JP2003243241A - コンデンサ用ポリエステルフィルム - Google Patents

コンデンサ用ポリエステルフィルム

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JP2003243241A JP2002038376A JP2002038376A JP2003243241A JP 2003243241 A JP2003243241 A JP 2003243241A JP 2002038376 A JP2002038376 A JP 2002038376A JP 2002038376 A JP2002038376 A JP 2002038376A JP 2003243241 A JP2003243241 A JP 2003243241A
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polyester
polyester film
capacitors
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Tetsuya Asano
哲也 浅野
Satoshi Nishino
聡 西野
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Toray Industries Inc
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    • H01G4/002Details
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コンデンサとした場合の耐電圧をより良好とさ
せ得るコンデンサ用ポリエステルフィルムを提供するこ
と。 【解決手段】透過マイクロ波強度の面内角度分布におい
て、透過マイクロ波強度をM、透過マイクロ波最大強度
をMx、透過マイクロ波最小強度をMyとしたとき、下
記(1a)式、(1b)式、(1c)式を同時に満足することを特徴
とするコンデンサ用ポリエステルフィルム。 1.000≦Mx/My≦1.100 ・・・(1a) 0.500≦M≦1.000 ・・・(1b) 0≦θ・(Mx/My)≦95 ・・・(1c)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気特性が良く、
厚み均一性の良く、かつハンドリング性に優れたコンデ
ンサ用ポリエステルフィルムに関するものであり、さら
に詳しくは本発明は、生産性と加工性、耐電圧性の優れ
たコンデンサ用ポリエステルフィルムおよびそれを用い
たフィルムコンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、有機高分子フィルムを誘電体
として用いたコンデンサは広く用いられている。特開昭
63−194318号公報などに例示されるように、ポ
リエステルフィルムと金属箔を交互に巻回するか、フィ
ルムに金属を蒸着して電極とし、これを巻回または積層
することによりコンデンサを得る技術が知られている。
【0003】また、特開平6−312453号公報など
に例示されるように、これらのコンデンサ用ポリエステ
ルフィルムのほとんどは、無機あるいは有機粒子を添加
することなどにより表面を粗面化し、加工性、すなわち
コンデンサ製造工程におけるスリット性、巻取り性、あ
るいは積層性などを確保している。しかしながら、加工
性を追求するために粗面化を進めすぎると、コンデンサ
の特性が低下する傾向がある。
【0004】近年、電気機器の小型化に伴い、コンデン
サも小型化の要求が高まる傾向にある。このような状況
下で使用されるフィルムは、更に薄膜化し、フィルムに
かかる電位傾度が高まるため、コンデンサが絶縁破壊を
起こす問題が発生することがある。
【0005】この様な問題に対し、特開平9−3021
11号公報にはフィルム中の金属及びリン残存量の規
定、及び表面粗さを特定の範囲とすることでコンデンサ
の耐電圧特性等を改善する方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平9−3
02111号公報に提案された方法では、耐電圧の向上
レベルが満足できるものでなく、より一層の向上が求め
られていた。本発明の課題は、かかる問題を解決し、特
にコンデンサとした場合の耐電圧をより良好とさせ得る
ポリエステルフィルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記の課題
を解決するため鋭意検討の結果、フィルムの面方向の透
過マイクロ波強度値をある一定の範囲とし、同時に透過
マイクロ波強度の最大と最小の比をある一定の範囲とす
ることにより、より高い耐電圧を得ることができること
を見出した。
【0008】すなわち、本発明は、透過マイクロ波強度
の面内角度分布において、透過マイクロ波強度をM、透
過マイクロ波最大強度をMx、透過マイクロ波最小強度
をMy、フィルムの配向角をθ度としたとき、下記(1a)
式、(1b)式、(1c)式を同時に満足することを特徴とする
コンデンサ用ポリエステルフィルムをその骨子とする。 1.000≦Mx/My≦1.100 ・・・(1a) 0.500≦M≦1.000 ・・・(1b) 0≦θ・(Mx/My)≦95 ・・・(1c)
【0009】
【発明の実施の形態】以下、さらに詳しく本発明につい
て説明する。
【0010】本発明に係るポリエステルフィルムは、透
過マイクロ波強度の面内角度分布において、透過マイク
ロ波強度をM、透過マイクロ波最大強度をMx、透過マ
イクロ波最小強度をMy、フィルム配向角をθ度とした
とき、下記(1a)式、(1b)式、(1c)式を同時に満たすこと
が肝要である。 1.000≦Mx/My≦1.100 ・・・(1a) 0.500≦M≦1.000 ・・・(1b) 0≦θ・(Mx/My)≦95 ・・・(1c) 透過マイクロ波強度Mが0.500より小さい場合、構
造的にフィルム自体の耐電圧が低いため、コンデンサと
したときの耐電圧を良好とすることができない。また、
透過マイクロ波強度Mが1.000より大きい場合は、
面内物性バランスがくずれ耐電圧の低下をもたらすため
好ましくない。また、透過マイクロ波強度の面内角度分
布において、透過マイクロ波最大強度Mx、透過マイク
ロ波最小強度My、配向角θが上記(1a)、(1c)式を満た
さない場合は、面内異方性が大きく物性バランスがくず
れるため好ましくない。
【0011】透過マイクロ波強度の測定方法は、公知の
マイクロ波分子配向法を用いることができる。例えば、
フィルムを適当なサイズにカットしたサンプルを作製
し、分子配向計を用いて測定することができる。
【0012】本発明の技術的背景を記載する。例えば、
2軸延伸フィルムの場合、延伸方向に垂直な方向(2軸
延伸であるので、長手方向及び幅方向)に透過マイクロ
波強度値が高くなり、それ以外の方向(斜め方向)では
透過マイクロ波強度値が低くなる傾向にある。ポリエス
テルフィルムの耐電圧を良好とするには、フィルム非晶
部での分子配向及び構造を制御する必要がある。マイク
ロ波分子配向法で測定される透過マイクロ波強度値は、
ポリエステルフィルムの耐電圧と深く関係するフィルム
の非晶部での分子配向及び構造を表すものとして適した
方法であり、従来の特定の方向に限定された弾性率、強
度、結晶配向等とは明らかに異なるものであることを見
出した。特に、マイクロ波分子配向法では、従来の電子
の動き易さ、分極率の差をとらえた屈折率測定法とは異
なり、ポリマー分子そのものとマイクロ波電磁波との相
互作用を透過マイクロ波強度としてとらえることで、好
適な分子配向及び構造を得ることが可能となった。
【0013】本発明において、マイクロ波分子配向法で
測定される透過マイクロ波強度値が、フィルム斜め方向
も含めて全方向で上記(1a)、(1b)式、(1c)式を満足する
ことが必要である。
【0014】また、本発明のフィルムの強度は、フィル
ム長手方向に平行な引張強度Ex(MPa)、フィルム
幅方向に平行な引張強度Ey(MPa)が下記(2a)式と
(2b)式を同時に満足することで、フィルムの製膜安定
性、生産性、耐電圧、加工性が向上するため好ましい。 Ex+Ey≧350 ・・・(2a) 0.70≦Ey/Ex≦1.35 ・・・(2b) ここで、フィルムの長手方向とは、フィルムの巻き取り
方向を言い、幅方向とは長手方向と直角の方向を言う。
また、引張強度Ex、Eyの測定方法は、公知の方法を用
いることができる。
【0015】本発明のコンデンサ用ポリエステルフィル
ムにおいて、素子サイズと製膜安定性の点から、重量法
によるフィルム厚みが0.5〜10.0μmであるのが
好ましい。より好ましくは0.8〜5.0μm、特に好
ましくは1.0〜3.0μmである。
【0016】また、本発明のコンデンサ用ポリエステル
フィルムにおいて、フィルム表面の中心面平均粗さSR
a(nm)とフィルム表面の粗さの最大高さSRmax
(nm)が下記の(3a)式と(3B)式を満足することで、フ
ィルムの製膜安定性、生産性、加工性が向上するため好
ましい。 30.0−2.0t1≦SRa≦100 (nm) ・・・(3a) 400≦SRmax≦1800 (nm) ・・・(3b) (但し、t1はフィルムのマイクロメータ法厚み(μ
m)とする。)また、フィルム表面粗さのより好ましい
範囲は、下記(4a),(4b)式で表される範囲である。 46.6−3.0t1≦SRa≦80 (nm) ・・・(4a) 450≦SRmax≦1400 (nm) ・・・(4b) 上記の(4a)、(4b)式を満足することで、さらに加工性、
耐電圧が良好になる。
【0017】本発明において、フィルムのマイクロメー
タ法厚みt1(μm)と、重量法厚みt2(μm)が、
下記(5)式を満足することが好ましい。 0.1≦t1−t2≦0.6 ・・・(5) 上記(5)式を満足することで、フィルムをロール状に
巻き取った際にフィルム層間のエアー量が少なく、スリ
ット加工性、蒸着加工性が良好となる。また、より好ま
しい範囲は、下記(6)式で表される範囲である。 0.1≦t1−t2≦0.4 ・・・(6) また、本発明のコンデンサ用ポリエステルフィルムの面
配向係数fnは、0.155〜0.180の範囲である
ことが耐電圧の観点から好ましい。特に好ましいのは、
0.160〜0.180の範囲である。面配向係数fn
が0.160〜0.180の範囲であると、より耐電圧
が良好となる。
【0018】本発明のコンデンサ用ポリエステルフィル
ムには電気伝導性のイオンなどが少ないことが、絶縁抵
抗および耐電圧の観点から好ましい。ポリエステルを重
合する際の触媒などとして、金属化合物を添加する場合
があるが、金属イオンはリンで失活されるので、フィル
ム中のCa、Mg、Li、Mnなどの金属元素の合計量
Mからリン量Pを差し引いたM−Pなる量をこの指標と
することができる。金属イオン残存量M−Pは、0〜2
00ppmであることが、絶縁抵抗、耐電圧性の観点か
ら好ましい。より好ましくは0〜170ppmであり、
さらに好ましくは0〜150ppmである。
【0019】また、Na、Li、Sb、Ca、Mg、M
n、Clの各元素のフィルム中の濃度をC(Na)、C
(Li)、C(Sb)、C(Ca)、C(Mg)、C
(Mn)、C(Cl)(ppm)としたとき、下記(7
a)式、(7b)式、(7c)式を同時に満足することが好
ましい。そのことで、キャスト性が向上し、破れや印加
ムラがなく安定したフィルム製膜が得やすく、絶縁抵抗
と耐電圧の良いポリエステルフィルムが得やすいからで
ある。 0.4≦C(Na)≦4.0 ・・・(7a) 100≦C(Li)+C(Sb)+C(Ca)+C(Mg)+C(Mn)≦10 00 ・・・(7b) 0≦C(Cl)≦2 ・・・(7c) 特に、Li、Sb、Ca、Mg、Mnの各元素のフィル
ム中の濃度C(Li)、C(Sb)、C(Ca)、C
(Mg)、C(Mn)(ppm)が、下記(7d)式を満
足することで、より絶縁抵抗と耐電圧の良いポリエステ
ルフィルムを得ることができる。 100≦C(Li)+C(Sb)+C(Ca)+C(Mg)+C(Mn)≦70 0 ・・・(7d) 本発明のコンデンサ用ポリエステルフィルムに用いられ
るポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸または脂肪族
ジカルボン酸とジオールを主たる構成成分とするポリエ
ステルである。ここで、芳香族ジカルボン酸として、例
えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4
−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカル
ボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−
ビフェニルジカルボン酸、4,4′−ビフェニルエーテ
ルジカルボン酸、4,4′−ビフェニルスルホンジカル
ボン酸等を用いることができる。中でもテレフタル酸、
イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ま
しく用いられる。脂肪族ジカルボン酸としては、例え
ば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジ
オン酸等を用いることができる。これらの酸成分は1種
のみ用いてもよく、2種以上併用してもよく、さらに
は、ヒドロキシ安息香酸等のオキシ酸等を一部共重合し
てもよい。また、ジオール成分としては、例えば、エチ
レングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−
プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−
ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペ
ンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−
シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサン
ジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリ
アルキレングリコール、2,2′−ビス(4′−β−ヒ
ドロキシエトキシフェニル)プロパン等を用いることが
できる。中でも、エチレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオールが好ましく用いら
れる。これらのジオール成分は1種のみ用いてもよく、
2種以上併用してもよい。
【0020】本発明のコンデンサ用ポリエステルフィル
ムに用いられるポリエステルの具体例としては、例え
ば、ポリエチレンテレフタレート、エチレンテレフタレ
ートとエチレンイソフタレートとの共重合体、エチレン
テレフタレートとエチレンナフタレートとの共重合体、
ヘキサメチレンテレフタレートとシクロヘキサンジメチ
レンテレフタレートとの共重合体、ポリエチレンテレフ
タレートとポリブチレンテレフタレートとのブレンド、
ポリエチレンテレフタレートとポリエーテルイミドのブ
レンド等を挙げることができる。耐電圧性と延伸性の点
から好ましくは、ポリエチレンテレフタレートである。
また、長期耐熱性の観点から、特に好ましくはポリエチ
レンテレフタレートとポリエーテルイミドとのブレンド
物である。
【0021】また、本発明のコンデンサ用ポリエステル
フィルムの熱収縮率は、長手方向で0.5〜5%、幅方
向で−1.0〜2.5%であることが、耐電圧の観点か
ら好ましい。より好ましくは、長手方向で1.0〜5.
0%、幅方向で0〜2.5%の範囲である。熱収縮率を
上記範囲にすることで、蒸着加工時のキャンとの密着性
がより良好となり加工性が向上するからである。
【0022】本発明のコンデンサ用ポリエステルフィル
ムの好ましい製造法を、以下に説明するが、本発明はこ
れに限定されるものではない。
【0023】本発明に使用するポリエステルは、次の方
法で製造することができる。例えば、酸成分をジオール
成分と直接エステル化反応させた後、この反応生成物を
減圧下で加熱して余剰のジオール成分を除去しつつ重縮
合させることによって製造する方法、酸成分としてジア
ルキルエステルを用い、これとジオール成分とでエステ
ル交換反応させた後、上記と同様に重縮合させることに
よって製造する方法等がある。この際、必要に応じて、
反応触媒としてアルカリ金属、アルカリ土類金属、マン
ガン、コバルト、亜鉛、アンチモン、ゲルマニウム、チ
タン化合物を用いることもできる。
【0024】本発明に使用するポリエステルには、必要
に応じて、着色防止剤(リン化合物)、難燃剤、熱安定
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、顔料、脂
肪酸エステル、ワックス等の有機滑剤、あるいはポリシ
ロキサン等の消泡剤等を配合することができる。さらに
は易滑性を付与するために、例えば、クレー、マイカ、
酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、湿式
あるいは乾式シリカなどの無機粒子や、アクリル酸系ポ
リマ類、ポリスチレン等を構成成分とする有機粒子等を
配合することもできる。また、ポリエステル重合反応時
に添加する触媒等が失活して形成される、いわゆる内部
粒子による方法も用いることができる。
【0025】透過マイクロ波強度を本発明の範囲内とす
るには、ポリエステルフィルムを延伸するのが有効であ
る。特に、二軸方向に延伸されていることが好ましい。
フィルムを二軸延伸する方法は、逐次二軸延伸法、同時
二軸延伸法のいずれの方法であってもよい。より好まし
くは、同時に二軸方向に延伸されていることで、透過マ
イクロ波強度を本発明の範囲内にすることが、より容易
に達成できる。
【0026】同時二軸延伸法の場合、例えば、インフレ
ーション同時二軸延伸法、ステンター同時二軸延伸法等
いずれの延伸方式を採用しても良いが、製膜安定性、厚
み均一性の点から、ステンター同時二軸延伸法が好まし
い。ステンター同時二軸延伸法の場合、例えば、ポリエ
ステルをTダイ押し出し法によってキャストドラム上に
押し出すことによって未延伸フィルムとし、次いで、長
手方向、幅方向に同時に延伸する。延伸温度は、延伸に
用いるポリエステルのガラス転移温度(Tg)と昇温結
晶化温度(Tcc)との間であることが好ましい。延伸
倍率は、特に限定されず、用いるポリマの種類によって
適宜選択されるが、好ましくは長手方向、幅方向それぞ
れ2〜8倍、より好ましくは3〜6倍が適当である。ま
た、二軸延伸後、長手方向または幅方向、あるいは長手
方向、幅方向に再延伸してもよい。特に透過マイクロ波
強度を本発明の範囲内にするには、長手方向の総延伸倍
率が幅方向の総延伸倍率の1.3倍以下にすることで、
より容易に達成でき、さらには再延伸を長手方向、幅方
向にそれぞれ1.05〜2.50倍同時に延伸すること
がとくに好ましい。特に同時二軸延伸の場合、縦横同時
に3.5〜4.5倍延伸することで、容易に引張強度を
(2a)、(2b)式の範囲にすることができ、また面配向係数
を0.155〜0.180の範囲とすることが可能とな
る。
【0027】さらに、二軸延伸後のフィルムを熱処理し
てもよい。熱処理温度は、フィルムの温度にして180
℃〜240℃の範囲で2〜30秒間行うのが、耐電圧向
上の点で好ましい。熱処理に引き続き、弛緩処理を1〜
10%の範囲で行なっても良い。熱処理して得られたフ
ィルムをいったん室温程度まで冷却した後、さらに40
〜90℃の比較的低温で、5秒から1週間程度エージン
グすることも好ましい方法である。エージングを行なう
ことで、耐電圧をさらに良好とすることができる。フィ
ルム表面に金属膜を設ける場合は、エージングは、金属
膜を設けた後に行なっても良い。
【0028】本発明において、ポリエステルフィルムの
表面粗さを制御する手段としては、例えば、ポリエステ
ルフィルム中に不活性粒子を添加することにより所望の
表面が得られる。さらに例示するならば、添加する不活
性粒子として、シリカ、炭酸カルシウム、酸化チタン、
カオリン、タルク、アルミナなどを用いることができ
る。さらに架橋高分子粒子などを用いることもできる。
重合段階でこれらの粒子を添加する場合、均一に分散さ
せることが好ましい。分散が良好でないとフィルム表面
の粗大突起の原因となり、絶縁抵抗、耐電圧に悪影響を
及ぼすことがある。ジェットアジタによる分散やメディ
ヤ分散を行なうことは、本発明の好ましい表面粗さを得
るのに効果的である。
【0029】フィルム上にプライマー層を設ける場合に
は、プライマー層に粒子を添加し、所望の表面粗さを得
ることもできる。
【0030】本発明において、フィルム表面に金属膜を
設けて金属化フィルムとする方法は特に限定されない
が、例えば、ポリエステルフィルムの少なくとも片面
に、アルミニウムを蒸着してコンデンサの内部電極とな
るアルミニウム蒸着膜等の金属膜を設ける方法が好まし
く用いられる。このとき、アルミニウムと同時あるいは
逐次に、例えば、ニッケル、銅、金、銀、クロム、亜鉛
などの他の金属成分を蒸着することもできる。また、蒸
着膜上にオイルなどで保護層を設けることもできる。金
属膜の厚さはコンデンサの電気特性とセルフヒール性の
点から20〜100nmの範囲であることが好ましい。
また、同様の理由により、金属膜の表面電気抵抗値が1
〜20Ω/□の範囲であることが好ましい。表面電気抵
抗値は、使用する金属種と膜厚で制御可能である。ここ
で、表面電気抵抗は、公知の方法で測定することができ
る 本発明では、必要により、金属膜を形成後、特定の温度
でエージング処理を行なったり、熱処理を行なったりす
ることができる。また、絶縁もしくは他の目的で、金属
化フィルムの少なくとも片面に、ポリフェニレンオキサ
イド等のコーティングを施すこともできる。
【0031】このようして得られた金属化フィルムは、
公知の方法で積層もしくは巻回してフィルムコンデンサ
を得ることができる。巻回型フィルムコンデンサの好ま
しい製造方法を例示する。ポリエステルフィルムの両面
にアルミニウムを真空蒸着する。その際、長手方向に走
るマージン部を有するストライプ状に蒸着する。任意の
片面を表面と規定し、表面と裏面のパターンは交互にな
るようにずらして蒸着する。次に、表面の各蒸着部の中
央と各マージン部の中央に刃を入れてスリットし、表面
が一方にマージンを有し、裏面が反対側にマージンを有
するような、テープ状の巻取リールとする。得られたリ
ールと、金属膜を有しない合わせフィルム各1本ずつ
を、幅方向に金属化フィルムが合わせフィルムよりはみ
出すように2枚重ね合わせて巻回し、巻回体を得る。こ
の巻回体から芯材を抜いてプレスし、両端面にメタリコ
ンを溶射して外部電極とし、メタリコンにリード線を溶
接して巻回型コンデンサ素子を得ることができる
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき説明する。な
お、物性の測定は下記の方法で実施した。
【0033】(1)透過マイクロ波強度、配向角(M、
Mx、My、θ) フィルムの長手方向、幅方向にそれぞれ長さ10cmに
カットした正方形のサンプルをそれぞれ5枚採取した。
サンプルをKSシステムズ製分子配向計(MOA-2001A
型)を用いてフィルム長手方向を0度と定義して分子の
配向主軸の傾きを測定し、その絶対値を配向角とし測定
した。サンプル数5個の平均で表した。
【0034】(2)引張強度(EX、EY) フィルムの長手方向、幅方向にそれぞれ幅1.0cm、
長さ20cmにカットした短冊状のサンプルをそれぞれ
5枚採取した。サンプルを東洋測機製テンシロン引張試
験機で、試験長10cmで把持し速度30cm/分でフ
ィルムが破断するまで引っ張り、荷重−伸びの関係を記
録する。その際の最大荷重を引張強度とし、各方向につ
いてサンプル数5個の平均で表した。
【0035】(3)面配向係数(fn) JIS−K7105に規定された方法に従って、ナトリ
ウムD線を光源としてアッベ屈折率計を用いて長手方
向、幅方向、厚さ方向の屈折率を測定した(それぞれn
MD、nTD、nZDとする)。ここで、マウント液は
ヨウ化メチレンを用い、25℃、65%RHにて測定し
た。次に下記の式により面配向係数fnを算出した。 面配向係数fn={(nMD+nTD)/2}−nZD (4)フィルムの表面粗さ(中心面平均粗さSRa,粗
さの最大高さSRmax) 小坂研究所製の3次元表面粗さ計ETB−30HKを用
い、触針式で以下の条件で測定した。 触針先端径 :2μm 触針加重 :10mg 測定長 :1mm 送りピッチ :50μm 測定本数 :40本 カットオフ値:0.25mm 上記の条件で、粗さ曲面f(x,y)が得られたとき、
SRaは下記式で与えられる。
【0036】
【数式1】
【0037】(但し、lx;測定長=1mm、ly=(送
りピッチ)・(測定本数)=2mm、S=lx・lyであ
る。) 上記測定範囲の最大の山と最深の谷を平均面と平行な2
面で挟み、その間隔を粗さの最大高さSRmaxとする。
【0038】(5)フィルム厚み ・マイクロメータ法厚み:測定試料をマイクロメーター
を用いて、フィルムの幅と長さ方向にそれぞれ10点を
測定しその平均値を用いた。 ・重量法厚み:測定試料の重量を測定し、下記計算式よ
り求めた。 t2(μm)=フィルム重量(g)/{(フィルム幅
(m)・フィルム長さ(m)・密度)} (但し、ポリエチレンテレフタレートの密度を1.40
とした)。
【0039】(6)コンデンサ製造の際の加工性(素子
巻収率) ポリエステルフィルムの片面に、表面抵抗が2Ω/□と
なるようにアルミニウムを真空蒸着した。その際、長手
方向に走るマージン部を有するストライプ状に蒸着した
(蒸着部の幅39.0mm、マージン部の幅1.0mm
の繰り返し)。次に各蒸着部の中央と各マージン部の中
央に刃を入れてスリットし、左もしくは右に0.5mm
のマージンを有する全幅20mmのテープ状に巻取リー
ルにした。得られたリールの左マージンおよび右マージ
ンのもの各1本ずつを、幅方向に蒸着部分がマージン部
より0.5mmはみ出すように2枚重ね合わせて巻回
し、静電容量約20μFの巻回体を得た。素子巻回には
皆藤製作所製KAW−4NHBを用いた。この巻回体か
ら芯材を抜いて、そのまま130℃、20kg/cm 2
の温度、圧力で5分間プレスした。この両端面にメタリ
コンを溶射して外部電極とし、メタリコンにリード線を
溶接して巻回型コンデンサ素子を得た。上記のコンデン
サの製造の際、巻き始めから巻き終わりまでを目視で観
察し、しわやずれが発生したものを不合格とし、不合格
となったものの数の製造数全体に対する割合を百分率で
示し加工性の指標とした(以下素子巻収率と称する)。
素子巻収率は高いほど好ましい。95%以上を良好
「○」、95%未満80%以上を「△」、80%未満を
不良「×」とした。「△」以上が実用可能なレベルであ
る。
【0040】(7)耐電圧評価 上記の方法で得たコンデンサ素子を試料とし、春日製高
電圧直流電源を用いて、100V/sの速度で昇圧しな
がら電圧を印加し、10mA以上流れた時に絶縁破壊し
たとした。絶縁破壊電圧は、50個の測定結果の平均値
をフィルム厚みで割り返した値を耐電圧とした。耐電圧
0.350kv/μm以上を良好と評価し○、0.35
0kv/μm未満を不良と評価し×とした。
【0041】(8)製膜安定性評価 230m/minの製膜速度において、フィルムのし
わ、破れ等を目視観察により評価した。評価は、下記の
とおりである。フィルムにしわ、印加ムラ、破れがなか
った場合を、「○」。フィルムにしわ、印加ムラ、破れ
の発生が、24時間の製膜につき1〜2回目視観察した
場合を、「△」。フィルムにしわ、印加ムラ、破れの発
生が、24時間の製膜につき3回以上目視観察した場合
を、「×」とした。「△」以上が、製膜時の実用可能な
レベルである。
【0042】(実施例1)ポリエステル樹脂として、ポ
リエチレンテレフタレートを用いた。重合段階に平均粒
径1.5μmの凝集シリカ粒子を0.35重量%、重合
触媒として酢酸カルシウム250ppm、三酸化アンチモ
ン250ppm、亜リン酸とジメチルフェニルホスホネー
トの混合リン化合物130ppmを公知の方法で添加し
チップを製造した。このチップを180℃で真空乾燥
し、押出機に供給し、285℃で溶融させた後、Tダイ
より吐出させシート化し、冷却ドラムにてキャストし
た。このシートを同時二軸延伸機にて長手方向、幅方向
同時に95℃で3.7倍に延伸し、引き続き215℃で
熱処理した後、幅方向に170℃で5%弛緩処理をし、
重量法厚みで2.0μm、マイクロ法厚みで2.25μ
mの二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの表面
粗さは、SRa=48.5nm、SRmax=1233
nmで、面配向係数は0.167で、Mx/My=1.
032、0.802≦M≦0.828、配向角38度で
あった。フィルム製膜は、キャスティング時の静電印加
ムラがフィルム端部に発生(2回/24時間)したが問
題ないレベルであった。しわ、破れ等は観察されず、製
膜性は良好「△」であった。得られた二軸延伸フィルム
の片面に表面抵抗が2Ω/□となるようにアルミニウム
を真空蒸着した後、巻回してコンデンサを得た。その結
果、素子巻収率が99%、耐電圧0.373kVであっ
た。結果をまとめて表1に示す。
【0043】(実施例2)同時二軸延伸機にて長手方
向、幅方向同時に95℃で2.8倍延伸した後、更に1
80℃で長手方向、幅方向同時に1.3倍延伸した他
は、実施例1と同様にしてフィルムを製造し、コンデン
サを得た。フィルムは、重量法厚みで2.0μm、マイ
クロ法厚みで2.32μmの二軸延伸フィルムであり、
フィルムの表面粗さは、SRa=51.7nm、SRm
ax=1279nmで、面配向係数は0.168で、M
x/My=1.013、0.800≦M≦0.810、
配向角44度であった。フィルム製膜は、キャスティン
グ時の静電印加ムラ、しわ、破れ等は観察されず、製膜
性は良好「○」であった。得られた二軸延伸フィルムの
片面に表面抵抗が2Ω/□となるようにアルミニウムを
真空蒸着した後、巻回してコンデンサを得た。その結
果、素子巻収率が99%、耐電圧0.396kVであっ
た。
【0044】(実施例3)同時二軸延伸機にて長手方
向、幅方向同時に95℃で3.8倍延伸した後、更に1
80℃で長手方向、幅方向同時に1.3倍延伸した他
は、実施例1と同様にしてフィルムを製造し、コンデン
サを得た。フィルムは、重量法厚みで2.0μm、マイ
クロ法厚みで2.32μmの二軸延伸フィルムであり、
フィルムの表面粗さは、SRa=50.9nm、SRm
ax=1300nmで、面配向係数は0.170で、M
x/My=1.021、0.795≦M≦0.812、
配向角40度であった。フィルム製膜は、キャスティン
グ時の静電印加ムラ、しわ、破れ等は観察されず、製膜
性は良好「○」であった。また、コンデンサ素子の素子
巻収率は97%であり、耐電圧は0.390kVであっ
た。
【0045】(実施例4)同時二軸延伸機にて長手方
向、幅方向同時に95℃で3.8倍延伸した他は、実施
例1と同様にしてフィルムを製造し、コンデンサを得
た。フィルムは、重量法厚みで2.0μm、マイクロ法
厚みで2.31μmの二軸延伸フィルムであり、フィル
ムの表面粗さは、SRa=52.4nm、SRmax=
1208nmで、面配向係数は0.167で、Mx/M
y=1.025、0.768≦M≦0.787、配向角
48度であった。フィルム製膜は、キャスティング時の
静電印加ムラ、しわ、破れ等は観察されず、製膜性は良
好「○」であった。得られた二軸延伸フィルムの片面に
表面抵抗が2Ω/□となるようにアルミニウムを真空蒸
着した後、巻回してコンデンサを得た。その結果、素子
巻収率が99%、耐電圧0.384kVであった。
【0046】(実施例5)チップ中の凝集シリカ粒子添
加量を0.15重量%とした他は、実施例1と同様にし
てフィルムを製造し、コンデンサを得た。フィルムは重
量法厚みで2.0μm、マイクロ法厚みで2.12μm
の二軸延伸フィルムであり、フィルムの表面粗さは、S
Ra=26.5nm、SRmax=895nmで、面配
向係数は0.167で、Mx/My=1.048、0.
788≦M≦0.826、配向角25度であった。フィ
ルム製膜は、キャスティング時の静電印加ムラがフィル
ム端部に発生(2回/24時間)したが問題ないレベル
であった。その他、しわ、破れ等は観察されず、製膜性
は良好「△」であった。得られた二軸延伸フィルムの片
面に表面抵抗が2Ω/□となるようにアルミニウムを真
空蒸着した後、巻回してコンデンサを得た。その結果、
素子巻収率が83%、耐電圧0.360kVであった。
【0047】(比較例1)同時二軸延伸機にて長手方
向、幅方向同時に95℃で3.7倍延伸した後、更に1
80℃で長手方向に1.5倍延伸した他は、実施例1と
同様にしてフィルムを製造し、コンデンサを得た。フィ
ルムは、重量法厚みで2.0μm、マイクロ法厚みで
2.28μmの二軸延伸フィルムであり、フィルムの表
面粗さは、SRa=49.8nm、SRmax=125
0nmで、面配向係数は0.171で、Mx/My=
1.110、0.656≦M≦0.728、配向角10
度であった。フィルム製膜は、キャスティング時の静電
印加ムラ、しわ、破れ等は観察されず、製膜性は良好
「○」であった。また、コンデンサ素子の素子巻収率は
97%であり、耐電圧は0.320kVであった。Mx
/Myの値が大きすぎる本比較例は、耐電圧が低かっ
た。
【0048】(比較例2)95℃で長手方向に6.0倍
延伸した後、105℃で幅方向に3.5倍に延伸した他
は、実施例1と同様にしてフィルムを製造し、コンデン
サを得た。フィルムは、重量法厚みで2.0μm、マイ
クロ法厚みで2.19μmの二軸延伸フィルムであり、
フィルムの表面粗さは、SRa=48.2nm、SRm
ax=1250nmで、面配向係数は0.167で、M
x/My=1.347、0.498≦M≦0.671、
配向角15度であった。フィルム製膜は、キャスティン
グ時の静電印加ムラがフィルム端部に発生(2回/24
時間)したが問題ないレベルであった。その他、しわ、
破れ等は観察されず、製膜性は良好「△」であった。ま
た、コンデンサ素子の素子巻収率は97%であり、耐電
圧は0.250kVであった。Mx/Myの値が大きす
ぎる本比較例は、耐電圧が低かった。
【0049】(比較例3)チップ中の凝集シリカ粒子添
加量を0.10重量%とし、95℃で長手方向に2.5
倍延伸した後、105℃で幅方向に5.5倍に延伸した
他は、実施例1と同様にしてフィルムを製造し、コンデ
ンサを得た。フィルムは、重量法厚みで2.0μm、マ
イクロ法厚みで2.15μmの二軸延伸フィルムであ
り、フィルムの表面粗さは、SRa=23.7nm、S
Rmax=750nmで、面配向係数は0.167で、
Mx/My=1.138、0.720≦M≦0.81
9、配向角85度であった。フィルム製膜は、キャステ
ィング時の静電印加ムラがフィルム端部に発生(2回/
24時間)したが問題ないレベルであった。その他、し
わ、破れ等は観察されず、製膜性は良好「△」であっ
た。また、コンデンサ素子の素子巻収率は70%であ
り、耐電圧は0.290kVであった。Mx/Myの値
が大きすぎる本比較例は、耐電圧が低かった。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、高い生産性および加工
性を有し、かつ耐電圧の高いコンデンサ用ポリエステル
フィルムを提供することができ、実用性の高いフィルム
コンデンサを提供することができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透過マイクロ波強度の面内角度分布におい
    て、透過マイクロ波強度をM、透過マイクロ波最大強度
    をMx、透過マイクロ波最小強度をMy、フィルムの配
    向角をθ度としたとき、下記(1a)式、(1b)式、(1c)を同
    時に満足することを特徴とするコンデンサ用ポリエステ
    ルフィルム。 1.000≦Mx/My≦1.100 ・・・(1a) 0.500≦M≦1.000 ・・・(1b) 0≦θ・(Mx/My)≦95 ・・・(1c) (但し、配向角とは分子の配向主軸がフィルムの長手方
    向に対してなす角をいう。)
  2. 【請求項2】フィルム長手方向に平行な引張強度をEx
    (MPa)、フィルム幅方向に平行な引張強度をE
    y(MPa)としたとき、下記(2a)式、(2b)式を
    同時に満たすことを特徴とする請求項1に記載のコンデ
    ンサ用ポリエステルフィルム。 Ex+Ey≧350 ・・・(2a) 0.70≦Ey/Ex≦1.35 ・・・(2b)
  3. 【請求項3】重量法によるフィルム厚みが0.5〜1
    0.0μmであることを特徴とする請求項1または2に
    記載のコンデンサ用ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】フィルム表面の中心面平均粗さをSRa
    (nm)、フィルム表面の粗さの最大高さをSRmax
    (nm)としたとき、下記(3a)式、(3b)式を同時に満た
    すことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコ
    ンデンサ用ポリエステルフィルム。 30.0−2.0t1≦SRa≦100 (nm) ・・・(3a) 400≦SRmax≦1800 (nm) ・・・(3b) (但し、t1はフィルムのマイクロメータ法厚み(μ
    m)とする。)
  5. 【請求項5】面配向係数fnが0.155〜0.180
    であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    のコンデンサ用ポリエステルフィルム。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載のコンデン
    サ用ポリエステルフィルムの少なくとも片面に金属膜を
    設けてなる金属化フィルム。
  7. 【請求項7】金属膜の表面電気抵抗が、1〜20Ω/□
    の範囲であることを特徴とする請求項6記載の金属化フ
    ィルム。
  8. 【請求項8】請求項6または7に記載の金属化フィルム
    を用いてなるフィルムコンデンサ。
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