JP2003241612A - 画像形成装置および方法 - Google Patents

画像形成装置および方法

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JP2003241612A JP2002041257A JP2002041257A JP2003241612A JP 2003241612 A JP2003241612 A JP 2003241612A JP 2002041257 A JP2002041257 A JP 2002041257A JP 2002041257 A JP2002041257 A JP 2002041257A JP 2003241612 A JP2003241612 A JP 2003241612A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中間転写ベルトの変形による画質劣化を防止
するとともに、ファーストプリントに要する時間が長く
なるのを防止する。 【解決手段】 CPU111は、動作準備の完了状態か
非完了状態かを判定するもので、ポリゴンモータ53か
らレディ信号が出力されているときは完了状態と判定
し、レディ信号が出力されていないときは非完了状態と
判定する。また、CPU111は、画像形成終了後にお
ける中間転写ベルトの停止位置を、完了状態と判定され
たときは第1位置とし、非完了状態と判定されたときは
第1位置と異なる第2位置とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタ、複写機
やファクシミリ装置などの電子写真方式の画像形成技術
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、露光手段により感光体に形成した
静電潜像に、現像手段によりトナーを付着させてトナー
像を形成し、このトナー像を転写紙に転写し、その転写
されたトナー像を定着手段により当該転写紙に定着する
ようにした電子写真方式の画像形成装置が知られてお
り、特にカラー画像の形成を可能にする装置として、感
光体に形成されたトナー像を中間転写媒体に1次転写
し、その中間転写媒体上の1次転写トナー像を転写紙に
2次転写するようにしたものが知られている。
【0003】この画像形成装置では、カラー画像を形成
する際には、感光体に複数色のトナー像を順次形成し、
各色のトナー像の形成ごとに中間転写媒体に1次転写す
ることにより複数色のトナー像が重ね合わされたカラー
トナー像を中間転写媒体に形成し、そのカラートナー像
を転写紙に2次転写することでカラー画像を得るように
している。
【0004】上記中間転写媒体として、複数のローラに
掛け渡された無端ベルト(以下「中間転写ベルト」とい
う。)が用いられる場合、停止した状態で長時間に亘っ
て放置されると、特に半径の小さいローラに巻かれてい
る部分に当該ベルトの粘弾性によって変形(例えばクリ
ープなど)が生じる虞があるが、変形が生じた部分にト
ナー像が1次転写されると転写部の圧力変動による濃淡
むら等が生じ、その結果、転写紙上の画像品質が劣化し
てしまうという問題が生じる。
【0005】そこで、従来、停止位置を毎回または所定
枚数ごとにずらせることで上記変形の発生を防止するよ
うにした無端ベルトからなる像担持体が提案されている
(特開昭62−175773号公報、特開昭61−40
78号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、中間転写ベ
ルトの停止位置をずらせるようにすると、その停止位置
によっては、ベルトの回転駆動の開始から画像形成が可
能になるまで(ファーストプリント)に要する時間が長
くなってしまう虞があるが、上記従来の特開昭62−1
75773号公報、特開昭61−4078号公報では、
その点は考慮されていない。
【0007】これに対して、特開平1−145668号
公報に記載の感光体ベルトでは、停止位置を前回の停止
位置から変化させるとともに、感光体ベルトに設けられ
た反射マーカの停止位置をある領域内とすることでファ
ーストプリントに要する時間のばらつきを抑えるように
している。
【0008】しかし、画像形成装置には上述したように
複数の構成要素があり、他の構成要素の動作状態によっ
ては中間転写ベルトの停止位置がファーストプリントに
要する時間に影響しない場合も考えられる。
【0009】本発明は、上記に鑑みてなされたもので、
装置の動作状態を考慮して中間転写ベルトの停止位置を
制御することにより、中間転写ベルトの変形による画質
劣化を防止するとともに、ファーストプリントに要する
時間が長くなるのを防止し得る画像形成装置および方法
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、感光体に静電潜像を形成
する露光手段と、この静電潜像にトナーを付着させてト
ナー像を形成する現像手段と、複数のローラ状部材に当
接し、回転して1次転写部および2次転写部を循環的に
通過する中間転写ベルトと、前記1次転写部において前
記中間転写ベルトに前記トナー像を1次転写する1次転
写手段と、前記2次転写部において前記中間転写ベルト
上の1次転写トナー像を転写紙に2次転写する2次転写
手段と、前記転写紙上の2次転写トナー像を当該転写紙
に定着する定着手段とを備えた画像形成装置において、
動作準備の完了状態か非完了状態かを判定する状態判定
手段と、画像形成終了後における前記中間転写ベルトの
停止位置を、前記状態判定手段により完了状態と判定さ
れたときは第1位置とし、非完了状態と判定されたとき
は前記第1位置と異なる第2位置とするベルト制御手段
とを備えたことを特徴としている。
【0011】この構成によれば、動作準備の完了状態か
非完了状態かが判定され、画像形成終了後における中間
転写ベルトの停止位置が、完了状態と判定されたときは
第1位置とし、非完了状態と判定されたときは第1位置
と異なる第2位置とされることから、第1位置および第
2位置をそれぞれの状態に応じた適切な位置に設定する
ことにより、中間転写ベルトの変形による画質劣化を防
止したり、ファーストプリントに要する時間が長くなる
のを防止することが可能になる。
【0012】なお、中間転写ベルトに当接するローラ状
部材は、当該中間転写ベルトが掛け渡される複数のロー
ラと、外側から当該中間転写ベルトに当接する感光体と
を含むものであってもよい。
【0013】請求項1に記載の構成において、前記露光
手段は、レーザ光源からのレーザ光を反射するポリゴン
ミラーと、このポリゴンミラーを所定速度で回転駆動す
るポリゴンモータとを含むもので、前記状態判定手段
は、前記ポリゴンモータが所定速度で回転駆動している
ときに前記完了状態と判定し、前記ポリゴンモータが所
定速度で回転駆動していないときに前記非完了状態と判
定するとしてもよい(請求項2)。
【0014】この構成によれば、ポリゴンモータが所定
速度で回転駆動しているときに動作準備の完了状態と判
定され、ポリゴンモータが所定速度で回転駆動していな
いときに動作準備の非完了状態と判定されることによ
り、ポリゴンモータの駆動状態に応じて中間転写ベルト
の停止位置が異なるものとなり、その駆動状態に応じた
適切な停止位置をそれぞれ採用することが可能になる。
【0015】請求項1に記載の構成において、また、前
記定着手段は、前記転写紙上のトナーを加熱溶融するこ
とで前記トナー像を当該転写紙に定着するもので、前記
状態判定手段は、前記定着手段の温度が予め設定された
定着温度以上のときに前記完了状態と判定し、前記定着
温度未満のときに前記非完了状態と判定するとしてもよ
い(請求項3)。
【0016】この構成によれば、定着手段の温度が予め
設定された定着温度以上のときに動作準備の完了状態と
判定され、定着温度未満のときに動作準備の非完了状態
と判定されることにより、定着手段の温度に応じて中間
転写ベルトの停止位置が異なるものとなり、その温度に
応じた適切な停止位置をそれぞれ採用することが可能に
なる。
【0017】請求項1に記載の構成において、外部装置
からの印字指令信号を受信する受信手段をさらに備え、
前記状態判定手段は、前記受信手段が前記印字指令信号
を受信したときに前記完了状態と判定し、前記印字指令
信号を受信していないときに前記非完了状態と判定する
としてもよい(請求項4)。
【0018】この構成によれば、受信手段が外部装置か
らの印字指令信号を受信したときに動作準備の完了状態
と判定され、外部装置からの印字指令信号を受信してい
ないときに動作準備の非完了状態と判定されることによ
り、外部装置からの印字指令信号の受信の有無に応じて
中間転写ベルトの停止位置が異なるものとなり、その受
信の有無に応じた適切な停止位置をそれぞれ採用するこ
とが可能になる。
【0019】また、前記中間転写ベルトは、回転軸方向
に亘ってトナー像の1次転写が行われない非画像領域を
有するもので、前記第1位置は、前記中間転写ベルトの
回転駆動開始から画像形成が可能になるまでに要する時
間が最も短時間となるように設定され、前記第2位置
は、前記複数のローラ状部材の当接により前記中間転写
ベルトに最も変形の生じ易い領域が前記非画像領域に位
置するように設定されていることを特徴としている(請
求項5)。
【0020】この構成によれば、画像形成終了後におけ
る中間転写ベルトの停止位置が、動作準備の完了状態と
判定されたときは中間転写ベルトの回転駆動開始から画
像形成が可能になるまでに要する時間が最も短時間とな
るように設定された第1位置とされることから、ファー
ストプリントに要する時間が長くなるのを防止すること
が可能になる。一方、非完了状態と判定されたときは複
数のローラ状部材の当接により中間転写ベルトに最も変
形の生じ易い領域が非画像領域に位置するように設定さ
れた第2位置とされることから、中間転写ベルトの変形
による画質劣化の防止が可能になる。
【0021】なお、請求項5の構成において、中間転写
ベルトの非画像領域は、例えば中間転写ベルトが継ぎ目
のある無端ベルトで形成される場合には、当該継ぎ目を
含む領域に設定され、例えば中間転写ベルトに当接して
表面の残留トナーを除去する清掃部材を備える場合に
は、当該清掃部材が中間転写ベルトに当接および離間す
る位置を含む領域に設定される。
【0022】また、請求項5に記載の構成において、前
記中間転写ベルトに設けられた基準マークを検出して基
準信号を出力する基準検出手段と、前記基準信号に基づ
き画像形成制御を行う画像形成制御手段とをさらに備
え、前記基準検出手段は、前記複数のローラ状部材のう
ちいずれかの近傍に配置されているとしてもよい(請求
項6)。
【0023】この構成によれば、基準検出手段により中
間転写ベルトに設けられた基準マークが検出されて基準
信号が出力され、この基準信号に基づき画像形成制御が
行われる。ここで、基準検出手段は、中間転写ベルトに
当接する複数のローラ状部材のうちいずれかの近傍に配
置されていることにより、ベルトの撓みや揺れによる影
響が低減されて基準マークが安定して検出されることか
ら、画像形成制御が確実に行われることとなる。
【0024】また、前記ベルト制御手段は、前記状態判
定手段により前記完了状態から前記非完了状態への切り
換わりが判定されると、前記中間転写ベルトの停止位置
を前記第1位置から第2位置に移動させるとしてもよい
(請求項7)。
【0025】この構成によれば、状態判定手段により動
作準備の完了状態から非完了状態への切り換わりが判定
されると、中間転写ベルトの停止位置が第1位置から第
2位置に移動することにより、画像形成終了後、動作準
備の完了状態の間は例えばファーストプリントが優先さ
れる位置に停止しておき、完了状態から非完了状態に切
り換わると、その位置から例えば中間転写ベルトに最も
変形の生じ易い領域が非画像領域に位置するように変更
することが可能になる。
【0026】請求項7に記載の構成において、前記非完
了状態のときに前記完了状態に向けて移行動作が開始さ
れたか否かを判定する開始判定手段をさらに備え、前記
ベルト制御手段は、前記開始判定手段により移行動作が
開始されたと判定されると前記中間転写ベルトの停止位
置を前記第2位置から第1位置に移動させるとしてもよ
い(請求項8)。
【0027】この構成によれば、非完了状態のときに完
了状態に向けて移行動作が開始されたか否かが判定さ
れ、移行動作が開始されたと判定されると中間転写ベル
トの停止位置が第2位置から第1位置に移動することに
より、完了状態になったときには中間転写ベルトは第1
位置で停止していることから、第1位置を所定の位置に
設定しておくことによって、ファーストプリントに要す
る時間が長くなるのを防止することが可能になる。
【0028】また、請求項9に記載の発明は、感光体に
静電潜像を形成する露光工程と、この静電潜像にトナー
を付着させてトナー像を形成する現像工程と、複数のロ
ーラ状部材に当接し、回転して1次転写部および2次転
写部を循環的に通過する中間転写ベルトに、前記1次転
写部において前記トナー像を1次転写する1次転写工程
と、前記2次転写部において前記中間転写ベルト上の1
次転写トナー像を転写紙に2次転写する2次転写工程
と、前記転写紙上の2次転写トナー像を当該転写紙に定
着する定着工程とを備えた画像形成方法において、動作
準備の完了状態か非完了状態かによって、画像形成終了
後における前記中間転写ベルトの停止位置を異なるもの
とすることを特徴としている。
【0029】この構成によれば、動作準備の完了状態か
非完了状態かによって、画像形成終了後における中間転
写ベルトの停止位置が異なるものとされることから、各
停止位置をそれぞれの状態に応じた適切な位置に設定す
ることにより、中間転写ベルトの変形による画質劣化を
防止したり、ファーストプリントに要する時間が長くな
るのを防止することが可能になる。
【0030】なお、中間転写ベルトに当接するローラ状
部材は、当該中間転写ベルトが掛け渡される複数のロー
ラと、外側から当該中間転写ベルトに当接する感光体と
を含むものであってもよい。
【0031】
【発明の実施の形態】まず、図1〜図3を参照して、本
発明に係る画像形成装置の一実施形態であるプリンタの
構成について説明する。図1は同プリンタの内部構成を
示す図、図2は同プリンタの電気的構成を示すブロック
図、図3は中間転写ベルトの展開図である。
【0032】このプリンタは、イエロー(Y)、マゼン
タ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナ
ーを重ね合わせてフルカラー画像を形成したり、例えば
ブラック(K)のトナーのみを用いて単色画像を形成す
るものである。このプリンタは、ホストコンピュータな
どの外部装置から画像信号を含む印字指令信号が主制御
部100に与えられると、この主制御部100からの制
御信号に応じてエンジン制御部110がエンジン部1の
各部を制御して、装置本体2の下方に配設された給紙カ
セット3から搬送した転写紙4に、上記画像信号に対応
する画像を印字出力する。
【0033】上記エンジン部1は、感光体ユニット1
0、ロータリー現像部20、中間転写ユニット30、定
着ユニット40、露光ユニット50を備えている。この
感光体ユニット10は、感光体11、帯電部12および
クリーニング部13を備え、ロータリー現像部20は、
イエロートナーが収容されたイエロー現像ユニット2
Y、マゼンタトナーが収容されたマゼンタ現像ユニット
2M、シアントナーが収容されたシアン現像ユニット2
C、ブラックトナーが収容されたブラック現像ユニット
2Kなどを備え、中間転写ユニット30は、中間転写ベ
ルト31、垂直同期センサ32、ベルトクリーナ33、
ゲートローラ対34、2次転写ローラ35、感光体駆動
用モータ36などを備えている。上記7つのユニット1
0,2Y,2M,2C,2K,30,40は、それぞれ
装置本体2に対して着脱自在に構成されている。
【0034】感光体ユニット10の感光体11は、上記
7つのユニット10,2Y,2M,2C,2K,30,
40が装置本体2に装着された状態で、感光体駆動用モ
ータ36によって矢印5の方向に回転する。この感光体
11の周りには、その回転方向5に沿って、帯電部1
2、ロータリー現像部20およびクリーニング部13が
それぞれ配置されている。
【0035】帯電部12は、所定レベルの高電圧が印加
されたワイヤ電極を備え、例えばコロナ放電により、感
光体11の外周面を均一に帯電するものである。クリー
ニング部13は、感光体11の回転方向5における帯電
部12の上流側に配置され、感光体11から中間転写ベ
ルト31へのトナー像の1次転写後に感光体11の外周
面に残留しているトナーを掻き落として、感光体11の
表面を清掃するものである。
【0036】露光ユニット50は、例えば半導体レーザ
からなるレーザ光源51、このレーザ光源51からのレ
ーザ光を反射するポリゴンミラー52、このポリゴンミ
ラー52を回転駆動するポリゴンモータ53、ポリゴン
ミラー52で反射されたレーザ光を集束するレンズ部5
4、複数個の反射ミラー55、水平同期センサ56など
を備えている。ポリゴンミラー52によって反射され、
レンズ部54および反射ミラー55を介して射出された
レーザ光57は、感光体11の表面において主走査方向
(図1の紙面に対して垂直な方向)に走査して、画像信
号に対応する静電潜像を感光体11の表面に形成する。
このとき、水平同期センサ56により、主走査方向にお
ける同期信号、すなわち水平同期信号が得られる。
【0037】ポリゴンモータ53は、ポリゴンミラー5
2を予め設定された回転速度、例えば30,000rp
m(回転/分)で高速に回転駆動するもので、ポリゴン
ミラー52の回転速度が設定値に達するとレディ信号を
出力する。このようにポリゴンモータ53の回転速度が
高速であるので、ポリゴンモータ53の駆動開始からレ
ディ信号の出力まで所定時間(本実施形態では例えば、
中間転写ベルト31が一周するのに要する時間を超える
値)を要する。この露光ユニット50は、露光手段に対
応する。
【0038】ロータリー現像部20は、各色のトナーを
上記静電潜像に付着させて現像するものである。ロータ
リー現像部20のイエロー現像ユニット2Y、マゼンタ
現像ユニット2M、シアン現像ユニット2C、ブラック
現像ユニット2Kは軸中心に回転自在に設けられてお
り、これらの現像ユニット2Y,2M,2C,2Kは予
め決められた複数の位置に移動可能に配置され、感光体
11に対して当接位置および離間位置で選択的に配置さ
れる。そして、直流成分もしくは直流成分に交流成分を
重畳した現像バイアスが印加されて、感光体11に対し
て当接位置にある現像ユニットから当該色のトナーが感
光体11の表面に付着される。このロータリー現像部2
0は現像手段に対応する。
【0039】中間転写ユニット30の中間転写ベルト3
1は、テンションローラ31A、駆動ローラ31B、テ
ンションローラ31Cおよび従動ローラ31Dに掛け渡
されている。この中間転写ベルト31は、図3に示すよ
うに、ほぼ矩形のシート体が継ぎ目71で継ぎ合わされ
て形成された無端ベルトからなる。図3において、矢印
72は回転駆動方向を示し、矢印73は回転軸方向を示
している。
【0040】この中間転写ベルト31は、回転軸方向7
3の一端側(図3中、上側)に設けられた突起部(基準
マーク)74を有するとともに、非画像領域75および
転写許可領域76を有している。非画像領域75は、継
ぎ目71の両側のそれぞれ所定寸法の範囲に、回転軸方
向73に一端から他端に亘って設定されている。転写許
可領域76は、非画像領域75以外の領域であって、回
転軸方向73の一端部および他端部を除く矩形の領域に
設定されており、この転写許可領域76にトナー像が1
次転写される。この転写許可領域76は、回転駆動方向
72に長辺方向のA3判より大きいサイズを有し、回転
駆動方向72に長辺方向となるA3判サイズの画像77
が転写可能になっている。
【0041】テンションローラ31Aは、中間転写ベル
ト31を確実に感光体11に当接させるためのものであ
る。感光体11は、中間転写ベルト31の回転駆動方向
72においてテンションローラ31Aの直ぐ下流で中間
転写ベルト31に当接しており、当該当接位置が1次転
写部14に設定されている。駆動ローラ31Bは、感光
体駆動用モータ36によって感光体11とともに回転駆
動される。
【0042】垂直同期センサ32は、例えば互いに対向
配置された発光部(例えばLED)および受光部(例え
ばフォトダイオード)を有するフォトインタラプタから
なり、回転する中間転写ベルト31の回転軸方向73の
一端側に配置され、突起部74の通過を検出して検出信
号を出力するものである。この垂直同期センサ32から
出力される検出信号が、エンジン制御部110による画
像形成制御の基準となる垂直同期信号として使用され
る。この垂直同期センサ32は、従動ローラ31Dの近
傍に配置されており、これによって、中間転写ベルト3
1の撓みや揺れによる影響を低減し、突起部74を安定
して検出できるようにしている。
【0043】ベルトクリーナ33は、クリーナ用離接ク
ラッチにより中間転写ベルト31への当接状態(図1
中、実線)および離間状態(図1中、破線)が切換可能
に配設されたもので、当接状態で中間転写ベルト31上
の残留トナーを掻き落とす。このベルトクリーナ33の
当接および離間は、中間転写ベルト31の非画像領域7
5に対して行われる。ゲートローラ対34は、ゲートク
ラッチのオンにより搬送系駆動用モータ60の駆動力が
伝達されて回転駆動される。
【0044】2次転写ローラ35は、2次転写ローラ用
離接クラッチにより中間転写ベルト31への当接状態
(図1中、実線)および離間状態(図1中、破線)が切
り換えられる。この2次転写ローラ35は、中間転写ベ
ルト31に当接した状態で所定の2次転写バイアスが印
加されて、転写紙4を搬送しつつ中間転写ベルト31上
のトナー像を転写紙4に2次転写させるもので、当該当
接位置が2次転写部37に設定されている。
【0045】中間転写ベルト31にはバイアス印加部材
(図示省略)が当接しており、このバイアス印加部材に
所定の1次転写バイアスが印加され、この1次転写バイ
アスによって感光体11上のトナー像が中間転写ベルト
31に1次転写されるように構成されている。このバイ
アス印加部材および転写バイアス生成回路118(後
述)は1次転写手段に対応し、2次転写ローラ35およ
び転写バイアス生成回路118は2次転写手段に対応す
る。
【0046】定着ユニット40は、加熱ローラ41、加
圧ローラ42、加熱ローラ41に配設されたヒータ4
3、加熱ローラ41の表面温度を検出する温度センサ4
4を備え、ローラ41,42により転写紙4を搬送しつ
つ、ヒータ43により転写紙4上のトナーを加熱溶融し
て当該転写紙4に定着するものである。この定着ユニッ
ト40は、定着手段に対応する。
【0047】給紙カセット3の先端(図1中、右端)か
ら上方に向かって、半月状のピックアップローラ61、
フィードローラ対62が配設され、ゲートローラ対3
4、2次転写ローラ35および定着ユニット40を挟ん
で、さらに搬送ローラ対63、排出ローラ対64が配設
されて、これらにより転写紙4の搬送路(図1中、一点
鎖線)が形成されている。
【0048】ピックアップローラ61はピックアップソ
レノイドにより駆動される。フィードローラ対62、ゲ
ートローラ対34、2次転写ローラ35、定着ユニット
40の加熱ローラ41、搬送ローラ対63、排出ローラ
対64は、それぞれ駆動力伝達機構を介して同一の搬送
系駆動用モータ60に連結されている。そして、フィー
ドローラ対62は、フィードクラッチのオンにより、搬
送系駆動用モータ60の駆動力が伝達されて回転駆動さ
れる。
【0049】フィードローラ対62、ゲートローラ対3
4、搬送ローラ対63、排出ローラ対64は、転写紙4
の搬送手段として機能する。
【0050】図2において、主制御部100は、CPU
101と、ホストコンピュータなどの外部装置との間で
制御信号の授受を行うインターフェース102と、この
インターフェース102を介して与えられた画像信号を
記憶するための画像メモリ103とを備えている。CP
U101は、外部装置から画像信号を含む印字指令信号
をインターフェース102を介して受信すると、エンジ
ン部1の動作指示に適した形式のジョブデータに変換
し、エンジン制御部110に送出する。
【0051】エンジン制御部110は、CPU111、
ROM112、RAM113などを備えている。ROM
112は、CPU111の制御プログラムなどを記憶す
るもので、RAM113は、エンジン部1の制御データ
やCPU111による演算結果などを一時的に記憶する
ものである。
【0052】CPU111は、エンジン部1からの入力
信号として、例えば垂直同期センサ32から垂直同期信
号Vsyncを受け取り、水平同期センサ56から水平同期
信号Hsyncを受け取り、温度センサ44から加熱ローラ
41の表面温度を受け取り、ポリゴンモータ53からレ
ディ信号を受け取る。そして、CPU111は、これら
の入力信号および制御プログラムに基づき、エンジン部
1の各部の動作を制御する。
【0053】すなわちCPU111は、感光体駆動用モ
ータ36を駆動するモータ駆動回路114に制御信号を
送出して感光体11および中間転写ベルト31を同期し
て回転駆動する。また、搬送系駆動用モータ60を駆動
するモータ駆動回路115に制御信号を送出して、給紙
カセット3からの転写紙4の搬送を制御する。転写紙4
は、予め設定された速度で搬送される。また、CPU1
11は、温度センサ44からの出力信号に基づき加熱ロ
ーラ41の表面温度が予め設定された定着温度以上か否
かを判定し、ヒータ43を駆動するヒータ駆動回路11
6に制御信号を送出して、加熱ローラ41の表面温度を
定着温度以上に維持する。
【0054】また、CPU111は、ポリゴンモータ5
3を駆動するモータ駆動回路117に制御信号を送出し
てポリゴンモータ53の駆動を制御する。また、CPU
111は、各離接クラッチを駆動する離接クラッチ駆動
回路(図示省略)に制御信号を送出し、中間転写ベルト
31に対するベルトクリーナ33および2次転写ローラ
35の離間および当接を制御する。また、CPU111
は、転写バイアスを生成する転写バイアス生成回路11
8に制御信号を送出し、上記バイアス印加部材に対する
1次転写バイアスの印加および2次転写ローラ35に対
する2次転写バイアスの印加を制御する。また、CPU
111は、例えば装置本体2の表面に配設された操作表
示パネル8の操作キーに対する操作内容を受け取るとと
もに、表示部の表示内容を制御する。
【0055】また、CPU111は、動作準備の完了状
態か非完了状態かを判定するもので、ポリゴンモータ5
3からレディ信号が出力されているときは上記完了状態
と判定し、レディ信号が出力されていないときは上記非
完了状態と判定する。
【0056】また、CPU111は、画像形成終了後に
おける中間転写ベルト31の停止位置を制御するもの
で、上記完了状態と判定されているときは予め設定され
た第1位置に停止し、上記非完了状態と判定されている
ときは予め設定され、上記第1位置と異なる第2位置に
停止する。上記第1位置は、中間転写ベルト31の回転
駆動開始から画像形成が可能になるまでに要する時間が
最も短時間となるような位置(以下「ファーストプリン
ト優先位置」ともいう。)に設定されている。上記第2
位置は、中間転写ベルト31に最も変形の生じ易い領域
が非画像領域75に位置するように設定されている。こ
の中間転写ベルト31に最も変形の生じ易い領域は、中
間転写ベルト31に当接しているローラ状部材のうち最
も半径が小さく、かつ巻き付け量の長いものに当接する
領域である。この第1位置と第2位置の具体例について
は後述する。
【0057】また、CPU111は、上記非完了状態の
ときに上記完了状態に向けて移行動作が開始されたか否
かを判定し、この移行動作が開始されたと判定すると、
中間転写ベルト31の停止位置を上記第2位置から第1
位置に移動させる。
【0058】垂直同期センサ32は基準信号検出手段に
対応し、CPU111は、状態判定手段、ベルト制御手
段、画像形成制御手段、開始判定手段に対応する。
【0059】次に、図4を参照しつつ、中間転写ベルト
31の停止位置である上記第1位置および第2位置の具
体例について説明する。図4は本プリンタの中間転写ユ
ニット30を示す図である。
【0060】同図において、中間転写ベルト31に当接
しているローラ状部材の各半径は、テンションローラ3
1Aの半径r1=6mm、駆動ローラ31Bの半径r2
=14.3mm、テンションローラ31Cの半径r3=
6mm、従動ローラ31Dの半径r4=13mm、感光
体11の半径r5=15mmである。また、テンション
ローラ31Aの当接位置から感光体11の当接位置(1
次転写部14)までの距離L1=20mm、感光体11
の当接位置(1次転写部14)から2次転写ローラ35
の当接位置(2次転写部37)までの距離L2=114
mm、中間転写ベルト31の全長は633mm、中間転
写ベルト31の周速S1=211.27mm/sであ
る。また、非画像領域75については、その回転駆動方
向72の寸法L3=110mmで、回転駆動方向72の
上流端から距離L4=65mm(下流端から距離L5=
45mm)の位置に継ぎ目71が存在している。
【0061】図4は第1位置に停止した中間転写ベルト
31を示しており、突起部74は垂直同期センサ32か
ら回転駆動方向72の上流側に距離L6=11mmの位
置に停止している。本実施形態では、中間転写ベルト3
1の周速は、感光体駆動用モータ36による中間転写ベ
ルト31の回転駆動開始から11mmの移動で安定す
る。従って、図4に示す位置がファーストプリント優先
位置となる。なお、この位置では、非画像領域75の端
部からテンションローラ31Aの当接位置までの距離L
7=24mmとなっている。
【0062】一方、上記第2位置は、非画像領域75が
テンションローラ31Aに当接する領域を含むように設
定されている。
【0063】なお、中間転写ベルト31における突起部
74の位置を変更し、非画像領域75がテンションロー
ラ31Aの当接領域を含み、かつ突起部74が垂直同期
センサ32の上流側11mmに位置するようにしても、
これがファーストプリント優先位置になるとは限らな
い。なぜなら、この場合には、突起部74の検出(垂直
同期信号Vsyncの出力)から直ぐに転写許可領域76の
先端が1次転写部14に到達することになるので、垂直
同期信号Vsyncを基準としてその検出から所定時間後に
露光や現像などのシーケンスを実行する本実施形態の制
御では、中間転写ベルト31を一周空回しさせることと
なってしまう。また、中間転写ベルト31の撓みや回転
による揺れなどによる影響を抑制し、安定して垂直同期
信号Vsyncを得るためには、垂直同期センサ32をロー
ラ近傍に配置する必要があり、垂直同期センサ32の配
置位置にも制限がある。
【0064】従って、中間転写ベルト31に設けられた
突起部74の検出を画像形成制御の基準とする本実施形
態では、図4に示す位置が、当該検出(垂直同期信号V
syncの出力)から露光や現像などの画像形成シーケンス
を実行した後に、感光体11上のトナー像と同期して転
写許可領域76が1次転写部14に到達することとな
り、この位置がファーストプリント優先位置となる。
【0065】次に、図5を参照しつつ、本プリンタの動
作について説明する。図5はエンジン部1の各部の状態
の時間変化を示すタイミングチャートである。
【0066】ホストコンピュータなどの外部装置から画
像信号を含む印字指令信号が主制御部100に与えられ
ると、この主制御部100からの制御信号に応じてエン
ジン制御部110がエンジン部1の各部の動作を開始す
る。図5では、既に、ポリゴンモータ53からレディ信
号が出力され、感光体駆動用モータ36により中間転写
ベルト31が所定の周速S1で駆動され、1次転写バイ
アスがオンになっている。
【0067】このとき、給紙カセット3に積載されてい
る転写紙4のサイズが印字指令信号で指示されているサ
イズに一致していないときは、操作表示パネル8に給紙
カセットの交換を促すメッセージを表示する。なお、図
1では1つの給紙カセット3を備えたプリンタとしてい
るが、これに限られず、複数の給紙カセットを備えたも
のでもよい。
【0068】給紙カセット3に積載されている転写紙4
のサイズが印字指令信号で指示されているサイズに一致
しているときは、感光体11の表面が帯電部12により
均一に帯電され、その感光体11の表面に、露光ユニッ
ト50からのレーザ光57により上記画像信号に応じた
静電潜像が形成され、この静電潜像がロータリー現像部
20により現像されてトナー像が形成され、このトナー
像は1次転写部14において中間転写ベルト31上に1
次転写される。
【0069】すなわち、図5において、感光体駆動用モ
ータ36が駆動されて中間転写ベルト31が回転し、時
刻t1,t2,t3,t4にそれぞれ垂直同期信号Vsy
ncが出力される。各垂直同期信号Vsyncの立下り時点か
ら所定時間T1後に画像要求信号Vreqが出力され、こ
の画像要求信号Vreqの立下りに同期して、画像信号に
対応する静電潜像の形成が開始されるとともに、現像バ
イアスがオンにされる。
【0070】そして、時刻t1,t2,t3,t4ごと
にロータリー現像部20の現像ユニットが切り換えられ
て、各色のトナー像が感光体11に形成され、順次、中
間転写ベルト31に1次転写される。この間は2次転写
ローラ35が中間転写ベルト31に対して離間状態にあ
るので、各色のトナー像は中間転写ベルト31上に重ね
合わされていく。現像バイアスは、時刻t1,t2,t
3,t4の各垂直同期信号Vsyncの立下り時点から、転
写紙サイズによって予め決められている所定時間T2後
にオフにされる。これによって、トナー像Y,C,M,
Kが重ね合わされたカラー画像が中間転写ベルト31の
転写許可領域76に1次転写される。
【0071】一方、給紙カセット3に積載されている転
写紙束の最上段の転写紙4がピックアップローラ61に
より取り出され、フィードローラ対62により所定速度
で搬送され、ゲートローラ対34にニップされる。そし
て、中間転写ベルト31上のトナー像にタイミングを合
わせてゲートクラッチがオンにされ、ゲートローラ対3
4から2次転写部37に向けて転写紙4が搬送される。
【0072】そして、垂直同期信号Vsyncの立下り時点
である時刻t5から所定時間後に2次転写ローラ用離接
クラッチがオンにされて、2次転写ローラ35が中間転
写ベルト31に当接し、続いて、時刻t5から所定時間
後の時刻t6に転写バイアス生成回路118から2次転
写ローラ35への2次転写バイアスの印加がオンにされ
る。
【0073】これによって、中間転写ベルト31の転写
許可領域76に1次転写されているトナー像Y,C,
M,Kが重ね合わされたカラー画像が転写紙4に転写さ
れる。
【0074】ゲートクラッチは転写紙4の搬出後オフに
され、2次転写バイアスの印加時間T3は、転写紙4の
サイズに応じて予め設定されている。2次転写バイアス
の印加がオフにされた後、2次転写ローラ用離接クラッ
チがオンにされて、2次転写ローラ35が中間転写ベル
ト31から離間する。
【0075】そして、定着ユニット40において、転写
紙4が搬送されつつトナー像が当該転写紙4に定着す
る。転写紙4は、さらに搬送ローラ対63により搬送さ
れ、排出ローラ対64によって装置本体2の上部に設け
られた排紙部7に排出される。
【0076】画像形成終了後、次の印字指令信号が入力
されなければ、垂直同期信号Vsyncの立下り時点である
時刻t7に帯電部12がオフにされ、時刻t7から所定
時間後に1次転写バイアスがオフにされ、次いで、時刻
t7から所定時間後の時刻t8に感光体駆動用モータ3
6が減速を開始し、感光体駆動用モータ36が停止した
時刻t9にレーザ光源51がオフにされる。そして、時
刻t9から所定時間T4(本実施形態では例えばT4=
30秒)後の時刻t10に、ポリゴンモータ53がオフ
にされる。
【0077】このように、高速回転するポリゴンモータ
53は、駆動開始からレディ信号出力まで所定時間を要
すること、頻繁にオンオフすることは寿命の観点から好
ましくないことなどを考慮して、本実施形態ではレーザ
光源51のオフから所定時間T4後にポリゴンモータ5
3をオフにするようにして、その間、次の印字指令信号
の入力を待機している。
【0078】次に、図5、図6を参照して、画像形成終
了後の中間転写ベルト31の停止動作について説明す
る。図6は画像形成終了後の停止制御手順を示すフロー
チャートである。
【0079】図6において、印字終了か否かが判別され
(#10)、印字終了であれば(#10でYES)、次
の印字指令信号があるか否かが判別される(#11)。
そして、印字終了でなければ(#10でNO)、または
次の印字指令信号があれば(#11でYES)、このル
ーチンを終了する。
【0080】次の印字指令信号がなければ(#11でN
O)、感光体駆動用モータ36をオフにする際に(図5
の時刻t8)、中間転写ベルト31を第1位置(ファー
ストプリント優先位置)に停止する(#12、図5の時
刻t9)。これは、ポリゴンモータ53から出力される
レディ信号がオンの間(#13でNO、図5の時刻t9
からt10までの間)、継続される。
【0081】そして、レディ信号がオフになると(#1
3でNO、図5の時刻t9から所定時間T4経過後の時
刻t10)、感光体駆動用モータ36を駆動して中間転
写ベルト31を移動させ、垂直同期信号Vsyncの検出時
刻t11から所定時間T5経過後の時刻t12に感光体
駆動用モータ36を減速させて中間転写ベルト31を停
止させる。この所定時間T5は、中間転写ベルト31が
第2位置で停止するように予め設定されており、これに
よって、中間転写ベルト31は第2位置に移動して停止
することとなる(#14)。
【0082】このように、図5、図6の動作によれば、
ポリゴンモータ53のレディ信号がオンのときは中間転
写ベルト31を第1位置(ファーストプリント優先位
置)に停止させるようにしているので、次の印字指令が
入力されたときには、画像形成をすばやくスタートさせ
ることができ、スループットを向上することができる。
【0083】一方、ポリゴンモータ53のレディ信号が
オフのときは中間転写ベルト31を第2位置(テンショ
ンローラ31Aに当接する領域が非画像領域75に含ま
れる)に停止させるようにしているので、中間転写ベル
ト31の変形(例えばクリープなど)により1次転写ト
ナー像の画質が劣化するのを未然に防止することができ
る。この場合において、ポリゴンモータ53のレディ信
号がオフからオンになるのに所定時間を要するので、中
間転写ベルト31がファーストプリント優先位置になく
ても、スループットが低下することはない。
【0084】次に、図7、図8を参照して、中間転写ベ
ルト31の駆動開始動作について説明する。図7は中間
転写ベルト31の回転駆動開始における各部の状態の時
間変化を示すタイミングチャート、図8は中間転写ベル
ト31の駆動開始の制御手順を示すフローチャートであ
る。
【0085】外部装置から主制御部100に印字指令信
号が入力されると搬送系駆動用モータ60がオンにされ
るとともに、図8のルーチンが開始され、まず、ポリゴ
ンモータ53のオンオフが判別され(#20)、オフの
間は(#20でNO)、このルーチンを終了する。
【0086】所定のタイミングでポリゴンモータ53が
オンにされると(#20でYES、図7の時刻t2
1)、感光体駆動用モータ36が駆動される。そして、
垂直同期信号Vsyncの検出時刻t22から所定時間T6
経過後の時刻t23に感光体駆動用モータ36を減速さ
せて中間転写ベルト31を停止させる。この所定時間T
6は、中間転写ベルト31が第1位置で停止するように
予め設定されており、これによって、中間転写ベルト3
1は第1位置に移動して停止することとなる(#2
1)。
【0087】次いで、レディ信号のオンオフが判別され
(#22)、オンになるまでの間(#22でNO)、そ
のまま待機する。そして、レディ信号がオンになると
(#22でYES、図7の時刻t24)、中間転写ベル
ト31の回転が開始されるとともに(#23)、レーザ
光源51がオンにされて、本実施形態では2回目の垂直
同期信号Vsyncから画像形成動作を行っている。
【0088】このように、図7、図8の動作によれば、
ポリゴンモータ53がオフからオンに切り換えられると
中間転写ベルト31を一旦第1位置(ファーストプリン
ト優先位置)に移動させて停止するようにしているの
で、ポリゴンモータ53からレディ信号が出力されたと
きに、画像形成をすばやくスタートさせることができ、
スループットを向上することができる。
【0089】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述
したものに対して種々の変更を加えることが可能であ
る。
【0090】例えば上記実施形態では、継ぎ目71で継
ぎ合わされた無端ベルトからなる中間転写ベルト31を
用いているが、本発明の中間転写ベルトはこれに限られ
ず、例えば継ぎ目の無いシームレスの無端ベルトからな
る中間転写ベルトを用いてもよい。この場合には、ベル
トクリーナ33の当接および離間領域を非画像領域に設
定すればよい。
【0091】また、上記第1位置は、上記実施形態で説
明した具体的な位置に限られず、中間転写ユニット30
の各部の寸法構成、例えば垂直同期センサ32の配置位
置や中間転写ベルト31の全長、非画像領域75や転写
可能領域76の大きさなどに応じて設定すればよい。
【0092】また、上記実施形態では、ポリゴンモータ
53からレディ信号が出力されているときは上記完了状
態と判定し、レディ信号が出力されていないときは上記
非完了状態と判定するようにしているが、これに限られ
ない。例えばCPU111は、温度センサ44からの入
力信号に基づき、加熱ローラ41の表面温度が定着温度
以上のときは上記完了状態と判定し、定着温度未満のと
きは上記非完了状態と判定するようにしてもよい。この
場合、例えば省電力モードで加熱ローラ41が定着温度
未満に維持されているときは中間転写ベルト31を第2
位置に停止しておけばよい。また、省電力モードが解除
されて定着温度への温度上昇が開始されたときに、中間
転写ベルト31を第2位置から第1位置に移動して停止
し、温度上昇を待機しておけばよい。
【0093】また、CPU111は、外部装置からCP
U101に印字指令信号が入力されているときは上記完
了状態と判定し、上記印字指令信号が入力されていない
ときは上記非完了状態と判定するようにしてもよい。こ
の場合、例えば図8の#20の判別ステップにおいて、
ポリゴンモータ53のオンオフに代えて印字指令信号の
有無を判別すればよい。
【0094】また、CPU111は、上述した3個の判
定条件、すなわちポリゴンモータ53からのレディ信号
ありと、加熱ローラ41の表面温度が定着温度以上と、
外部装置からの印字指令信号ありとのうち、任意の2個
の組合せを満足したときに完了状態と判定するようにし
てもよい。また、3個ともに満足したときに完了状態と
判定するようにしてもよい。
【0095】また、上記実施形態では1つの感光体を備
え、中間転写ベルト31を回転させることで4色のトナ
ーを重ね合わせるカラープリンタとしているが、これに
限られず、例えば中間転写ベルト31に沿って並んで配
設される4個の感光体を備えたいわゆるタンデム方式の
カラープリンタでもよい。
【0096】また、上記実施形態では、ホストコンピュ
ータなどの外部装置より与えられた画像を転写紙に印刷
するプリンタを用いて説明しているが、本発明はこれに
限られず、複写機やファクシミリ装置などを含む一般の
電子写真方式の画像形成装置に適用することができる。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1,9の発
明によれば、画像形成終了後における中間転写ベルトの
停止位置を、完了状態と判定されたときと非完了状態と
判定されたときとで異なる位置としているので、各位置
をそれぞれの状態に応じた適切な位置に設定することに
より、中間転写ベルトの変形による画質劣化を防止した
り、ファーストプリントに要する時間が長くなるのを防
止することができる。
【0098】また、請求項2の発明によれば、ポリゴン
モータが所定速度で回転駆動しているときに動作準備の
完了状態と判定し、ポリゴンモータが所定速度で回転駆
動していないときに動作準備の非完了状態と判定するよ
うにしているので、ポリゴンモータの駆動状態に応じて
中間転写ベルトの停止位置が異なるものとなり、その駆
動状態に応じた適切な停止位置をそれぞれ採用すること
ができる。
【0099】また、請求項3の発明によれば、定着手段
の温度が予め設定された定着温度以上のときに動作準備
の完了状態と判定し、定着温度未満のときに動作準備の
非完了状態と判定するようにしているので、定着手段の
温度に応じて中間転写ベルトの停止位置が異なるものと
なり、その温度に応じた適切な停止位置をそれぞれ採用
することができる。
【0100】また、請求項4の発明によれば、受信手段
が外部装置からの印字指令信号を受信したときに動作準
備の完了状態と判定し、外部装置からの印字指令信号を
受信していないときに動作準備の非完了状態と判定する
ようにしているので、外部装置からの印字指令信号の受
信の有無に応じて中間転写ベルトの停止位置が異なるも
のとなり、その受信の有無に応じた適切な停止位置をそ
れぞれ採用することがすることができる。
【0101】また、請求項5の発明によれば、第1位置
を、中間転写ベルトの回転駆動開始から画像形成が可能
になるまでに要する時間が最も短時間となるように設定
し、第2位置を、複数のローラ状部材の当接により中間
転写ベルトに最も変形の生じ易い領域が、回転軸方向に
亘ってトナー像の1次転写が行われない非画像領域に位
置するように設定するようにしているので、ファースト
プリントに要する時間が長くなるのを防止するととも
に、中間転写ベルトの変形による画質劣化を防止するこ
とができる。
【0102】また、請求項6の発明によれば、中間転写
ベルトに設けられた基準マークを検出して基準信号を出
力する基準検出手段を、複数のローラ状部材のうちいず
れかの近傍に配置するようにしているので、ベルトの撓
みや揺れによる影響を低減して基準マークを安定して検
出することができ、これによって、この基準信号に基づ
く画像形成制御を確実に行うことができる。
【0103】また、請求項7の発明によれば、完了状態
から非完了状態への切り換わりが判定されると、中間転
写ベルトの停止位置を第1位置から第2位置に移動させ
るようにしているので、画像形成終了後、動作準備の完
了状態の間は例えばファーストプリントが優先される位
置に停止しておき、完了状態から非完了状態に切り換わ
ると、その位置から例えば中間転写ベルトに最も変形の
生じ易い領域が非画像領域に位置するように変更するこ
とができる。
【0104】また、請求項8の発明によれば、非完了状
態のときに完了状態に向けて移行動作が開始されたか否
かを判定し、移行動作が開始されたと判定されると中間
転写ベルトの停止位置を第2位置から第1位置に移動す
るようにしているので、完了状態になったときには中間
転写ベルトは第1位置で停止していることから、例えば
第1位置を所定の位置に設定しておくことによって、フ
ァーストプリントに要する時間が長くなるのを防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る画像形成装置の一実施形態であ
るプリンタの内部構成を示す図である。
【図2】 同プリンタの電気的構成を示すブロック図で
ある。
【図3】 中間転写ベルトの展開図である。
【図4】 本プリンタの中間転写ユニットを示す図であ
る。
【図5】 エンジン部の各部の状態の時間変化を示すタ
イミングチャートである。
【図6】 画像形成終了後の停止制御手順を示すフロー
チャートである。
【図7】 中間転写ベルトの回転駆動開始における各部
の状態の時間変化を示すタイミングチャートである。
【図8】 中間転写ベルトの駆動開始の制御手順を示す
フローチャートである。
【符号の説明】
11 感光体 20 ロータリー現像部(現像手段) 31 中間転写ベルト 31A テンションローラ 32 垂直同期センサ(基準信号検出手段) 35 2次転写ローラ(2次転写手段) 40 定着ユニット(定着手段) 50 露光ユニット(露光手段) 72 回転駆動方向 73 回転軸方向 75 非画像領域 110 エンジン制御部 111 CPU(状態判定手段、ベルト制御手段、画像
形成制御手段、開始制御手段) 118 転写バイアス生成回路(1次転写手段、2次転
写手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H027 DA12 DA18 DA35 DE02 DE07 DE09 DE10 EC03 EC06 ED04 ED24 ED25 EE05 EE10 EF04 EF08 EF12 2H200 FA02 FA19 GA23 GA34 GA40 GA47 GA50 GB25 GB30 GB33 HA03 HB12 HB22 JA02 JC04 JC05 JC07 JC09 JC12 JC19 LB09 LB13 PA10 PA12 PA19 PB07 PB14 PB16 PB39

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光体に静電潜像を形成する露光手段
    と、この静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成
    する現像手段と、複数のローラ状部材に当接し、回転し
    て1次転写部および2次転写部を循環的に通過する中間
    転写ベルトと、前記1次転写部において前記中間転写ベ
    ルトに前記トナー像を1次転写する1次転写手段と、前
    記2次転写部において前記中間転写ベルト上の1次転写
    トナー像を転写紙に2次転写する2次転写手段と、前記
    転写紙上の2次転写トナー像を当該転写紙に定着する定
    着手段とを備えた画像形成装置において、 動作準備の完了状態か非完了状態かを判定する状態判定
    手段と、 画像形成終了後における前記中間転写ベルトの停止位置
    を、前記状態判定手段により完了状態と判定されたとき
    は第1位置とし、非完了状態と判定されたときは前記第
    1位置と異なる第2位置とするベルト制御手段とを備え
    たことを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記露光手段は、レーザ光源からのレー
    ザ光を反射するポリゴンミラーと、このポリゴンミラー
    を所定速度で回転駆動するポリゴンモータとを含むもの
    で、 前記状態判定手段は、前記ポリゴンモータが所定速度で
    回転駆動しているときに前記完了状態と判定し、前記ポ
    リゴンモータが所定速度で回転駆動していないときに前
    記非完了状態と判定することを特徴とする請求項1に記
    載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記定着手段は、前記転写紙上のトナー
    を加熱溶融することで前記トナー像を当該転写紙に定着
    するもので、 前記状態判定手段は、前記定着手段の温度が予め設定さ
    れた定着温度以上のときに前記完了状態と判定し、前記
    定着温度未満のときに前記非完了状態と判定することを
    特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 外部装置からの印字指令信号を受信する
    受信手段をさらに備え、 前記状態判定手段は、前記受信手段が前記印字指令信号
    を受信したときに前記完了状態と判定し、前記印字指令
    信号を受信していないときに前記非完了状態と判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記中間転写ベルトは、回転軸方向に亘
    ってトナー像の1次転写が行われない非画像領域を有す
    るもので、 前記第1位置は、前記中間転写ベルトの回転駆動開始か
    ら画像形成が可能になるまでに要する時間が最も短時間
    となるように設定され、前記第2位置は、前記複数のロ
    ーラ状部材の当接により前記中間転写ベルトに最も変形
    の生じ易い領域が前記非画像領域に位置するように設定
    されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに
    記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記中間転写ベルトに設けられた基準マ
    ークを検出して基準信号を出力する基準検出手段と、前
    記基準信号に基づき画像形成制御を行う画像形成制御手
    段とをさらに備え、 前記基準検出手段は、前記複数のローラ状部材のうちい
    ずれかの近傍に配置されていることを特徴とする請求項
    5に記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記ベルト制御手段は、前記状態判定手
    段により前記完了状態から前記非完了状態への切り換わ
    りが判定されると、前記中間転写ベルトの停止位置を前
    記第1位置から第2位置に移動させることを特徴とする
    請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記非完了状態のときに前記完了状態に
    向けて移行動作が開始されたか否かを判定する開始判定
    手段をさらに備え、 前記ベルト制御手段は、前記開始判定手段により移行動
    作が開始されたと判定されると前記中間転写ベルトの停
    止位置を前記第2位置から第1位置に移動させることを
    特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 【請求項9】 感光体に静電潜像を形成する露光工程
    と、この静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成
    する現像工程と、複数のローラ状部材に当接し、回転し
    て1次転写部および2次転写部を循環的に通過する中間
    転写ベルトに、前記1次転写部において前記トナー像を
    1次転写する1次転写工程と、前記2次転写部において
    前記中間転写ベルト上の1次転写トナー像を転写紙に2
    次転写する2次転写工程と、前記転写紙上の2次転写ト
    ナー像を当該転写紙に定着する定着工程とを備えた画像
    形成方法において、 動作準備の完了状態か非完了状態かによって、画像形成
    終了後における前記中間転写ベルトの停止位置を異なる
    ものとすることを特徴とする画像形成方法。
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