両の操舵特性を補正する制動制御装置を提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】図1は、上記の目的を達
成する車両状態推定装置、及び制動制御装置の原理構成
図を示す。すなわち上記の目的は、図1に示すように、
操舵輪の舵角を検出する舵角検出手段M1と、車速を検
出する車速検出手段M2と、車両に生ずるヨーレートを
検出するヨーレート検出手段M3と、車両に生ずる横加
速度を検出する横加速度検出手段M4と、前記舵角検出
手段M1が検出した舵角と前記車速検出手段M2が検出
した車速とに基づいて、標準状態にモデル化した車両に
生ずると推定されるヨーレート、及び標準状態にモデル
化した車両に生ずると推定される横加速度を、それぞれ
目標ヨーレート、及び目標横加速度として演算する挙動
モデル演算手段M5と、該挙動モデル演算手段M5が演
算した目標ヨーレートと、前記ヨーレート検出手段M3
が検出した実ヨーレートとの偏差、及び前記挙動モデル
演算手段M5が演算した目標横加速度と前記横加速度検
出手段M4が検出した実横加速度との偏差に基づいて、
車両の挙動状態を判定する車両状態判定手段M6とを備
える車両状態推定装置により達成される。
【0011】また、上記の目的は、上記構成の車両状態
推定装置の推定結果に基づいて、車両に搭載されるブレ
ーキ機構M7を制御する制動制御装置であって、前記車
両状態推定装置によって車両がスピン傾向にあると推定
された際には、車速及び実横加速度に基づいて演算した
換算ヨーレートを制御目標として選択し、前記車両状態
推定装置によって車両がスピン傾向ではないと推定され
た際には、前記挙動モデル演算手段M5によって演算さ
れた目標ヨーレートを制御目標として選択する制御目標
選択手段M8と、該制御目標選択手段M8が制御目標と
して選択したヨーレートを実現すべく、各車輪に配設さ
れたブレーキ機構M7を制御する制動力制御手段M9と
を備える制動制御装置によっても達成される。
【0012】
【作用】請求項1記載の発明に係る車両状態推定装置に
おいて、前記挙動モデル演算手段M5は、前記舵角検出
手段M1の検出結果、及び前記車速検出手段M2の検出
結果に基づいて、車両が標準状態である場合に発生する
と推定されるヨーレート(目標ヨーレート)及び横加速
度(目標横加速度)を検出する。
【0013】従って、車両が所定の標準状態で旋回中で
あれば、前記横加速度検出手段M4が検出する実横加速
度、及び前記ヨーレート検出手段M3が検出する実ヨー
レートと、前記挙動モデル演算手段M5が演算した目標
ヨーレート、及び目標横加速度とは等しい値となる。
【0014】一方、車両が標準状態でない場合はこれら
の値に偏差が生じ、操舵特性がアンダーステアであれば
目標ヨーレートに対して実ヨーレートが小く、オーバー
ステアであれば目標ヨーレートに対して実ヨーレートが
大きく、また車両がスピン状態であれば目標横加速度に
対して実横加速度が小さく検出される。
【0015】前記車両状態判定手段M6は、これらの比
較結果に基づいて、車両の操舵特性、及び走行状態を判
定する。
【0016】請求項2記載の発明に係る制動制御装置に
おいて、前記制御目標選択手段M8は、前記車両状態判
定手段M6の判定結果に基づいて、車両がスピン状態で
ない場合は、ニュートラルステアを実現すべく前記挙動
モデル演算手段M5が演算した目標ヨーレートを制御目
標値として設定する。
【0017】従って、この場合は前記制動力制御手段M
9により前記ブレーキ機構M7が制御されることによ
り、前後輪の接地状態が補正されてニュートラルステア
が実現される。
【0018】一方、前記車両状態判定手段M6によって
車両がスピン状態であると判定された場合、前記制御目
標選択手段M8は、前記横加速度検出手段M4が検出し
た実加速度と前記車速検出手段M2が検出した車速とに
基づいて、スピン状態を助長することのない換算ヨーレ
ートを演算し、その値を制御目標として設定する。
【0019】従って、この場合は前記制動力制動手段M
9によって前記ブレーキ機構M7の制御が行われること
により、車両状態がより不安定となることがなく、安定
状態を維持しつつ操舵特性が改善されることになる。
【0020】
【実施例】図2は、請求項1記載の発明の一実施例であ
る車両状態推定装置を構成する電子制御ユニット(EC
U)50のブロック構成図を示す。また、図3は、当該
ECU50に制御されることにより請求項2記載の発明
の一実施例である制動制御装置を実現するブレーキ機構
の全体構成図を示す。
【0021】以下、ECU50の構成を説明するに先立
って、図3に示す制動制御装置の構成について説明す
る。
【0022】図3において10はマスタシリンダであ
り、2つの独立した加圧室を備えている。このマスタシ
リンダ10はブースタ12を介してブレーキ操作部材と
してのブレーキペダル14に連携されており、ブレーキ
ペダル14の操作力に応じたブレーキ圧を発生する。
【0023】マスタシリンダ10の一方の加圧室で発生
したブレーキ圧は、プロポーショニング/バイパスバル
ブ(図においてP/Bで表す)16を経て主液通路18
F に伝達される。主液通路18F は途中から二股に分か
れ、それぞれ電磁液圧制御弁(以下、単に制御弁とい
う)20FL,20FRを経て左右前輪FL,FRのブレー
キのホイールシリンダ22FL,22FRに接続されてい
る。
【0024】また、マスタシリンダ10の他方の加圧室
で発生したブレーキ圧は、プロポーショニング/バイパ
スバルブ16を経て主液通路18R に伝達される。主液
通路18R も途中から二股に分かれ、それぞれ制御弁2
RL,20RRを経て左右後輪RL,RRのブレーキのホ
イールシリンダ22RL,22RRに接続されている。
【0025】プロポーショニング/バイパスバルブ16
は、主液通路18F を含むフロント系統が正常である場
合には、主液通路18R を含むリヤ系統のブレーキ圧を
比例的に減圧し、フロント系統失陥時にはマスタシリン
ダ10からのブレーキ圧をそのまま左右後輪RL,RR
のホイールシリンダ22RL,22RRに伝達する機能を有
するものである。
【0026】制御弁20FL,20FRは常態において、同
図に示すようにホイールシリンダ22FL,22FRをマス
タシリンダ10に連通させる増圧状態にあるが、ソレノ
イド24FL,24FRが比較的大きな電流で励磁された場
合には、ホイールシリンダ22FL,22FRをマスタシリ
ンダ10から遮断してリザーバ26F に連通させる減圧
状態に切り換わり、ソレノイド24FL,24FRが比較的
小さな電流で励磁された場合には、ホイールシリンダ2
FL,22FRをマスタシリンダ10からもリザーバ26
F からも遮断する保持状態に切り換わる。
【0027】制御弁20RL,20RRもソレノイド2
RL,24RRの励磁状態の切換えに応じて、ホイールシ
リンダ22RL,22RRをマスタシリンダ10に連通させ
る増圧状態と、リザーバ26R に連通させる減圧状態
と、いずれにも連通させない保持状態とに切り換わるも
のである。
【0028】上記リザーバ26F のブレーキ液はポンプ
28F によって汲み上げられ、ポンプ通路30F を経て
主液通路18F に戻される。リヤ系統も同様にポンプ2
Rおよびポンプ通路30R を備えている。それらポン
プ28F ,28R はモータ32によって駆動される。
【0029】フロント系統はまた、各ホイールシリンダ
22FL,22FRから制御弁20FL,20FRをバイパスし
てマスタシリンダ10へブレーキ液が還流することを許
容する還流通路34FL,34FRを備えており、各還流通
路34FL,34FRにはブレーキ液の逆流を防止する逆止
弁36FL,36FRが設けられている。リヤ系統も逆止弁
36RL,36RRを備えた還流通路34RL,34RRを備え
ている。
【0030】また、各車輪FL,FR,RL,RRに
は、それぞれの車輪速VFL,VFR,V RL,VRRを検出す
べく車輪速センサ38FL,38FR,38RL,38RRが設
けられており、ブレーキペダル14には、ブレーキペダ
ル14が踏み込まれるとオンとなるブレーキスイッチ4
0が配設されている。
【0031】次に、図2に示すECU50の構成につい
て説明する。
【0032】ECU50は、前記した挙動モデル演算手
段M5に相当する演算装置1,前記した車両状態判定手
段M6に相当する演算装置2,前記した制御目標選択手
段M8に相当する演算装置3,及び前記した制動力制御
手段M9に相当する演算装置4を備える本実施例の要部
である。
【0033】このECU50は、マイクロコンピュータ
を主体として構成される電子制御ユニットであり、具体
的には、図示しない中央処理装置(CPU),ランダム
アクセスメモリ(RAM),リードオンリメモリ(RO
M),入出力ポート等により上記各演算装置1〜4を実
現している。
【0034】図2に示す如く、ECU50には上記した
車輪速センサ38FL,38FR,38 RL,38RR、及びブ
レーキスイッチ40が接続されている。この場合、車輪
速センサ38FL,38FR,38RL,38RRは、後述する
ECU50内部の処理機構と共に、前記した車速検出手
段M2を構成している。
【0035】また、ECU50には、前記した舵角検出
手段M1に相当する舵角センサ42,前記したヨーレー
ト検出手段M3に相当するヨーレートセンサ44,前記
した横加速度検出手段M4に相当する横加速度センサ4
8、及び車両に生ずる前後方向加速度を検出する前後加
速度センサ46が接続されている。
【0036】ECU50は、これらより供給される検出
値を基に後述の演算を行い、その結果に従って制御弁2
FL,20FR,20RL,20RRのソレノイド24FL,2
FR,24RL,24RRを適当に駆動して、本実施例の制
動制御装置特有の機能を実現する。
【0037】以下、ECU50が実行する処理の内容と
共に、本実施例の制動制御装置の動作について説明す
る。
【0038】前述のように、通常は、制御弁20FL,2
FR,20RL,20RRがマスタシリンダ10とホイール
シリンダ22FL,22FR,22RL,22RRとを連通させ
る状態にある。従って、この状態でブレーキペダル14
が踏み込まれれば、マスタシリンダ10およびホイール
シリンダ22FL,22FR,22RL,22RRのブレーキ圧
が上昇し、車両が制動される。
【0039】本実施例の制動制御装置は、車両旋回中に
かかる制動操作が行われ、その際に生ずる車両前後荷重
配分の変化により操舵特性が変化した場合に、各車輪F
L,FR,RL,RRにおける制動力を適当に制御して
操舵特性の改善を図る点に特徴を有している。
【0040】図4は、ECU50が内蔵するCPUが上
記の機能を満たすべく実行するモデル演算ルーチンのフ
ローチャートを示す。尚、CPUが同図に示す処理を実
行することにより、上記演算装置1、すなわち前記した
挙動モデル演算手段M5が実現される。
【0041】図4に示すルーチンは、車両のイグニッシ
ョンスイッチがオンとなると起動し、先ずステップ10
0において必要な初期設定を行う。その後、ステップ1
02において左右前輪FL,FRおよび左右後輪RL,
RRそれぞれの実車輪速度V FL,VFR,VRL,VRRが取
り込まれる。
【0042】ステップ104では、実ヨーレートγが取
り込まれるとともに実車体スリップ角βが推定される。
車両運動に関する線形2自由度の領域(車体の横すべり
とヨーとの線形の領域)では、実ヨーレートγを入力信
号、実車体スリップ角βを出力信号とすると、それら実
ヨーレートγと実車体スリップ角βとの間に次式で示す
伝達関数が存在する。
【0043】 (Gb0+Gb1・s)/(1+Tr・s) ・・・(1) ただし、上式においてsはラプラス演算子であり、ま
た、Gb0,Gb1およびTrは後述の推定車体速度V
eに関連し、ECU50内蔵のROMに格納されている
Gb0マップ、Gb1マップおよびTrマップに従って
決定される。
【0044】この場合において、これらのマップはそれ
ぞれ、図5,図6および図7のグラフで表される特性を
持っている。すなわち、本ステップにおいては、その伝
達関数を用い、実ヨーレートγと推定車体速度Veとに
対応する実車体スリップ角βが演算されるのである。
【0045】その後、ステップ106において各輪の実
車輪速度VFL,VFR,VRL,VRRが前輪車軸の中心位置
に関して換算される。具体的には、図8に示すように、
車両のトレッドをt、ホイールベースをLとすれば、実
車輪速度VFLとt・γ/2との和が左前輪FLの換算車
輪速度V1 、実車輪速度VFRからt・γ/2を差し引い
た値が右前輪FRの換算車輪速度V2 、実車輪速度VRL
とt・γ/2とL・β・γとの和が左後輪RLの換算車
輪速度V3 、実車輪速度VRRからt・γ/2を差し引い
たものとL・β・γとの和が右後輪RRの換算車輪速度
4 として演算される。
【0046】これらの換算車輪速度V1 ,V2 ,V3
よびV4 は各輪の旋回軌跡の差による影響、及び実車体
スリップ角βによる影響を受けないものであり、各輪が
全くスリップしていなければ旋回状態の如何を問わず互
いに一致する値である。
【0047】続いて、ステップ108においては、前後
加速度センサ46より前後加速度Gxが取り込まれ、ス
テップ110において推定車体速度Veが演算される。
【0048】本実施例においては、前後加速度Gxが0
以上、かつ正の上限値Gup以下である場合、すなわち
適正な加速常態であると推定される場合には上記換算車
輪速度V1 ,V2 ,V3 ,V4 の最小値を車体速度とし
て推定し、また前後加速度Gxが0より小さく、負の下
限値Glo以上である場合、すなわち適正な減速常態で
あると推定される場合には換算車輪速度V1 ,V2 ,V
3 ,V4 の最大値を車体速度として推定する。
【0049】そして、前後加速度Gxが上限値Gupよ
り大きいか、または下限値Gloより小さい場合、すな
わち車輪FL,FR,RL,RRがスリップしている可
能性がある場合には、前後加速度Gxが初めてそうなっ
たときの推定車体速度Ve(前後加速度Gxが下限値G
lo以上、かつ上限値Gup以下であった状態での最新
の推定車体速度Ve)と、そのときから現時点までの前
後加速度Gxの積分値との和を車体速度として推定す
る。
【0050】その後、ステップ112において、各輪の
基準車輪速度VcFL,VcFR,Vc RLおよびVcRR(現
在の走行状態(直進状態または旋回状態)において各輪
のスリップ率が0である場合に各輪が取るべき車輪速
度)が演算される。
【0051】具体的には、推定車体速度Veからt・γ
/2を差し引いた値が左前輪FLの基準車輪速度V
FL、推定車体速度Veとt・γ/2との和が右前輪F
Rの基準車輪速度VcFR、推定車体速度Veからt・γ
/2とL・β・γとの和を差し引いた値が左後輪RLの
基準車輪速度VcRL、推定車体速度Veとt・γ/2と
の和からL・β・γを差し引いた値が右後輪RRの基準
車輪速度VcRRとして演算される。
【0052】続いて、ステップ114においては、各輪
の実スリップ率SaFL,SaFR,SaRLおよびSaRR
演算される。具体的には、各輪の基準車輪速度VcFL
Vc FR,VcRLおよびVcRRから実車輪速度VFL
FR,VRL,VRRを差し引いた値を基準車輪速度V
FL,VcFR,VcRLおよびVcRRで割り算した値がそ
れぞれ、実スリップ率SaFL,SaFR,SaRLおよびS
RRとして演算される。
【0053】ステップ116においては、後述する目標
ヨーレートγdの演算因子であるフロント及びリアのコ
ーナリング力Kf,及びKrの演算を行う。車両におけ
るコーナリング力Kf,Krは、車輪FL,FR,R
L,RRのスリップ率の関数として求めることができ、
図9に実線で示す如くスリップ率が小さいほど大きな値
となる。
【0054】本ステップでは、ECU50が内蔵するR
OMに予め格納してある図9に示す如きマップを参照
し、上記ステップ114において演算した実スリップ率
SaFL,SaFR,SaRL,SaRRに基づいて各輪のコー
ナリング力を求め、次いで前輪FR,FL、及び後輪R
R,RLについてその値を平均化することによりフロン
トコーナリング力Kf,リアコーナリング力Krをそれ
ぞれ演算する。
【0055】かかる処理を終えたら、ステップ118へ
進んで舵角センサ42より実操舵角dを読み込み、次い
でステップ120において目標ヨーレートγdを演算す
る。この目標ヨーレートγdは、前後輪FL,FR,R
L,RRにおいて予定したコーナリング力が発揮され、
ニュートラルステアが得られているとした場合に実現さ
れるヨーレートであり、次式に示す如く車速V(本実施
例においては推定車速Ve),実操舵角d,コーナリン
グ力Kf,Krの関数として求めることができる。
【0056】
【数1】
【0057】但し、上式においてsはラプラス演算子で
あり、mは車両重量、Iは車両の慣性モーメント、Lは
車両のホイルベース長、Lf,Lrはそれぞれフロント
及びリアのホイルベース長(L=Lf+Lr)であり、
ECU50は予めこれらの値を記憶している。
【0058】上記の演算を終えたら、次にステップ12
2において目標横加速度Gydの演算を行う。この目標
横加速度Gydは、車速V(本実施例においては推定車
速Ve)と実操舵角dとの関数として把握される概念で
あり、車輪FL,FR,RL,RRが適当なグリップを
維持していれば発生するであろう横加速度の理論値であ
り、上記(2)式と同様の変数、定数を用いて次式の如
く表すことができる。
【0059】
【数2】
【0060】この場合、上記ステップ120、122に
おいてそれぞれ演算した目標ヨーレートγd,目標横加
速度Gydは、共に車両が標準状態で走行している場合
に発生するヨーレート、及び横加速度であり、現実にニ
ュートラルステア特性の下適当なグリップ走行が行われ
ている場合には、ヨーレートセンサ44が検出する実ヨ
ーレートγ、横加速度センサ48が検出する実横加速度
Gyは、これらと均等な値となる。
【0061】尚、本ルーチンは、目標ヨーレートγd、
及び目標横加速度Gydを演算すべく実行するルーチン
であり、上記ステップ122の処理を終えたら、以後上
記ステップ100以降の処理を繰り返し実行する。
【0062】図10は、ECU50内蔵のCPUが、演
算装置2、すなわち前記した車両状態判定手段M6を実
現すべく実行する車両状態判定ルーチンのフローチャー
トを示す。
【0063】本ルーチンは上記したモデル演算ルーチン
で求めたγd,及びGydに基づいて車両の挙動を推定
するルーチンであり、起動後先ずステップ200、及び
202においてγd,Gydを読みだす処理を行う。
【0064】そして、続くステップ204、206で
は、これらと対比する値として、ヨーレートセンサ44
及び横加速度センサ48より、実ヨーレートγ及び実横
加速度Gyを読み込む。
【0065】その後、ステップ208では、目標ヨーレ
ートγdから実ヨーレートγを差し引き、そのヨーレー
ト偏差(γd−γ)に実ヨーレートγを掛け算すること
によって旋回特性値C1 を演算する。この旋回特性値C
1 は旋回の方向が左であると右であるとによっては符号
が変わらず、正であればその絶対値が大きいほどアンダ
ステア傾向が強いことを示し、負であればその絶対値が
大きいほどオーバステア傾向が強いことを示す特性値で
ある。
【0066】次にステップ210では、目標横加速度G
ydから実横加速度Gyを差し引き、その横加速度偏差
(Gyd−Gy)に実横加速度Gyを掛け算することに
よって旋回特性値C2 を演算する。この旋回特性値C2
は、適正なグリップ状態を前提として予定した横加速度
が現実に得られている場合には負、予定した横加速度が
得られない場合には正の値を示す特性値である。
【0067】即ち、図11はこれらC1 及びC2 の値と
車両の走行状態との関係を示す図であるが、同図におい
て領域1(C1 <0、且つC2 <0)は適正なグリップ
を保持してオーバステアを示す領域、領域2(C1
0、且つC2 >0)はグリップを失ったスピン領域、領
域3はアンダーステアによるドリフトアウト領域、そし
て、領域4は通常発生し得ない外乱による異常領域を示
す。
【0068】このように、上記の如くヨーレートに基づ
く特性値C1 と横加速度に基づく特性値C2 とを算出す
る場合、両者を考慮することにより車両状態を4つの領
域に分類することができる。
【0069】この場合において、本ルーチンではステッ
プ212において、かかる領域判定を行う。そして、上
記特性値C1 ,C2 に基づいて、車両の走行状態が4つ
のモードのうち何れに属しているかを判定して今回の処
理を終了する。従って、ECU50が本ルーチンを実行
する場合、旋回中における操舵特性に加え、車両のグリ
ップ状態をも判定することが可能である。
【0070】ところで、本実施例の制動制御装置は、こ
の様にして判定した車両状態に基づいて、適正な操舵特
性を確保すべく各車輪FL,FR,RL,RRの制動状
態を制御する装置である。かかる目的は、本来は実ヨー
レートγを目標ヨーレートγdに一致させるべく制御を
行うことで、すなわち目標ヨーレートγdを制御目標値
として制動制御を行うことで達成することができる。
【0071】しかしながら、車両の状態が上記図11中
領域2に示すスピン状態である場合は、各車輪FL,F
R,RL,RRの制動力を高めると、それに伴って車輪
FL,FR,RL,RRのスリップ率が上昇し、更にコ
ーナリング力が低下してスピン状態が助長される場合が
ある。
【0072】従って、図11中領域1,3,4の如く車
輪FL,FR,RL,RRのコーナリング力に余裕のあ
る領域では目標ヨーレートγdを実現すべく制動制御を
実行することが好適であるが、車両状態が領域2に存在
する場合は、よりスピン傾向を助長させない程度に制動
制御を行うべきである。
【0073】そこで、本実施例においては、図12に示
すように、上記車両状態判定ルーチンにおいて判定した
領域に応じて、領域1,3,4である場合は目標ヨーレ
ートγdを制御目標値とし、一方、領域2である場合
は、その際の実横加速度Gyを越える横加速度が要求さ
れないヨーレートを換算ヨーレートとして演算し、その
値を制御目標値として設定することとした。
【0074】図13は、このように車両状態に応じて適
切な制御目標を設定すべくECU50内蔵のCPUが実
行する制御目標演算ルーチンのフローチャートを示す。
尚、本実施例においては、CPUが本ルーチンを実行す
ることにより前記した制御目標選択手段M8が実現され
ることになる。
【0075】図13に示すルーチンにおいては、先ずス
テップ300で実ヨーレートγを読み出し、次いでステ
ップ302で上述の如く判定した車両状態を表す領域を
読み出す。そして、ステップ304において、車両状態
がスピン領域であるか、すなわち判定した車両状態が図
11中領域2に該当しているかを判別する。
【0076】この場合、車両がスピン領域でなければ、
従来同様目標ヨーレートγdを制御目標とすれば足りる
ことは前記した通りであり、この場合はステップ306
に進み、上記モデル演算ルーチン中で演算した目標ヨー
レートγdを読みだし、続くステップ308において特
性値C1 を制御目標値Cdに代入する処理を行って今回
の処理を終了する。
【0077】一方、上記ステップ304において車両が
スピン領域であると判別された場合は、スピン状態を助
長することなく操舵特性を改善すべくステップ310以
降の処理を行う。
【0078】ステップ310,312,314は、それ
ぞれ上述のモデル演算ルーチンで演算した推定車速V
e,横加速度センサ48により検出した実横加速度G
y,モデル演算ルーチンで演算したリアコーナリング力
Krを読み出すステップである。
【0079】これらの読み出しを終えたら、続くステッ
プ316で、次式に従って換算ヨーレートγgを算出す
る。尚、次式に示す換算ヨーレートγgは、現在検出さ
れている実横加速度Gyに対して、すなわち現在走行中
の路面状態及び車両状態に対して発生し得るヨーレート
の最大限界値である。
【0080】
【数3】
【0081】そして、上記演算を終えたら、以後ステッ
プ318へ進み目標ヨーレートγdに変えて換算ヨーレ
ートγgを用いた特性値γ(γg−γ)を演算し、その
値を制御目標値Cdに代入して今回の処理を終了する。
【0082】従って、本実施例の制動制御装置におい
て、以後上記した制御目標値Cdを用いて制動制御を行
うことで、車両がスピン状態でなければ適切にニュート
ラルステアに向けて制動制御が行われ、一方車両がスピ
ン状態であれば、現在の状況下で最大減許容できる範囲
内で操舵特性の改善処理が実行されることになる。
【0083】図14は、上述の如く車両状態に応じて設
定された制御目標値Cdに基づいた制動制御を実現すべ
くECU50内蔵のCPUが実行する制動力配分制御ル
ーチンのフローチャートを示す。尚、本実施例において
は、CPUが本ルーチンを実行することにより前記した
制動力制御手段M9が実現される。
【0084】本ルーチンにおいては、先ずステップ40
0,402,404において、それぞれ上記モデル演算
ルーチンにおいて検出した各輪の車輪速VFL,VFR,V
RL,VRR、モデル演算ルーチンにおいて演算した実スリ
ップ率SaFL,SaFR,Sa RL,SaRR、及び上記制御
目標演算ルーチンにおいて設定した制御目標値Cdの読
み出しを行う。
【0085】次に、ステップ406,408において
は、各輪の目標スリップ率SdFL,SdFR,SdRLおよ
びSdRRが決定される。
【0086】これら各輪の目標スリップ率SdFL,Sd
FR,SdRL,SdRRは、予め設定されている標準値S0
と各輪の前後輪目標スリップ率変化量ΔSxFL,ΔSx
FR,ΔSxRL,ΔSxRR(以下、それらをΔSxと総称
する)との和として求まる値であり、所望の操舵特性を
確保するために前輪FR,FL及び後輪RR,RLに要
求されるコーナリング力を実現し得るスリップ率として
演算される。
【0087】尚、本実施例においては、標準値S0 を4
輪すべてについて同じ大きさとしているが、例えば車両
の運動特性に応じて互いに異ならせて設定しておくこと
も可能である。
【0088】具体的には、先ずステップ406におい
て、ECU50内蔵のROMが格納しているΔSxマッ
プを上述の制御目標値Cdで検索することにより、各輪
の前後輪目標スリップ率変化量ΔSxFL,ΔSxFR,Δ
SxRLおよびΔSxRRを決定する処理が行われる。
【0089】このマップは、図15に示す如き特性を持
っており、制御目標値Cdが大きいほど、すなわちアン
ダステア特性が強いほど、左右前輪FL,FRの目標ス
リップ率が減少設定され、かつ左右後輪RL,RRの目
標スリップ率が増加設定されることになる。
【0090】車輪のスリップ率とコーナリング力との間
には、上記図9に実線で示す如くスリップ率が大きいほ
どコーナリング力が小さい関係があり、アンダステア特
性を抑制するためには前輪FL,FRのコーナリング力
を増加させるべくそのスリップ率を低減させ、また後輪
RL,RRのコーナリング力を減少させるべくそのスリ
ップ率を増加せしめる必要がある。
【0091】また、制御目標値Cdが小さい場合、すな
わち操舵特性がオーバステア傾向にあり、又はカウンタ
ステア操作後の車体姿勢の復元を促進する必要があり、
後輪RL,RRのコーナリング力を増加させると共に前
輪FL,FRのコーナリング力を減少させる必要がある
場合には、後輪RL,RRの目標スリップ率が減少設定
され、かつ前輪FL,FRの目標スリップ率が増加設定
されることになる。
【0092】この結果、左旋回時であれ右旋回時であ
れ、アンダステア傾向が生じる場合には、後輪RL,R
Rの目標スリップ率が増加側、前輪FL,FRの目標ス
リップ率が減少側とされ、一方、オーバステア傾向が生
じるか、またはカウンタステア操作が行われる場合に
は、前輪FL,FRの目標スリップ率が増加側、後輪R
L,RRの目標スリップ率が減少側とされる。
【0093】なお、本実施例においては、ブレーキ圧の
過剰な増圧および減圧を避けるため、図15に示すよう
に、前後輪目標スリップ率変化量ΔSxFL,ΔSxFR
ΔSxRLおよびΔSxRRには、上限値と下限値とが設け
られている。
【0094】次にステップ408においては、各輪の目
標スリップ率SdFL,SdFR,Sd RLおよびSdRRが、
標準値S0 と各輪の前後輪目標スリップ率変化量ΔSx
FL,ΔSxFR,ΔSxRL,ΔSxRRとの和として決定さ
れる。ただし、本ステップの2回目以後の各回の実行時
には、前回の目標スリップ率SdFL,SdFR,SdRL
SdRRと目標スリップ率変化量ΔSxFL,ΔSxFR,Δ
SxRL,ΔSrRRとの和としてその値を更新する。
【0095】その後、ステップ410において、ブレー
キスイッチ40がブレーキペダル14が踏み込まれたこ
とを検出したか否か、すなわちオン状態であるかを判別
し、オンでない場合はステップ412において各制御弁
20FL,20FR,20RL,20RRのソレノイド24FL
24FR,24RL,24RRに対して消磁信号を出力して今
回の処理を終了する。本実施例の制動制御装置は、旋回
中に制動操作が行われることにより変化する操舵特性を
補正する装置だからである。
【0096】一方ブレーキスイッチがオン状態である場
合は、ステップ414以降のステップが実行され、これ
により各制御弁20FL,20FR,20RL,20RRが今回
実現すべきモードが減圧モードであるか、保持モードで
あるか、又は増圧モードであるかが指示される。尚、ス
テップ414〜424のステップ群は4輪の各々につい
て順に実行される。
【0097】具体的には、ステップ414においては一
車輪のスリップ率Saが目標スリップ率Sd以上である
か否かを判定する。Sa≧Sdが成立している場合は、
ブレーキ圧を減圧して実スリップ率Saの低下を図るべ
くステップ416において減圧モードが選択される。
【0098】一方Sa≧Sdが不成立である場合、すな
わち車輪のスリップ率が制御目標とするスリップ率に未
だ達していない場合は、ステップ418においてその車
輪の実車輪速度Vwの時間微分値である車輪加速度Gw
が、設定車輪速度Gw0 以下であるかを判別する。
【0099】そして、Gw≦Gw0 が成立している場合
には、ステップ420において保持モードを選択し、そ
うでなければステップ422において増圧モードを選択
する。その後ステップ424において制御モードの選択
が4輪すべてについて終了したかを判別し、そうであれ
ばステップ426において4輪の制御弁20FL,2
FR,20RL,20RRそれぞれに、各々選択された制御
モードを実現する信号を出力して今回の処理を終了す
る。
【0100】このように、ECU50が上記したモデル
演算ルーチン、車両状態判定ルーチン、制御目標演算ル
ーチン、及び制動力配分制御ルーチンを実行する場合、
実ヨーレートγ、実横加速度Gydに対応して適切に車
両状態を判定することができるとともに、その状態判定
に従って、車両の安定性を損ねることなく有効に操舵特
性を改善することができる。
【0101】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、舵角と車速の関数として求まる目標ヨーレート及び
目標横加速度と、実ヨーレート及び実横加速度とをを対
比することにより、車両の操舵特性のみならず、車両が
適切な接地状態を保って走行しているか否かについても
検出することができる。
【0102】このため、本発明に係る車両状態推定装置
によれば、目標ヨーレートと実ヨーレートとを比較する
に過ぎない従来の装置に比べて、より適切に車両状態を
推定することができる。
【0103】また、請求項2記載の発明によれば、請求
項1記載の車両状態推定装置の推定結果を基に制動制御
を行うことにより、車両が適当な接地状態を維持して走
行している場合には、適切な操舵特性を確保すべくニュ
ートラルステアを実現し、一方車両がスピン傾向にある
場合には、その傾向を助長することなく操舵特性を改善
することができる。
【0104】このため、本発明に係る制動制御装置は、
車両がスピン状態であると否とに関わらず常にニュート
ラルステアを実現すべく制動制御を行う従来の装置に比
べて、高い操安性を得ることができるという特長を有し
ている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両状態推定装置及び制動制御装
置の原理構成図である。
【図2】本発明の一実施例である制動制御装置の要部で
ある電子制御ユニットのブロック構成図である。
【図3】本実施例の制動制御装置のブレーキ機構の全体
構成図である。
【図4】本実施例の制動制御装置の電子制御ユニットが
実行するモデル演算ルーチンの一例のフローチャートで
ある。
【図5】電子制御ユニットが格納するマップの例(その
1)である。
【図6】電子制御ユニットが格納するマップの例(その
2)である。
【図7】電子制御ユニットが格納するマップの例(その
3)である。
【図8】実車輪速と換算車輪速との関係を説明するため
の図である。
【図9】スリップ率に対するコーナリング力及び制動力
の関係を示す図である。
【図10】本実施例の制動制御装置の電子制御ユニット
が実行する車両状態判定ルーチンの一例のフローチャー
トである。
【図11】車両の状態と特性値C1 ,C2 との関係を表
す図である。
【図12】車両の状態と制御目標との関係を表す図表で
ある。
【図13】本実施例の制動制御装置の電子制御ユニット
が実行する制御目標演算ルーチンの一例のフローチャー
トである。
【図14】本実施例の制動制御装置の電子制御ユニット
が実行する制動力配分制御ルーチンの一例のフローチャ
ートである。
【図15】電子制御ユニットが格納するマップの例(そ
の4)である。
【符号の説明】
M1 舵角検出手段 M2 車速検出手段 M3 ヨーレート検出手段 M4 横加速度検出手段 M5 挙動モデル演算手段 M6 車両状態判定手段 M7 ブレーキ機構 M8 制御目標選択手段 M9 制動力制御手段 FL,FR,RL,RR 車輪 20FL,20FR,20RL,20RR 制御弁 22FL,22FR,22RL,22RR ホイルシリンダ 24FL,24FR,24RL,24RR ソレノイド 38FL,38FR,38RL,38RR 車輪速センサ 42 舵角センサ 44 ヨーレートセンサ 48 横加速度センサ 50 電子制御ユニット

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵輪の舵角を検出する舵角検出手段
    と、 車速を検出する車速検出手段と、 車両に生ずるヨーレートを検出するヨーレート検出手段
    と、 車両に生ずる横加速度を検出する横加速度検出手段と、 前記舵角検出手段が検出した舵角と前記車速検出手段が
    検出した車速とに基づいて、標準状態にモデル化した車
    両に生ずると推定されるヨーレート、及び標準状態にモ
    デル化した車両に生ずると推定される横加速度を、それ
    ぞれ目標ヨーレート、及び目標横加速度として演算する
    挙動モデル演算手段と、 該挙動モデル演算手段が演算した目標ヨーレートと、前
    記ヨーレート検出手段が検出した実ヨーレートとの偏
    差、及び前記挙動モデル演算手段が演算した目標横加速
    度と前記横加速度検出手段が検出した実横加速度との偏
    差に基づいて、車両の挙動状態を判定する車両状態判定
    手段とを備えることを特徴とする車両状態推定装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車両状態推定装置の推定
    結果に基づいて、車両に搭載されるブレーキ機構を制御
    する制動制御装置であって、 前記車両状態推定装置によって車両がスピン傾向にある
    と推定された際には、車速及び実横加速度に基づいて演
    算した換算ヨーレートを制御目標として選択し、前記車
    両状態推定装置によって車両がスピン傾向ではないと推
    定された際には、前記挙動モデル演算手段によって演算
    された目標ヨーレートを制御目標として選択する制御目
    標選択手段と、 該制御目標選択手段が制御目標として選択したヨーレー
    トを実現すべく、各車輪に配設されたブレーキ機構を制
    御する制動力制御手段とを備えることを特徴とする制動
    制御装置。
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