JP2003249412A - 電子部品の電極と導体端末との接合構造、電子部品、及び接合方法 - Google Patents
電子部品の電極と導体端末との接合構造、電子部品、及び接合方法Info
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Abstract
き、接合強度を高め、導体本来の母材強度を維持するこ
とを目的とする。 【解決手段】 本発明では、電極31の最表層の錫が溶
融し固化した錫フィレット57が、導体端末部29Bの
非加圧部51の両側に形成されている。非加圧部51は
元線径を有したまま接合されている。
Description
導体端末との接合構造、電子部品、及び接合方法に関す
る。
−186553号)の基板6と7とがドライバーテープ
5で接続されながら、これら基板に跨ってワイヤボンデ
ィングする技術が示されている。ワイヤ3の接合部1、
4の強度の劣化を防ぐために接合部1、4を樹脂2で覆
って補強することも示されている。
例(特開昭56−106385号)によれば、基板8上
に成膜されたAu厚膜部9の上に被膜線13すなわち導
体を接合する技術が記載されている。
従来例(図16)では、接合部を覆って包み込む樹脂量
と強度とを得るために濡れ広がり面積を必要とし接合部
が大きくなり電子部品を小型化することができない。さ
らに、塗布量の変動や樹脂の濡れ広がりのばらつきによ
り補強効果が不安定になる。
では、被膜線13の導体のネック部は、接合の際、潰れ
ており、最も機械的強度が弱く、接合後の外的ストレス
はこの点に集中する。よって、潰れた導体のネック部
は、導体本来の母材強度を維持することができない。し
かも、潰れた導体のネック部の接合強度は外観から判断
しにくい。
題を解決するためになされたものであり、接合部を小さ
くし電子部品を小型化でき、接合強度を高めて、導体本
来の母材強度を維持するという効果を得ることを目的と
する。
に、以下の手段を採用する。
極と導体端末との接合構造において、前記電極は、熱可
溶性の金属を含む最表層を有する一方、前記導体端末
は、前記電極上に位置決めされた先端加圧部と、該先端
加圧部に連設された非加圧部とを有し、前記先端加圧部
は加熱処理されており、底部が前記電極に埋め込まれて
形成されている一方、前記非加圧部には、その長さ方向
両側に位置する前記電極の最表層が溶融し固化して傾斜
状の輪郭を有するフィレットが形成されており、前記電
極と導体端末との間で互いに接合が行われていることを
特徴とする。
に巻回された導体の導体端末を、該ドラムコアの鍔部に
形成された電極に接合した電子部品であって、前記導体
端末は前記電極上において、端末先端側に設けられ加熱
加圧処理により形成された加圧部とこの加圧部に連設さ
れた非加圧部とを有し、前記加圧部は前記電極に埋め込
まれ、前記非加圧部には、前記加圧部の加熱加圧処理に
より、その長さ方向両側に位置する前記電極の最表層が
溶融しフィレットが形成されて前記電極に接合されてい
ることを特徴とする。
電極上に導体端末を位置決めする工程と、前記導体端末
の先端加圧部の加圧面に抵抗発熱体による加重を加え
て、前記電極に前記先端加圧部を埋め込むと同時に、前
記導体端末の埋め込まれないで延在する非加圧部に前記
抵抗発熱体からの加熱を与える工程とを備え、前記非加
圧部の長さ方向両側に位置する前記電極の最表層を溶融
し固化して傾斜状の輪郭を有するフィレットを形成し、
前記電極と導体端末との接合を行うことを特徴とする。
電子部品の電極と導体端末との接合構造、電子部品、及
び接合方法について図面を参照しつつ説明する。
品の電極と導体端末との接合構造の上面図が示されてい
る。電子部品21は、巻き芯27と、この巻き芯27の
両端に形成された鍔部23、23と、前記巻き芯27の
周りに巻回される2本のウレタン被膜銅線(導体)29
をコイルとして備えるコイル装置である。導体29は左
右に導体端末29A、29Bを有する。
1,31が離間距離を保ってそれぞれ成膜形成されてい
る。各電極は、銀の下地電極と、複数のめっき層とで積
層形成されている。めっき層は、下地電極の上にめっき
処理にてそれぞれ形成された銅層(0.5〜1.0μ
m)、ニッケル層(0.7〜1.5μm)、及び錫(熱
可溶性金属の一例)の最表層(4.0〜9.0μm)で
構成される。導体端末29A、29Bは、電極31,3
1、31,31にそれぞれ接合されている。
と導体端末との接合構造に関して、図2にはその接合方
法における接合時の工程が示されている。図3及び図4
は、図1の電子部品21の左側の要部に係る側面図及び
上面図である。
述べると、まず、図2に示すように、導体端末29A
(29Bも同様である)が電極31の上に位置決めされ
る。次に、導体端末29Aの先端加圧部49は、抵抗発
熱体45による加重を受け電極31に底部が埋設するよ
うにして形成される。一方、加圧されずに電極31上に
位置決めされた前記加圧部49に連設された導体の非加
圧部51は、図2では、ウレタン被膜部分で覆われてい
る。そして、抵抗発熱体45からの加熱を受ける工程の
後、ウレタン被膜部分が剥がれることにより、括れた形
状の元線径導体部51’(図3及び図4)として形成さ
れる。元線径導体部51’の両側には、図2の電極31
の最表層31aの錫が溶融して図3の錫フィレット57
が形成される。抵抗発熱体45は、厚さ寸法が0.5m
m±0.01mmとし、加圧位置の再現が行えるように
厚さ寸法に対し狭公差を有するモリブデン又はタングス
テンを用いる。本実施の形態での導体端末29A、29
Bの線径はφ50μmである。
加圧面49aを有する。抵抗発熱体45の端45aで加
圧・加熱する位置は、図4に示すように、鍔部23の内
鍔稜41側の電極端縁43aから75μm以上離れた位
置すなわち加圧位置端47で、一箇所当たり0.8N以
上から0.9N以下の範囲で加圧する。
0℃以下になると、上述したように、導体端末29Aの
加圧されないで電極上に位置決めされている非加圧部5
1は、図4の元線径導体部51’となる。これはウレタ
ン被膜部分が加熱によって破壊され括れることによる。
また、導体端末29Aの非加圧部51の長さ方向両側に
位置する電極31の最表層31aの錫が溶融し非加圧部
の周囲に錫フィレット57が形成される。本発明では、
電極31上に配置された導体端末部分29A(29B)
における加圧されない部分を前記元線径導体部51’を
含めて非加圧部51と表現している。
端末29Aは、先端加圧部49と非加圧部51との間に
形成された境界部の傾斜面53を有する。先端加圧部4
9は、底部が電極31に埋め込まれた埋設部分59を持
つように形成される(図5、図6)。同時に、上述した
ように、非加圧部51には、非加圧部の錫フィレット5
7が形成されており、溶融した最表層31a(図2)の
錫金属が冷却されて固化した結果、図6に示すように、
傾斜状の輪郭を描くフィレット57となっている。尚、
前記境界部の傾斜面53は加圧面49に対して鈍角にな
っている。
合(図6)、小さい場合(図7)のいずれにおいても、
電極31上の導体端末29A、29Bの加圧部と非加圧
部は接合されている。ここで、電極31の最表層31a
の錫めっきの厚さは、電極31の大きさを0.4mm×
0.3mmとしたとき、4μm以上10μm以下の範囲
とすることが望ましい。尚、図7において59は前記埋
設部分を示している。
場合、図8及び図9に示すように、非加圧部51は導体
(ワイヤー)29の元線径を有したまま接合される。こ
のため、加圧部49と非加圧部51の位置では破壊が起
らず、その破壊強度は、導体29の母材強度と同等の値
が得られる。このため、電気的強度と機械的強度の信頼
性を向上させる効果がある。
例との比較において本発明の実施の形態に係る発明の効
果を説明する。比較例では、導体端末61が抵抗発熱体
65の加圧面または加圧位置端65aによって押しつぶ
され平面61aを有する加圧部が電極63上に形成され
るので、導体の元線径を有していない。比較例では電極
63に接合されるのは加圧部61のみとなり、導体厚さ
が元線径より小さくなる。ワイヤー引っ張り破壊値を比
較すると、図12に示すように、本発明(○)は600
〜630mNとなっており、理論値(◎)の550mN
より少し大きく、比較例(●)の200mNの3倍以上
になる。
電圧を印加した場合の破壊レベル値を示す図である。D
C耐圧の破壊レベル値を比較すると、比較例(●の記号
で図示されている)はコイルの上に発熱部が位置するた
め、コイル部は輻射熱の影響を大きく受け0.7kvで
ある。
ち導体29の上に発熱部が位置しないため本発明(○の
記号で図示されている)は輻射熱の影響を受けにくく絶
縁被膜の劣化が防止される。その結果、直流電圧破壊値
が比較例(●)との比で約4倍(不活性液中の平均値)
の3kvまで改善される。
点のため適しているが、その組成比率は一般的な共晶ハ
ンダの錫63%から錫100%の範囲が最適である。融
点は、錫が44%、鉛が56%でも同じであるが目的と
する顕著な効果が得られなかった。錫が44%を切る
と、融点が高くなり接合条件次第では効果が更に得にく
くなる。一般的に鉛が増えると濡れ速度が速くなり、フ
ィレットの形成には錫が溶融する熱エネルギーが加えら
れ且つフィレットの形成に十分な量があることがより影
響するからである。
例75−1、75−2が示されている。抵抗発熱体の変
形例75−1、75−2の加圧位置端部75A、75B
の形状を境界部の傾斜面53の形状に合わせるようにし
た方が、作業能率が良い場合もある。尚、抵抗発熱体の
代わりにヒーター内蔵の純銅製のコテでも良い。
が、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で上記実施形態に
種々の変形例や変更を施すことが可能となる。例えば、
最表層の錫・鉛合金の代わりにBiやSbを加えた低融
点ハンダを使用する等が挙げられる。
電極の最表層の金属が溶融し固化したフィレットが導体
端末の非加圧部の両側に形成され、元線径を有したまま
接合されているので、電極と導体端末との接合部を小さ
くすることができると共に、電子部品を小型化でき、接
合強度を向上させて、導体本来の母材強度を維持すると
いう効果が得られる。
体端末との接合構造を示す上面図である。
体端末との接合構造の要部を示す部分拡大図で、図1の
電子部品21に係る接合方法の接合時の工程を示す。
である。
で、非加圧部の錫フィレット57が大きい場合を示す。
で、非加圧部の錫フィレット57が小さい場合を示す。
分で、非加圧部の錫フィレット57が大きい場合を示
す。
で、非加圧部の錫フィレット57が小さい場合を示す。
論値と破壊値との比較図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 電子部品の電極と導体端末との接合構造
において、 前記電極は、熱可溶性の金属を含む最表層を有する一
方、前記導体端末は、前記電極上に位置決めされた先端
加圧部と、該先端加圧部に連設された非加圧部とを有
し、 前記先端加圧部は加熱処理されており、底部が前記電極
に埋め込まれて形成されている一方、前記非加圧部に
は、その長さ方向両側に位置する前記電極の最表層が溶
融し固化して傾斜状の輪郭を有するフィレットが形成さ
れており、前記電極と導体端末との間で互いに接合が行
われていることを特徴とする電子部品の電極と導体端末
との接合構造。 - 【請求項2】 ドラムコアに巻回された導体の導体端末
を、該ドラムコアの鍔部に形成された電極に接合した電
子部品であって、前記導体端末は前記電極上において、
端末先端側に設けられ加熱加圧処理により形成された加
圧部とこの加圧部に連設された非加圧部とを有し、前記
加圧部は前記電極に埋め込まれ、前記非加圧部には、前
記加圧部の加熱加圧処理により、その長さ方向両側に位
置する前記電極の最表層が溶融しフィレットが形成され
て前記電極に接合されていることを特徴とする電子部
品。 - 【請求項3】 電子部品の電極上に導体端末を位置決め
する工程と、 前記導体端末の先端加圧部の加圧面に抵抗発熱体による
加重を加えて、前記電極に前記先端加圧部を埋め込むと
同時に、前記導体端末の埋め込まれないで延在する非加
圧部に前記抵抗発熱体からの加熱を与える工程とを備
え、 前記非加圧部の長さ方向両側に位置する前記電極の最表
層を溶融し固化して傾斜状の輪郭を有するフィレットを
形成し、前記電極と導体端末との接合を行うことを特徴
とする電子部品の電極と導体端末との接合方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002047338A JP2003249412A (ja) | 2002-02-25 | 2002-02-25 | 電子部品の電極と導体端末との接合構造、電子部品、及び接合方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2003249412A true JP2003249412A (ja) | 2003-09-05 |
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ID=28660424
Family Applications (1)
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JP2002047338A Pending JP2003249412A (ja) | 2002-02-25 | 2002-02-25 | 電子部品の電極と導体端末との接合構造、電子部品、及び接合方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2003249412A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019029579A (ja) * | 2017-08-02 | 2019-02-21 | 太陽誘電株式会社 | コイル部品 |
JP2019135758A (ja) * | 2018-02-05 | 2019-08-15 | 株式会社村田製作所 | コイル部品 |
JP2022092089A (ja) * | 2020-12-10 | 2022-06-22 | 株式会社村田製作所 | コイル部品 |
-
2002
- 2002-02-25 JP JP2002047338A patent/JP2003249412A/ja active Pending
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