JP2003245378A - ゴルフボール製造方法 - Google Patents

ゴルフボール製造方法

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JP2003245378A
JP2003245378A JP2002047372A JP2002047372A JP2003245378A JP 2003245378 A JP2003245378 A JP 2003245378A JP 2002047372 A JP2002047372 A JP 2002047372A JP 2002047372 A JP2002047372 A JP 2002047372A JP 2003245378 A JP2003245378 A JP 2003245378A
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golf ball
core
mpa
rubber composition
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JP2002047372A
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Tsutomu Hirau
勉 平宇
Toshiaki Tanaka
聡明 田中
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
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  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価にゴルフボール1が得られる製造方法の
提供。 【解決手段】 ゴルフボール1は、コア2とカバー3と
を備えている。コア2の成形では、まずゴム組成物が押
出機から押し出され、所定長さに裁断されて、円柱状の
予備成形体が得られる。次に、この予備成形体が成形型
に投入され、型締めされる。次に、型圧力が0.1MP
a以上5.0MPa以下に維持されつつ、ゴム組成物が
架橋反応温度以上に加熱される。次に、型圧力が0.1
MPa以上1.0MPa以下に維持されつつ、ゴム組成
物が架橋反応温度以下まで冷却される。次に、成形型が
開かれて、成形されたコア2とスピューとが一体として
成形型から取り出される。コア2の質量に対する、投入
工程で投入されるゴム組成物の質量の比率は、120%
以下が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はゴルフボール製造方
法に関し、詳細には、ゴルフボール用芯材の圧縮成形法
の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ソリッドゴルフボールには、種々の層構
造のものが存在する。例えば、カバーと単一層構造のコ
アとからなるツーピーシーズゴルフボール、カバーと2
層構造のコアとからなるマルチピーシーズゴルフボール
等が存在する。2層構造のコアは、センターと、このセ
ンターを被覆する中間層とからなる。ツーピーシーズゴ
ルフボールのコア並びにマルチピーシーズゴルフボール
のセンター及びコアはいずれも球体であり、「芯材」と
総称される。芯材は通常、ゴム組成物が架橋されること
で成形されている。
【0003】ツーピーシーズゴルフボールのコアが成形
される場合、共に半球状のキャビティを多数有する上型
及び下型からなる成形型が準備される。そして、ゴム組
成物からなる予備成形体(「プラグ」と称されている)
がキャビティに投入される。この予備成形体の体積は、
コアの体積(換言すれば、キャビティの容積)よりも大
きい。成形型が徐々に締められるに従い、余剰のゴム組
成物がキャビティから流出する。ゴム組成物の流出に伴
って、キャビティ内に存在するエアーも排出される。成
形型が締められてかつ所定温度に昇温され、所定時間保
持される。これにより、ゴムが加熱されて架橋反応を起
こし、ゴム組成物が硬化してコアが形成される。その後
成形型が開かれ、キャビティからコアが取り出される。
【0004】キャビティから流出したゴム組成物はキャ
ビティの回りにリング状となって存在し、成形型に付着
する。この付着物は、スピューと称されている。成形型
の昇温によってスピューも加熱され、架橋される。架橋
により、スピューと成形型との付着が堅固となる。
【0005】成形型が開かれた後、スピューは成形型か
ら引き剥がされ、取り出される。成形型には多数のキャ
ビティが設けられるのが通例であり、スピューも多数発
生する。これら多数のスピューを取り出す作業には手間
を要し、ゴルフボールの生産コストを上昇させる。
【0006】予備成形体の体積が大きくされれば、多量
のゴム組成物がキャビティから流出し、隣接するスピュ
ー同士が一体となる。このスピューの取り出しは、容易
である。なぜならば、多数のスピューが一体で一度に取
り出されうるからである。しかし、スピューは廃棄され
るものなので、この方法ではゴム組成物の歩留まりが低
い。低い歩留まりはゴルフボールの製造コストを押し上
げる。
【0007】特開2000−202065公報には、キ
ャビティの周辺に多数の溝が放射状に形成された成形型
が開示されている。この成形型が用いられると、予備成
形体の体積がさほど大きく設定されなくても、スピュー
同士が一体化する。換言すれば、ゴム組成物の高い歩留
まりとスピュー取り出し作業の容易性とが両立される。
しかしながら、この成形型は構造が複雑であり高価であ
る。
【0008】特開2001−145710公報には、キ
ャビティの周りにリング状の溝を備えた成形型が開示さ
れている。この成形型が用いられると、コアとスピュー
とが一体化される。コアの取り出しによって同時にスピ
ューも取り出されるので、取り出し作業が簡便となる。
しかしながら、この成形型も構造が複雑であり高価であ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、スピュー
の取り出し作業の容易のためには、ゴム組成物の歩留ま
りを低下させるか、又は高価な成形型を用いるしか、手
段がなかった。いずれの手段が採用されても、ゴルフボ
ールの製造コストは上昇する。同様の問題は、マルチピ
ーシーズゴルフボールのセンター及びコアの圧縮成形の
際にも生じている。
【0010】本発明はこのような問題に鑑みてなされた
ものであり、安価にゴルフボールが得られる製造方法の
提供をその目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
になされた発明は、以下の(A)から(D)の工程を含
むゴルフボール製造方法である。 (A)共に半球状のキャビティを有する上型及び下型を
備えた成形型にゴム組成物を投入する投入工程。 (B)締められた成形型を0.1MPa以上5.0MP
a以下の圧力で加圧しつつゴム組成物を架橋反応温度以
上に加熱する架橋工程。 (C)成形型を0.1MPa以上1.0MPa以下の圧
力で加圧しつつゴム組成物を架橋反応温度以下まで冷却
する冷却工程。 及び (D)成形型を開き、成形されたゴルフボール用芯材を
取り出す取り出し工程。
【0012】この製造方法では、架橋工程(B)及び冷
却工程(C)における成形型への圧力が、従来の製造方
法の場合よりも小さい。従って、これらの工程の間、ゴ
ム組成物の膨張に起因して、上型のパーティング面と下
型のパーティング面との間に微小な間隙が生じる。この
間隙を通じ、芯材とスピューとが一体となる。取り出し
工程(D)において芯材が取り出されると、スピューも
同時に取り出される。この製造方法では、スピュー取り
出しの手間がかからない。
【0013】好ましくは、取り出し工程で得られるゴル
フボール用芯材の質量に対する、投入工程で投入される
ゴム組成物の質量の比率は、120%以下である。この
製造方法では、ゴム組成物の歩留まりが高い。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、適宜図面が参照されつつ、
好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明され
る。
【0015】図1は、本発明の一実施形態に係る製造方
法によって得られたゴルフボール1が示された一部切り
欠き断面図である。このゴルフボール1は、球状のコア
2と、カバー3とを備えている。カバー3の表面には、
多数のディンプル4が形成されている。このゴルフボー
ル1は、カバー3の外側にペイント層及びマーク層を備
えているが、これらの図示は省略されている。このゴル
フボール1の直径は、通常は40mmから45mm、特
には42mmから44mmである。米国ゴルフ協会(U
SGA)の規格が満たされる範囲で空気抵抗が低減され
るという観点から、直径は42.67mm以上42.8
0mm以下が好ましい。このゴルフボール1の質量は、
通常は40g以上50g以下、特には44g以上47g
以下である。米国ゴルフ協会の規格が満たされる範囲で
慣性が高められるという観点から、質量は45.00g
以上45.93g以下が好ましい。
【0016】図2は、図1のゴルフボール1のコア2の
製作に用いられる成形型5の一部が示された断面図であ
る。成形型5は、上型6及び下型7からなる。図3は、
図2の成形型5の下型7の一部が示された平面図であ
る。上型6及び下型7のそれぞれは多数のキャビティ面
8を備えており、このキャビティ面8によって半球状の
キャビティが形成されている。上型6及び下型7のそれ
ぞれは、パーティング面9も備えている。成形型5が締
められると上下のパーティング面9同士が近接し、上下
のキャビティ面8によって球状のキャビティが形成され
る。
【0017】図4は、図1のゴルフボール1の製造方法
の一例が示されたフローチャートである。この製造方法
では、まず基材ゴム、架橋剤、添加剤等が混練され(S
TP1)、ゴム組成物が得られる。次に、このゴム組成
物が押出機のシリンダーに投入され、押し出される(S
TP2)。押出機のヘッドには円形の孔を備えた口金が
装着されており、ゴム組成物は断面円形に押し出され
る。
【0018】口金の前方には、カッターが設置されてい
る。このカッターは刃物の一端が軸着された構造(いわ
ゆるロータリーカッター)であり、刃物の回転によって
ゴム組成物が所定長さに切断される(STP3)。こう
して、略円柱状の予備成形体が得られる。
【0019】次に、図5(a)に示されるように、予備
成形体10が成形型5に投入される(STP4)。この
工程(STP4)は、投入工程と称される。予備成形体
10は、通常は下型7のキャビティに投入される。予備
成形体10は、その軸方向が上下方向となるように、キ
ャビティに投入される。成形型5は、プレス機(図示さ
れず)に取り付けられている。
【0020】次に、プレス機によって下型7が徐々に上
昇させられ、上型6に近づく。これにより、予備成形体
10が加圧される。成形型5は通常は昇温されており、
この成形型5からの熱伝導によって予備成形体10が加
熱される。加圧と加熱とにより予備成形体10を構成す
るゴム組成物が流動し、図5(b)に示されるように余
剰のゴム組成物がキャビティから徐々に流出する。これ
に伴って、キャビティ内に存在するエアーがキャビティ
面8に沿って移動し、キャビティから排出される。この
工程は、型締め工程(STP5)と称される。流出した
ゴム組成物は、リング状を呈する。流出したゴム組成物
は、スピュー11と称される。
【0021】型締め後も、成形型5は加圧され続ける。
圧力(型圧力)は、0.1MPa以上5.0MPa以下
に維持される。同時に、成形型5からの熱伝導により、
ゴムの架橋反応温度以上にゴム組成物が加熱される。こ
れによりゴムが架橋反応を起こし、硬化する。この工程
(STP6)は、架橋工程と称される。一般的な架橋工
程(STP6)における成形型5の温度(架橋温度)
は、140℃以上180℃以下とされる。架橋時間は、
10分以上40分以下とされる。架橋工程によりスピュ
ー11も架橋され、成形型5の表面に付着する。
【0022】次に、成形型5に冷却水が通され、架橋反
応温度以下となるまでゴム組成物が冷却される。この工
程は、冷却工程と称される。冷却工程の間も、成形型5
は加圧され続ける。型圧力は、0.1MPa以上1.0
MPa以下に設定される。
【0023】次に成形型5が開かれ、球状のコア2とス
ピュー11とが取り出される(STP8)。この工程
(STP8)は、取り出し工程と称される。図6に示さ
れるように、コア2とスピュー11とは一体となってい
る。コア2からスピュー11が既知の方法で除去され
(STP9)、コア2の周りに既知の手段(例えば射出
成形法)によってカバー3が成形されて(STP1
0)、ゴルフボール1が得られる。
【0024】架橋工程(STP6)における型圧力は、
前述のように0.1MPa以上5.0MPa以下に維持
される。この型圧力は、比較的小さい。ゴム組成物は加
熱によって膨張し、膨張圧を生じさせる。この膨張圧が
型圧力にうち勝って、上型6のパーティング面9と下型
7のパーティング面9との間に間隙が生じる。この間隙
にもゴム組成物が存在しており、このゴム組成物は架橋
されて薄肉部12(図6(b)参照)となる。
【0025】冷却工程(STP7)における型圧力は、
前述のように0.1MPa以上1.0MPa以下に維持
される。この型圧力も、比較的小さい。従って、架橋工
程(STP6)で生じた薄肉部12は、冷却工程(ST
P7)においても切断されない。こうして、薄肉部12
を介してコア2とスピュー11とが一体化される。手作
業で又は自動でコア2が成形型5から取り出されること
により、同時にスピュー11も成形型5から取り出され
る。この製造方法では、スピュー11の取り出しに手間
を要しない。
【0026】コア2とスピュー11との一体化のために
は、架橋工程(STP6)における型圧力は4.0MP
a以下がより好ましく、3.0MPa以下が特に好まし
い。同様の理由から、冷却工程(STP7)における型
圧力は0.8MPa以下がより好ましく、0.5MPa
以下が特に好ましい。圧力制御の容易の観点から、架橋
工程(STP6)及び冷却工程(STP7)における型
圧力は0.2MPa以上がより好ましく、0.3MPa
以上が特に好ましい。
【0027】この製造方法では、スピュー11はコア2
と一体となって取り出されるので、隣接するスピュー1
1同士が一体とされる必要がない。換言すれば、多量の
ゴム組成物をキャビティから流出させる必要がない。こ
の製造方法では、ゴム組成物の歩留まりが高められう
る。歩留まりの観点から、コア2の質量に対する投入工
程で投入されるゴム組成物の質量の比率(以下「仕込
率」と称される)は120%以下が好ましく、115%
以下がより好ましく、110%以下がさらに好ましく、
105%以下が特に好ましい。仕込率が小さく設定され
ることにより、スピュー11がほとんど生じない場合も
あるが、この場合も取り出し工程(STP8)は簡便で
ある。
【0028】仕込率が小さすぎると成形型5内のエアー
が排出されず、コア2の表面にエアー溜まり(「ベア」
と称される)が発生しやすい。寸法の大きなベアを抑制
する観点から、仕込率は100%以上が好ましい。この
製造方法では、架橋工程(STP6)において成形型5
にかかる圧力が小さく、上下型6、7の間に間隙が生じ
ているので、仕込率が低く設定されてゴム組成物の流出
量が少ない場合でも、エアーが排出されやすい。
【0029】ゴルフボール1の製造現場において、予備
成形体10の質量のバラツキを完全にゼロとすることは
困難である。仕込率の理想値は100%であるが、10
0%を目標として製作された多数の予備成形体10の中
には、100%を下回るものも存在する。寸法の大きな
ベアを抑制する観点から、同時に成形型5に投入される
予備成形体10の平均仕込率は101%以上がより好ま
しく、103%以上が特に好ましい。
【0030】確実なエアーの排出の観点から、型締め工
程(STP5)と架橋工程(STP6)との間に、一旦
成形型5を開く開放工程が設けられるのが好ましい。成
形型5が型締め工程(STP5)において締められてか
ら開放工程において開かれるまでの時間は、15秒以上
が好ましい。時間が15秒以上とされることで、エアー
の熱膨張が促進され、エアーの排出がより確実となる。
この観点から、時間は20秒以上がより好ましく、45
秒以上が特に好ましい。この時間が長すぎるとゴルフボ
ール1の生産性が低下するので、この時間は300秒以
下が好ましい。開放工程において上型6と下型7とが最
も離れた段階での上型6と下型7との距離は、3mm以
上8mm以下が好ましい。開放工程において成形型5が
開かれている時間は、0.5秒以上5.0秒以下が好ま
しい。2回以上の開放工程が設けられてもよい。
【0031】予備成形体10の基材ゴムには、ポリブタ
ジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合
体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、天然ゴム
等が好適である。これらのゴムの2種以上が併用されて
もよい。ゴルフボール1の反発性能の観点からは、ポリ
ブタジエンが好ましい。ポリブタジエンと他のゴムとが
併用される場合でも、ポリブタジエンが主成分とされる
のが好ましい。具体的には、全基材ゴムに占めるポリブ
タジエンの比率が50質量%以上、特には80質量%以
上とされるのが好ましい。ポリブタジエンのなかでも、
シス−1,4結合の比率が40%以上、特には80%以
上であるハイシスポリブタジエンが好ましい。
【0032】コア2の架橋形態は特には制限されない
が、反発性能の観点からは、炭素数が3から8である
α,β−不飽和カルボン酸の、1価又は2価の金属塩が
共架橋剤として用いられるのが好ましい。好ましい共架
橋剤の具体例としては、アクリル酸亜鉛、アクリル酸マ
グネシウム、メタクリル酸亜鉛及びメタクリル酸マグネ
シウムが挙げられる。特に、高い反発性能が得られるア
クリル酸亜鉛が好ましい。炭素数が3から8であるα,
β−不飽和カルボン酸と金属酸化物とが共架橋剤として
用いられてもよい。
【0033】共架橋剤の配合量は、基材ゴム100部(ハ
゜ーツ ハ゛イ ウェイト)に対して10部以上40部以下が好まし
い。配合量が上記範囲未満であると、ゴルフボール1の
反発性能が不十分となることがある。この観点から、配
合量は15部以上がより好ましく、20部以上が特に好
ましい。配合量が上記範囲を超えると、ゴルフボール1
の打球感がソフトでなくなることがある。この観点か
ら、配合量は35部以下がより好ましく、30部以下が
特に好ましい。
【0034】予備成形体10に用いられるゴム組成物に
は、有機過酸化物が配合されるのが好ましい。有機過酸
化物は、前述のα,β−不飽和カルボン酸金属塩ととも
に架橋剤として機能し、また、硬化剤として機能する。
有機過酸化物の配合により、ゴルフボール1の反発性能
が高められうる。好適な有機過酸化物としては、ジクミ
ルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキ
サン及びジ−t−ブチルパーオキサイドが挙げられる。
特に汎用性の高い有機過酸化物は、ジクミルパーオキサ
イドである。
【0035】有機過酸化物の配合量は、基材ゴム100
部に対して0.1部以上3.0部以下が好ましい。配合
量が上記範囲未満であると、ゴルフボール1の反発性能
が不十分となることがある。この観点から、配合量は
0.2部以上がより好ましく、0.5部以上が特に好ま
しい。配合量が上記範囲を超えると、ゴルフボール1の
打球感がソフトでなくなることがある。この観点から、
配合量は2.8部以下がより好ましく、2.5部以下が
特に好ましい。
【0036】ゴム組成物には、比重調整等の目的で充填
剤が配合されてもよい。好適な充填剤としては、酸化亜
鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の無機塩、及びタ
ングステン、モリブデン等の高比重金属からなる粉末が
挙げられる。単なる比重調整のみならず架橋助剤として
も機能するという理由から、好ましい充填剤は酸化亜鉛
である。
【0037】ゴム組成物には、老化防止剤、着色剤、可
塑剤、分散剤等の各種添加剤が、必要に応じて適量配合
されてもよい。
【0038】本発明の製造方法は、ツーピーシーズゴル
フボール1のコア2のみならず、マルチピーシーズゴル
フボールのセンター及びコアの成形にも適している。
【0039】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明の効果が明ら
かにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限
定的に解釈されるべきではない。
【0040】[実施例1]ポリブタジエン(ジェイエス
アール社の商品名「BR01」)100部、アクリル酸
亜鉛22部、酸化亜鉛20部及びジクミルパーオキサイ
ド1.0部をニーダー(容量:10リットル)で混練
し、ゴム組成物を得た。このゴム組成物をオープンロー
ルでシーティングし、シートを巻き取って所定寸法に裁
断して、予備成形体を得た。この予備成形体を図2に示
された成形型に投入し、型締めして型圧力を3.0MP
aに維持した。一方、成形型を加熱してゴムに架橋反応
を起こさせた。架橋温度は160℃であり、架橋時間は
25分であった。次に、型圧力を0.5MPaとし、成
形型に30℃の冷却水を通して10分間維持した。次
に、成形型を開いてコアとスピューとを手作業で取り出
した。得られたコアの直径は約38.5mmであり、仕
込率は110%であった。
【0041】[実施例2]架橋工程の型圧力を0.2M
Paとし、冷却工程の型圧力を0.2MPaとした他は
実施例1と同様にして、コアを得た。
【0042】[実施例3及び10並びに比較例1]冷却
工程の型圧力を下記の表1及び表2に示される通りとし
た他は実施例1と同様にして、コアを得た。
【0043】[実施例11及び比較例6]架橋工程の型
圧力を下記の表2に示される通りとした他は実施例1と
同様にして、コアを得た。
【0044】[実施例4〜7、8及び9]仕込率を下記
の表1に示される通りとした他は実施例1と同様にし
て、コアを得た。
【0045】[比較例2〜5]仕込率を下記の表2に示
される通りとした他は比較例6と同様にして、コアを得
た。
【0046】[作業性の評価]型開き後に、コアとスピ
ューとの一体化状況と、取り出し作業の容易性とを観察
した。スピューがコアと完全に一体化しておりコアの取
り出しによってスピューも同時に取り出されるものを
「○」とし、スピューがコアから部分的に分離しており
両者を同時に取り出す作業に慎重を要するものを「△」
とし、スピューがコアからほぼ完全に分離しており両者
を同時に取り出すことが困難な場合を「×」とした。こ
の結果が、下記の表1及び表2に示されている。
【0047】[外観評価]得られたコアの表面を目視で
評価した。そして、ベアが発生しているコアを不良とし
た。100個のコアを評価した場合の不良率が、下記の
表1及び表2に示されている。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】表1に示されているように、各実施例の製
造方法は作業性に優れており、不良率も少ない。この評
価結果から、本発明の優位性は明らかである。
【0051】
【発明の効果】以上説明されたように、本発明の製造方
法によれば、取り出し工程が簡略化される。この製造方
法は、ゴルフボールの生産コスト低減に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る製造方法に
よって得られたゴルフボールが示された一部切り欠き断
面図である。
【図2】図2は、図1のゴルフボールのコアの製作に用
いられる成形型の一部が示された断面図である。
【図3】図3は、図2の成形型の下型の一部が示された
平面図である。
【図4】図4は、図1のゴルフボールの製造方法の一例
が示されたフローチャートである。
【図5】図5は、図2の成形型の一部が示された拡大断
面図である。
【図6】図6(a)は取り出し工程後のコアとスピュー
とが示された斜視図であり、図6(b)はその断面図で
ある。
【符号の説明】
1・・・ゴルフボール 2・・・コア 3・・・カバー 4・・・ディンプル 5・・・成形型 6・・・上型 7・・・下型 8・・・キャビティ面 9・・・パーティング面 10・・・予備成形体 11・・・スピュー 12・・・薄肉部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共に半球状のキャビティを有する上型及
    び下型を備えた成形型にゴム組成物を投入する投入工程
    と、 締められた成形型を0.1MPa以上5.0MPa以下
    の圧力で加圧しつつゴム組成物を架橋反応温度以上に加
    熱する架橋工程と、 成形型を0.1MPa以上1.0MPa以下の圧力で加
    圧しつつゴム組成物を架橋反応温度以下まで冷却する冷
    却工程と、 成形型を開き、成形されたゴルフボール用芯材を取り出
    す取り出し工程とを含むゴルフボール製造方法。
  2. 【請求項2】 上記取り出し工程で得られるゴルフボー
    ル用芯材の質量に対する、投入工程で投入されるゴム組
    成物の質量の比率が、120%以下である請求項1に記
    載のゴルフボール製造方法。
JP2002047372A 2002-02-25 2002-02-25 ゴルフボール製造方法 Withdrawn JP2003245378A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107050779A (zh) * 2016-12-23 2017-08-18 张家港久益机械有限公司 一种气动驱动式皮球贴皮折边机整形装置
CN108211274A (zh) * 2018-01-17 2018-06-29 商洛学院 一种健身球制作方法

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