JP4082045B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータ制御装置、同方法および前記モータ制御装置を備えるプリンタ、複写機やファクシミリ装置などの電子写真方式の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、帯電している感光体を露光手段により露光して当該感光体上に静電潜像を形成し、この静電潜像に現像手段によりトナーを付着させてトナー像を形成し、このトナー像を転写紙に転写して所定の画像を得るようにした電子写真方式の画像形成装置が知られている。
【0003】
このような画像形成装置が備える上記露光手段として、近年、画像信号に応じて変調されたレーザ光を高速回転するポリゴンミラーにより反射して感光体に導くように構成されたものが汎用されている。このポリゴンミラーを回転させるポリゴンモータは、ポリゴンミラーを例えば3万rpmと非常に高速で回転させる必要があるので、駆動開始から所定の回転速度に達するまでにある程度の時間を要する。そこで、当該ポリゴンモータが上記所定の回転速度に達しなくても所定の判定許容時間が経過するまでは異常であると判定しないようにしている。すなわち、例えばポリゴンモータとして所定の回転速度に達するとレディ信号を出力するように構成されたものを採用した場合に、レディ信号が出力されると正常であるとして次の動作に進む一方、レディ信号が出力されなければ所定の判定許容時間が経過するまでレディ信号が出力されるのを待機し、判定許容時間が経過した時点で未だレディ信号が出力されていないときに初めて、当該ポリゴンモータが異常であると判定する。
【0004】
ところで、ポリゴンモータが駆動開始から所定の回転速度に達するのに要する到達時間は、モータの動作環境によってばらつく。例えば当該ポリゴンモータがオイル軸受けを採用している場合には、低温で起動されるとオイルの粘性が高いために、上記到達時間は長くなる。
【0005】
このように、動作環境の変化を考慮すると、上記判定許容時間としては、動作環境による上記到達時間のばらつきの範囲内で最長時間を採用しておく必要がある。この点については、上記ポリゴンモータに限られず、上記画像形成装置が備える他のモータや上記画像形成装置以外の一般の装置が備えるモータにも該当する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記判定許容時間として上記最長時間を採用した場合には、モータに異常があるとき、そのときの動作環境では上記最長時間まで待機する必要がない場合であっても当該判定許容時間が経過するまでは異常である旨の判定が行われず、その結果、当該モータに破損や故障が生じたり、そのモータを備える装置の他の構成要素に不具合が生じる虞がある。
【0007】
例えば上記モータがポリゴンモータの場合であって、当該ポリゴンモータの起動に並行して他の構成要素の動作が実行される制御仕様を採用した画像形成装置の場合について検討すると、例えば他の構成要素が感光体の場合には、感光体上の残留トナーを掻き落とすためのクリーニングブレードが当接した状態で感光体の回転動作が継続されることになるが、ポリゴンモータが異常の場合にはいわゆるかぶりトナーが無いため、ブレードがめくれ上がる虞がある。また、他の構成要素が現像器の場合には、その現像器が既に現像位置に配置されていると、トナーを無駄に消費してしまうことになる。また、その場合に感光体の帯電器が接触帯電ローラで構成されている場合には、当該ローラがトナーで汚れてしまうことになる。このように、モータに異常がある場合には、当該異常を可能な限り素早く判定することが望まれる。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、モータの異常を可能な限り素早く判定し得るモータ制御装置および方法を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、装置が備えるモータの異常を可能な限り素早く判定し得る画像形成装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、モータを駆動させるべく駆動制御信号を出力する駆動制御手段と、この駆動制御手段による前記駆動制御信号の出力時点からの経過時間をカウントする起動計時手段と、前記モータの動作環境を判定する動作環境判定手段と、この動作環境判定手段により判定された前記モータの動作環境に応じて判定許容時間を設定する許容時間設定手段と、前記モータが予め設定された所定回転速度に達しないときに当該モータは異常であるとの異常判定を行う異常判定手段とを備え、前記許容時間設定手段は、前記動作環境判定手段により判定された前記モータの動作環境が所定レベルより良好なときは、当該所定レベル以下のときに比べて前記判定許容時間を短い値に設定するもので、前記異常判定手段は、前記起動計時手段によりカウントされた前記経過時間が前記許容時間設定手段により設定された前記判定許容時間に達するまでは前記異常判定を行わないことを特徴としている。
【0011】
この構成によれば、モータの動作環境が判定され、この判定されたモータの動作環境に応じて判定許容時間が設定される。ここで、モータの動作環境が所定レベルより良好なときは、当該所定レベル以下のときに比べて判定許容時間が短い値に設定される。そして、駆動制御信号が出力されてモータが駆動されると、この駆動制御信号の出力時点からの経過時間がカウントされ、カウントされた経過時間が判定許容時間に達するまでは、モータが予め設定された所定回転速度に達しないときに当該モータは異常であるとの異常判定が行われない。
【0012】
従って、モータが異常の場合であっても、判定許容時間に達するまではモータの駆動が継続されることになるが、モータの動作環境が所定レベルより良好なときは、判定許容時間が短い値に設定されているので、異常が素早く判定されて、モータ以外の他の構成要素への悪影響が抑制されることとなる。
【0013】
また、前記モータの周囲温度を検出する温度検出手段をさらに備え、前記動作環境判定手段は、前記温度検出手段により検出された前記周囲温度が所定温度より高いときに前記動作環境が所定レベルより良好であると判定するとしてもよい(請求項2)。
【0014】
この構成によれば、検出されたモータの周囲温度が所定温度より高いときに動作環境が所定レベルより良好であると判定されることから、モータの周囲温度が所定温度より高いときに判定許容時間が短い値に設定され、これによって異常が素早く判定される。
【0015】
また、前記駆動制御手段は、駆動状態にあるモータを停止させるべく停止制御信号を出力するもので、前記駆動制御手段による前記停止制御信号の出力時点からの経過時間をカウントする停止時間計時手段をさらに備え、前記動作環境判定手段は、前記停止時間計時手段によりカウントされた前記経過時間が所定時間より短いときに前記動作環境が所定レベルより良好であると判定するとしてもよい(請求項3)。
【0016】
この構成によれば、駆動状態にあるモータを停止させるべく停止制御信号が出力されると、その停止制御信号の出力時点からの経過時間がカウントされ、その経過時間が所定時間より短いときに動作環境が所定レベルより良好であると判定されることから、モータの駆動停止からの経過時間が短く、モータが比較的高い温度に保たれているときに判定許容時間が短い値に設定され、これによって異常が素早く判定される。
【0021】
また、請求項に記載の発明は、さらに、感光体を回転駆動させる感光体駆動手段と、回転する前記感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、現像手段を駆動して前記露光手段により形成された前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像駆動手段と、転写紙を搬送する転写紙搬送駆動手段と、前記現像手段により形成された前記トナー像を前記転写紙搬送駆動手段により搬送される転写紙に転写する転写手段とを備えたことを特徴としている。
【0022】
この構成によれば、モータの動作環境が判定され、この判定されたモータの動作環境に応じて判定許容時間が設定される。ここで、モータの動作環境が所定レベルより良好なときは、当該所定レベル以下のときに比べて判定許容時間が短い値に設定される。そして、駆動制御信号が出力されてモータが駆動されると、この駆動制御信号の出力時点からの経過時間がカウントされ、カウントされた経過時間が判定許容時間に達するまでは、モータが予め設定された所定回転速度に達しないときに当該モータは異常であるとの異常判定が行われない。
【0023】
従って、モータが異常の場合であっても、判定許容時間に達するまではモータの駆動が継続されることになるが、モータの動作環境が所定レベルより良好なときは、判定許容時間が短い値に設定されているので、異常が素早く判定されて、モータ以外の当該画像形成装置が備える他の構成要素への悪影響が抑制されることとなる。
【0026】
また、請求項1に記載の発明は、さらに、前記駆動制御手段は、電源投入後に前記駆動制御信号を出力して強制的に前記モータを駆動させ、前記異常判定手段による異常判定が無ければ、駆動状態にあるモータを停止させるべく停止制御信号を出力して前記モータの駆動を停止させることを特徴としている。
【0027】
この構成によれば、電源投入時にモータが強制的に駆動され、異常判定が無ければモータの駆動が停止されることにより、この強制的な駆動が実使用時以外であることから、他の構成要素に影響を全く及ぼすことなく、モータ異常を見つけることが可能になる。また、電源投入時にモータを強制的に駆動することによりモータの温度が上昇するので、実使用時に駆動開始から所定の回転速度に達する到達時間を短縮することができ、これによって、装置のスループットを向上することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
まず、図1〜図3を参照して、本発明に係る画像形成装置の一実施形態であるプリンタの構成について説明する。図1は同プリンタの内部構成を示す図、図2は同プリンタの電気的構成を示すブロック図、図3は中間転写ベルトの展開図である。
【0035】
このプリンタは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナーを重ね合わせてフルカラー画像を形成したり、例えばブラック(K)のトナーのみを用いて単色画像を形成するものである。このプリンタは、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号を含む印字指令信号が主制御部100に与えられると、この主制御部100からの制御信号に応じてエンジン制御部110がエンジン部1の各部を制御して、装置本体2の下方に配設された給紙カセット3から搬送した転写紙4に、上記画像信号に対応する画像を印字出力する。
【0036】
上記エンジン部1は、感光体ユニット10、ロータリー現像部20、中間転写ユニット30、定着ユニット40、露光ユニット50を備えている。この感光体ユニット10は、感光体11、帯電部12およびクリーニング部13を備え、ロータリー現像部20は、イエロートナーが収容されたイエロー現像ユニット2Y、マゼンタトナーが収容されたマゼンタ現像ユニット2M、シアントナーが収容されたシアン現像ユニット2C、ブラックトナーが収容されたブラック現像ユニット2Kなどを備え、中間転写ユニット30は、中間転写ベルト31、垂直同期センサ32、ベルトクリーナ33、ゲートローラ対34、2次転写ローラ35、感光体駆動用モータ36などを備えている。上記7つのユニット10,2Y,2M,2C,2K,30,40は、それぞれ装置本体2に対して着脱自在に構成されている。
【0037】
感光体ユニット10の感光体11は、上記7つのユニット10,2Y,2M,2C,2K,30,40が装置本体2に装着された状態で、感光体駆動用モータ36によって矢印5の方向に回転するもので、中間転写ベルト31に当接しており、この当接位置が1次転写部14に設定されている。この感光体11の周りには、その回転方向5に沿って、帯電部12、ロータリー現像部20およびクリーニング部13がそれぞれ配置されている。
【0038】
帯電部12は、所定レベルの高電圧が印加されたワイヤ電極を備え、例えばコロナ放電により、感光体11の外周面を均一に帯電するものである。クリーニング部13は、感光体11の回転方向5における帯電部12の直ぐ上流側であって1次転写部14の下流側に配置され、感光体11から中間転写ベルト31へのトナー像の1次転写後に感光体11の外周面に残留しているトナーをクリーニングブレード15により掻き落として、感光体11の表面を清掃するものである。
【0039】
露光ユニット50は、例えば半導体レーザからなるレーザ光源51、このレーザ光源51からのレーザ光を反射するポリゴンミラー52、このポリゴンミラー52を回転駆動するポリゴンモータ53、ポリゴンミラー52で反射されたレーザ光を集束するレンズ部54、複数個の反射ミラー55、水平同期センサ56などを備えている。ポリゴンミラー52によって反射され、レンズ部54および反射ミラー55を介して射出されたレーザ光57は、感光体11の表面において主走査方向(図1の紙面に対して垂直な方向)に走査して、画像信号に対応する静電潜像を感光体11の表面に形成する。このとき、水平同期センサ56により、主走査方向における同期信号、すなわち水平同期信号が得られる。
【0040】
ポリゴンモータ53は、ポリゴンミラー52を予め設定された回転速度、例えば30,000rpm(回転/分)で高速に回転駆動するもので、例えばオイル軸受けにより高速回転可能な構成を備え、駆動を開始して回転速度が上記設定回転速度に達すると、CPU111にレディ信号を送出する。このようにポリゴンモータ53の回転速度が高速であるので、ポリゴンモータ53の駆動開始からレディ信号の送出まで所定時間を要する。この所定時間は、モータの動作環境によって変動するもので、例えば周囲温度が低いときは長くなる。露光ユニット50は、露光手段に対応する。
【0041】
ロータリー現像部20は、各色のトナーを上記静電潜像に付着させて現像するものである。ロータリー現像部20のイエロー現像ユニット2Y、マゼンタ現像ユニット2M、シアン現像ユニット2C、ブラック現像ユニット2Kは軸中心に回転自在に設けられており、これらの現像ユニット2Y,2M,2C,2Kは予め決められた複数の位置に移動可能に配置され、感光体11に対して当接位置および離間位置で選択的に配置される。
【0042】
ロータリー現像部20の現像系駆動用モータ21は、現像クラッチ22がオンの状態で各現像ユニット2Y,2M,2C,2Kを回転させ、現像クラッチ22がオフの状態で当接位置にある現像ユニットの現像ローラを回転させる。そして、直流成分もしくは直流成分に交流成分を重畳した現像バイアスが印加されて、感光体11に対して当接位置にある現像ユニットから当該色のトナーが感光体11の表面に付着される。現像ユニット2Y,2M,2C,2Kは現像手段に対応し、現像系駆動用モータ21は現像駆動手段に対応する。
【0043】
中間転写ユニット30の中間転写ベルト31は、テンションローラ31A、駆動ローラ31B、テンションローラ31Cおよび従動ローラ31Dに掛け渡されている。テンションローラ31Aは、中間転写ベルト31を確実に感光体11に当接させるためのものである。駆動ローラ31Bは、感光体駆動用モータ36によって感光体11とともに回転駆動される。
【0044】
この中間転写ベルト31は、図3に示すように、ほぼ矩形のシート体が継ぎ目71で継ぎ合わされて形成された無端ベルトからなる。図3において、矢印72は回転駆動方向を示し、矢印73は回転軸方向を示している。
【0045】
この中間転写ベルト31は、回転軸方向73の一端側(図3中、上側)に設けられた突起部74を有するとともに、転写禁止領域75および転写許可領域76を有している。転写禁止領域75は、継ぎ目71の両側のそれぞれ所定寸法の範囲に、回転軸方向73に一端から他端に亘って設定されている。転写許可領域76は、転写禁止領域75以外の領域であって、回転軸方向73の一端部および他端部を除く矩形の領域に設定されており、この転写許可領域76にトナー像が1次転写される。この転写許可領域76は、回転駆動方向72に長辺方向のA3判より大きいサイズを有し、回転駆動方向72に長辺方向となるA3判サイズの画像77が転写可能になっている。
【0046】
垂直同期センサ32は、例えば互いに対向配置された発光部(例えばLED)および受光部(例えばフォトダイオード)を有するフォトインタラプタからなり、回転する中間転写ベルト31の回転軸方向73の一端側に配置され、突起部74の通過を検出して検出信号を出力するものである。この垂直同期センサ32から出力される検出信号が、エンジン制御部110による画像形成制御の基準となる垂直同期信号として使用される。この垂直同期センサ32は、従動ローラ31Dの近傍に配置されており、これによって、中間転写ベルト31の撓みや揺れによる影響を低減し、突起部74を安定して検出できるようにしている。
【0047】
ベルトクリーナ33は、クリーナ用離接クラッチにより中間転写ベルト31への当接状態(図1中、実線)および離間状態(図1中、破線)が切換可能に配設されたもので、当接状態で中間転写ベルト31上の残留トナーを掻き落とす。このベルトクリーナ33の当接および離間は、中間転写ベルト31の転写禁止領域75に対して行われる。ゲートローラ対34は、ゲートクラッチのオンにより搬送系駆動用モータ60の駆動力が伝達されて回転駆動される。
【0048】
2次転写ローラ35は、2次転写ローラ用離接クラッチにより中間転写ベルト31への当接状態(図1中、実線)および離間状態(図1中、破線)が切り換えられる。この2次転写ローラ35は、中間転写ベルト31に当接した状態で所定の2次転写バイアスが印加されて、転写紙4を搬送しつつ中間転写ベルト31上のトナー像を転写紙4に2次転写させるもので、当該当接位置が2次転写部37に設定されている。
【0049】
中間転写ベルト31には例えばローラ状のバイアス印加部材(図示省略)が当接しており、このバイアス印加部材に所定の1次転写バイアスが印加され、この1次転写バイアスによって感光体11上のトナー像が中間転写ベルト31に1次転写されるように構成されている。
【0050】
中間転写ベルト31、上記バイアス印加部材、2次転写ローラ35および転写バイアス生成回路118は転写手段に対応し、感光体駆動用モータ36は感光体駆動手段に対応する。
【0051】
定着ユニット40は、加熱ローラ41、加圧ローラ42を備え、ローラ41,42により転写紙4を搬送しつつ、転写紙4上のトナーを加熱溶融して当該転写紙4に定着するものである。この定着ユニット40は定着手段に対応する。
【0052】
給紙カセット3の先端(図1中、右端)から上方に向かって、半月状のピックアップローラ61、フィードローラ対62が配設され、ゲートローラ対34、2次転写ローラ35および定着ユニット40を挟んで、さらに搬送ローラ対63、排出ローラ対64が配設されて、これらにより転写紙4の搬送路(図1中、一点鎖線)が形成されている。
【0053】
ピックアップローラ61はピックアップソレノイドにより駆動される。フィードローラ対62、ゲートローラ対34、2次転写ローラ35、定着ユニット40の加熱ローラ41、搬送ローラ対63、排出ローラ対64は、それぞれ駆動力伝達機構を介して同一の搬送系駆動用モータ60に連結されている。搬送系駆動用モータ60は、駆動を開始して所定の回転速度に達すると、CPU111にレディ信号を送出する。そして、フィードローラ対62は、フィードクラッチのオンにより、搬送系駆動用モータ60の駆動力が伝達されて回転駆動される。転写紙4は、排出ローラ対64によって装置本体2の上部に設けられた排紙部7に排出される。搬送系駆動用モータ60は転写紙搬送駆動手段に対応する。
【0054】
図2において、エンジン部1は、さらに、露光ユニット50の周囲温度を検出する温度センサ6を備えている。
【0055】
主制御部100は、CPU101と、ホストコンピュータなどの外部装置との間で制御信号の授受を行うインターフェース102と、このインターフェース102を介して与えられた画像信号を記憶するための画像メモリ103とを備えている。CPU101は、外部装置から画像信号を含む印字指令信号をインターフェース102を介して受信すると、エンジン部1の動作指示に適した形式のジョブデータに変換し、エンジン制御部110に送出する。
【0056】
エンジン制御部110は、CPU111、ROM112、RAM113などを備えている。ROM112は、CPU111の制御プログラムなどを記憶するもので、RAM113は、エンジン部1の制御データやCPU111による演算結果などを一時的に記憶するものである。
【0057】
CPU111は、エンジン部1からの入力信号として、例えば垂直同期センサ32から垂直同期信号Vsyncを受け取り、水平同期センサ56から水平同期信号Hsyncを受け取り、温度センサ6から露光ユニット50の周囲温度を受け取り、ポリゴンモータ53からレディ信号を受け取る。そして、CPU111は、これらの入力信号および制御プログラムに基づき、エンジン部1の各部の動作を制御する。
【0058】
すなわちCPU111は、感光体駆動用モータ36を駆動するモータ駆動回路114に制御信号を送出して感光体11および中間転写ベルト31を同期して回転駆動する。また、CPU111は、搬送系駆動用モータ60を駆動するモータ駆動回路115に制御信号を送出して、給紙カセット3からの転写紙4の搬送を制御するもので、転写紙4を中間転写ベルト31の周速S1と同一速度で搬送する。また、CPU111は、現像系駆動用モータ21を駆動するモータ駆動回路116および現像クラッチ22を駆動するクラッチ駆動回路117に制御信号を送出して、ロータリー現像部20の現像ユニット2Y,2M,2C,2Kなどの各部の動作を制御する。
【0059】
また、CPU111は、各離接クラッチを駆動する離接クラッチ駆動回路(図示省略)に制御信号を送出し、中間転写ベルト31に対するベルトクリーナ33および2次転写ローラ35の離間および当接を制御する。また、CPU111は、転写バイアスを生成する転写バイアス生成回路118に制御信号を送出し、上記バイアス印加部材に対する1次転写バイアスの印加および2次転写ローラ35に対する2次転写バイアスの印加を制御する。また、CPU111は、例えば装置本体2の表面に配設された操作表示パネル8の操作キーに対する操作内容を受け取るとともに、表示部の表示内容を制御する。
【0060】
また、CPU111は、ポリゴンモータ53を駆動するモータ駆動回路119に駆動制御信号および停止制御信号を送出し、ポリゴンモータ53の駆動および停止を制御する。また、CPU111は、温度センサ6から露光ユニット50の周囲温度を所定のサンプリング周期(例えば50msec)で取り込み、RAM113の所定のメモリ領域に格納する。
【0061】
また、CPU111は、ポリゴンモータ53の動作環境を判定するとともに、レディ信号が出力されるのを待機する判定許容時間を、その判定された動作環境が所定レベルより良好なときは当該所定レベル以下のときに比べて短い値に設定するものである。すなわち、本実施形態では、温度センサ6により検出される露光ユニット50の周囲温度に基づき上記動作環境を判定し、その検出された周囲温度が所定値以上のときは動作環境が良好であると判定し、上記判定許容時間をその周囲温度に対応する値に設定する。
【0062】
そして、CPU111は、ポリゴンモータ53を駆動する際に、上記駆動制御信号の送出時点からの経過時間をカウントし、そのカウントした経過時間が上記判定許容時間に達してもポリゴンモータ53からレディ信号が出力されないときは、当該ポリゴンモータ53が異常であると判定する。
【0063】
温度センサ6は温度検出手段に対応し、CPU111は駆動制御手段、起動計時手段、動作環境判定手段、許容時間設定手段、異常判定手段、停止時間計時手段、像形成制御手段に対応する。また、ROM112およびRAM113はメモリ部を構成し、このメモリ部はEEPROMや他の形態のメモリを採用してもよい。
【0064】
次に、表1を参照して、判定許容時間の設定値の一例について説明する。表1は温度センサ6により検出される露光ユニット50の周囲温度TPに対応して予め設定されている判定許容時間の値を示している。低温になるにつれてオイルの粘性は増大するため、駆動開始から所定の回転速度に達するのに要する到達時間は低温になるにつれて長くなる。従って、表1に示すように、低温ほど判定許容時間の値を長くしている。この表1に示すテーブルデータが制御プログラムの一部としてROM112に格納されている。
【0065】
【表1】
Figure 0004082045
【0066】
次に、図4を参照しつつ、本プリンタの動作について説明する。図4はエンジン部1の各部の状態の時間変化を示すタイミングチャートである。
【0067】
ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号を含む印字指令信号が主制御部100に与えられると、この主制御部100からの制御信号に応じてエンジン制御部110がエンジン部1の各部の動作を開始する。このとき、給紙カセット3に積載されている転写紙4のサイズが印字指令信号で指示されているサイズに一致していないときは、操作表示パネル8に給紙カセットの交換を促すメッセージを表示する。なお、図1では1つの給紙カセット3を備えたプリンタとしているが、これに限られず、複数の給紙カセットを備えたものでもよい。
【0068】
給紙カセット3に積載されている転写紙4のサイズが印字指令信号で指示されているサイズに一致している(または、複数の給紙カセットのうちに印字指令信号で指示されているサイズの転写紙4を収容するカセットが含まれている)ときは、図4に示すように、まず、時刻t1に搬送系駆動用モータ60がオンにされる。続いて、時刻t2に搬送系駆動用モータ60からレディ信号が出力されると、感光体駆動用モータ36の駆動が開始されて中間転写ベルト31が所定の周速S1で駆動されて垂直同期信号Vsyncが周期的に出力されるとともに、ポリゴンモータ53の駆動が開始される。そして、時刻t3にポリゴンモータ53からレディ信号が出力されると、次の垂直同期信号Vsyncから有効に受け付けられ、感光体11の表面が帯電部12により均一に帯電され、その感光体11の表面に、露光ユニット50からのレーザ光57により上記画像信号に応じた静電潜像が形成され、この静電潜像がロータリー現像部20により現像されてトナー像が形成され、このトナー像は1次転写部14において中間転写ベルト31上に1次転写される。
【0069】
すなわち、感光体駆動用モータ36の駆動により中間転写ベルト31が回転し、時刻t4,t5,t6,t7にそれぞれ垂直同期信号Vsyncが出力される。各垂直同期信号Vsyncの立下り時点から所定時間T1後に画像要求信号Vreqが出力され、この画像要求信号Vreqの立下りを受けて、画像信号に対応する静電潜像の形成が開始されるとともに、現像バイアスがオンにされる。
【0070】
そして、時刻t4,t5,t6,t7ごとにロータリー現像部20の現像ユニットが切り換えられて、各色のトナー像が感光体11に形成され、順次、中間転写ベルト31に1次転写される。この間は2次転写ローラ35が中間転写ベルト31に対して離間状態にあるので、各色のトナー像は中間転写ベルト31上に重ね合わされていく。現像バイアスは、時刻t4,t5,t6,t7の各垂直同期信号Vsyncの立下り時点から、転写紙サイズによって予め決められている所定時間T2後にオフにされる。これによって、中間転写ベルト31の転写許可領域76にトナー像Y,C,M,Kが重ね合わされる。
【0071】
一方、給紙カセット3に積載されている転写紙束の最上段の転写紙4がピックアップローラ61により取り出され、フィードローラ対62により所定速度で搬送され、ゲートローラ対34にニップされる。そして、中間転写ベルト31上のトナー像にタイミングを合わせてゲートクラッチがオンにされ、ゲートローラ対34から2次転写部37に向けて転写紙4が搬送される。
【0072】
そして、垂直同期信号Vsyncの立下り時点である時刻t8から所定時間後に2次転写ローラ用離接クラッチがオンにされて、2次転写ローラ35が中間転写ベルト31に当接し、続いて、時刻t8から所定時間後の時刻t9に転写バイアス生成回路118から2次転写ローラ35への2次転写バイアスの印加がオンにされる。これによって、中間転写ベルト31の転写許可領域76に1次転写されているトナー像Y,C,M,Kが重ね合わされたカラートナー像が転写紙4に転写される。
【0073】
ゲートクラッチは転写紙4の搬出後オフにされ、2次転写バイアスの印加時間T3は、転写紙4のサイズに応じて予め設定されている。2次転写バイアスの印加がオフにされた後、2次転写ローラ用離接クラッチがオンにされて、2次転写ローラ35が中間転写ベルト31から離間する。そして、定着ユニット40において、転写紙4が搬送されつつトナー像が当該転写紙4に定着する。転写紙4は、さらに搬送ローラ対63により搬送され、排出ローラ対64によって排紙部7に排出される。
【0074】
画像形成終了後、次の印字指令信号が入力されなければ、垂直同期信号Vsyncの立下り時点である時刻t10に帯電部12がオフにされ、時刻t10から所定時間後に1次転写バイアスがオフにされ、次いで、時刻t10から所定時間後の時刻t11に感光体駆動用モータ36が減速を開始し、感光体駆動用モータ36が停止した時刻t12にレーザ光源51がオフにされるとともに、搬送系駆動用モータ60がオフにされる。そして、時刻t12から予め設定された待機時間T4(本実施形態では例えばT4=30秒)後の時刻t13に、ポリゴンモータ53がオフにされる。
【0075】
このように、高速回転するポリゴンモータ53は、駆動開始から所定の回転速度に達する(レディ信号が出力される)までの到達時間としてある程度の時間を要すること、頻繁にオンオフすることは寿命の観点から好ましくないことなどを考慮して、本実施形態ではレーザ光源51のオフから待機時間T4後にポリゴンモータ53をオフにするようにして、その間、次の印字指令信号の入力を待機している。
【0076】
次に、図5を参照して、ポリゴンモータ53の駆動制御について説明する。図5は同制御手順を示すフローチャートである。
【0077】
ポリゴンモータ53の駆動開始が指示されると(例えば図4の時刻t2)、図5のルーチンが開始され、まず、モータ駆動回路119に駆動制御信号が送出されてポリゴンモータ53がオンにされ(#10)、次いで、ポリゴンモータ53の駆動開始からの経過時間をカウントすべくタイマカウントが開始される(#11)。続いて、RAM113の所定のメモリ領域に格納されている温度データが読み取られ(#12)、表1に基づき判定許容時間が露光ユニット50の周囲温度に対応する値に設定される(#13)。
【0078】
次いで、レディ信号が出力されたか否かが判別され(#14)、レディ信号が出力されると(#14でYES)、このルーチンを終了する。一方、レディ信号が出力されなければ(#14でNO)、設定された判定許容時間が経過したか否かが判別され(#15)、経過していなければ(#15でNO)、#14に戻る。
【0079】
そして、レディ信号が出力されないまま、設定された判定許容時間が経過すると(#15でYES)、ポリゴンモータ53が異常であると判定されて、例えば操作表示パネル8への警告表示などの異常処理が行われ(#16)、このルーチンを終了する。
【0080】
このように、本実施形態によれば、温度センサ6によって検出される露光ユニット50の周囲温度によりポリゴンモータ53の動作環境を判定し、ポリゴンモータ53のレディ信号が出力されるのを待機する判定許容時間を、温度センサ6によって検出される露光ユニット50の周囲温度に対応する値に設定するようにしているので、上記周囲温度が高いときには素早く異常と判定することができ、これによって他の構成要素への悪影響を極力抑制することができる。
【0081】
特に、本実施形態では、ポリゴンモータ53の駆動より先に搬送系駆動モータ60の動作を開始させ、ポリゴンモータ53と同時に感光体駆動用モータ36の駆動を開始させる制御仕様を採用しているので、上記効果は高いものがある。
【0082】
例えば、感光体駆動用モータ36の駆動によりクリーニングブレード15が感光体11に当接した状態で感光体11の回転動作が継続されることになるが、ポリゴンモータ53が異常の場合にはいわゆるかぶりトナーが無いため、クリーニングブレード15がめくれ上がる虞がある。しかし、本実施形態によれば、上記周囲温度が高いときには素早く異常と判定することができ、これによって、そのような悪影響を抑制することができる。
【0083】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能であり、例えば以下に示す変形形態(1)〜(8)を採用することができる。
【0084】
(1)上記実施形態では、ポリゴンモータ53の動作環境を温度センサ6により検出される露光ユニット50の周囲温度により判定しているが、これに限られない。本変形形態のCPU111は、上記周囲温度に代えて、駆動中のポリゴンモータ53に対してモータ駆動回路119を介して出力される停止制御信号の出力時点からの経過時間(以下「停止時間」ともいう。)に基づきポリゴンモータ53の動作環境を判定する。
【0085】
すなわち、本変形形態では、CPU111は、モータ駆動回路119への停止制御信号の出力時点からの経過時間(停止時間)をカウントし、そのカウント値をRAM113の所定のメモリ領域に所定周期で格納する。そして、モータ駆動回路119に駆動制御信号が出力された時点での上記カウント値(停止時間)を読み取り、その停止時間が所定値以下のときは動作環境が良好であると判定し、上記判定許容時間をその停止時間に対応する値に設定する。
【0086】
表2は停止時間TMに対応して予め設定されている判定許容時間の値の一例を示している。低温になるにつれてオイルの粘性は増大するが、モータの駆動中に当該モータを停止させるべく出力される停止制御信号の出力時点からの経過時間(停止時間)が短いほどモータの温度が高いままに維持されているため、駆動開始から所定回転速度に達するのに要する上記到達時間は上記停止時間が短いほど短くなる。そこで、表2に示すように、上記停止時間が短いほど判定許容時間の値を短くしており、この表2に示すテーブルデータが制御プログラムの一部としてROM112に格納されている。なお、電源投入後の1回目の駆動時は停止時間TMがカウントできないので、表2に示すように、別途、設定している。
【0087】
【表2】
Figure 0004082045
【0088】
図6は本変形形態におけるポリゴンモータの駆動制御手順を示すフローチャートである。ポリゴンモータ53の駆動開始が指示されると(例えば図4の時刻t2)、図6のルーチンが開始される。
【0089】
#20,#21では図5の#10,#11と同様の動作が行われる。#21に続いて、RAM113の所定のメモリ領域に格納されているカウント値が読み取られて停止時間が算出され(#22)、表2に基づき判定許容時間が停止時間に対応する値に設定される(#23)。続いて、#24が実行される。#24〜#26では図5の#14〜#16と同様の動作が行われる。
【0090】
このように、本変形形態によれば、ポリゴンモータ53の停止時間によりポリゴンモータ53の動作環境を判定し、ポリゴンモータ53のレディ信号が出力されるのを待機する判定許容時間を停止時間に対応する値に設定するようにしているので、停止時間が短いときには素早く異常と判定することができ、これによって他の構成要素への悪影響を極力抑制することができる。
【0091】
(2)上記変形形態(1)では、露光ユニット50の周囲温度に代えて停止時間によりポリゴンモータ53の動作環境を判定しているが、周囲温度および経過時間の双方を考慮して、上記動作環境を判定するようにしてもよい。この場合には、表1および表2の双方のパラメータに対して判定許容時間の値を設定したテーブルデータを制御プログラムの一部としてROM112に格納しておくとともに、CPU111は、周囲温度を検出し、停止時間をカウントして、その結果およびテーブルデータに基づいて判定許容時間の値を設定すればよい。
【0092】
(3)本変形形態のCPU111は、温度センサ6により検出される露光ユニット50の周囲温度に代えて、電源投入後のポリゴンモータ53の駆動が1回目であるか2回目以降であるかによって、ポリゴンモータ53の動作環境を判定する。
【0093】
すなわち、本変形形態では、CPU111は、電源投入後のポリゴンモータ53の駆動が1回目であるか2回目以降であるかを判定し、その判定結果を例えばフラグとしてRAM113の所定のメモリ領域に格納する。そして、モータ駆動回路119に駆動制御信号が出力された時点で上記フラグを読み取り、その判定結果が2回目以降のときは動作環境が良好であると判定し、上記判定許容時間をその2回目以降に対応する値に設定する。
【0094】
表3はポリゴンモータ53の動作が電源投入後の1回目と2回目以降とで予め設定されている判定許容時間の値の一例を示している。低温になるにつれてオイルの粘性は増大するが、1回駆動されるとモータの温度が上昇するため、駆動開始から所定回転速度に達するのに要する到達時間は電源投入後の1回目の駆動時より2回目以降の駆動時において短くなる。そこで、表3に示すように、2回目以降の駆動時で判定許容時間の値を短くしており、この表3に示すテーブルデータが制御プログラムの一部としてROM112に格納されている。
【0095】
【表3】
Figure 0004082045
【0096】
このように、本変形形態によれば、外部装置からの印字指令信号に基づくポリゴンモータ53の駆動が電源投入後の1回目であるか2回目以降であるかによりポリゴンモータ53の動作環境を判定し、ポリゴンモータ53のレディ信号が出力されるのを待機する判定許容時間をそれぞれに対応する値に設定するようにしているので、ポリゴンモータ53の駆動が2回目以降のときには素早く異常と判定することができ、これによって他の構成要素への悪影響を極力抑制することができる。
【0097】
(4)本変形形態のCPU111は、電源投入後にポリゴンモータ53を強制的に駆動する。この電源投入後の強制駆動における判定許容時間は、例えば表3に示す1回目の初期値に設定されており、この電源投入後の強制的な駆動において異常と判定されなければ、判定許容時間を表3に示す2回目以降の値に設定変更する。
【0098】
図7は電源投入時にポリゴンモータ53を強制的に駆動する手順を示すフローチャートである。電源が投入され、所定のイニシャル処理が実行された後に、図7のルーチンが開始され、#30,#31では、図5の#10,#11と同様の動作が行われる。
【0099】
#31に続いて、レディ信号が出力されたか否かが判別され(#32)、レディ信号が出力されると(#32でYES)、ポリゴンモータ53が停止され(#33)、判定許容時間が表3に示す1回目の値(初期値)から2回目以降の値に設定変更されて(#34)、このルーチンを終了する。一方、レディ信号が出力されなければ(#32でNO)、設定された判定許容時間が経過したか否かが判別され(#35)、経過していなければ(#35でNO)、#32に戻る。
【0100】
そして、レディ信号が出力されないまま、判定許容時間が経過すると(#35でYES)、ポリゴンモータ53が異常であると判定されて、例えば操作表示パネル8への警告表示などの異常処理が行われ(#36)、このルーチンを終了する。
【0101】
このように、本変形形態によれば、電源投入時にポリゴンモータ53を強制的に駆動するようにしているので、実使用時以外であることから、他の構成要素に影響を全く及ぼすことなく、モータ異常を見つけることができる。
【0102】
また、本変形形態によれば、電源投入時にポリゴンモータ53を強制的に駆動するとともに、この電源投入後の強制駆動における判定許容時間を表3に示す1回目の初期値に設定し、この電源投入後の強制的な駆動において異常と判定されなければ、判定許容時間を表3に示す2回目以降の値に設定変更するようにしているので、印字指令信号に基づく実使用時には判定許容時間が短い値に設定されることとなり、これによって、実使用時に素早く異常と判定することができ、これによって他の構成要素への悪影響をより確実に防止することができる。
【0103】
また、本変形形態によれば、電源投入時にポリゴンモータ53を強制的に駆動することにより、モータの温度を上昇させることができので、実使用時に駆動開始から所定の回転速度に達する到達時間を短縮することができる。従って、レディ信号が早く出力されることとなり、これによって、装置のスループットを向上することができる。
【0104】
(5)上記実施形態において、スループットを向上すべく、ポリゴンモータ53の起動に並行して現像系駆動用モータ21および現像クラッチ22を駆動して現像ユニットを現像位置に配置するような制御仕様を採用してもよい。この場合にポリゴンモータ53が異常のときにはトナーが無駄に消費されてしまうが、上記周囲温度が高い場合には当該ポリゴンモータ53の異常を素早く判定することができるので、無駄なトナーの消費を極力低減することができる。また、その場合に感光体11の帯電部12が接触帯電ローラで構成されている場合には、当該ローラがトナーで汚れてしまうことになるが、ポリゴンモータ53の異常を素早く判定することにより、そのようなトナー汚れを低減することができる。
【0105】
(6)上記実施形態では1つの感光体を備え、中間転写ベルト31を回転させることで4色のトナーを重ね合わせるカラープリンタとしているが、これに限られず、例えば中間転写ベルト31に沿って並んで配設される4個の感光体を備えたいわゆるタンデム方式のカラープリンタでもよい。
【0106】
(7)上記実施形態では、ホストコンピュータなどの外部装置より与えられた画像を転写紙に印刷するプリンタを用いて説明しているが、本発明はこれに限られず、複写機やファクシミリ装置などを含む一般の電子写真方式の画像形成装置に適用することができる。
【0107】
(8)上記実施形態では、ポリゴンモータ53の判定許容時間を設定しているが、ポリゴンモータ53以外のモータ、例えば現像系駆動用モータ21、感光体駆動用モータ36、搬送系駆動用モータ60などに、上記実施形態と同様に、それぞれ判定許容時間を設定するようにしてもよい。さらに、プリンタを含む画像形成装置に限らず、一般の装置に設けられているモータに適用し、上記実施形態と同様に判定許容時間を設定するようにしてもよい。
【0108】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、モータの動作環境を判定し、この判定されたモータの動作環境が所定レベルより良好なときは、当該所定レベル以下のときに比べて判定許容時間を短い値に設定するようにしているので、モータの動作環境が所定レベルより良好なときは、異常を素早く判定することができ、これによって、モータ以外の他の構成要素への悪影響を抑制することができる。
【0109】
また、請求項2の発明によれば、モータの周囲温度を検出し、検出された周囲温度が所定温度より高いときにモータの動作環境が所定レベルより良好であると判定するようにしているので、モータの周囲温度が所定温度より高いときに判定許容時間が短い値に設定され、これによって異常を素早く判定することができる。
【0110】
また、請求項3の発明によれば、停止制御信号の出力時点からの経過時間をカウントし、その経過時間が所定時間より短いときに動作環境が所定レベルより良好であると判定するようにしているので、モータの駆動停止からの経過時間が短く、モータが比較的高い温度に保たれているときに判定許容時間が短い値に設定され、これによって異常を素早く判定することができる。
【0115】
また、請求項の発明によれば、電源投入時にモータを強制的に駆動し、異常判定が無ければモータの駆動を停止するようにしているので、この強制的な駆動が実使用時以外であることから、他の構成要素に影響を全く及ぼすことなく、モータ異常を見つけることができる。また、電源投入時にモータを強制的に駆動することによりモータの温度が上昇するので、実使用時に駆動開始から所定の回転速度に達する到達時間を短縮することができ、これによって、装置のスループットを向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る画像形成装置の一実施形態であるプリンタの内部構成を示す図である。
【図2】 同プリンタの電気的構成を示すブロック図である。
【図3】 中間転写ベルトの展開図である。
【図4】 エンジン部の各部の状態の時間変化を示すタイミングチャートである。
【図5】 ポリゴンモータの駆動制御手順を示すフローチャートである。
【図6】 変形形態におけるポリゴンモータの駆動制御手順を示すフローチャートである。
【図7】 電源投入時にポリゴンモータを強制的に駆動する手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
6 温度センサ(温度検出手段)
11 感光体
2Y,2M,2C,2K 現像ユニット(現像手段)
21 現像系駆動用モータ(現像駆動手段)
31 中間転写ベルト(転写手段)
35 2次転写ローラ(転写手段)
36 感光体駆動用モータ(感光体駆動手段)
40 定着ユニット(定着手段)
50 露光ユニット(露光手段)
51 レーザ光源
52 ポリゴンミラー
53 ポリゴンモータ(ポリゴンミラーを回転させるモータ)
60 搬送系駆動用モータ(転写紙搬送駆動手段)
110 エンジン制御部
111 CPU(駆動制御手段、起動計時手段、動作環境判定手段、許容時間設定手段、異常判定手段、停止時間計時手段、像形成制御手段)
118 転写バイアス生成回路(転写手段)

Claims (3)

  1. モータを駆動させるべく駆動制御信号を出力する駆動制御手段と、
    この駆動制御手段による前記駆動制御信号の出力時点からの経過時間をカウントする起動計時手段と、
    前記モータの動作環境を判定する動作環境判定手段と、
    この動作環境判定手段により判定された前記モータの動作環境に応じて判定許容時間を設定する許容時間設定手段と、
    前記モータが予め設定された所定回転速度に達しないときに当該モータは異常であるとの異常判定を行う異常判定手段と、
    感光体を回転駆動させる感光体駆動手段と、
    回転する前記感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、
    現像手段を駆動して前記露光手段により形成された前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像駆動手段と、
    転写紙を搬送する転写紙搬送駆動手段と、
    前記現像手段により形成された前記トナー像を前記転写紙搬送駆動手段により搬送される転写紙に転写する転写手段と
    を備え、
    前記許容時間設定手段は、前記動作環境判定手段により判定された前記モータの動作環境が所定レベルより良好なときは、当該所定レベル以下のときに比べて前記判定許容時間を短い値に設定するもので、
    前記異常判定手段は、前記起動計時手段によりカウントされた前記経過時間が前記許容時間設定手段により設定された前記判定許容時間に達するまでは前記異常判定を行わないもので、
    前記駆動制御手段は、電源投入後に前記駆動制御信号を出力して強制的に前記モータを駆動させ、前記異常判定手段による異常判定が無ければ、駆動状態にあるモータを停止させるべく停止制御信号を出力して前記モータの駆動を停止させることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記モータの周囲温度を検出する温度検出手段をさらに備え、前記動作環境判定手段は、前記温度検出手段により検出された前記周囲温度が所定温度より高いときに前記動作環境が所定レベルより良好であると判定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記駆動制御手段による前記停止制御信号の出力時点からの経過時間をカウントする停止時間計時手段をさらに備え、
    前記動作環境判定手段は、前記停止時間計時手段によりカウントされた前記経過時間が所定時間より短いときに前記動作環境が所定レベルより良好であると判定することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
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