JP3196718B2 - コイル部品の製造方法 - Google Patents

コイル部品の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばインダクタ
ンス成分を構成するのに用いられるコイル部品の製造方
法に関し、より詳細には、絶縁被覆導線より構成されて
いる巻線をコアに形成されている電極に接合する方法が
改良されたコイル部品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、様々なインダクタンス成分を
発生させるために、様々な電子回路においてコイル部品
が用いられている。この種のコイル部品として、磁性や
絶縁性セラミックスあるいはプラスチックよりなるコア
の周囲に絶縁被覆導線を巻回して巻線部を構成したもの
が知られている。ここでは、巻線部の両側においてコア
の外表面に電極が形成されており、絶縁被覆導線の両端
が、それぞれ、これらの電極に接続されている。
【0003】ところで、上記絶縁被覆導線は、通常、C
uなどの金属からなる導線の外表面に、ポリエステルイ
ミドなどからなる絶縁被覆を形成した構造を有する。ま
た、上記絶縁被覆導線の上記電極への接合は、従来、パ
ルスヒート方式により行われることがあった。これを、
図6を参照して説明する。
【0004】図6においては、コイル部品のコア51の
上面に電極52が形成されている部分が断面図で示され
ている。まず、電極52上に絶縁被覆導線53の端部を
載置する。なお、絶縁被覆導線53では、導線53aの
周囲に、絶縁被覆53bが形成されている。
【0005】次に、約500℃に加熱された加圧チップ
56を降下し、絶縁被覆導線53を電極52に対して圧
接する。この加圧により、導線53aを扁平化し、導線
53aと電極52とを熱圧接し、接合を完了する。
【0006】上記接合方法では、電極52が、Ag、C
uあるいはNiなどの高融点金属からなる場合には、こ
れらの電極材料の融点以下の温度で絶縁被覆53bが溶
融するため、導線53aと電極52とが直接接合され
る。また、導線53aが加圧により扁平化される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電極5
2上で導線53aが扁平化したとしても、導線53aと
電極52の表面との間に段差が生じる。従って、電極5
2の表面側を、例えばプリント回路基板にコイル部品を
実装する際の実装面とした場合、コイル部品の実装に際
しての安定性が損なわれたり、半田による接合の信頼性
が低いことがあった。
【0008】さらに、上記コイル部品の電極52におい
ては、実装に際しての半田付け性を高めるために、表面
に、Snや半田などの低融点金属をメッキしてなる電極
層を形成することが多い。例えば、図7に示すように、
電極52として、コア51の表面にAgペーストを塗布
し、焼き付けることにより形成されたベース層52aを
形成し、その外表面に、半田食われを防止するためのN
iメッキ層52bを形成し、さらに最外側表面に半田付
け性を高めるための低融点金属からなる電極層52cを
形成した構造が従来より知られている。
【0009】この場合、加圧チップ54が約500℃に
加熱されているので、加圧チップ54により上記低融点
金属の融点以上の温度に該電極層52cが加熱されるこ
とになる。しかも、接合に際しては、導線53aの圧延
に十分に圧力が加えられている。従って、絶縁被覆53
b及び表面に設けられている低融点金属よりなる電極層
52cの双方が溶融し、液状化した状態で、導線53a
が圧延されて扁平化することになる。
【0010】その結果、加圧チップ54による加圧時
に、液状化した絶縁被覆53bにより液状化した低融点
金属が導線53aの側方に押される。従って、溶融した
絶縁被覆53bが低融点金属材料を押し退けた後に加圧
チップ54に付着され、加圧チップ54と共に除去され
た場合に、導線53aの側方にNiメッキ層52bが露
出された部分Aが生じることがあった。Niメッキ層5
2bが露出すると、このコイル部品をプリント回路基板
上に半田付けにより実装する場合、Niメッキ層52b
の半田濡れ性が低いため、実装不良を引き起こすという
問題があった。
【0011】あるいは、矢印Aで示されている部分にお
いて、Niメッキ層52bが露出されるに至らない場合
であっても、溶融した絶縁被覆53bが低融点金属材料
を押し退けた後に加圧チップ54に付着され、加圧チッ
プ54と共に除去された場合に、電極52の表面におい
て導線53aの周囲に絶縁被覆53bが存在していた部
分にクレーター状の窪み52dが残り、それによって半
田付け性が低下することもあった。
【0012】本発明の目的は、上述した従来技術の欠点
を解消し、絶縁被覆導線と外部接続用の電極との接合部
分に起因する半田付け不良を防止することができ、かつ
導線が接続用の電極に埋設され、外部との接続を安定に
かつ確実に行い得るコイル部品の製造方法を提供するこ
とにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、絶縁性材料よりなるコアと、コアの周囲に巻回され
ている絶縁被覆導線と、コアの外表面に形成された電極
とを備え、前記絶縁被覆導線の端部が前記電極に接合さ
れているコイル部品の製造方法であって、前記電極に絶
縁被覆導線を接合するにあたり、絶縁被覆導線の絶縁被
覆を溶融させる温度以上で、かつ相対的に低い圧力で絶
縁被覆導線を電極に対して加圧する低圧加圧工程と、前
記低圧加圧工程に続いて、導線を扁平化するように、か
つ電極に対して導線が埋設されるように、電極表面部分
の融点以下であり、かつ凝固点以上の温度で相対的に高
い圧力で導線を前記電極に対して加圧する高圧加圧工程
とを備えることを特徴とする。
【0014】た、本発明においては、高圧加圧工程
は、低圧加圧工程よりも低い温度で行われてもよく、あ
るいは高い温度で行われてもよい。
【0015】また、好ましくは、本発明においては、上
記コイル部品の電極は、Agなどの導電ペーストの塗布
・焼き付けにより形成されたベース層と、ベース層の表
面に形成されており、耐半田食われ性に優れた金属材
料、例えばNiからなる半田食われ防止層と、半田食わ
れ防止層の外表面に形成されており、かつ半田付け性に
優れた金属材料、例えばSnや半田よりなる易半田付け
層とを備える。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
非限定的な実施例を説明することにより本発明を明らか
にする。
【0017】図1(a)〜(d)は、本発明の一実施例
に係るコイル部品の製造方法を説明するための各断面図
であり、図2は、本発明の一実施例により得られるコイ
ル部品を説明するための斜視図である。
【0018】まず、図2に示すチップ型コイル部品の構
造を説明する。チップ型コイル部品1は、誘電体、磁性
体、絶縁体セラミックスやプラスチックスなどの絶縁性
材料よりなるコア2を有する。コア2は、絶縁被覆導線
3が巻回されている巻線部2aと、巻線部2aの両側に
おいて、巻線部2aよりも厚みが厚くされている電極形
成部2b,2cとを有する。巻線部2aにおいては、絶
縁被覆導線3が巻回されている。また、電極形成部2
b,2cの上面には、使用に際して外部と接続するため
に、第1,第2の電極4,5が形成されている。
【0019】本実施例のコイル部品の製造方法では、上
記チップ型コイル部品1が製造されるが、絶縁被覆導線
3を、第1,第2の電極4,5に接合する工程に特徴を
有するものであり、その他の工程については、従来より
公知のコイル部品の製造方法に従って行い得る。すなわ
ち、コア2の外表面に絶縁被覆導線3を巻回して巻線部
を構成する工程、並びにコア2の電極形成部2b,2c
の上面に電極4,5を形成する工程については、従来よ
り公知の方法に従って行い得る。
【0020】本実施例のチップ型コイル部品の製造方法
の特徴は、絶縁被覆導線3の端部を第1,第2の電極
4,5に接合する工程にあり、これを、第1の電極4上
に絶縁被覆導線3の端部を接合する場合を例にとり説明
する。
【0021】まず、図1(a)に示すように、第1の電
極4上に、絶縁被覆導線3を配置する。第1の電極4
は、コイル部品のコア2の電極形成部2bの上面に形成
されている。また、第1の電極4は、ベース層4a、N
iメッキ層4b及びSnメッキ層4cを積層した構造を
有する。ベース層4aは、例えばAg含有導電ペースト
を塗布し、焼き付けることにより形成されている。もっ
とも、ベース層4aは、蒸着、メッキ、スパッタリング
等の他の方法により形成されていてもよい。
【0022】ベース層4a上には、半田食われを防止す
るために、Niメッキ層4bが半田食われ防止層として
形成されている。なお、Niに代えて、CuやFeなど
を用いてもよい。
【0023】Niメッキ層4bの外表面には、実装時の
半田付け性を高めるために、易半田付け層としてSnメ
ッキ層4cが形成されている。なお、Snに代えて、半
田などの半田付け性に優れた他の材料によりメッキ層を
形成し、易半田付け層を構成してもよい。
【0024】本実施例では、絶縁被覆導線3は、Cuよ
りなる導線3aと、導線3aの外周面を被覆するように
形成された絶縁被覆3bとを有する。絶縁被覆3bは、
ポリエステルイミド等により構成されている。なお、ポ
リエステルイミドからなる絶縁被覆3bを溶融させる温
度は330℃以上である。
【0025】絶縁被覆導線3を第1の電極4に接合する
に際しては、まず、絶縁被覆導線3を、第1の電極4上
に載置し、加圧チップ6を降下させる。加圧チップ6
は、絶縁被覆導線の絶縁被覆3bを溶融させる温度以
上、本実施例では500℃以上の温度に加熱されてい
る。また、加圧チップ6は、相対的に低い圧力で絶縁被
覆導線3を第1の電極4に対して加圧するように降下さ
れる。この加圧に際しての圧力の値については、絶縁被
覆導線3の径や材質によっても異なるため、一義的には
定め得ないが、例えば、Cuよりなり、線径40μmの
場合には、約30〜50gF程度の圧力で行われる。こ
のようにして、本発明における低圧加圧工程が実施され
る。
【0026】上記低圧加圧工程では、絶縁被覆を溶融さ
せる温度以上に加圧チップ6が加熱されているので、絶
縁被覆3bが溶融する。従って、図1(b)に示されて
いるように、溶融した絶縁被覆3bが第1の電極4上に
おいて、導線3aの両側に移動し、導線3aの下面が第
1の電極4の最外側層のSnメッキ層4cに直接接触さ
れる。
【0027】なお、図1(b)に示されているように、
上記低圧加圧工程においては、加圧チップ6により加え
られる圧力が低いため、導線3aはほとんど変形されて
いない。すなわち、導線3aの扁平化がほとんど生じな
いような圧力で、上記低圧加圧工程が行われる。
【0028】また、低圧加圧工程では、Snメッキ層4
cは加圧チップ6に直接接触されておらず、加えられる
圧力が小さいため、並びに図3から明らかなように、比
較的短時間で行われるので、絶縁被覆3bは溶融する
が、Snメッキ層4cはほとんど溶融しない。言い換え
れば、絶縁被覆3bは溶融するが、Snメッキ層4cは
溶融しないように、上記圧力及び加圧時間が選ばれる。
【0029】次に、低圧加圧工程に続いて、相対的に高
い圧力で加圧する高圧加圧工程を実施する。すなわち、
導線3aを第1の電極4に対して、該導線3aを扁平化
するように、かつ第1の電極4に対して導線3aが埋設
されるように高圧加圧工程が実施される。これを、図1
(c)及び(d)を参照して説明する。
【0030】図1(c)に示すように、高圧加圧工程で
は、加圧チップ6にさらに下向きの荷重を加え、導線3
aを扁平化する。すなわち、この高圧加圧工程において
加圧チップ6により加えられる圧力は、導線3aが扁平
化するように、かつ導線3aが第1の電極4に埋設され
るように設定されている。従って、上記高圧加圧工程に
より、導線3aは扁平化し、図1(d)に示すように、
第1の電極4内に埋設される。
【0031】上記高圧加圧工程における温度について
は、好ましくは、第1,第2の電極表面部分の融点以
下、すなわちSnメッキ層4cの融点以下であり、かつ
凝固点以上の温度とされ、本実施例では、230℃とさ
れている。高圧加圧工程における温度をこのように設定
することにより、第1の電極4のSnメッキ層4cを軟
化させることができ、それによって導線3aを確実に第
1の電極4内に埋設させることができる。
【0032】なお、高圧加圧工程における温度を、Sn
メッキ層4cの融点を超える温度とした場合には、高圧
加圧工程においてSnメッキ層4cが溶融し、絶縁被覆
3bにより、溶融したSnが押し退けられ、Niメッキ
層4bが最終的に露出したり、絶縁被覆3bが除去され
た後に窪みが発生したりすることがある。
【0033】この高圧加圧工程に加えられる圧力の大き
さについても、導線3aの材質や線径によっても異なる
ため、一義的には定め得ないが、Cuよりなる導線3a
が用いられており、線径が40μmの場合、約300g
F程度とすればよい。
【0034】次に、上記加圧チップ6を引き上げること
により、絶縁被覆3bは、加圧チップ6の底面6aに付
着したまま除去される。図1(d)から明らかなよう
に、絶縁被覆3bが除去された後、第1の電極4の表面
には窪みは残らず、電極4の表面は平坦化されている。
【0035】上記低圧加圧工程及び高圧加圧工程におけ
る温度及び圧力のプロファイルを図3に示す。すなわ
ち、図3からも明らかなように、上記低圧加圧工程に連
続して、高圧加圧工程を実施することが必要であり、そ
れによって、上記のように、絶縁被覆導線3の端部を接
合したとしても、電極4の表面が平坦化される。
【0036】従って、本実施例の製造方法によれば、絶
縁被覆導線3の導線3aが扁平化されて、第1の電極4
内に埋設されており、第1の電極4の表面が平坦化され
ることになるため、例えばプリント回路基板にコイル部
分を実装した際の半田等による接合の信頼性を高めるこ
とができる。加えて、導線3aの周囲においては、確実
にSnメッキ層4cが露出されているので、半田付け性
においても優れている。
【0037】なお、高圧加圧工程については、上述した
実施例のように低圧加圧工程よりも低い温度で行っても
よいが、逆に、低圧加圧工程よりも高い温度で行っても
よい。例えば、絶縁被覆3bがウレタン系樹脂により構
成されている場合、ウレタン系樹脂の溶融温度は、28
0℃程度であり、ウレタン系樹脂は速やかに溶解する
が、短時間の加熱であるため、Snメッキ層は軟化しな
い。従って、低圧加圧工程において、ウレタン系樹脂よ
りなる絶縁被覆を溶融させ、高圧加圧工程において、よ
り高い温度でSnメッキ層を軟化させることにより、上
記実施例と同様に、導線を第1の電極のSnメッキ層内
に確実に埋設させることができる。
【0038】なお、上記実施例では、第1,第2の電極
は、Ag導電ペーストよりなるベース層4a上に、Ni
メッキ層4b及びSnメッキ層4cを積層した構造を有
していたが、本発明においては、第1,第2の電極は単
一の層で構成されていてもよい。
【0039】すなわち、単一の金属材料により第1,第
2の電極を形成し、上記低圧加圧工程及び高圧加圧工程
を実施して、絶縁被覆導線を第1,第2の電極に接合し
てもよい。この場合、最初に行われる低圧加圧工程にお
いては、上記実施例の場合と同様に、導線がさほど扁平
化せず、絶縁被覆が溶融され、導線の側方に押しやられ
る。そして、図5に示すように、高圧加圧工程において
は、導線3aが第1の電極24に埋設されるように、加
圧チップ6により相対的に高い圧力が加えられる。導線
3aが埋設されるように、高圧加圧工程における温度
は、単一材料からなる第1の電極24が軟化する温度、
すなわち凝固点以上であって、融点以下の温度とされ
る。
【0040】この場合においても、絶縁被覆3bは、最
初の低圧加圧工程において溶融され、導線3aの側方に
移動され、次に行われる高圧加圧工程後に、加圧チップ
6の底面6aに付着し、除去される。従って、図5にお
いて右側に示すように、高圧加圧工程後には、第1の電
極4に導線3aが接合され、かつこの接合部分の表面が
平坦化される。
【0041】また、上記実施例では、コイル部品とし
て、絶縁被覆導線3が巻回されるコアの両端に絶縁被覆
導線3の端部が接合される一対の電極を形成した構造の
ものについて説明したが、本発明により製造されるコイ
ル部品においては、絶縁被覆導線が接合される電極は、
コア2の一端側にのみ形成されていてもよく、かつ絶縁
被覆導線の端部が接合される電極の数についても、特に
限定されない。
【0042】さらに、上述した実施例では、低圧加圧工
程における温度を、絶縁被覆3bは溶融するが、Snメ
ッキ層4c、すなわち低融点金属層をほとんど溶融させ
ないように選択したが、低圧加圧工程における温度につ
いては、低融点金属層が溶融する温度で行われてもよ
い。すなわち、低圧加圧工程において低融点金属層が一
旦溶融したとしても、以後の工程において低融点金属層
をその凝固点以上の軟化状態となるように冷却すればよ
く、それによって高圧加圧工程において導線3aを上記
実施例と同様にして電極に埋設させることができる。な
お、この冷却については、高圧加圧工程において行って
もよく、あるいは高圧加圧工程に先立ち、上記のように
冷却操作を行ってもよい。
【0043】なお、上記絶縁被覆導線3の導線3aは、
Cu以外の適宜の金属材料、例えばAg、Niなどを用
いて構成することができる。また、絶縁被覆3bを構成
する絶縁性材料についても、ポリエステルイミドやウレ
タン系樹脂に限定されず、他の適宜の合成樹脂を用いて
構成することができる。
【0044】
【発明の効果】請求項1に記載の発明に係るコイル部品
の製造方法では、低圧加圧工程において、絶縁被覆導線
が電極に対して、絶縁被覆を溶融させる温度以上でかつ
相対的に低い圧力で加圧され、それによって絶縁被覆が
溶融され、導線の側方に移動される。次に、高圧加圧工
程において、さらに導線に大きな圧力が加えられ、導線
が扁平化すると共に、電極に埋設される。従って、電極
に絶縁被覆導線が接合された部分の表面が平坦化し、か
つ絶縁被覆導線の導線が電極に確実に接触される。よっ
て、電気的接続の信頼性を高め得ると共に、プリント回
路基板などに実装するに際しての半田付けによる接合の
信頼性をも高めることが可能となる。
【0045】また、本発明では、高圧加圧工程における
温度が、電極表面部分の融点以下であり、かつ凝固点以
上の温度とされるので、高圧加圧工程において、電極表
面部分が軟化し、絶縁被覆導線の導線が確実に電極に埋
設される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は、本発明の一実施例において
絶縁被覆導線を第1の電極に接合する工程を説明するた
めの各断面図。
【図2】本発明の一実施例で得られるコイル部品を示す
斜視図。
【図3】図1に示した実施例における圧力及び温度プロ
ファイルを示す図。
【図4】図1に示した実施例で用いられる接合装置を説
明するための概略斜視図。
【図5】本発明の他の実施例における高圧加圧工程を説
明するための断面図。
【図6】従来のコイル部品の製造方法において絶縁被覆
導線を電極に接合する工程を説明するための断面図。
【図7】従来のコイル部品の製造方法において、低融点
金属からなる電極層を有する電極に絶縁被覆導線を接合
した場合の問題点を説明するための断面図。
【符号の説明】
1…コイル部品 2…コア 3…絶縁被覆導線 3a…導線 3b…絶縁被覆 4…第1の電極 4a…ベース層 4b…Niメッキ層 4c…Snメッキ層 5…第2の電極 6…加圧チップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−224209(JP,A) 特開 昭54−11487(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 5/04,27/29,41/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性材料よりなるコアと、コアの周囲
    に巻回されている絶縁被覆導線と、コアの外表面に形成
    された電極とを備え、前記絶縁被覆導線の端部が電極に
    接合されているコイル部品の製造方法であって、 前記電極に絶縁被覆導線を接合するにあたり、 絶縁被覆導線の被覆を溶融させる温度以上で、かつ相対
    的に低い圧力で絶縁被覆導線を電極に対して加圧する低
    圧加圧工程と、 前記低圧加圧工程に続いて、導線を扁平化するように、
    かつ電極に対して埋設されるように、電極表面部分の融
    点以下であり、かつ凝固点以上の温度で相対的に高い圧
    力で導線を電極に対して加圧する高圧加圧工程とを備え
    ることを特徴とする、コイル部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記高圧加圧工程を、前記低圧加圧工程
    よりも低い温度で行う、請求項1に記載のコイル部品の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 前記高圧加圧工程を、前記低圧加圧工程
    よりも高い温度で行う、請求項2に記載のコイル部品の
    製造方法。
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