JP2003251222A - 立方晶窒化ホウ素の製造方法 - Google Patents
立方晶窒化ホウ素の製造方法Info
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Abstract
Nを分離回収する際の、強アルカリ薬品の使用量を減少
させ、作業上の危険性、中和作業等の労力を低減する。 【解決手段】高圧法による合成塊をアルカリ溶液を用い
て溶解処理し、cBNを回収する工程の前に、合成塊を
平均径で20mm以下に粉砕し、浮遊選鉱処理を用いて
合成塊中の低圧相窒化ホウ素の立方晶窒化ホウ素に対す
る比率を50質量%以下に低減する。この際、浮遊選鉱
処理剤として、灯油、ケロシン、タールクレオソート、
オレイン酸ナトリウムから選ばれた何れか1種以上、お
よび、パイン油、しょうのう、MIBC(メチルイソブ
チルカルビノール)、針葉樹油、クレシール酸、クレオ
ソート油、ユーカリ樹油、フロトール油から選ばれた何
れか1種類以上を用いる。
Description
窒化ホウ素(cBN)の製造方法に関し、更に詳しく
は、高圧法で製造したcBNを含む合成塊からcBNを
分離回収する方法に関する。
含む混合物を、cBNの熱力学的に安定である圧力と温
度条件下に保持することによって、cBNを含む合成塊
を製造する方法は、例えば特公昭58−84106号公
報や米国登録公報2,947,617に開示されてい
る。
アルカリ金属やアルカリ土類金属及び同元素を含む化合
物の粉末や塊とを混合したものを原料にし、これらの原
料を、主に黒鉛を部材としたヒーターに詰め、更にこれ
をパイロフィライトを部材としたカプセルに挿入し、こ
の原料をcBNの熱力学的に安定である圧力と温度条件
下に保持することによってcBNを含む合成塊を製造す
る。
成塊は、合成されたcBN以外に、低圧相窒化ホウ素
(残存した未反応hBN、pBN、rBN及び再結晶化
したhBN。)、触媒、黒鉛部材、パイロフィライト等
を含んでいる。そのためcBNを製造するためには、こ
の合成塊からcBNのみを分離回収する必要がある。
収する方法として次の方法が用いられている。
解するため、粉砕した合金塊を水でデカンテーションす
ることにより分離できる。なおデカンテーションとは水
を加えて攪拌した後、静置沈降させその上水を除く操作
を一回以上繰り返す操作をいう。
イロフェライトとcBNとの分離は、例えば、特公昭4
9−27757号公報に記載されているように、合成塊
を5mm以下に粉砕した後、苛性ソーダと少量の水を加
え、300℃位で加熱することで、低圧相窒化ホウ素を
苛性ソーダに溶解させ行うことができる。
の混合液で溶解し分離除去する。なお、パイロフェライ
トは合成後大きな塊で大部分が存在する場合が多く、ピ
ンセット等を用いて手作業で除去することも可能であ
る。
分離回収する方法は、低圧相窒化ホウ素、パイロフェラ
イト、黒鉛部材の除去に強酸薬品や強アルカリ薬品を多
量に使用するため、作業上の危険性が高く、且つ廃水処
理にも中和作業等の労力並びに設備が必要となってい
た。特に、強アルカリ薬品はその使用量が多く、作業上
の危険性、中和作業等の労力が大きかった。また、合成
塊中に残存した低圧相窒化ホウ素を溶解除去する為、残
存した低圧相窒化ホウ素をリサイクルできないという問
題点があった。
を解決すべく鋭意努力検討した結果、以下の方法を用い
ることにより、高圧法で製造した合成塊からcBNを分
離回収する際の強アルカリ薬品の使用量を減少させ、作
業上の危険性、中和作業等の労力を低減し、残存した低
圧相窒化ホウ素のリサイクルできる量を高めることが可
能となることを見出し本発明を完成させた。すなわち本
発明は以下に関する。
合物を、立方晶窒化ホウ素の熱力学的に安定である圧力
と温度条件下に保持することによって、立方晶窒化ホウ
素を含む合成塊を製造し、該合成塊をアルカリ溶液を用
いて溶解処理し立方晶窒化ホウ素を回収する立方晶窒化
ホウ素の製造方法において、前記溶解処理の前に、合成
塊中の低圧相窒化ホウ素の立方晶窒化ホウ素に対する比
率を、50質量%以下に低減する工程を含むことを特徴
とする立方晶窒化ホウ素の製造方法。
晶窒化ホウ素に対する比率を、30質量%以下に低減す
ることを特徴とする(1)に記載の立方晶窒化ホウ素の
製造方法。
晶窒化ホウ素に対する比率を低減する工程を、浮遊選鉱
処理を用いて行うことを特徴とする(1)または(2)
に記載の立方晶窒化ホウ素の製造方法。
径で20mm以下に粉砕することを特徴とする(3)に
記載の立方晶窒化ホウ素の製造方法。
径で5mm以下に粉砕することを特徴とする(3)に記
載の立方晶窒化ホウ素の製造方法。
選鉱処理剤とを加えて攪拌後、浮遊選鉱処理を行うこと
を特徴とする(3)〜(5)の何れか1項に記載の立方
晶窒化ホウ素の製造方法。
(6)に記載の立方晶窒化ホウ素の製造方法。
シン、タールクレオソート、オレイン酸ナトリウムから
選ばれた何れか1種以上、および、パイン油、しょうの
う、MIBC(メチルイソブチルカルビノール)、針葉
樹油、クレシール酸、クレオソート油、ユーカリ樹油、
フロトール油から選ばれた何れか1種類以上を用いるこ
とを特徴とする(6)または(7)に記載の立方晶窒化
ホウ素の製造方法。
に溶かしてスラリー化し、該スラリーに酸を加えてpH
を1以下に調整し、その後、浮遊選鉱処理剤として、脂
肪酸、樹脂酸及びこれらのアルカリ塩類から選ばれた何
れか1種以上、および、パイン油、しょうのう、MIB
C(メチルイソブチルカルビノール)、針葉樹油、クレ
シール酸、クレオソート油、ユーカリ樹油、フロトール
油から選ばれた何れか1種以上を添加して浮遊選鉱処理
を行うことを特徴とする(6)または(7)に記載の立
方晶窒化ホウ素の製造方法。
を用いることを特徴とする(9)に記載の立方晶窒化ホ
ウ素の製造方法。
水を用いることを特徴とする(9)または(10)に記
載の立方晶窒化ホウ素の製造方法。
下に調整した後、該スラリーを静置して合成物を沈降さ
せ、その上水を除いた後、再度酸を加えてpHを1以下
に調製し、その後、浮遊選鉱処理を行うことを特徴とす
る(9)〜(11)の何れか1項に記載の立方晶窒化ホ
ウ素の製造方法。
は、hBNと触媒とを含む混合物を、cBNの熱力学的
に安定である圧力と温度条件下に保持することによっ
て、cBNを含む合成塊を製造し、該合成塊をアルカリ
溶液またはアルカリ融液を用いて溶解処理しcBNを回
収するcBNの製造方法において、前記溶解処理の前
に、合成塊中の低圧相窒化ホウ素のcBNに対する比率
を、50質量%以下に低減する工程を含むことを特徴と
する。
hBNを使用できる。しかし、酸化ホウ素等の形で混入
する酸素不純物は、hBNからcBNへの変換を遅らせ
ることがあるため、酸素量の少ないhBNを用いるのが
好ましい。すなわち酸素含有量が1%以下のhBN粉末
を用いるのが好ましい。また、hBNの粒径について
は、最大粒径が100μm以下であることが好ましい。
粒径が大きすぎるとhBNと触媒物質との反応性が低下
し、cBNへの変換率が低下するため好ましくない。
媒は特に限定されず、既知の触媒は全て使用できる。例
をあげると、アルカリ金属(Li等)と、これらの窒化
物(Li3N等)及びホウ窒化物(Li3BN2等)、ア
ルカリ土類金属(Ca,Mg,Sr,Ba等)と、これ
らの窒化物(Ca3N2、Mg3N2、Sr3N2、Ba3N2
等)及びホウ窒化物(Ca3B2N4、Mg3B2N4、Sr
3B2N4、Ba3B2N 4等)、アルカリ金属とアルカリ土
類金属の複合ホウ窒化物(LiCaBN2、LiBaB
N2等)を用いることができる。触媒の粒度は特に限定
されないが150メッシュ(100μm)以下が好まし
い。触媒の粒度が大きすぎるとhBNとの反応性が低下
する可能性があるからである。
BN100質量部に対し、触媒物質として5〜50質量
部の範囲内で混合するのが好ましい。
は、これらの粉末を混合する方法があるが、反応容器中
にhBN層と触媒物質層を交互に積層するように配置し
ても良い。
後、あるいはそれぞれ別々に、1〜2トン/cm
2(9.8×107Pa〜19.6×107Pa)程度の
圧力で成形してから反応容器に充填することが好まし
い。この様にすることにより、原料粉末の取り扱い性が
向上すると共に、反応容器内での収縮量が減少し、cB
N砥粒の生産性が向上する効果がある。
との成形体または積層体に前もってcBNを種結晶とし
て添加し、これを核としてcBNの結晶成長を促進させ
る方法を用いてもかまわない。この場合、cBNの種結
晶表面に上記触媒物質を被覆しても良い。
を、反応容器中に充填し、周知の高温高圧発生装置に装
填し、cBNの熱力学的安定領域内の温度圧力条件下に
保持する。この熱力学的安定領域については、O.Fu
kunaga,DiamondRelat. Mate
r.,9(2000),7−12に示されており、一般
的には約4GPa〜約6GPa、約1400℃〜約16
00℃の範囲内であり、また保持時間は一般的には約1
秒〜約6時間程度である。
ることにより、hBNはcBNに変換され、一般的には
hBN、cBNおよび触媒物質等からなる合成塊が得ら
れる。
砕され、加熱した強アルカリ溶液により溶解し、これを
冷却後、酸で洗浄、水洗後、ろ過することにより立方晶
窒化ホウ素砥粒を回収する。本発明ではこの溶解処理の
前に、合成塊中の低圧相窒化ホウ素のcBNに対する比
率を、50質量%以下、より好ましくは30質量%以下
に低減する。なお、合成塊中の低圧相窒化ホウ素のcB
Nに対する比率は低ければ低いほど好ましい。
のcBNに対する比率を以下の手順で算出する。 (1)合成塊を平均径20mm以下に解砕する。 (2)圧力部材のパイロフェライトをピンセットで除去
する。 (3)解砕粉150gを水1000ccと混合後、混合
液を沸騰させながら180分間攪拌する。この操作で主
に触媒が水に溶解する。 (4)未溶解物を分離、洗浄、乾燥後、100gを秤量
し、これに苛性ソーダ200g、水20gを加え、30
0℃に加熱しながら60分間攪拌する。この操作で主に
低圧相窒化ホウ素が溶解する。 (5)未溶解物を分離、乾燥後、硫酸500g、硝酸1
50gの混合溶液に加え、90分間加熱する。この操作
で主に黒鉛が溶解する。 (6)未溶解物を分離、洗浄、乾燥後、秤量する。この
秤量物がcBNであり、(4)での溶解操作前後での減
少量を低圧相窒化ホウ素として、合成塊中の低圧相窒化
ホウ素のcBNに対する比率を算出する。
のcBNに対する比率を、50質量%以下に低減する方
法としては、公知の化学的分離方法、物理的分離方法を
用いることができる。具体的には、比重分離方法、乾式
浮遊選鉱方法、湿式浮遊選鉱方法が例示できる。また乾
式浮遊選考方法としては風力を用いた浮遊選考方法を、
湿式浮遊選考方法としては、泡沫浮遊選鉱方法、表面張
力を用いた浮遊選考方法、多油を用いた浮遊選考方法を
例示できる。本発明では、この中で特に、比重分離方
法、泡沫浮遊選鉱処理を用いるのが好ましい。
低圧相窒化ホウ素として多く含まれるhBNの比重は
2.34(単位は、g/cm3。以下同じ。)であり、
cBNの比重は3.48である為、比重が2.34と
3.48の間の重液を比重分離液として用いることがで
きる。そのような比重分離液としては、臭化メチレン
(比重2.49)、蟻酸タリュウム、マロン酸タリュウ
ム等を用いることができる。
る。
は平均粒径5mm以下に粉砕する。この際あまり細かく
粉砕するとcBNが粉砕されてしまうため注意する必要
がある。次ぎに粉砕した合成塊を浮遊選鉱できるよう
に、cBNと低圧相窒化ホウ素がお互いに分かれたスラ
リー化された状態にする。この為に、例えばステンレス
製の容器に粉砕した合成塊及び水とアルカリで働く分散
剤を加え攪拌する。この際、水の代わりに温水を用い
て、また攪拌の際に加温すると浮遊選鉱処理の際の分離
率を高めることができる。温水の温度は、50℃〜11
0℃が好ましい。なお攪拌の際にアンモニアガスが発生
するので作業環境上、スクラバー等へ排気する必要があ
る。
は、耐アルカリ手袋やゴーグル等の保護具を着用する必
要がある。この際の攪拌は、cBNと低圧相窒化ホウ素
が分離する程度で良く、スラリー化を進めすぎると低圧
相窒化ホウ素が完全にほぐれ微細になり、浮選工程で発
生するフロス(浮上した泡)の体積が大きくなって実際
の作業面で扱い難くなる。
せスラリーを静置沈降させた場合、沈殿層の上面付近の
層は、殆どcBNを含まないhBNであるので、この部
分だけ吸引ホース等で予め分離しておき、その下のある
程度cBNを含むhBNの部分から浮遊選鉱に掛けても
よい。
の部分はそのまま次工程のアルカリ溶解処理にかけても
よい。
上させて、cBNと低圧相窒化ホウ素を分離する場合に
ついてまず説明する。
ホウ素を気泡に付着させる働きのある捕集剤と、気泡が
発生しやすくする働きの起泡剤とを加え攪拌を行う。こ
の際、スラリー濃度は30質量%以下とする。スラリー
濃度が30質量%よりも高いとcBNと低圧相窒化ホウ
素との分離率が悪くなる。
生するとcBNと低圧相窒化ホウ素の分離率が悪くなる
ので、特に方法は限定しないが、渦流を押さえる邪魔板
(スタビライザー)を容器内に設置する等の渦流防止策
を講ずるのが好ましい。
ン、タールクレオソート、オレイン酸ナトリウムから選
ばれた何れか1種以上、起泡剤として、パイン油、しょ
うのう、MIBC(メチルイソブチルカルビノール:
(CH3)2CHCH2CH(OH)CH3)、針葉樹油、
クレシール酸、クレオソート油、ユーカリ樹油、フロト
ール油から選ばれた何れか1種類以上を用いるのが好ま
しい。
の表面に捕集剤を吸着させた後、下方から気泡を発生さ
せる。気泡を発生させる方法は色々あるが、必要な量の
気泡と分離に適した大きさの気泡を発生させるのが好ま
しい。
上)でまず浮遊選鉱による粗分離を行い、残液を再度、
低濃度(10質量%以下)の状態で浮遊選鉱により分離
することで、フロスに付着したhBNを高い分離率で分
けることができる。
か、複数の槽をもった装置で連続的に分離操作を行いc
BNの回収率を向上させることが好ましい。
泡剤、温水を分離操作中に適宜追加することも好まし
い。
を分離後、浮選装置の容器の底に残ったcBNを多く含
む合成物を回収して、残存する低圧相窒化ホウ素を次工
程の、強アルカリ等の薬品を用いた溶解処理工程にかけ
る。本発明により、合成塊中の特に低圧相窒化ホウ素の
比率を飛躍的に低減することができるので、溶解処理工
程でのアルカリ薬品の使用量を大幅に低減することが可
能となった。
させる場合は、例えば以下の手順による。
以下、好ましくは平均粒径5mm以下に粉砕後、粉砕し
た合成塊を浮遊選鉱できるように、cBNと低圧相窒化
ホウ素がお互いに分かれたスラリー化された状態にす
る。
調整し、その後、浮遊選鉱処理を行う。なおスラリーに
酸を加えてpHを1以下に調整した後、該スラリーを静
置して合成物を沈降させ、その上水を除いた後、再度酸
を加えてpHを1以下に調製し、その後、浮遊選鉱処理
を行うと、浮遊選鉱時の分離率をより高めることができ
る。
剤としては、脂肪酸、樹脂酸及びこれらのアルカリ塩類
から選ばれた何れか1種以上、起泡剤としては、パイン
油、しょうのう、MIBC(メチルイソブチルカルビノ
ール:(CH3)2CHCH2CH(OH)CH3)、針葉
樹油、クレシール酸、クレオソート油、ユーカリ樹油、
フロトール油から選ばれた何れか1種以上を添加して浮
遊選鉱処理を行うことが好ましい。また、脂肪酸とし
て、C12〜C20の脂肪酸、例えば、ラウリン酸、ミ
リスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン
酸、リノリン酸、リノレイン酸を用いるのが好ましい。
常のアルカリ溶解処理を行い、cBNを回収することが
できる。すなわち、浮遊選鉱後のスラリーに、苛性ソー
ダと少量の水を加え、300℃程度に加熱し、低圧相窒
化ホウ素等を選択的に溶解させる。これを冷却後、酸で
洗浄、水洗後、ろ過することによりcBNを単離精製す
る。
本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
HP−1、平均粒径8〜10ミクロン、純度98%)1
00質量部に対してcBN合成触媒LiCaBN2を1
5質量部、種結晶としてcBN粒を0.5質量部添加
し、試料を成形した。試料の成形密度は1.92g/c
m3であった。成形した試料を反応容器に充填し高温高
圧発生装置に装填して、5GPa、1500℃で15分
間保持し合成を行った。合成後、合成塊を装置から取り
出し、合成塊を平均粒径5mmに解砕した。
ろ、hBN40質量%、cBN41質量%、触媒15質
量%、その他、黒鉛とパイロフェライト4質量%であっ
た。cBNの質量に対する低圧相窒化ホウ素の質量の比
率は98質量%であった。
ズ530)を水にて3倍に希釈した液1リットルと温水
とを添加し、全体で60リットルにした。これを約90
℃に加温しながら900分間攪拌することでスラリー化
を行った。
た。浮遊選鉱装置の模式図を図1に示す。浮遊選鉱装置
には、内径φ47cm、高さ60cmで注ぎ口1を有す
る有効容積70リットルのステンレス製の容器2に、気
泡を発生させる為、ダイセン・メンブレン・システムズ
(株)製造のポリメチルメタアクリレート製の空孔径5
0μmの散気筒3(型式:M−58)を2本を底部に持
ち、100Wの可変タイプの攪拌機4を有するものを用
いた。なお、散気筒3にはゲージ圧力3kgf/cm2
(相対圧力2.94×105Pa)、流量70リットル
/分で空気を送れるようにパイプ5で110Wのポンプ
に繋がれている。
にオレイン酸ナトリウム4gを添加し5分間攪拌した
後、灯油を200ミリリットル添加し更に5分間攪拌し
た後に、再度オレイン酸ナトリウムを4g添加し5分間
攪拌した。その後、エアーを送り約1時間浮遊選鉱を実
施した。
した物。)量は4.7kgでその内訳は、hBN4.4
kg、cBN0.15kg、黒鉛とパイロフィライト
0.15kgであった。
ル(気泡に付着せずに槽内に残った部分。)量は、8.
1kgでありその内訳は、hBN1.6kg、cBN
6.0kg、黒鉛とパイロフィライト0.5kgであっ
た。
圧相窒化ホウ素の質量の比率は26質量%であった。こ
のテールの部分はこの後、苛性ソーダ4kgと少量の水
0.4リットルを加えて、ステンレスの容器中で300
℃で加熱され、その後水で5回デカンテーションするこ
とでhBNを完全に除去したcBNを回収できた。
性ソーダが10kg必要なのに対して、本発明の浮遊選
鉱処理を用いることにより、その半分以下の4kgの苛
性ソーダで残存hBNを分解できた。またhBNの残存
量が減ることで、分解によって発生するアンモニアガス
が低減され、反応中に苛性ソーダの融液が吹きこぼれる
事も無くなり、反応容器により多くの量を仕込むことが
できるようになる為、生産性の向上にも貢献した。さら
に浮遊選鉱処理で分離されたhBNのリサイクル使用も
可能となった。
した5mm以下に粉砕した混合物(内容は、hBN40
質量%、cBN41質量%、黒鉛とパイロフィライト4
質量%、触媒15質量%。cBNの質量に対する低圧相
窒化ホウ素の質量の比率は98質量%。)52kgを、
200リットルのステンレス製容器に入れ、これに温水
150リットルと水で3倍に希釈した花王製分散剤(ポ
イズ530)を2リットル加えて、約90℃に加熱しな
がら900分間攪拌することでスラリー化した。
ことでスラリーを沈降させたところ、沈殿物の上面付近
の層は、cBNを僅かしか含まないhBN等であたの
で、あらかじめこの部分のみ吸引ホースを使って分離
し、その下のcBNの含有量が高い部分だけ浮遊選鉱処
理を行った。
内hBNが6.8kg、黒鉛とパイロフィライトが0.
5kgであった。
の部分を3つの浮遊選鉱槽からなる浮遊選鉱装置に掛け
た。浮遊選鉱処理に用いたスラリーの、cBNの質量に
対する低圧相窒化ホウ素の質量の比率は95質量%であ
った。用いた浮遊選鉱装置の模式図を図2に示す。
6に上記スラリーを移送した後、捕集剤として200ミ
リリットルの灯油と起泡剤としてMIBC20ミリリッ
トルを加え攪拌機9にて5分間攪拌した。その後、底部
に設置した散気筒12から気泡を発生させ浮遊選鉱を開
始した。第1浮遊選鉱槽6で浮上したhBNを多く含む
フロスは、その中に巻き込まれたcBNを回収する為、
回転式パドル15にて第2浮遊選鉱槽7に移されて再度
浮遊選鉱処理され、更に同様の操作で第3浮遊選鉱層8
にて浮遊選鉱処理を行い、フロス中に巻きこまれたcB
Nを分離した。
内訳は、hBN8.9kg、cBN0.04kg、黒鉛
とパイロフィライトが1.06kgであった。スラリー
化に使用した容器の底部及び、浮遊選鉱機の3槽の底部
から回収したテール部分は、cBNが21.1kg、h
BNは4.9kg、黒鉛とパイロフィライトが0.96
kgであり、cBN質量に対する低圧相窒化ホウ素の質
量の比率は23質量%であった。
を加えて、約300℃に加熱しその後、水で5回デカン
テーションすることで残存したhBNを完全に除去する
ことが出来た。本発明により通常75kgの苛性ソーダ
を使うところ50kgに低減できた。又、加熱中に溶融
した苛性ソーダが吹きこぼれるようなことも無く、安全
に処理を行うことができた。
粉砕し、粉砕粉の成分比率を調べたところ、hBN73
質量%、cBN4質量%、触媒14質量%、その他、黒
鉛とパイロフェライト9質量%であった。cBNの質量
に対する低圧相窒化ホウ素の質量の比率は1825質量
%であった。
イズ530)を水にて3倍に希釈した液1リットルと温
水を添加し、全体で60リットルにした。これを実施例
1と同様の方法でスラリー化した。
てpHを1に調整し、次ぎに水によるデカンテーション
を5回繰り返した後、再度塩酸を加えてpHを1に調整
した。
て浮遊選鉱処理を行った。スラリーを容器2内に入れ、
ドデシル硫酸ナトリウムを3g添加して攪拌機4にて5
分間攪拌した後に、散気筒3により空気を送ると、数分
で殆どのcBNが浮上した。浮上したcBNをすくい網
で回収することにより含有していたcBNの98質量%
を回収することが出来た。回収物の、cBN質量に対す
る低圧相窒化ホウ素の質量の比率は0.5質量%であっ
た。
より高圧法によるcBNを含む合成塊からcBNを分離
回収する際の、作業性が向上し低コストでcBNを製造
することが可能となった。特に、強アルカリ薬品の使用
量を飛躍的に低減でき、作業上の危険性、中和作業等の
労力が低下した。また、合成塊中に残存した低圧相窒化
ホウ素をリサイクルすることが可能となった。
を模式的に示す。
Claims (12)
- 【請求項1】六方晶窒化ホウ素と触媒とを含む混合物
を、立方晶窒化ホウ素の熱力学的に安定である圧力と温
度条件下に保持することによって、立方晶窒化ホウ素を
含む合成塊を製造し、該合成塊をアルカリ溶液を用いて
溶解処理し立方晶窒化ホウ素を回収する立方晶窒化ホウ
素の製造方法において、前記溶解処理の前に、合成塊中
の低圧相窒化ホウ素の立方晶窒化ホウ素に対する比率
を、50質量%以下に低減する工程を含むことを特徴と
する立方晶窒化ホウ素の製造方法。 - 【請求項2】合成塊中の低圧相窒化ホウ素の立方晶窒化
ホウ素に対する比率を、30質量%以下に低減すること
を特徴とする請求項1に記載の立方晶窒化ホウ素の製造
方法。 - 【請求項3】合成塊中の低圧相窒化ホウ素の立方晶窒化
ホウ素に対する比率を低減する工程を、浮遊選鉱処理を
用いて行うことを特徴とする請求項1または2に記載の
立方晶窒化ホウ素の製造方法。 - 【請求項4】浮遊選鉱処理の前に、合成塊を平均径で2
0mm以下に粉砕することを特徴とする請求項3に記載
の立方晶窒化ホウ素の製造方法。 - 【請求項5】浮遊選鉱処理の前に、合成塊を平均径で5
mm以下に粉砕することを特徴とする請求項3に記載の
立方晶窒化ホウ素の製造方法。 - 【請求項6】合成塊を粉砕し、粉砕物に水と浮遊選鉱処
理剤とを加えて攪拌後、浮遊選鉱処理を行うことを特徴
とする請求項3〜5の何れか1項に記載の立方晶窒化ホ
ウ素の製造方法。 - 【請求項7】水に温水を用いることを特徴とする請求項
6に記載の立方晶窒化ホウ素の製造方法。 - 【請求項8】浮遊選鉱処理剤として、灯油、ケロシン、
タールクレオソート、オレイン酸ナトリウムから選ばれ
た何れか1種以上、および、パイン油、しょうのう、M
IBC(メチルイソブチルカルビノール)、針葉樹油、
クレシール酸、クレオソート油、ユーカリ樹油、フロト
ール油から選ばれた何れか1種類以上を用いることを特
徴とする請求項6または7に記載の立方晶窒化ホウ素の
製造方法。 - 【請求項9】浮遊選鉱処理の前に、合成塊を溶剤に溶か
してスラリー化し、該スラリーに酸を加えてpHを1以
下に調整し、その後、浮遊選鉱処理剤として、脂肪酸、
樹脂酸及びこれらのアルカリ塩類から選ばれた何れか1
種以上、および、パイン油、しょうのう、MIBC(メ
チルイソブチルカルビノール)、針葉樹油、クレシール
酸、クレオソート油、ユーカリ樹油、フロトール油から
選ばれた何れか1種以上を添加して浮遊選鉱処理を行う
ことを特徴とする請求項6または7に記載の立方晶窒化
ホウ素の製造方法。 - 【請求項10】合成塊をスラリー化する溶剤に水を用い
ることを特徴とする請求項9に記載の立方晶窒化ホウ素
の製造方法。 - 【請求項11】合成塊をスラリー化する溶剤に温水を用
いることを特徴とする請求項9または10に記載の立方
晶窒化ホウ素の製造方法。 - 【請求項12】スラリーに酸を加えてpHを1以下に調
整した後、該スラリーを静置して合成物を沈降させ、そ
の上水を除いた後、再度酸を加えてpHを1以下に調製
し、その後、浮遊選鉱処理を行うことを特徴とする請求
項9〜11の何れか1項に記載の立方晶窒化ホウ素の製
造方法。
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