JP2020083161A - 車両の走行制御方法および走行制御装置 - Google Patents

車両の走行制御方法および走行制御装置 Download PDF

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Kyohei Sakagami
恭平 坂上
和典 宮田
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和典 宮田
祐樹 岡田
Yuki Okada
祐樹 岡田
清志 若松
Kiyoshi Wakamatsu
清志 若松
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Abstract

【課題】車両を自動で直進走行させて該車両の直進走行性を高めることができる車両の走行制御方法を提供すること。【解決手段】本発明に係る車両1の走行制御方法は、車両1の左右の対地速度VL,VRを検出し、ドライバの車両を直進させる意志又は車両1の制御に基づいて該車両1を直進させる旨の指令が確認されると、検出された左右の対地速度VL,VRの偏差|VL−VR|が所定範囲内に入るように左右の駆動輪WRL,WRRへの駆動力配分または左右の車輪WFL,WFR(WRL,WRR)への制動力配分を制御する。例えば、検出された対地速度VL,VRが遅い側の駆動輪WRL(またはWRR)の駆動力が他側の駆動輪WRR(またはWRL)の駆動力よりも大きくなるよう制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、車両の走行制御方法および走行制御装置に関する。
近年、目的地までの経路に沿って車両が走行するように、車両の加減速度とステアリングホイールの操舵角の少なくともいずれか一方を自動的に制御する自動運転技術が開発されつつある。このような自動運転技術には、車両が直進走行中であることの検知が不可欠であるが、この検知は、車両に搭載されたヨーレートセンサによって検出されるヨーレート、GPS(Global Positioning System)情報、ステアリング装置によるステアリングホイールの操舵角情報などに基づいてなされている(例えば、特許文献1参照)。
また、自動運転技術には、車両の走行速度(車速)の検出が不可欠であるが、従来の車速の検出は、路面に接触するタイヤの回転数を回転センサによって検出し、検出された回転数にタイヤの半径を乗ずることによってなされていた。
しかしながら、上記従来の車速の検出方法では、タイヤが空転またはロックしたり、タイヤが摩耗したりすると、検出精度が低下するという問題があった。
そこで、レーザドップラ速度計を用い、路面に向けて照射されるレーザ光のドップラ効果を利用して路面に非接触で車速を高精度に検出する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2011−043387号公報 特開平9−080154号公報
ところで、自動運転技術を導入した車両に限らず、ドライバの手動操作によって走行する車両においても、車両を自動で直進走行させることができれば、ドライバによるステアリング操作の負担が軽減するものと考えられる。
特許文献1には、車両が直進走行中であることの検知方法が開示され、特許文献2には、レーザドップラ速度計を用いて車速を高精度に検出する技術は開示されているものの、これらの特許文献1,2には、車両を自動で直進走行させる技術に関しては開示されていない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、車両を自動で直進走行させることができる車両の走行制御方法および走行制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明にかかる車両の走行制御方法は、車両(1)の左右の対地速度(V,V)を検出し、ドライバの前記車両(1)を直進させる意志又は前記車両(1)の制御に基づいて該車両(1)を直進させる旨の指令が確認されると、検出された左右の前記対地速度(V,V)の偏差(│V−V│)が所定範囲内に入るように左右の駆動輪(WRL,WRR)への駆動力配分または左右の車輪(WFL,WFRおよび/またはWRL,WRR)への制動力配分を制御することを特徴とする。
具体的には、検出された前記対地速度(V,V)が遅い側の駆動輪(WRLまたはWRR)の駆動力が他側の駆動輪(WRRまたはWRL)の駆動力よりも大きくなるよう駆動力配分を制御するようにしてもよい。
また、検出された前記対地速度(V,V)が遅い側の車輪(WFL,WRLまたはWFR,WRR)の制動力が他側の車輪(WFR,WRRまたはWFL,WRL)の制動力よりも小さくなるよう制動力配分を制御するようにしてもよい。
そして、ドライバの前記車両(1)を直進させる意志の確認は、ステアリングホイール(74)の操舵角が直進規定値未満であることによってなされるようにしてもよい。
また、本発明に係る車両の走行制御装置は、車両(1)の左右の対地速度(V,V)を検出する対地速度検出手段と、ドライバの前記車両(1)を直進させる意志又は前記車両(1)の制御に基づいて該車両(1)を直進させる旨の指令の有無を判定する直進判定手段と、該直進判定手段によってドライバの前記車両(1)を直進させる意志又は前記車両(1)の制御に基づいて該車両(1)を直進させる旨の指令が確認されると、前記対地速度検出手段によって検出された左右の前記対地速度(V,V)の偏差(│V−V│)が所定範囲内に入るように左右の駆動輪(WRL,WRR)への駆動力配分または左右の車輪(WFL,WFRまたはWRL,WRR)への制動力配分を制御する直進走行制御を行う制御手段(100)と、を備えることを特徴とする。
ここで、前記対地速度検出手段は、レーザドップラ速度計(5)を含んで構成してもよい。
また、前記直進意志判定手段は、ステアリング装置(92)と、該ステアリング装置(92)によるステアリングホイール(74)の操舵角を検出する操舵角センサ(75)を含んで構成してもよい。
そして、前記制御手段(100)は、左右の前記駆動輪(WRL,WRR)への駆動力を配分するクラッチ(CL,CR)への供給油圧を制御するよう構成してもよい。
また、前記制御手段(100)は、左右の前記車輪(WFL,WRLまたはWFR,WRR)に設けられたブレーキ装置(94)への供給油圧を制御するよう構成してもよい。
また、前記制御手段(100)は、前記車両(1)の少なくとも加減速を自動的に制御する自動運転制御を行う自動運転制御部(110)を有し、前記制御手段(100)による前記直進走行制御は、前記自動運転制御部(110)による前記自動運転制御の実施中に行われるようにしてもよい。
本発明によれば、車両の左右の対地速度を検出し、ドライバの車両を直進させる意志又は車両の制御に基づいて該車両を直進させる旨の指令が確認されると、検出された左右の対地速度の偏差が所定範囲内に入るように左右の駆動輪への駆動力配分または左右の車輪への制動力配分を制御するようにしたため、自車両を自動で直進走行させることができる。
本発明に係る走行制御装置を備える車両の動力伝達経路を模式的に示す平面図である。 車両の制御装置のシステム構成を示すブロック図である。 レーザドップラ速度計を用いて車両の対地速度を検出するためのシステム構成図である。 本発明に係る車両の走行制御方法の手順を示すフローチャートである。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
[車両の動力伝達経路]
先ず、本発明に係る制御装置を備える車両の動力伝達経路を図1に基づいて以下に説明する。
すなわち、図1は本発明に係る走行制御装置を備える車両の動力伝達経路を模式的に示す平面図であり、図示の車両1は、自動運転が可能なフロントエンジン・フロントドライブ(エンジン前置き・前輪駆動)方式(FF方式)を採用する四輪駆動(4WD)車両である。この車両1は、駆動源であるエンジンEの駆動力がトランスミッションMとフロントディファレンシャルDfおよび左右の車軸AFL,AFRを経て伝達される主駆動輪としての左右の前輪WFL,WFRと、これらの前輪WFL,WFRの駆動力の一部がトランスファーT、プロペラシャフトPS、リヤディファレンシャルDrおよび左右の車軸ARL,ARRを経て伝達される副駆動輪としての左右の後輪WRL,WRRを備えている。
上記リヤディファレンシャルDrは、プロペラシャフトPSから駆動ベベルギヤ2および従動ベベルギヤ3を経てスリーブ4に伝達される駆動力を左車軸ARLと右車軸ARRに選択的に伝達するための左クラッチCLと右クラッチCRを備えている。
ここで、左クラッチCLと右クラッチCRは、エンジンEからプロペラシャフトPSを経て伝達される駆動力を左右の後輪WRL,WRRにそれぞれ配分(トルク配分)する機能を果たす。具体的には、これらの左クラッチCLと右クラッチCRには、可変容量型のベーンポンプなどの油圧ポンプから供給される油圧によってON(締結)/OFF(切断)され、これらにそれぞれ供給される油圧(作動油の流量)の比率を変化させることによって、左右の後輪WRL,WRRへの駆動力の配分制御を行うことができる。
また、左右の前輪WFL,WFRと後輪WRL,WRRのそれぞれには、制動手段としてのブレーキ装置94がそれぞれ設けられている。
[制御装置のシステム構成]
次に、図1に示す車両1に設けられた制御装置のシステム構成を図2に基づいて以下に説明する。
すなわち、図2は制御装置のシステム構成を示すブロック図であり、図示の制御装置100は、外部状況取得部12、経路情報取得部13、走行状態取得部14などの車両1(図1参照)の外部から各種情報を取り入れるための手段を備えている。
また、制御装置100は、アクセルペダル70、ブレーキペダル72、ステアリングホイール(ハンドル)74、切替スイッチ80などの操作デバイスと、アクセル開度センサ71、ブレーキ踏量センサ(ブレーキスイッチ)73、ステアリング操舵角センサ(ステアリングトルクセンサ)75などの操作検出センサと、報知装置(出力部)82と、乗員識別部(車内カメラ)15とを備えている。
さらに、制御装置100は、車両1の駆動と駆動力配分や操舵などを行うための装置として、走行駆動力出力装置(駆動装置)90と、ステアリング装置92と、ブレーキ装置94および左右の後輪WRL,WRRへの駆動力配分を行うクラッチCL,CR(図1参照)を備えている。これらの装置や機器は、CAN(Controller Area Network)通信線などの多重通信線やシリアル通信線、無線通信網などによって互いに接続されている。なお、例示した操作デバイスについてはあくまで一例であり、ボタン、ダイヤルスイッチ、GUI(Graphical User Interface)スイッチなどが車両1に搭載されていても構わない。
ここで、各種構成要素について説明する。
(外部状況取得部)
前記外部情報取得部12は、車両1の外部状況、例えば、走行路の車線や車両周辺の物体などの車両1の周辺の環境情報を取得するものであって、例えば、各種カメラ(単眼カメラ、ステレオカメラ、赤外線カメラなど)や各種レーダ(ミリ波レーダ、マイクロ波レーダ、レーザレーダなど)などを備えている。ここで、カメラによって得られた情報とレーダにより得られた情報を統合するフュージョンセンサを使用することも可能である。
(経路情報取得部)
経路情報取得部13は、ナビゲーション装置を含んでおり、ナビゲーション装置は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機や地図情報(ナビ地図)、ユーザインターフェースとして機能するタッチパネル式表示装置、スピーカ、マイクなどを備えている。ここで、ナビゲーション装置は、GNSS受信機によって車両1の位置を特定し、その特定した位置からユーザによって指定された目的地までの経路を導出する。そして、ナビゲーション装置によって導出された経路は、経路情報144として記憶部140に格納される。なお、車両1の位置は、走行状態取得部14の出力を利用したINS(Inertial Navigation System)によって特定または補完されてもよい。
また、ナビゲーション装置は、制御装置100が手動運転モードを実行している際に、目的地に至る経路について音声やナビ表示によって案内を行う。なお、車両1の位置を特定するための構成は、ナビゲーション装置とは独立して設けられていてもよい。また、ナビゲーション装置は、例えば、ユーザが保有するスマートフォンやタブレット端末などの端末装置の一機能によって構成されてもよい。この場合、端末装置と制御装置100との間で無線または有線による通信によって情報の送受信が行われる。
(走行状態取得部)
走行状態取得部14は、車両1の現在の走行状態を取得するものであって、走行位置取得部26と、対地速度取得部28と、ヨーレート取得部30と、操舵角取得部32および走行軌道取得部34を備えている。
<走行位置取得部>
走行位置取得部26は、走行状態の1つである車両1の走行位置と走行姿勢(進行方向)を取得するものであって、各種測位装置、例えば、衛星や路上装置から送信される電磁波を受信して位置情報(緯度、軽度、高度、座標など)を取得する装置(GPS受信機、GNSS受信機、ビーコン受信機など)やジャイロセンサや加速度センサなどを備えている。なお、車両1の走行位置は、当該車両1の特定部位を基準として測定される。
<対地速度取得部>
対地速度取得部28は、車両1の対地速度を取得するものであって、これには後述のレーザドップラ速度計5(図3参照)が用いられる。なお、レーザドップラ速度計5を用いた車両1の対地速度の測定システムについては後述する。
<ヨーレート取得部>
ヨーレート取得部30は、走行状態の1つである車両1のヨーレートを取得するものであって、例えば、ヨーレートセンサなどを備えている。
<操舵角取得部>
操舵角取得部32は、車両1の走行状態の1つである操舵角を取得するものであって、例えば、ステアリングシャフトに設けられたステアリング操舵角センサ75などを備えている。なお、ステアリング操舵角センサ75によって取得された操舵角に基づいて操舵角速度と操舵角加速度も取得される。
<走行軌道取得部>
走行軌道取得部34は、走行状態の1つである車両1の実走行軌道の情報(実走行軌道)を取得するものであって、メモリを備えており、メモリは、実走行軌道に含まれる一連の点列の位置情報を記憶する。ここで、実走行軌道とは、実際に車両1が走行した軌道(軌跡)を含んでおり、これから走行する予定の軌道、例えば、走行した軌道(軌跡)の進行方向前側の延長線を含んでいてもよい。この場合、延長線は、コンピュータなどにより予測可能である。
(アクセル開度センサ、ブレーキ踏量センサおよびステアリング操舵角センサ)
ところで、操作検出センサであるアクセル開度センサ71、ブレーキ踏量センサ73、ステアリング操舵角センサ75は、検出結果としてのアクセル開度、ブレーキ踏量、ステアリング操舵角をそれぞれ制御装置100に対して出力する。
(切替スイッチ)
切替スイッチ80は、車両1の乗員によって操作されるスイッチであって、乗員の操作を受け付け、受け付けた操作内容から運転モード(例えば、自動運転モードと手動運転モード)の切り替えを行う。例えば、切替スイッチ80は、乗員の操作内容から、車両1の運転モードを指定する運転モード指定信号を生成し、この運転モード指定信号を制御装置100に対して出力する。
(シフト装置)
シフト装置60は、運転者によって不図示のシフトレバーを介して操作されるものであって、このシフト装置60におけるシフトレバーのポジションには、P(パーキング)、R(後進走行)、N(ニュートラル)、D(自動変速モード(ノーマルモード)での前進走行)、S(スポートモードでの前進走行)などがある。そして、シフト装置60の近傍には、シフトポジションセンサ205が設けられており、このシフトポジションセンサ205は、ドライバによって操作されるシフトレバーのポジション(シフトポジション)を検出する。
(パドルスイッチ)
パドルスイッチ65は、ステアリングホイール74の近傍に設けられており、手動運転時(手動運転モード)での手動変速モードでシフトダウンを指示するための−スイッチ(マイナスボタン)66と、手動変速モードでシフトアップを指示する+スイッチ(プラスボタン)67を備えている。
手動運転モードにおける手動変速モード(マニュアルモード)では、−スイッチ66と+スイッチ67の操作信号は、制御装置100に対して出力され、車両1の走行状態に応じてトランスミッションM(図1参照)において設定される変速段のアップシフトまたはダウンシフトが行われる。
(報知装置)
報知装置82は、情報を出力することができる種々の装置であって、例えば、車両1の乗員に対して、自動運転モードから手動運転モードへの移行を促すための情報を出力する。この報知装置82としては、例えば、スピーカ、バイブレータ、表示装置、発光装置などの中から少なくとも1つが用いられる。
(乗員識別部)
乗員識別部15は、例えば、車両1の車室内を撮像可能な車内カメラを備えており、この車内カメラとしては、例えば、CCDやCMOSなどの個体撮像素子を利用したデジタルカメラや近赤外光源と組み合わされた近赤外カメラなどが使用される。制御装置100は、車内カメラによって撮像された画像を取得し、その画像に含まれるドライバの顔の画像から、現在の車両1のドライバを識別する。
(走行駆動力出力装置)
走行駆動力出力装置(駆動装置)90は、エンジンE(図1参照)および該エンジンEを制御する不図示のFI−ECU(Electronic Control Unit)と、トランスミッションM(図1参照)と該トランスミッションMを制御するAT−ECUを備えて構成されている。なお、これ以外にも、走行駆動力出力装置90としては、車両1が電動機を駆動源とする電気自動車である場合には、走行用モータおよび該走行用モータを制御するモータECUによって構成されるものが使用される。また、車両1がハイブリッド自動車である場合には、走行駆動力出力装置90は、エンジンEおよびエンジンECUと走行用モータおよびモータECUで構成されるものが使用される。
本実施の形態のように、走行駆動力出力装置90がエンジンEとトランスミッションMを備えて構成されている場合には、FI−ECUとAT−ECUは、後述の走行制御部120から入力される情報に従って、エンジンEのスロットル開度やトランスミッションMのシフト段などを制御し、車両1が走行するための走行駆動力(トルク)を出力する。そして、走行駆動力出力装置90が走行用モータのみを含む場合、モータECUは、走行制御部120から入力される情報に従って、走行用モータに与えるPWM信号のデューティ比を調整し、車両1が走行するための走行駆動力(トルク)を出力する。また、走行駆動力出力装置90がエンジンEと走行用モータを含む場合、FI−ECUとモータECUの双方は、走行制御部120から入力される情報に従って、車両1が走行するための走行駆動力(トルク)を互いに協調して出力する
(ステアリング装置)
ステアリング装置(EPS)92は、例えば、駆動源として電動モータを備えており、電動モータは、例えば、ラックアンドピニオン機構に力を作用させて操舵輪である左右の前輪WFL,WFR(図1参照)を転舵させる。すなわち、ステアリング装置92は、走行制御部120から入力される情報に従って電動モータを駆動して左右の前輪WFL,WFRを転舵させる。
(ブレーキ装置)
ブレーキ装置94は、例えば、ブレーキキャリパと、該ブレーキキャリパに油圧を供給する油圧シリンダと、該油圧シリンダに油圧を発生させる電動モータと、制動制御部とを備えた電動サーボブレーキ装置である。この電動サーボブレーキ装置の制動制御部は、走行制御部120から入力される情報に従って電動モータを制御し、制動操作に応じた制動力を左右の前輪WFL,WFRと後輪WRL,WRRに対してそれぞれ出力する。
電動サーボブレーキ装置は、ブレーキペダル72の操作によって発生する油圧をマスタシリンダを介して油圧シリンダに供給する機構をバックアップとして備えていてもよい。なお、ブレーキ装置94は、以上に説明した電動サーボブレーキ装置に限らず、電子制御式油圧ブレーキ装置であってもよい。この電子制御式油圧ブレーキ装置は、走行制御部120から入力される情報に従ってアクチュエータを制御し、マスタシリンダで発生した油圧を油圧シリンダへと伝達する。また、ブレーキ装置94は、走行駆動力出力装置90が走行用モータを備える場合は、当該走行用モータによる回生ブレーキを含んでもよい。
[制御装置]
次に、制御装置100について説明する。この制御装置100は、自動運転制御部110と、走行制御部120および記憶部140を備えている。
(自動運転制御部)
自動運転制御部110は、自車位置認識部112と、外界認識部114と、行動計画生成部116および目標走行状態設定部118を備えている。ここで、自動運転制御部110の各部、走行走行制御部120の一部または全部は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサがプログラムを実行することによって実現される。また、これらのうちの一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Circuit)などのハードウェアによって実現されてもよい。
自動運転制御部110は、切替スイッチ80からの信号の入力に従って運転モードを切り替えて制御を行う。ここで、運転モードとしては、車両1の加速度および操舵を自動的に制御する自動運転モードや、車両1の加速度をアクセルペダル70やブレーキペダル72などの操作デバイスに対する操作に基づいて制御し、操舵をステアリングホイール74などの操作デバイスに対する操作に基づいて制御する手動運転モードがあるが、これらに限定されるものではない。他の運転モードとしては、例えば、車両1の加減速と操舵のうちの一方を自動的に制御し、他方を操作デバイスに対する操作に基づいて制御する半自動運転モードを設定してもよい。
<自車位置認識部>
自動運転制御部110の自車位置認識部112は、記憶部140に格納されている地図情報142と、外部状況取得部12、経路情報取得部13または走行状態取得部14から入力される情報とに基づいて、車両1が走行している車線(走行車線)および走行車線に対する車両1の相対位置を認識する機能を果たす。
自車位置認識部112は、例えば、車両1の基準点(重心など)の走行車線中央からの乖離および車両1の進行方向の走行車線中央を連ねた線に対してなす角度を、走行車線に対する車両1の相対位置として認識する。なお、これに代えて、自車位置認識部112は、走行車線の何れかの側端部に対する車両1の基準点の位置などを、走行車線に対する車両1の相対位置と認識してもよい。
<外界認識部>
外界認識部114は、外部状況取得部12などから入力される情報に基づいて、周辺車両の位置や速度、加速度などの状態を認識する機能を果たす。本実施の形態における周辺車両とは、車両1の周辺を走行する他の車両であって、車両1と同じ方向に走行する車両である。周辺車両の位置は、車両1の重心やコーナーなどの代表点で表されてもよく、車両1の輪郭で表現された領域によって表されてもよい。ここで、周辺車両の「状態」とは、前記各種機器の情報に基づいて周辺車両の加速度、車線変更をしているか否か(あるいは車線変更をしようとしているか否か)を含んでもよい。また、外界認識部114は、周辺車両に加えて、ガードレールや電柱、駐車車両、歩行者、その他の物体の位置を認識してもよい。
<行動計画生成部>
行動計画生成部116は、自動運転の開始地点、自動運転の終了予定地点、および/または自動運転の目的地を設定する機能を果たす。ここで、自動運転の開始地点は、車両1の現在位置であってもよく、車両1の乗員によって自動運転を指示する操作がなされた地点であってもよい。
行動計画生成部116は、自動運転の開始地点と終了予定地点との間の区間や、開始地点と自動運転の目的地との間の区間において行動計画を生成する。なお、これに限定されるものではなく、行動計画生成部116は、任意の区間について行動計画を生成してもよい。
行動計画は、例えば、順次実行される複数のイベントで構成される。ここで、イベントには、例えば、車両1を減速させる減速イベントや、車両1を加速させる加速イベント、走行車線を逸脱しないように車両1を走行させるレーンキープイベント、走行車線を変更させる車線変更イベント、車両1に前走車両を追い越させる追い越しイベント、分岐ポイントにおいて所望の車線に変更させたり、現在の走行車線を逸脱しないように車両1を走行させたりする分岐イベント、本線に合流するための合流車線において車両1を加減速させ、走行車線を変更させる合流イベントなどが含まれる。例えば、有料道路(高速道路など)においてジャンクション分岐点が存在する場合、制御装置100は、車両1を目的地の方向に進行するように車線を変更したり、車線を維持したりする。したがって、行動計画生成部116は、地図情報142を参照して経路上にジャンクションが存在していると判明した場合、現在の車両1の位置(座標)から当該ジャンクションの位置(座標)までの間に、目的地の方向に進行することができる所望の車線に車線変更するための車線変更イベントを設定する。なお、行動計画生成部116によって生成された行動計画を示す情報は、行動計画情報146として記憶部140に格納される。
(目標走行状態設定部)
目標走行状態設定部118は、行動計画生成部116によって生成された行動計画と、外部状況取得部12、経路情報取得部13および走行状態取得部14によって取得された各種情報に基づいて、車両1の目標とする走行状態である目標走行状態を設定する機能を果たす。この目標状態設定部118は、目標値設定部52と、目標軌道設定部54と、偏差取得部42および補正部44を備えている。
<目標値設定部>
目標値設定部52は、車両1が目標とする走行位置(緯度、経度、高度、座標など)の情報(単に「目標位置」とも言う)、車速の目標値情報(単に「目標車速」とも言う)、ヨーレートの目標値情報(単に「目標ヨーレート」とも言う)を設定するように構成されている。
<目標軌道設定部>
目標軌道設定部54は、外部状況取得部12によって取得される外部状況と経路情報取得部13によって取得される走行経路情報に基づいて、車両1の目標軌道の情報(単に「目標軌道」とも言う)を設定するように構成されている。ここで、目標軌道は、単位時間毎の目標位置の情報を含む。そして、各目標位置には、車両1の姿勢情報(進行方向)が対応づけられる。また、各目標位置に、車速、加速度、ヨーレート、横G、操舵角、操舵角速度、操舵角加速度などの目標値情報が対応づけられていてもよい。なお、上述の目標位置、目標車速、目標ヨーレートおよび目標軌道は、車両1の目標走行状態を示す情報である。
<偏差取得部>
偏差取得部42は、目標走行状態設定部118で設定される車両1の目標走行状態と、走行状態取得部14で取得される車両1の実走行状態とに基づいて、車両1の目標走行状態に対する実走行状態の偏差を取得する機能を果たす。
<補正部>
補正部44は、偏差取得部42によって取得される偏差に応じて車両1の目標走行状態を補正する機能を果たすものである。
(走行制御部)
走行制御部120は、車両1の走行を制御する機能を果たすものであって、加減速指令部56と、操舵指令部57と、駆動力配分指令部58および制動力配分指令部59を備えており、車両1の走行状態を、目標走行状態設定部118によって設定された車両1の目標走行状態または補正部44によって設定された新たな目標走行状態に一致或いは近づけるように走行制御の指令値を出力する。
<加減速指令部>
加減速指令部56は、車両1の走行制御のうち、加減速制御を行うように構成されている。具体的には、加減速指令部56は、目標走行状態設定部118または補正部44によって設定された目標走行状態(目標加減速度)と実走行状態(実加減速度)とに基づいて、車両1の走行状態を目標走行状態に一致させるための加減速度指令値を演算する。
<操舵指令部>
操舵指令部57は、車両1の走行制御のうち、操舵制御を行うように構成されている。具体的には、操舵指令部57は、目標走行状態設定部118または補正部44によって設定された目標走行状態と実走行状態とに基づいて、車両1の走行状態を目標走行状態に一致させるための操舵角速度指令値を演算する。
<駆動力配分指令部>
駆動力配分指令部58は、車両1の走行制御のうち、後輪WRL,WRR(図1参照)への駆動力配分制御を行うように構成されている。具体的には、駆動力配分指令部58は、走行状態取得部14に設けられた対地速度取得部28によって取得された車両1の左右の対地速度がほぼ等しくなる(両者の偏差がほぼ0となる)ための駆動力配分指令値を演算する。そして、この演算された駆動力配分指令値に基づいて左右のクラッチCL,CRへの油圧(作動油の流量)が制御されて、左右の後輪WRL,WRRへの駆動力配分が指令値に設定される。なお、これについての詳細は後述する。
<制動力配分指令部>
制動力配分指令部59は、車両1の走行制御のうち、前輪WFL,WFRおよび/または後輪WRL,WRR(図1参照)への制動力配分制御を行うように構成されている。具体的には、制動力配分指令部59は、走行状態取得部14に設けられた対地速度取得部28によって取得された車両1の左右の対地速度がほぼ等しくなる(両者の偏差がほぼ0となる)ための制動力配分指令値を演算する。そして、この演算された制動力配分指令値に基づいてブレーキ装置94へのブレーキ油圧が制御されて、左右の前輪WFL,WFRおよび/または後輪WRL,WRRへの制動力配分が指令値に設定される。なお、これについての詳細は後述する。
(記憶部)
記憶部140は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリなどで構成されており、これには地図情報142と、経路情報144および行動計画情報146が格納されている。なお、プロセッサが実行するプログラムは、予め記憶部140に格納されていてもよく、車載インターネット設備などを介して外部装置からダウンロードされてもよい。また、プログラムは、当該プログラムを格納した可般型記憶媒体が不図示のドライブ装置に装着されることによって、記憶部140にインストールされてもよい。
ここで、地図情報142は、例えば、経路情報取得部13が有するナビ地図よりも高精度な地図情報であり、車線の中央の情報あるいは車線の境界の情報などを含んでいる。より具体的には、地図情報142には、道路情報や交通規制情報、住所情報(住所・郵便番号)、施設情報、電話番号情報などが含まれる。道路情報には、高速道路、有料道路、国道、都道府県道といった道路の種別を表す情報や、道路の車線数、各斜線の幅員、道路の勾配、道路の位置(経度、緯度、高さを含む3次元座標)、車線のカーブの曲率、車線の合流および分岐ポイントの位置、道路に設けられた標識などの情報が含まれる。また、交通規制情報には、工事や交通事故、渋滞などによって車線が封鎖されているといった情報が含まれる。
次に、本発明に係る車両の走行制御装置とこれを用いた車両の走行制御方法について説明する。
[車両の走行制御装置]
本発明に係る車両の走行制御装置は、車両1の左右の対地速度V,V(図1参照)を検出する対地速度検出手段としてのレーザドップラ速度計5(図3参照)と、ドライバの車両1を直進させる意志の有無を判定する直進意志判定手段と、該直進意志判定手段によってドライバの車両1を直進させる意志が確認されると、前記レーザドップラ速度計5によって検出された左右の対地速度V,Vの偏差│V−V│が所定範囲(直進判定値)内に入るように(左右の対地速度V,Vがほぼ等しくなるように(V≒V))左右の駆動輪(本実施の形態では、左右の後輪WRL,WRR(図1参照))への駆動力配分または前輪WFL,WFRおよび/または後輪WRL,WRRへのブレーキ装置94による制動力配分を制御する制御手段としての車両制御装置100を含んで構成されている。
ここで、前記レーザドップラ速度計5を用いて車両1の左右の対地速度V,Vを検出する原理を図3に基づいて説明する。
すなわち、図3はレーザドップラ速度計を用いて車両の対地速度を検出するためのシステム構成図であり、レーザドップラ速度計5(図3には1つのみ図示)は、車両1の左右にそれぞれ配置されている。そして、各レーザドップラ速度計5には、増幅器6と周波数検出器7および車速算出手段8が順次接続されている。なお、増幅器6は、オペアンプなどによって構成され、周波数検出器7は、例えば、A/Dコンバータ、デジタルカウンタなどによって構成されている。また、車速算出手段8は、例えばマイクロコンピュータなどで構成されている。
上記構成において、各レーザドップラ速度計5から路面に対して斜めに出射するレーザ光は、路面で反射し、その反射光がレーザドップラ速度計5によって受光される。ここで、反射光には、ドップラ効果によって対地速度V,Vの影響を受けた周波数の成分が含まれており、この反射光がレーザドップラ速度計5の不図示のレーザダイオードによって受光されると、該レーザダイオードからはドップラ周波数の鋸歯状波信号が出力される。
そして、レーザダイオードから出力される鋸歯状波信号は、増幅器6によって増幅されて周波数検出器7へと送信され、該周波数検出器7においてデジタル化され、そのパルス数がカウントされる。このカウントされたパルス数がドップラ周波数のデータとして車速算出手段8へと出力されると、該車速算出手段8は、記憶しているプログラムに従って、ドップラ周波数のデータから対地速度V,Vを算出する。
ドライバの車両1を直進させる意志の有無を判定する直進意志判定手段は、図2に示すステアリング装置92と、該ステアリング装置92によるステアリングホイール74の操舵角を検出するステアリング操舵角センサ75と、該ステアリング操舵角センサ75によって検出された操舵角が微小な直進規定値未満であるか否かを判定する車両制御装置100によって構成されている。
[車両の走行制御方法]
次に、以上説明した走行制御装置を用いて実施される車両1の走行制御方法について説明する。
本発明に係る車両1の走行制御方法は、車両1の左右の対地速度V,Vを検出し、ドライバの車両を直進させる意志が確認されると、検出された左右の対地速度V,Vの偏差│V−V│が所定範囲内に入るように左右の後輪WRL,WRRへの駆動力配分または左右の前輪WFL,WFR及び/または後輪WRL,WRRへの制動力配分を制御することを特徴とするものであって、その詳細を図4に基づいて以下に説明する。なお、以下においては、図1に示す車両1の運転モードが手動運転モードに設定されているものとして説明する。この手動運転モードにおいては、ステアリングホイール74による操舵操作は、ドライバによってなされる。
図4は本発明に係る車両の走行制御方法の手順を示すフローチャートであり、同図に示すように、制御が開始されると(ステップS1)、図2に示すステアリング操舵角センサ75によって検出されるステアリングホイール74の操舵角(図4には「EPS舵角」と表示)が微小な所定の直進規定値未満であるか否か、つまり、ドライバが車両1を直進させる意思があるか否かが判定される(ステップS2)。操舵角(EPS舵角)が直進規定値未満である場合(ステップS2:Yes)には、ドライバによるステアリン操作は殆ど行われないためにドライバが車両1を直進させる意思があるものと判定される。
上述のようにドライバが車両1を直進させる意思があるものと判定されると、図3に示すレーザドップラ速度計5によって検出された車両1の左右の対地速度V,Vの偏差│V−V│が所定の直進判定値未満であるか否かが判定される(ステップS3)。ここで、直進判定値は、0に近い微小な値であり、対地速度V,Vの偏差│V−V│がこの微小な直進判定値未満である場合(ステップS3:Yes)には、左右の対地速度V,Vはほぼ同じであるため(V≒V)、車両1は直進しているものと判断されて何ら制御はなされない(ステップS7)。また、ステップS2での判定において、ステアリング操舵角センサ75によって検出される操舵角(EPS舵角)が直進規定値以上であるとき(ステップS2:No)には、ドライバによって車両1は旋回操舵されているものと判断され、何ら制御はなされない(ステップS7)。なお、車両1の走行中は、左右の対地速度V,Vは、レーザドップラ速度計5によって常時検出されている。
他方、車両1の左右の対地速度V,Vの偏差│V−V│が直進判定値以上である場合(ステップS3:No)には、車両1が直進走行から外れて軌道ずれを発生しているものと判断され、以下の直進制御がなされる。この直進制御においては、左右の対地速度V,Vの偏差│V−V│が所定範囲(直進判定値)内に入るように(左右の対地速度V,Vがほぼ等しくなるように(V≒V))左右の駆動輪(本実施の形態では、左右の後輪WRL,WRR(図1参照))への駆動力配分または前輪WFL,WFRおよび/または後輪WRL,WRRへのブレーキ装置94による制動力配分が制御される。
すなわち、車両1の左右の対地速度V,Vの偏差│V−V│が直進判定値以上の大きな値を示す場合(ステップS3:No)には、左側の対地速度Vが右側の対地速度Vよりも大きいか否か(V>V?)が判定される(ステップS4)。この判定の結果、左側の対地速度Vが右側の対地速度Vよりも大きい場合(ステップS4:Yes)には、対地速度が遅い側の右側の後輪WRRへの駆動力が増加するような駆動力配分制御がなされる(ステップS5)。具体的には、図2に示す走行制御部120に設けられた駆動力配分指令部58から図1に示す左右のクラッチCL,CRに対して駆動力配分制御信号が出力され、右側のクラッチCRへの供給油圧(作動油の流量)が左側のクラッチCLへの供給油圧(作動油の流量)よりも高められる。この結果、右側の対地速度Vが上昇して左側の対地速度Vとほぼ同等となり(V≒V)、これによって車両1の直進走行性が高められる。
あるいは、左側の対地速度Vが右側の対地速度Vよりも大きい場合(ステップS4:Yes)には、対地速度が遅い側の右側の前輪WFRおよび/または後輪WRRへの制動力が減少するような制動力配分制御がなされる(ステップS5)。具体的には、図2に示す走行制御部120に設けられた制動力配分指令部59から図1に示すブレーキ装置94に対して制動力配分制御信号が出力され、右側のブレーキ装置94への供給油圧が左側のブレーキ装置94への供給油圧よりも下げられる。この結果、右側の対地速度Vが上昇して左側の対地速度Vとほぼ同等となり(V≒V)、これによって車両1の直進走行性が高められる。
他方、ステップS4での判定の結果、左側の対地速度Vが右側の対地速度Vよりも小さい場合(ステップS4:No)には、対地速度が遅い側の左側の後輪WFLへの駆動力が増加するような動力配分制御がなされる(ステップS6)。具体的には、図2に示す走行制御部120に設けられた駆動力配分指令部58から図1に示す左右のクラッチCL,CRに対して駆動力配分制御信号が出力され、左側のクラッチCLへの供給油圧(作動油の流量)が右側のクラッチCRへの供給油圧(作動油の流量)よりも高められる。この結果、左側の対地速度Vが上昇して右側の対地速度Vとほぼ同等となり(V≒V)、これによって車両1の直進走行性が高められる。
あるいは、右側の対地速度Vが左側の対地速度Vよりも大きい場合(ステップS4:No)には、対地速度が速い側の左側の前輪WFLおよび/または後輪WRLへの制動力が減少するような制動力配分制御がなされる。具体的には、図2に示す走行制御部120に設けられた制動力配分指令部59から図1に示すブレーキ装置94に対して制動力配分制御信号が出力され、左側のブレーキ装置94への供給油圧が右側のブレーキ装置94への供給油圧よりも下げられる。この結果、左側の対地速度Vが上昇して右側の対地速度Vとほぼ同等となり(V≒V)、これによって車両1の直進走行性が高められる。
以上のように、本発明によれば、車両1の左右の対地速度V,Vを検出し、ドライバの車両1を直進させる意志が確認されると、検出された左右の対地速度V,Vの偏差│V−V│が所定範囲内に入るように左右の駆動輪である後輪WRL,WRRへの駆動力配分または左右の前輪WFL,WFRおよび/または後輪WRL,WRRへの制動力配分を制御するようにしたため、車両1を自動で直進走行させることができ、例えば、車両1が横風を受けたときや、片輪のみが轍にはまったような場合には特に有効である。
なお、以上は本発明をエンジンを駆動源とする車両の走行制御方法と走行制御装置について説明したが、本発明は、電動機を駆動源とする電気自動車や、エンジンと電動機を駆動源とするハイブリッド自動車の走行制御方法と走行制御装置に対しても同様に適用可能である。また、上記実施形態では、ドライバの車両を直進させる意志があると判断した場合に駆動力配分又は制動力配分の制御によって車両を直進させる制御を行う場合を説明したが、これ以外にも、本発明にかかる駆動力配分又は制動力配分の制御によって車両を直進させる制御は、車両の操舵又は駆動力を自動的に制御する自動運転制御の実施中に実行することもできる。またその場合には、自動運転制御において車両を直進させる旨の指令が出されたことを条件に当該車両を直進させる制御を行うことが可能である。
その他、本発明は、以上説明した実施の形態に適用が限定されるものではなく、特許請求の範囲および明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内で種々の変形が可能である。
1 車両
5 レーザドップラ速度計
28 対地速度取得部
58 駆動力配分指令部
59 制動力配分指令部
74 ステアリングホイール
75 ステアリング操舵角センサ
92 ステアリング装置
94 ブレーキ装置
100 制御装置(制御手段)
CL,CR クラッチ
,V 対地速度
WFL,WFR 前輪
WRL,WRR 後輪(駆動輪)

Claims (10)

  1. 車両の左右の対地速度を検出し、ドライバの前記車両を直進させる意志又は前記車両の制御に基づいて該車両を直進させる旨の指令が確認されると、検出された左右の前記対地速度の偏差が所定範囲内に入るように左右の駆動輪への駆動力配分または左右の車輪への制動力配分を制御することを特徴とする車両の走行制御方法。
  2. 検出された前記対地速度が遅い側の駆動輪の駆動力が他側の駆動輪の駆動力よりも大きくなるよう駆動力配分を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両の走行制御方法。
  3. 検出された前記対地速度が遅い側の車輪の制動力が他側の車輪の制動力よりも小さくなるよう制動力配分を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両の走行制御方法。
  4. ドライバの前記車両を直進させる意志の確認は、ステアリングホイールの操舵角が直進規定値未満であることによってなされることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車両の走行制御方法。
  5. 車両の左右の対地速度を検出する対地速度検出手段と、
    ドライバの前記車両を直進させる意志又は前記車両の制御に基づいて該車両を直進させる旨の指令の有無を判定する直進判定手段と、
    該直進判定手段によってドライバの前記車両を直進させる意志又は前記車両の制御に基づいて該車両を直進させる旨の指令が確認されると、前記対地速度検出手段によって検出された左右の前記対地速度の偏差が所定範囲内に入るように左右の駆動輪への駆動力配分または左右の車輪への制動力配分を制御する直進走行制御を行う制御手段と、
    を備えることを特徴とする車両の走行制御装置。
  6. 前記対地速度検出手段は、レーザドップラ速度計を含んで構成されることを特徴とする請求項5に記載の車両の走行制御装置。
  7. 前記直進意志判定手段は、ステアリング装置と、該ステアリング装置によるステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角センサを含んで構成されることを特徴とする請求項5または6に記載の車両の走行制御装置。
  8. 前記制御手段は、左右の前記駆動輪への駆動力を配分するクラッチへの供給油圧を制御するよう構成されていることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の車両の走行制御装置。
  9. 前記制御手段は、左右の前記車輪に設けられたブレーキ装置への供給油圧を制御するよう構成されていることを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の車両の走行制御装置。
  10. 前記制御手段は、前記車両の少なくとも加減速を自動的に制御する自動運転制御を行う自動運転制御部を有し、
    前記制御手段による前記直進走行制御は、前記自動運転制御部による前記自動運転制御の実施中に行われる
    ことを特徴とする請求項5〜9のいずれかに記載の車両の走行制御装置。
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