JP2003249131A - 透明導電膜の製造方法 - Google Patents

透明導電膜の製造方法

Info

Publication number
JP2003249131A
JP2003249131A JP2002049634A JP2002049634A JP2003249131A JP 2003249131 A JP2003249131 A JP 2003249131A JP 2002049634 A JP2002049634 A JP 2002049634A JP 2002049634 A JP2002049634 A JP 2002049634A JP 2003249131 A JP2003249131 A JP 2003249131A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
conductive film
transparent conductive
coating
nanoparticles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002049634A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshio Tadakuma
芳夫 多田隈
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2002049634A priority Critical patent/JP2003249131A/ja
Priority to US10/372,930 priority patent/US7507447B2/en
Publication of JP2003249131A publication Critical patent/JP2003249131A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Oxygen, Ozone, And Oxides In General (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Manufacturing Of Electric Cables (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属のナノ粒子を用い、塗布により、比抵抗
値が低く、且つ光透過率の高い透明導電膜の製造方法を
提供する。 【解決手段】 金属ナノ粒子を含有する塗布液を、基板
上に塗布して塗布層を形成する塗布工程と、該塗布層を
乾燥する乾燥工程と、前記塗布層を焼成して透明導電膜
とする焼成工程とを含み、前記塗布工程、前記乾燥工程
および前記焼成工程のいずれかの工程で、前記金属ナノ
粒子の金属が酸化されて金属酸化物となることを特徴と
する透明導電膜の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子(L
CD)、タッチパネル、プラズマディスプレイパネル
(PDP)、エレクトロルミネッセンス素子(EL)等
の電極として使用される透明導電膜の製造方法に関し、
より詳細には、超微粒子コロイドを利用した透明導電膜
の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、ディスプレイとして液晶ディスプ
レイやエレクトロルミネッセンスディスプレイ等が多く
用いられている。これらのディスプレイには、表示素子
および駆動回路部分に透明電極が用いられている。透明
導電膜には、抵抗値が小さく、透明性がよい、金属酸化
物膜が適している。金属酸化物膜を基板上に形成する方
法としては、スパッタリング法、蒸着法またはイオンビ
ーム法等が知られている。これらの方法によると、真空
装置のような高価な設備が必要となるので、製造コスト
が上昇する。さらに真空中で製造されるため、製造可能
な薄膜の大きさが制限され、大面積の透明導電膜を形成
するのは困難である。 【0003】透明導電膜を形成する他の方法として、塗
布法による成膜法が検討されている。例えば、導電材料
としてITOやATOおよびIZO等の導電性金属酸化
物をバインダーまたは樹脂と溶剤とに混合し、均一に分
散させたペーストを、基板上に塗布および焼成する方法
が知られている。この方法は、基板の大きさに制約を受
けず、かつ特殊な製膜装置を必要としないという利点が
あるものの、その導電性は、帯電防止膜としての用途等
に使用する場合は充分であるが、透明電極として用いる
場合には不充分である。塗布法によって導電膜を形成し
た場合に、導電性が低くなるのは、バインダーまたはそ
の他の添加物が、塗布および焼成時に存在しているの
で、導電性金属酸化物粒子間の接触を妨げ、充分な導電
性が発現されないためと考えられる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】このような問題を解決
する方法として、例えば、特開平5−24836号公報
には、導電性金属酸化物粒子の形状を制御し、粒子同士
の接触を改善する方法が開示されている。しかし、この
方法では、一旦気相中から析出した粒子の体積が変化し
ない限り接触部位がさらに増加することは期待できな
い。一般に、金属は酸素と結合することにより体積が増
加する。例えば、金属インジウムの密度は7.31g/
cm3であるのに対して、酸化インジウム(In2O
3)の密度は7.18g/cm3である。このことは、
明らかに金属インジウム粒子を構成するインジウムが酸
素と結合することにより粒子の体積が増加することを示
している。さらに粒子サイズがナノサイズであると、金
属ナノ粒子は室温でも容易に酸化されて金属酸化物とな
る。 【0005】本発明は、金属ナノ粒子を含むコロイド溶
液を基板に塗布し、塗布、乾燥または焼成のいずれかの
工程で金属粒子を金属酸化物に変換することにより、比
抵抗値が低く且つ光透過率の高い透明導電膜の製造方法
を提供することを課題とする。また、本発明は、簡易な
操作により大面積の透明導電膜を製造可能な製造方法を
提供することを課題とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の透明導電膜の製造方法は、金属ナノ粒子を
含有する塗布液を、基板上に塗布して塗布層を形成する
塗布工程と、該塗布層を乾燥して成膜する乾燥工程と、
前記塗布層を焼成して透明導電膜とする焼成工程とを含
み、前記塗布工程、前記乾燥工程および前記焼成工程の
いずれかの工程で、前記金属ナノ粒子の金属が酸化され
て金属酸化物となることを特徴とする。 【0007】本発明の製造方法では、金属ナノ粒子中の
金属は、塗布工程、乾燥工程および焼成工程のいずれか
の工程で金属酸化物に変化し、粒子体積が増大し、粒子
間の接触部分が増加している。また、焼成工程において
金属ナノ粒子同士が融着する。その結果、比抵抗値が低
くかつ光透過率の高い、金属酸化物を含む透明導電膜と
なる。また、本発明の製造方法は、蒸着法等に使用する
大型な装置が不要であり、容易に大面積の透明導電膜を
製造できるので、製造をスケールアップする場合に特に
有利である。なお、本発明において、前記ナノ粒子中の
金属の酸化は、いずれか一つの工程で進行しても、複数
の工程で進行してもよい。 【0008】本発明の一態様として、2種類以上の金属
からなる複合金属ナノ粒子または2種類以上の金属ナノ
粒子の混合物を含有する塗布液を、基板上に塗布して塗
布層を形成する塗布工程と、該塗布層を乾燥して成膜す
る乾燥工程と、前記塗布層を焼成して透明導電膜とする
焼成工程とを含み、前記塗布工程、前記乾燥工程および
前記焼成工程のいずれかの工程で、前記複合金属ナノ粒
子および/または前記金属ナノ粒子の混合物に含まれる
前記2種類以上の金属が酸化されて金属酸化物となるこ
とを特徴とする透明導電膜の製造方法が提供される。 【0009】また、本発明の一態様として、還元剤の存
在下で、金属種が異なる2種類以上の金属化合物または
金属カチオンを還元して、前記金属ナノ粒子(または前
記複合金属ナノ粒子)を調製する工程を含む上記透明導
電膜の製造方法;前記金属ナノ粒子(または前記複合金
属ナノ粒子)の平均粒子サイズが、1〜20nmである
ことを特徴とする上記透明導電膜の製造方法;前記金属
が2種類の金属種を含み、少なくとも2種類が元素の短
周期型周期律表において第4または第5周期の2B、3
B、4Bおよび5B族から選ばれる元素であることを特
徴とする上記透明導電膜の製造方法;が提供される。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明についてより詳細に
説明する。本発明では、金属ナノ粒子を用いる。前記金
属ナノ粒子としては、2種類以上の金属元素を含むナノ
粒子を用いるのが好ましい。前記2種類以上の金属を一
粒子中に全て含む複合金属ナノ粒子を用いることもでき
るし、前記2種類以上の金属の一部または全部を、それ
ぞれ異なる粒子中に含む金属ナノ粒子の混合物を用いる
こともできる(以下、「ナノ粒子」というときは、双方
の態様を含む概念で用いる)。中でも、複合金属ナノ粒
子を用いるのが好ましい。本明細書において、複合金属
ナノ粒子には、複数の金属種が粒子を構成している形態
はいずれも含まれる。複数の金属種は相互作用を及ぼし
合って存在していも、別個独立に存在していてもよく、
具体的には、固溶体、共晶、化合物あるいはそれらが共
存している状態、コア−シェル構造、単なる不均一混合
体の態様が含まれる。また、ナノ粒子は、表面に金属が
露出している部分があればよく、例えば、表面の一部が
酸化または水酸化していても金属部分が残存していれば
効果を得ることが可能である。 【0011】本発明に用いられるナノ粒子の粒子サイズ
は、平均で1〜20nmであるのが好ましく、1〜10
nmであるのがより好ましい。また、種々の量子サイズ
効果の発現を利用する場合、いわゆる単分散粒子が好ま
しい。本発明でいうところの単分散粒子とは、変動係数
が好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下、
さらに好ましくは10%以下である。ナノ粒子の平均粒
子サイズは、透過型電子顕微鏡(TEM)により測定する
ことができる。 【0012】本発明においてナノ粒子は、元素の短周期
型周期律表において、第4および第5周期の2B、3
B、4Bおよび5B族の少なくとも2種類以上を含むナ
ノ粒子が好ましい。具体的には、InSn、InZn、
ZnSn、SbSn、ZnInSnなどの複合金属ナノ
粒子、またはこれらを別々の粒子に含む金属ナノ粒子の
混合物が好ましい。原子比を全て整数で表示したが、原
子比はこれらに限らず、また、任意の比率とすることが
できる。 【0013】前記ナノ粒子は、還元剤の存在下で、金属
種の異なる2種類以上の金属化合物または金属カチオン
を還元することによって調製できる。具体的には、金属
種の異なる2種類以上の金属化合物を所望の割合で溶媒
中に溶解および/または分散させ、必要に応じて加熱し
て激しく混合しながら適当な還元剤を添加することによ
り得られる。前記ナノ粒子を合成する際の温度領域は、
一般的には、5〜95℃で、反応時間は、一般的には1
0分〜3時間である。還元剤を添加する前の溶液のpH
は、調製した粒子の反応収率および組成比に大きく左右
する。反応の収率はICPによる化学分析で、各粒子の
組成比はFE−TEMなどの高分解TEMにより確認で
きる。 【0014】上記ナノ粒子の原料となる金属化合物とし
ては、金属のハロゲン化物、硫酸化物、硝酸化物などの
無機酸塩;および蟻酸、酢酸化物等の有機酸塩;などが
ある。還元剤としては、テトラヒドロホウ酸塩、ジメチ
ルアミンボラン、ヒドラジン、ホスフィン酸塩が好まし
いが、テトラヒドロホウ酸塩が特に好ましい。またこれ
らの還元剤と適当な触媒等を併用してもよい。 【0015】前記ナノ粒子を溶解および/または分散さ
せる溶媒としては、水;酢酸ブチル、セロソルブアセテ
ートなどのエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキ
サノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;ジクロ
ルメタン、1,2ージクロルエタン、クロロホルムなど
の塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミドなどのアミ
ド;シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタ
ンなどの炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテ
ル、ジオキサンなどのエーテル;エタノール、nープロ
パノール、イソプロパノール、nーブタノール、ジアセ
トンアルコールなどのアルコール;2,2,3,3ーテ
トラフロロプロパノールなどのフッ素系溶剤;エチレン
グリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモ
ノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテルなどのグリコールエーテル類;などを挙げること
ができる。これらの溶媒は、コロイド粒子の分散性を考
慮して、単独または二種以上を組み合わせて用いること
ができる。 【0016】上記反応によって、2種類以上の金属を一
粒子中に含む複合金属ナノ粒子の、またはそれぞれ異な
る粒子中に含む金属ナノ粒子の混合物のコロイド分散液
が得られる。このコロイド分散液は、未反応物、反応副
生成物等の不純物を含んでいるので、限外濾過を数回行
って不純物を除去した後、塗布液として用いるのが好ま
しい。濾過後に洗浄する場合は、コロイドが凝集を起こ
さない洗浄液を用いる。 【0017】コロイド分散液中には、吸着性化合物(分
散剤)または界面活性剤等の有機化合物を含有させるの
が好ましい。前記吸着性化合物および界面活性剤は、コ
ロイド粒子の表面に吸着等し、コロイド粒子を表面修飾
することにより、コロイド分散液の安定性向上およびコ
ロイド粒子の絶縁性確保に寄与する。コロイドは親水性
であっても疎水性であってもよい。前記吸着性化合物と
しては、−SH、−CN、−NH2、−SO2OH、−S
OOH、−OPO(OH)2、−COOHを含有する化
合物などが有効であり、これらのうち−SHまたは−C
OOH含有化合物が好ましい。親水性コロイドの場合に
は、親水性基{例えば、−SO3Mや−COOM(Mは
水素原子、アルカリ金属原子またはアンモニウム分子等
を表わす)}を有する吸着性化合物を使用するのが好ま
しい。また、アニオン性界面活性剤(例えば、エアロゾ
ルOTやドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等)、
ノニオン性界面活性剤(例えばポリアルキルグリコール
のアルキルエステルやアルキルフェニルエーテル等)、
フッ素系界面活性剤、親水性高分子(例えば、ヒドロキ
シエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニ
ルアルコール、ポリエチレングリコール等)をコロイド
分散液中に含有させるのも好ましい。 【0018】前記コロイド分散液中には、前記吸着性化
合物等の有機化合物の他にも帯電防止剤、UV吸収剤、
可塑剤、高分子バインダー等の各種添加剤を目的に応じ
て添加してもよい。 【0019】前述の方法で調製したコロイド分散液中の
不要な塩は、遠心分離法、電気透析法、限外濾過法など
の脱塩法により除去した後、塗布液として用いるのが好
ましい。塗布液として用いるためには、コロイド分散液
の電気伝導度は1,000μS/cm以下であるのが好
ましく、100μS/cm以下であるのがより好まし
い。 【0020】その後、溶媒をさらに加えて、または濃縮
して、所望の濃度に調整して、塗布液として用いる。 【0021】本発明の製造方法は、前記塗布液を、基板
上に塗布して塗布層を形成する塗布工程と、該塗布層を
乾燥する乾燥工程と、前記塗布層を焼成して透明導電膜
とする焼成工程とを含み、前記塗布工程、前記乾燥工程
および前記焼成工程のいずれかの工程で、ナノ粒子に含
まれる金属が酸化されて金属酸化物となることを特徴と
する。前記ナノ粒子中の金属は、塗布工程、乾燥工程お
よび焼成工程のいずれかの工程で金属酸化物に変化し、
粒子体積が増大し、粒子間の接触部分が増加する。さら
に前記ナノ粒子は、焼成工程において粒子間が融着し、
導電性および透明性の高い透明導電膜となる。その結
果、比抵抗値が低くかつ光透過率の高い透明導電膜とな
る。また、本発明の製造方法は、蒸着法等に使用する大
型な装置が不要であり、容易に大面積の透明導電膜を製
造できるので、製造をスケールアップする場合に特に有
利である。 【0022】前記塗布工程では、基板上に前記塗布液を
塗布して塗布層を形成する。塗布方法については特に制
限はなく、スピンコート、ディップコート、エクストル
ージョンコート、バーコートなど種々の方法を利用する
ことができる。酸素存在下、例えば、空気中で塗布工程
を実施することにより、前記塗布液中のナノ粒子の酸化
が、または基板上で前記ナノ粒子の酸化が進行する。 【0023】本発明に使用する基板の材料としては、石
英ガラス、無アルカリガラス、結晶化透明ガラス、パイ
レックス(登録商標)ガラス、サファイア等のガラス;
Al23、MgO、BeO、ZrO2、Y23、Th
2、CaO、GGG(ガドリウム・ガリウム・ガーネ
ット)等の無機材料;ポリカーボネート;ポリメチルメ
タクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化
ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;
ポリアリレート;ポリサルフォン;ポリエーテルサルフ
ォン;ポリイミド;フッ素樹脂;フェノキシ樹脂;ポリ
オレフィン系樹脂;ナイロン;スチレン系樹脂;ABS
樹脂;金属;等を挙げることができ、所望によりそれら
を併用してもよい。用途に応じてこれらの材料から適宜
選択して、フィルム状等の可撓性支持体、または剛性の
ある支持体とすることができる。なお、前記基板の形状
は円盤状、カード状、シート状などいずれの形状であっ
てもよい。 【0024】前記基板と前記透明導電膜との間に、前記
支持体表面の平面性の改善、接着力の向上および透明導
電膜の変質防止などの目的で、下塗層を設けてもよい。
該下塗層の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリ
レート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン
・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N
ーメチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエ
ン共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン、ニトロセ
ルロース、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素
化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビ
ニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重
合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネー
ト等の高分子物質;熱硬化性または光・電子線硬化樹
脂;およびカップリング剤などの表面改質剤等が挙げら
れる。前記下塗り層の材料としては、支持体と微粒子層
との密着性に優れている材料が好ましく、具体的には、
熱硬化性または光・電子線硬化樹脂、およびカップリン
グ剤(例えば、シランカップリング剤、チタネート系カ
ップリング剤、ゲルマニウム系カップリング剤アルミニ
ウム系カップリング剤など)が好ましい。 【0025】前記下塗層は、上記材料を適当な溶媒に溶
解または分散させて塗布液を調製し、該塗布液をスピン
コート、ディップコート、エクストルージョンコート、
バーコートなどの塗布法を利用して支持体表面に塗布す
ることにより形成することができる。前記下塗層の層厚
(乾燥時)は、一般に0.001〜20μmが好まし
く、0.005〜10μmがより好ましい。 【0026】前記塗布工程の後、前記塗布層を乾燥し
て、塗布層中の溶媒を除去する。酸素存在下、例えば、
空気中で前記塗布層を乾燥することにより、塗布層中の
前記金属ナノ粒子の酸化が進行する。なお、乾燥工程と
は、コロイド溶液の分散媒を除去する工程という意味で
用いる。乾燥工程は他の工程の一部として行われてもよ
く、例えば、塗布時減圧環境のまま焼成する場合は、焼
成工程の前段階が乾燥工程を兼ねることになる。 【0027】前記乾燥工程の後、前記塗布層を焼成し
て、透明導電膜とする。酸素の存在下、例えば、空気中
で焼成を実施することにより、前記金属ナノ粒子の酸化
が進行する。焼成により、前記塗布層中の金属ナノ粒子
は溶融して連続体となり、および塗布層中に含まれる有
機化合物は焼成により除去され、導電性が発現する。焼
成は、例えば、電気炉等を用いて行うことができる。焼
成温度は、一般的には100〜600℃が好ましく、3
00〜500℃がより好ましく、焼成時間は10分間〜
4時間が好ましく、20分間〜1時間がより好ましい。
金属ナノ粒子の酸化を進行させるために、空気中で所定
の温度で所定の時間焼成した後、アルゴン等の不活性ガ
スまたは窒素ガスの雰囲気下で焼成することもできる。 【0028】製造された透明導電膜は高い導電性を有す
る。前記透明導電膜の表面抵抗値は、500Ω/□以下
であるのが好ましく、100Ω/□以下であるのがより
好ましい。また、製造された透明導電膜は、可視光域の
光に対して高い光透過率を有し、光透過率は550nm
において、80%以上であるのが好ましく、90%以上
であるのがより好ましい。 【0029】前記透明導電膜の膜厚については、特に制
限はないが、5〜1000nmが好ましく、10〜50
0nmがより好ましい。膜厚を厚くしたい場合は必要に
応じて多重塗布を行うこともできる。また、前記透明導
電膜中の金属または複合金属の含有量については、用い
た金属の種類、用途に応じて、好ましい範囲も異なる
が、一般的には、10〜10000mg/m2が好まし
く、20〜5000mg/m2がより好ましい。 【0030】本発明の透明導電性膜は、その後、所望に
よりパターニング等の加工処理を施した後、例えば、液
晶表示素子(LCD)、タッチパネル、プラズマディス
プレイパネル(PDP)、エレクトルミネッセンス(E
L)素子等の電極に適用することができる。 【0031】 【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量と
その割合、操作等は本発明の主旨から逸脱しない限り適
宜変更することができる従って本発明の範囲は以下の具
体例に制限されるものではない。 【0032】[例1:NaBH4を用いたSn/In複
合ナノ粒子の調製]塩化インジウム(III) 4.97
g、塩化すず(IV)五水和物 0.877gおよびL−
酒石酸 10.1gを脱酸素水 250mLに溶解さ
せ、十分攪拌してA−1液を調製した。また、水酸化カ
リウム 13.4gを脱酸素水 200mLに溶解させ
充分攪拌して、B液を調製した。さらにテトラヒドロホ
ウ酸ナトリウム 7.15gを脱酸素水 50mLに溶
解し、充分攪拌してC液を調製した。室温で500mL
の三ツ口フラスコに、A−1液とB液とを混合して、充
分に攪拌した。溶液のpHは8.5であった。この混合
溶液に還元剤であるC液を添加すると、直ちに発泡し
た。反応容器を高温槽に移して昇温させると、還元が始
まり、溶液は透明から茶褐色へと変化し、Sn/In複
合ナノ粒子の分散液が得られた。反応は60℃で60分
間行い、終了後、自然冷却で室温まで降温させた。 【0033】[例2:NaBH4を用いたSb/Sn複
合ナノ粒子の調製]塩化すず(IV)五水和物 7.89
g、塩化アンチモン(III) 0.57gおよびL−酒
石酸10.1gを脱酸素水250mLに溶解させ、充分
攪拌してA−2液を調製した。また、水酸化カリウム
13.4gを脱酸素水 200mLに溶解させ、充分攪
拌してB液を調製した。さらにテトラヒドロホウ酸ナト
リウム 7.15gを脱酸素水 50mLに溶解し、充
分に攪拌してC液を調製した。室温で500mLの三ツ
口フラスコに、A−2液とB液とを混合して、充分に攪
拌した。溶液のpHは8.5であった。この混合溶液に
還元剤であるC液を添加すると、直ちに発泡した。反応
容器を高温槽に移して昇温させると、還元が始まり、溶
液は透明から茶褐色へと変化し、Sb/Sn複合ナノ粒
子の分散液が得られた。反応は60℃で60分間行い、
終了後、自然冷却で室温まで降温させた。 【0034】[例3:Sn/In水酸化物粒子の調製]
塩化インジウム(III) 4.97gと、塩化すず(I
V)五水和物 0.877gとを、脱酸素水 250m
Lに溶解させ、充分攪拌してA−3液を調製した。50
0mLの三ツ口フラスコに、A−3液を入れ、0℃に冷
やしながら12%アンモニア水を滴下させ、Sn/In
水酸化物粒子の分散液を得た。溶液のpHは8.5、反
応時間は60分間であった。 【0035】[例4:Sb/Sn水酸化物粒子の調製]
塩化すず(IV)五水和物 7.89gと塩化アンチモン
(III)0.57gとを、脱酸素水 250mLに溶解
させ、充分攪拌してA−4液を調製した。500mLの
三ツ口フラスコに、A−3液を入れ、0℃に冷やしなが
ら12%アンモニア水を滴下させ、Sb/Sn水酸化物
粒子の分散液を得た。溶液のpHは8.5、反応時間は
60分間であった。 【0036】例1〜例5の複合ナノ粒子を調製後、溶液
を窒素雰囲気下で沈殿物と上澄み液が完全に分離するま
で静置した。上澄み液のみを廃却した後、脱酸素水を適
量添加して攪拌した後、再び静置して沈殿物と上澄み液
を分離した。この操作を上澄み液の電気伝導度が10μ
S/cm以下になるまで繰り返した。沈殿物は最後に遠
心分離でさらに濃縮した。遠心分離の条件は2000r
pmで5分間であった。遠心分離後、上澄み液を廃棄
し、適当な濃度になるように水を添加し、酢酸とアンモ
ニア水でpH4に調整した。この溶液を空気中で激しく
攪拌すると、例1および例2の試料は、黒褐色の溶液か
ら薄い黄色の透明溶液となった(コロイド1およびコロ
イド2)。一方、例3および例4に記載の試料は、白濁
した溶液が透明な溶液となった(コロイド3およびコロ
イド4)。こうして得られた粒子の平均粒子サイズは、
コロイド1では3.5nm、コロイド2では3.8n
m、コロイド3では3.4nmおよびコロイド4では
3.6nmであった。 【0037】調製したコロイド分散液1〜4の各々を、
0.5mLを50mm×50mmのガラス基板上にのせ
回転数500〜2000rpmで20秒間スピンコート
して塗布した。このようにして得られた薄膜は80℃で
2時間乾燥させた。乾燥を終了した薄膜は、電気炉を用
いて空気雰囲気下で500℃で30分間焼成した後、さ
らにアルゴン雰囲気下で500℃で30分間焼成した。
コロイド1およびコロイド3を塗布、乾燥後上記条件で
焼成した試料のXRDは、結晶性のITOのピークを示
した。またコロイド2およびコロイド4を塗布、乾燥後
上記条件で焼成した試料のXRDは、結晶性のATOの
ピークを示した。 【0038】焼成後の薄膜の比抵抗値は三菱油化製のロ
ーレスタMCP−T600により、光透過率は島津製作
所製のUV−3100PCによりそれぞれ測定した。表
1に各試料の表面抵抗値、膜厚および光透過率をまとめ
た。 【0039】 【表1】 【0040】 【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、金
属ナノ粒子を含むコロイド溶液を基板に塗布し、塗布、
乾燥または焼成のいずれかの工程で金属粒子を金属酸化
物に変換することにより、比抵抗値が低く且つ光透過率
の高い透明導電膜の製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、簡易な操作により大面積の透明
導電膜を製造可能な製造方法を提供することができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 金属ナノ粒子を含有する塗布液を、基板
    上に塗布して塗布層を形成する塗布工程と、該塗布層を
    乾燥する乾燥工程と、前記塗布層を焼成して透明導電膜
    とする焼成工程とを含み、前記塗布工程、前記乾燥工程
    および前記焼成工程のいずれかの工程で、前記金属ナノ
    粒子の金属が酸化されて金属酸化物となることを特徴と
    する透明導電膜の製造方法。
JP2002049634A 2002-02-26 2002-02-26 透明導電膜の製造方法 Pending JP2003249131A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002049634A JP2003249131A (ja) 2002-02-26 2002-02-26 透明導電膜の製造方法
US10/372,930 US7507447B2 (en) 2002-02-26 2003-02-26 Transparent conductive film, method for producing same and method for forming pattern

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002049634A JP2003249131A (ja) 2002-02-26 2002-02-26 透明導電膜の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003249131A true JP2003249131A (ja) 2003-09-05

Family

ID=28662094

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002049634A Pending JP2003249131A (ja) 2002-02-26 2002-02-26 透明導電膜の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003249131A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005059927A1 (ja) * 2003-12-17 2005-06-30 Ulvac, Inc. 透明導電膜の形成方法及び透明電極
JP2005243249A (ja) * 2004-02-24 2005-09-08 Ulvac Japan Ltd 透明導電膜形成用分散液、透明導電膜の形成方法及び透明電極
JP2005300767A (ja) * 2004-04-08 2005-10-27 Japan Science & Technology Agency 異径微粒子団集積体の製造方法、異径微粒子団集積体及び異径微粒子団細線アレイ
WO2005123869A1 (ja) * 2004-06-16 2005-12-29 Japan Nuclear Cycle Development Institute ナノ粒子分散高性能液状流体、該流体の製造方法および装置、該流体の漏洩検出方法
WO2011162322A1 (ja) * 2010-06-24 2011-12-29 富士フイルム株式会社 導電膜、タッチパネル及び太陽電池
JP2015534208A (ja) * 2013-07-19 2015-11-26 エルジー・ケム・リミテッド 透明導電性薄膜形成用コア―シェルナノ粒子、及びこれを使用した透明導電性薄膜の製造方法

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100449652C (zh) * 2003-12-17 2009-01-07 株式会社爱发科 透明导电膜的形成方法
JP2005183054A (ja) * 2003-12-17 2005-07-07 Ulvac Japan Ltd 透明導電膜の形成方法及び透明電極
WO2005059927A1 (ja) * 2003-12-17 2005-06-30 Ulvac, Inc. 透明導電膜の形成方法及び透明電極
JP2005243249A (ja) * 2004-02-24 2005-09-08 Ulvac Japan Ltd 透明導電膜形成用分散液、透明導電膜の形成方法及び透明電極
JP4546129B2 (ja) * 2004-04-08 2010-09-15 独立行政法人科学技術振興機構 異径微粒子団集積体の製造方法、異径微粒子団集積体及び異径微粒子団細線アレイ
JP2005300767A (ja) * 2004-04-08 2005-10-27 Japan Science & Technology Agency 異径微粒子団集積体の製造方法、異径微粒子団集積体及び異径微粒子団細線アレイ
WO2005123869A1 (ja) * 2004-06-16 2005-12-29 Japan Nuclear Cycle Development Institute ナノ粒子分散高性能液状流体、該流体の製造方法および装置、該流体の漏洩検出方法
US7910627B2 (en) 2004-06-16 2011-03-22 Japan Nuclear Cycle Development Institute Nanoparticle-dispersed high-performance liquid fluid, production method and apparatus for the fluid, and leak detection method for the fluid
US8236251B2 (en) 2004-06-16 2012-08-07 Japan Nuclear Cycle Development Institute Nanoparticle-dispersed high-performance liquid fluid, production method and apparatus for the fluid, and leak detection method for the fluid
WO2011162322A1 (ja) * 2010-06-24 2011-12-29 富士フイルム株式会社 導電膜、タッチパネル及び太陽電池
JP2012230881A (ja) * 2010-06-24 2012-11-22 Fujifilm Corp 導電膜、タッチパネル及び太陽電池
JP2015534208A (ja) * 2013-07-19 2015-11-26 エルジー・ケム・リミテッド 透明導電性薄膜形成用コア―シェルナノ粒子、及びこれを使用した透明導電性薄膜の製造方法
US9761344B2 (en) 2013-07-19 2017-09-12 Lg Chem, Ltd. Core-shell nano particle for formation of transparent conductive film, and manufacturing method of transparent conductive film using the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7507447B2 (en) Transparent conductive film, method for producing same and method for forming pattern
TWI696713B (zh) 銀奈米線以及使用該銀奈米線的印墨
JP5638935B2 (ja) 金属微粒子分散液、透明導電性被膜形成用塗布液及び透明導電性被膜付基材
US20100031848A1 (en) Alloy nanoparticles of sn-cu-ag, preparation method thereof and ink or paste using the alloy nanoparticles
JPH10188681A (ja) 透明導電性被膜形成用塗布液、透明導電性被膜付基材およびその製造方法、表示装置
KR20120115298A (ko) 구리 나노와이어의 성장을 위한 조성물 및 방법
JP5580153B2 (ja) 金属微粒子分散液、金属微粒子、金属微粒子分散液の製造法等
JP2007077479A (ja) 複合粒子粉、その分散液またはペースト並びにそれらの製造法
JP5290826B2 (ja) 多孔質銅焼結膜の製造方法、及び多孔質銅焼結膜
WO2005081265A1 (ja) 透明導電膜形成用分散液、透明導電膜の形成方法及び透明電極
JP2017082305A (ja) 銀ナノワイヤおよびその製造方法並びに分散液
JP5326336B2 (ja) 導電体及びその製造方法
JP2003249131A (ja) 透明導電膜の製造方法
JP2015003940A (ja) 透明導電膜用水系塗工液及びこれを用いた透明導電膜
JP2001064540A (ja) 透明導電性被膜形成用塗布液、透明導電性被膜付基材および表示装置
JP2010103109A (ja) 透明導電性被膜形成用塗布液、透明導電性被膜付基材および表示装置
JP2000276941A (ja) 透明導電性被膜形成用塗布液、透明導電性被膜付基材および表示装置
JP2000248366A (ja) 導電性金属酸化物に基づく層
JP4278420B2 (ja) 金属化合物薄膜の形成方法および基板
TW201819303A (zh) 氧化亞銅粒子、其製造方法、光燒結型組成物、使用其的導電膜的形成方法及氧化亞銅粒子糊
JP2010153265A (ja) 樹脂被覆導電性粒子およびその製造方法
JPS63151619A (ja) 導電性を有する透明粉体の処理方法
JP2003249123A (ja) 透明導電膜およびそのパターニング方法
JP2012048949A (ja) 金担持粒子及びその製造方法、並びにその金担持粒子を用いた導電性膜及びその製造方法
JP2006156121A (ja) 可視光透過型粒子分散導電体、導電性粒子、可視光透過型導電物品、およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20040409

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Effective date: 20050722

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060906

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070110