JP2006240572A - 車両姿勢制御システム - Google Patents

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Masataka Mita
将貴 三田
Hiroshi Kushino
宏 久志野
Akihiro Ono
明浩 大野
Hiroyuki Ando
宏幸 安藤
Mineichi Momiyama
峰一 樅山
Hiroaki Kato
博章 加藤
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Abstract

【課題】 車両加速時の直進安定性を向上する車両姿勢制御システムを提供する。
【解決手段】 車両姿勢制御システムは、左右の駆動輪へ駆動トルクを伝達する左右トルク伝達手段、ハンドル角に対して操舵輪の切れ角を相対変化させる可変ステアリング手段、並びに左右トルク伝達手段と可変ステアリング手段とを協調制御する協調制御手段を備える。車両の直進加速に伴って一方の駆動輪の回転速度が他方の駆動輪の回転速度よりも所定値以上大きくなる車両状態を回転速度差発生状態とすると、協調制御手段は、回転速度差発生状態を検知したとき(S102)、左右トルク伝達手段を制御して前記一方の駆動輪の駆動トルクを前記他方の駆動輪の駆動トルクよりも減少させる(S106,S108)と共に、可変ステアリング手段を制御して車両のヨーモーメント方向とは逆方向へ切れ角を増大させる(S107,S109)。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両の姿勢を制御する車両制御システムに関する。
従来の車両では、動力源のトルクが左右の駆動輪にデファレンシャル装置を介して伝達され、通常、直進時にはトルクは左右の駆動輪に等配分されるようになっている。このような車両では、左駆動輪側と右駆動輪側とで路面抵抗値μが大きく異なるμスプリット走行路上において車両が加速(発進を含む)する場合、低μ側の駆動輪がスリップ(空転)すると、他側の駆動輪へはトルクが伝達され難くなり、加速が困難となることがあった。例えば一方の駆動輪側の路面が凍結している場合の加速が、それに該当する。そこで、車両状態に応じた駆動トルクを左右の駆動輪へ伝達する左右トルク伝達装置(例えば特許文献1参照)を用いて、スリップを抑制する技術が提案されている。具体的には、この技術では、左右の駆動輪間の駆動トルク差を左右トルク伝達装置により変更して、低μ側駆動輪の駆動トルクを減じると共に高μ側駆動輪の駆動トルクを増大させる。
特開2004−52901号公報
さて、上述したように左右の駆動輪間の駆動トルク差を変更することによって、スリップをある程度抑えることはできる。しかしながら、高μ側駆動輪の駆動トルクが増大することによって当該高μ側駆動輪が進行方向へ押出されてしまうため、車両にヨーモーメントが発生し、車両が低μ側へと旋回し始める。この場合、車両の運転者は、不安を感じ、車両の旋回を止めるべくステアリングハンドルを慌てて切ることとなるため、安全上、望ましくない。
そこで本発明者らは、操舵輪の切れ角をステアリングハンドルのハンドル角に対して相対変化させる可変ステアリング装置に着目し、当該可変ステアリング装置を左右トルク伝達装置と組み合わせて協調的に車両の姿勢を制御する技術の研究を行ってきた。
本発明は、そうした鋭意研究の結果なされたものであって、その目的は、車両加速時の直進安定性を向上する車両姿勢制御システムを提供することにある。
請求項1に記載の発明は、左右の駆動輪へ駆動トルクを伝達する左右トルク伝達手段、ステアリングハンドルのハンドル角に対して操舵輪の切れ角を相対変化させる可変ステアリング手段、並びに前記左右トルク伝達手段と前記可変ステアリング手段とを協調制御する協調制御手段を備える車両姿勢制御システムであって、前記車両の直進状態における加速に伴って一方の駆動輪の回転速度が他方の駆動輪の回転速度よりも所定値以上大きくなる車両状態を回転速度差発生状態とすると、前記協調制御手段は、前記回転速度差発生状態を検知したとき、前記左右トルク伝達手段を制御して前記一方の駆動輪の駆動トルクを前記他方の駆動輪の駆動トルクよりも減少させると共に、前記可変ステアリング手段を制御して前記車両のヨーモーメント方向とは逆方向へ前記切れ角を増大させることを特徴とする。
このように請求項1に記載の発明では、車両状態が回転速度差発生状態へ移行すると、協調制御手段が左右トルク伝達手段を制御して一方の駆動輪の駆動トルクを他方の駆動輪の駆動トルクよりも減少させる。これにより、車両加速時に片側の駆動輪がスリップして当該駆動輪の回転速度が上がった時には、当該駆動輪の駆動トルクが減少することになるため、スリップを抑えることができる。したがって、車両加速時の安定性を高めることができる。
さらに請求項1に記載の発明では、車両状態が回転速度差発生状態へ移行すると、協調制御手段が可変ステアリング手段を制御して車両のヨーモーメント方向とは逆方向へ操舵輪の切れ角を増大させる。したがって、車両加速時には、協調制御手段及び左右トルク伝達手段の働きにより一方の駆動輪の駆動トルクが他方の駆動輪の駆動トルクよりも減少して車両にヨーモーメントが発生したとしても、アンチヨーモーメント方向へ操舵輪の切れ角が増大することになるため、車両の直進安定性を保つことができる。したがって、運転者に急ハンドルを切らせることなく安全に車両を加速させることができる。
尚、本発明において「加速」とは、ある車速からそれ以上の車速車両の速度を上げることのみならず、車両の停止状態から発進することをも含んでいる。
請求項2に記載の発明によると、前記協調制御手段は、前記回転速度差発生状態を検知したとき、前記可変ステアリング手段を制御して前記他方の駆動輪側へ前記切れ角を増大させる。協調制御手段及び左右トルク伝達手段の働きにより一方の駆動輪の駆動トルクが他方の駆動輪の駆動トルクよりも減少して一方の駆動輪側へ向かうヨーモーメントが発生したとしても、アンチヨーモーメント方向となる当該他方の駆動輪側へ操舵輪の切れ角が増大することによって車両の直進安定性を保つことができる。
請求項3に記載の発明によると、前記協調制御手段は、前記回転速度差発生状態を検知したとき、前記左右トルク伝達手段を制御して、前記一方の駆動輪の駆動トルクを減少させつつ前記他方の駆動輪の駆動トルクを増大させる。回転速度差発生状態の各駆動輪の駆動トルクについて、回転速度が大きい側、即ちスリップ発生側の駆動トルクを減少させるだけでなく、スリップが発生していない駆動輪の駆動トルクを増大させることによって、スリップの抑制と加速量の確保とを図ることができる。
請求項4に記載の発明によると、前記協調制御手段は、前記左右の駆動輪の回転加速度に基づいて前記回転速度差発生状態を検知する。駆動輪にスリップが発生する場合には、一般的に回転速度が急激に上昇する。請求項4に記載の発明はこの点に着目してなされたものであり、例えば各駆動輪の回転加速度が所定値を越えた場合や、左右駆動輪の回転加速度の差が所定値を越えた場合等に回転速度差発生状態を検知するものである。これにより、回転速度差発生状態を各駆動輪の回転加速度に基づいて確実に検知することができ、しかもその検知精度を高めることができる。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第一実施形態)
図2は、本発明の第一実施形態による車両姿勢制御システム2を適用した四輪駆動式の車両10を示している。
まず、車両10について説明する。
車両10において、内燃機関、電動モータ等の動力源11から出力されるトルクはトランスアクスル12を経由して左右の前車輪14へと伝達され、それにより各前車輪14が駆動される。また、動力源11の出力トルクはトランスアクスル12、プロペラシャフト15、前後トルク伝達装置16及び車両姿勢制御システム2の左右トルク伝達装置4を順次経由して左右の後車輪18へ伝達され、それにより各後車輪18が駆動される。ここで、前車輪14と後車輪18との間のトルク配分比は前後トルク伝達装置16の作動状態によって制御され、また左後車輪18と右後車輪18との間のトルク配分比は左右トルク伝達装置4の作動状態によって制御される。
車両10において、運転者によりステアリングハンドル20へ与えられる回転運動は、第一ステアリングシャフト21、車両姿勢制御システム2の可変ステアリング装置6及び第二ステアリングシャフト22を経由してステアリングギヤ24へと伝達される。ステアリングギヤ24へ伝達された回転運動は、当該ステアリングギヤ24によってタイロッド25の直線運動に変換される。ナックルアーム26を介してタイロッド25に連結された左右の前車輪14は、そうしたタイロッド25の往復直線運動に追従して左右に切れる。
次に、左右トルク伝達装置4、可変ステアリング装置6及び協調制御部8を備えた車両姿勢制御システム2について説明する。
左右トルク伝達装置4は、左右の後車輪18と一体回転する左右の後車軸30と前後トルク伝達装置16との間に介装された差動機構31、並びにDCモータ等からなる電動モータ32を備えている。差動機構31は、左右の後車軸30間で差動を生むために例えば図3に示す如く複数のギヤを組み合わせて構成され、前後トルク伝達装置16からの入力トルクを電動モータ32の出力トルクTmに従う配分比にて左右の後車軸30へ出力する。したがって、左右トルク伝達装置4によれば、各後車輪18へ配分する駆動トルクTdを電動モータ32の出力トルクTmに応じて変化させることができる。
可変ステアリング装置6は、図2に示すように、ステアリングシャフト21,22間に介装されたギヤ機構40と、三相ブラシレスモータ等からなる電動モータ42を備えている。第二ステアリングシャフト22へは、第一ステアリングシャフト21から入力されるステアリングハンドル20のハンドル角θhに加え、電動モータ42の回転角θmをギヤ機構40に固有のメカニカルギヤ比Gvmにて減速した回転角が伝達される。即ちギヤ機構40からは、メカニカルギヤ比Gvmと回転角θmとの乗算値をハンドル角θhに加算してなる回転角(θh+Gvm・θm)が出力されることになる。したがって、ギヤ機構40からの出力回転角(θh+Gvm・θm)とステアリングギヤ24のギヤ比Gsとの乗算値が前車輪14の切れ角θtとなる。即ち、切れ角θtとハンドル角θhとの相対比(θh/θt)であるステアリングレシオRを回転角θmに応じて変化させることができる。
以下の説明では、電子制御ユニットを「ECU」と略称する。
協調制御部8は、左右トルク伝達装置4を制御する第一ECU50と、可変ステアリング装置6を制御する第二ECU52を備えている。第一及び第二ECU50,52は共に、マイクロコンピュータ等によって構成されている。
第一ECU50は、駆動回路51を通じて電動モータ32へ供給する電流を車両10の走行状態に基づいて制御することにより、電動モータ32の出力トルクTmを変化させる。また、第一ECU50は、前後トルク伝達装置16のECUを制御して前後車輪14,18間のトルク配分比を変化させる機能も有する。
第二ECU52は、駆動回路53を通して電動モータ42へ供給する電流を車両10の走行状態に基づいて制御することにより、電動モータ42の回転角θmを変化させる。
ここで、協調制御部8による装置4,6の協調制御フローについて図1に基づき説明する。尚、協調制御フローのステップS101〜S111のうち、ステップS101〜S106,S108は第一ECU50により、また残りのステップS107,S109〜S111は第二ECU52により実行されるものとする。
協調制御フローのステップS101では、車両状態が直進加速状態であるか否かを、ハンドル角θh、車速Vc及びアクセル開度Oに基づいて判定する。尚、ハンドル角θhは、第一ステアリングシャフト21の回転角を検出する回転角センサから協調制御部8へ与えられる値である。車速Vcは、各車輪14,18の回転速度Vtを検出する車輪速センサの出力値に基づいて当該車速Vcを算出するECUから協調制御部8へ与えられる値である。アクセル開度Oは、アクセルセンサから協調制御部8へ与えられる値である。
具体的にステップS101では、車両状態が直進状態であるか否かについて、ハンドル角θhが中立点から所定の範囲内(例えば±10°以内)にあるか否かによって判定する。また、加速状態にあるか否かについては、例えば図4に示す車速Vcとアクセル開度Oとの二次元マップを用いて判定する。そしてステップS101では、車両が直進状態且つ加速状態である場合に肯定判断がなされる。
ステップS101は、肯定判断がなされるまで繰り返し実行され、肯定判断がなされると、ステップS102へ移行する。ステップS102では、左後車輪18の回転速度Vtと右後車輪18の回転速度Vtとの差の絶対値(以下、当該差の絶対値を単に「回転速度差」という)が所定の閾値ΔVthを超えているか否かを判定する。即ちステップS102の判定は、車両10の直進加速に伴って一方の後車輪18の回転速度Vtが他方の後車輪18の回転速度Vtよりも所定値以上大きくなる回転速度差発生状態へ車両状態が移行したか否かを判定することと等価である。尚、各後車輪18の回転速度Vtは、それぞれ対応した車輪速センサから協調制御部8へ与えられる値である。
ステップS102で肯定判断がなされると、ステップS103へ移行する。ステップS103では、第一回目のステップS102の終了時点から設定時間以上、回転速度差発生状態が継続しているか否かを、各後車輪18の回転速度Vtに基づいて判定する。その結果、肯定判断がなされると、ステップS104において前後トルク伝達装置16を制御し、左右トルク伝達装置4への伝達トルクを減少させる。これにより、例えば電動モータ32の焼き付きが防止されて、本協調制御フローが終了する。
一方、ステップS103で否定判断がなされると、ステップS105へ移行する。ステップS105では、左後車輪18の回転速度Vtが右後車輪18の回転速度Vtよりも小さいか否かを判定する。
ステップS105で肯定判断がなされると、ステップS106,S107へ順次移行し、逆にステップS105で否定判断がなされると、ステップS108,S109へ順次移行する。
即ち、右後車輪18の回転速度Vtが左後車輪18の回転速度Vtよりも大きい場合には、ステップS106において、右後車輪18の駆動トルクTdを減少させつつ、左後車輪18の駆動トルクTdを増加させる。続くステップS107では、前車輪14の切れ角θtを中立点よりも左後車輪18側へと増大させる。このとき、切れ角θtの変化量は、ヨーレートY、ハンドル角θh及び電動モータ42の回転角θmに基づいて、車両10のヨーモーメントを打ち消す逆向きのアンチヨーモーメントを発生するように制御される。また、切れ角θtの増大中にステアリングハンドル20が操作された場合には、ヨーレートY、ハンドル角θh、電動モータ42の回転角θmに基づき車両のアンチヨーモーメントを打ち消すように切れ角θtを再計算する。尚、ヨーレートYは、ヨーレートセンサから協調制御部8へ与えられる値である。また、回転角θmは、電動モータ42に内蔵された回転角センサから協調制御部8へ与えられる値である。
左後車輪18の回転速度Vtが右後車輪18の回転速度Vtよりも大きい場合には、ステップS108において、左後車輪18の駆動トルクTdを減少させつつ、右後車輪18の駆動トルクTdを増加させる。続くステップS109では、切れ角θtを中立点よりも右後車輪18側へと増大させる。
そして、ステップS107,S109のいずれが終了した場合にも、ステップS102へと戻り、当該ステップS102以降の所定のステップを繰り返し実行する。
以上、ステップS102で肯定判断がなされた場合について説明してきたが、以下では、ステップS102で否定判断がなされた場合に続くステップS110,S111について説明する。尚、ステップS102で否定判断がなされる場合とは、例えば車両10がμスプリット走行路から抜け出すことによって、通常の直進走行が開始された場合である。
ステップS110では、前車輪14の切れ角θtが中立点にあるか否かを判定する。その結果、肯定判断がなされた場合には、本協調制御フローを終了する。一方、否定判断がなされた場合には、ステップS111へ移行して切れ角θtを中立点まで変化させた後、本協調制御フローを終了する。
このように車両姿勢制御システム2では、車両10の直進加速に伴って車両状態が回転速度差発生状態へ移行すると、各後車輪18について、回転速度Vtが大きい側の駆動トルクTdが減少且つ回転速度Vtが小さい側の駆動トルクTdが増大させられる。これにより、車両10がμスプリット走行路上において加速するときに一方の後車輪18がスリップしたとしても、当該スリップ側の後車輪18では駆動トルクTdが減少し、非スリップ側の後車輪18では駆動トルクTdが増大するので、スリップを抑えることができる。したがって、走行路の路面状態に依ることなく確実に車両10を加速させることができる。
さらに、車両10の直進加速に伴って車両状態がトルク差発生状態へ移行した場合には、上記駆動トルクTdの増減によって発生するヨーモーメントを打ち消すように、前車輪14の切れ角θtが駆動トルクTdの大きい後車輪18側へと増大させられる。これにより、左右の後車輪18間で回転速度差ΔVが発生した車両10に対して、直進安定性を付与することができる。したがって、急ハンドルを運転者に切らせることなく安全に車両10を加速させることができる。
またさらに、車両状態が回転速度差発生状態へ移行したか否かの判定、即ち回転速度差発生状態の検知は、比較的検出し易い各後車輪18の回転速度Vtに基づいて行われるので、当該検知精度、ひいては直進安定性の制御精度を高めることができる。
(第二実施形態)
図5に示すように本発明の第二実施形態は前記第一実施形態の変形例であり、図1に示した協調制御フローにおけるステップS102のみが第一実施形態と異なっている。
第一実施形態のステップS102では、左後車輪18の回転速度Vtと右後車輪18の回転速度Vtとの差の絶対値が閾値ΔVthを超えているか否かによって回転速度差発生状態を検知していたが、第二実施形態のステップS102では、左右後車輪18の回転加速度に基づいて回転速度差発生状態を検知する。具体的には、ステップS102を実行する度に各後車輪18の回転速度Vtを記憶し、次にステップS102を実行した際に前回記憶した回転速度Vtとの比較を各後車輪18毎に行う。ここで、回転速度Vtの前回値と今回値との差は回転加速度となる。そこで第二実施形態のステップS102では、この回転加速度の絶対値が所定の閾値を越えた場合に、スリップが発生して左右の後車輪18間に回転速度差が発生していると考えられるので、車両状態が回転速度差発生状態へ移行したと判定する。即ち、一方の後車輪18のスリップが発生すると、当該後車輪18の回転速度Vtが、通常の車両の加速ではあり得ない程度の回転加速度で上昇することがあるので、このような現象を捉えて回転速度差発生状態として検知するのである。尚、各後車輪18の回転加速度に基づいて回転速度差発生状態を検知するのではなく、各後車輪18の回転加速度を比較して、一方の後車輪18の回転加速度のみが急上昇したときに回転速度差発生状態を検知するようにしてもよい。あるいは、各後車輪18の回転加速度の差が所定の閾値を越えたか否かによって回転速度差発生状態を判定するようにしてもよい。あるいはまた、回転加速度と合わせて各後車輪18間の回転速度差をも考慮して回転速度差発生状態を判定するようにしてもよい。これらの方法によれば、より正確に回転速度差発生状態を検知し得る。
このように、以上説明した複数の実施形態では、後車輪18が特許請求の範囲に記載の「駆動輪」に相当し、左右トルク伝達装置4が特許請求の範囲に記載の「左右トルク伝達手段」に相当する。また、前車輪14が特許請求の範囲に記載の「操舵輪」に相当し、可変ステアリング装置6が特許請求の範囲に記載の「可変ステアリング手段」に相当する。さらにまた、協調制御部8が特許請求の範囲に記載の「協調制御手段」に相当する。
ここまで本発明の複数の実施形態について説明してきが、本発明はそれらの実施形態に限定して解釈されるものではない。
例えば二輪駆動式の車両において、左右の後車輪18へのトルク伝達を左右トルク伝達装置4により行うようにしてもよい。尚、この場合には、前後トルク伝達装置16が不要になると共に、協調制御フローのステップS103,S104が省略される。
また、左右トルク伝達装置4において、動力源11からのトルクを左右の後車輪18へ配分伝達する代りに、各後車輪18に内蔵させたホイールインモータによりそれら後車輪18へのトルク伝達を行うようにしてもよい。尚、この場合には、電動モータ32に代えて、各後車輪18のホールインモータを第一ECU50によって制御することで、各後車輪18の駆動トルクTdを変化させることができる。
さらに、協調制御フローのステップS107,S109において、各後車輪18の駆動トルク差ΔT、ハンドル角θh及び電動モータ42の回転角θmに基づき、切れ角θtの変化量を制御するようにしてもよい。
加えて、協調制御フローのステップS101〜S105を第二ECU52によって実行するようにしてもよい。あるいは、第一ECU50と第二ECU52とを一つのECUに統合して、当該統合ECUにより協調制御フローのステップS101〜S111を実行するようにしてもよい。
本発明の第一実施形態による協調制御フローを示すフローチャートである。 本発明の第一実施形態による車両姿勢制御システムを適用した四輪駆動式車両を示す概略構成図である。 図2の左右トルク伝達制御装置における差動機構の一例を示す概略構成図である。 車速とアクセル開度とに基づいて車両が加速状態にあるか否かを判定するために用いられるマップの一例を示す模式図である。 本発明の第二実施形態による協調制御フローを示すフローチャートである。
符号の説明
2 車両姿勢制御システム、4 左右トルク伝達装置(左右トルク伝達手段)、6 可変ステアリング装置(可変ステアリング手段)、8 協調制御部(協調制御手段)、10 車両、14 前車輪(操舵輪)、16 前後トルク伝達装置、18 後車輪(駆動輪)、20 ステアリングハンドル、31 差動機構、32 電動モータ、40 ギヤ機構、42 電動モータ、50 第一ECU、52 第二ECU、Td 駆動トルク、ΔT 駆動トルク差、Vt 回転速度、ΔV 回転速度差、ΔVth 閾値、θh ハンドル角、θt 切れ角

Claims (4)

  1. 左右の駆動輪へ駆動トルクを伝達する左右トルク伝達手段、ステアリングハンドルのハンドル角に対して操舵輪の切れ角を相対変化させる可変ステアリング手段、並びに前記左右トルク伝達手段と前記可変ステアリング手段とを協調制御する協調制御手段を備える車両姿勢制御システムであって、
    前記車両の直進状態における加速に伴って一方の駆動輪の回転速度が他方の駆動輪の回転速度よりも所定値以上大きくなる車両状態を回転速度差発生状態とすると、
    前記協調制御手段は、前記回転速度差発生状態を検知したとき、前記左右トルク伝達手段を制御して前記一方の駆動輪の駆動トルクを前記他方の駆動輪の駆動トルクよりも減少させると共に、前記可変ステアリング手段を制御して前記車両のヨーモーメント方向とは逆方向へ前記切れ角を増大させることを特徴とする車両姿勢制御装置。
  2. 前記協調制御手段は、前記回転速度差発生状態を検知したとき、前記可変ステアリング手段を制御して前記他方の駆動輪側へ前記切れ角を増大させることを特徴とする請求項1に記載の車両姿勢制御装置。
  3. 前記協調制御手段は、前記回転速度差発生状態を検知したとき、前記左右トルク伝達手段を制御して、前記一方の駆動輪の駆動トルクを減少させつつ前記他方の駆動輪の駆動トルクを増大させることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両姿勢制御装置。
  4. 前記協調制御手段は、前記左右の駆動輪の回転加速度に基づいて前記回転速度差発生状態を検知することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両姿勢制御装置。
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