JP2003246980A - 希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体及びその製造装置、製造方法とそれを用いた放射線画像変換パネル - Google Patents

希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体及びその製造装置、製造方法とそれを用いた放射線画像変換パネル

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JP2003246980A
JP2003246980A JP2002049719A JP2002049719A JP2003246980A JP 2003246980 A JP2003246980 A JP 2003246980A JP 2002049719 A JP2002049719 A JP 2002049719A JP 2002049719 A JP2002049719 A JP 2002049719A JP 2003246980 A JP2003246980 A JP 2003246980A
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phosphor
stimulable phosphor
rare earth
alkaline earth
earth metal
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JP2002049719A
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Haruhiko Masutomi
春彦 益冨
Hideaki Wakamatsu
秀明 若松
Tetsuya Yoshida
哲也 吉田
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 輝度、鮮鋭性に優れた希土類賦活アルカリ土
類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体及びその製造装
置の提供。 【解決手段】 下記式(1)又は(2)で表される希土
類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光
体の前駆体を液相法で製造する際に用いる反応槽が、そ
の表面を吸水率が0.02%以下のパーフルオロ樹脂で
コーティング処理されていることを特徴とする。式
(1):(Ba1-x2 x)FX:yM1,zLn(式中、
2はSrまたはCa、XはCl、Br及びIの少なく
とも一種、M1はLi、Naなど、LnはCe,Prな
ど、0≦x≦0.5、0≦y≦0.05、0<z≦0.
2)式(2):Ba(1-x)4 (x)FBr(y)(1-y):a
3,bLn(式中、M3はLi、Naなど、M4はB
e、Mg、Sr及びCaの少なくとも一種、LnはC
e,Prなど、0≦x≦0.3、0<y≦0.3、0<
a≦0.05、0<b≦0.2)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、希土類賦活アルカ
リ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体及びその製
造装置、製造方法とそれを用いた放射線画像変換パネル
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の放射線写真法に代わる有効な診断
手段として、特開昭55−12145号等に記載の輝尽
性蛍光体を用いる放射線画像記録再生方法が知られてい
る。この方法は、輝尽性蛍光体を含有する放射線画像変
換パネル(蓄積性蛍光体シートとも呼ばれる)を利用す
るもので、被写体を透過した、又は被検体から発せられ
た放射線を輝尽性蛍光体に吸収させ、可視光線、紫外線
などの電磁波(励起光ともいう)で時系列的に輝尽性蛍
光体を励起して、蓄積されている放射線エネルギーを蛍
光(輝尽発光光ともいう)として放射させ、この蛍光を
光電的に読みとって電気信号を得、得られた電気信号に
基づいて被写体又は被検体の放射線画像を可視画像とし
て再生するものである。読取り後の変換パネルは、残存
画像の消去が行われ、次の撮影に供される。
【0003】この方法によれば、放射線写真フィルムと
増感紙とを組み合わせて用いる放射線写真法に比して、
遙かに少ない被爆線量で情報量の豊富な放射線画像が得
られる利点がある。又、放射線写真法では撮影毎にフィ
ルムを消費するのに対して、放射線画像変換パネルは繰
り返し使用されるので、資源保護や経済効率の面からも
有利である。
【0004】放射線画像変換パネルは、支持体とその表
面に設けられた輝尽性蛍光体層、又は自己支持性の輝尽
性蛍光体層のみから成り、輝尽性蛍光体層は通常輝尽性
蛍光体とこれを分散支持する結合材から成るものと、蒸
着法や焼結法によって形成される輝尽性蛍光体の凝集体
のみから構成されるものがある。又、該凝集体の間隙に
高分子物質が含浸されているものも知られている。更
に、輝尽性蛍光体層の支持体側とは反対側の表面には、
通常、ポリマーフィルムや無機物の蒸着膜から成る保護
膜が設けられる。
【0005】輝尽性蛍光体としては、通常、400〜9
00nmの範囲にある励起光によって、波長300nm
〜500nmの範囲にある輝尽発光を示すものが一般的
に利用され、特開昭55−12145号、同55−16
0078号、同56−74175号、同56−1167
77号、同57−23673号、同57−23675
号、同58−206678号、同59−27289号、
同59−27980号、同59−56479号、同59
−56480号等に記載の希土類元素賦活アルカリ土類
金属弗化ハロゲン化物系蛍光体;特開昭59−7520
0号、同60−84381号、同60−106752
号、同60−166379号、同60−221483
号、同60−228592号、同60−228593
号、同61−23679号、同61−120882号、
同61−120883号、同61−120885号、同
61−235486号、同61−235487号等に記
載の2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属弗化ハロ
ゲン化物系蛍光体;特開昭55−12144号に記載の
希土類元素賦活オキシハロゲン化物蛍光体;特開昭58
−69281号に記載のセリウム賦活3価金属オキシハ
ロゲン化物蛍光体;特開昭60−70484号に記載の
ビスマス賦活アルカリ金属ハロゲン化物蛍光体;特開昭
60−141783号、同60−157100号等に記
載の2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属ハロ燐酸
塩蛍光体;特開昭60−157099号に記載の2価の
ユーロピウム賦活アルカリ土類金属ハロ硼酸塩蛍光体;
特開昭60−217354号に記載の2価のユーロピウ
ム賦活アルカリ土類金属水素化ハロゲン化物蛍光体;特
開昭61−21173号、同61−21182号等に記
載のセリウム賦活希土類複合ハロゲン化物蛍光体;特開
昭61−40390号に記載のセリウム賦活希土類ハロ
燐酸塩蛍光体;特開昭60−78151号に記載の2価
のユーロピウム賦活ハロゲン化セリウム・ルビジウム蛍
光体;特開昭60−78151号に記載の2価のユーロ
ピウム賦活複合ハロゲン化物蛍光体等が挙げられ、中で
も、沃素を含有する2価のユーロピウム賦活アルカリ土
類金属弗化ハロゲン化物蛍光体、沃素を含有する希土類
元素賦活オキシハロゲン化物蛍光体及び沃素を含有する
ビスマス賦活アルカリ金属ハロゲン化物蛍光体等が知ら
れているが、依然、高輝度の輝尽性蛍光体が要求されて
いる。
【0006】又、輝尽性蛍光体を利用する放射線画像変
換方法の利用が進むにつれて、得られる放射線画像の画
質の向上、例えば鮮鋭性の向上や粒状性の向上が更に求
められるようになって来た。
【0007】先に記載の輝尽性蛍光体の製造方法は、固
相法あるいは焼結法と呼ばれる方法で、焼成後の粉砕が
必須であり、感度、画像性能に影響する粒子形状の制御
が困難であるという問題を有する。放射線画像の画質向
上の手段の中で、輝尽性蛍光体の微粒子化と微粒子化さ
れた輝尽性蛍光体の粒径を揃えること、即ち、粒径分布
を狭くすることが有効である。
【0008】特開平7−233369号、同9−291
278号等で開示されている液相からの輝尽性蛍光体の
製造法は、蛍光体原料溶液の濃度を調整して微粒子状の
輝尽性蛍光体前駆体を得る方法であり、粒径分布の揃っ
た輝尽性蛍光体粉末の製造法として有効である。又、放
射線被爆量の低減という観点から、希土類賦活アルカリ
土類金属弗化ハロゲン化物輝尽性蛍光体の内、沃素含有
量が高いものが好ましいことが知られている。これは、
臭素に比べて沃素がX線吸収率が高いためである。
【0009】上記の様に液相で製造されるアルカリ土類
金属弗化沃化物系輝尽性蛍光体は、輝度、粒状性の点で
有利であり、その製造方法は、例えば、特開平10−8
8125号、同9−291278号の記載に見られるよ
うに、沃化バリウムを水あるいは有機溶媒に溶解し、こ
の液を攪拌しながら無機弗化物の溶液を添加する、弗化
アンモニウムを水に溶解し、この液を攪拌しながら沃化
バリウムの溶液を添加する等の方法により製造される。
【0010】上記のように、希土類賦活アルカリ土類金
属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体に関しては、様々な
組成や製造方法の検討がなされているが、近年ではその
蛍光体粒子の粒子径や分布を揃える試みがなされてい
る。上記の様な蛍光体粒子の粒子径や分布を揃える方法
として、固相法や焼結法から液相系で蛍光体粒子を得る
方向になってきている。
【0011】これらの希土類賦活アルカリ土類金属弗化
ハロゲン化物系輝尽性蛍光体を液相反応により製造する
方法においては、特に反応系として弗化物を含有するこ
とに起因して、蛍光体粒子を製造する反応装置、反応
槽、反応容器等に対しては、高い耐腐食性を付与させる
必要があるが、従来より腐食性が高いといわれているグ
ラスライニングやホーロー加工を適用することが、加工
の精度や耐久性等を考慮すると困難であった。この様な
観点において、従来技術としては何ら具体的な方法とし
ては示唆されてはおらず、僅かに、特開2001−26
676で、接合部にのみテフロン(R)処理やホーロー
処理を施した銅、アルミニウム、ステンレス鋼等が好ま
しいと記載されているに過ぎない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、輝
度、鮮鋭性に優れた希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハ
ロゲン化物系輝尽性蛍光体及びその製造装置、製造方法
とそれを用いた放射線画像変換パネルを提供することに
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記の構成により達成された。
【0014】1.下記一般式(1)で表される希土類賦
活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の
前駆体を液相法で製造する際に用いる反応槽が、その表
面を吸水率が0.02%以下のパーフルオロ樹脂でコー
ティング処理されていることを特徴とする希土類賦活ア
ルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の製造
装置。
【0015】一般式(1) (Ba1-x2 x)FX:yM1,zLn 〔式中、M2はSrまたはCaを表し、XはCl、Br
及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲ
ンを表し、M1はLi、Na、K、Rb及びCsからな
る群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属を表
し、LnはCe、Pr、Sm、Eu、Gd、Tb、Tm
及びYbからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土
類元素を表す。x、y及びzは、それぞれ0≦x≦0.
5、0≦y≦0.05、0<z≦0.2を表す。〕 2.下記一般式(2)で表される希土類賦活アルカリ土
類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の前駆体を液相
法で製造する際に用いる反応槽が、その表面を吸水率が
0.02%以下のパーフルオロ樹脂でコーティング処理
されていることを特徴とする希土類賦活アルカリ土類金
属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の製造装置。
【0016】一般式(2) Ba(1-x)4 (x)FBr(y)(1-y):aM3,bLn 〔式中、M3はLi、Na、K、Rb及びCsから選ば
れる少なくとも1種のアルカリ金属を表し、M4はB
e、Mg、Sr及びCaから選ばれる少なくとも1種の
アルカリ土類金属を表し、LnはCe、Pr、Sm、E
u、Gd、Tb、Tm、Dy、Ho、Nd、Er及びY
bから選ばれる少なくとも1種の希土類元素を表し、
x、y、a及びcは、それぞれ0≦x≦0.3、0<y
≦0.3、0≦a≦0.05、0<b≦0.2であ
る。〕 3.前記1又は2項に記載の希土類賦活アルカリ土類金
属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の製造装置を用いて
製造することを特徴とする希土類賦活アルカリ土類金属
弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の製造方法。
【0017】4.前記3項に記載の希土類賦活アルカリ
土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の製造方法に
より得られたことを特徴とする希土類賦活アルカリ土類
金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体。
【0018】5.前記4項に記載の希土類賦活アルカリ
土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体を含有する輝
尽性蛍光体層を有することを特徴とする放射線画像変換
パネル。
【0019】以下、本発明の詳細について説明する。本
発明においては、前記一般式(1)又は一般式(2)で
表される希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物
系輝尽性蛍光体(以下、本発明に係る輝尽性蛍光体とも
いう)の前駆体を液相法で製造する際に、用いる反応槽
がその表面を吸水率が0.02%以下のパーフルオロ樹
脂でコーティング処理されていることが特徴である。
【0020】はじめに、本発明に係る蛍光体の製造に用
いる表面を吸水率が0.02%以下のパーフルオロ樹脂
でコーティング処理された反応槽について説明する。
【0021】反応槽の表面にコーティングするパーフル
オロ樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエレン
(四フッ化エチレン樹脂 PTFE)、テトラフルオロ
エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合
体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオ
ロプロピレン共重合体(PFEP)、テトラフルオロエ
チレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロト
リフルオロエチレン(三フッ化塩化エチレン樹脂 PC
TFE)、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重
合体(ECTFE)、ポリビニリデンフルオライド(フ
ッ化ビニリデン樹脂 PVDF)、ポリビニルフルオラ
イド(フッ化ビニル樹脂 PVF)等を挙げることがで
きるが、本発明においては吸水率が0.02%以下であ
るPTFE、PFEP、PCTFE、ECTFEである
ことが好ましく、より好ましくは、樹脂のコーティング
性等の観点からPFEP、PCTFE、ECTFEであ
る。
【0022】また、本発明で規定するパーフルオロ樹脂
の吸水率〔%(24時間)〕は、JIS−K−720
9、あるいはASTM D570に準じて測定を行って
求めた値である。本発明では、パーフルオロ樹脂の吸水
率としては、0.02%以下であることが特徴である
が、好ましくは、0.001〜0.015%であり、よ
り好ましくは0.001〜0.01%である。
【0023】本発明に係るパーフルオロ樹脂を表面にコ
ーティングする反応槽の基材としては、特に制限はない
が、好ましくは、SUS304、SUS316、SUS
316L、SUS317ハステロ系鋼材等を選択して用
いることができる。
【0024】また、上記基材を用いた反応槽表面にコー
ティングするパーフルオロ樹脂層の膜厚は、10μm〜
5mmであることが好ましく、より好ましくは50μm
〜2mmである。パーフルオロ樹脂層の厚さが10μm
未満であると、パーフルオロ樹脂の効果を発揮すること
ができず、逆にパーフルオロ樹脂層の厚さが5mmを越
えると、反応槽の熱伝導効率が低下し、外部からの加熱
あるいは冷却に対する応答速度が低下し、反応温度を正
確に制御できなくなる。
【0025】次いで、本発明に係る希土類賦活アルカリ
土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体とその製造方
法について説明する。
【0026】本発明においては、上記蛍光体は液相法に
より製造されるが、液相法による輝尽性蛍光体前駆体製
造については、特開平10−140148号に記載され
た前駆体製造方法、特開平10−147778号に記載
された前駆体製造装置が好ましく利用できる。ここで輝
尽性蛍光体前駆体とは、前記一般式(1)又は(2)で
表される化合物が600℃以上の高温を経ていない状態
を示し、本発明に係る輝尽性蛍光体前駆体は、輝尽発光
性や瞬時発光性を殆ど示さない。
【0027】はじめに、前記一般式(1)で表される希
土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍
光体の詳細について説明する。
【0028】一般式(1)で表される輝尽性蛍光体は、
BaBr2とLnのハロゲン化物とを含み、上記一般式
(1)のxが0でない場合には更にM2のハロゲン化物
を、yが0でない場合には更にM1のハロゲン化物を含
み、それらが溶解した後のBaBr2の濃度が1.4モ
ル/L以下の水溶液を調製する工程;上記の水溶液を2
0〜100℃の温度に維持しながら、これに無機弗化物
の水溶液を添加して蛍光体前駆体結晶の沈殿物を得る工
程;上記の蛍光体前駆体結晶沈殿物を水溶液から分離す
る工程;そして分離した蛍光体前駆体結晶沈殿物を焼結
を避けながら焼成する工程からなる製造法(製造法1)
を利用して製造することができる。まず、この製造法を
詳しく説明する。
【0029】最初に、水系媒体を用いて弗素化合物以外
の原料化合物を溶解させる。即ち、BaBr2とLnの
ハロゲン化物、そして必要により更にM2のハロゲン化
物、そして更にM1のハロゲン化物を水系媒体中に入れ
充分に混合し、溶解させ、それらが溶解した水溶液を調
製する。ただし、BaBr2濃度が1.4モル/L以下
となるように、BaBr2濃度と水系溶媒との量比を調
整しておく。このとき、所望により少量の酸、アンモニ
ア、アルコール、水溶性高分子ポリマー、水不溶性金属
酸化物微粒子粉体などを添加してもよい。この水溶液
(反応母液)は20〜100℃に維持される。
【0030】次に、この20〜100℃に維持され、撹
拌されている水溶液に、無機弗化物(弗化アンモニウ
ム、アルカリ金属の弗化物など)の水溶液をポンプ付き
のパイプなどを用いて注入する。この注入は、撹拌が特
に激しく実施されている領域部分に行なうのが好まし
い。この無機弗化物水溶液の反応母液への注入によっ
て、一般式(1)で表される蛍光体前駆体結晶が沈殿す
る。
【0031】次に、上記の蛍光体前駆体結晶を、濾過、
遠心分離などによって溶媒から分離し、メタノールなど
によって充分に洗浄し、乾燥する。この乾燥蛍光体前駆
体結晶に、アルミナ微粉末、シリカ微粉末などの焼結防
止剤を添加、混合し、結晶表面に焼結防止剤微粉末を均
一に付着させる。尚、後述する焼成条件を選ぶことによ
って焼結防止剤の添加を省略することも可能である。次
に、蛍光体前駆体の結晶を、石英ボート、アルミナルツ
ボ、石英ルツボなどの耐熱性容器に充填し、電気炉の炉
芯に入れて焼成を行なう。焼成温度は400〜1300
℃の範囲が適当であって、500〜1000℃の範囲が
好ましい。焼成時間は蛍光体原料混合物の充填量、焼成
温度及び炉からの取出し温度などによっても異なるが、
一般には0.5〜12時間が適当である。焼成雰囲気と
しては、窒素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気などの中
性雰囲気、或いは少量の水素ガスを含有する窒素ガス雰
囲気、一酸化炭素を含有する二酸化炭素雰囲気などの弱
還元性雰囲気、或いは微量酸素導入雰囲気が利用され
る。
【0032】上記の焼成によって所望の輝尽性蛍光体が
得られるが、本発明においては、その結晶形状として1
4面体型輝尽性蛍光体粒子であることが好ましい。
【0033】本発明に係る一般式(1)で表される輝尽
性蛍光体は、前記のように、ハロゲン化アンモニウム
(NH4Br)とLnのハロゲン化物とを含み、そして
一般式(1)のxが0でない場合には更にM2のハロゲ
ン化物を、yが0でない場合には更にM1のハロゲン化
物を含み、それらが溶解した後のハロゲン化アンモニウ
ム濃度が2.5〜4.5モル/Lの水溶液を調製する工
程;この水溶液を20〜100℃の温度に維持しなが
ら、これに無機弗化物の水溶液とBaBr2の水溶液と
を前者の弗素と後者のBaとの比率を一定に維持しなが
ら連続的もしくは間欠的に添加して14面体型の蛍光体
前駆体結晶の沈殿物を得る工程;この前駆体結晶沈殿物
を水溶液から分離する工程;そして分離した前駆体結晶
沈殿物を焼結を避けながら焼成する工程からなる製造法
(製造法2)を利用しても製造することができる。次
に、この製造法を詳しく説明する。
【0034】まず、水系媒体を用いてBaBr2と弗素
化合物とを除く原料化合物、そしてハロゲン化アンモニ
ウム(NH4Br)を溶解させる。即ち、ハロゲン化ア
ンモニウムとLnのハロゲン化物、そして必要により更
にM2のハロゲン化物、そして更にM1のハロゲン化物を
水系媒体中に入れ充分に混合し、溶解させて、それらが
溶解した水溶液を調製する。ただし、ハロゲン化アンモ
ニウムの濃度が2.5〜4.5モル/Lの範囲に入るよ
うに、ハロゲン化アンモニウムと水との量比を調整して
おく。このとき、所望により、少量の酸、アンモニア、
アルコール、水溶性高分子ポリマー、水不溶性の金属酸
化物微粒子粉体などを添加してもよい。この水溶液(反
応母液)は20〜100℃に維持される。
【0035】次に、この20〜100℃に維持され、撹
拌されている水溶液に、無機弗化物(弗化アンモニウ
ム、アルカリ金属の弗化物など)の水溶液とBaBr2
の水溶液とを同時に、無機弗化物の弗素と後者のBaB
2との比率を一定に維持するように調節しながら連続
的もしくは間欠的に、ポンプ付きのパイプなどを用いて
注入する。この注入は、撹拌が特に激しく実施されてい
る領域部分に行なうのが好ましい。このように、蛍光体
結晶生成中にBaイオンが過剰にならないように配慮し
て反応を進行させることによって、一般式(1)に該当
する蛍光体前駆体結晶が沈殿する。
【0036】次に、この蛍光体前駆体結晶を、製造法1
の場合と同様に、溶媒から分離し、乾燥し、次いで焼成
を行なうことによって、目的の14面体型輝尽性蛍光体
が得られる。
【0037】一般式(1)で表される輝尽性蛍光体の粒
径としては、2〜15μm、好ましくは5〜12μmで
ある。
【0038】次に、一般式(2)で表される希土類賦活
アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体につ
いて説明する。
【0039】当該輝尽性蛍光体の製造の、粒子形状の制
御が困難な固相法ではなく、該制御の容易な液相法を用
いることが特徴であり、特に、次に示す2つの液相合成
法が好ましい。尚、賦活剤を結晶内に均一に含有させる
にも液相法が有利である。
【0040】(製造法3)a)BaI2とLnのハロゲ
ン化物を含み、上記一般式(2)においてxが0でない
場合には更にM4のハロゲン化物を、yが0でない場合
には更にM3のハロゲン化物を含み、それらが溶解した
後BaI2濃度が2モル/L以上、好ましくは2.7モ
ル/L以上の水溶液を調整する工程、b)上記水溶液を
50℃以上、好ましくは80℃以上の温度に維持しなが
ら、これに濃度5モル/L以上、好ましくは8モル/L
以上の無機弗化物(弗化アンモニウム若しくはアルカリ
金属の弗化物)の水溶液を添加して輝尽性蛍光体の前駆
体結晶の沈殿物を得る工程、c)上記前駆体結晶沈殿物
を水溶液から分離する工程、及びd)分離した前駆体結
晶沈殿物を焼結を避けながら焼成する工程を含む製造方
法である。以下、更に詳細を述べる。
【0041】最初に、水系溶媒を用いて弗素化合物以外
の原料化合物を溶解させる。即ち、BaI2とLnのハ
ロゲン化物、必要に応じてM4のハロゲン化物やM3のハ
ロゲン化物を、BaI2濃度が2モル以上となる量の水
系媒体中で十分に混合し、溶解させて水溶液を調製す
る。このとき少量の酸、アンモニア、アルコール、水溶
性高分子ポリマー、水不溶性金属酸化物微粒子粉体等を
添加してもよい。この水溶液(反応母液)を一定温度に
維持する。
【0042】次いで一定温度に維持され撹拌されている
該水溶液に、無機弗化物の水溶液をローラーポンプ等を
用いて注入する。この注入は特に激しく撹拌されている
領域に行うのが好ましい。この無機弗化物水溶液の注入
により、前記一般式(2)で表される蛍光体前駆体結晶
が沈殿する。
【0043】次に、上記蛍光体の前駆体結晶を濾過、遠
心分離等によって溶液から分離し、メタノール等によっ
て充分に洗浄し、乾燥する。
【0044】乾燥した蛍光体前駆体結晶にアルミナ微粉
末、シリカ微粉末等の焼結防止剤を添加混合し、結晶表
面に焼結防止剤微粉末を均一に付着させる。尚、焼成条
件を選ぶことによって焼結防止剤を用いないこともでき
る。
【0045】次いで、蛍光体の前駆体結晶を、石英ボー
ト、アルミナ坩堝、石英坩堝等の耐熱性容器に充填し、
電気炉の炉心に入れて焼結を避けながら焼成を行う。焼
成温度は700〜1300℃程度、800〜1000℃
が好ましい。焼成時間は蛍光体原料混合物の充填量、焼
成温度及び炉からの取り出し温度等によって異なるが、
一般には0.5〜12時間が適当である。焼成雰囲気と
しては、窒素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気等の中性
雰囲気或いは少量の水素ガスを含有する窒素ガス雰囲
気、一酸化炭素を含有する二酸化炭素雰囲気等の弱還元
性雰囲気、或いは微量酸素導入雰囲気を利用できる。こ
の焼成によって目的の輝尽性蛍光体が得られる。
【0046】(製造法4)a)ハロゲン化アンモニウム
とLnのハロゲン化物を含み、一般式(2)においてx
が0でない場合には更にM4のハロゲン化物を、yが0
でない場合には更にM3のハロゲン化物を含み、それが
溶解した後ハロゲン化アンモニウム濃度が3モル/L以
上、好ましくは4モル/L以上の水溶液を調整する工
程、b)上記水溶液を50℃以上、好ましくは80℃以
上の温度に維持しながら、これに濃度5モル/L以上、
好ましくは8モル/L以上の無機弗化物(弗化アンモニ
ウム若しくはアルカリ金属の弗化物)の水溶液とBaI
2の水溶液とを、前者の弗素と後者のBaとの比率を一
定に維持しながら連続的若しくは間欠的に添加して輝尽
性蛍光体の前駆体結晶の沈殿物を得る工程、c)上記前
駆体結晶沈殿物を水溶液から分離する工程、及びd)分
離した前駆体結晶沈殿物を焼結を避けながら焼成する工
程を含む製造方法である。以下、更に詳細を述べる。
【0047】最初に水系溶媒を用いてBaI2と弗素化
合物とを除く原料化合物、そしてハロゲン化アンモニウ
ム(NH4Br、NH4Cl又はNH4I)を溶解させ
る。即ち、ハロゲン化アンモニウムとLnのハロゲン化
物、必要に応じてM4のハロゲン化物やM3のハロゲン化
物を、ハロゲン化アンモニウムの濃度が3モル/L以上
となる量の水系媒体中で十分に混合し、溶解させて水溶
液を調製する。このとき少量の酸、アンモニア、アルコ
ール、水溶性高分子ポリマー、水不溶性金属酸化物微粒
子粉体等を添加してもよい。この水溶液(反応母液)を
一定温度に維持する。
【0048】次いで一定温度に維持され撹拌されている
該水溶液に、無機弗化物の水溶液とBaI2の水溶液と
を同時に、無機弗化物の弗素とBaI2との比率を一定
に維持する様に調整しながら連続的に又は間欠的にロー
ラーポンプ等を用いて注入する。この注入は特に激しく
撹拌されている領域に行うのが好ましい。この様に、蛍
光体結晶生成中にBaイオンが過剰にならない様に配慮
して反応を進行させることによって、前記一般式(2)
で表される輝尽性蛍光体の前駆体結晶が沈殿する。次に
輝尽性蛍光体の前駆体結晶を製造法3の場合と同様に溶
媒から分離し、乾燥し、次いで焼成を行うことによっ
て、目的の輝尽性蛍光体を得ることができる。
【0049】上記2つの製造法において、Lnのハロゲ
ン化物の添加時期は問わず、添加開始時に予め反応母液
等にあってもよく、又無機弗化物水溶液の添加時、及び
無機弗化物水溶液とBaI2水溶液の添加時に同時又は
後で添加してもよい。
【0050】尚、本発明において輝尽性蛍光体粒子は単
分散性であることが好ましく、標準偏差を平均粒径で割
って100を掛けた変動係数が20%以下、更には15
%以下のものが好ましい。ここに、平均粒径は、粒子の
顕微鏡写真より無作為に選んだ200個について、球の
体積に換算した体積粒子径で求めた平均値とする。
【0051】一般式(2)で表される輝尽性蛍光体の粒
径としては、1〜10μm、好ましくは1〜7μmであ
る。
【0052】次に、本発明の放射線画像変換パネルにつ
いて説明する。本発明の放射線画像変換パネルの輝尽性
蛍光体層は、前記一般式(1)又は一般式(2)で表さ
れる輝尽性蛍光体を含む層であり、通常は、輝尽性蛍光
体とこれを分散状態で含有支持する結合剤とからなるの
ものである。尚、輝尽性蛍光体層中には更に、他の輝尽
性蛍光体及び/又は着色剤などの添加剤が含まれていて
もよい。
【0053】次に、輝尽性蛍光体層が輝尽性蛍光体とこ
れを分散状態で含有支持する結合剤とからなる場合を例
にとり、本発明の放射線画像変換パネルを製造する方法
を説明する。
【0054】輝尽性蛍光体層は、次のような公知の方法
により支持体上に形成することができる。まず、一般式
(1)と一般式(2)で表される輝尽性蛍光体、及び結
合剤とを溶剤に加え、これを充分に混合して、結合剤溶
液中に前記輝尽性蛍光体が均一に分散した塗布液を調製
する。塗布液における結合剤と前記輝尽性蛍光体との混
合比は、目的とする放射線画像変換パネルの特性、蛍光
体の種類などによって異なるが、一般には結合剤と輝尽
性蛍光体との混合比は、1:1〜1:100(質量比)
の範囲から選ばれ、特に1:8〜1:40(質量比)の
範囲から選ぶのが好ましい。また、混合される輝尽性蛍
光体の粒径は、一般式(1)又は一般式(2)で表され
る輝尽性蛍光体の粒径が5〜12μmのものを使用する
場合、他方の輝尽性蛍光体の粒径は1〜7μmのものを
使用するのが好ましい。そして、その混合比(質量比)
は、目的とする放射線画像変換パネルの特性、蛍光体の
種類などによって異なるが、10:90〜90:10、
好ましくは30:70〜70:30である。
【0055】上記のようにして調製された輝尽性蛍光体
と結合剤とを含有する塗布液を、次に支持体の表面に均
一に塗布することにより塗膜を形成する。この塗布操作
は、通常の塗布手段、例えば、ドクターブレード、ロー
ルコーター、ナイフコーターなどを用いることにより行
なうことができる。
【0056】尚、支持体としては、従来の放射線画像変
換パネルの支持体として公知の材料から任意に選ぶこと
ができる。支持体としては、各種高分子材料、硝子、金
属等が用いられる。特に可撓性のシート或いはウェブに
加工できるものが好適であり、セルロースアセテートフ
ィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタ
レートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、
ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、トリアセテ
ートフィルム、ポリカーボネートフィルム等のプラスチ
ックフィルム;アルミニウム、鉄、銅、クロム等の金属
シート、或いは該金属酸化物、金属硫化物の被覆層を有
する金属シートが好ましい。
【0057】公知の放射線画像変換パネルにおいて、支
持体と蛍光体層の結合を強化するため、或いは放射線画
像変換パネルとしての感度もしくは画質(鮮鋭度、粒状
性)を向上させるために、蛍光体層が設けられる側の支
持体表面にゼラチンなどの高分子物質を塗布して接着性
付与層としたり、或いは二酸化チタンなどの光反射性物
質からなる光反射層、もしくはカーボンブラックなどの
光吸収性物質からなる光吸収層などを設けることが知ら
れている。本発明に用いられる支持体についても、これ
らの各種の層を設けることができ、それらの構成は所望
の放射線画像変換パネルの目的、用途などに応じて任意
に選択することができる。更に特開昭58−20020
0号に記載されているように、得られる画像の鮮鋭度を
向上させる目的で、支持体の蛍光体層側の表面(支持体
の蛍光体層側の表面に接着性付与層、光反射層又は光吸
収層などが設けられている場合には、その表面を意味す
る)には微小凹凸が形成されていてもよい。
【0058】上記のようにして支持体上に塗膜を形成し
た後塗膜を乾燥して、支持体上への輝尽性蛍光体層の形
成を完了する。輝尽性蛍光体層の層厚は、目的とする放
射線画像変換パネルの特性、輝尽性蛍光体の種類、結合
剤と輝尽性蛍光体との混合比などによって異なるが、通
常は20〜1mmとする。ただし、この層厚は50〜5
00μmとするのが好ましい。尚、輝尽性蛍光体層は、
必ずしも上記のように支持体上に塗布液を直接塗布して
形成する必要はなく、例えば、別に、ガラス板、金属
板、プラスチックシートなどのシート上に塗布液を塗布
し乾燥することにより輝尽性蛍光体層を形成した後、こ
れを、支持体上に押圧するか、或いは接着剤を用いるな
どして支持体と蛍光体層とを接合してもよい。
【0059】輝尽性蛍光体を分散する結合剤としては、
ゼラチン等の蛋白質、デキストラン等のポリサッカライ
ド、アラビアゴム、等の天然高分子物質;ポリビニルブ
チラール、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、エチル
セルロース、塩化ビニリデン、塩化ビニルコポリマー、
ポリアクリル(メタ)アクリレート、塩化ビニル・酢酸
ビニルコポリマー、ポリウレタン、セルロースアセテー
トブチレート、ポリビニルアルコール、線状ポリエステ
ル等の様な合成高分子物質を挙げることができ、特に好
ましいものは、ニトロセルロース、線状ポリエステル、
ポリアクリル(メタ)アクリレート、線状ポリエステル
とニトロセルロースの混合物、ニトロセルロースとポリ
アクリル(メタ)アクリレートの混合物及びポリウレタ
ンとポリビニルブチラールとの混合物である。これらの
結合剤は架橋剤によって架橋されたものでもよい。
【0060】塗布液の調製に用いる溶剤としては、メタ
ノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノー
ル等の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン
(MEK)、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン等のケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチ
ル等の低級脂肪酸と低級アルコールとのエステル;ジオ
キサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチ
レングリコールモノメチルエーテル等のエーテル;トリ
オール、キシロール等の芳香族化合物;メチレンクロラ
イド、エチレンクロライド等のハロゲン化炭化水素及び
それらの混合物等が挙げられる。
【0061】塗布液には輝尽性蛍光体の分散性向上のた
めの分散剤、形成される輝尽性蛍光体層での結合剤と輝
尽性蛍光体との結合力を向上させるための可塑剤等の添
加剤を添加してもよい。分散剤としてはフタル酸、ステ
アリン酸、カプロン酸、親油性界面活性剤等を挙げるこ
とができる。可塑剤としては燐酸トリフェニル、燐酸ト
リクレジル、燐酸ジフェニル等の燐酸エステル;フタル
酸ジエチル、フタル酸ジメトキシエチル等のフタル酸エ
ステル;グリコール酸エチルフタリルエチル、グリコー
ル酸フタリルブチル等のグリコール酸エステル;そして
トリエチレングリコールとアジピン酸とのポリエステ
ル、ジエチレングリコールと琥珀酸とのポリエステル等
のポリエチレングリコールと脂肪酸−塩酸基とのポリエ
ステル等を挙げることができる。
【0062】前述のように、通常は輝尽性蛍光体層の上
に保護膜が付設される。保護膜としては、セルロース誘
導体やポリメチルメタクリレートなどのような透明な有
機高分子物質を適当な溶媒に溶解して調製した溶液を輝
尽性蛍光体層の上に塗布することで形成されたもの、或
いはポリエチレンテレフタレートなどの有機高分子フィ
ルムや透明なガラス板などの保護膜形成用シートを別に
形成して輝尽性蛍光体層の表面に適当な接着剤を用いて
設けたもの、或いは無機化合物を蒸着などによって輝尽
性蛍光体層上に成膜したものなどが用いられる。又、有
機溶媒可溶性のフッ素系樹脂の塗布膜により形成され、
パーフルオロオレフィン樹脂粉末もしくはシリコーン樹
脂粉末を分散、含有させた保護膜であってもよい。
【0063】尚、得られる画像の鮮鋭度を向上させるこ
とを目的として、本発明の放射線画像変換パネルを構成
する上記各層の少なくとも一つの層が励起光を吸収し、
輝尽発光光は吸収しないような着色剤によって着色され
ていてもよく、独立した着色中間層を設けてもよい(特
公昭54−23400号参照)。
【0064】蛍光体層を有する放射線画像変換パネルに
設ける保護層としては、ASTMD−1003に記載の
方法により測定したヘイズ率が、5%以上60%未満の
励起光吸収層を備えたポリエステルフィルム、ポリメタ
クリレートフィルム、ニトロセルロースフィルム、セル
ロースアセテートフィルム等が使用できるが、ポリエチ
レンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレー
トフィルム等の延伸加工されたフィルムが、透明性、強
さの面で保護層として好ましく、更には、これらのポリ
エチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンテレフ
タレートフィルム上に金属酸化物、窒化珪素などの薄膜
を蒸着した蒸着フィルムが防湿性の面からより好まし
い。
【0065】保護層で用いるフィルムのヘイズ率は、使
用する樹脂フィルムのヘイズ率を選択することで容易に
調整でき、また任意のヘイズ率を有する樹脂フィルムは
工業的に容易に入手することができる。放射線画像変換
パネルの保護フィルムとしては、光学的に透明度の非常
に高いものが想定されている。そのような透明度の高い
保護フィルム材料として、ヘイズ値が2〜3%の範囲に
ある各種のプラスチックフィルムが市販されている。本
発明の効果を得るために好ましいヘイズ率としては5%
以上60%未満であり、さらに好ましくは10%以上5
0%未満である。ヘイズ率が5%未満では、画像ムラや
線状ノイズを解消する効果が低く、また60%以上では
鮮鋭性の向上効果が損なわれ、好ましくない。
【0066】本発明に係る保護層で用いるフィルムは、
必要とされる防湿性にあわせて、樹脂フィルムや樹脂フ
ィルムに金属酸化物などを蒸着した蒸着フィルムを複数
枚積層することで最適な防湿性とすることができ、輝尽
性蛍光体の吸湿劣化防止を考慮して、透湿度は少なくと
も5.0g/m2・day以下であることが好ましい。
樹脂フィルムの積層方法としては、特に制限はなく、公
知のいずれの方法を用いても良い。
【0067】また、積層された樹脂フィルム間に励起光
吸収層を設けることによって、励起光吸収層が物理的な
衝撃や化学的な変質から保護され安定したプレート性能
が長期間維持でき好ましい。また、励起光吸収層は複数
箇所設けてもよいし、積層する為の接着剤層に色材を含
有して、励起光吸収層としても良い。
【0068】保護フィルムは、輝尽性蛍光体層に接着層
を介して密着していても良いが、蛍光体面を被覆するよ
うに設けられた構造(以下、封止または封止構造ともい
う)であることがより好ましい。蛍光体プレートを封止
するにあたっては、公知のいずれの方法でもよいが、防
湿性保護フィルムの蛍光体シートに接する側の最外層樹
脂層を熱融着性を有する樹脂フィルムとすることは、防
湿性保護フィルムが融着可能となり蛍光体シートの封止
作業が効率化される点で、好ましい形態の1つである。
さらには、蛍光体シートの上下に防湿性保護フィルムを
配置し、その周縁が前記蛍光体シートの周縁より外側に
ある領域で、上下の防湿性保護フィルムをインパルスシ
ーラー等で加熱、融着して封止構造とすることで、蛍光
体シートの外周部からの水分進入も阻止でき好ましい。
また、さらには、支持体面側の防湿性保護フィルムが1
層以上のアルミフィルムをラミネートしてなる積層防湿
フィルムとすることで、より確実に水分の進入を低減で
き、またこの封止方法は作業的にも容易であり好まし
い。上記インパルスシーラーで加熱融着する方法におい
ては、減圧環境下で加熱融着することが、蛍光体シート
の防湿性保護フィルム内での位置ずれ防止や大気中の湿
気を排除する意味でより好ましい。
【0069】防湿性保護フィルムの蛍光体面が接する側
の熱融着性を有する最外層の樹脂層と蛍光体面は、接着
していても接着していなくてもかまわない。ここでいう
接着していない状態とは、微視的には蛍光体面と防湿性
保護フィルムとが点接触していても、光学的、力学的に
は殆ど蛍光体面と防湿性保護フィルムは不連続体として
扱える状態のことである。また、上記の熱融着性を有す
る樹脂フィルムとは、一般に使用されるインパルスシー
ラーで融着可能な樹脂フィルムのことで、例えば、エチ
レン酢酸ビニルコポリマー(EVA)やポリプロピレン
(PP)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム等を
挙げることができるが、本発明はこれに限定されない。
【0070】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されるものではない。
【0071】実施例1 《BaFBr0.850.15:Eu蛍光体粒子の調製》 (蛍光体粒子1の調製)下記に記載の方法に従って、標
記の蛍光体粒子1を調製した。
【0072】a)BaBr2水溶液(1.5モル/L)
1200mlを4000mlの容積のSUS316製の
反応槽に入れ、これにEuBr3水溶液(0.2モル/
L)を37.5ml、KBr3を0.9g、CaBr2
2H2Oを3.54g及び水1762.5mlを添加し
た。この反応槽中の反応母液(BaBr2濃度:1.0
0モル/L)を60℃に保温し、直径60mmのスクリ
ュー型撹拌羽根を500rpmで回転させて、反応母液
を撹拌した。NH4F水溶液(5モル/L)300ml
を撹拌下に保温している上記の反応母液中にローラーポ
ンプを用いて5.0ml/分の送液速度で注入し、沈殿
物を生成させた。注入の完了後も保温と撹拌を2時間続
けて沈殿物の熟成を行った。次に沈殿物を濾別し、メタ
ノール2Lで洗浄した。次いで、洗浄した沈殿物を取り
出し、120℃で4時間真空乾燥して、ユーロピウム賦
活弗化臭化バリウム蛍光体前駆体結晶(BaFBr結
晶)を約350g得た。得られた結晶を走査型電子顕微
鏡で観察したところ、その大部分が14面体型の結晶で
あった。次に、この結晶を光回折型粒子サイズ分布測定
器(堀場製作所株式会社製:LA−500)で測定した
ところ、平均結晶サイズは8.0μmであることが確認
された。
【0073】b)BaI2水溶液(4.0モル/L)2
850mlを4000mlの容積のSUS316製の反
応槽に入れ、これにEuI3水溶液(0.2モル/L)
を90ml及び水を60ml添加した。この反応槽中の
反応母液(BaI2濃度:3.80モル/L)を60℃
に保温し、直径60mmのスクリュー型撹拌羽根を50
0rpmで回転させて、反応母液を撹拌した。HF水溶
液(5モル/L)720mlを、撹拌下に保温している
上記の反応母液中にローラーポンプを用いて12ml/
分の送液速度で注入し、沈殿物を生成させた。注入の完
了後も保温と撹拌とを2時間続けて沈殿物の熟成を行っ
た。次に沈殿物を濾別し、イソプロパノール2Lで洗浄
した。次いで、洗浄した沈殿物を取り出し、120℃で
4時間真空乾燥して、ユーロピウム賦活沃化バリウム蛍
光体前駆体結晶(BaFI結晶)を約1000g得た。
得られた結晶を走査型電子顕微鏡で観察したところ、そ
の大部分が14面体型の結晶であった。次に、この結晶
を光回折型粒子サイズ分布測定器で測定したところ、平
均結晶サイズは6.5μmであることが確認された。
【0074】c)上記のBaFBr結晶を165g及び
BaFI結晶を35g取り、これにCsBr0.10
g、そして焼成時の焼結を防止するためにアルミナ(A
23)の超微粒子粉体0.2g(0.1質量%)を添
加し、ダブルコーンミキサーで充分に撹拌混合して、結
晶表面にアルミナの超微粒子粉体を均一に付着させた。
d)上記の混合物を石英ボートに充填し、チューブ炉を
用い、窒素ガス雰囲気中、870℃で3時間焼成した。
焼成の途中で酸素ガスを0.6%導入して微量の酸素ガ
スを含有する窒素ガス雰囲気とした。次に、炉内の温度
を1時間半かけて700℃まで降温した後、真空排気し
微量の酸素ガスを含有する窒素ガス雰囲気に置換した。
次いで、炉内を大気に触れないようにして350℃以下
まで冷却した後、焼成物を大気中に取り出した。
【0075】e)上記の焼成物1000gをメタノール
1.5L中に分散させた後、ロールミル(回転速度:5
0rpm)を用いて15時間ほぐし処理を行った。次
に、この焼成物のスラリーを振動篩(ナイロンメッシ
ュ;#508)にかけて湿式分級を行った。次いで、こ
のスラリーを10時間静置した後上澄み液を取り除い
て、過剰なアルミナが除去されたスラリーを得た。
【0076】f)上記の焼成物スラリーを減圧濾過して
固液分離を行った後、メタノールで洗浄し、150℃で
10時間真空乾燥した。次に、この焼成物を再度振動篩
(ナイロンメッシュ;#460)にかけて乾式分級を行
った。このようにして、標記の組成式で表されるユーロ
ピウム賦活弗化臭化沃化バリウムの蛍光体粒子1を得
た。得られた蛍光体粒子1を走査型電子顕微鏡で観察し
たところ、その大部分が原料結晶と同じく14面体の形
状にあった。又、この結晶を光回折型粒子サイズ分布測
定器で測定したところ、平均結晶サイズは8.0μmで
あった。
【0077】上記方法に従って、1日当たり4ロットの
調製を行い、これを30日間続けて調製を行い、30日
目に調製したユーロピウム賦活弗化臭化沃化バリウム蛍
光体粒子を蛍光体粒子1としてサンプリングした。
【0078】(蛍光体粒子2〜8の調製)上記蛍光体粒
子1の調製において、4000mlの容積のSUS31
6製の反応槽に代えて、表1に記載のパーフルオロ樹脂
をSUS316表面にコーティングした反応槽を用いた
以外は同様にして、蛍光体粒子2〜8を調製した。
【0079】なお、表1に記載のパーフルオロ樹脂の詳
細は、以下の通りである。 PVDF:ポリビニリデンフルオライド ECTFE:クロロトリフルオロエチレン−エチレン共
重合体 PFA:テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキ
ルビニルエーテル共重合体 PFEP:テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプ
ロピレン共重合体 PCTFE:ポリクロロトリフルオロエチレン 《放射線画像変換パネルの作製》 (蛍光体層塗布液の調製)上記調製した蛍光体粒子1〜
8を、各々100gとポリエステル樹脂(東洋紡社製、
バイロン63SS 固形分濃度30%)16.7gとを
メチルエチルケトン−トルエン(1:1)混合溶媒に添
加し、プロペラミキサーによって分散し、粘度を2.5
〜3.0Pa・sに調整して、蛍光体層塗布液1〜8を
調製した。
【0080】(蛍光体シートの作製)上記調製した蛍光
体層塗布液1〜8を用いて、ドクターブレードにより、
厚さ250μmのポリエチレンテレフタレート支持体上
に、塗布幅として1000mmで膜厚が230μmとな
るように塗布したのち、100℃で15分間乾燥させて
蛍光体層1を形成して、蛍光体シート1〜8を作製し
た。
【0081】(防湿性保護フィルムの作製)上記作製し
た蛍光体シート1〜8の蛍光体層塗設面側の保護フィル
ムとして下記構成(A)のものを使用した。
【0082】構成(A) NY15///VMPET12///VMPET12/
//PET12///CPP20 NY:ナイロン PET:ポリエチレンテレフタレート CPP:キャステングポリプロピレン VMPET:アルミナ蒸着PET(市販品:東洋メタラ
イジング社製) 各樹脂フィルムの後ろに記載の数字は、樹脂層の膜厚
(μm)を示す。
【0083】上記「///」は、ドライラミネーション
接着層で、接着剤層の厚みが3.0μmであることを意
味する。使用したドライラミネーション用の接着剤は、
2液反応型のウレタン系接着剤を用いた。
【0084】また、蛍光体シートの支持体裏面側の保護
フィルムは、CPP30μm/アルミフィルム9μm/
ポリエチレンテレフタレート(PET)188μmの構
成のドライラミネートフィルムとした。また、この場合
の接着剤層の厚みは1.5μmで2液反応型のウレタン
系接着剤を使用した。
【0085】(放射線画像変換パネルの作製)前記作製
した蛍光体シート1〜8を、各々一辺が20cmの正方
形に断裁した後、上記作製した防湿性保護フィルムを用
いて、減圧下で周縁部をインパルスシーラを用いて融
着、封止して、放射線画像変換パネル1〜8を作製し
た。尚、融着部から蛍光体シート周縁部までの距離は1
mmとなるように融着した。融着に使用したインパルス
シーラーのヒーターは3mm幅のものを使用した。
【0086】《各特性の評価》 (反応槽表面の腐食性の評価)30日連続処理した後の
反応槽内部を目視観察し、下記の基準に則り腐食性の評
価を行った。
【0087】 5:反応槽内部の変化は、ほとんど認められない 4:反応槽内部の表面に、ごく僅かなザラツキが認めら
れる 3:反応槽内部の表面に、微小なひび割れが認められる
が、基材(SUS316)部の腐食は認められない 2:反応槽内部の表面に、ひび割れが認められ、基材
(SUS316)部が腐食している 1:反応槽内部の表面に、多数のひび割れが認められ、
基材(SUS316)部がかなり腐食している (各蛍光体粒子の鉄含有量の定量)下記に記載の方法に
従い、蛍光体粒子中の鉄含有量を測定した。
【0088】各蛍光体粒子を、濃塩酸で煮沸、乾燥した
後、再度濃塩酸で溶解して濾過を行った。次いで、上記
前処理を行った試料について、ICP−AES(誘導結
合プラズマ発光分析装置 セイコー電子工業(株)製
SPS−4000)を用いて、鉄の定量(mg/kg蛍
光体)を行った。
【0089】(各蛍光体粒子の変動係数の測定)各蛍光
体粒子の粒径分布をコールターカウンタで測定し、下式
に従って変動係数を求めた。
【0090】粒径分布の変動係数(%)=(粒径分布の
標準偏差/平均粒径)×100 (輝度の測定)上記作製した各放射線画像変換パネルに
ついて、以下に示す方法に従って輝度の測定を行った。
【0091】輝度の測定は、各放射線画像変換パネルに
ついて、管電圧80kVpのX線を蛍光体シート支持体
の裏面側から照射した後、パネルをHe−Neレーザー
光(633nm)で操作して励起し、蛍光体層から放射
される輝尽発光を受光器(分光感度S−5の光電子像倍
管)で受光して、その強度を測定して、これを輝度と定
義し、放射線変換パネル1の輝度を100とした、相対
値で表示した。
【0092】(鮮鋭性の測定)鮮鋭性については、変調
伝達関数(MTF)を求め評価した。
【0093】各放射線像変換パネルにCTFチャートを
貼りつけた後、80kVpのX線を10mR(被写体ま
での距離;1.5m)照射した後、蛍光体層を有する面
側から半導体レーザ光(690nm、パネル上でのパワ
ー40mW)を照射して、直径100μmφの半導体レ
ーザ光でCTFチャートを走査しながら読みとって求め
た。表1の記載の値は、0.5lp/mmにおける放射
線画像変換パネル1のMTF値を100とし、各パネル
について相対値で求めたものである。
【0094】以上により得られた結果を、表1に示す。
【0095】
【表1】
【0096】表1より明らかなように、吸水率が0.0
2%以下のパーフルオロ樹脂で内部をコーティングした
反応槽を用いて調製した蛍光体粒子は、鉄含有量が低
く、それを用いて作製した放射線画像変換パネルは、比
較例に対して、高輝度で、かつ鮮鋭性に優れていること
が分かる。
【0097】実施例2 《蛍光体粒子の調製》 (蛍光体粒子21の調製)ユーロピウム賦活弗化沃化バ
リウムの輝尽性蛍光体前駆体を合成するために、BaI
2水溶液(3.6mol/L)2780mlとEuI3
溶液(0.15mol/L)27mlを、容積が400
0mlのSUS316製の反応槽に入れた。この反応器
中の反応母液を撹拌しながら83℃で保温した。次い
で、弗化アンモニウム水溶液(8mol/L)322m
lを反応母液中にローラーポンプを用いて注入し、沈澱
物を生成させた。注入終了後も保温と撹拌を2時間続け
て沈澱物の熟成を行なった。次に、沈澱物をろ別後、エ
タノールにより洗浄した後、真空乾燥させてユーロピウ
ム賦活弗化沃化バリウムの結晶を得た。焼成時の焼結に
より粒子形状の変化、粒子間融着による粒子サイズ分布
の変化を防止するために、アルミナの超微粒子粉体を
0.2質量%添加し、ミキサーで充分撹拌して結晶表面
にアルミナの超微粒子粉体を均一に付着させた。これを
石英ボートに充填して、チューブ炉を用いて水素ガス雰
囲気下で、850℃で2時間焼成した後、分級して平均
粒径が4μmのユーロピウム賦活弗化沃化バリウム蛍光
体粒子を調製した。上記方法に従って、1日当たり4ロ
ットの調製を行い、これを30日間続けて調製を行い、
30日目に調製したユーロピウム賦活弗化沃化バリウム
蛍光体粒子を蛍光体粒子21としてサンプリングした。
【0098】(蛍光体粒子22〜28の調製)実施例1
に記載の蛍光体粒子2〜8の調製に用いたのと同様の反
応槽を用いた以外は、上記蛍光体粒子21と同様にし
て、蛍光体粒子22〜28を調製した。
【0099】《放射線画像変換パネルの作製》上記調製
した蛍光体粒子21〜28を用いて、実施例に記載の方
法に従って、放射線画像変換パネル21〜28を作製し
た。
【0100】《各特性の評価》上記調製した蛍光体粒子
及び上記作製した放射線画像変換パネルについて、実施
例1に記載の方法と同様にして、各評価を行った結果、
実施例1の結果と同様に、本発明の吸水率が0.02%
以下のパーフルオロ樹脂で内部をコーティングした反応
槽を用いて調製した蛍光体粒子は、鉄含有量が低く、そ
れを用いて作製した放射線画像変換パネルは、比較例に
対して、高輝度で、かつ鮮鋭性に優れていることを確認
することができた。
【0101】
【発明の効果】本発明により、輝度、鮮鋭性に優れた希
土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍
光体及びその製造装置、製造方法とそれを用いた放射線
画像変換パネルを提供することができた。
フロントページの続き Fターム(参考) 2G083 AA03 BB01 CC10 DD01 DD02 EE02 EE03 4G075 AA23 AA53 FB12 FC09 4H001 CA08 CF01 XA04 XA09 XA12 XA17 XA20 XA35 XA38 XA53 XA56 YA03 YA11 YA19 YA37 YA55 YA58 YA59 YA60 YA62 YA63 YA64 YA65 YA67 YA68 YA69 YA70

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される希土類賦活
    アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の前
    駆体を液相法で製造する際に用いる反応槽が、その表面
    を吸水率が0.02%以下のパーフルオロ樹脂でコーテ
    ィング処理されていることを特徴とする希土類賦活アル
    カリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の製造装
    置。 一般式(1) (Ba1-x2 x)FX:yM1,zLn 〔式中、M2はSrまたはCaを表し、XはCl、Br
    及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲ
    ンを表し、M1はLi、Na、K、Rb及びCsからな
    る群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属を表
    し、LnはCe、Pr、Sm、Eu、Gd、Tb、Tm
    及びYbからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土
    類元素を表す。x、y及びzは、それぞれ0≦x≦0.
    5、0≦y≦0.05、0<z≦0.2を表す。〕
  2. 【請求項2】 下記一般式(2)で表される希土類賦活
    アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の前
    駆体を液相法で製造する際に用いる反応槽が、その表面
    を吸水率が0.02%以下のパーフルオロ樹脂でコーテ
    ィング処理されていることを特徴とする希土類賦活アル
    カリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の製造装
    置。 一般式(2) Ba(1-x)4 (x)FBr(y)(1-y):aM3,bLn 〔式中、M3はLi、Na、K、Rb及びCsから選ば
    れる少なくとも1種のアルカリ金属を表し、M4はB
    e、Mg、Sr及びCaから選ばれる少なくとも1種の
    アルカリ土類金属を表し、LnはCe、Pr、Sm、E
    u、Gd、Tb、Tm、Dy、Ho、Nd、Er及びY
    bから選ばれる少なくとも1種の希土類元素を表し、
    x、y、a及びcは、それぞれ0≦x≦0.3、0<y
    ≦0.3、0≦a≦0.05、0<b≦0.2であ
    る。〕
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の希土類賦活アル
    カリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の製造装
    置を用いて製造することを特徴とする希土類賦活アルカ
    リ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の希土類賦活アルカリ土
    類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の製造方法によ
    り得られたことを特徴とする希土類賦活アルカリ土類金
    属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の希土類賦活アルカリ土
    類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体を含有する輝尽
    性蛍光体層を有することを特徴とする放射線画像変換パ
    ネル。
JP2002049719A 2002-02-26 2002-02-26 希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体及びその製造装置、製造方法とそれを用いた放射線画像変換パネル Pending JP2003246980A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1645612A2 (en) 2004-09-15 2006-04-12 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. Radiographic imaging device and radiographic imaging method
WO2009116355A1 (ja) * 2008-03-19 2009-09-24 コニカミノルタエムジー株式会社 希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の製造方法、希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体及び放射線像変換パネル
JP2017120268A (ja) * 2011-10-03 2017-07-06 株式会社東芝 X線検出器用増感紙、x線検出器、およびx線検査装置

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