JP2003240442A - 熱処理炉 - Google Patents

熱処理炉

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JP2003240442A
JP2003240442A JP2002032840A JP2002032840A JP2003240442A JP 2003240442 A JP2003240442 A JP 2003240442A JP 2002032840 A JP2002032840 A JP 2002032840A JP 2002032840 A JP2002032840 A JP 2002032840A JP 2003240442 A JP2003240442 A JP 2003240442A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被処理物に対する加熱むらをなくし、また取
り扱い性にも優れた発熱体を有する熱処理炉を提供する
こと。 【解決手段】 被処理物2を搬送する搬送ローラ24の
下方側で搬送ローラ24に対向する底部28と、この底
部28から搬送ローラ24の上方に延在する側部29と
がひとつながりになって構成される発熱体27を処理室
23内に備えている。発熱体27は、半円状に湾曲した
底部28と、この底部28の両端に連結し直線的に延在
する側部29とからなり、全体としてはU字状を呈して
いる。側部29及び底部28は共に、線径1mmほどの
タングステンでなる多数の線材をメッシュ状に組み合わ
せてなり、底部28の幅は側部29の幅よりも小さい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、搬送ローラにて被
処理物を搬送しつつ熱処理を行う熱処理炉に関し、更に
詳しくは、被処理物を加熱するために処理室内に配設さ
れた発熱体に係るものである。
【0002】
【従来の技術】真空中あるいは不活性ガス雰囲気中で被
処理物を熱処理(焼入、焼戻、焼鈍、焼結など)する熱
処理炉として、ローラハース式の熱処理炉が知られてい
る。ローラハース式の熱処理炉は、搬送ローラ上に被処
理物を直接、あるいは搬送トレイを介して載せて、搬送
ローラを回転させることで被処理物を搬送しつつ連続的
に熱処理を行う炉である。
【0003】(第1従来例)ローラハース式の熱処理炉
の一例を図16に示す。炉床には複数本の搬送ローラ1
が設けられている。搬送ローラ1は、被処理物2の搬送
方向に対して直交する軸部材1aと、被処理物2を収容
する搬送トレイ3の下面に当接し上記軸部材1aに一体
的なリング部材1bとを有し、搬送方向に沿って複数本
配置され、それぞれ同方向に同速度で回転される。
【0004】搬送ローラ1の上方には、ドーム型(半球
状)の発熱体4が設けられている。発熱体4の材質とし
てはタングステンやタンタルなどである。また、発熱体
4を覆うようにして、発熱体4からの輻射熱を反射する
金属製のリフレクタ5が配設されている。
【0005】(第2従来例)ローラハース式の熱処理炉
の他の例として、例えば実用新案登録第2541032
号に示されているものがある。これを図17に示す。断
熱壁11に囲まれて処理室12が構成され、処理室12
の下方に複数本の搬送ローラ13が設けられている。搬
送ローラ13は、被処理物2の搬送方向に対して直交す
る軸部材13aと、被処理物2の下面に当接し上記軸部
材13aに一体的なリング部材13bとを有する。軸部
材13aの両端は断熱壁11を貫通し、図示しない軸受
に回転自在に支持され、そのうちの一端にはモータ(図
示せず)が連結されている。このような搬送ローラ13
は搬送方向に沿って複数本配置され、それぞれ同方向に
同速度で回転される。処理室12内において、搬送ロー
ラ13の上方には発熱体14aが、下方には発熱体14
bが、それぞれ配設されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例1では、発
熱体4は搬送ローラ1の上方にしか位置せず、被処理物
2の下面側の加熱が十分に行えないという問題がある。
搬送ローラ1の近傍及び下方は、搬送ローラ1や搬送ト
レイ3によって奪われる熱のため、熱損失が処理室の上
方に比べて大きく(特に水冷構造の搬送ローラが用いら
れている場合にはより大きな熱が奪われる)、従来例1
の構成では、被処理物2の上面側と下面側とで温度差が
大きくなり加熱むらが生じやすい。更に、発熱体4の形
状がドーム型であるため熱変形に弱いという問題もあ
る。
【0007】一方、従来例2では、搬送ローラ13の下
方に発熱体14bが配置されているが、上方に配置され
た発熱体14aとは分割されて配置されている。図示さ
れているように、搬送ローラ13の付近で発熱体14a
と発熱体14bは分割されている。すなわち、上述した
ように他の箇所に比べて熱損失が大きい搬送ローラ13
付近で発熱体が欠けたような構成となっており、炉内に
おいてその発熱体の存在しない箇所の温度が他の箇所よ
りも低温度となり、被処理物2に対する加熱むらが生じ
てしまう。
【0008】また、発熱体を複数に分割して配置する
と、各発熱体14a、14bの取り付け機構や、各発熱
体14a、14bに電力を供給するための電力供給系
(配線や電極など)が、各発熱体14a、14bそれぞ
れに必要であり、部品点数の増大や構成の複雑化を招
く。また、ローラハース式の熱処理炉は、1000℃を
越えるような高温で使用されることも多く、発熱体の点
検や補修、更には交換が不可欠である。この点でも、処
理室12内に分割されて配置された発熱体14a、14
bは取り扱い性が悪い。特に、搬送ローラ13は、炉床
付近に設置されることが多く、よって搬送ローラ13の
下側は空間的に狭く交換などの作業が行い難い。
【0009】本発明は上述の問題に鑑みてなされ、その
目的とするところは、被処理物に対する加熱むらをなく
し、また取り扱い性にも優れた発熱体を有する熱処理炉
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の熱処理炉は、被
処理物を搬送する搬送ローラの下方側で搬送ローラに対
向する底部と、この底部から搬送ローラの上方に延在す
る側部とがひとつながりになって構成される発熱体を処
理室内に備えている。すなわち、発熱体は、処理室内で
搬送ローラの下方から上方にかけて連続的に存在する一
体的なユニットとして構成されている。これにより、発
熱体は、被処理物の全ての面に対して一様に輻射熱を作
用させることができ、均一に加熱できる。また、発熱体
は、搬送ローラの上方と下方に位置する部分がひとまと
まりとなっていることで、交換作業時などの取り扱い性
も向上する。
【0011】また、発熱体の底部の断面積を側部の断面
積よりも小さくすることで、単位体積あたりの、底部の
発熱量を側部よりも大きくしている。これにより、搬送
ローラの上方に比べて熱損失が大きくなる傾向にある搬
送ローラ下方の熱量を補うことができる。
【0012】また、被処理物の搬送方向に沿って複数の
発熱体を配置することで、被処理物の大きさが大きなも
のに対しても均一に加熱できる。更に、複数の発熱体の
発熱量をそれぞれ独立して制御するようにすれば、例え
ば、搬送方向に関して上流側から下流側にかけて徐々に
処理室内の温度領域を変化させる必要があるような場合
に柔軟に対応でき、処理室内で所望の温度分布を実現で
きる。個々の発熱体の発熱量の制御は、供給する電力を
個々の発熱体で変えたり、個々の発熱体の材質を変えた
り、個々の発熱体の断面積を変えたりすることで容易に
行える。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0014】(第1の実施の形態)図1は第1の実施の
形態による熱処理炉の断面図を、図2はその要部の側断
面図を、図3は要部を模式的に示した斜視図を示す。水
冷ジャケット構造の槽壁21を有する気密性チャンバの
内部には、断熱板22に囲まれて処理室23が形成さ
れ、この処理室23内は、図示しない真空排気系に接続
されている。
【0015】処理室23内には、被処理物2の搬送方向
(図2で矢印Aで示される)に沿って複数本の搬送ロー
ラ24が設けられている。搬送ローラ24は、搬送方向
に対して直交する軸部材24aと、被処理物2を収容す
る搬送トレイ25の下面に当接し上記軸部材24aに一
体的なリング部材24bとを有する。軸部材24aの両
端は断熱板22及び水冷ジャケット21を貫通し、軸受
26に回転自在に支持され、そのうちの一端にはモータ
Mが連結されている。また、処理室23内には、後述す
るU字型の発熱体27が、被処理物2の搬送方向に沿っ
て複数設けられている。
【0016】次に、図4〜7を参照して、発熱体27の
詳細について説明する。図4は発熱体27の正面図を、
図5は図4における[5]−[5]線方向の断面図を、図6
は上面図を、図7は側面図を示す。
【0017】発熱体27は、主として、湾曲した底部2
8と、この底部28の両端に連結し直線的に延在する側
部29とからなり、全体としてはU字状を呈している。
【0018】側部29は直線的な帯状を呈し、底部28
は半円状に湾曲した帯状を呈する。側部29及び底部2
8は共に、例えば線径1mmほどのタングステンでなる
多数の線材をメッシュ状に組み合わせてなる。底部28
の幅は側部29の幅よりも小さい。
【0019】側部29と底部28は、それぞれの端部が
2枚の連結板30a、30bに狭圧されることで一体的
に連結されている。具体的には、2枚の連結板30a、
30bを貫通するボルト31の軸部にナット32が締結
されることにより2枚の連結板30a、30bは側部2
9及び底部28それぞれの一端部を狭圧している。ま
た、側部29の上端はリード部33に取り付けられてい
る。上記連結板30a、30b、ボルト31、ナット3
2、リード部33は、全て金属材料でなる。
【0020】以上のように構成される発熱体27は、図
1に示すように、リード部33が断熱板22を貫通し
て、外部の電極と接続する取付部34に取り付けられて
いる。これによって、発熱体27は、処理室23内で、
上方から吊り下げられた状態で配設されている。
【0021】図2及び図3に示されるように、発熱体2
7は搬送方向Aに沿って複数配設され、個々の発熱体2
7は、隣り合う搬送ローラ24間に位置している。各発
熱体27の両側部29は搬送ローラ24の上方でほぼ垂
直に延在しており、底部29は搬送ローラ24の下方で
搬送ローラ24の軸方向とほぼ平行に延びている。
【0022】以上のように構成される熱処理炉では、真
空中または不活性ガス雰囲気とされた処理室23内で、
被処理物2を載せた搬送トレイ25が搬送ローラ24上
に載置され、搬送ローラ24の回転により搬送トレイ2
5ごと搬送されながら発熱体27からの加熱を受け、熱
処理される。例えば、被処理物2としてタンタルコンデ
ンサの焼結処理が行われる。モータMは、複数の搬送ロ
ーラ24のうち駆動用の例えば1本の搬送ローラ24に
連結され、そのモータMにより駆動用の搬送ローラ24
が回転されると、他の従動用の搬送ローラ24は図示し
ない無端チェーンによって、駆動用搬送ローラ24と連
動して同方向に同速度で回転される。発熱体27には、
そのリード部33を通じて、外部から電力が供給され
る。
【0023】本実施の形態では、発熱体27は上述した
ような構成及び配置でもって処理室23内に配設されて
いるので、被処理物2の下面側から側面及び上面側にか
けてむらなく輻射熱を与えることができる。また、各発
熱体27は帯状を呈しているので、従来例1のドーム型
の発熱体4に比べ熱変形もしにくい。
【0024】図2において、多数の実線で示された矢印
は、発熱体27からの輻射熱の伝熱方向を表す。これか
らわかるように、搬送ローラ24の下方では、搬送トレ
イ25や搬送ローラ24、更には処理室23の下部に位
置し図示しない真空排気系に接続している排気口35な
どに奪われる熱のため、搬送ローラ24の上方よりも低
温になりがちである。
【0025】そこで、本実施の形態では、発熱体27の
底部28の幅(断面積)を側部29の幅(断面積)より
も小さくすることで、底部28の抵抗率を側部29より
も大として、搬送ローラ24の上方に位置する側部29
よりも発熱量(単位体積あたり)を大きくしている。こ
れによって、処理室23内における、搬送ローラ24の
上方と下方との温度差の広がりを抑制して、被処理物2
に対する均熱性を向上させることができる。
【0026】また、被処理物2の大きさに応じて、発熱
体27を搬送方向に沿って複数設けることで、被処理物
2の(搬送方向に関しての)前後方向での均熱性を確保
できる。また、各発熱体27の発熱量をそれぞれ独立し
て制御することで、搬送方向に関して上流側から下流側
にかけての温度分布の制御も可能となる。各発熱体27
の発熱量の制御は、各発熱体27に供給する電力や、各
発熱体27の材質や断面積に差を出すことで可能とな
る。
【0027】また、発熱体27は搬送ローラ24の上方
と下方とで分割されずに、ひとつながりとなっているの
で、材質や断面積の異なる発熱体に交換する作業や、破
損したり、使用寿命に達して所望の発熱量が得られなく
なった発熱体を新しいものに交換する作業などを容易に
行える。特に、材質や断面積の異なる発熱体への交換が
容易に行えることは、処理室23内のきめ細かな温度分
布に対する要求にも容易に対処できることになり、被処
理物2の品質の向上にもつながる。
【0028】(第2の実施の形態)次に、第2の実施の
形態について説明する。本実施の形態では、発熱体の構
成が上記第1の実施の形態と異なる。
【0029】以下、図8〜11を参照して、本実施の形
態の発熱体37の詳細について説明する。図8は発熱体
37の正面図を、図9は図8における[9]−[9]線方向
の断面図を、図10は上面図を、図11は側面図を示
す。
【0030】発熱体37は、例えばNi−Cr合金でな
る帯板状の部材をU字状に湾曲してなる。半円状に湾曲
した底部38の幅は、直線的に延在する側部39の幅よ
りも小さい。厚さは、側部39及び底部38共に約1m
mである。側部39の上端は、金属製のリード部43に
取り付けられている。
【0031】以上のように構成される発熱体37は、上
記第1の実施の形態と同様に、リード部43が、図1に
示す断熱板22を貫通して、外部の電極と接続する取付
部34に取り付けられている。これによって、発熱体3
7は、処理室23内で、上方から吊り下げられた状態で
配設される。発熱体37には、そのリード部43を通じ
て、外部から電力が供給される。
【0032】そして、発熱体37は搬送方向に沿って複
数配設され、個々の発熱体37は隣り合う搬送ローラ2
4間に位置している。各発熱体37の両側部39は搬送
ローラ24の上方でほぼ垂直に延在しており、底部39
は搬送ローラ24の下方で搬送ローラ24の軸方向とほ
ぼ平行に延びている。
【0033】以上のように構成される発熱体37は、上
記第1の実施の形態の発熱体27と同様な効果を奏す
る。すなわち、発熱体37は搬送ローラ24の下方から
上方にかけてひとつながりとなっているので、被処理物
2の下面側から側面及び上面側にかけて均一に輻射熱を
与えることができ加熱むらを防ぐことができ、取り扱い
性にも優れている。また、各発熱体37は帯板状を呈し
ているので、従来例1のドーム型の発熱体4に比べ熱変
形もしにくい。また、発熱体37の底部38の幅(断面
積)を側部39の幅(断面積)よりも小さくすること
で、底部38からの発熱量(単位体積あたり)を側部2
9よりも大きくしている。これによって、処理室23内
で、搬送ローラ24の上方と下方との温度差の広がりを
抑制して、被処理物2に対する均熱性を向上させること
ができる。更に、各発熱体37の発熱量をそれぞれ独立
して制御することで、搬送方向に関して上流側から下流
側にかけての温度分布の制御も可能となる。
【0034】(第3の実施の形態)次に、第3の実施の
形態について説明する。本実施の形態でも、発熱体の構
成が上記第1の実施の形態と異なる。
【0035】以下、図12〜15を参照して、本実施の
形態の発熱体47の詳細について説明する。図12は発
熱体47の正面図を、図13は図12における[13]
−[13]線方向の断面図を、図14は上面図を、図1
5は側面図を示す。
【0036】発熱体47は、主として、底部48と、こ
の底部48の両端部に連結し底部48から上方に直線的
に延在する側部49とからなり、全体としては凵字状を
呈している。
【0037】側部49は直線的な帯板状を呈し、底部4
8と連結される下端部49aは他の部分よりも幅が小さ
くなっている。底部48は中空円筒状を呈する。
【0038】側部49と底部48とは互いに直交するよ
うに一体的に連結されている。具体的には、底部48の
両端は側部49の下端部49aを貫通しており、更に下
端部49aを両側から挟むようにナット55a、55b
が底部48の両端に螺着されている。上記側部49、底
部48、ナット55a、55bは、全て炭素系材料(例
えばグラファイト)でなる。側部49の上端には、グラ
ファイト製のリード部53が取り付けられている。具体
的には、側部49の上端にリード部53のねじ部53a
が貫通しており、更に側部49の上端を両側から挟むよ
うに、グラファイト製のナット54a、54bがリード
部53のねじ部53aに螺着されている。
【0039】以上のように構成される発熱体47は、上
記第1の実施の形態と同様に、リード部53が、図1に
示す断熱板22を貫通して、外部の電極と接続する取付
部34に取り付けられている。これによって、発熱体4
7は、処理室23内で、上方から吊り下げられた状態で
配設されている。発熱体47には、そのリード部53を
通じて、外部から電力が供給される。
【0040】そして、発熱体47は搬送方向に沿って複
数配設され、個々の発熱体47は隣り合う搬送ローラ2
4間に位置している。各発熱体47の両側部49は搬送
ローラ24の上方でほぼ垂直に延在しており、底部48
は搬送ローラ24の下方で搬送ローラ24の軸方向とほ
ぼ平行に延びている。
【0041】以上のように構成される発熱体47は、上
記第1の実施の形態の発熱体27と同様な効果を奏す
る。すなわち、発熱47は搬送ローラ24の下方から上
方にかけてひとつながりとなっているので、被処理物2
の下面側から側面及び上面側にかけて均一に輻射熱を与
えることができ加熱むらを防ぐことができ、取り扱い性
にも優れている。また、従来例1のドーム型の発熱体4
に比べて熱変形もしにくい。また、中空状の底部48の
断面積を、帯板状の側部49の断面積よりも小さくして
おり、底部48からの発熱量(単位体積あたり)を側部
49よりも大としている。これによって、処理室23内
で、搬送ローラ24の上方と下方との温度差の広がりを
抑制して、被処理物2に対する均熱性を向上させること
ができる。更に、各発熱体47の発熱量をそれぞれ独立
して制御することで、搬送方向に関して上流側から下流
側にかけての温度分布の制御も可能となる。
【0042】発熱体の材質は処理温度に応じて適宜選択
される。例えば、上記第1の実施の形態のタングステン
メッシュでなる発熱体27は2000℃の熱処理用に、
第2の実施の形態のNi−Cr合金でなる発熱体37は
600℃の熱処理用に、第3の実施の形態のグラファイ
トでなる発熱体47は1800℃の熱処理用に適用され
る。その他、タンタル、モリブデンなども発熱体材料と
して用いられる。なお、断熱板22、搬送ローラ24、
搬送トレイ25などの材質も、処理温度や被処理物2の
種類などに応じて炭素系材料(例えば、CCM;carbon car
bon composite material)や、金属材料が選択される。
【0043】以上、本発明の各実施の形態について説明
したが、勿論、本発明はこれらに限定されることなく、
本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能であ
る。
【0044】上記各実施の形態の発熱体において、底部
の発熱量を側部よりも大としたが、場合によっては、側
部(全体又は一部分)の断面積を底部よりも大として側
部の発熱量(単位体積あたり)を底部よりも大としても
よい。また、更には、断面積ではなく部分的に材質を変
えることで発熱量の調整を行ってもよい。また、各発熱
体において、底部、側部に加えて、両側部間を連結する
上部を形成してリング状にしてもよい。
【0045】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、発熱
体は、処理室内で搬送ローラの下方から上方にかけてひ
とつながりとなっているので、被処理物を、むらなく一
様に加熱でき、被処理物の品質を向上させることができ
る。また、発熱体は搬送ローラの上方と下方とで分割さ
れていないので、取り扱い性に優れ、熱処理炉の構造も
簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による、熱処理炉の
概略断面図である。
【図2】同熱処理炉の要部の拡大側断面図である。
【図3】同熱処理炉に配設される搬送ローラと発熱体と
の位置関係を模式的に示す斜視図である。
【図4】同熱処理炉に配設される発熱体の正面図であ
る。
【図5】図4における[5]−[5]線方向の断面図であ
る。
【図6】同発熱体の上面図である。
【図7】同発熱体の側面図である。
【図8】第2の実施の形態による発熱体の正面図であ
る。
【図9】図8における[9]−[9]線方向の断面図であ
る。
【図10】同発熱体の上面図である。
【図11】同発熱体の側面図である。
【図12】第3の実施の形態による発熱体の正面図であ
る。
【図13】図12における[13]−[13]線方向の断面
図である。
【図14】同発熱体の上面図である。
【図15】同発熱体の側面図である。
【図16】従来例1の熱処理炉の概略断面図である。
【図17】従来例2の熱処理炉の概略断面図である。
【符号の説明】
2……被処理物、23……処理室、24……搬送ロー
ラ、25……搬送トレイ、27……発熱体、28……底
部、29……側部、33……リード部、37……発熱
体、38……底部、39……側部、43……リード部、
47……発熱体、48……底部、49……側部、53…
…リード部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 3/62 H05B 3/62 Fターム(参考) 3K092 PP09 QA05 QB02 QB15 QB26 QB30 VV01 VV22 4K050 AA02 BA01 BA02 BA16 CA07 CC02 CD08 CG04 EA07 4K063 AA05 AA12 AA16 BA02 BA03 BA12 CA03 FA03 FA04 FA18 FA29

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 搬送ローラと、該搬送ローラ上を搬送さ
    れる被処理物を加熱する発熱体とが処理室内に配設され
    た熱処理炉であって、 前記発熱体は、前記搬送ローラの下方側で前記搬送ロー
    ラに対向する底部と、該底部から前記搬送ローラの上方
    に延在する側部とが、ひとつながりになって構成される
    ことを特徴とする熱処理炉。
  2. 【請求項2】 前記発熱体の、前記底部の断面積を前記
    側部の断面積よりも小さくしたことを特徴とする請求項
    1に記載の熱処理炉。
  3. 【請求項3】 前記被処理物の搬送方向に沿って、複数
    の前記発熱体を配置したことを特徴とする請求項1又は
    請求項2に記載の熱処理炉。
  4. 【請求項4】 前記複数の発熱体はそれぞれ独立して発
    熱量を制御されることを特徴とする請求項3に記載の熱
    処理炉。
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