JP7001889B2 - フィルムコンデンサ、コンデンサユニットおよびフィルムコンデンサの製造方法 - Google Patents

フィルムコンデンサ、コンデンサユニットおよびフィルムコンデンサの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、フィルムコンデンサおよびフィルムコンデンサの製造方法に関する。また、本発明は、フィルムコンデンサがケースに収容されてなるフィルムコンデンサユニットに関する。
従来、外部引き出し端子(バスバー)が接続された複数のコンデンサ素子(フィルムコンデンサ)を、上面が開口するケース内に収納し、当該ケース内に充填樹脂を充填するようにした金属化フィルムコンデンサ(コンデンサユニット)が知られている(特許文献1参照)。各コンデンサ素子は、ポリプロピレン等のフィルムの表面にアルミニウム等の金属を蒸着してなる2枚の金属化フィルムを重ねて巻回し、巻回された金属フィルムの両端面に亜鉛等の金属を溶射しメタリコン電極を形成することにより製作される。
かかるコンデンサユニットでは、従来、複数個のフィルムコンデンサとバスバーとをケースに収容し充填樹脂を充填する工程において、固定用の治具が用いられる。バスバーとケースの両者は固定用の治具によって固定され、バスバーがケースに対して位置決めされる。これにより、バスバーの寸法精度が確保される。しかしながら、このように治具が用いられる場合、コンデンサユニットに応じた治具の準備が必要となり、製造コストが高くなるとともに、バスバーとケースとを治具に対して装着および離脱させる工程が必要となり、コンデンサユニットの組立工数が多くなる。
そこで、治具レス化を図るために、嵌合等を用いた位置決め構造をバスバーとケースとの間に設ける手法が採られ得る。
特開2015-103777号公報
上記のコンデンサユニットでは、ケース内の充填樹脂を硬化させるためにケース内が加熱される。この際、ケース内に収容されたフィルムコンデンサが高温に晒され、フィルムコンデンサが熱膨張する。
上記のように、バスバーとケースとの間に位置決め構造が設けられることで、コンデンサユニットが固定用の治具で固定されていない場合、熱膨張したフィルムコンデンサの形状に応じた形状で充填樹脂が硬化することにより、充填樹脂が硬化した後のコンデンサユニットに歪みが生じ得る。
発明者らが、上記のような治具レスのコンデンサユニットの製造を試みたところ、製造されたコンデンサユニットの歪み状態にばらつきが生じることが判明した。発明者らが原因を究明したところ、フィルムコンデンサが高温に晒されたときの熱挙動(熱膨張の仕方)が、フィルムコンデンサが製造された過程に起因してばらつくことによるものであることが分かった。
製造されたフィルムコンデンサの中には、熱膨張した際、その外周面における扁平に押しつぶされた両側の平坦部分が均一に膨張しないことによって、一端面側と他端面側とが捩じれるような、いびつな変形を起こすものがある。このように、いびつに変形するフィルムコンデンサが含まれるコンデンサユニットでは、コンデンサユニット自身も捩じれるようにいびつに変形してしまい、その結果、バスバーの先端部にある、外部端子と接続される接続端子部の位置が正常な位置から大きくずれてしまい、製品不良となる虞がある。
フィルムコンデンサを構成する2枚の誘電体フィルムは、2軸延伸されたフィルムである原反フィルムを幅方向に複数に分割することにより形成された、同じ分割フィルムから作られる。分割フィルムは、取り出される原反フィルムの位置に応じて配向主軸の方向が異なってくる。即ち、原反フィルムでは、幅方向における中央位置での配向主軸の方向が原反フィルムの左右の端面とほぼ平行な方向となり、左右の端面に近づくに従って、配向主軸が平行な方向に対して近づく端面の方向に傾いていく。よって、原反フィルムの両端面に平行な基準方向に対して配向主軸がなす鋭角側の角度を配向角と定義し、フィルム面に垂直な方向から見たときにおける基準方向から一方側への回転を表す配向角の符号を正、他方側への回転を表す配向角の符号を負と定義したとき、原反フィルムの中央に位置する分割フィルムでは、配向角がほぼ0°となり、原反フィルムの端面に近い分割フィルム程、配向角の絶対値が大きくなる。
発明者らが、より深く原因を究明したところ、原反フィルムの端面に近い、即ち配向角の絶対値が大きい、同じ分割フィルムから作られた2枚の誘電体フィルムでフィルムコンデンサが構成される場合、フィルムコンデンサが熱膨張したときに、外周面の平坦部分が均一に膨張せず、フィルムコンデンサに、一端面側と他端面側とが捩じれるような、いびつな変形が生じることが判明した。
そこで、本発明は、高温状態に晒された際のいびつな変形を抑えることができるフィルムコンデンサ、かかるフィルムコンデンサを備えるフィルムコンデンサユニット、および、かかるフィルムコンデンサの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、互いに平行な第1端面および第2端面を有し、前記第1端面には第1電極、前記第2端面には第2電極がそれぞれ形成され、前記第1電極につながる第1金属層と、前記第1電極および前記第2電極につながる樹脂製の第1フィルムと、前記第2電極につながる第2金属層と、前記第1電極および前記第2電極につながる樹脂製の第2フィルムとがこの順に重ねられた状態で巻回または積層されてなるフィルムコンデンサに関する。本態様に係るフィルムコンデンサは、前記第1および第2フィルムのフィルム面内において、配向主軸が前記第1および第2端面に平行な基準方向に対してなす鋭角側の角度を配向角と定義し、前記第1および第2フィルムの前記第2金属層を介して対向する箇所をフィルム面に垂直な同一方向から見たときにおける、前記基準方向から一方側への回転を表す配向角の符号を正、他方側への回転を表す配向角の符号を負と定義したとき、前記第1フィルムの配向角αと、前記第2フィルムの配向角βとが、符号が異なる。
本発明の第2の態様は、互いに平行な第1端面および第2端面を有し、前記第1端面には第1電極、前記第2端面には第2電極がそれぞれ形成され、前記第1電極につながる第1金属層と、前記第1電極および前記第2電極につながる樹脂製の第1フィルムと、前記第2電極につながる第2金属層と、前記第1電極および前記第2電極につながる樹脂製の第2フィルムとがこの順に重ねられた状態で巻回または積層されてなるフィルムコンデンサに関する。本態様に係るフィルムコンデンサは、前記第1および第2フィルムのフィルム面内において、配向主軸が前記第1および第2端面に平行な基準方向に対してなす鋭角側の角度を配向角と定義し、前記第1および第2フィルムの前記第2金属層を介して対向する箇所をフィルム面に垂直な同一方向から見たときにおける、前記基準方向から一方側への回転を表す配向角の符号を正、他方側への回転を表す配向角の符号を負と定義したとき、前記第1フィルムの配向角αと、前記第2フィルムの配向角βの関係が、-20°<α+β<+20°である。
本発明の第3の態様に係るコンデンサユニットは、第1または第2の態様に係るフィルムコンデンサと、前記フィルムコンデンサの前記第1電極および前記第2電極に接続される第1バスバーおよび第2バスバーと、前記フィルムコンデンサ、前記第1バスバーおよび前記第2バスバーが収容されるケースと、前記ケース内に充填される熱硬化性の充填樹脂と、を備える。
本発明の第4の態様に係るフィルムコンデンサの製造方法は、2軸延伸されたフィルムである原反フィルムを幅方向に複数に分割することにより形成した第1分割フィルムを準備する工程と、前記原反フィルムまたは前記原反フィルムとは別に準備した2軸延伸されたフィルムである原反フィルムから分割され、前記第1分割フィルムとは前記原反フィルム上の幅方向において異なる位置から取り出された第2分割フィルムを準備する工程と、前記第1分割フィルムおよび前記第2分割フィルムの一方の表面に金属蒸着を施すことによりそれぞれ第1金属層および第2金属層を形成する工程と、一方の表面にそれぞれ前記第1金属層および前記第2金属層を形成した前記第1分割フィルムおよび前記第2分割フィルムを所定の幅に細分化することにより、第1細分化フィルムおよび第2細分化フィルムを形成する工程と、前記第1細分化フィルムおよび前記第2細分化フィルムを重ねた状態で巻回または積層する工程と、巻回または積層した前記第1細分化フィルムおよび前記第2細分化フィルムの両端面に一対の電極を形成する工程と、を含む。
本発明の第5の態様に係るフィルムコンデンサの製造方法は、2軸延伸されたフィルムである原反フィルムを幅方向に複数に分割することにより形成した第1分割フィルムを準備する工程と、前記原反フィルムまたは前記原反フィルムとは別に準備した2軸延伸されたフィルムである原反フィルムから分割され、前記第1分割フィルムと前記原反フィルム上の幅方向において同じ位置または隣接する位置から取り出された第2分割フィルムを準備する工程と、前記第1分割フィルムの一方の表面に金属蒸着を施すことにより第1金属層を形成する工程と、前記第2分割フィルムの一方の表面であって、前記原反フィルムまたは前記原反フィルムとは別に準備した2軸延伸されたフィルムである原反フィルムにおける面が前記第1分割フィルムの一方の表面の裏面になる面に金属蒸着を施すことにより第2金属層を形成する工程と、一方の表面にそれぞれ前記第1金属層および前記第2金属層を形成した前記第1分割フィルムおよび前記第2分割フィルムを所定の幅に細分化することにより、第1細分化フィルムおよび第2細分化フィルムを形成する工程と、前記第1細分化フィルムおよび前記第2細分化フィルムを重ねた状態で巻回または積層する工程と、巻回または積層した前記第1細分化フィルムおよび前記第2細分化フィルムの両端面に一対の電極を形成する工程と、を含む。
本発明の第6の態様に係るフィルムコンデンサの製造方法は、2軸延伸されたフィルムである原反フィルムを幅方向に複数に分割することにより形成した分割フィルムを準備する工程と、前記分割フィルムの一方の表面に金属蒸着を施すことにより所定の幅で前記分割フィルムの長手方向に伸びた第1金属層を形成し、前記分割フィルムの他方の表面の前記第1金属層と対向しない位置に金属蒸着を施すことにより所定の幅で前記分割フィルムの長手方向に伸びた第2金属層を形成する工程と、一方の表面に前記第1金属層を有し他方の表面に前記第2金属層を有する前記分割フィルムを細分化することにより、前記第1金属層を有する第1細分化フィルムおよび前記第2金属層を有する第2細分化フィルムを形成する工程と、前記第1細分化フィルムと前記第2細分化フィルムを重ねた状態で巻回または積層する工程と、巻回または積層した前記第1細分化フィルムおよび前記第2細分化フィルムの両端面に一対の電極を形成する工程と、を含む。
本発明によれば、高温状態に晒された際のいびつな変形を抑えることができるフィルムコンデンサ、かかるフィルムコンデンサを備えるフィルムコンデンサユニット、および、かかるフィルムコンデンサの製造方法を提供することができる。
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
図1(a)は、実施の形態に係る、フィルムコンデンサの斜視図であり、図1(b)は、実施の形態に係る、図1(a)のA-A´線で切断された、フィルムコンデンサの縦断面図であり、図1(c)は、実施の形態に係る、コンデンサ本体の斜視図である。 図2(a)は、実施の形態に係る、フィルムコンデンサを端面方向から見た図であり、図2(b)は、実施の形態に係る、フィルムコンデンサを、図2(a)のP方向から見た図である。図2(c)は、実施の形態に係る、フィルムコンデンサを端面方向から見た図であり、図2(d)は、実施の形態に係る、フィルムコンデンサを、図2(c)のP方向から見た図である。 図3は、実施の形態に係る、フィルムコンデンサの製造工程を示すフローチャートである。 図4は、実施の形態に係る、フィルムコンデンサの製造工程の流れについて説明するための図である。 図5は、実施の形態に係る、フィルムコンデンサの製造工程の流れについて説明するための図である。 図6は、実施の形態に係る、分割フィルム準備工程で準備される分割フィルムについて説明するための図である。 図7(a)は、実施の形態に係る、金属蒸着工程について説明するための図であり、図7(b)は、実施の形態に係る、フィルム巻回工程について説明するための図である。 図8は、実施の形態に係る、コンデンサユニットの斜視図である。 図9は、実施の形態に係る、コンデンサユニットの分解斜視図である。 図10(a)ないし(d)は、本実施の形態の効果について説明するための図である。 図11は、変更例1に係る、フィルムコンデンサの製造工程について説明するための図である。 図12は、変更例1に係る、フィルム巻回工程について説明するための図である。 図13は、変更例2に係る、フィルムコンデンサの製造工程について説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
本実施の形態において、低条フィルム600Lおよび高条フィルム600Hが、それぞれ、特許請求の範囲に記載の「第1分割フィルム」および「第2分割フィルム」に対応する。また、低条細分化フィルム800Lおよび高条細分化フィルム800Hが、それぞれ、特許請求の範囲に記載の「第1細分化フィルム」および「第2細分化フィルム」に対応する。
ただし、上記記載は、あくまで、特許請求の範囲の構成と実施形態の構成とを対応付けることを目的とするものであって、上記対応付けによって特許請求の範囲に記載の発明が実施形態の構成に何ら限定されるものではない。
<フィルムコンデンサの構成>
まず、本実施の形態に係るフィルムコンデンサ10について説明する。フィルムコンデンサ10は、後述する本実施の形態に係るフィルムコンデンサ10の製造方法により製造される。
図1(a)は、本実施の形態に係る、フィルムコンデンサ10の斜視図であり、図1(b)は、本実施の形態に係る、図1(a)のA-A´線で切断された、フィルムコンデンサ10の縦断面図であり、図1(c)は、本実施の形態に係る、コンデンサ本体100の斜視図である。なお、図1(b)では、コンデンサ本体100を構成する第1金属層110、第1フィルム120、第2金属層130および第2フィルム140の一部が図示され、残りの部分は図示が省略されて斜線で示されている。図1(c)では、便宜上、第1フィルム120および第2フィルム140の一部が、剥がされた状態であって、端部が揃っていない状態で示されている。
フィルムコンデンサ10は、コンデンサ本体100と、外装フィルム200と、第1電極300と、第2電極400とを備える。フィルムコンデンサ10は、断面が長円である扁平な円柱形状に形成され、その外周面の上下両側に平坦部10aを有する。
コンデンサ本体100は、第1金属層110と、第1フィルム120と、第2金属層130と、第2フィルム140とがこの順に重ねられた状態で巻回または積層されることにより形成される。第1フィルム120および第2フィルム140は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン・テレフタレート(PET)、ポリエチレン・ナフタレート(PEN)などの樹脂材料からなる誘電体フィルムである。第1金属層110および第2金属層130は、それぞれ、第1フィルム120および第2フィルム140の表面に、アルミニウム、亜鉛、マグネシウムなどの金属、あるいはこれら金属どうしの合金を蒸着させることにより形成され、内部電極となる。
外装フィルム200は、コンデンサ本体100の外周面に複数回(複数ターン)巻かれる。これにより、コンデンサ本体100の外周面は、複数層の外装フィルム200で被覆される。外装フィルム200に保護されることにより、コンデンサ本体100の傷つき、破損などが防止される。外装フィルム200の材質として、たとえば、第1フィルム120および第2フィルム140の材質と同じ、PP、PET、PENなどを挙げることができる。
第1電極300および第2電極400は、それぞれ、フィルムコンデンサ10の第1端面および第2端面であるコンデンサ本体100の第1端面101および第2端面102に、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム等の金属を溶射することにより形成される。第1電極300および第2電極400には、フィルムコンデンサ10から電気を引き出すため、バスバーなどの引き出し端子が接続される。
第1金属層110は、第1電極300につながり、第2電極400と所定の絶縁距離だけ離される。第2金属層130は、第2電極400につながり、第1電極300と所定の絶縁距離だけ離される。第1フィルム120および第2フィルム140は、第1電極300および第2電極400につながる。
図2(a)は、本実施の形態に係る、フィルムコンデンサ10を端面方向から見た図であり、図2(b)は、本実施の形態に係る、フィルムコンデンサ10を、図2(a)のP方向から見た図である。図2(c)は、本実施の形態に係る、フィルムコンデンサ10を端面方向から見た図であり、図2(d)は、本実施の形態に係る、フィルムコンデンサ10を、図2(c)のP方向から見た図である。なお、図2(a)、(b)、(c)および(d)では、便宜上、外装フィルム200、第1電極300および第2電極400の図示が省略されている。また、図2(a)および(c)では、便宜上、第1金属層110、第1フィルム120、第2金属層130および第2フィルム140の一部が図示され、図2(a)および(b)では、便宜上、第1フィルム120上に重なる第2金属層130および第2フィルム140の一部が切り取られた状態にある。
第1フィルム120および第2フィルム140のフィルム面内において、配向主軸MAが第1端面101および第2端面102に平行な基準方向RDに対してなす鋭角側の角度を配向角と定義する。さらに、第1フィルム120および第2フィルム140の第2金属層130を介して対向する箇所をフィルム面に垂直な同一方向、即ち図2(a)および(c)のP方向から見たときにおける、基準方向RDから第2端面102側への回転を表す配向角の符号を正、第1端面101側への回転を表す配向角の符号を負と定義する。このとき、第1フィルム120の配向角αと、第2フィルム140の配向角βとは、符号が異なる。たとえは、第1フィルム120の配向角αの符号が正、第2フィルム140の配向角βの符号が負となる。なお、第1フィルム120の配向角αと第2フィルム140の配向角βとの関係が、-20°<α+β<+20°となるとともに、α-β<-5°または+5°<α-βとなることが望ましい。さらには、なお、|α|=|β|あるいは|α|≒|β|の関係となることが最も望ましい。
たとえば、第1フィルム120の配向角αが+15°である場合、第2フィルム140の配向角βが-35°<β<0°の範囲とされ、最も望ましくは、-15°とされる。また、第1フィルム120の配向角αが+10°である場合、第2フィルム140の配向角βが-30°<β<0°の範囲とされ、最も望ましくは、-10°とされる。さらに、第1フィルム120の配向角αが-10°である場合、第2フィルム140の配向角βが+30°>β>0°の範囲とされ、最も望ましくは、+10°とされる。さらに、第1フィルム120の配向角αが-15°である場合、第2フィルム140の配向角βが+35°>β>0°の範囲とされ、最も望ましくは、+15°とされる。
なお、第1フィルム120の幅方向における所定位置、たとえば、中央位置の一部の領域をサンプル領域S1として切り出し、このサンプル領域S1の配向角を、フーリエ変換型赤外分光法などの既知の測定方法を用いて測定し、第1フィルム120の配向角αとすることができる。同様に、サンプル領域S1と対向する第2フィルム140の領域をサンプル領域S2として切り出し、このサンプル領域S2の配向角を測定し、第2フィルム140の配向角βとすることができる。
<フィルムコンデンサの製造方法>
次に、フィルムコンデンサ10の製造方法について説明する。
図3は、本実施の形態に係る、フィルムコンデンサ10の製造工程を示すフローチャートである。図4および図5は、本実施の形態に係る、フィルムコンデンサ10の製造工程の流れについて説明するための図である。図6は、本実施の形態に係る、分割フィルム準備工程で準備される分割フィルム600について説明するための図である。図7(a)は、本実施の形態に係る、金属蒸着工程について説明するための図であり、図7(b)は、本実施の形態に係る、フィルム巻回工程について説明するための図である。
図3に示すように、本実施の形態に係るフィルムコンデンサ10の製造工程は、分割フィルム準備工程と、金属蒸着工程と、フィルム切断工程と、フィルム巻回工程と、外装フィルム被覆工程と、プレス工程と、電極形成工程とを含む。
<分割フィルム準備工程>
まず、分割フィルム準備工程が行われる。分割フィルム準備工程では、第1フィルム120および第2フィルム140の切り出し元となる2つのロール状の分割フィルム600が準備される。
図6に示すように、分割フィルム600は、2軸延伸されたフィルムであるロール状の原反フィルム500を幅方向に複数、たとえば、7つに分割することにより形成される。以下、図6の左端の分割フィルム600から順に、1条フィルム601、2条フィルム602、3条フィルム603、4条フィルム604、5条フィルム605、6条フィルム606、7条フィルム607と称する。さらに、7つの分割フィルム600を3つに分類し、1条フィルム601および2条フィルム602を低条フィルム600Lと称し、3条フィルム603、4条フィルム604および5条フィルム605を中条フィルム600Mと称し、6条フィルム606および7条フィルム607を高条フィルム600Hと称する。
分割フィルム600は、その分割フィルム600が取り出される原反フィルム500の位置に応じて配向主軸MAの方向が異なってくる。即ち、原反フィルム500では、幅方向における中央位置での配向主軸MAの方向が原反フィルム500の左右の端面501、502とほぼ平行な方向となり、左右の端面501、502に近づくに従って、配向主軸MAが平行な方向に対して近づく端面の方向に傾いていく。よって、原反フィルム500の両端面501、502に平行な基準方向RDに対して配向主軸MAがなす鋭角側の角度を配向角θと定義し、フィルム面に垂直な方向から見たときにおける基準方向RDから左端面501側への回転を表す配向角θの符号を正、右端面502側への回転を表す配向角θの符号を負と定義したとき、原反フィルム500の中央に位置する4条フィルム604では、その配向角θ4がほぼ0°となる。一方、残りの分割フィルム600では、原反フィルム500の端面501、502に近い分割フィルム600程、配向角θの絶対値が大きくなる。即ち、1条フィルム601、2条フィルム602および3条フィルム603の側では、それらの配向角θ1、θ2、θ3が正の符号を取り、|θ1|>|θ2|>|θ3|となる。また、5条フィルム605、6条フィルム606および7条フィルム607の側では、それらの配向角θ5、θ6、θ7が負の符号を取り、|θ5|<|θ6|<|θ7|となる。さらに、|θ1|=または≒|θ7|、|θ2|=または≒|θ6|、|θ3|=または≒|θ5|となる。
たとえば、配向角θ1、θ2、θ3は、それぞれ、+15°、+10°、+5°となり、配向角θ5、θ6、θ7は、それぞれ、-5°、-10°、-15°となる。
図4に示すように、分割フィルム準備工程によって、それぞれが原反フィルム500の異なる位置から取り出された分割フィルム600である低条フィルム600Lと高条フィルム600Hとが準備される。なお、低条フィルム600Lと高条フィルム600Hは、同じ原反フィルム500から取り出されてもよいし、異なる原反フィルム500から取り出されてもよい。
<金属蒸着工程>
次に、蒸着装置1000を用いて金属蒸着工程が行われる。図7(a)に示すように、金属蒸着工程では、巻出軸1001にセットされた分割フィルム600(低条フィルム600L、高条フィルム600H)からフィルム600aが送り出され、マージン領域Eを形成するためのマージンオイル噴射器1002を通過した後に、冷却ドラム1003において、送り出されたフィルム600aの外側の表面に、蒸着器1004によって内部電極となる金属が蒸着される。その後、フィルム600aは、回転する巻取軸1005によって巻き取られる。
このような金属蒸着工程によって、図4に示すように、低条フィルム600Lおよび高条フィルム600Hには、それぞれの外側の表面に第1金属層700aおよび第2金属層700bが形成される。なお、低条フィルム600Lおよび高条フィルム600Hの外側の面には、第1金属層700aおよび第2金属層700bが形成されていない一定幅のマージン領域Eが所定間隔を置いて複数設けられる。
<フィルム切断工程>
次に、フィルム切断工程が行われる。フィルム切断工程では、第1金属層700aおよび第2金属層700bがそれぞれ形成された低条フィルム600Lおよび高条フィルム600Hが切断されてフィルムコンデンサ10の幅に細分化される。このとき、低条フィルム600Lおよび高条フィルム600Hの切断位置は、マージン領域E内の中央位置と、2つのマージン領域Eの中間位置とされる。このようなフィルム切断工程によって、図4に示すように、複数の低条細分化フィルム800Lおよび高条細分化フィルム800Hが形成される。
その後、図4に示すように、複数の低条細分化フィルム800Lおよび高条細分化フィルム800Hの中から、マージン領域Eの位置が相反する1つの低条細分化フィルム800Lと1つの高条細分化フィルム800Hが取り出され、これら低条細分化フィルム800Lおよび高条細分化フィルム800Hを用いてフィルム巻回工程が行われる。
<フィルム巻回工程>
フィルム巻回工程では、巻回装置1100が用いられる。図7(b)に示すように、第1巻出軸1101にセットされた低条細分化フィルム800Lからフィルム800aが送り出され、第2巻出軸1102にセットされた高条細分化フィルム800Hからフィルム800bが送り出される。送り出された2枚のフィルム800a、800bが重ねられた後に回転する巻取軸1103によって巻き取られ、巻取軸1103にコンデンサ本体100が形成される。このとき、低条細分化フィルム800L(フィルム800a)および高条細分化フィルム800H(フィルム800b)は、それぞれに形成された第1金属層700aおよび第2金属層700bがコンデンサ本体100の内側となるように、且つ、低条細分化フィルム800Lの外側に高条細分化フィルム800Hが重なるように、巻回装置1100によって巻回される。
図5に示すように、フィルム巻回工程で形成されたコンデンサ本体100は、ほぼ円柱形状を有し、中央に巻取軸1103を抜いた後の軸孔103が形成される。
<外装フィルム被覆工程>
次に、外装フィルム被覆工程が行われる。外装フィルム被覆工程では、コンデンサ本体100の外周面に外装フィルム200が複数回巻かれ、外装フィルム200の各層が熱溶着される。図5に示すように、コンデンサ本体100は、その外周面が複数層の外装フィルム200で被覆される。
<プレス工程>
次に、プレス工程が行われる。プレス工程では、外装フィルム200で被覆されたコンデンサ本体100が、図示しないプレス装置やプレス用治具を用いて上下方向に押しつぶされ、図5のように、扁平な形状に変形する。このとき、コンデンサ本体100の軸孔103は消失する。
<電極形成工程>
次に、電極形成工程が行われる。電極形成工程では、扁平にされたコンデンサ本体100の両端面101、102に、図示しない溶射装置から金属が溶射され、第1電極300および第2電極400が形成される。
こうして、全ての製造工程が終了し、図1(a)、図5に示すようなフィルムコンデンサ10が完成する。
このような製造工程(製造方法)によって、第1フィルム120の配向角αと第2フィルム140の配向角βの正負の符号が異なるフィルムコンデンサ10が製造される。
なお、分割フィルム準備工程において、低条フィルム600Lとして1条フィルム601が準備された場合には、高条フィルム600Hとして7条フィルム607が準備されることが望ましく、低条フィルム600Lとして2条フィルム602が準備された場合には、高条フィルム600Hとして6条フィルム606が準備されることが望ましい。
また、本実施の形態に係る製造方法では、中条フィルム600Mは用いられない。中条フィルム600Mを用いる場合には、従来の製造方法が行われ、同じ分割フィルム600から第1フィルム120と第2フィルム140とが作られることとなる。ただし、中条フィルム600Mのうち、3条フィルム603および5条フィルム605を、本実施の形態に係る製造方法に用いるようにしてもよい。
さて、本実施の形態のフィルムコンデンサ10は、たとえば、各種車両や各種機器に搭載されるコンデンサユニット1に用いられる。
図8は、本実施の形態に係る、コンデンサユニット1の斜視図である。図9は、本実施の形態に係る、コンデンサユニット1の分解斜視図である。なお、図8において、便宜上、充填樹脂50は、一部分が斜線で描かれており、残る部分が透明に描かれている。また、便宜上、図8および図9には、前後、左右および上下の方向が付記されているが、図示の方向は、あくまでコンデンサユニット1の相対的な方向を示すものであり、絶対的な方向を示すものではない。
コンデンサユニット1は、複数個のフィルムコンデンサ10と、これらフィルムコンデンサ10に接続される第1バスバー20および第2バスバー30と、フィルムコンデンサ10、第1バスバー20および第2バスバー30が収容されるケース40と、ケース40内に充填される充填樹脂50とを備える。
複数個(たとえば、6個)のフィルムコンデンサ10は、その第1電極300および第2電極400が上下方向を向くように左右方向に配列される。
第1バスバー20は、導電性材料、たとえば、銅板により形成される。第1バスバー20は、たとえば、一枚の銅板を適宜切り抜き、折り曲げることによって形成され、第1電極端子部21と、3個の第1接続端子部22とを含む。第1電極端子部21は、溶接、半田付け等の接続方法によって、各フィルムコンデンサ10の第1電極300に電気的に接続される。第1接続端子部22は、ケース40の前方に引き出され、ネジ止め等の接続方法により外部端子(図示せず)に電気的に接続される。さらに、第1バスバー20には、左右の端部に、それぞれ左方および右方に突出する第1位置決め突起23が形成される。
第2バスバー30は、導電性材料、たとえば、銅板により形成される。第2バスバー30は、たとえば、一枚の銅板を適宜切り抜き、折り曲げることによって形成され、第2電極端子部31と、3個の第2接続端子部32とを含む。第2電極端子部31は、溶接、半田付け等の接続方法によって、各フィルムコンデンサ10の第2電極400に電気的に接続される。第2接続端子部32は、ケース40の前方に引き出され、ネジ止め等の接続方法により外部端子(図示せず)に電気的に接続される。さらに、第2バスバー30には、前端部の左右に、それぞれ前方に突出する第2位置決め突起33が形成される。
ケース40は、上面が開口する左右に長い直方体の箱状を有し、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)等の樹脂材料により形成される。ケース40には、左右の端部における2つの第1位置決め突起23に対応するそれぞれの位置に、第1嵌合凹部41が形成され、前端部における2つの第2位置決め突起33に対応するそれぞれの位置に、第2嵌合凹部42が形成される。
第1位置決め突起23が第1嵌合凹部41に嵌合され、第2位置決め突起33が第2嵌合凹部42に嵌合されることにより、第1バスバー20および第2バスバー30がケース40に対して前後左右方向に位置決めされる。
充填樹脂50は、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性の樹脂であり、ケース40内に注入された後に加熱されると硬化する。充填樹脂50は、フィルムコンデンサ10、第1バスバー20および第2バスバー30からなるアセンブリ体の主たる部分を覆い、これらの部分を湿気や衝撃から保護する。
<実施の形態の効果>
以上、本実施の形態によれば、以下の効果が奏される。
図10(a)ないし(d)は、本実施の形態の効果について説明するための図であり、フィルムコンデンサ10を高温に加熱する試験によって発明者らが確認したフィルムコンデンサ10の熱挙動を模式的に示す図である。図10(a)は、同じ1条フィルム601で作られた第1フィルム120と第2フィルム140とで構成された、比較例となるフィルムコンデンサ10の熱挙動を示し、図10(b)は、同じ4条フィルム604で作られた第1フィルム120と第2フィルム140とで構成された、比較例となるフィルムコンデンサ10の熱挙動を示し、図10(c)は、同じ7条フィルム607で作られた第1フィルム120と第2フィルム140とで構成された、比較例となるフィルムコンデンサ10の熱挙動を示す。また、図10(d)は、1条フィルム601で作られた第1フィルム120と7条フィルム607で作られた第2フィルム140とで構成されたフィルムコンデンサ10、即ち、本実施の形態のフィルムコンデンサ10の熱挙動を示す。
図10(a)ないし(d)は、両端面が上下方向を向いた状態のフィルムコンデンサ10の平坦部10a側を見たものであり、高い熱膨張率を示す領域(以下、「高膨張領域HR」という)がグレーの着色により表されている。
配向角θがほぼ0°である4条フィルム604を材料とする図10(b)のフィルムコンデンサ10では、高膨張領域HRが軸方向Lにほぼ平行となる。このため、高温状態となったとき、平坦部10aがほぼ均一に膨張し、フィルムコンデンサ10にいびつな変形が生じにくい。
これに対し、配向角θの絶対値が大きな1条フィルム601および7条フィルム607を材料とする図10(a)のフィルムコンデンサ10および図10(c)のフィルムコンデンサ10では、配向主軸MAが基準方向RDから傾いていることの影響を受け、高膨張領域HRが、軸方向Lに平行にならず、軸方向Lに対して傾いたような状態となる。図10(a)、(c)の破線のように、反対の平坦部10a側においても、高膨張領域HRが、軸方向Lに対して同様に傾いたような状態となる。これにより、高温状態となったとき、平坦部10aが均一に膨張せず、フィルムコンデンサ10には、一端面側と他端面側とが捩じれるように、いびつな変形が生じる。なお、図10(a)のフィルムコンデンサ10と図10(c)のフィルムコンデンサ10とは高膨張領域HRの傾き方が、軸方向Lに対して対称に近い状態となる。
本実施の形態のフィルムコンデンサ10である図10(d)のフィルムコンデンサ10では、図10(b)のフィルムコンデンサ10と同様に、高膨張領域HRが軸方向Lにほぼ平行となる。これは、配向角の符号が正負異なる(配向主軸MAの方向が相反する)ため、高膨張領域HRが軸方向Lに対して一方の方向に傾く第1フィルム120の膨張特性と、高膨張領域HRが軸方向Lに対して他方の方向に傾く第2フィルム140の膨張特性とが相殺された結果であると推測される。これにより、本実施の形態のフィルムコンデンサ10では、高温状態となったとき、平坦部10aがほぼ均一に膨張し、フィルムコンデンサ10に歪な変形が生じにくい。
なお、図10(d)の例では、配向角の絶対値がほぼ等しくなる1条フィルム601と7条フィルム607とを材料とするフィルムコンデンサ10であるが、配向角の絶対値が少し異なる1条フィルム601と6条フィルム606、あるいは2条フィルム602と7条フィルム607を材料とするフィルムコンデンサ10であっても、同様に相殺効果が働くと考えられるため、高膨張領域HRの軸方向Lに対する傾きが緩和され、フィルムコンデンサ10の歪な変形が抑えられることが期待できる。
このように、本実施の形態のフィルムコンデンサ10およびかかるフィルムコンデンサ10の製造方法によれば、第1フィルム120の配向角αと第2フィルム140の配向角βの正負の符号を異ならせるようにすることにより、高温状態に晒されたときのフィルムコンデンサ10の歪な変形を防止することができる。
また、本実施の形態のコンデンサユニット1によれば、ケース40内の充填樹脂50を硬化させるためにケース40内が加熱され、ケース40内のフィルムコンデンサ10が高温状態に晒されても、フィルムコンデンサ10の歪な変形が抑えられる。これにより、第1バスバー20および第2バスバー30とケース40との間に位置決め構造が設けられることで、充填樹脂50を注入する際にコンデンサユニット1が固定用の治具で固定されないようになされても、充填樹脂50が硬化した後のコンデンサユニット1の歪な変形が防止される。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、また、本発明の適用例も、上記実施の形態の他に、種々の変更が可能である。
<フィルムコンデンサの製造方法の変更例1>
図11は、変更例1に係る、フィルムコンデンサ10の製造工程について説明するための図である。図12は、変更例1に係る、フィルム巻回工程について説明するための図である。
本変更例のフィルムコンデンサ10の製造方法では、分割フィルム準備工程からフィルム巻回工程までが上記実施の形態から変更される。
図11に示すように、分割フィルム準備工程によって、2つの低条フィルム600Lまたは2つの高条フィルム600Hが準備される。なお、低条フィルム600Lと高条フィルム600Hは、同じ原反フィルム500から取り出されてもよいし、異なる原反フィルム500から取り出されてもよい。同じ条の分割フィルム600が同じ原反フィルム500から取り出される場合は、原反フィルム500の同じ位置から取り出された分割フィルム600が2つに分けられて巻き直されることとなる。
金属蒸着工程において、準備された一方の低条フィルム600L(高条フィルム600H)には、上記実施の形態と同様、外側の表面に第1金属層700aが形成される。一方、準備された他方の低条フィルム600L(高条フィルム600H)には、一方の低条フィルム600L(高条フィルム600H)で第1金属層700が形成される面の裏面となる内側の表面に第2金属層700bが形成される。なお、蒸着装置1000において、他方の低条フィルム600Lは、送り出されたフィルム600aの内側の表面が冷却ドラム1003において外側を向くように巻出軸1001にセットされる。
フィルム切断工程では、外側の表面に第1金属層700aが形成された低条フィルム600L(高条フィルム600H)がフィルムコンデンサ10の幅に細分化され、複数の第1細分化フィルム800Aが形成される。また、内側の表面に第2金属層700bが形成された低条フィルム600L(高条フィルム600H)がフィルムコンデンサ10の幅に細分化され、複数の第2細分化フィルム800Bが形成される。
コンデンサ巻回工程では、図12のように、第2細分化フィルム800Bが、巻回装置1100の第2巻出軸1102に、第1巻出軸1101にセットされた第1細分化フィルム800Aとは反対にセットされる。これにより、第1金属層700aが形成された外側の表面と第2金属層700bが形成された内側の表面とが同じ方向を向くように、第1細分化フィルム800A(フィルム800a)と第2細分化フィルム800B(フィルム800b)が送り出される。そして、第1細分化フィルム800Aおよび第2細分化フィルム800Bは、それぞれに形成された第1金属層700aおよび第2金属層700bがコンデンサ本体100の内側となるように、且つ、第1細分化フィルム800Aの外側に第2細分化フィルム800Bが重なるように巻取軸1103に巻回され、コンデンサ本体100が形成される。
本変更例では、外装フィルム被覆工程以降の工程は、上記実施の形態と同様である。
同じ低条フィルム600L(高条フィルム600H)であるが、第1金属層700aと第2金属層700bとが相反する面に形成された2つの低条フィルム600L(高条フィルム600H)から、それぞれ、第1フィルム120および第2フィルム140が作られることにより、第1フィルム120および第2フィルム140は、それぞれの配向角αと配向角βとが、正負の符号が異なるものとなる。よって、本変更例のフィルムコンデンサ10の製造方法においても、第1フィルム120の配向角αと第2フィルム140の配向角βの正負の符号が異なるフィルムコンデンサ10が製造される。
<フィルムコンデンサの製造方法の変更例2>
図13は、変更例2に係る、フィルムコンデンサ10の製造工程について説明するための図である。
本変更例のフィルムコンデンサ10の製造方法では、分割フィルム準備工程からフィルム巻回工程までが上記実施の形態から変更される。
図13に示すように、分割フィルム準備工程によって、1つの低条フィルム600Lまたは1つの高条フィルム600Hが準備される。
金属蒸着工程では、低条フィルム600L(高条フィルム600H)の外側の表面に金属蒸着を施すことによりほぼフィルムコンデンサ10の幅で低条フィルム600L(高条フィルム600H)の長手方向に伸びた第1金属層700aが形成され、低条フィルム600L(高条フィルム600H)の内側の表面の第1金属層700aと対向しない位置に金属蒸着を施すことによりほぼフィルムコンデンサ10の幅で低条フィルム600L(高条フィルム600H)の長手方向に伸びた第2金属層700bが形成される。なお、本変更例の金属蒸着工程では、上記実施の形態の蒸着装置1000ではなく、たとえば、特願2016-015229号に示すような、低条フィルム600L(高条フィルム600H)の外側と内側の双方の表面に金属蒸着が可能な既知の蒸着装置が用いられる。かかる蒸着装置では、図7(a)のようなマージンオイル噴射器1002と冷却ドラム1003と蒸着器1004とのユニットが、前段と後段とに設けられ、前段のユニットにおいて低条フィルム600L(高条フィルム600H)の一方の表面に金属蒸着がなされ、後段のユニットにおいて他方の表面に金属蒸着がなされる。
フィルム切断工程では、外側と内側の表面に互い違いに第1金属層700aと第2金属層700bとが形成された低条フィルム600L(高条フィルム600H)がフィルムコンデンサ10の幅に細分化され、外側の表面に第1金属層700aが形成された第1細分化フィルム800Aと内側の表面に第2金属層700bが形成された第2細分化フィルム800Bが複数組形成される。
コンデンサ巻回工程では、変更例1と同様、第2細分化フィルム800Bが、巻回装置1100の第2巻出軸1102に、第1巻出軸1101にセットされた第1細分化フィルム800Aとは反対にセットされる(図12参照)。これにより、第1金属層700aが形成された外側の表面と第2金属層700bが形成された内側の表面とが同じ方向を向くように、第1細分化フィルム800A(フィルム800a)と第2細分化フィルム800B(フィルム800b)が送り出される。そして、第1細分化フィルム800Aおよび第2細分化フィルム800Bは、それぞれに形成された第1金属層700aおよび第2金属層700bがコンデンサ本体100の内側となるように、且つ、第1細分化フィルム800Aの外側に第2細分化フィルム800Bが重なるように巻取軸1103に巻回され、コンデンサ本体100が形成される。
本変更例では、外装フィルム被覆工程以降の工程は、上記実施の形態と同様である。
第1金属層700aと第2金属層700bとが相反する面に形成された1つの低条フィルム600L(高条フィルム600H)から、それぞれ、第1フィルム120および第2フィルム140が作られることにより、第1フィルム120および第2フィルム140は、それぞれの配向角αと配向角βとが、正負の符号が異なるものとなる。よって、本変更例のフィルムコンデンサ10の製造方法においても、第1フィルム120の配向角αと第2フィルム140の配向角βの正負の符号が異なるフィルムコンデンサ10が製造される。
<その他の変更例>
上記実施の形態では、第1フィルム120の配向角αと第2フィルム140の配向角βとの符号を異ならせるようにした。しかしながら、配向角αと配向角βとの関係が、-20°<α+β<+20°を満たす場合には、配向角αと配向角βとが同じ符号であってもよい。このように、配向角αと配向角βの総和の絶対値(|α+β|)を抑えるようにした場合は、配向角αと配向角βの総和の絶対値が大きい図10(a)、(c)のフィルムコンデンサ10の形態よりも配向角αと配向角βの総和の絶対値がほぼ0°の図10(b)のフィルムコンデンサ10の形態に近づくため、高温状態に晒されたときのフィルムコンデンサ10の歪な変形を抑える効果が期待される。なお、この場合は、さらに、配向角αと配向角βとの関係が、α-β<-5°または+5°<α-βを満たすことが望ましい。このようなフィルムコンデンサ10を製造する場合は、上記実施の形態の製造方法の分割フィルム準備工程が変更され、単に条の異なる2つの分割フィルム600が準備されることとなる。
また、上記実施の形態では、フィルムコンデンサ10が、第1金属層110が形成された第1フィルム120と第2金属層130が形成された第2フィルム140とが重ねられ巻回されてなるコンデンサ本体100を備える。しかしながら、フィルムコンデンサ10が、第1金属層110が形成された第1フィルム120と第2金属層130が形成された第2フィルム140とが重ねられ積層されてなるコンデンサ本体100を備えてもよい。この場合、上記実施の形態の製造方法において、フィルム巻回工程が、積層タイプのコンデンサ本体100を製造するための既知のコンデンサ本体100の形成工程に変更される。
さらに、上記実施の形態では、コンデンサユニット1において、複数個のフィルムコンデンサ10が、その両端面が上下方向(ケース40が開口する方向)を向く状態でケース40に収容された。しかしながら、これに限らず、複数個のフィルムコンデンサ10が、その両端面が左右方向(ケース40の開口方向と直交する方向)を向く状態でケース40に収容されてもよい。
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
本発明は、各種電子機器、電気機器、産業機器、車両の電装等に使用されるフィルムコンデンサ、かかるフィルムコンデンサを備えるコンデンサユニット、および、かかるフィルムコンデンサの製造方法に有用である。
1 コンデンサユニット
10 フィルムコンデンサ
20 第1バスバー
30 第2バスバー
40 ケース
50 充填樹脂
100 コンデンサ本体
110 第1金属層
120 第1フィルム
130 第2金属層
140 第2フィルム
101 第1端面
102 第2端面
300 第1電極
400 第2電極
500 原反フィルム
600 分割フィルム
600L 低条フィルム(第1分割フィルム)
600H 高条フィルム(第2分割フィルム)
700a 第1金属層
700b 第2金属層
800L 低条細分化フィルム(第1細部化フィルム)
800H 高条細分化フィルム(第2細分化フィルム)

Claims (8)

  1. 互いに平行な第1端面および第2端面を有し、
    前記第1端面には第1電極、前記第2端面には第2電極がそれぞれ形成され、
    前記第1電極につながる第1金属層と、前記第1電極および前記第2電極につながる樹脂製の第1フィルムと、前記第2電極につながる第2金属層と、前記第1電極および前記第2電極につながる樹脂製の第2フィルムとがこの順に重ねられた状態で巻回または積層されてなるフィルムコンデンサであって、
    前記第1および第2フィルムのフィルム面内において、配向主軸が前記第1および第2端面に平行な基準方向に対してなす鋭角側の角度を配向角と定義し、前記第1および第2フィルムの前記第2金属層を介して対向する箇所をフィルム面に垂直な同一方向から見たときにおける、前記基準方向から一方側への回転を表す配向角の符号を正、他方側への回転を表す配向角の符号を負と定義したとき、
    前記第1フィルムの配向角αと、前記第2フィルムの配向角βとは、符号が異なる、
    ことを特徴とするフィルムコンデンサ。
  2. 互いに平行な第1端面および第2端面を有し、
    前記第1端面には第1電極、前記第2端面には第2電極がそれぞれ形成され、
    前記第1電極につながる第1金属層と、前記第1電極および前記第2電極につながる樹脂製の第1フィルムと、前記第2電極につながる第2金属層と、前記第1電極および前記第2電極につながる樹脂製の第2フィルムとがこの順に重ねられた状態で巻回または積層されてなるフィルムコンデンサであって、
    前記第1および第2フィルムのフィルム面内において、配向主軸が前記第1および第2端面に平行な基準方向に対してなす鋭角側の角度を配向角と定義し、前記第1および第2フィルムの前記第2金属層を介して対向する箇所をフィルム面に垂直な同一方向から見たときにおける、前記基準方向から一方側への回転を表す配向角の符号を正、他方側への回転を表す配向角の符号を負と定義したとき、
    前記第1フィルムの配向角αと、前記第2フィルムの配向角βの関係は、
    -20°<α+β<+20°
    であることを特徴とするフィルムコンデンサ。
  3. 前記第1金属層は前記第1フィルムの表面に形成され、前記第2金属層は前記第2フィルムの表面に形成される、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のフィルムコンデンサ。
  4. 前記第1フィルムの配向角αと、前記第2フィルムの配向角βの関係は、さらに、
    α-β<-5°または+5°<α-β
    であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のフィルムコンデンサ。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載のフィルムコンデンサと、
    前記フィルムコンデンサの前記第1電極および前記第2電極に接続される第1バスバーおよび第2バスバーと、
    前記フィルムコンデンサ、前記第1バスバーおよび前記第2バスバーが収容されるケースと、
    前記ケース内に充填される熱硬化性の充填樹脂と、
    を備えることを特徴とするコンデンサユニット。
  6. 2軸延伸されたフィルムである原反フィルムを幅方向に複数に分割することにより形成した第1分割フィルムを準備する工程と、
    前記原反フィルムまたは前記原反フィルムとは別に準備した2軸延伸されたフィルムである原反フィルムから分割され、前記第1分割フィルムとは前記原反フィルム上の幅方向において異なる位置から取り出された第2分割フィルムを準備する工程と、
    前記第1分割フィルムおよび前記第2分割フィルムの一方の表面に金属蒸着を施すことによりそれぞれ第1金属層および第2金属層を形成する工程と、
    一方の表面にそれぞれ前記第1金属層および前記第2金属層を形成した前記第1分割フィルムおよび前記第2分割フィルムを所定の幅に細分化することにより、第1細分化フィルムおよび第2細分化フィルムを形成する工程と、
    前記第1金属層と前記第1細分化フィルムのフィルム層と前記第2金属層と前記第2細分化フィルムのフィルム層とをこの順に重ねた状態で巻回または積層する工程と、
    巻回または積層した前記第1細分化フィルムおよび前記第2細分化フィルムの両端面に一対の電極を形成する工程と、を含み、
    前記第1および第2細分化フィルムのフィルム面内において、配向主軸が前記両端面に平行な基準方向に対してなす鋭角側の角度を配向角と定義し、前記第1および第2細分化フィルムの前記第2金属層を介して対向する箇所をフィルム面に垂直な同一方向から見たときにおける、前記基準方向から一方側への回転を表す配向角の符号を正、他方側への回転を表す配向角の符号を負と定義したとき、
    前記第1細分化フィルムの配向角αと、前記第2細分化フィルムの配向角βとは、符号が異なる、
    ことを特徴とするフィルムコンデンサの製造方法。
  7. 2軸延伸されたフィルムである原反フィルムを幅方向に複数に分割することにより形成した第1分割フィルムを準備する工程と、
    前記原反フィルムまたは前記原反フィルムとは別に準備した2軸延伸されたフィルムである原反フィルムから分割され、前記第1分割フィルムと前記原反フィルム上の幅方向において同じ位置または隣接する位置から取り出された第2分割フィルムを準備する工程と、
    前記第1分割フィルムの一方の表面に金属蒸着を施すことにより第1金属層を形成する工程と、
    前記第2分割フィルムの一方の表面であって、前記原反フィルムまたは前記原反フィルムとは別に準備した2軸延伸されたフィルムである原反フィルムにおける面が前記第1分割フィルムの一方の表面の裏面になる面に金属蒸着を施すことにより第2金属層を形成する工程と、
    一方の表面にそれぞれ前記第1金属層および前記第2金属層を形成した前記第1分割フィルムおよび前記第2分割フィルムを所定の幅に細分化することにより、第1細分化フィルムおよび第2細分化フィルムを形成する工程と、
    前記第1金属層と前記第1細分化フィルムのフィルム層と前記第2金属層と前記第2細分化フィルムのフィルム層とをこの順に重ねた状態で巻回または積層する工程と、
    巻回または積層した前記第1細分化フィルムおよび前記第2細分化フィルムの両端面に一対の電極を形成する工程と、を含み、
    前記第1および第2細分化フィルムのフィルム面内において、配向主軸が前記両端面に平行な基準方向に対してなす鋭角側の角度を配向角と定義し、前記第1および第2細分化フィルムの前記第2金属層を介して対向する箇所をフィルム面に垂直な同一方向から見たときにおける、前記基準方向から一方側への回転を表す配向角の符号を正、他方側への回転を表す配向角の符号を負と定義したとき、
    前記第1細分化フィルムの配向角αと、前記第2細分化フィルムの配向角βとは、符号が異なる、
    ことを特徴とするフィルムコンデンサの製造方法。
  8. 2軸延伸されたフィルムである原反フィルムを幅方向に複数に分割することにより形成した分割フィルムを準備する工程と、
    前記分割フィルムの一方の表面に金属蒸着を施すことにより所定の幅で前記分割フィルムの長手方向に伸びた第1金属層を形成し、前記分割フィルムの他方の表面の前記第1金属層と対向しない位置に金属蒸着を施すことにより所定の幅で前記分割フィルムの長手方向に伸びた第2金属層を形成する工程と、
    一方の表面に前記第1金属層を有し他方の表面に前記第2金属層を有する前記分割フィルムを細分化することにより、前記第1金属層を有する第1細分化フィルムおよび前記第2金属層を有する第2細分化フィルムを形成する工程と、
    前記第1金属層と前記第1細分化フィルムのフィルム層と前記第2金属層と前記第2細分化フィルムのフィルム層とをこの順に重ねた状態で巻回または積層する工程と、
    巻回または積層した前記第1細分化フィルムおよび前記第2細分化フィルムの両端面に一対の電極を形成する工程と、を含み、
    前記第1および第2細分化フィルムのフィルム面内において、配向主軸が前記両端面に平行な基準方向に対してなす鋭角側の角度を配向角と定義し、前記第1および第2細分化フィルムの前記第2金属層を介して対向する箇所をフィルム面に垂直な同一方向から見たときにおける、前記基準方向から一方側への回転を表す配向角の符号を正、他方側への回転を表す配向角の符号を負と定義したとき、
    前記第1細分化フィルムの配向角αと、前記第2細分化フィルムの配向角βとは、符号が異なる、
    ことを特徴とするフィルムコンデンサの製造方法。
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