JP2003246149A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JP2003246149A
JP2003246149A JP2002050403A JP2002050403A JP2003246149A JP 2003246149 A JP2003246149 A JP 2003246149A JP 2002050403 A JP2002050403 A JP 2002050403A JP 2002050403 A JP2002050403 A JP 2002050403A JP 2003246149 A JP2003246149 A JP 2003246149A
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泰伸 植野
Tsutomu Sato
勉 佐藤
Tatsuya Tomura
辰也 戸村
So Noguchi
宗 野口
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来システムに比べて短波長に発振波長を有
する半導体レーザーを用いるDVD−Rディスクシステ
ムおいて、記録、再生が可能で、しかも耐光性、保存安
定性が共に優れた光記録媒体を提供する。 【解決手段】 基板上に記録層を設けてなる光記録媒体
において、記録層中に下記一般式(I)で示されるアゾ
化合物と金属、金属酸化物またはそれらの塩とから形成
されるアゾ金属キレートアニオン化合物と下記一般式
(II)で示されるシアニン色素カチオン化合物とから形
成される色素塩を少なくとも一種類含有することを特徴
とする光記録媒体。 【化1】 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は大容量追記型コンパ
クトディスク、DVD−R 等データ用大容量追記光デ
ィスクに用いられる光記録媒体に関する。また、本発明
による光ディスクは大容量光カードとしても応用でき
る。
【0002】
【従来の技術】現在、次世代大容量光ディスクとしてD
VD−Rの開発が進められている。そのための記録容量
向上の要素技術としては、記録ピット微少化のための記
録材料開発、MPEG2に代表される画像圧縮技術の採
用、記録ピット読みとりのための半導体レーザの短波長
化等の技術開発が必要である。
【0003】これまで赤色波長域の半導体レーザとして
は、バーコードリーダ、計測器用に670nm帯のAl
GaInPレーザダイオードが商品化されているのみで
あったが、光ディスクの高密度化に伴い、赤色レーザが
本格的に光ストレージ市場で使用されつつある。DVD
ドライブの場合、光源として635nm帯と650nm
帯のレーザダイオードの2つの波長で規格化されてい
る。一方、再生専用のDVD−ROMドライブは波長〜
650nmで商品化されている。
【0004】このような状況下で最も好ましいDVD−
Rメディアは、波長630〜670nmで記録、再生が
可能なメディアである。 WO98/29257、特開
2000−198273、特開2000−190642
号等の公報には630〜690nmから選択される波長
において、優れた記録ないし再生特性が得られるとし
て、アゾ系金属錯塩アニオンとシアニン色素カチオンと
の塩形成色素を記録層に用いた光記録媒体が開示されて
いる。しかしながら、これらはいずれも耐光性、保存安
定性の点で必ずしも十分ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記背景に鑑
みてなされたもので、上記従来システムに比べて短波長
に発振波長を有する半導体レーザーを用いるDVD−R
ディスクシステムにおいて、記録、再生が可能で、しか
も耐光性、保存安定性が共に優れた光記録媒体を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決するべく検討した結果、特定の構造を有する色素を
主成分とする記録層とすることにより、発振波長670
nm以下の半導体レーザーを用いる次世代大容量光ディ
スクシステムに適用可能なことを見いだし本発明に至っ
た。
【0007】すなわち、本発明によれば、第一に、基板
上に記録層を設けてなる光記録媒体において、記録層中
に下記一般式(I)で示されるアゾ化合物と金属、金属
酸化物またはそれらの塩とから得られるアゾ金属キレー
トアニオン化合物と下記一般式(II)で示されるシアニ
ン色素カチオン化合物とから得られる色素塩を少なくと
も一種類含有することを特徴とする光記録媒体が提供さ
れる。
【化3】 (式中、R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン
原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシ基、ア
ミノ基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしく
は未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環残
基、置換もしくは未置換のアルキルカルボニル基、置換
もしくは未置換のアリールカルボニル基、置換もしくは
未置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは未
置換のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは未置
換のアルキルスルホニル基、置換もしくは未置換のアリ
ールスルホニル基、置換もしくは未置換のアルキルチオ
基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換もしく
は未置換のアルキルチオオキシ基、置換もしくは未置換
のアリールチオオキシ基、置換もしくは未置換のアルキ
ルオキシ基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、
置換もしくは未置換のアルキルアミノ基、置換もしくは
未置換のアリールアミノ基、置換もしくは未置換のアル
キルカルボニルアミノ基、置換もしくは未置換のアリー
ルカルボニルアミノ基、置換もしくは未置換のアルキル
カルバモイル基、置換もしくは未置換のアリールカルバ
モイル基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換も
しくは未置換のアルキルスルフィノ基、置換もしくは未
置換のアルキルアミノスルフィノ基またはスルホ基を表
し、Xは活性水素を有する基を表す。)
【化4】 (式中、A環およびB環はそれぞれ独立に炭素と隣接の
窒素原子を連結し芳香族性を有する環を表し、R9およ
びR10はそれぞれ独立に置換もしくは未置換のアルキル
基を表す。)
【0008】第二に、アゾ金属キレートアニオン化合物
における金属または金属酸化物の価数が3価であること
を特徴とする上記第一の光記録媒体が提供される。
【0009】第三に、アゾ金属キレートアニオン化合物
における金属原子がコバルトであることを特徴とする上
記第一又は第二の光記録媒体が提供される。
【0010】第四に、前記一般式(II)で表されるシア
ニン色素カチオン化合物の炭素と隣接の窒素原子を連結
し芳香族性を有する環が、インドレニン環、チアゾリン
環、またはオキサゾリン環であること(ただし、これら
はベンゼン環を縮合してもよい。)を特徴とする上記第
一〜第三のいずれかの光記録媒体が提供される。
【0011】第五に、記録再生波長±5nmの波長領域
の光に対する記録層単層の屈折率nが1.5≦n≦3.
0であり、消衰係数kが0.02≦k≦0.2であるこ
とを特徴とする上記第一〜第四のいずれかの光記録媒体
が提供される。
【0012】第六に、有機色素の熱重量分析における主
減量過程での温度に対する減量の傾きが2%/℃以上で
あることを特徴とする上記第一〜第五のいずれかの光記
録媒体が提供される。
【0013】第七に、有機色素の熱重量分析における主
減量過程での総減量が30%以上で、かつ減量開始温度
が350℃以下であることを特徴とする上記第一〜第六
のいずれかの光記録媒体が提供される。
【0014】第八に、基板上のトラックピッチが0.7
〜0.8μmであり、溝幅が半値幅で0.18〜0.4
0μmであることを特徴とする上記第一〜第七のいずれ
かの光記録媒体が提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
上述のように、本発明の光記録媒体は、前記一般式
(I)で示されるアゾ化合物を用いたアゾ系アゾ金属キ
レートアニオン化合物と前記一般式(II)で示されるシ
アニン色素カチオン化合物とで形成される色素塩を少な
くとも一種類含有する記録層を有することを特徴とす
る。
【0016】まず、上記色素塩について説明する。前記
一般式(I)で示されるアゾ化合物において、式中R1
〜R8はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニト
ロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシ基、アミノ基、置
換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換の
アリール基、置換もしくは未置換の複素環残基、置換も
しくは未置換のアルキルカルボニル基、置換もしくは未
置換のアリールカルボニル基、置換もしくは未置換のア
ルキルオキシカルボニル基、置換もしくは未置換のアリ
ールオキシカルボニル基、置換もしくは未置換のアルキ
ルスルホニル基、置換もしくは未置換のアリールスルホ
ニル基、置換もしくは未置換のアルキルチオ基、置換も
しくは未置換のアリールチオ基、置換もしくは未置換の
アルキルチオオキシ基、置換もしくは未置換のアリール
チオオキシ基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ
基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もし
くは未置換のアルキルアミノ基、置換もしくは未置換の
アリールアミノ基、置換もしくは未置換のアルキルカル
ボニルアミノ基、置換もしくは未置換のアリールカルボ
ニルアミノ基、置換もしくは未置換のアルキルカルバモ
イル基、置換もしくは未置換のアリールカルバモイル
基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは
未置換のアルキルスルフィノ基、置換もしくは未置換の
アルキルアミノスルフィノ基またはスルホ基を表し、X
は活性水素を有する基を表す。
【0017】前記ハロゲン原子の具体例は、フッ素、塩
素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
【0018】前記アルキル基の具体例は、メチル基、エ
チル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル
基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル
基、n−ノニル基、n−デシル基等の一級アルキル基、
イソブチル基、イソアミル基、2−メチルブチル基、2
−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチ
ルペンチル基、2−エチルブチル基、2−メチルヘキシ
ル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、
5−メチルヘキシル基、2−エチルペンチル基、3−エ
チルペンチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘ
プチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル
基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、イ
ソプロピル基、sec−ブチル基、1−エチルプロピル
基、1−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル
基、1−メチルヘプチル基、1−エチルブチル基、1,
3−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1
−エチル−2−メチルプロピル基、1−メチルヘキシル
基、1−エチルヘプチル基、1−プロピルブチル基、1
−イソプロピル−2−メチルプロピル基、1−エチル−
2−メチルブチル基、1−エチル−2−メチルブチル
基、1−プロピル−2−メチルプロピル基、1−メチル
ヘプチル基、1−エチルヘキシル基、1−プロピルペン
チル基、1−イソプロピルペンチル基、1−イソプロピ
ル−2−メチルブチル基、1−イソプロピル−3−メチ
ルブチル基、1−メチルオクチル基、1−エチルヘプチ
ル基、1−プロピルヘキシル基、1−イソブチル−3−
メチルブチル基等の二級アルキル基、ネオペンチル基、
tert−ブチル基、tert−ヘキシル基、tert
−アミル基、tert−オクチル基等の三級アルキル
基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、
4−エチルシクロヘキシル基、4−tert−ブチルシ
クロヘキシル基、4−(2−エチルヘキシル)シクロヘ
キシル基、ボルニル基、イソボルニル基(アダマンタン
基)等のシクロアルキル基等が挙げられる。更に、これ
ら一級及び二級アルキル基は、水酸基、ハロゲン原子、
ニトロ基、カルボキシ基、シアノ基、置換又は未置換の
アリール基、置換又は未置換の複素環残基等を以て置換
されていてもよく、また酸素、硫黄、窒素等の原子を介
して前記のアルキル基で置換されていてもよい。酸素を
介して置換されているアルキル基としては、メトキシメ
チル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキ
シエチル基、ブトキシエチル基、エトキシエトキシエチ
ル基、フェノキシエチル基、メトキシプロピル基、エト
キシプロピル基、ピペリジノ基、モルホリノ基等が、硫
黄を介して置換されているアルキル基としては、メチル
チオエチル基、エチルチオエチル基、エチルチオプロピ
ル基、フェニルチオエチル基等が、窒素を介して置換さ
れているアルキル基としては、ジメチルアミノエチル
基、ジエチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル
基等が挙げられる。
【0019】前記アリール基の具体例は、フェニル基、
ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニ
ル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、フェナレニ
ル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、トリフ
ェニレニル基、ピレニル基等が挙げられる。
【0020】前記複素環残基の具体例は、インドリル
基、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピペリジル
基、キノリル基、イソキノリル基、ピペリジノ基、モル
ホリノ基、ピロリル基等が挙げられる。
【0021】前記アルキルカルボニル基の具体例は、カ
ルボニル基の炭素原子に直接置換又は未置換のアルキル
基が結合されているものであればよく、アルキル基の具
体例としては前述の具体例を挙げることができる。
【0022】前記アリールカルボニル基の具体例は、カ
ルボニル基の炭素原子に直接置換又は未置換のアリール
基が結合されているものであればよく、アリール基の具
体例としては前述の具体例を挙げることができる。
【0023】前記アルキルオキシカルボニル基の具体例
は、オキシカルボニル基の酸素原子に直接置換又は未置
換のアルキル基が結合されているものであればよく、ア
ルキル基の具体例としては前述の具体例を挙げることが
できる。
【0024】前記アリールオキシカルボニル基の具体例
は、オキシカルボニル基の酸素原子に直接置換又は未置
換のアリール基が結合されているものであればよく、ア
リール基の具体例としては前述の具体例を挙げることが
できる。
【0025】前記アルキルスルホニル基の具体例は、ス
ルホニル基の硫黄原子に直接置換又は未置換のアルキル
基が結合されているものであればよく、アルキル基の具
体例としては前述の具体例を挙げることができる。
【0026】前記アリールスルホニル基の具体例は、ス
ルホニル基の硫黄原子に直接置換又は未置換のアリール
基が結合されているものであればよく、アリール基の具
体例としては前述の具体例を挙げることができる。
【0027】前記アルキチオ基及びアルキルチオオキシ
基の具体例は、硫黄原子に直接置換又は未置換のアルキ
ル基が結合されているものであればよく、アルキル基の
具体例としては前述の具体例を挙げることができる。
【0028】前記アリールチオ基及びアリールチオオキ
シ基の具体例は、硫黄原子に直接置換又は未置換のアリ
ール基が結合されているものであればよく、アリール基
の具体例としては前述の具体例を挙げることができる。
【0029】前記アルキルオキシ基の具体例は、酸素原
子に直接置換又は未置換のアルキル基が結合されている
ものであればよく、アルキル基の具体例としては前述の
具体例を挙げることができる。
【0030】前記アリールオキシ基の具体例は、酸素原
子に直接置換又は未置換のアリール基が結合されている
ものであればよく、アリール基の具体例としては前述の
具体例を挙げることができる。
【0031】前記アルキルアミノ基の具体例は、窒素原
子に直接置換又は未置換のアルキル基が結合されている
ものであればよく、アルキル基の具体例としては前述の
具体例を挙げることができる。
【0032】前記アリールアミノ基の具体例は、窒素原
子に直接置換又は未置換のアリール基が結合されている
ものであればよく、アリール基の具体例としては前述の
具体例を挙げることができる。
【0033】前記アルキルカルボニルアミノ基の具体例
は、カルボニルアミノ基の炭素原子に直接置換又は未置
換のアルキル基が結合されているものであればよく、ア
ルキル基の具体例としては前述の具体例を挙げることが
できる。
【0034】前記アリールカルボニルアミノ基の具体例
は、カルボニルアミノ基の炭素原子に直接置換又は未置
換のアリール基が結合されているものであればよく、ア
リール基の具体例としては前述の具体例を挙げることが
できる。
【0035】前記アルキルカルバモイル基の具体例は、
カルバモイル基の窒素原子に直接それぞれ独立して水素
原子、置換又は未置換のアルキル基が結合されているも
のであればよく、アルキル基の具体例としては前述の具
体例を挙げることができる。
【0036】前記アリールカルバモイル基の具体例は、
カルバモイル基の窒素原子に直接それぞれ独立して水素
原子、置換又は未置換のアリール基が結合されているも
のであればよく、アリール基の具体例としては前述の具
体例を挙げることができる。
【0037】前記アルキルスルフィノ基の具体例は、ス
ルフィノ基の硫黄原子に直接置換又は未置換のアルキル
基が結合されているものであればよく、アルキル基の具
体例としては前述の具体例を挙げることができる。
【0038】前記アルキルアミノスルフィノ基の具体例
は、スルフィノ基の硫黄原子に直接置換又は未置換のア
ルキルアミノ基が結合されているものであればよく、ア
ルキルアミノ基の具体例としては前述の具体例を挙げる
ことができる。
【0039】前記活性水素を有する基の具体例は、水酸
基、アミノ基、カルボキシ基、アルキルアミノ基、アル
キルスルフィノアミノ基を挙げることができる。
【0040】前記一般式(I)で示されるアゾ化合物
は、2価または3価の金属、金属酸化物、またはそれら
の塩と容易に作用してキレート化合物を生成する。ここ
で、安定なアゾ金属キレートアニオン化合物を生成する
には、金属または金属酸化物の価数が3価であるものを
用いることが好ましい。アゾ色素と3価金属等とが、
2:1の比により構成されるアゾ金属キレートアニオン
化合物は安定に単離でき、種々のシアニン色素と容易に
塩交換をし本発明の光記録材料を生成することができ
る。
【0041】金属または金属酸化物の価数が3価である
ものの具体例は、チタン、バナジウム、クロム、マンガ
ン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ジリコニウム、ニオ
ブ、モリブデン、テクネニウム、ルテニウム、ロジウ
ム、パラジウム、酸化バナジウム、酸化チタン等が挙げ
らる。この中でもコバルトが、アゾ金属キレートアニオ
ン化合物の光記録材料としての光学特性の点で好まし
い。
【0042】一般式(I)で表されるアゾ色素の具体例
を表1〜表2に示す。
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】前記一般式(II)で示されるシアニン色素
カチオン化合物において、式中A環およびB環はそれぞ
れ独立に炭素と隣接の窒素原子を連結し芳香族性を有す
る環を表し、R9およびR10はそれぞれ独立に置換もし
くは未置換のアルキル基を表す。
【0045】一般式(II)で表されるシアニン色素カチ
オン化合物の具体例を表3〜表8に表す。
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】
【0049】
【表7】
【0050】
【表8】
【0051】アゾ金属キレートアニオン化合物とシアニ
ンカチオン化合物からなる色素塩とすることで、スチリ
ル色素の弱点である耐光性が著しく向上し、光学特性、
耐光性及び溶解性の点で優れた光記録材として使用する
ことができる。また、本記録材料をDVDに用いる場
合、材料の光安定性、記録波長での記録感度、塗布溶媒
への溶解性を検証した結果、金属種としてはコバルトが
最も耐光性が向上し、インドレニン環、チアゾリン環、
もしくはオキサゾリン環で構成されるシアニンカチオン
化合物が最も記録感度が高いことが明らかとなった。
【0052】次に本発明の光記録媒体の構成について説
明する。記録層を構成するのに必要な項目として、光学
特性と熱的特性が挙げられる。光学特性に必要な条件
は、記録再生波長である630nm〜690nmに対し
て短波長側に大きな吸収帯を有し、かつ記録再生波長が
該吸収帯の長波長端近傍にあることが必要である。これ
は、記録再生波長である630nm〜690nmで大き
な屈折率と消衰係数を有することを意味するものであ
る。具体的には、記録再生波長近傍の長波長近傍の波長
域光に対する記録層単層の屈折率nが1.5以上3.0
以下であり、消衰係数kが0.02以上0.2以下の範
囲にあることが好ましい。nが1.5未満の場合には、
十分な光学的変化が得られにくいため、記録変調度が低
くなるため好ましくなく、nが3.0を越える場合に
は、波長依存性が高くなり過ぎるため、記録再生波長領
域であってもエラーとなってしまうため好ましくない。
また、kが0.02未満の場合には、記録感度が悪くな
るため好ましくなく、kが0.2を越える場合には、5
0%以上の反射率を得ることが困難となるので好ましく
ない。
【0053】熱的に必要な条件は、熱重量分析に於ける
主減量過程での重量減量が、温度に対して急であること
が必要である。主減量過程により有機材料膜は分解し、
膜厚の減少と光学定数の変化を起こし、光学的な意味で
の記録部が形成されるからである。したがって、主減量
過程の重量減量が温度に対して穏やかな場合、これは広
い温度範囲にわたって形成されてしまうため、高密度の
記録部を形成させる場合は極めて不利となる。同様な理
由で重量減量の過程が複数存在する材料を用いた場合も
高密度対応には不利である。
【0054】本発明ではいくつかの重量減量過程のうち
で、減量率が最大のものを主減量過程と呼ぶ。本発明に
於いて重量減量の傾きは下記のように求める。図1に示
すように、質量M0の有機色素を窒素雰囲気下で、10
℃/min.で昇温させる。この昇温に従って、質量は
微量づつ減少し、ほぼ直線a−bの重量減量線を示し、
ある温度に達すると急激な重量減少を起こし、ほぼ直線
c−dに沿って重量減量を起こす。さらに温度を上げ続
けると質量の急激な減量が終了し、ほぼ直線e−fに沿
った重量減少を起こす。今直線a−bと直線c−dとの
交点に於ける温度をT1(℃)、初期質量M0に対する
残存重量をm1(%)、直線c−dと直線e−fとの交
点に於ける温度をT2(℃)、初期質量M0に対する残
存重量をm2(%)とする。減量開始温度はT1、減量
終了温度はT2となり、重量減量の傾きは、(m1−m
2)(%)/(T2−T1)(℃)で示される値で、初
期重量に対する重量減量率は、(m1−m2)(%)で
示される。
【0055】上記定義に基づくと光情報記録媒体に用い
る記録材料(有機色素)としては、主減量過程に於ける
重量減量の傾きが2%/℃以上であることが好ましい。
この重量減量の傾きが2%/℃未満である記録材料を用
いると、記録部の広がりが大きくなり、また短い記録部
を形成することが困難となるため、情報記録媒体には不
向きである。また、主減量過程に於ける重量減少率は、
30%以上であることが好ましい。30%未満である
と、良好な記録変調度、記録感度が得られない可能性が
ある。
【0056】更に、熱的特性に必要な条件は、減量開始
温度T1が、ある温度範囲にあることが必要である。具
体的には減量開始温度が350℃以下であることが好ま
しく、より好ましくは200〜350℃の範囲にあるこ
とが望ましい。減量開始温度が350℃より高いと、記
録レーザ光のパワーが高くなり実用的でなく、200℃
より低いと再生劣化を起こすなど記録安定性が悪化す
る。
【0057】基板形状に必要な条件は、基板上のトラッ
クピッチが0.7〜0.8μmが好ましく、溝幅が半値
幅で0.20〜0.36μmであることが好ましい。基
板は通常、深さ1000〜2500Åの案内溝を有して
いる。トラックピッチは、通常、0.7〜1.0μmで
あるが、高容量化の用途には0.7〜0.8μmが好ま
しい。溝幅は、半値幅で0.18〜0.40μmが好ま
しい。0.18μm未満には十分なトラッキングエラー
信号強度を得ることが困難となる恐れがある。また、
0.40μmを越える場合には、記録したときに記録部
が横に広がりやすくなるので好ましくない。
【0058】1.光記録媒体の構成 本発明の光記録媒体は、通常の追記型光ディスクである
図3の構造(図3を2枚貼合わせたいわゆるエアーサン
ドイッチ、又は密着貼合わせ構造としてもよい)と図4
からなるCD−R用メディアの構造としてもよい。
【0059】2.各層の必要特性及び構成材料例 本発明の光記録媒体の構成としては、第1基板と第2基
板とを記録層を介して接着剤で張り合わせた構造を基本
構造とする。記録層は有機色素層単層でもよく、反射率
を高めるため有機色素層と金属反射層との積層でも良
い。記録層と基板間は下引き層あるいは保護層を介して
層成してもよく、機能向上のためそれらを積層化した構
成でも良い。最も通常に用いられるのは、第1基板/有
機色素層/金属反射層/保護層/接着層/第2基板構造
である。
【0060】<基板>基板の必要特性としては基板側よ
り記録再生を行う場合のみ使用レーザー光に対して透明
でなければならず、記録層側から記録、再生を行う場合
基板は透明である必要はない。従って、本発明では、基
板を1層しか用いない場合は、先に記載した層構造の例
における第2の基板のみが透明であれば、第1の基板の
透明、不透明は問わない。基板材料としては例えば、ポ
リエステル、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリオレフィン樹脂、フェノール樹脂、エポ
キシ樹脂、ポリイミド等のプラスチック、ガラス、セラ
ミックあるいは金属等を用いることができる。尚、基板
を1層しか用いない場合、あるいは基板2枚をサンドイ
ッチ状で用いる場合は先に記載した層構造の例における
第1の基板の表面にトラッキング用の案内溝や案内ピッ
ト、さらにアドレス信号等のプレフォーマットが形成さ
れている必要がある。
【0061】<中間層>下引き層等を含め基板、記録
層、反射層、保護層以外に設けられた層をここでは中間
層と呼ぶことにする。この中間層は(a)接着性の向
上、(b)水、又はガス等のバリアー、(c)記録層の
保存安定性の向上、(d)反射率の向上、(e)溶剤か
らの基板や記録層の保護、(f)案内溝・案内ピット・
プレフォーマット等の形成等を目的として使用される。
(a)の目的に対しては高分子材料、例えばアイオノマ
ー樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル系樹脂、天然樹脂、天
然高分子、シリコーン、液状ゴム等の種々の高分子物
質、およびシランカップリング剤等を用いることがで
き、(b)及び(c)の目的に対しては、前記高分子材
料以外に無機化合物、例えばSiO2、MgF2、Si
O、TiO2、ZnO、TiN、SiN等金属、又は半
金属、例えばZn、Cu、Ni、Cr、Ge、Se、A
u、Ag、Al等を用いることができる。また(d)の
目的に対しては金属、例えばAl、Ag等や、金属光沢
を有する有機薄膜、例えばメチン染料、キサンテン系染
料等を用いることができ、(e)及び(f)の目的に対
しては紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、熱可塑性樹脂等を
用いることができる。下引き層の膜厚は通常0.01〜
30μm、好ましくは0.05〜10μmが適当であ
る。
【0062】<記録層>記録層はレーザー光の照射によ
り何らかの光学的変化を生じさせ、その変化により情報
を記録できるものであって、この記録層中には本発明の
色素が含有されていることが必要で、記録層の形成にあ
たって本発明の色素を1種又は2種以上の組合せで用い
てもよい。さらに、本発明の前記色素は光学特性、記録
感度、信号特性等の向上の目的で他の有機色素及び金
属、金属化合物と混合又は積層化しても良い。他の有機
色素の例としては、ポリメチン色素、ナフタロシアニン
系、フタロシアニン系、スクアリリウム系、クロコニウ
ム系、ピリリウム系、ナフトキノン系、アントレキノン
(インダンスレン)系、キサンテン系、トリフェニルメ
タン系、アズレン系、テトレヒドロコリン系、フェナン
スレン系、トリフェノチアジン系染料、及び金属キレー
ト化合物等が挙げられ、前記の染料を単独で用いてもよ
いし、2種以上の組合せにしてもよい。
【0063】また、前記染料中に金属、金属化合物例え
ば、In、Te、Bi、Se、Sb、Ge、Sn、A
l、Be、TeO2、SnO、As、Cd等を分散混合
あるは積層の形態で用いることもできる。さらに、前記
染料中に高分子材料例えば、アイオノマー樹脂、ポリア
ミド系樹脂、ビニル系樹脂、天然高分子、シリコーン、
液状ゴム等の種々の材料もしくはシランカップリング剤
等を分散混合して用いてもよいし、あるいは特性改良の
目的で安定剤(例えば遷移金属錯体)、分散剤、難燃
剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤等と一緒に
用いることができる。
【0064】記録層の形成は蒸着、スパッタリング、C
VDまたは溶液塗布等の通常の手段によって行うことが
できる。塗布法を用いる場合には前記染料等を有機溶媒
等に溶解してスプレー、ローラーコーティング、ディッ
ピングおよび、スピンコーティング等の慣用のコーティ
ング法によって行われる。
【0065】用いられる有機溶剤としては一般にメタノ
ール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール
類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N
−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホ
キシド等のスルホキシド類、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメ
チルエーテル等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル
等のエステル類、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロ
ロエタン、四塩化炭素、トリクロロエタン等の脂肪族ハ
ロゲン化炭化水素類、あるいはベンゼン、キシレン、モ
ノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族類、メ
トキシエタノール、エトキシエタノール等のセロソルブ
類、ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン、メチルシク
ロヘキサン等の炭化水素類等を用いることができる。
【0066】記録層の膜厚は通常100Å〜10μm、
好ましくは200Å〜2000Åが適当である。
【0067】<金属反射層>金属反射層の材料は単体で
高反射率の得られる腐食されにくい金属、半金属等が挙
げられ、材料例としてはAu、Ag、Cr、Ni、A
l、Fe、Sn等が挙げられるが、反射率、生産性の点
からAu、Ag、Al、が最も好ましく、これらの金
属、半金属は単独で使用しても良く、2種の合金として
も良い。膜形成法としては蒸着、スッパタリング等が挙
げられ、膜厚としては通常50〜5000Å、好ましく
は100〜3000Åである。
【0068】<保護層、基板表面ハードコート層>保護
層、又は基板表面ハードコート層は(a)記録層(反射
吸収層)を傷、ホコリ、汚れ等から保護する、(b)記
録層(反射吸収層)の保存安定性の向上、(c)反射率
の向上等を目的として使用される。これらの目的に対し
ては、前記中間層に示した材料を用いることができる。
又、無機材料として、SiO、SiO2等も用いること
ができ、有機材料としてポリメチルアクリレート、ポリ
カーボネート、エポキシ樹脂、ポリスチレン、ポリエス
テル樹脂、ビニル樹脂、セルロース、脂肪族炭化水素樹
脂、芳香属炭化水素樹脂、天然ゴム、スチレンブタジエ
ン樹脂、クロロプレンゴム、ワックス、アルキッド樹
脂、乾性油、ロジン等の熱軟化性、熱溶融性樹脂も用い
ることができる。前記材料のうち保護層又は基板表面ハ
ードコート層に最も好ましい例としては、生産性に優れ
た紫外線硬化樹脂である。保護層又は基板表面ハードコ
ート層の膜厚は通常0.01〜30μm、好ましくは
0.05〜10μmが適当である。本発明において、前
記中間層、保護層、及び基板面ハードコート層には記録
層の場合と同様に、安定剤、分散剤、難燃剤、滑剤、帯
電防止剤、界面活性剤、可塑剤等を含有させることがで
きる。
【0069】
【実施例】次に、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。実施例では、まず本発明による色素塩化合物
の合成例を示し、次に得られた色素塩化合物を記録層に
用いて記録特性を評価した結果を示す。ただし、本発明
は以下の実施例によって限定されるものではない。
【0070】実施例1 No.A−1化合物1.00g(2.10mmol)を
エタノール100mlに懸濁した。この懸濁液に5N−
NaOH水溶液0.84ml(4.20mmol)を加
えた後、コバルト(III)アセチルアセトナート0.3
7g(1.05mmol)を加え、80℃で10時間反
応させた。反応液を濃縮後、水100mlを加え、弱酸
になるまで塩酸水溶液を加え、析出した沈殿物を濾過
し、乾燥した。乾燥した沈殿物をDMF30mlに溶解
した後、No.C−7化合物のヨウ化物を1.13g
(2.10mmol)加え、150℃で2時間反応させ
た。反応液を水300mlに注ぎ、析出した物質を濾別
した。析出物質は乾燥後、クロマトグラフ法により精製
した。充填材にはシリカゲルを用いた。色素塩化合物N
o.1(収率69%)を得た。
【0071】実施例2〜6 実施例1で用いたコバルト塩の代わりに、アルミニウム
塩、亜鉛塩、クロム塩、ニッケル塩、および銅塩を用
い、化学量論比を保つように同様に操作を行った。
【0072】上記実施例1〜6で得られた化合物のアゾ
金属キレート化合物とシアニン色素とで形成された色素
塩の存在(有無)について評価した。評価結果を表9に
示す。
【0073】
【表9】
【0074】実施例7 No.A−3化合物1.00g(2.47mmol)を
エタノール100mlに懸濁した。この懸濁液に5N−
NaOH水溶液0.99ml(4.93mmol)を加
えた後、コバルト(III)アセチルアセトナート0.4
4g(1.24mmol)を加え、80℃で10時間反
応させた。反応液を濃縮後、水100mlを加え、弱酸
になるまで塩酸水溶液を加え、析出した沈殿物を濾過
し、乾燥した。乾燥した沈殿物をDMF30mlに溶解
した後、No.C−31化合物のヨウ化物を1.39g
(2.47mmol)加え、150℃で2時間反応させ
た。反応液を水300mlに注ぎ、析出した物質を濾別
した。析出物質は乾燥後、クロマトグラフ法により精製
した。充填材にはシリカゲルを用いた。色素塩化合物N
o.4(収率67%)を得た。
【0075】実施例8〜14 実施例7で用いたコバルト塩の代わりに、アルミニウム
塩、クロム塩、鉄塩、マンガン塩、セリウム塩、ロジウ
ム塩、および酸化チタン塩を用い、化学量論比を保つよ
うに同様に操作を行い、化合物No.5〜11を得た。
【0076】実施例7〜14で得られたアゾ金属キレー
トとシアニン色素からなる色素塩及び比較例1のシアニ
ン色素C−31の耐光性について評価した。結果を表1
0に示す。 <耐光テスト条件>化合物No.4−11及びシアニン
色素C−31をトリフロロアルコールに溶解し、1.5
w%の濃度になるように調整した色素溶液を、石英基板
(50mm×50mm×1mm)上にスピンコート法に
より製膜した。これを耐光試験器(4万Lux、Xe
光)に入れ、その劣化定数を測定した。
【0077】
【表10】
【0078】実施例15 No.A−7化合物1.00g(2.47mmol)を
エタノール100mlに懸濁した。この懸濁液に5N−
NaOH水溶液0.99ml(4.93mmol)を加
えた後、コバルト(III)アセチルアセトナート0.4
4g(1.24mmol)を加え、80℃で10時間反
応させた。反応液を濃縮後、水100mlを加え、弱酸
になるまで塩酸水溶液を加え、析出した沈殿物を濾過
し、乾燥した。乾燥した沈殿物をDMF30mlに溶解
した後、No.C−1化合物のヨウ化物を1.27g
(2.47mmol)加え、150℃で2時間反応させ
た。反応液を水300mlに注ぎ、析出した物質を濾別
した。析出物質は乾燥後、クロマトグラフ法により精製
した。充填材にはシリカゲルを用いた。色素塩化合物N
o.12(収率65%)を得た。
【0079】実施例16〜20 実施例15で用いたシアニン色素C−1の代わりに、C
−2、C−3、C−4、C−5、およびC−6を用い、
化学量論比を保つように同様に操作を行い、化合物N
o.13〜17を得た。
【0080】<記録特性評価1>厚さ0.6mmの射出
成形ポリカーボネート基板上に、フォトポリマーにて深
さ1750Å、半値幅0.25μm、トラックピッチ
0.74μmの案内溝を形成し、化合物No.12〜1
7の2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール溶液
をスピンナー塗布し、厚さ900Åの記録層を形成し、
ついでスパッタ法により銀1200Åの反射層を設け、
さらにその上にアクリル系フォトポリマーにて7μmの
保護層を設けた後、厚さ0.6mmの射出成形ポリカー
ボネート平面基板をアクリル系フォトポリマーにて接着
し、記録媒体とした。 <記録条件>この記録媒体にレーザー発振波長658n
m、ビーム径1.0μmの半導体レーザー光を用い、ト
ラッキングしながらEFM信号(線速3.5m/se
c.)を記録し、発振波長658nmの半導体レーザー
の連続光(再生パワー0.7mW)で再生し、再生波形
を観察した。記録特性の評価結果を表11に示す。
【0081】
【表11】
【0082】実施例21〜28 実施例1〜20と同様な操作を行い、化合物No.18
〜25を得た。
【0083】<記録特性評価2>厚さ0.6mmの射出
成形ポリカーボネート基板上に、フォトポリマーにて深
さ1650Å、半値幅0.20μm、トラックピッチ
0.74μmの案内溝を形成し、化合物No.18〜2
5の2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール溶液
をスピンナー塗布し、厚さ900Åの記録層を形成し、
ついでスパッタ法により銀1200Åの反射層を設け、
さらにその上にアクリル系フォトポリマーにて7μmの
保護層を設けた後、厚さ0.6mmの射出成形ポリカー
ボネート平面基板をアクリル系フォトポリマーにて接着
し、記録媒体とした。 <記録条件>この記録体にレーザー発振波長658n
m、ビーム径1.0μmの半導体レーザー光を用い、ト
ラッキングしながらEFM信号(線速3.5m/se
c.)を記録し、発振波長658nmの半導体レーザー
の連続光(再生パワー0.7mW)で再生し、再生波形
を観察した。記録特性の評価結果を表12に示す。
【0084】
【表12】
【0085】
【発明の効果】以上のように、請求項1の光記録媒体に
よれば、特定のアゾ金属キレートアニオン化合物とシア
ニン色素カチオン化合物とから得られた色素塩化合物を
用いたことから、670nm以下の波長域のレーザー光
で記録、再生が可能で、耐光性、保存安定性の優れた光
記録媒体を得ることができる。
【0086】請求項2の光記録媒体によれば、上記アゾ
金属キレートアニオン化合物における金属または金属酸
化物の価数が3価であることから、安定なアゾ金属キレ
ートアニオン化合物が生成し、種々のシアニン色素と容
易に塩交換を行なうことができる。
【0087】請求項3の光記録媒体によれば、上記アゾ
金属キレートアニオン化合物における金属原子がコバル
トであることから、耐光性の優れた記録媒体を得ること
ができる。
【0088】請求項4の光記録媒体によれば、上記シア
ニン色素カチオン化合物の炭素と隣接の窒素原子を連結
し芳香族性を有する環が、インドレニン環、チアゾリン
環、またはオキサゾリン環であることから、記録感度の
高い記録媒体を得ることができる。
【0089】請求項5の光記録媒体によれば、上記光記
録媒体において、記録再生波長±5nmの波長領域の光
に対する記録層単層の屈折率nが1.5≦n≦3.0で
あり、消衰係数kが0.02≦k≦0.2であることか
ら、安定した高反射率かつ高変調度で記録再生ができる
光記録媒体を提供することができる。
【0090】請求項6の光記録媒体によれば、上記光記
録媒体において、有機色素の熱重量分析における主減量
過程での温度に対する減量の傾きが2%/℃以上である
ことから、低ジッタで高密度記録ができる光記録媒体が
得られる。
【0091】請求項7の光記録媒体によれば、上記光記
録媒体において、有機色素の熱重量分析における主減量
過程での総減量が30%以上で、かつ減量開始温度が3
50℃以下であることから、上記と同様、低ジッタで高
密度記録ができる光記録媒体を得ることができる。
【0092】請求項8の光記録媒体によれば、上記光記
録媒体において、基板上のトラックピッチが0.7〜
0.8μmであり、溝幅が半値幅で0.18〜0.40
μmであることから、安定した記録及び再生のできる光
記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】有機色素の熱重量分析における減量特性を示す
グラフ。
【図2】(a)〜(d)は、いずれも光ディスクの層構
成を示す概略断面図。
【図3】(a)〜(c)は、いずれも光ディスクの層構
成を示す概略断面図。
【図4】(a)〜(c)は、いずれも光ディスクの層構
成を示す概略断面図。
【符号の説明】
1 基板 2 記録層 3 下引き層 4 保護層 5 ハードコート層 6 金属反射層 7 保護基板 8 接着層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09B 23/00 C09B 45/44 45/44 B41M 5/26 Y (72)発明者 戸村 辰也 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 野口 宗 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H111 EA03 EA12 EA22 EA25 EA31 EA33 EA40 EA48 FB42 FB43 4H056 CA01 CC02 CC08 CE03 CE06 DD01 DD03 DD04 DD19 DD23 5D029 JA04 JC05 JC11 WB11 WB14

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に記録層を設けてなる光記録媒体
    において、記録層中に下記一般式(I)で示されるアゾ
    化合物と金属、金属酸化物またはそれらの塩とから得ら
    れるアゾ金属キレートアニオン化合物と下記一般式(I
    I)で示されるシアニン色素カチオン化合物とから得ら
    れる色素塩を少なくとも一種類含有することを特徴とす
    る光記録媒体。 【化1】 (式中、R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン
    原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシ基、ア
    ミノ基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしく
    は未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環残
    基、置換もしくは未置換のアルキルカルボニル基、置換
    もしくは未置換のアリールカルボニル基、置換もしくは
    未置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは未
    置換のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは未置
    換のアルキルスルホニル基、置換もしくは未置換のアリ
    ールスルホニル基、置換もしくは未置換のアルキルチオ
    基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換もしく
    は未置換のアルキルチオオキシ基、置換もしくは未置換
    のアリールチオオキシ基、置換もしくは未置換のアルキ
    ルオキシ基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、
    置換もしくは未置換のアルキルアミノ基、置換もしくは
    未置換のアリールアミノ基、置換もしくは未置換のアル
    キルカルボニルアミノ基、置換もしくは未置換のアリー
    ルカルボニルアミノ基、置換もしくは未置換のアルキル
    カルバモイル基、置換もしくは未置換のアリールカルバ
    モイル基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換も
    しくは未置換のアルキルスルフィノ基、置換もしくは未
    置換のアルキルアミノスルフィノ基またはスルホ基を表
    し、Xは活性水素を有する基を表す。) 【化2】 (式中、A環およびB環はそれぞれ独立に炭素と隣接の
    窒素原子を連結し芳香族性を有する環を表し、R9およ
    びR10はそれぞれ独立に置換もしくは未置換のアルキル
    基を表す。)
  2. 【請求項2】 アゾ金属キレートアニオン化合物におけ
    る金属または金属酸化物の価数が3価であることを特徴
    とする請求項1に記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 アゾ金属キレートアニオン化合物におけ
    る金属原子がコバルトであることを特徴とする請求項1
    又は2に記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記一般式(II)で表されるシアニン色
    素カチオン化合物の炭素と隣接の窒素原子を連結し芳香
    族性を有する環が、インドレニン環、チアゾリン環、ま
    たはオキサゾリン環であること(ただし、これらはベン
    ゼン環を縮合してもよい。)を特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載の光記録媒体。
  5. 【請求項5】 記録再生波長±5nmの波長領域の光に
    対する記録層単層の屈折率nが1.5≦n≦3.0であ
    り、消衰係数kが0.02≦k≦0.2であることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光記録媒体。
  6. 【請求項6】 有機色素の熱重量分析における主減量過
    程での温度に対する減量の傾きが2%/℃以上であるこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光記録
    媒体。
  7. 【請求項7】 有機色素の熱重量分析における主減量過
    程での総減量が30%以上で、かつ減量開始温度が35
    0℃以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれ
    かに記載の光記録媒体。
  8. 【請求項8】 基板上のトラックピッチが0.7〜0.
    8μmであり、溝幅が半値幅で0.18〜0.40μm
    であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載
    の光記録媒体。
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