JP2006282861A - 希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体前駆体粒子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】単分散で小サイズで、かつ凝集レベルの低い希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体前駆体粒子、並びにその粒子を用いて得られる蛍光体の製造方法、及びその蛍光体を含有する放射線像変換パネルの提供。
【解決手段】水系媒体にハロゲン化バリウム(BaX2)、ヨウ化バリウム(BaI2)、希土類化合物および必要によりアルカリ土類金属化合物を溶解して、全ハロゲンに対するヨウ素のモル比が0.30〜0.80の範囲にある反応母液を調製する工程、反応母液に弗化物の水溶液を添加して、反応溶液中に希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体前駆体粒子を沈殿生成させる工程、および反応溶液から該蛍光体前駆体粒子を分離する工程、からなる希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体前駆体粒子の製造方法。この粒子を焼成し希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体を製造する。放射線像変換パネルは、該蛍光体を含有する。
【選択図】なし
【解決手段】水系媒体にハロゲン化バリウム(BaX2)、ヨウ化バリウム(BaI2)、希土類化合物および必要によりアルカリ土類金属化合物を溶解して、全ハロゲンに対するヨウ素のモル比が0.30〜0.80の範囲にある反応母液を調製する工程、反応母液に弗化物の水溶液を添加して、反応溶液中に希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体前駆体粒子を沈殿生成させる工程、および反応溶液から該蛍光体前駆体粒子を分離する工程、からなる希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体前駆体粒子の製造方法。この粒子を焼成し希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体を製造する。放射線像変換パネルは、該蛍光体を含有する。
【選択図】なし
Description
本発明は、焼成により蛍光体に変換し得る蛍光体前駆体粒子の製造方法、更に詳しくは希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体前駆体粒子の製造方法に関する。また、その製造方法により得られた蛍光体前駆体粒子、その蛍光体前駆体粒子を用いて得られた蛍光体、およびその蛍光体を含有する放射線像変換パネルに関するものである。
従来より、希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体は、X線や電子線等の放射線の照射によって紫外乃至可視領域に瞬時発光を示すことが知られていて、例えば、放射線写真フィルムと放射線増感スクリーン(増感紙ともいう)の組合せを用いる放射線写真法において、増感スクリーン用の蛍光体として利用されている。また、この蛍光体は、X線等の放射線が照射されると放射線エネルギーの一部を吸収蓄積し、そののち可視光線や赤外線などの電磁波(励起光)の照射を受けると蓄積した放射線エネルギーを輝尽発光として放出する輝尽性蛍光体としても知られ、蓄積性蛍光体を用いる放射線画像記録再生方法において放射線像変換パネル(イメージングプレートともいう)用の蛍光体として利用される。
放射線画像記録再生方法は、輝尽性蛍光体等の蓄積性蛍光体を含有するシート状の放射線像変換パネルに、被検体を透過したあるいは被検体から発せられた放射線を照射して被検体の放射線画像情報を一旦蓄積記録した後、パネルにレーザ光などの励起光を走査して順次発光光として放出させ、そしてこの発光光を光電的に読み取って画像信号を得ることからなる方法であり、広く実用に供されている。読み取りを終えたパネルは、残存する放射線エネルギーの消去が行われた後、次の撮影のために備えられて繰り返し使用される。
希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体は一般に、弗化バリウム、ハロゲン化バリウム、希土類ハロゲン化物、弗化アンモニウムなどからなる原料化合物を一緒に乾式または湿式(液相法)で混合したのち焼成することにより製造される。液相法で原料化合物を混合して反応させた場合には、まず蛍光体前駆体が得られ、これを焼成することにより目的の蛍光体が得られる。ここで、蛍光体前駆体とは、焼成工程に掛けられていない化合物であって、焼成後に得られる蛍光体とほぼ同一の化学組成式を有するものの、発光特性が殆どもしくは充分には付与されていない化合物を意味する。
特許文献1には、反応容器内の弗化物以外のアルカリ土類金属ハロゲン塩水溶液を撹拌しながら、これに弗化物塩水溶液を供給管を通して供給することにより、希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体前駆体を製造する方法が開示されている。この公報の実施例1、実験No.C2には、化学量論量の化合物を含む水溶液を用いて、BaFBr0.8I0.2:Eu蛍光体前駆体を製造したと記載されているが、本発明者がその追試を行ったところ、後述するように、得られた蛍光体前駆体のヨウ素含有量は1.0モル%未満であった。
特許文献2には、ヨウ素を含有する希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体前駆体の製造方法が開示されている。蛍光体前駆体は、基本組成式(I):Ba1-aMII aFX1-bIb:yMI,zLn[MIIはCa及びSrからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属を表し;MIはLi、Na、K、Rb及びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属を表し;XはCl及びBrからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表し;LnはCe、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素を表し;そしてa、b、y及びzはそれぞれ、0≦a≦0.5、0.01≦b<0.99、0≦y≦0.05、0<z≦0.2の範囲にある数値を表す]を有し、そしてその製造方法は、バリウム化合物、ハロゲンXの化合物、ヨウ化物、希土類化合物および必要によりアルカリ土類金属化合物とアルカリ金属化合物を水系媒体に溶解して、ハロゲンXイオン濃度に対するヨウ素イオン濃度の比率が0.30以上でかつb/1−b比の10倍以上である反応母液を調製した後、これに弗化物の水溶液を添加して蛍光体前駆体を沈殿生成させ、次いで反応溶液から該蛍光体前駆体を分離することからなる。
弗化ハロゲン化バリウム(BaFX:Ln、ただし、XはCl及び/又はBrであり、Lnは希土類元素である)系蛍光体前駆体粒子の製造において、小サイズの粒子を得るためには、反応母液として使用するハロゲン化バリウム(BaX2)溶液を低温で高濃度にし、沈殿剤の添加速度を速くすることにより、粒子形成時の過飽和度を高く設定する必要がある。しかしながら、単純にBaX2の濃度を高くして高過飽和度とすると、平板状の粒子が生成し易く、また小サイズ粒子系で特に発生しがちな粒子凝集の問題が生じていた。
本発明は、単分散で小サイズで、かつ凝集レベルの低い希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体前駆体粒子の製造方法を提供することにある。
また、本発明は、蛍光体の製造に有利に用いることができる希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体前駆体粒子を提供することにもある。
また、本発明は、希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体を提供することにもある。
さらに、本発明は、希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体を含有する放射線像変換パネルを提供することにもある。
また、本発明は、蛍光体の製造に有利に用いることができる希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体前駆体粒子を提供することにもある。
また、本発明は、希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体を提供することにもある。
さらに、本発明は、希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体を含有する放射線像変換パネルを提供することにもある。
本発明者は、希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体前駆体の粒子を製造する方法について検討した結果、粒子形成(特に、核形成)時の過飽和度を高く設定する方法として複数種のハロゲン化バリウム原料を使用することによって、小サイズの粒子に特有の粒子凝集の問題を解決できることが判明した。すなわち、バリウム供給源としてBaI2を含む複数種のハロゲン化バリウムを用いて単一種のハロゲンイオン濃度の過度の増大を回避することにより、粒子形状の平板化を抑えつつ、単分散性が良好で粒子凝集の低減した小サイズ粒子が得られることを見い出し、本発明に到達したものである。
従って、本発明は、基本組成式(I):
Ba1-aMII aFX:zLn …(I)
[MIIはCa及びSrからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属を表し;XはCl及びBrからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表し;LnはCe、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素を表し;そしてa及びzはそれぞれ、0≦a≦0.5、0<z≦0.2の範囲にある数値を表す]
を有する希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体前駆体粒子を製造するための下記工程からなる製造方法にある:
(1)水系媒体に、ハロゲン化バリウム(BaX2)、ヨウ化バリウム(BaI2)、希土類化合物、および必要によりアルカリ土類金属化合物を溶解して、全ハロゲンに対するヨウ素のモル比が0.30〜0.80の範囲にある反応母液を調製する工程、
(2)反応母液に弗化物の溶液を添加して、反応溶液中に希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体前駆体粒子を沈殿生成させる工程、および
(3)反応溶液から該蛍光体前駆体粒子を分離する工程。
Ba1-aMII aFX:zLn …(I)
[MIIはCa及びSrからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属を表し;XはCl及びBrからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表し;LnはCe、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素を表し;そしてa及びzはそれぞれ、0≦a≦0.5、0<z≦0.2の範囲にある数値を表す]
を有する希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体前駆体粒子を製造するための下記工程からなる製造方法にある:
(1)水系媒体に、ハロゲン化バリウム(BaX2)、ヨウ化バリウム(BaI2)、希土類化合物、および必要によりアルカリ土類金属化合物を溶解して、全ハロゲンに対するヨウ素のモル比が0.30〜0.80の範囲にある反応母液を調製する工程、
(2)反応母液に弗化物の溶液を添加して、反応溶液中に希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体前駆体粒子を沈殿生成させる工程、および
(3)反応溶液から該蛍光体前駆体粒子を分離する工程。
また、本発明は、上記の方法により製造された上記基本組成式(I)を有する希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体前駆体粒子にもある。
また、本発明は、上記の希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体前駆体粒子を用いて、焼成することにより得られた上記基本組成式(I)を有する希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体にもある。
さらに、本発明は、上記の希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体を含有する放射線像変換パネルにもある。
なお、蛍光体製造時の焼成工程の前後で、化学組成の変化が生じうるため、蛍光体前駆体の各成分の比と出来上がった蛍光体の各成分の比は若干異なる場合がある。
本発明の方法によれば、バリウム供給源としてBaI2を含む複数種のハロゲン化バリウムを用いることにより、単分散で(すなわち、変動係数が小さく)、小サイズ(5.0μm以下)で、かつ粒子凝集レベルの低い希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体前駆体粒子を製造することができる。また、この蛍光体前駆体粒子を焼成することにより、希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体を得ることができる。さらに、この蛍光体を用いることにより、高品質の放射線像変換パネルを得ることができる。
本発明の蛍光体前駆体粒子の製造方法において、好ましい態様は以下の通りである。
1)(1)工程において反応母液中の全バリウム濃度が1.1乃至2.3モル/Lの範囲にある。
2)(1)工程においてハロゲンXが臭素である。
3)(1)工程において希土類化合物がセリウム化合物またはユーロピウム化合物である。
1)(1)工程において反応母液中の全バリウム濃度が1.1乃至2.3モル/Lの範囲にある。
2)(1)工程においてハロゲンXが臭素である。
3)(1)工程において希土類化合物がセリウム化合物またはユーロピウム化合物である。
以下に、本発明の下記基本組成式(I)を有する希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体前駆体粒子の製造方法について、詳細に説明する。
Ba1-aMII aFX:zLn …(I)
[MIIはCa及びSrからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属を表し;XはCl及びBrからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表し;LnはCe、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素を表し;そしてa及びzはそれぞれ、0≦a≦0.5、0<z≦0.2の範囲にある数値を表す]
[粒子形成工程]
(1)反応母液の調製
まず、水系媒体に、ハロゲン化バリウム(BaCl2及び/又はBaBr2)、ヨウ化バリウム(BaI2)、および希土類化合物を溶解して、反応母液を調製する。
(1)反応母液の調製
まず、水系媒体に、ハロゲン化バリウム(BaCl2及び/又はBaBr2)、ヨウ化バリウム(BaI2)、および希土類化合物を溶解して、反応母液を調製する。
水溶性の希土類化合物の例としては、希土類元素のハロゲン化物(塩化物、臭化物またはヨウ化物)、硝酸塩、および酢酸塩を挙げることができる。特に好ましい希土類化合物は、希土類ハロゲン化物である。本発明の蛍光体前駆体を用いて蛍光体を得た場合の発光特性などの点から、希土類元素はセリウムまたはユーロピウムであることが好ましい。
反応母液には更に、必要に応じて、アルカリ土類金属(Ca及び/又はSr)化合物、および/またはアルカリ金属(Li、Na、K、Rb及び/又はCs)化合物が含まれていてもよい。アルカリ土類金属化合物としては、アルカリ土類金属のハロゲン化物、硝酸塩、亜硝酸塩、酢酸塩、水酸化物、および安息香酸塩を挙げることができる。アルカリ金属化合物としては、アルカリ金属のハロゲン化物、硝酸塩、亜硝酸塩、および酢酸塩を挙げることができる。
反応母液の調製は、撹拌機を備えた反応容器を用いて、適当な撹拌回転数にて撹拌しながら行う。このとき、所望により、反応母液に少量の酸、アルカリ、アルコール類、水不溶性金属酸化物微粒子粉体、ゼラチン等の水溶性高分子物質、凝集防止剤、および焼結防止剤などを添加してもよい。
本発明においては、このようにして調製した反応母液中の全ハロゲンに対するヨウ素のモル比[I/(X+I)]が、0.30≦I/(X+I)≦0.80の範囲になるようにする。このI/(X+I)モル比は、0.40以上で、0.70以下であることが好ましく、より好ましくは0.50以上で、0.60以下である。
反応母液にBaCl2やBaBr2よりも溶解度の高いBaI2を混合して、Baイオンを過剰に供給すると同時にClイオンやBrイオンが大過剰に存在しないようにすることによって、得られる蛍光体前駆体粒子を単分散で小サイズ化することができ、粒子凝集レベルを格段に低減することができ、そして粒子の平板化を抑制することができる。なお、上記のI/(X+I)モル比が低過ぎるとこのような小サイズ化および単分散化の効果が小さくなり、逆に高過ぎると粒子が小サイズ化し過ぎて粒子凝集の問題が生じる。
反応母液中の全バリウム濃度は、1.1乃至2.3モル/Lの範囲にあることが好ましい。より好ましくは1.2乃至2.2モル/Lの範囲にあり、最も好ましくは1.4乃至2.0モル/Lの範囲にある。Ba濃度が低過ぎると粒子サイズが大きくなり、逆に高過ぎると粒子が平板状で多分散になり、また粒子凝集レベルが高くなる。
反応母液の温度は、一般には20℃乃至95℃の範囲にあり、好ましくは30℃乃至82℃の範囲にあり、そして最も好ましくは35℃乃至60℃の範囲にある。温度が低過ぎると粒子が小サイズ化し過ぎて粒子凝集の問題が生じ、逆に高過ぎると粒子サイズが大きくなる。この温度は、反応の間中維持されることが望ましい。
(2)沈殿生成
上記の反応母液に、その温度を維持しながら弗化物の溶液を添加して、反応溶液中に希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体前駆体粒子を沈殿生成させる。
上記の反応母液に、その温度を維持しながら弗化物の溶液を添加して、反応溶液中に希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体前駆体粒子を沈殿生成させる。
弗化物溶液としては、例えば、弗化アンモニウム、弗化水素、弗化リチウム、弗化ナトリウム、弗化カリウムなどの水溶液または非水溶液を用いることができる。弗化物溶液の種類および濃度は目的に応じて適宜選択することができる。
上記溶液の添加は、添加速度を制御しながら行うことが好ましい。ダブルジェット方式またはトリプルジェット方式で添加する場合に、そのタイミングは任意に選択することができるが、同時添加であることが好ましい。これにより、反応が生じて、反応溶液中に蛍光体前駆体の粒子が生成し、沈殿する。
[固液分離]
反応溶液から沈殿した蛍光体前駆体粒子を、吸引濾過、加圧濾過、あるいは遠心分離などの手段により分離する。次いで、分離した蛍光体前駆体粒子を、メタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコールで充分に洗浄して、塩などの不要な残留物を除去する。洗浄後、50℃乃至180℃の温度で、大気中または減圧下で所定時間乾燥して、水分および洗浄液成分を蒸発させる。
反応溶液から沈殿した蛍光体前駆体粒子を、吸引濾過、加圧濾過、あるいは遠心分離などの手段により分離する。次いで、分離した蛍光体前駆体粒子を、メタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコールで充分に洗浄して、塩などの不要な残留物を除去する。洗浄後、50℃乃至180℃の温度で、大気中または減圧下で所定時間乾燥して、水分および洗浄液成分を蒸発させる。
このようにして、前記基本組成式(I)を有する希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体前駆体粒子が得られる。この蛍光体前駆体粒子を用いて蛍光体を得た場合の発光特性(瞬時発光特性、輝尽発光特性等)などの点から、前記基本組成式(I)において、XはBrであることが好ましく、そしてLnはCeまたはEuであることが好ましい。
本発明において、得られた蛍光体前駆体粒子におけるヨウ素含有量は1.0モル%未満であり、ヨウ素は実質的に含まれない。蛍光体前駆体粒子中のヨウ素含有量は、化学分析による方法や粉末X線回折法等の物理的測定方法など公知の方法により測定することができる。例えばX線回折法では、弗化ハロゲン化バリウムのヨウ素含有量とその格子定数とがほぼ直線関係にあることを利用して、弗化塩化バリウム、弗化臭化バリウムまたは弗化ヨウ化バリウム粉末等を標準試料として用い、蛍光体前駆体粉末の{hkl}面ピークの回折角度(2θ)を精密に測定することにより、ヨウ素含有量を求めることができる。
本発明の蛍光体前駆体粒子は、平板化が抑えられて略立方体、14面体、より等方的な多面体または球形の形状を有することができる。球形であることが最も好ましい。
本発明の蛍光体前駆体粒子の粒子サイズ(メジアン径、Dm)は、一般には0.1以上、5.0μm以下である。好ましくは0.2以上、2.5μm以下であり、最も好ましくは0.5以上、2.0μm以下である。平均粒子サイズが0.1μmより小さいと粒子凝集の問題が生じ、一方5.0μmより大きいと蛍光体粒子にして放射線像変換パネルに用いたときに画質特性の悪化が問題となる。ここで、メジアン径Dmは、粒子について粒子径と頻度とからなる分布曲線を得たときに累積分布が全体粒子数の50%を示す粒子径(分布の中心値)を意味し、コールターカウンター法等の電気的検知法やレーザ回折散乱法など公知の粒子径計測技術を用いて好ましく測定することができる。
本発明の蛍光体前駆体粒子は、一般に粒子凝集レベルが1.0以上、1.5以下である。好ましくは、粒子凝集レベルは1.0以上、1.3以下であり、最も好ましくは1.0以上、1.2以下である。ここで、粒子凝集レベルは、Dm/平均粒子径の値を意味し、平均粒子径は、構成一次粒子の平均の大きさであり、リーナース法、サブシーズサイザー、ブレーン法等の透過法、電子顕微鏡写真から球換算して得られる球相当径(体積粒子径)などによって好ましく測定することができる。Dm/平均粒子径の値が1に近いほど、粒子凝集レベルは低いと判定される。
本発明の蛍光体前駆体粒子は、一般に変動係数が30%以下であり、単分散性が高い。好ましくは、変動係数は20%以下であり、最も好ましくは15%以下である。変動係数は、平均粒子径に対する偏差を百分率で表した値であり、単分散性の尺度である。変動係数が大きく単分散性が低いと、蛍光体粒子にして放射線像変換パネルに用いたときに画質特性の悪化が問題となる。
次に、この蛍光体前駆体粒子を用いて、本発明の希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体を製造する方法について説明する。
[原料混合]
上記の希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体前駆体粒子は、それだけで焼成工程に掛けてもよいが、所望によりその他の蛍光体原料を秤量、混合してもよい。
上記の希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体前駆体粒子は、それだけで焼成工程に掛けてもよいが、所望によりその他の蛍光体原料を秤量、混合してもよい。
その他の蛍光体原料としては、ハロゲン化バリウム(BaF2、BaCl2、BaBr2、BaFCl、BaFBr等)、アルカリ土類金属ハロゲン化物(MgF2、MgCl2、MgBr2、CaF2、CaCl2、CaBr2、SrF2、SrCl2、SrBr2等)、アルカリ金属ハロゲン化物(LiF、LiCl、LiBr、NaF、NaCl、NaBr、KF、KCl、KBr、RbF、RbCl、RbBr、CsF、CsCl、CsBr等)、金属酸化物(Al2O3、SiO2、ZrO2等)、希土類元素(Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb)の化合物、例えばハロゲン化物、酸化物、硝酸塩、硫酸塩等、およびハロゲン化アンモニウム(NH4X’;ただし、X’はF、Cl又はBrを表す)を挙げることができる。
さらに、発光特性(輝尽発光強度、蓄積されたエネルギーの消去性能等)を改良する目的で、以下のような種々の成分を添加することもできる。前記蛍光体前駆体粒子に含まれる元素以外の元素であって、例えばB、O、S、Asに代表される非金属元素、Al、Ge、Snに代表される両性元素、V、Be、Mn、Fe、Ni、Co 、Cu、Agに代表される金属元素、更にはテトラフルオロホウ酸化合物、ヘキサフルオロ化合物等を挙げることができる。
蛍光体前駆体粒子への上記蛍光体原料の混合調製方法としては、公知の混合方法の中から適宜選択して行うことができる。
[焼成]
本発明において焼成とは、蛍光体前駆体粒子、または蛍光体前駆体粒子と蛍光体原料との混合物に所望の発光特性を付与して蛍光体とするための熱処理をいう。焼成工程に先立って、以下のような仮焼成工程を実施してもよい。
本発明において焼成とは、蛍光体前駆体粒子、または蛍光体前駆体粒子と蛍光体原料との混合物に所望の発光特性を付与して蛍光体とするための熱処理をいう。焼成工程に先立って、以下のような仮焼成工程を実施してもよい。
(仮焼成)
仮焼成工程は、焼成工程(本焼成)における焼成温度よりも低い温度で、予め蛍光体前駆体粒子またはその混合物粒子を熱処理する工程である。本焼成が、高温により蛍光体結晶の生成(結晶化)、および付活剤の結晶中への拡散など蛍光体に発光特性(瞬時発光特性、輝尽発光特性、残光特性等)を付与する作用、これら全てを担っているのに対して、仮焼成は、焼成時の温度よりも低い温度によって粒子を結晶化させることが大きな目的である。仮焼成を行うことにより、後の本焼成との役割分担が明確になり、蛍光体の発光特性をより自由に制御することができる。
仮焼成工程は、焼成工程(本焼成)における焼成温度よりも低い温度で、予め蛍光体前駆体粒子またはその混合物粒子を熱処理する工程である。本焼成が、高温により蛍光体結晶の生成(結晶化)、および付活剤の結晶中への拡散など蛍光体に発光特性(瞬時発光特性、輝尽発光特性、残光特性等)を付与する作用、これら全てを担っているのに対して、仮焼成は、焼成時の温度よりも低い温度によって粒子を結晶化させることが大きな目的である。仮焼成を行うことにより、後の本焼成との役割分担が明確になり、蛍光体の発光特性をより自由に制御することができる。
仮焼成は、200℃乃至900℃の温度範囲であって本焼成の温度よりも低い温度で行う。仮焼成温度と本焼成温度との差は、蛍光体前駆体粒子またはその混合物の組成・仮焼成の時間等によっても異なるが、一般には20℃以上であり、好ましくは50℃以上である。仮焼成の時間は、一般には0.1乃至10時間であり、好ましくは0.5乃至5時間である。仮焼成時の雰囲気は厳密に制御する必要はなく、焼成炉としてはマッフル炉、ロータリーキルン、雰囲気炉等を用いることができる。蛍光体の生産性の観点から、連続的に焼成可能な連続炉(トンネル炉)が特に好ましい。
仮焼成後、得られた仮焼成物に必ずしも粉砕等を施す必要はないが、得られる蛍光体の粒子径や仮焼成物の均一性の点から、乳鉢等で簡単にほぐしておいてもよい。
(本焼成)
まず、仮焼成物、あるいは仮焼成を行わない場合には前記蛍光体前駆体粒子またはその混合物を、石英ボート、石英るつぼ等の耐熱容器に充填する。耐熱容器に充填した仮焼成物を、加熱した電気炉に投入する。焼成に用いる炉としてはチューブ炉が好ましいが、焼成時の雰囲気を任意に制御できるものである限り他の各種の炉に使用することができる。
まず、仮焼成物、あるいは仮焼成を行わない場合には前記蛍光体前駆体粒子またはその混合物を、石英ボート、石英るつぼ等の耐熱容器に充填する。耐熱容器に充填した仮焼成物を、加熱した電気炉に投入する。焼成に用いる炉としてはチューブ炉が好ましいが、焼成時の雰囲気を任意に制御できるものである限り他の各種の炉に使用することができる。
焼成温度は、一般には500℃乃至1000℃の範囲にあり、好ましくは700℃乃至900℃の範囲にある。焼成の間中温度を一定にしてもよいし、あるいは焼成の後半に温度を一定の勾配で下げる(徐冷する)ようにしてもよい。焼成時間は、一般には0.5乃至24時間であり、好ましくは1乃至10時間である。焼成雰囲気としては、中性または弱酸化性の雰囲気を用いる。中性雰囲気としては、He、Ne、Ar、N2等の不活性ガスが挙げられる。また、弱酸化性雰囲気とは少量の酸素を含有する不活性ガス雰囲気を指す。あるいは場合によっては、少量の水素を含有する不活性ガス雰囲気、一酸化炭素を含有する二酸化炭素雰囲気などの弱還元雰囲気を用いることもできる。
[冷却]
冷却工程は、焼成により得られた焼成物を、外気から遮断した状態で焼成時の中性または弱酸化性雰囲気を除去しながら、もしくは所定の雰囲気に置換しながら、冷却する工程である。冷却工程は通常は、焼成工程、または徐冷を含む焼成工程を終了した後に直ちに行うが、冷却速度と冷却雰囲気を変化させながら段階的に行ってもよい。
冷却工程は、焼成により得られた焼成物を、外気から遮断した状態で焼成時の中性または弱酸化性雰囲気を除去しながら、もしくは所定の雰囲気に置換しながら、冷却する工程である。冷却工程は通常は、焼成工程、または徐冷を含む焼成工程を終了した後に直ちに行うが、冷却速度と冷却雰囲気を変化させながら段階的に行ってもよい。
冷却終了時の耐熱容器の温度は500℃以下であることが好ましく、300℃以下であることがより好ましい。冷却終了後に、焼成物を有する耐熱容器を炉外に取り出す。必要に応じて、焼成物を更に冷却してもよい。
[ほぐし・篩分]
冷却された焼成物は、粒子同士が軽い焼結を生じていたり、凝集していることがあるので、ほぐし・篩分などの後処理を施すことが好ましい。また、篩分・分級工程に掛けることにより、焼結した粒子や大きく成長し過ぎた粗大サイズの粒子を除去することができる。
冷却された焼成物は、粒子同士が軽い焼結を生じていたり、凝集していることがあるので、ほぐし・篩分などの後処理を施すことが好ましい。また、篩分・分級工程に掛けることにより、焼結した粒子や大きく成長し過ぎた粗大サイズの粒子を除去することができる。
ほぐし工程は、焼成物を、アルカリ金属イオンやBaイオンを含む水溶液、または低級アルコール、ケトン等の有機溶媒中で撹拌することにより行う。ほぐし処理された焼成物の懸濁液、または懸濁液から分離された焼成物粒子を、次いで篩い分けする。篩分方法としては、湿式または乾式による篩い法、湿式サイクロンを用いた水流分級法、乾式サイクロンを用いた気流分級法、沈降法などが挙げられる。特に、ほぐし処理終了直後の懸濁液を連続的に処理できる湿式の篩い法が好ましい。最後に、篩い分けされた粒子に一般的な固液分離および乾燥処理を施す。
このようにして、前記基本組成式(I)を有する希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体結晶粒子が得られる。得られた本発明の蛍光体は、蛍光体材料を必要とする様々な用途に使用することができる。特に、放射線変換パネルの輝尽性蛍光体として好ましく使用することができる。
次に、本発明の放射線像変換パネルについて説明する。
本発明の放射線像変換パネルは、その蓄積性蛍光体層に、上記基本組成式(I)を有する希土類付活フッ化ハロゲン化バリウム系輝尽性蛍光体を含むものである。蓄積性蛍光体層は通常、蓄積性蛍光体粒子とこれを分散状態で含有支持する結合剤とからなるが、蛍光体層中にはさらに他の蓄積性蛍光体粒子や着色剤などの添加剤が含まれていてもよい。以下に、蓄積性蛍光体層が上記の蛍光体粒子とこれを分散状態で含有支持する結合剤とからなる場合を例にとり、本発明の放射線像変換パネルを製造する方法を説明する。
本発明の放射線像変換パネルは、その蓄積性蛍光体層に、上記基本組成式(I)を有する希土類付活フッ化ハロゲン化バリウム系輝尽性蛍光体を含むものである。蓄積性蛍光体層は通常、蓄積性蛍光体粒子とこれを分散状態で含有支持する結合剤とからなるが、蛍光体層中にはさらに他の蓄積性蛍光体粒子や着色剤などの添加剤が含まれていてもよい。以下に、蓄積性蛍光体層が上記の蛍光体粒子とこれを分散状態で含有支持する結合剤とからなる場合を例にとり、本発明の放射線像変換パネルを製造する方法を説明する。
支持体は通常、柔軟な樹脂材料からなる厚みが50μm乃至1mmのシートあるいはフィルムである。支持体に使用できる樹脂材料の例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アラミド樹脂、ポリイミド樹脂など各種の樹脂材料を挙げることができる。支持体は透明であってもよいし、または支持体に、励起光もしくは発光光を反射させるための光反射性材料(例、アルミナ粒子、二酸化チタン粒子、硫酸バリウム粒子)を充填してもよいし、または空隙を設けてもよい。あるいは、支持体に励起光もしくは発光光を吸収させるため光吸収性材料(例、カーボンブラック)を充填してもよい。必要に応じて、支持体は金属シート、セラミックシート、ガラスシートなどであってもよい。
支持体の蓄積性蛍光体層が設けられる側の表面には、感度もしくは画質(鮮鋭度、粒状性)を向上させる目的で、二酸化チタン等の光反射性物質からなる光反射層、もしくはカーボンブラック等の光吸収性物質からなる光吸収層などを設けてもよい。また、その反対側の支持体表面には、感度を向上させる目的で、カーボンブラック等からなる遮光層が設けられていてもよい。さらに、画質を高める目的で、支持体の蛍光体層が設けられる側の表面(支持体表面に下塗層(接着性付与層)、光反射層あるいは光吸収層等の補助層が設けられている場合には、それらの補助層の表面であってもよい)には微小な凹凸が形成されていてもよい。
支持体(または補助層)上には、蓄積性蛍光体を含有する蛍光体層が設けられる。蓄積性蛍光体層の形成は、まず上記の輝尽性蛍光体粒子を結合剤と共に適当な有機溶剤に分散溶解して、塗布液を調製する。塗布液中での結合剤と蛍光体との混合比は、目的とする放射線像変換パネルの特性などによっても異なるが、一般には1:1乃至1:100(重量比)の範囲から選ばれ、そして特に1:8乃至1:40(重量比)の範囲から選ぶのが好ましい。
結合剤の例としては、ゼラチン等の蛋白質、デキストラン等のポリサッカライド、またはアラビアゴムのような天然高分子物質;および、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、エチルセルロース、塩化ビニリデン・塩化ビニルコポリマー、ポリアルキル(メタ)アクリレート、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー、ポリウレタン、セルロースアセテートブチレート、ポリビニルアルコール、線状ポリエステル、熱可塑性エラストマーなどのような合成高分子物質を挙げることができる。なお、これらの結合剤は架橋剤によって架橋されたものであってもよい。
塗布液調製用の有機溶剤の例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール等の低級アルコール;メチレンクロライド、エチレンクロライドなどの塩素原子含有炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの低級脂肪酸と低級アルコールとのエステル;ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル;そして、それらの混合物を挙げることができる。
塗布液にはさらに、塗布液中における蛍光体の分散性を向上させるための分散剤、形成後の蛍光体層中における結合剤と蛍光体との間の結合力を向上させるための可塑剤、蛍光体層の変色を防止するための黄変防止剤、硬化剤、架橋剤など各種の添加剤が混合されていてもよい。
この塗布液を次に、支持体の表面に均一に塗布することにより塗膜を形成する。塗布操作は、通常の塗布手段、例えばドクターブレード、ロールコータ、ナイフコータ等を用いることにより行うことができる。この塗膜を乾燥して、支持体上への蓄積性蛍光体層の形成を完了する。蛍光体層の層厚は、目的とする放射線像変換パネルの特性、結合剤と蛍光体との混合比などによっても異なるが、通常は20μm乃至1mmの範囲にあり、好ましくは50乃至500μmの範囲にある。
あるいは、必ずしも蓄積性蛍光体層を支持体上に直接形成する必要はなく、別に用意した基板(仮支持体)上に蛍光体層を形成した後、蛍光体層を基板から引き剥がし、支持体上に接着剤等を用いることにより、または加熱圧着することにより接着してもよい。また、蓄積性蛍光体層は、必ずしも一層である必要はなく、二層以上で構成されていてもよく、その場合に各層で蛍光体の種類や粒子径、結合剤と蛍光体との混合比を任意に変えることができる。すなわち、用途に応じて蛍光体層の発光特性などを変化させることが可能である。
蓄積性蛍光体層の表面には、放射線像変換パネルの搬送および取扱い上の便宜や特性変化の回避のために、保護層を設けることが望ましい。保護層は、励起光の入射や発光光の出射に殆ど影響を与えないように、透明であることが望ましく、また外部から与えられる物理的衝撃や化学的影響からパネルを充分に保護することができるように、化学的に安定で防湿性が高く、かつ高い物理的強度を持つことが望ましい。
保護層としては、セルロース誘導体、ポリメチルメタクリレート、有機溶媒可溶性フッ素系樹脂などのような透明な有機高分子物質を適当な溶媒に溶解して調製した溶液を蛍光体層の上に塗布することで形成されたもの、あるいはポリエチレンテレフタレートなどの有機高分子フィルムや透明なガラス板などの保護層形成用シートを別に形成して蛍光体層の表面に適当な接着剤を用いて設けたもの、あるいは無機化合物を蒸着などによって蛍光体層上に成膜したものなどが用いられる。
保護層の表面にはさらに、保護層の耐汚染性を高めるためにフッ素樹脂塗布層を設けてもよい。
上述のようにして本発明の放射線像変換パネルが得られるが、本発明のパネルの構成は、公知の各種のバリエーションを含むものであってもよい。例えば、画質の向上を目的として、上記の少なくともいずれかの層を、励起光を吸収し発光光は吸収しないような着色剤によって着色してもよい。あるいは、X線などの放射線を吸収して紫外乃至可視領域に瞬時発光を示す蛍光体(放射線吸収用蛍光体)を含有する層を更に設けてもよい。そのような蛍光体の例としては、LnTaO4:(Nb,Gd)系、Ln2SiO5:Ce系、LnOX:Tm系(Lnは希土類元素である)、CsX系(Xはハロゲンである)、Gd2O2S:Tb、Gd2O2S:Pr,Ce、ZnWO4、LuAlO3:Ce、Gd3Ga5O12:Cr,Ce、HfO2等を挙げることができる。
以下に、実施例により本発明を更に詳細に説明する。ただし、本発明の実施態様はこれに限定されるものではない。
[実施例1]蛍光体前駆体粒子
(1)粒子形成
攪拌機を備えた反応容器に、反応母液(BaBr20.268モル、BaI20.359モル、EuBr30.002モル、CaBr2・2H2O0.004モル、及びKBr0.0068モルを含む水溶液)570.0mLを用意し、40℃で撹拌保持した。この反応母液に5.0モル/LのNH4F水溶液80.0mLを一定流量で添加して、蛍光体前駆体粒子を生成させた。この間、反応溶液の温度は40℃に維持した。
(1)粒子形成
攪拌機を備えた反応容器に、反応母液(BaBr20.268モル、BaI20.359モル、EuBr30.002モル、CaBr2・2H2O0.004モル、及びKBr0.0068モルを含む水溶液)570.0mLを用意し、40℃で撹拌保持した。この反応母液に5.0モル/LのNH4F水溶液80.0mLを一定流量で添加して、蛍光体前駆体粒子を生成させた。この間、反応溶液の温度は40℃に維持した。
(2)固液分離
反応溶液から蛍光体前駆体粒子を濾別した後、エチルアルコール500mLで洗浄を行った。次いで、蛍光体前駆体粒子に120℃で4時間の減圧乾燥を行い、本発明のユーロピウム付活弗化臭化バリウム系蛍光体前駆体粒子(Ba0.99Ca0.01FBr:0.0002K,0.005Eu)を得た。
反応溶液から蛍光体前駆体粒子を濾別した後、エチルアルコール500mLで洗浄を行った。次いで、蛍光体前駆体粒子に120℃で4時間の減圧乾燥を行い、本発明のユーロピウム付活弗化臭化バリウム系蛍光体前駆体粒子(Ba0.99Ca0.01FBr:0.0002K,0.005Eu)を得た。
得られた蛍光体前駆体粒子について、下記条件にて粉末X線回折法により測定したところ、BaFIの組成は認められず、上記組成からなる単一相を構成していた。Baに対するI含有率は1.0%未満であった。
管球:Cu、 管電圧:40kV、 管電流:30mA、
サンプリング幅:0.002゜、 走査速度:0.25゜/分、
発散スリット:1゜、 散乱スリット:1゜、
受光スリット:0.15mm
管球:Cu、 管電圧:40kV、 管電流:30mA、
サンプリング幅:0.002゜、 走査速度:0.25゜/分、
発散スリット:1゜、 散乱スリット:1゜、
受光スリット:0.15mm
[実施例2]蛍光体前駆体粒子
実施例1の(1)粒子形成において、反応母液として、BaBr20.291モル、BaI20.393モル、EuBr30.002モル、CaBr2・2H2O0.004モル、及びKBr0.0068モルを含む水溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、本発明のユーロピウム付活弗化臭化バリウム系蛍光体前駆体粒子を得た。
実施例1の(1)粒子形成において、反応母液として、BaBr20.291モル、BaI20.393モル、EuBr30.002モル、CaBr2・2H2O0.004モル、及びKBr0.0068モルを含む水溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、本発明のユーロピウム付活弗化臭化バリウム系蛍光体前駆体粒子を得た。
[実施例3]蛍光体前駆体粒子
実施例1の(1)粒子形成において、反応母液として、BaBr20.342モル、BaI20.456モル、EuBr30.002モル、CaBr2・2H2O0.004モル、及びKBr0.0068モルを含む水溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、本発明のユーロピウム付活弗化臭化バリウム系蛍光体前駆体粒子を得た。
実施例1の(1)粒子形成において、反応母液として、BaBr20.342モル、BaI20.456モル、EuBr30.002モル、CaBr2・2H2O0.004モル、及びKBr0.0068モルを含む水溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、本発明のユーロピウム付活弗化臭化バリウム系蛍光体前駆体粒子を得た。
[実施例4]蛍光体前駆体粒子
実施例1の(1)粒子形成において、反応母液として、BaBr20.456モル、BaI20.342モル、EuBr30.002モル、CaBr2・2H2O0.004モル、及びKBr0.0068モルを含む水溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、本発明のユーロピウム付活弗化臭化バリウム系蛍光体前駆体粒子を得た。
実施例1の(1)粒子形成において、反応母液として、BaBr20.456モル、BaI20.342モル、EuBr30.002モル、CaBr2・2H2O0.004モル、及びKBr0.0068モルを含む水溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、本発明のユーロピウム付活弗化臭化バリウム系蛍光体前駆体粒子を得た。
[実施例5]蛍光体前駆体粒子
実施例1の(1)粒子形成において、反応母液として、BaBr20.456モル、BaI20.570モル、EuBr30.002モル、CaBr2・2H2O0.004モル、及びKBr0.0068モルを含む水溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、本発明のユーロピウム付活弗化臭化バリウム系蛍光体前駆体粒子を得た。
実施例1の(1)粒子形成において、反応母液として、BaBr20.456モル、BaI20.570モル、EuBr30.002モル、CaBr2・2H2O0.004モル、及びKBr0.0068モルを含む水溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、本発明のユーロピウム付活弗化臭化バリウム系蛍光体前駆体粒子を得た。
[実施例6]蛍光体前駆体粒子
実施例1の(1)粒子形成において、反応母液として、BaCl20.342モル、BaI20.456モル、EuCl30.002モル、CaCl2・2H2O0.004モル、及びKCl0.0068モルを含む水溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、本発明のユーロピウム付活弗化塩化バリウム系蛍光体前駆体粒子(Ba0.99Ca0.01FCl:0.0002K,0.005Eu)を得た。
実施例1の(1)粒子形成において、反応母液として、BaCl20.342モル、BaI20.456モル、EuCl30.002モル、CaCl2・2H2O0.004モル、及びKCl0.0068モルを含む水溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、本発明のユーロピウム付活弗化塩化バリウム系蛍光体前駆体粒子(Ba0.99Ca0.01FCl:0.0002K,0.005Eu)を得た。
得られた蛍光体前駆体粒子について粉末X線回折法により測定したところ、BaFIの組成は認められず、上記組成からなる単一相を構成していた。Baに対するI含有率は1.0%未満であった。
[比較例1]蛍光体前駆体粒子
実施例1の(1)粒子形成において、反応母液として、BaBr20.798モル、EuBr30.002モル、CaBr2・2H2O0.004モル、及びKBr0.0068モルを含む水溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、従来のユーロピウム付活弗化臭化バリウム系蛍光体前駆体粒子を得た。
実施例1の(1)粒子形成において、反応母液として、BaBr20.798モル、EuBr30.002モル、CaBr2・2H2O0.004モル、及びKBr0.0068モルを含む水溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、従来のユーロピウム付活弗化臭化バリウム系蛍光体前駆体粒子を得た。
[比較例2]蛍光体前駆体粒子
前記特開平10−147778号公報の実施例1、実験No.C2を、可能な限り追試した。
前記特開平10−147778号公報の実施例1、実験No.C2を、可能な限り追試した。
[比較例3]蛍光体前駆体粒子
前記特開2004−124025号公報の実施例1を、可能な限り追試した。
前記特開2004−124025号公報の実施例1を、可能な限り追試した。
得られた各蛍光体前駆体粒子について、粉末X線回折法によりヨウ素含有量(Baに対するI含有率、モル%)を求めた。また、コールターカウンター法により粒子サイズ(Dm、μm)を求めた。サブシーブサイザーにより平均粒子径を求め、粒子凝集レベル(Dm/平均粒子径)を決定した。さらに、変動係数(平均粒子径に対する偏差の値、%)を求めた。これらの結果をまとめて表1に示す。
[実施例7]蛍光体
実施例1〜6で得られた各蛍光体前駆体粒子に、アルミナの超微粒子粉末0.5重量%を添加した後、ミキサーで充分に混合した。これを石英ボートに充填し、チューブ炉を用いて窒素ガス雰囲気中800℃で2時間の焼成を行い、本発明のユーロピウム付活弗化臭化バリウム系蛍光体粒子およびユーロピウム付活弗化塩化バリウム系蛍光体粒子を得た。
実施例1〜6で得られた各蛍光体前駆体粒子に、アルミナの超微粒子粉末0.5重量%を添加した後、ミキサーで充分に混合した。これを石英ボートに充填し、チューブ炉を用いて窒素ガス雰囲気中800℃で2時間の焼成を行い、本発明のユーロピウム付活弗化臭化バリウム系蛍光体粒子およびユーロピウム付活弗化塩化バリウム系蛍光体粒子を得た。
得られた各蛍光体粒子について粉末X線回折法により測定したところ、いずれもそのヨウ素含有量および組成は、各々の前駆体粒子とほぼ同一であった。また、各蛍光体粒子にX線を照射したのち波長660nmの半導体レーザ光を照射したところ、輝尽発光光を示した。
[実施例8]放射線像変換パネル
(1)蛍光体シートの作製
輝尽性蛍光体:Ba0.99Ca0.01FBr:0.0002K,0.005Eu
(実施例7、実施例3の蛍光体前駆体粒子を使用) 100g
結合剤:ポリウレタンエラストマー(パンデックスT-5265H[固形]、
大日本インキ化学工業(株)製)のMEK溶液
[固形分15重量%] 23.7g
黄変防止剤:エポキシ樹脂(エピコート#1004[固形]、
油化シェルエポキシ(株)製) 1.0g
架橋剤:ポリイソシアネート(コロネートHX[固形分100%]、
日本ポリウレタン工業(株)製)のMEK溶液
[固形分71重量%] 0.7g
(1)蛍光体シートの作製
輝尽性蛍光体:Ba0.99Ca0.01FBr:0.0002K,0.005Eu
(実施例7、実施例3の蛍光体前駆体粒子を使用) 100g
結合剤:ポリウレタンエラストマー(パンデックスT-5265H[固形]、
大日本インキ化学工業(株)製)のMEK溶液
[固形分15重量%] 23.7g
黄変防止剤:エポキシ樹脂(エピコート#1004[固形]、
油化シェルエポキシ(株)製) 1.0g
架橋剤:ポリイソシアネート(コロネートHX[固形分100%]、
日本ポリウレタン工業(株)製)のMEK溶液
[固形分71重量%] 0.7g
上記組成の材料をメチルエチルケトン(MEK)13gに加え、プロペラミキサを用いて混合分散して塗布液を調製した。この塗布液をポンプで一定流量(210ml/分)ギーサーに送液しながら、ギーサーを用いてシリコーン系離型剤で処理されたポリエチレンテレフタレートシート(仮支持体、厚み:188μm)の表面に塗布した。仮支持体をそのままオーブンに搬送して80℃で8分間乾燥し、冷却して、仮支持体上に蛍光体層(層厚:430μm)が形成された蛍光体シートを得た。
(2)支持体の調製
硫酸バリウム(10重量%)練り込みポリエチレンテレフタレート(PET)シート(支持体、厚み:350μm、メリネックス#992、デュポン(株)製)の片面に、遮光層(組成:カーボンブラック、炭酸カルシウム、シリカおよび結合剤(ニトロセルロースとポリエステル樹脂)、重量混合比:10/21/16/53、層厚:約20μm)を塗布形成し、そのもう片面に、軟質アクリル樹脂(クリスコートP-1018GS[20%トルエン溶液]、大日本インキ化学工業(株)製)からなる下塗層(層厚:20μm)を塗布形成した。
硫酸バリウム(10重量%)練り込みポリエチレンテレフタレート(PET)シート(支持体、厚み:350μm、メリネックス#992、デュポン(株)製)の片面に、遮光層(組成:カーボンブラック、炭酸カルシウム、シリカおよび結合剤(ニトロセルロースとポリエステル樹脂)、重量混合比:10/21/16/53、層厚:約20μm)を塗布形成し、そのもう片面に、軟質アクリル樹脂(クリスコートP-1018GS[20%トルエン溶液]、大日本インキ化学工業(株)製)からなる下塗層(層厚:20μm)を塗布形成した。
(3)蛍光体層の付設
蛍光体シートの仮支持体から蛍光体層を引き剥がした後、上記支持体の下塗層表面に重ね合わせ、これをカレンダーロールを用いて圧力500kgW/cm2、上側ロール温度75℃、下側ロール温度75℃、送り速度1.0m/分にて連続的にカレンダー処理(加熱圧縮処理)した。カレンダー処理により、蛍光体シートは下塗層を介して支持体に完全に融着して、蛍光体層(層厚:330μm)が設けられた。
蛍光体シートの仮支持体から蛍光体層を引き剥がした後、上記支持体の下塗層表面に重ね合わせ、これをカレンダーロールを用いて圧力500kgW/cm2、上側ロール温度75℃、下側ロール温度75℃、送り速度1.0m/分にて連続的にカレンダー処理(加熱圧縮処理)した。カレンダー処理により、蛍光体シートは下塗層を介して支持体に完全に融着して、蛍光体層(層厚:330μm)が設けられた。
(4)保護層の形成
PETフィルム(保護層、厚み:9μm、ルミラー9-F53、東レ(株)製)の表面に、不飽和ポリエステル樹脂溶液(バイロン30SS、東洋紡績(株)製)を塗布し乾燥して、接着層(塗布重量:2.0g/m2)を形成した。上記蛍光体層の表面にこのPETフィルムを接着層を介して重ね合わせ、これをラミネートロールを用いて接着して、保護層を形成した。
このようにして、本発明の放射線像変換パネルを製造した。
PETフィルム(保護層、厚み:9μm、ルミラー9-F53、東レ(株)製)の表面に、不飽和ポリエステル樹脂溶液(バイロン30SS、東洋紡績(株)製)を塗布し乾燥して、接着層(塗布重量:2.0g/m2)を形成した。上記蛍光体層の表面にこのPETフィルムを接着層を介して重ね合わせ、これをラミネートロールを用いて接着して、保護層を形成した。
このようにして、本発明の放射線像変換パネルを製造した。
得られた放射線像変換パネルについても、X線を照射したのち波長660nmの半導体レーザ光を照射したときに輝尽発光光が確認された。
Claims (7)
- 基本組成式(I):
Ba1-aMII aFX:zLn …(I)
[MIIはCa及びSrからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属を表し;XはCl及びBrからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表し;LnはCe、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素を表し;そしてa及びzはそれぞれ、0≦a≦0.5、0<z≦0.2の範囲にある数値を表す]
を有する希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体前駆体粒子を製造するための下記工程からなる製造方法:
(1)水系媒体に、ハロゲン化バリウム(BaX2)、ヨウ化バリウム(BaI2)および希土類化合物を溶解して、全ハロゲンに対するヨウ素のモル比が0.30〜0.80の範囲にある反応母液を調製する工程、
(2)反応母液に弗化物の水溶液を添加して、反応溶液中に希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体前駆体粒子を沈殿生成させる工程、および
(3)反応溶液から該蛍光体前駆体粒子を分離する工程。 - (1)工程において反応母液中の全バリウム濃度が1.1乃至2.3モル/Lの範囲にある請求項1に記載の希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体前駆体粒子の製造方法。
- (1)工程においてハロゲンXが臭素である請求項1または2に記載の希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体前駆体粒子の製造方法。
- (1)工程において希土類化合物がセリウム化合物またはユーロピウム化合物である請求項1乃至3のいずれかの項に記載の希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体前駆体粒子の製造方法。
- 請求項1乃至4のいずれかの項に記載の方法によって製造された希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体前駆体粒子。
- 請求項5に記載の希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体前駆体粒子を用いて、焼成することにより得られた基本組成式(I)を有する希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体。
Ba1-aMII aFX:zLn …(I)
[MIIはCa及びSrからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属を表し;XはCl及びBrからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表し;LnはCe、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素を表し;そしてa及びzはそれぞれ、0≦a≦0.5、0<z≦0.2の範囲にある数値を表す] - 請求項6に記載の希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体を含有する放射線像変換パネル。
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