JP2003247169A - ゴム補強用炭素繊維コードおよび繊維強化ゴム材料 - Google Patents

ゴム補強用炭素繊維コードおよび繊維強化ゴム材料

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JP2003247169A
JP2003247169A JP2002046204A JP2002046204A JP2003247169A JP 2003247169 A JP2003247169 A JP 2003247169A JP 2002046204 A JP2002046204 A JP 2002046204A JP 2002046204 A JP2002046204 A JP 2002046204A JP 2003247169 A JP2003247169 A JP 2003247169A
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隆雄 眞鍋
Hajime Kishi
肇 岸
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Toray Industries Inc
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    • D02G3/00Yarns or threads, e.g. fancy yarns; Processes or apparatus for the production thereof, not otherwise provided for
    • D02G3/44Yarns or threads characterised by the purpose for which they are designed
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    • DTEXTILES; PAPER
    • D10INDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBLASSES OF SECTION D, RELATING TO TEXTILES
    • D10BINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBLASSES OF SECTION D, RELATING TO TEXTILES
    • D10B2101/00Inorganic fibres
    • D10B2101/10Inorganic fibres based on non-oxides other than metals
    • D10B2101/12Carbon; Pitch

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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、優れた耐疲労性を発現し、タイヤ、
ベルト、ホース等の各種ゴム材料に好ましく使用でき
る、炭素繊維が使用されてなるゴム補強用コードおよび
繊維強化ゴム材料を提供せんとするものである。 【解決手段】本発明のゴム補強用コードは、結節強度が
500MPa以上の炭素繊維束にゴムを含む樹脂組成物
を含浸してなるゴム補強用コードであって、且つ、コー
ド表層部に2μm〜25μmの厚みのRFL層を有する
ことを特徴とするものである。また、本発明の繊維強化
ゴム材料は、かかるゴム補強用コードにより、ゴムを含
んでなる基材が補強されてなることを特徴とするもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイヤ、ベルト、
ホース等のゴム材料に好適に使用できるゴム補強用コー
ド及び繊維強化ゴム材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】タイヤ、ベルト、ホース等の各種ゴム材
料には、ナイロン繊維やポリエステル繊維等の有機繊維
とゴムからなる繊維強化ゴム材料が、実用的な耐疲労性
を有することから、広く利用されている。これらの繊維
強化ゴム材料は、ゴムを含んでなる基材が、強化繊維束
に接着剤等を付着させてなるコードにより補強されてな
るものである。
【0003】この強化繊維には、引張強度、引張弾性
率、耐熱性、耐水性、耐疲労性等の特性が要求される
が、中でも、外力による変形に耐性を持たせるため、耐
疲労性が重視される。
【0004】炭素繊維は、引張弾性率、引張強度、耐熱
性、耐水性が良好なことから、炭素繊維が用いられた繊
維強化ゴム材料は、寸法安定性、耐候性等に優れている
が、かかる繊維強化ゴム材料は、単繊維同士の擦過によ
るコードの破断やコードとゴムとの界面において剥離が
生じやすく、耐疲労性に劣りやすい。
【0005】かかる問題を解決する試みとして、特開昭
52−56181号公報に、RFL接着剤(レゾルシノ
ール−ホルムアルデヒド樹脂とラテックスの混合物)を
炭素繊維束に必要充分量含浸させる手法が開示されてい
る。また、特開昭60−181369号公報に、エポキ
シ化合物とゴムラテックスとの混合物を炭素繊維束に含
浸させる手法が開示されている。
【0006】しかしながら、これら手法によっても、タ
イヤ、ベルト等の用途において、要求される耐疲労性は
不充分であり、炭素繊維が使用されてなるゴム補強用コ
ードの中で、実用的に問題のない耐疲労性を有するもの
は、未だ得られていないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、伸長・圧縮
変形、屈曲変形、屈伸変形等の応力変形に対して、特
に、優れた耐疲労性を発現し、タイヤ、ベルト、ホース
等のゴム材料に好適に使用できるゴム補強用コードを提
供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は以下の構成を有する。即ち、結節強度が
500MPa以上の炭素繊維束にゴムを含む樹脂組成物
を含浸してなるゴム補強用コードであって、且つ、2μ
m〜25μmの厚みのRFL層を有するゴム補強用コー
ドである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明者らは、結節強度が一定値
以上である炭素繊維束に、ゴムを含む樹脂組成物が含浸
され、コード表層部に一定値内厚みのRFL層を有する
ゴム補強用コード(以下、単にコードという)でゴムを
含んでなる基材を補強することにより、高弾性率・高強
度を有しながら、意外にも従来になく、屈曲変形に対す
る耐疲労性(以下、単に屈曲変形という)に優れた繊維
強化ゴム材料が得られることを見出したものである。
【0010】本発明において用いる炭素繊維束は、その
結節強度が500MPa以上であることが必要であり、
好ましくは600MPa以上、より好ましくは700M
Pa以上であるのが良い。500MPa未満であると、
耐疲労性が不足しがちとなり、タイヤ、ベルト等の用途
に使用できないことがある。特に、結節強度が750M
Paあれば、本発明の効果を奏するに当たり、十分であ
ることが多い。
【0011】本発明においては、前記炭素繊維束に、ゴ
ムを含む樹脂組成物を含浸せしめてコード形状の材料と
する。ゴムが含まれないと、屈曲変形等の応力変形を受
けた際に、単繊維同士の擦過によるコードの破断が生じ
たり、ゴム界面においてコードとの剥離が生じたりする
ことがある。
【0012】なお、上記コードを簡便に作製するために
は、ゴムラテックスをもちいて樹脂組成物を調整するこ
とが好ましい。
【0013】ゴムラテックスとは、一般に、高分子が水
中に安定に分散しているものであり、樹脂組成物を炭素
繊維束に含浸させた後、コード中に残存する水分を加熱
乾燥等により除去しておくのが好ましい。コード中に水
分が残存しているとコードの耐疲労性を損なうボイドの
原因となる場合がある。加熱乾燥の温度としては、10
0〜270℃の範囲が好ましく、150〜240℃の範
囲がより好ましい。
【0014】ゴムラテックスとしては、アクリロニトリ
ル−ブタジエンゴムラテックス、イソプレンゴムラテッ
クス、ウレタンゴムラテックス、スチレン−ブタジエン
ゴムラテックス、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエ
ンゴムラテックス等が使用できる。中でも、ビニルピリ
ジン−スチレン−ブタジエンゴムラテックスは、耐疲労
性の向上に特に効果的であり、好ましく用いられる。
【0015】本発明のコードはコード表層部にレゾルシ
ン・ホルマリン・ゴムラテックスの混合物からなる層
(以下、RFL層)を有する必要がある。RFL層の厚
みは2μm〜25μmであることが必要であり、好まし
くは3μm〜20μm、より好ましくは4μm〜15μ
mのものが良い。2μm未満であると、被着ゴムとの接
着性が不充分になることがあり、25μmを超えるとコ
ードが硬くなりすぎ、座屈を起こしやすくなる。
【0016】コード表層部のRFL層は、走査型電子顕
微鏡やマイクロスコープなどで確認することができる
が、例えば次の手順に従って求めることができる。コー
ドを繊維軸と垂直な方向からカミソリ刃により切断し、
マイクロスコープ(例えばキーエンス(株)製のデジタ
ルHDマイクロスコープVH−7000)で観察し、録
画して画像を得る。この時、レンズは1000倍程度ま
で拡大可能のもの(例えばキーエンス(株)製のVH−
1000(接触タイプ))を用いる。
【0017】次いで録画した画像を赤と黒とに分けて2
値化する。2値化の方法は様々あるが、例えば次の手法
で行える。得られた画像を画像処理用ソフト(例えばA
dobe Systems,Inc.製Adobe P
hotoshop Elemetnts(日本語版))
にて、しきい値を110として2値化する。このとき赤
い部分がRFL層で、黒い部分が1浴目樹脂及び炭素繊
維束の部分であると見なし、赤色部分の厚みを実測、縮
尺計算からRFL厚みを求める。
【0018】本発明に用いるRFL液は特に限定されな
いが、例えば水酸化ナトリウムなどのアルカリ性化合物
を含むアルカリ性水溶液内に、レゾルシンとホルマリン
を添加混合して、室温で数時間整置し、レゾルシンとホ
ルムアルデヒドを初期縮合させた後、ゴムラテックスを
加えて混合エマルジョンとする方法により調整される。
レゾルシンとホルマリン初期縮合物とは、アルカリ触媒
下で得られたもので、レゾルシンとホルマリンのモル比
が1:0.3〜1:5、好ましくは1:0.75〜1:
2.0の範囲のものである。この範囲をはずれると、接
着性が不充分になることがある。
【0019】RFLにおけるレゾルシンホルマリン初期
縮合物とゴムラテックスの配合比率は、固形分重量比で
1:3〜1:8,好ましくは、1:4〜1:6の範囲で
好ましく使用される。この範囲を外れると、接着性が不
充分になることがある。
【0020】RFL液は通常のディッピング工程におい
て、前記コード形状の材料の表層部に付着せしめること
ができる。この時、RFL層の厚みは、RFL濃度、圧
空の吹き付け、ロールによるニップ、バキューム装置に
よる吸引等の方法により制御可能であるが、RFL濃度
を10〜40%にすることはRFL層の厚みを制御しや
すいという点で好ましい。RFL濃度はさらに好ましく
は15〜30%が良い。10%未満であると、RFL層
厚みが不充分となり、接着力が不充分となることがあ
る。RFL濃度が40%を越えると、RFL液の保存安
定性が悪くなることがあり、固形分が凝集してくるため
濃度低下がおこり、RFL層厚みの制御が困難になる。
【0021】本発明による繊維強化ゴム材料が、強化繊
維として炭素繊維を用いるにもかかわらず耐疲労性に優
れたものとなる原因は、上記したような結節強度が特定
値以上の炭素繊維束を用いること、及びゴムを含有する
柔軟な樹脂によって単繊維が保護されること、さらにR
FL層が表層部に特定値内の厚みでが存在することによ
り、ゴムとの充分な接着性とコードの座屈防止が両立さ
れること、これらの相乗効果によるものと推定される。
【0022】本発明において、コード中の樹脂組成物
は、炭素繊維束100重量部に対して、乾燥後、10〜
70重量部、好ましくは15〜50重量部、より好まし
くは20〜40重量部含まれてなるのが良い。10重量
部未満であると、樹脂による単繊維の被覆が不充分にな
ることがあり、70重量部を越えると、コードの粘着性
が過剰になり、取り扱い性が悪化することがある。
【0023】本発明では、コードの耐疲労性をさらに向
上させるため、エポキシ樹脂を樹脂組成物中に混合して
もよい。
【0024】エポキシ樹脂としては、グリセロールポリ
グリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエー
テル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテ
ル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチ
レングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレン
グリコールジグリシジルエーテル等が使用できる。中で
も、グリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトー
ルポリグリシジルエーテルは、耐疲労性の向上に特に効
果的であり、好ましく用いられる。
【0025】また、エポキシ樹脂は、樹脂組成物100
重量%中、乾燥後、20〜80重量%、好ましくは30
〜70重量%、より好ましくは40〜60重量%含まれ
ているのが良い。20重量%未満であると、ゴム界面に
おいてコードとの接着性が不足することがあり、80重
量%を越えると、コードの柔軟性が低下し、耐疲労性が
不足することがある。
【0026】また、RFL層の付着量は、炭素繊維束1
00重量部に対して、乾燥後、1〜10重量部、好まし
くは2〜8重量部、さらに好ましくは3〜6重量部であ
るのがよい。1重量部未満であると、ゴムとの接着性が
乏しくなりることがあり、10重量部を超えると、コー
ド製作時にロールへ付着(ガムアップ)し、操業安定性
が悪くなることがある。
【0027】本発明において、炭素繊維束は、その引張
強度が4000MPa以上、好ましくは4400MPa
以上、より好ましくは4800MPa以上であるものが
良い。4000MPa未満であると、過大な荷重を受け
た際に、ゴム補強用コードが破砕し易くなり、タイヤ等
用途に使用できないことがある。なお、かかる引張強度
は、7000MPa、好ましくは6000MPaあれ
ば、本発明の効果を奏するに当たり充分であることが多
い。
【0028】さらに、本発明において、炭素繊維束は、
繊維束を構成する単繊維の断面形状が、実質的に真円状
であるのが良い。単繊維の断面形状が、実質的に真円状
でなく、それ以外の形状、例えば、楕円状、空豆状、三
つ葉状等であると、単繊維同士の擦過により、材料の疲
労が促進されることがある。ここで、「実質的に真円
状」とは、後述する変形度が1〜1.1、好ましくは1
〜1.05であるものをいう。
【0029】また、前記炭素繊維束は、その繊度が0.
3〜1.2g/m、好ましくは0.6〜1.1g/m、
より好ましくは0.7〜1.0g/mであるのが良い。
0.3g/m未満であると、ゴム材料の補強効果が不足
することがあり、1.2g/mを越えると、コードに樹
脂組成物が充分に含浸されないことがある。
【0030】本発明のコードは必要に応じて加撚しても
よく、その撚り数は100回/m以下、好ましくは10
回/m〜80回/m、より好ましくは20回/m〜60
回/mが良い。100回/mを超えると、キンクが発生
しやすくなり、強力低下、操業性悪化につながることが
ある。なお、撚りの付与は、樹脂組成物含浸前、後のい
ずれの工程でもよい。
【0031】本発明によるコードは、例えば、炭素繊維
束を、ゴムラテックスとエポキシ樹脂等が貯留される樹
脂槽を通過させ、次いで、RFL接着剤が貯留される処
理液槽を通過させた後、さらに、加熱炉内を通過させ、
コード中の水分を乾燥除去する方法により製造すること
ができる。
【0032】本発明における繊維強化ゴム材料は、前記
したような方法により製造されるコードによりゴムを含
んでなる基材を補強してなるものである。
【0033】ここで基材に含まれるゴムとしては、アク
リルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、イソプ
レンゴム、ウレタンゴム、エチレン−プロピレンゴム、
クロロプレンゴム、シリコーンゴム、スチレン−ブタジ
エンゴム、多硫化ゴム、天然ゴム、ブタジエンゴム、フ
ッ素ゴム等が使用できる。
【0034】なお、基材には、主成分のゴムの他に、材
料の改質等のため、カーボンブラック、シリカ等の無機
充填剤、クマロン樹脂、フェノール樹脂等の有機充填
剤、ナフテン系オイル等の軟化剤を配合しても良い。
【0035】本発明による繊維強化ゴム材料は、例え
ば、同一方向に引き揃えたコードを、両面からゴムを含
むシート状の基材で挟み込んだ後、得られたコード/ゴ
ム複合体をプレス機内で加熱・加圧してゴムを加硫さ
せ、成形する方法により製造することができる。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。実施例では、コード及び繊維強化ゴム材料の
製造に当たり、次に示す原材料を用いた。 <原材料> (炭素繊維束) ・炭素繊維A:結節強度740MPa、繊度0.79g
/m、単繊維の断面変形度1.03 ・炭素繊維B:結節強度270MPa、繊度0.78g
/m、単繊維の断面変形度1.33 (ゴムラテックス) ・ビニルピリジン−スチレン−ブタジエンゴムラテック
ス:”ニッポール”(登録商標)2518FS(日本ゼオン
(株)製)、固形分濃度40.5% ・スチレン−ブタジエンゴムラテックス:”ニッポー
ル”LX110(日本ゼオン(株)製)、固形分濃度40.
5% (エポキシ樹脂) ・グリセロールポリグリシジルエーテル:”デナコー
ル”(登録商標)EX-313(ナガセ化成工業(株)製) ・ソルビトールポリグリシジルエーテル:”デナコー
ル”EX-614(ナガセ化成工業(株)製) また、本発明において用いた炭素繊維束の評価方法は、
次に示すとおりである。 <単繊維の断面形状>測定する炭素繊維を繊維軸と垂直
な方向からカミソリにより切断し、その断面を走査型電
子顕微鏡により、倍率1万倍、加速電圧15kVの条件
下で写真撮影した。
【0037】得られた断面写真に外接する円と内接する
円をそれぞれ描き、外接円の半径(R)と内接円の半径
(r)の比(=R/r)を、単繊維の断面変形度とし
た。
【0038】尚、ここでは、任意に選択した炭素繊維束
について、n=5の平均値を断面変形度とした。 <RFL層の厚み>まず、コードを液体窒素中で冷却固
化させ、次いで繊維軸と垂直な方向からミクロトーム片
刃により切断し、観察用サンプルを得た。これをキーエ
ンス(株)製のデジタルHDマイクロスコープVH−7
000で観察し、録画して画像を得た。この時、レンズ
はキーエンス(株)製のVH−1000(接触タイプ)
を用い、カメラのゲイン、シャッタ速度、ホワイトバラ
ンス、光景はオートに設定し、フレームレートは標準に
設定した。このようにして録画したファイルを1/20
の圧縮率で保存した。
【0039】次いで得られた画像を画像処理用ソフト
(Adobe Systems,Inc.製Adobe
Photoshop Elemetnts(日本語
版))にて、「イメージ」メニューから「色調補正」を
選び、さらに「2階調化」を選択し、しきい値を110
として2値化した。得られた画像をカラープリンタで出
力し、赤い部分の厚みを10箇所実測し、平均値を縮尺
換算して、RFL層厚みを求めた。 <炭素繊維束の結節強度>JIS L1013−198
1に準じて試料のつかみ間の中央に結節をつくり、引張
強度を測定した。
【0040】測定する炭素繊維束の両端をチャックに挟
み込んで固定する。ここで、チャック間のサンプル長は
250mmとし、炭素繊維束の結び目が、チャック間の
中央部に位置するように配置した。
【0041】次に、温度25℃、湿度40%の環境下、
速度50mm/分で、炭素繊維束を引張り、その最大荷
重値を測定するした。
【0042】次いで、この最大荷重値を炭素繊維束の断
面積(=炭素繊維束の目付け÷炭素繊維束の密度)で除
した値を結節強度とした。
【0043】尚、ここでは、任意に選択した炭素繊維束
についてn=10(右結びと左結びについて各n=5)
の平均値を結節強度値とした。 <コード作製・評価> (1)樹脂含浸(コード作製)および繊維目付・樹脂目
付評価 炭素繊維束を10m/分の速度で搬送し、表1、または
表2に示す組成のゴムラテックス/エポキシ樹脂が含ま
れる処理液槽(1浴目)を通過させ、170℃の加熱炉
内を通過させ、水分を除去した。得られたものを撚糸機
で所定の撚りをかけ、その後、表3に示す組成のRFL
接着剤が含まれる処理液槽(2浴目)を通過させた。さ
らに、170℃の加熱炉内を通過させ、処理液に含まれ
る水分を除去し、ゴム補強用コードを得た。なお、乾燥
後コードのゴムラテックス/エポキシ樹脂の付着量は、
炭素繊維束100重量部に対して、30重量部あるいは
5重量部を目安とした。また、乾燥後コードのRFL接
着剤の付着量は5重量部を目安とした。実際の繊維繊
度、樹脂付着量の測定は、一定長さあたりの炭素繊維束
の重量(すなわち炭素繊維束の目付)を予め測定してお
き、樹脂含浸後の同一長さのコード重量(すなわち炭素
繊維コードの目付)を測定することで、差分としての樹
脂目付、重量部を計算した。 (2)ゴム補強用コードの耐屈曲疲労性 JIS L1017に記載に準じた方法であり、チュー
ブ試験片を用いるものである。表4の組成のゴムシート
をドラムに捲回し、その上から、前記ゴム補強用コード
を55本/10cmの間隔で捲回し、さらに、その上か
ら、同一のゴムシートを捲回した。
【0044】こうして得たゴムシート/コード/ゴムシ
ートの3層体をドラムから脱型してマンドレルに巻き付
けチューブ状とした。さらに、プレス機内で、ゴムを温
度160℃、圧力9.8MPa、時間30分の条件で加
硫させ、チューブ試験片を作製した。こうしてゴムチュ
ーブの軸方向とコードの配向が一致した繊維強化ゴム材
料(外径27mm、内径13mm、長さ24cm)を得
た。
【0045】前記繊維強化ゴム材料の中央部を90゜に
折り曲げ、チューブ内に圧力0.3MPaの空気を送り
込み、温度25℃の雰囲気中でチューブの両端を同一方
向に850回/分の速さで回転させた。チューブが破壊
に至るまでの時間(破壊寿命)を、耐屈曲疲労性の指標
とした。 (3)ゴムとの接着性(T−接着力) JIS L−1017(1983年)の接着力−A法に
準じて、接着処理後の糸状束を表4の組成の未加硫ゴム
に埋め込み、加圧下で150℃、30分間プレス加硫を
行い、放冷後糸状束をゴムブロックから30cm/mi
nの速度で引き抜き、その引き抜き荷重をN/cmで表
示した。
【0046】各実施例で用いた樹脂の組成、基材のゴム
シート組成及び耐屈曲疲労性の評価結果については、下
表1〜5に纏めて示した。表5に示す評価結果から判る
ように、本発明によるコードは、屈曲変形の繰り返しに
対して、極めて優れた耐疲労性を発現していることが判
る。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】
【表5】
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、高弾性率・高強度かつ
優れた耐屈曲疲労性を発現する繊維強化ゴム材料が得ら
れる。
【0053】また、本発明による繊維強化ゴム材料は、
タイヤ、ベルト、ホース等の各種ゴム材料に特に好適に
使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16G 1/08 F16G 1/08 A // C08L 21:00 C08L 21:00 Fターム(参考) 3B153 AA07 AA22 AA47 BB01 CC25 CC26 CC29 CC43 FF12 FF16 GG01 GG05 4F072 AA04 AB10 AB15 AC05 AC09 AD02 AH04 AH21 AH31 AL03 AL18 AL19 4L033 AA09 AB03 AC11 CA34 CA49

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結節強度が500MPa以上の炭素繊維束
    にゴムを含む樹脂組成物を含浸してなるゴム補強用コー
    ドであって、且つ、コード表層部に2μm〜25μmの
    厚みのRFL層を有することを特徴とするゴム補強用コ
    ード。
  2. 【請求項2】炭素繊維束100重量部に対して、ゴムを
    含む樹脂組成物を10〜70重量部含浸させてなる請求
    項1に記載のゴム補強用コード。
  3. 【請求項3】前記樹脂組成物が、脂肪族エポキシ樹脂を
    含む請求項1または2に記載のゴム補強用コード。
  4. 【請求項4】前記炭素繊維束の引張強度が、4000M
    Pa以上である請求項1〜3のいずれかに記載のゴム補
    強用コード。
  5. 【請求項5】前記炭素繊維束の単繊維の断面形状が、実
    質的に真円状である請求項1〜4のいずれかに記載のゴ
    ム補強用コード。
  6. 【請求項6】前記炭素繊維束の繊度が、0.3〜1.2
    g/mである請求項1〜5のいずれかに記載のゴム補強
    用コード。
  7. 【請求項7】コードの撚り数が、100回/m以下であ
    る請求項1〜6のいずれかに記載のゴム補強用コード。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれかに記載のゴム補強
    用コードにより、補強されてなる繊維強化ゴム材料。
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