JP2003249652A - 炭化珪素半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

炭化珪素半導体装置及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】低オン抵抗の高耐圧電界効果トランジスタを提
供する。 【解決手段】N型SiC基板10上に形成され、該基
板10よりも低いドーパント濃度のN型SiCエピタ
キシャル領域20と、該エピタキシャル層20の表層部
の所定領域に形成されるN型ソース領域70と、エピ
タキシャル層20の表層部の所定領域に形成され、所定
深さを有する第一の溝30と、第一の溝30内にゲート
酸化膜40を介して充填されたゲート電極層50と、エ
ピタキシャル層20の表層部の所定領域に形成され、所
定深さを有する第二の溝31と、第二の溝31内に炭化
珪素のバンドギャップと異なるバンドギャップを有する
半導体材料を充填することにより形成されたヘテロ接合
半導体領域90と、N型ソース領域70に接触するソ
ース電極80と、ドレイン電極100と、ゲート電極層
50に電圧を印加するゲート電極を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化珪素半導体装
置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭化珪素(SiC)はバンドギャップが
広く、また、最大絶縁破壊電界がシリコン(Si)と比
較して一桁も大きい。さらに、SiCの自然酸化物はS
iOであり、Siと同様の方法により容易にSiCの
表面上に熱酸化膜を形成できる。このため、SiCは、
例えば電気自動車のための高速/高電圧スイッチング素
子、特に、高電力ユニ/バイポーラ素子として用いた際
に、非常に優れた材料となることが期待される。このよ
うな電力用半導体素子としては、一般的に、MOS構造
を有するパワーFET、とりわけ溝ゲート型MOSFE
T、プレーナ型MOSFETの2種類の構造が使用され
る。そして、溝ゲート型MOSFET構造は、プレーナ
型MOSFETよりも狭い表面積で低オン抵抗化でき、
高いチャネル密度とすることができる点で優れた特性を
有している。図8は、従来の溝ゲート型MOSFETの
構造を示す断面図であり、例えば特開2000−828
10号公報に開示されている。図8に示すように、高濃
度N型SiC半導体基板15上に、N型SiCから
なるエピタキシャル領域25及びP型SiCからなる
エピタキシャル領域140が積層されている。そして、
型エピタキシャル領域140の表層部における所定
領域には、N型ソース領域75が形成され、また、溝
39がエピタキシャル領域140を貫通して、N型エ
ピタキシャル領域25まで達するように形成されてい
る。溝39内には、ゲート絶縁膜45を介して多結晶シ
リコン層55が充填され、多結晶シリコン層55は、層
間膜67にて覆われている。ソース領域75に接するよ
うにソース電極85が形成されるとともに、N型Si
C基板15の裏面には、ドレイン電極105が形成され
ている。この溝ゲート型MOSFETの動作としては、
ドレイン電極105とソース電極85との間に電圧が印
加された状態で、ゲート電極層55に正の電圧が印加さ
れると、ゲート電極層55に対向するP型エピタキシ
ャル領域140の表層に反転型のチャネル領域が形成さ
れ、ドレイン電極105からソース電極85へと電流を
流すことが可能となる。また、ゲート電極層55に印加
された電圧を取り去ることによって、ドレイン電極10
5とソース電極85との間は電気的に絶縁され、スイッ
チング機能を示すことになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図8に
示すようなSiC溝ゲート型MOSFETでは、チャネ
ルが形成されるゲート絶縁膜45とエピタキシャル領域
140との界面に不完全な結晶構造、すなわち、多量の
界面準位が存在することが知られている(V. V.Afanase
v, M. Bassler, G. Pensl and M. Schulz, Phys. Stat.
Sol. (A) 162 (1997) 321.)。このため、ゲート電極
層55に電圧を印加して形成した反転型チャネル領域に
多量の界面準位が存在し、これらが電子トラップとして
働くため、チャネル移動度を大きくできず、結果的にS
iC溝ゲート型MOSFETのオン抵抗が高くなるとい
う問題があった。このように、従来例の構造では、酸化
膜/SiC界面に存在する多量の界面準位の影響でチャ
ネル抵抗が大きくなるという問題があった。本発明は、
上記のごとき従来技術の問題を解決するためになされた
ものであり、低オン抵抗の高耐圧電界効果トランジスタ
を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明においては特許請求の範囲に記載するような
構成をとる。すなわち、請求項1記載の炭化珪素半導体
装置は、炭化珪素半導体基板上に形成され、前記基板よ
りも低いドーパント濃度の第一導電型の半導体エピタキ
シャル層と、前記エピタキシャル層の表層部の所定領域
に形成される第一導電型のソース領域と、前記エピタキ
シャル層の表層部の所定領域に形成され、所定深さを有
する溝と、前記溝内にゲート絶縁膜を介して充填された
ゲート電極層と、前記エピタキシャル層の一主面上の所
定領域に、前記エピタキシャル層に接触するように、炭
化珪素のバンドギャップと異なるバンドギャップを有す
る半導体材料により形成されたヘテロ接合半導体領域
と、前記ソース領域に接触するソース電極と、ドレイン
電極と、前記ゲート電極層に電圧を印加するゲート電極
とを備えたことを特徴とする。また、請求項2記載の炭
化珪素半導体装置は、請求項1記載の炭化珪素半導体装
置において、前記ヘテロ接合半導体領域が、前記ゲート
電極に接続されていることを特徴とする。また、請求項
3記載の炭化珪素半導体装置は、炭化珪素半導体基板上
に形成され、前記基板よりも低いドーパント濃度の第一
導電型の半導体エピタキシャル層と、前記エピタキシャ
ル層の表層部の所定領域に形成される第一導電型のソー
ス領域と、前記エピタキシャル層の表層部の所定領域に
形成され、所定深さを有する第一の溝と、前記第一の溝
内にゲート絶縁膜を介して充填されたゲート電極層と、
前記エピタキシャル層の表層部の所定領域に形成され、
所定深さを有する第二の溝と、前記第二の溝内に炭化珪
素のバンドギャップと異なるバンドギャップを有する半
導体材料を充填することにより形成されたヘテロ接合半
導体領域と、前記ソース領域に接触するソース電極と、
ドレイン電極と、前記ゲート電極層に電圧を印加するゲ
ート電極とを備えたことを特徴とする。また、請求項4
記載の炭化珪素半導体装置は、請求項3記載の炭化珪素
半導体装置において、前記へテロ接合半導体領域が、前
記ソース電極に接続されていることを特徴とする。ま
た、請求項5記載の炭化珪素半導体装置は、請求項3記
載の炭化珪素半導体装置において、前記へテロ接合半導
体領域が、前記ゲート電極に接続されていることを特徴
とする。また、請求項6記載の炭化珪素半導体装置は、
請求項1乃至5記載の炭化珪素半導体装置において、前
記第二の溝が前記第一の溝よりも深く形成されているこ
とを特徴とする。また、請求項7記載の炭化珪素半導体
装置は、請求項1乃至6記載の炭化珪素半導体装置にお
いて、前記ヘテロ接合半導体領域が、不純物濃度の異な
る領域を持つことを特徴とする。また、請求項8記載の
炭化珪素半導体装置は、請求項1乃至7記載の炭化珪素
半導体装置において、前記炭化珪素のバンドギャップと
異なるバンドギャップを有する半導体材料が、単結晶シ
リコン、アモルファスシリコン、多結晶シリコンの少な
くともいずれかであることを特徴とする。また、請求項
9記載の炭化珪素半導体装置の製造方法は、請求項3乃
至8記載の炭化珪素半導体装置の製造方法において、前
記エピタキシャル層の表層部の所定領域に、前記ソース
領域を形成する工程と、前記エピタキシャル層の表層部
の所定領域に、所定深さを有する第一の溝を形成する工
程と、前記溝の側面及び底面に前記ゲート絶縁膜を形成
する工程と、前記第一の溝内に、前記ゲート絶縁膜を介
して前記ゲート電極層を充填する工程と、前記ゲート電
極層に不純物を導入する工程と、前記エピタキシャル層
の表層部の所定領域に、所定深さを有する第二の溝を形
成する工程と、前記第二の溝内に、炭化珪素のバンドギ
ャップと異なるバンドギャップを有する半導体材料を充
填することにより前記ヘテロ接合半導体領域を形成する
工程と、前記ヘテロ接合半導体領域に不純物を導入する
工程と、前記ソース領域と接続する前記ソース電極を形
成する工程と、前記ドレイン電極を形成する工程と、前
記ゲート電極層と接続する前記ゲート電極を形成する工
程とを有することを特徴とする。
【0005】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の炭化珪素半導体
装置では、炭化珪素と異なるバンドギャップを有するヘ
テロ接合半導体領域と、炭化珪素エピタキシャル領域と
の接触面には、いわゆるヘテロ接合が形成される。ドレ
イン電極に高電圧を印加した時は、このヘテロ接合から
炭化珪素エピタキシャル領域へと空乏層が広がり、ドレ
イン電界を緩和するので、高ドレイン耐圧素子が得られ
る。また、炭化珪素半導体装置のオン時には、キャリア
は蓄積型チャネルを通過するため、同じく炭化珪素を用
いた反転型MOSFETに比べて、オン抵抗を低減する
ことができる。このとき、蓄積型チャネルは、素子断面
に対して縦方向に形成されるため、狭い表面積で低オン
抵抗化でき、高いチャネル密度とすることができる。以
上により、オン抵抗が極めて小さい高耐圧炭化珪素半導
体装置を得ることができる。また、請求項2記載の炭化
珪素半導体装置によれば、ヘテロ接合半導体領域をゲー
ト電極に接続したことで、ヘテロ接合に電圧を印加して
空乏層の広がりを制御できるため、請求項1記載の炭化
珪素半導体装置の効果に加え、チャネルのオフ性を向上
させることができる。また、炭化珪素半導体装置のオン
時に、ヘテロ接合半導体領域にゲート電圧を印加して、
ヘテロ半導体領域を通ってキャリア(ホール)をエピタ
キシャル層に注入することで伝導度変調を行い、さらな
るオン抵抗の低減が図れるように設計することも可能で
ある。また、請求項3記載の炭化珪素半導体装置によれ
ば、第二の溝を設け、その中にヘテロ接合半導体領域を
充填したことで、ゲート電極層とヘテロ接合半導体領域
の間に挟まれるエピタキシャル層にチャネル領域を形成
することができるから、請求項1記載の炭化珪素半導体
装置の効果に加え、ノーマリーオフ特性が得られやす
い。さらにドレイン電極に高電界を印加した時は、第二
の溝の底部に形成されるヘテロ接合から炭化珪素エピタ
キシャル領域へと広がる空乏層が、第一の溝の底部のゲ
ート絶縁膜へかかる電界を緩和するので、より高耐圧素
子とすることが可能である。また、請求項4記載の炭化
珪素半導体装置によれば、ヘテロ接合半導体領域をソー
ス電極に接続したことで、ヘテロ接合半導体領域の電位
をソース電位に固定し、ヘテロ接合の界面で電界をシー
ルドしてヘテロ接合半導体領域中への空乏層の伸張を防
げるため、請求項1、3記載の炭化珪素半導体装置の効
果に加え、より炭化珪素エピタキシャル層に空乏層が広
がりやすいという特長を有する。また、請求項5記載の
炭化珪素半導体装置によれば、ヘテロ接合半導体領域を
ゲート電極に接続したことで、ヘテロ接合に電圧を印加
して空乏層の広がりを制御できるため、請求項1、3記
載の炭化珪素半導体装置の効果に加え、チャネルのオフ
性を向上させることができる。また、炭化珪素半導体装
置のオン時に、ヘテロ接合半導体領域にゲート電圧を印
加して、ヘテロ半導体領域を通ってキャリア(ホール)
をエピタキシャル層に注入することで伝導度変調を行
い、さらなるオン抵抗の低減が図れるように設計するこ
とも可能である。また、請求項6記載の炭化珪素半導体
装置によれば、第二の溝を第一の溝よりも深く形成した
ため、ドレイン電極に高電界を印加した時は、第二の溝
の底部に形成されるヘテロ接合から炭化珪素エピタキシ
ャル領域へと広がる空乏層が、第一の溝の底部のゲート
絶縁膜へかかる電界をより緩和することが可能である。
【0006】また、請求項7記載の炭化珪素半導体装置
によれば、ヘテロ接合半導体領域内部で不純物濃度の異
なる領域を任意に設定できるという利点があり、素子の
応用範囲を広めることができる(実施の形態2にて説
明)。また、請求項8記載の炭化珪素半導体装置では、
炭化珪素のバンドギャップと異なるバンドギャップを有
する半導体材料として、単結晶シリコン、アモルファス
シリコン、多結晶シリコンの少なくともいずれかを用い
る。これらの材料は、炭化珪素よりもバンドギャップが
小さく、炭化珪素とこれらの材料による接合において
は、あたかもショットキー接合のごとき特性が得られ
る。このため、請求項1乃至7のいずれか記載の炭化珪
素半導体装置において、ゲート半導体材料にこれらの材
料を用いると、上記記載の効果が得られやすい。また、
単結晶シリコン、アモルファスシリコン、または多結晶
シリコンにおいては、炭化珪素基板上への堆積、または
酸化、パターニング、選択的エッチング、選択的伝導度
制御等が容易である。また、これらの材料においては、
例えば炭化珪素とのビルトイン電圧を、シリコン層の不
純物濃度の制御により変えられるため、請求項1乃至7
のいずれか記載の炭化珪素半導体装置に使用すれば、チ
ャネルのオフ性に優れ、ノーマリーオフ特性が得られや
すいという効果が得られる(実施の形態1にて説明)。
また、請求項9の炭化珪素半導体装置の製造方法によれ
ば、上記記載の効果を有する炭化珪素半導体装置を簡易
な製造工程により製造することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に従って説明する。なお、以下の実施の形態では、ヘテ
ロ接合半導体領域に多結晶シリコンを用いる例で説明す
るが、ゲート半導体材料は、この限りではない。また、
ここで用いられる炭化珪素(SiC)のポリタイプは4
Hが代表的であるが、6H、3C等その他のポリタイプ
でも構わない。さらに、本発明の主旨を逸脱しない範囲
での変形を含むことは言うまでもない。 実施の形態1 図1は、本発明の実施の形態1の溝ゲート型MOSFE
Tの構造を示す図である。図1は、構造単位セルが2つ
連続した断面図である。ドレイン領域となるN型Si
C基板10上に、N型SiCエピタキシャル領域20
が積層されたウエハにおいて、N型エピタキシャル領
域20の所定の領域に、N型ソース領域70が形成さ
れている。また、第一の溝30の内部には、ゲート酸化
膜40を介してゲート電極層(多結晶シリコン層)50
が充填され、ゲート電極層50は、層間膜60にて覆わ
れている。N型ソース領域70を貫通する第二の溝3
1内には、多結晶シリコンよりなるヘテロ接合半導体領
域(多結晶シリコン層)90が充填されている。このヘ
テロ接合半導体領域90及びN型ソース領域70に接
触するように、ソース電極80が形成され、N型Si
C基板10の裏面には、ドレイン電極100が形成され
ている。なお、ゲート電極層50は、図示されないとこ
ろでゲート電極(図示省略)と接続されている。なお、
本実施の形態1のこの構造は、特許請求の範囲の請求項
1に対応する。すなわち、炭化珪素半導体基板(N
SiC基板10)上に形成され、前記基板よりも低いド
ーパント濃度の第一導電型の半導体エピタキシャル層
(N型SiCエピタキシャル領域20)と、前記エピ
タキシャル層の表層部の所定領域に形成される第一導電
型のソース領域(N型ソース領域70)と、前記エピ
タキシャル層の表層部の所定領域に形成され、所定深さ
を有する溝(30)と、前記溝内にゲート絶縁膜(ゲー
ト酸化膜40)を介して充填されたゲート電極層(5
0)と、前記エピタキシャル層の一主面上の所定領域
に、前記エピタキシャル層に接触するように、炭化珪素
のバンドギャップと異なるバンドギャップを有する半導
体材料により形成されたヘテロ接合半導体領域(90)
と、前記ソース領域に接触するソース電極(80)と、
ドレイン電極(100)と、前記ゲート電極層に電圧を
印加するゲート電極(図示省略)とを備えたことを特徴
とする。また、本実施の形態1のこの構造は、特許請求
の範囲の請求項4にも対応する。すなわち、前記ヘテロ
接合半導体領域(90)が、前記ソース電極(80)に
接続されていることを特徴とする。また、本実施の形態
1のこの構造は、特許請求の範囲の請求項3にも対応す
る。すなわち、炭化珪素半導体基板(N型SiC基板
10)上に形成され、前記基板よりも低いドーパント濃
度の第一導電型の半導体エピタキシャル層(N型Si
Cエピタキシャル領域20)と、前記エピタキシャル層
の表層部の所定領域に形成される第一導電型のソース領
域(N型ソース領域70)と、前記エピタキシャル層
の表層部の所定領域に形成され、所定深さを有する第一
の溝(30)と、前記第一の溝内にゲート絶縁膜(ゲー
ト酸化膜40)を介して充填されたゲート電極層(5
0)と、前記エピタキシャル層の表層部の所定領域に形
成され、所定深さを有する第二の溝(31)と、前記第
二の溝内に炭化珪素のバンドギャップと異なるバンドギ
ャップを有する半導体材料を充填することにより形成さ
れたヘテロ接合半導体領域(90)と、前記ソース領域
に接触するソース電極(80)と、ドレイン電極(10
0)と、前記ゲート電極層に電圧を印加するゲート電極
(図示省略)とを備えたことを特徴とする。また、本実
施の形態1のこの構造は、特許請求の範囲の請求項6に
も対応する。すなわち、前記第二の溝(31)が前記第
一の溝(30)よりも深く形成されていることを特徴と
する。また、本実施の形態1のこの構造は、特許請求の
範囲の請求項8にも対応する。すなわち、前記炭化珪素
のバンドギャップと異なるバンドギャップを有する半導
体材料(ヘテロ接合半導体領域90の材料)が、単結晶
シリコン、アモルファスシリコン、多結晶シリコンの少
なくともいずれかであることを特徴とする。
【0008】次に、本実施の形態1の溝ゲート型MOS
FETの製造方法の一例を、図2の(a)〜(f)、及
び図3の(g)、(h)の断面図を用いて説明する。ま
ず、図2の(a)においては、N型SiC基板10の
上に、例えば不純物濃度が1014〜1018
−3、厚さが1〜100μmのN型SiCエピタキ
シャル領域20が形成されている。図2(b)の工程に
おいては、例えば燐イオンを注入し、イオン注入した不
純物を活性化させるために、例えば1400℃程度のア
ニールを行って、N型ソース領域70を形成する。N
型不純物としては、燐の他に窒素、ヒ素などを用いても
よい。図2(c)の工程においては、マスク材120を
用いて、例えば0.1〜10μmの深さの溝30を形成
する。図2(d)の工程においては、エピタキシャル領
域20に対して犠牲酸化を行い、その犠牲酸化膜を除去
した後に、例えば1100℃のドライ酸化によって厚さ
100nm程度のゲート酸化膜40を成長させる。次
に、多結晶シリコン層を、厚さ例えば0.1〜10μm
程度、減圧CVD法を用いて、ゲート酸化膜40上に堆
積する。その後、多結晶シリコンに所望の不純物を導入
する。方法としては、堆積した多結晶シリコン層のさら
に上に、高濃度にドーピングされた堆積膜を堆積し、9
00〜1000℃程度の熱処理により該堆積膜中の不純
物を多結晶シリコン中に熱拡散させるか、またはイオン
注入により不純物を直接多結晶シリコン中に導入しても
よい。さらに、気相からの不純物の導入も可能である。
その後、多結晶シリコン層のパターニングを行って、ゲ
ート電極層50を形成する。なお、本例では多結晶シリ
コン層を堆積した直後に、不純物を多結晶シリコン層中
にドーピングする例で説明したが、例えば多結晶シリコ
ン層のパターニングを先に行ってから不純物をドーピン
グしてもよい。図2(e)の工程においては、ゲート電
極層50の多結晶シリコン層が、例えば厚さ5000Å
程度酸化されるような酸化条件(例えば1100℃のウ
エット酸化なら90分程度)下に試料を投じ、多結晶シ
リコン層(ゲート電極層50)の表層に、例えば厚さ5
000Åの層間膜60を形成する。その後、マスク材1
21を用いて、例えば0.1〜20μmの深さの、溝3
0よりも深い溝31を形成する。なお、溝31の深さ
は、溝30の深さよりも深いのが望ましいが、溝31の
深さは、溝30の深さと同じであってもよい。図2
(f)の工程においては、多結晶シリコン層90を、例
えば厚さ0.1〜20μm程度、減圧CVD法を用いて
堆積する。その後、多結晶シリコン層90に所望の不純
物を導入する。図3(g)の工程においては、溝31の
外部に堆積された多結晶シリコン層をすべて酸化して、
多結晶シリコン酸化膜130を形成する。図3(h)の
工程においては、多結晶シリコン酸化膜130を例えば
HF溶液等により除去する。このとき、ソース領域70
上に形成されていたゲート酸化膜(図2(d)の40参
照。図2(e)、(f)、図3(g)において図示省
略)も除去される。層間膜60は残す。その後、多結晶
シリコン層90及びN型ソース領域70に接触するよ
うに、ソース電極80を形成し、SiC基板10の裏面
にドレイン電極100として金属膜を蒸着し、例えば6
00〜1300℃程度で熱処理してオーミック電極とす
る。特に図示しないが、ゲート電極層50はゲート電極
(図示省略)と接続される。このようにして、図1に示
した炭化珪素半導体装置が完成する。なお、本実施の形
態1のこの製造方法は、特許請求の範囲の請求項9に対
応する。すなわち、前記エピタキシャル層(N型Si
Cエピタキシャル領域20)の表層部の所定領域に、前
記ソース領域(N型ソース領域70)を形成する工程
と、前記エピタキシャル層の表層部の所定領域に、所定
深さを有する第一の溝(30)を形成する工程と、前記
溝の側面及び底面に前記ゲート絶縁膜(ゲート酸化膜4
0)を形成する工程と、前記第一の溝内に、前記ゲート
絶縁膜を介して前記ゲート電極層(50)を充填する工
程と、前記ゲート電極層に不純物を導入する工程と、前
記エピタキシャル層の表層部の所定領域に、所定深さを
有する第二の溝(31)を形成する工程と、前記第二の
溝内に、炭化珪素のバンドギャップと異なるバンドギャ
ップを有する半導体材料を充填することにより前記ヘテ
ロ接合半導体領域(90)を形成する工程と、前記ヘテ
ロ接合半導体領域に不純物を導入する工程と、前記ソー
ス領域と接続する前記ソース電極(80)を形成する工
程と、前記ドレイン電極(100)を形成する工程と、
前記ゲート電極層と接続する前記ゲート電極(図示省
略)を形成する工程とを有することを特徴とする。
【0009】次に、この炭化珪素半導体装置の動作につ
いて説明する。ドレイン電極100とソース電極80と
の間に電圧が印加された状態で、ゲート電極層50に電
圧が印加されない場合は、ゲート電極層(多結晶シリコ
ン層)50及びヘテロ接合半導体領域(多結晶シリコン
層)90に挟まれるチャネル領域(チャネル幅)110
は、それぞれの多結晶シリコン層50、90とSiCエ
ピタキシャル領域20とのビルトイン電圧により空乏化
されるため、ノーマリーオフ特性を有する。一方で、ゲ
ート電極層50に正の電圧を印加すると、ゲート電極層
50に対向するN型エピタキシャル領域20の表層に
蓄積型のチャネル領域が形成され、ドレイン電極100
からソース電極80へと電流を流すことが可能となる。
これらの結果、ノーマリーオフの電圧駆動型で、チャネ
ル領域の抵抗が極めて小さい低オン抵抗の高耐圧炭化珪
素半導体装置を得ることができる。特に、本発明によ
り、ソース領域70と同電位の多結晶シリコン層90に
よるヘテロ接合と絶縁ゲート電極層50とによって挟ま
れた蓄積型チャネルは、酸化膜/SiC界面に存在する
多量の界面準位がキャリアへ及ぼす影響を減らし、チャ
ネル抵抗を小さくすることが可能であるのはもちろん、
多結晶シリコン層50、90と炭化珪素エピタキシャル
領域20のチャネル領域110でのビルトイン電圧を、
多結晶シリコン層50、90の不純物濃度の制御により
変えることができるため、チャネルのオフ性に優れ、ノ
ーマリーオフ特性が得られやすい。また、溝30、31
の側壁のイオンエッチングのダメージによりキャリアが
散乱され、チャネル抵抗が高くなるという問題も、本発
明のように蓄積型チャネルを形成すれば、キャリアがよ
りバルク内部を通過するため、回避することができる。
素子の耐圧は、多結晶シリコン層90とエピタキシャル
領域20との接合に形成されるヘテロ接合から、エピタ
キシャル領域20へと広がる空乏層により電界を緩和で
きるが、このとき、溝30の底部のゲート絶縁膜40へ
の電界集中も防ぐことができるので、SiC半導体の絶
縁電界により素子耐圧が決まるように設計することが可
能である。また、本炭化珪素半導体装置は、P型伝導層
(図8のP型SiCエピタキシャル領域140)のイ
オン注入による形成を必要としないので、活性化のため
のアニールも1400℃程度で十分であり、面荒れ等が
抑制できる。
【0010】実施の形態2 図4は、本発明の実施の形態2の溝ゲート型MOSFE
Tの構造を示す断面図である。図1で示した実施の形態
1の構造との相違は、溝33内に充填される多結晶シリ
コン層(ヘテロ接合半導体領域)が、不純物濃度の異な
る領域を有していることである。すなわち、溝33の下
部には、N型多結晶シリコン層92が、溝33の上部
には、P型多結晶シリコン層91が充填されている。
型多結晶シリコン層92は、例えばN型SiCと
の接合に形成される障壁が大きいため、ドレイン耐圧を
大きく設計できる。また、P型多結晶シリコン層91
は、N型SiCとの接合に形成されるビルトインポテ
ンシャルが大きいため、チャネル111のオフ性に優
れ、ノーマリーオフ特性が得られやすい。本実施の形態
2は、ゲート半導体材料(ヘテロ接合半導体領域)内部
で不純物濃度の異なる領域を任意に設定できるという本
発明の利点をいかした例であり、実施の形態1で説明し
た効果に加えて、さらに素子の性能を向上させることが
できる。なお、本実施の形態2のこの構造は、特許請求
の範囲の請求項7に対応する。すなわち、前記ヘテロ接
合半導体領域が、不純物濃度の異なる領域(N型多結
晶シリコン層92と、P型多結晶シリコン層91)を
持つことを特徴とする。
【0011】実施の形態3 図5は、本発明の実施の形態3の溝ゲート型MOSFE
Tの構造を示す断面図である。図1で示した実施の形態
1の構造との相違は2点あり、溝35が、N型ソース
領域72に接していないことと、多結晶シリコン層93
がゲート電極(図示省略)に接続されていることであ
る。溝35は、実施の形態1、2と同様に、ソース領域
72に接していてもよいが、ここでは離した例で説明す
る。そして、溝35内に充填されたヘテロ接合半導体領
域93は、層間膜63によってソース電極82と分離さ
れている。本実施の形態3では、実施の形態1に記載し
た効果に加えて、ヘテロ接合半導体領域(多結晶シリコ
ン層)93をゲート電極に接続したことで、多結晶シリ
コン層とSiCとのヘテロ接合に電圧を印加して空乏層
の広がりを制御できるため、チャネルのオフ性を向上さ
せることができる。また、オン時にゲート電圧を印加し
て、ヘテロ接合半導体領域93を通ってキャリア(ホー
ル)をエピタキシャル層22に注入することで伝導度変
調を行い、さらなるオン抵抗の低減が図れるように設計
することも可能である。なお、本実施の形態3では、多
結晶シリコンからなるゲート電極層52と多結晶シリコ
ンからなるヘテロ接合半導体領域93に対して同一系統
のゲート電極としたが、それぞれの制御のために別系統
の電圧源を設けてもよい。なお、本実施の形態3のこの
構造は、特許請求の範囲の請求項2、5に対応する。す
なわち、前記ヘテロ接合半導体領域(93)が、前記ゲ
ート電極(図示省略)に接続されていることを特徴とす
る。
【0012】実施の形態4 図6は、本発明の実施の形態4の溝ゲート型MOSFE
Tの構造を示す断面図である。図5に示した実施の形態
3の構造との相違は、ヘテロ接合半導体領域94が溝内
ではなく、N型SiCエピタキシャル領域23上に形
成されている点であるが、動作は実施の形態3と同じで
ある。ヘテロ接合半導体領域を充填する溝を形成しない
分、プロセスが容易となる。なお、本例でも多結晶シリ
コン53と多結晶シリコン94に対して同一系統のゲー
ト電極としたが、それぞれの制御のために別系統の電圧
源を設けてもよい。また、図1に示した実施の形態1、
図4に示した実施の形態2においても、ヘテロ接合半導
体領域90、91及び92を溝内ではなく、エピタキシ
ャル領域23上に形成してもよいことは言うまでもな
い。なお、本実施の形態4のこの構造は、特許請求の範
囲の請求項1乃至2に対応する。すなわち、炭化珪素半
導体基板(N型SiC基板13)上に形成され、前記
基板よりも低いドーパント濃度の第一導電型の半導体エ
ピタキシャル層(N 型SiCエピタキシャル領域2
3)と、前記エピタキシャル層の表層部の所定領域に形
成される第一導電型のソース領域(N型ソース領域7
3)と、前記エピタキシャル層の表層部の所定領域に形
成され、所定深さを有する溝(36)と、前記溝内にゲ
ート絶縁膜(ゲート酸化膜43)を介して充填されたゲ
ート電極層(53)と、前記エピタキシャル層の一主面
上の所定領域に、前記エピタキシャル層に接触するよう
に、炭化珪素のバンドギャップと異なるバンドギャップ
を有する半導体材料により形成されたヘテロ接合半導体
領域(94)と、前記ソース領域に接触するソース電極
(83)と、ドレイン電極(103)と、前記ゲート電
極層に電圧を印加するゲート電極(図示省略)とを備え
たことを特徴とする。
【0013】実施の形態5 図7(a)は、本発明の実施の形態5の溝ゲート型MO
SFETの構造を示す断面斜視図、図7(b)は(a)
の溝ゲート型MOSFETの上面図である。図1で示し
た実施の形態1の構造との相違は、ヘテロ接合半導体領
域95が、図1の断面図では図示されない領域に形成さ
れた溝38の内部に充填されるように形成されている点
である。ヘテロ接合半導体領域95は、実施の形態1と
同様に、N型ソース領域74に接続されている。この
図7に図示されるような、ショットキーソース領域の形
成がもたらす利点は、デバイス面積に対する素子効率を
高め、電流密度を上げることができる点である。以上本
発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発
明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要
旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは
勿論である。例えば、上記実施の形態1〜5ではすべ
て、ドレイン電極をSiC基板の裏面に形成し、ソース
電極をエピタキシャル層の表面に配置して、電流を素子
内部に縦方向に流す構造の炭化珪素半導体装置で説明し
たが、例えばドレイン電極をソース電極と同じく、エピ
タキシャル層の表面に配置して、電流を横方向に流す構
造の炭化珪素半導体装置でも本発明が適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の溝ゲート型MOSFE
Tの断面図。
【図2】(a)〜(f)は本発明の実施の形態1の溝ゲ
ート型MOSFETの製造工程断面図。
【図3】(g)、(h)は本発明の実施の形態1の溝ゲ
ート型MOSFETの製造工程断面図。
【図4】本発明の実施の形態2の溝ゲート型MOSFE
Tの断面図。
【図5】本発明の実施の形態3の溝ゲート型MOSFE
Tの断面図。
【図6】本発明の実施の形態4の溝ゲート型MOSFE
Tの断面図。
【図7】(a)は本発明の実施の形態5の溝ゲート型M
OSFETの断面斜視図、(b)は上面図。
【図8】従来のSiCトレンチ溝型MOSFETの断面
図。
【符号の説明】 10、11、12、13、14、15、16…N型S
iC基板 20、21、22、23、24、25、26…N型S
iCエピタキシャル領域 30、31、32、33、34、35、36、37、3
8、39、150、151…溝 40、41、42、45、46…ゲート酸化膜 50、51、52、53、54、55、56…ゲート電
極層(多結晶シリコン層) 60、61、62、63、64、65、66、67、6
8…層間膜 70、71、72、73、74、75、76…N型ソ
ース領域 80、81、82、83、84、85、86…ソース電
極 90、91、92、93、94、95…ヘテロ接合半導
体領域(多結晶シリコン層) 100、101、102、103、104、105、1
06…ドレイン電極 110、111、112、113、114…チャネル領
域(チャネル幅) 120、121…マスク材 130…多結晶シリコン酸化膜 140…P型SiCエピタキシャル領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下井田 良雄 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 星 正勝 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭化珪素半導体基板上に形成され、前記基
    板よりも低いドーパント濃度の第一導電型の半導体エピ
    タキシャル層と、前記エピタキシャル層の表層部の所定
    領域に形成される第一導電型のソース領域と、前記エピ
    タキシャル層の表層部の所定領域に形成され、所定深さ
    を有する溝と、前記溝内にゲート絶縁膜を介して充填さ
    れたゲート電極層と、前記エピタキシャル層の一主面上
    の所定領域に、前記エピタキシャル層に接触するよう
    に、炭化珪素のバンドギャップと異なるバンドギャップ
    を有する半導体材料により形成されたヘテロ接合半導体
    領域と、前記ソース領域に接触するソース電極と、ドレ
    イン電極と、前記ゲート電極層に電圧を印加するゲート
    電極とを備えたことを特徴とする炭化珪素半導体装置。
  2. 【請求項2】前記ヘテロ接合半導体領域が、前記ゲート
    電極に接続されていることを特徴とする請求項1記載の
    炭化珪素半導体装置。
  3. 【請求項3】炭化珪素半導体基板上に形成され、前記基
    板よりも低いドーパント濃度の第一導電型の半導体エピ
    タキシャル層と、前記エピタキシャル層の表層部の所定
    領域に形成される第一導電型のソース領域と、前記エピ
    タキシャル層の表層部の所定領域に形成され、所定深さ
    を有する第一の溝と、前記第一の溝内にゲート絶縁膜を
    介して充填されたゲート電極層と、前記エピタキシャル
    層の表層部の所定領域に形成され、所定深さを有する第
    二の溝と、前記第二の溝内に炭化珪素のバンドギャップ
    と異なるバンドギャップを有する半導体材料を充填する
    ことにより形成されたヘテロ接合半導体領域と、前記ソ
    ース領域に接触するソース電極と、ドレイン電極と、前
    記ゲート電極層に電圧を印加するゲート電極とを備えた
    ことを特徴とする炭化珪素半導体装置。
  4. 【請求項4】前記へテロ接合半導体領域が、前記ソース
    電極に接続されていることを特徴とする請求項3記載の
    炭化珪素半導体装置。
  5. 【請求項5】前記へテロ接合半導体領域が、前記ゲート
    電極に接続されていることを特徴とする請求項3記載の
    炭化珪素半導体装置。
  6. 【請求項6】前記第二の溝が前記第一の溝よりも深く形
    成されていることを特徴とする請求項3乃至5のいずれ
    か記載の炭化珪素半導体装置。
  7. 【請求項7】前記ヘテロ接合半導体領域が、不純物濃度
    の異なる領域を持つことを特徴とする請求項1乃至6の
    いずれか記載の炭化珪素半導体装置。
  8. 【請求項8】前記炭化珪素のバンドギャップと異なるバ
    ンドギャップを有する半導体材料が、単結晶シリコン、
    アモルファスシリコン、多結晶シリコンの少なくともい
    ずれかであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれ
    か記載の炭化珪素半導体装置。
  9. 【請求項9】請求項3乃至8のいずれか記載の炭化珪素
    半導体装置の製造方法において、前記エピタキシャル層
    の表層部の所定領域に、前記ソース領域を形成する工程
    と、前記エピタキシャル層の表層部の所定領域に、所定
    深さを有する第一の溝を形成する工程と、前記溝の側面
    及び底面に前記ゲート絶縁膜を形成する工程と、前記第
    一の溝内に、前記ゲート絶縁膜を介して前記ゲート電極
    層を充填する工程と、前記ゲート電極層に不純物を導入
    する工程と、前記エピタキシャル層の表層部の所定領域
    に、所定深さを有する第二の溝を形成する工程と、前記
    第二の溝内に、炭化珪素のバンドギャップと異なるバン
    ドギャップを有する半導体材料を充填することにより前
    記ヘテロ接合半導体領域を形成する工程と、前記ヘテロ
    接合半導体領域に不純物を導入する工程と、前記ソース
    領域と接続する前記ソース電極を形成する工程と、前記
    ドレイン電極を形成する工程と、前記ゲート電極層と接
    続する前記ゲート電極を形成する工程とを有することを
    特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。
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