JP4906359B2 - 加熱炉 - Google Patents

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Description

本発明は、加熱炉に関し、特に、加熱用ヒータの消耗が抑制された加熱炉に関する。
従来、加熱炉は、発熱源として使用される加熱用ヒータの性質によりその最高使用温度が決定されている。このような加熱用ヒータとしては、例えば、カーボンヒータ等が挙げられる。カーボンの昇華点は約3650℃であり、実用的には、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中で約3000℃まで使用することができ、セラミック成形品等を焼成するための焼成炉や金属・ガラス等の溶融炉における発熱源として広く利用されている。カーボンヒータに代表される加熱用ヒータの多くは導電性であり、この特性を利用してジュール熱等により発熱させている。さらにカーボン以外のセラミックで構成された加熱用ヒータも化学的安定性や耐熱性が高いことから、加熱用ヒータとして有用である。
しかしながら、加熱用ヒータを用いた従来の加熱炉には、使用中に消耗・減肉するという問題があった。この消耗・減肉の態様は、以下のようなものである。
すなわち、第一の態様として、高温での連続使用により加熱用ヒータを構成するセラミック材料が昇華等し、消耗・減肉する態様が挙げられる。この場合、高い温度での加熱用ヒータの使用に起因して、加熱部等の周囲より温度が高い部位の表面から徐々に加熱用ヒータの構成元素や化合物の昇華が進行し、まず、高温部位が消耗・減肉して細くなってしまう。このような消耗・減肉が発生すると、電気的な抵抗が局所的に高くなり、そのため抵抗による発熱量が上昇し、その部位の温度がヒータの他の部位よりも高くなり、ますます昇華が進行するという悪循環が生じる。これにより、加速度的に減肉が進行して、ついには加熱用ヒータのライフエンドを迎えるのである。
さらに、加熱用ヒータを真空又は減圧炉で使用した場合、加熱用ヒータを構成する物質の昇華点が下がることにより、減肉の開始する温度が低下し、ヒータのライフはさらに短くなってしまう。
また、消耗・減肉の第二の態様として、加熱用ヒータと雰囲気ガスとが反応して減肉する態様が挙げられる。この場合においても、周囲よりも温度が高い部位の表面から徐々に反応が進行し、反応した部分が減肉したり、抵抗の高い反応生成物が生成したりし、導電性部位が細くなって局所的に電気抵抗が高くなる。そして、局所的な抵抗が高くなると、その部位の温度がヒータの他の部位よりも高くなり、ますます減肉する反応が進行し、加速度的に反応が進行することにより、短時間で加熱用ヒータのライフエンドを迎えることになるのである。
このように、加熱用ヒータが減肉等により短時間で消耗すると、新たな加熱用ヒータに定期的に交換する必要があり、その作業に多大な時間や労力を要する上に交換作業を頻繁に行なう必要があり、生産性の低下は避けられない。すなわち、高温に加熱された加熱炉の加熱用ヒータの交換を行なうには、まず炉全体を冷却する必要があり、その後、消耗した加熱用ヒータを取り外して新たな加熱用ヒータを取付け、再度加熱炉を加熱するという作業が必要となるため、多大な時間を必要とするのである。加熱炉が大型の場合は、さらに作業自体に困難性を伴う。また、交換作業を行なうために加熱炉を一時的に停止させる必要があるので、製造ラインの生産性が低下してしまうことになる。
このような問題に対して、製造ラインの生産性を低下させることなく、加熱用ヒータの寿命を延長させる方策の開発が望まれていた。
これまでにヒータの長寿命化に関しては種々の取り組みがなされており、例えば、上記方策として、抵抗炉に配設される発熱体において、該発熱体の少なくとも発熱部の外表面を凹凸に形成した抵抗炉用発熱体が開示されている(特許文献1)。この文献によれば、このような抵抗炉用発熱体では、発熱体の外径を大きくしたり、発熱体の本数を増加させたりすることなく、表面負荷密度を下げて発熱体の寿命を延ばし、大きな電力を印加させることができるという効果を奏することが記載されている。
また、抵抗発熱体表面からの黒鉛の蒸発等が抑制された加熱炉として、黒鉛から成る両端部が開口された円筒状の抵抗発熱体の外側に、炭素繊維糸条を捲回積層して成る炭素繊維糸条層と、シート状黒鉛を捲回積層して成るシート状黒鉛層とがこの順に形成された発熱体を備え、該発熱体の前記抵抗発熱体に電流を通じて前記抵抗発熱体内部の被加熱処理物を熱処理する加熱炉において、前記発熱体の少なくとも前記シート状黒鉛層と前記抵抗発熱体との間の両端部を、窒化硼素成形体から成る絶縁部材で封止した加熱炉が開示されている(特許文献2)。上記文献には、上記加熱炉は、2500℃以上もの高温下においても、発熱体の寿命が大幅に延長された状態で被加熱物処理を連続的に熱処理することができるという効果を奏することが記載されている。
特開2003−142240号公報 特開平6−129778号公報
しかし、特許文献1及び特許文献2に記載の加熱用ヒータ又はその加熱用ヒータを備えた加熱炉の寿命は、およそ500〜1000時間程度であり、従来の加熱用ヒータと比較してその使用可能期間は長くなっているものの充分な長さではなく、さらなる長寿命化が望まれていた。
また、特許文献1に記載の抵抗炉用発熱体では、カーボン等の切削加工が必要な材料で構成されたヒータを加工する場合、このようなカーボン製ヒータの形状加工性は良好であるものの、長寿命化に必要な表面への凹凸の形成には複雑な加工方法が必要であり、多大なコストアップにつながっていた。
また、特許文献2に記載の加熱炉では、連続式加熱炉である場合には線状の糸条を主な加熱対象としていることから大型化が困難であり、一方、被加熱物の形状が線状以外ではバッチ炉となって、連続的に処理することが困難であった。
本発明者は、上記課題を鑑みて鋭意検討した結果、炉体内に、加熱用ヒータと、所定のガスを生成するガス生成用発熱体とを備えた加熱炉では、使用時のセラミック材料等の昇華や反応に起因する加熱用ヒータの減肉を有効に抑制し、加熱用ヒータの製品寿命を長期化させることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の加熱炉は、炉体内に、加熱用ヒータと、上記加熱用ヒータの構成元素を含むガスを生成するためのガス生成用発熱体とが取り付けられたことを特徴とする。
本明細書において、炉体とは、加熱炉を構成する囲み構造をいい、加熱炉が区画されている場合は、それぞれの区画における囲み構造及び各区画を併せて構成される囲み構造全体の両方をいう。上記炉体は、内部を一定のガス雰囲気に保って外部の雰囲気と遮断する役割を果たし、また、連続炉構造及びバッチ炉構造のいずれもが含まれる。
本発明における加熱用ヒータとは、加熱炉において被加熱物を加熱するための発熱源となるヒータをいい、表面温度が500℃以上の高温となるようなヒータをいう。
また、ガス生成用発熱体とは、加熱用ヒータを構成する元素又はこの元素を含む化合物(以下、加熱用ヒータを構成する元素等、又は、加熱用ヒータを構成する元素又は化合物ともいう)のガスを加熱下において生成させることを目的とした発熱体であり、上記ガスの生成に化学反応を伴う場合には、加熱用ヒータと反応して加熱用ヒータを消耗させる雰囲気ガスを消費し、加熱用ヒータを構成する元素又はこの元素を含む化合物のガスを加熱下において生成させることをも目的とする発熱体である。なお、ガス生成用発熱体による発熱は、加熱用ヒータと比較して被加熱物に対して実質的に影響を及ぼさない程度の発熱である。
上記ガス生成用発熱体の表面温度は、上記加熱用ヒータの表面温度より高いことが望ましい。
上記加熱用ヒータは、カーボンで構成されていることが望ましく、さらに、上記ガス生成用発熱体も、カーボンで構成されていることが望ましい。
上記ガス生成用発熱体の発熱方法は、アーク放電、抵抗加熱、誘導加熱及びマイクロ波加熱からなる群より選択された少なくとも一種による発熱であることが望ましく、特に、アーク放電による発熱であることが望ましい。
本発明によれば、高温下で使用した際に昇華や蒸発、雰囲気ガスとの反応等によって加熱用ヒータから生じるガスをガス生成用発熱体から生成させること、及び/又は、上記ガスの生成に化学反応を伴う場合には、加熱用ヒータと反応しうる雰囲気ガスを消費することにより、加熱用ヒータの構成元素又は化合物の昇華や蒸発等を抑制することができるので、加熱用ヒータの導電性部位の減肉を有効に抑えることができ、加熱用ヒータの長寿命化を効率的かつ簡便に図ることができる。
また、本発明の加熱炉では、複雑な構造を必要とすることなく、加熱用ヒータと併せてガス生成用発熱体を使用するだけで加熱用ヒータの消耗を抑制することができる。従って、本発明の構成は、連続炉やバッチ炉のいずれにも適用することができ、炉の大きさも小型炉から大型炉まで必要に応じて適用することができるので、加熱炉や製造工程の設計・組み立ての自由度を確保しつつ、長寿命の加熱炉とすることができる。
さらに、ガス生成用発熱体の構成自体も複雑でなく、交換・取付けが容易であるので、製造ラインの生産性の低下を防止することができる。
本発明の加熱炉を連続炉としたときの実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る連続加熱炉を長手方向に沿って鉛直縦方向に切断した場合を模式的に示す縦断面図であり、図2は、本発明に係る連続加熱炉を長手方向に垂直な断面で切断した場合を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、この加熱炉10には、入口方向から順次、脱気室21、予熱室22、加熱室23、徐冷室24、冷却室25、脱気室26が設けられている。
脱気室21は、搬入する被加熱物9の内部や周囲の雰囲気を変えるために設けられており、被加熱物9を支持体19等に載置して搬入した後、一旦、脱気室21を真空にし、続いて不活性ガスを導入することにより、被加熱物9の内部や周囲の雰囲気を不活性ガス雰囲気とする。
予熱室22では、加熱用ヒータを使用したり、加熱室の熱を利用したりして被加熱物9の温度を次第に上昇させていき、次に加熱室23で加熱(例えば、焼成等)を行なう。徐冷室24では、加熱後の被加熱物9を徐々に冷却し、さらに冷却室25で室温に近い温度まで戻す。そして、脱気室26に被加熱物9を搬入した後、不活性ガスを抜いて空気を導入し、被加熱物9を搬出することにより、被加熱物を加熱する一連の流れが完了する。
次に、本実施形態における本発明の加熱炉の詳細な構成を説明する。
図1及び2に示したように、加熱炉10において被加熱物9を加熱する加熱室23は、被加熱物9を収容する空間を確保するように形成された筒状のマッフル11と、マッフル11の上方及び下方に所定間隔で配設された加熱用ヒータ12と、マッフル11と加熱用ヒータ12とをその内部に含むように設けられた断熱材13と、断熱材13の外側に配設された炉材14とを備えており、炉材14により周囲の雰囲気と隔離されている。ここで本実施形態では、炉材14と断熱材13とマッフル11とを併せた囲み構造を炉体というが、炉体の構成要素は本実施形態に限定されず、加熱炉の使用目的や被加熱物の性質等によって任意に設計変更してもよい。また、加熱炉10の側方には、炉材14及び断熱材13を貫通する貫通孔が形成されており、発熱体端子16と接続されたガス生成用発熱体15が、この貫通孔を通して断熱材13とマッフル11との間の空間に位置するように配設されている。発熱体端子16は、外部電源と接続されている。
ここで、図1に示すように、加熱用ヒータ12は、加熱室23、及び、必要に応じて予熱室22に配設されている。
本実施形態では、加熱用ヒータ12は、マッフル11の上方及び下方に配設されているが、これに限らず、加熱用ヒータ12は、マッフル11の外周方向であれば、どこに配設されていてもよい。また、加熱用ヒータの配設間隔や配設数も所望の加熱温度が得られるように適宜変更することができる。
またガス生成用発熱体15は、本実施形態において、加熱用ヒータ12が配設されている加熱室23に取り付けられており、必要に応じて予熱室22に取り付けられている。図2において、ガス生成用発熱体15は、マッフル11の側方に取り付けられているが、取付け位置は図示している位置に限定されず、加熱用ヒータ12と同様にマッフル11の外周方向であれば、どこに取り付けられていてもよい。
ガス生成用発熱体の取付け間隔やその数も適宜変更することができる。
マッフル11は、図示しない支持部材により床部分の全体が支持されており、被加熱物9を輸送させることができる。マッフル11は、脱気室21、26を除いた全域に設けられている。マッフル11の内部にはコンベア等の輸送手段が設けられていてもよく、これにより、被加熱体9の自動輸送が可能となる。
予熱室22、加熱室23及び徐冷室24には、断熱材13が設置されており、加熱室23では、断熱材13は加熱用ヒータ12のさらに外側に設けられており、適宜固定部材により固定されている。そして、一番外側には、脱気室21を除いた全域にわたって炉材14が設けられている。この炉材14には、加熱炉内部の雰囲気を不活性ガス雰囲気で満たすためのガス導入管27と不活性ガスを排出するためのガス排気管28が設けられている。
ここで、本発明の加熱炉の実施形態を連続炉として説明したが、上記のような連続炉としてではなく、バッチ炉としても構成することができる。
本発明の加熱炉がバッチ炉である場合の構成も連続炉の構成とは大きく変わらず、例えば、加熱炉を箱型の加熱炉となるように炉材14を構成し、加熱室23のみを内部に設置して、出し入れ口として開閉可能な扉等を取付け、また、炉材14の内部を断熱材等により包囲する等して、本発明の加熱炉をバッチ炉として構成することができる。
なお、このバッチ炉の実施形態においては、炉材と断熱材とを併せた囲み構造を炉体という。
本発明の加熱炉は、連続炉として使用する場合、排ガス等を浄化するためのディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)として使用されるハニカム構造体を製造する際に、無機粉体等を押出成形により成形したハニカム成形体を焼成するための焼成炉として好適に使用される。加えて、本発明の加熱炉をバッチ炉として使用する場合には、金属やガラス・シリコン等の無機物を加熱・溶融するための加熱炉としても好適に使用することができる。
このように、本発明の加熱炉は、その構成要素として、加熱用ヒータと、上記加熱用ヒータの構成元素を含むガスを生成するためのガス生成用発熱体とを備えるだけでよいので、連続炉・バッチ炉のいずれの加熱炉としても構成することができ、簡便かつ効率的に加熱用ヒータの長寿命化を図ることができる。
次に、本発明の加熱炉に使用される加熱用ヒータ及びガス生成用発熱体を詳細に説明する。下記する加熱用ヒータ及びガス生成用発熱体は、本発明の加熱炉が連続炉であってもバッチ炉であっても適用することができ、また、必要に応じて設計変更や改変も可能である。
図2に示したように、加熱用ヒータ12は、発熱して熱を放射する加熱部と端子18とからなり、端子18を介して外部の電源(図示せず)と接続されている。加熱用ヒータ12の形状は、特に限定されず、図に示すような棒状であってもよく、又はU字状やW字状、スパイラル状等の任意の形状とすることができる。
加熱用ヒータは、カーボン、SiC、MoSi、LaCrO等の導電性セラミックで構成されていることが望ましい。
加熱用ヒータが導電性セラミックで構成されていると、電気的又は電磁気的エネルギーにより発熱させることができるので、燃料ガスや燃料油等を使用する必要がなく、自然環境への負荷を低減させることができ、作業環境の安全性を高めることができる。さらに、加熱用ヒータとしての最高使用温度が高いことから種々の用途に適用させることができ、また、形状加工性や取扱い性も良好である。
特に、加熱用ヒータは、カーボンで構成されていることが望ましい。
カーボンで構成された加熱用ヒータは、最高使用温度や発熱効率が高く、形状加工性が優れていることから、連続炉及びバッチ炉のいずれにも簡便に適用可能である。
なお、本発明の加熱炉の構成は、加熱用ヒータの発熱方法として抵抗加熱による発熱が採用されている加熱炉に好適に適用することができる。
本発明の加熱炉で使用される加熱用ヒータとしては、表面温度が500℃以上のヒータが望ましい。表面温度が500℃未満であれば、加熱用ヒータを構成する構成元素等が、雰囲気ガスとほとんど反応しないか、又は、反応していても速度論的に無視しうる程度の反応速度であるので、加熱用ヒータの反応等による消耗を考慮に入れる必要性が生じないからである。この場合は、高温使用下での加熱用ヒータの構成元素等の反応等による加速度的な消耗ではなく、加熱用ヒータの通常の製品寿命により交換の必要性が生じることとなる。
以下に、加熱用ヒータの減肉の機構を説明する。
加熱用ヒータの減肉の機構は以下の2パターンに大別される。
(昇華)aA(s)⇔A(g) (1)
(化学反応)aA(s)+bB⇔mM⇔nN(g) (2)
式(1)及び(2)において、Aは加熱用ヒータの構成元素又はこの元素を含む化合物であり、Bは雰囲気ガスに含まれる元素又は化合物である。
なお、反応式(1)では、途中に液相を経由する蒸発反応が生じることもある。
(蒸発反応)aA(s)⇔aA(l)⇔A(g) (3)
また、反応式(2)には、セラミック等の加熱用ヒータの構成元素又はこの元素を含む化合物が分解し、ガス化する次式の反応
(分解反応)aA(s)⇔mM⇔nN(g) (4)
を含む。式(2)及び(4)において、M及びNは、加熱用ヒータの構成元素又はこの元素を含む化合物の分解生成物又は反応生成物である。
加熱用ヒータがカーボンで構成されている場合、式(1)で表される昇華は式(5)で表され、
3C(s)⇔C(g) (5)
式(2)で表される雰囲気ガスとの化学反応としては、例えば、
C(s)+CO(g)⇔2CO(g) (6)
といった反応が挙げられる。
これらの反応は平衡反応であり、反応に関与するガスの平衡分圧、温度により平衡が決定される。
反応式(5)に示される反応の平衡定数Kpは、C(g)の平衡分圧をPC3とし、固体Cの活量を1とすると、
Kp=PC3 (7)
で示すことができる。Kpは式(8)で表されるように温度の関数であり、任意の温度でKpの値は一義的に決定される。
ΔG°=−RTlnKp (8)
(式中、ΔG°は標準自由エネルギー変化、Rは気体定数、Tは温度)
ゆえに、任意の温度でのCの平衡分圧は、
C3=e^(−ΔG°/RT) (9)
で表すことができる。
従って、任意の温度において、Cは温度に依存する特定の平衡分圧(平衡蒸気圧ともいう)を有することとなる。加熱炉内が不活性ガス流通下や真空又は減圧の条件下にある場合、Cは平衡分圧(又は平衡蒸気圧)を有するので式(5)の平衡状態が成立しなくなり、経時的にカーボンが流出し、その後消失してしまう。
同様に、反応式(6)に示される反応の平衡定数は、
Kp=PCO /PCO2 (10)
で示すことができる。Kpは式(8)で表されるように温度の関数であり、任意の温度でKpの値は一義的に決定される。
ΔG°=−RTlnKp (8)
ゆえに、任意の温度でのCO、COの平衡分圧比は、
CO /PCO2=e^(−ΔG°/RT) (11)
で表すことができる。
従って、任意の温度において、CO、COは温度に依存する特定の平衡分圧(又は平衡蒸気圧)を有することとなる。加熱炉内と加熱炉外とで連続的に流通している不活性ガス等の雰囲気中にCOが含まれている場合や減圧下においてCOが存在する場合には、CO、COは平衡分圧(又は平衡蒸気圧)を有するので式(6)の平衡状態が成立しなくなり、経時的にカーボンが流出し、その後消失してしまう。
本発明者は、このような加熱用ヒータの減肉機構を充分に検討した結果、加熱炉において以下の反応を生じさせることで、加熱用ヒータの消耗を抑制することができることを見出した。
すなわち、式(5)において加熱炉内のCの平衡分圧が高い場合、平衡が左に移動することを利用する。そうすると、カーボンで構成される加熱用ヒータからのカーボンの昇華が抑えられ、雰囲気中に存在するCガスが固体のCに戻ることとなる。なお、このような反応は、反応式(5)に限定されたものではなく、カーボン、C、C等のCガス(通常、n=1〜5)の場合にも同様に成立する。
同様に、式(6)の平衡反応において炉内のCOのガス平衡分圧が高く、COのガス平衡分圧が低い場合、系内の平衡が左に移動することになる。従って、カーボンで構成される加熱用ヒータとCOの反応が抑えられ、雰囲気中に存在するCOガスがCとCOとに戻る。なお、このような反応は、反応式(6)に限定されたものではなく、カーボンとO、Oとの反応や、Hとの反応でも同様に成立する。
この原理を背景に、ガス生成用発熱体について以下説明する。
本発明の加熱炉には、加熱用ヒータと併せてガス生成用発熱体が取り付けられており、加熱の際に、上記加熱用ヒータの構成元素を含むガスを上記ガス生成用発熱体から生成させる。ガス生成用発熱体から生成するガスが、加熱用ヒータの構成元素を含むガスであるので、加熱用ヒータ表面における構成元素等の昇華・蒸発や、雰囲気ガスとの反応等が抑制される。
本明細書において、加熱用ヒータの構成元素を含むガスとは、上記加熱用ヒータの減肉機構で検討したように、加熱用ヒータを構成する元素又はこの元素を含む化合物を含み、かつ、加熱用ヒータの構成元素もしくは化合物単独で生じる平衡反応及び/又は加熱用ヒータの構成元素等と雰囲気ガスとの間で生じる平衡反応において固体の構成元素が生成される方向に平衡を移動させることができるガスをいう。
具体的には、例えば、加熱用ヒータがカーボンで構成されている場合では、固体状態の構成元素であるC(カーボン)が昇華・蒸発・分解して気体状態となったCやC、C等、あるいは、固体状態の構成元素であるCと雰囲気ガス(例えば、CO等)との反応生成物である気体状態のCO等をいう。
また、加熱用ヒータの構成元素等を含むガスは、構成元素単体のガスであってもよく、構成元素を含む化合物のガスであってもよい。
なお、加熱用ヒータの減肉の機構について、カーボンで構成されている加熱用ヒータの場合を説明したが、上記機構は、カーボンだけでなく、加熱用ヒータがSiC、MoSi、LaCrO等で構成されている場合にも適用することができる。
すなわち、加熱用ヒータが、SiC、MoSi、LaCrO等で構成されている場合であっても、本発明の加熱炉に使用されるガス生成用発熱体は、加熱用ヒータを構成する元素(例えば、Si等)を含み、かつ、加熱用ヒータの構成元素単独で生じる平衡反応及び/又は加熱用ヒータの構成元素と雰囲気ガスとの間で生じる平衡反応において固体の構成元素が生成される方向に平衡を移動させることができるガス(例えば、CO等)を生成するので、加熱用ヒータの減肉・消耗を抑制することができる。
上記ガス生成用発熱体が、加熱用ヒータの構成元素を含むガスを生成する限り、表面温度は加熱用ヒータ又はガス生成用発熱体のいずれの方が高くても本発明の効果は得られるが、上記ガス生成用発熱体の表面温度は、上記加熱用ヒータの表面温度より高いことが望ましい。
加熱用ヒータを構成する元素や化合物が昇華・蒸発等して気体状態となる蒸気圧は、任意の温度において一義的に決定されるその元素や化合物固有の値である。また、蒸気圧は、温度が高いほど大きくなる。従って、ガス生成用発熱体の表面温度が、加熱用ヒータの表面温度より高いと、加熱用ヒータから発生するガスの蒸気圧よりガス生成用発熱体から生成するガスの蒸気圧が高くなるので、ガス生成用発熱体の表面から加熱用ヒータの構成元素を含むガスを効率的に生成することができ、加熱用ヒータの減肉・消耗を有効に抑制することができる。
さらに、ガス生成用発熱体の表面温度は、加熱用ヒータの表面温度よりも50℃以上高いことが望ましい。
ガス生成用発熱体の表面温度と加熱用ヒータの表面温度との温度差が50℃以上であると、ガス生成用発熱体の表面と加熱用ヒータの表面とにおける反応・分解生成物の蒸気圧差が大きくなる。従って、ガス生成用発熱体から加熱用ヒータの構成元素を含むガスをより効率的に生成させることができ、ヒータの減肉に至る反応を抑えるのに充分な平衡分圧を得ることができる。
本発明の加熱炉に使用されるガス生成用発熱体の構成元素又は化合物は、加熱用ヒータの構成元素を含むガスを生成する限り、特に限定されない。ガス生成用発熱体の構成元素等が加熱用ヒータの構成元素等と異なっていても、ガス生成用発熱体と雰囲気ガスとの反応により生成される反応生成物や、ガス生成用発熱体の構成元素等の分解生成物が、少なくとも加熱用ヒータの構成元素を含んでいれば、加熱用ヒータの減肉による消耗を防止することができる。
なお、ガス生成用発熱体から加熱用ヒータの構成元素を含むガスを生成させることのなかには、ガス生成用発熱体を炉体外に設置し、そこで生成させた加熱用ヒータの構成元素を含むガスを炉体内へと適宜の供給手段により連続的に供給することも含まれるものとする。
加熱用ヒータの構成元素を含むガスを生成する限り、上記ガス生成用発熱体の構成元素又は化合物は特に限定されないが、カーボン、SiC、MoSi、LaCrO等の導電性セラミックで構成されていることが望まく、特に、カーボンで構成されていることが望ましい。
ガス生成用発熱体が導電性セラミックで構成されていると、クリーンな電気的エネルギーの連続供給による加熱用ヒータの構成元素を含むガスの生成が可能となる。また、発熱効率や形状加工性が、良好であり、効率的に加熱用ヒータの構成元素を含むガスを生成させることができる。
上記ガス生成用発熱体の構成元素又は化合物は、上述のように特に限定されないが、加熱用ヒータの構成元素と同一の元素をガス生成用発熱体の重量に対して0.1重量%以上含むことが望ましい。
上記ガス生成用発熱体の重量に対して、0.1重量%以上の加熱用ヒータの構成元素又は化合物をガス生成用発熱体が含んでいると、加熱用ヒータの構成元素を含むガスの系内での蒸気圧が充分に高くなり、加熱用ヒータの消耗・減肉に至る反応の進行を抑制するのに充分な量で、ガス生成用発熱体から加熱用ヒータの構成元素を含むガスを生成する。
加熱用ヒータと同一の構成元素又は化合物を含んだガス生成用発熱体は、例えば、その製造段階において、ガス生成用発熱体の構成元素又は化合物と加熱用ヒータの構成元素又は化合物とを混合して製造したり、ガス生成用発熱体に空孔を形成し、その空孔に加熱用ヒータの構成元素又は化合物を芯詰めしたりする等することにより製造することができる。
上記ガス生成用発熱体において、上記加熱用ヒータの構成元素と同一の元素又は化合物の量の上限は特に限定されず、10重量%であってもよく、20重量%、50重量%、さらに90重量%、好ましくは100重量%であってもよい。
特に、加熱用ヒータの構成元素と同一の元素等の量が100重量%、すなわち、加熱用ヒータと同一の構成元素又は化合物でガス生成用発熱体が構成されていると、加熱用ヒータとガス生成用発熱体とにおいて生じる反応が同一反応となり、生成される生成ガスも同一となるので、より効率的に加熱用ヒータの消耗の進行を遅らせることができる。
なお、上記ガス生成用発熱体が加熱用ヒータと同一の構成元素又は化合物で構成されていない場合、すなわち、加熱用ヒータの構成元素と同一の元素又は化合物の量が0.1重量%以上で100重量%未満の場合、残部は、カーボン、SiC、MoSi、LaCrO等であって、加熱用ヒータの構成元素と異なる元素又は化合物で構成されていることが望ましい。
上述のように、例えば、本発明の加熱炉を連続炉とした実施形態において、ガス生成用発熱体はマッフルの外周方向であれば取付け位置は任意である。ここで、ガス生成用発熱体を、加熱用ヒータに隣接する位置に設置する場合、ガス生成用発熱体の表面負荷密度は、加熱用ヒータよりも高い表面負荷密度であることが望ましい。
本発明の加熱炉において、ガス生成用発熱体の発熱量は、被加熱物に対して実質的に影響を及ぼさない程度の発熱量である。この発熱量を達成するために、例えば、ガス生成用発熱体の寸法(すなわち、表面積)を小さくし全体としての発熱量を抑えたとしても、表面負荷密度が加熱用ヒータより高いので、加熱用ヒータの構成元素を含むガスを有効な量で生成することができる。
なお、表面負荷密度とは、ガス生成用発熱体全体の消費電力[W]を表面積[cm]で除した値であり、単位は[W/cm]である。
上記ガス生成用発熱体の発熱方法は、加熱用ヒータの構成元素を含むガスを生成することができる温度まで加熱することができる方法であれば、特に限定されないが、アーク放電、抵抗加熱、誘導加熱及びマイクロ波加熱からなる群より選択される少なくも一種による発熱であることが望ましい。
本発明の加熱炉におけるガス生成用発熱体が導電性セラミックで構成されている場合には、アーク放電や抵抗加熱、誘導加熱、マイクロ波加熱のいずれによっても効率よくガス生成用発熱体を発熱させることができる。本発明の加熱炉において、複数のガス生成用発熱体が取り付けられている場合、それぞれのガス生成用発熱体の発熱方法は同一でもよく、異なっていてもよい。
以下に、各加熱方法を採用するガス生成用発熱体について図面を参照しながら説明する。
図3(a)〜(d)は、各加熱方法を採用するガス生成用発熱体の実施態様を模式的に示した部分断面図である。
図3(a)は、発熱方法としてアーク放電による発熱を採用するガス生成用発熱体の部分断面図である。
ガス生成用発熱体15aは、炉体の側面に所定間隔をおいて形成された貫通孔を通して加熱炉内に挿入され、炉体の外側において発熱体端子16が外部電源に接続されている。図に示すように、外部電源によって2つのガス生成用発熱体15aの間に電圧を印加することによりアーク放電が生じ、それによってガス生成用発熱体15aが発熱し、所定の温度まで加熱されると加熱用ヒータの構成元素を含むガスを生成し始める。
ガス生成用発熱体の発熱方法としてアーク放電を採用する場合は、ガス生成用発熱体は、カーボンで構成されていることが望ましい。ガス生成用発熱体がSiC、MoSi、LaCrO等で構成されていてもアーク放電による発熱は生じるが、カーボンで構成されていると発熱量がより大きくなり、効率的に加熱用ヒータの構成元素を含むガスを生成することができる。
カーボンで構成したガス生成用発熱体のアーク放電では、一般的に、アークプラズマは約5000〜約20000℃程度、ガス生成用発熱体の表面温度は約3000℃以上という高い温度を発生させるができる。このとき、ガス生成用発熱体表面からカーボン等が昇華して加熱用ヒータの構成元素を含むガスが生成されるので、加熱用ヒータにおいて生じる昇華・分解・化学反応等を抑制することができる。
次に、発熱方法として抵抗加熱を採用した場合について説明する。
図3(b)は、発熱方法として抵抗加熱による発熱を採用するガス生成用発熱体を模式的に示した部分断面図である。
図3(b)に示すように、炉体に形成された貫通孔を通して発熱体端子16が加熱炉内に挿入されており、発熱体端子16の端部同士はガス生成用発熱体15bにより接続されている。また、発熱体端子16は加熱炉の外側において外部電源に接続されており、電気的なエネルギーの供給を受けることができる。
上記外部電源によって発熱体端子16間に電圧を印加することで、ガス生成用発熱体15bに電流が流れてジュール熱が発生する。このジュール熱によってガス生成用発熱体15bが発熱・昇温し、所定の温度まで加熱されると表面から加熱用ヒータの構成元素を含むガスを生成し始める。
発熱方法に抵抗加熱を採用する場合には、ガス生成用発熱体は、加熱用ヒータの構成元素を含むガスを生成すればどのようなもので構成されていてもよく、例えば、カーボン、SiC、MoSi、LaCrO等の導電性セラミックで構成されていてもよい。
次に、発熱方法として誘導加熱による発熱を採用した場合について説明する。図3(c)は、発熱方法として誘導加熱による発熱を採用するガス生成用発熱体を模式的に示した部分断面図である。
図3(c)に示すように、コイル端子と接続する誘導コイル17が、炉体に形成された貫通孔を通して加熱炉内に配設されており、誘導コイル17は加熱炉の外側において外部電源に接続されており、電気的なエネルギーの供給を受けることができる。また、ガス生成用発熱体15cが、別の貫通孔を通して誘導コイル17の内側に位置するように挿入されている。
誘導加熱による発熱は、次のような原理で生じる。
まず、外部電源によって誘導コイル17に交流電流を通じさせると磁界が生じる。次に、生じた磁界を打ち消すようにして、誘導コイル17の内側に位置するガス生成用発熱体15cには渦電流が流れる。ガス生成用発熱体15cに渦電流が流れるとジュール熱が発生し、ガス生成用発熱体15cが発熱するという原理である。
この発熱によりガス生成用発熱体15cは昇温し始め、所定の温度に到達すると加熱用ヒータの構成元素を含むガスを生成し始めることになる。
上記渦電流は、特にガス生成用発熱体15cの表面付近に多く流れるので、表面付近が効率的に加熱され、ガス生成用発熱体の表面からガスが容易に生成される。
ガス生成用発熱体の構成材料としては、導電性のセラミックであればどのようなものでもよく、上記抵抗加熱によって発熱するガス生成用発熱体を構成する導電性セラミックを好適に使用することができる。
また、上記誘導加熱による発熱の他の実施形態としては、誘導結合プラズマを利用して加熱用ヒータの構成元素を含むガスを生成させてもよい。
具体的には、アルゴンガスが導入されている放電管に誘導コイルを巻き付け、この誘電コイルに高周波電流を流すことによって誘導結合プラズマを発生させる。このとき、誘導結合プラズマは、約6000〜7000℃の熱を発生する。発生させた誘導結合プラズマに加熱用ヒータの構成元素又は化合物を供給し、プラズマ状態にすることによって加熱用ヒータの構成元素を含むガスを生成させるという構成である(図示せず)。
また発生した誘導結合プラズマへ加熱用ヒータの構成元素又は化合物を供給する際に、必要に応じて乾式分解や湿式分解等の前処理を行なってもよい。
このように、ガス生成用発熱体の発熱方法として誘導結合プラズマを利用する実施の形態においても、本発明の加熱炉に使用されるガス生成用発熱体としての機能を上記構成により発揮させることができる。
次に、マイクロ波加熱によって発熱するガス生成用発熱体について説明する。
図3(d)は、発熱方法としてマイクロ波加熱による発熱を採用するガス生成用発熱体を模式的に示した部分断面図である。
図3(d)に示すように、炉体に形成された貫通孔を通して導波管が加熱炉外に配設され、加熱炉外の導波管の端部に発振器が備え付けられている。また、発振器は外部高周波電源に接続されており、電気的なエネルギーが連続的に供給される。上記導波管のうち加熱炉内に位置する導波管端部の近傍にガス生成用発熱体15dが設置されている。
マイクロ波加熱は、誘電体中の双極子がマイクロ波によって反転運動等し、その際の摩擦によって生じる摩擦熱を利用した発熱方法である。
図3(d)を参照しつつ簡単に説明すると、外部高周波電源から発振器に電流を流した場合、発振器で発生したマイクロ波が導波管を通り、ガス生成用発熱体15dに達する。ガス生成用発熱体15d中の分極した分子等の双極子は、到達したマイクロ波によって反転運動等を起こす。マイクロ波加熱では、このようにして双極子が激しく運動し、双極子間に摩擦が生じることによって発熱するという現象を利用している。
マイクロ波加熱による発熱を採用したガス生成用発熱体の構成材料としては、誘電性のセラミックであればどのようなものでもよく、上記抵抗加熱によって発熱するガス生成用発熱体を構成する導電性セラミックは誘電性を有していることから、好適に使用することができる。
ガス生成用発熱体の発熱方法の構成として、上記のような発熱方法を採用することで、電気エネルギーによって効率よく加熱用ヒータの構成元素を含むガスを生成させることができる。
このように図3(a)〜(d)のいずれの発熱方法を採用した場合においても、ガス生成用発熱体の構成自体が簡易となり、炉体に形成された貫通孔等を通して抜き差し可能となる。従って、上記ガス生成用発熱体は、複雑な機具や作業を必要とすることなく加熱炉への取付け・交換が可能となるので、使用による消耗等で交換する必要が生じたときにも、加熱炉の運転を停止させることなく容易に交換することができる。また、交換の際に加熱炉の運転を停止させる必要がないので、連続的な生産ラインの稼働が可能となり製造効率の低下を防止することができる。
なお、ガス生成用発熱体の交換時に加熱炉内の熱が放出する問題については、例えば、交換に際してガス生成用発熱体を取り囲むような構成をとる断熱層を設けて、加熱炉内の熱環境と遮断し、取り囲まれた空間を冷却した後に交換する等の手段を採用することができる。
上記ガス生成用発熱体の発熱方法は、上記いずれの発熱方法でもよいが、アーク放電による発熱であることが望ましい。
発熱方法がアーク放電による発熱であると、アークプラズマによる発熱でガス生成用発熱体から加熱用ヒータの構成元素を含むガスを生成させるので、高温の表面温度を達成させるのが容易となり、加熱用ヒータの昇華等の反応を抑制させるのに充分な蒸気圧でガスを生成させることができる。
また、アークプラズマの発生には炉体に挿入した2つのガス生成用発熱体間に電圧を印加するだけでよいことから、ガス生成用発熱体の構成自体が簡易となって取扱い性も良好となる。
上記ガス生成用発熱体の固有抵抗は、3mΩcm以下であることが望ましい。
ガス生成用発熱体の構成材料を問わず、急昇温や急冷却等の激しい条件でガス生成用発熱体を使用した場合、固有抵抗が3mΩcmを超えるガス生成用発熱体では、熱衝撃等によって割れたり、折損したりするおそれがある。
ここで、ガス生成用発熱体の発熱量としては、被加熱物に対して実質的に影響を及ぼさない程度の発熱量であれば特に限定されず、必要なガス生成量に応じて、ガス生成用発熱体の配設数や寸法、配設位置、消費電力、表面負荷密度等を変更させることによって発熱量を決定すればよい。
本発明の加熱炉において、ガス生成用発熱体の合計の発熱量は、被加熱物に対して実質的に影響を及ぼさない程度の発熱量であればよいが、加熱炉全体の発熱量の10%以下であることが望ましい。
上記範囲であると、加熱用ヒータの減肉に至る昇華等の反応を抑制するのに充分なガスの生成を達成しながら、ガス生成用発熱体の合計の発熱量は、被加熱物に対して実質的に影響を及ぼさない程度の発熱量に抑制されることとなる。
また、本発明の加熱炉内における加熱用ヒータとガス生成用発熱体の相対的な位置は、両者が同一系内にある限りどのような位置関係となってもよく、例えば、所定間隔で配設された加熱用ヒータの上方、下方、同様の水平位置、上方と下方とに配設された加熱用ヒータの中間位置等の任意の位置関係とすることができる。
上記相対的な位置関係としては、具体的には、複数配設された加熱用ヒータのうち基準加熱用ヒータを2つ選定し、基準加熱用ヒータ間の距離をrとした場合、2つの基準加熱用ヒータのそれぞれとガス生成用発熱体との距離が、0.2r以上であり、かつ、2r以下である位置関係が望ましい。
さらに、本発明の加熱炉において、加熱炉内と加熱炉外とで連続的に不活性ガス等が流通している場合には、ガス生成用発熱体は、流通する不活性ガス等の流れに対して加熱用ヒータの上流側に配設することが望ましい。また、本発明の加熱炉内が減圧条件下にある場合には、上記2つの基準加熱用ヒータのそれぞれとガス生成用発熱体との距離が、0.2r以上であり、かつ、r以下である位置関係が望ましい。
2つの基準加熱用ヒータのそれぞれとガス生成用発熱体との相対的な位置関係が上記のような位置関係にあると、ガス生成用発熱体において生成された加熱用ヒータの構成元素を含むガスが、有効な平衡分圧で加熱用ヒータに到達することができるからである。
以下に実施例を掲げ、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例)
加熱炉として、1200mm×1200mm×10000mmの加熱炉を使用し、また、加熱用ヒータとして、直径50mm、長さ1000mmの円柱形のET−10製カーボンヒータ(イビデン社製)を60本用意した。加熱用ヒータは、加熱炉内の上部及び下部に30cmの間隔で配設した。
ガス生成用発熱体として、加熱炉に形成された貫通孔を通して連続的に交換可能な2本のカーボン製電極PSG−332(エスイーシー社製)を、加熱炉の上方に挿入して取り付けた。
加熱炉内の温度が2200℃となるようにカーボンヒータを発熱させ、その表面温度を測定した結果、2430℃であった。カーボンヒータの加熱と併せて、カーボン製電極間に30Vの電圧を印加しアーク放電させた。このときのアークプラズマの温度は3100℃以上(2色温度計の測定可能範囲外)であった。
この加熱炉を連続して3ヶ月間使用したところ、60本のカーボンヒータのうち減肉により最も細径化した部分であっても直径は46mmであり、カーボンヒータの減肉は充分に抑えられていた。
(比較例)
加熱炉にカーボン製電極を取り付けなかったこと以外は、実施例と同様にして行なった。
この加熱炉を連続して運転させたところ、65日目に連続使用による消耗のためにカーボンヒータが減肉し、2本のカーボンヒータが折損した。その他のカーボンヒータも大きく減肉して細径化していた。
図1は、本発明に係る連続加熱炉を長手方向に沿って鉛直縦方向に切断した場合を模式的に示した縦断面図である。 図2は、本発明に係る連続加熱炉を長手方向に垂直な断面で切断した場合を模式に示した断面図である。 図3(a)は、発熱方法としてアーク放電による発熱を採用するガス生成用発熱体の部分断面図であり、図3(b)は、発熱方法として抵抗加熱による発熱を採用するガス生成用発熱体の部分断面図であり、図3(c)は、発熱方法として誘導加熱による発熱を採用するガス生成用発熱体の部分断面図であり、図3(d)は、発熱方法としてマイクロ波加熱による発熱を採用するガス生成用発熱体の部分断面図である。
符号の説明
9 被加熱物
10 連続焼成炉
11 マッフル
12 加熱用ヒータ
13 断熱材
14 炉材
15、15a、15b、15c、15d ガス生成用発熱体
16 発熱体端子
17 誘導コイル
18 端子
19 支持台
21、26 脱気室
22 予熱室
23 加熱室
24 徐冷室
25 冷却室
27 ガス導入管
28 ガス排気管

Claims (6)

  1. 炉体内に、加熱用ヒータと、前記加熱用ヒータの構成元素を含むガスを生成するためのガス生成用発熱体とが取り付けられ
    前記ガス生成用発熱体の表面負荷密度は、前記加熱用ヒータの表面負荷密度よりも高く、
    前記ガス生成用発熱体の合計の発熱量は、前記炉体全体の発熱量の10%以下であることを特徴とする加熱炉。
  2. 前記加熱用ヒータが、カーボンで構成されている請求項に記載の加熱炉。
  3. 前記ガス生成用発熱体が、カーボンで構成されている請求項1または2に記載の加熱炉。
  4. 前記ガス生成用発熱体は、前記炉体に形成された貫通孔等を通して抜き差し可能となっている請求項1〜3のいずれかに記載の加熱炉。
  5. 前記ガス生成用発熱体が、アーク放電、抵抗加熱、誘導加熱及びマイクロ波加熱からなる群より選択された少なくとも一種による発熱である請求項1〜4のいずれかに記載の加熱炉。
  6. 前記ガス生成用発熱体が、アーク放電による発熱である請求項1〜5のいずれかに記載の加熱炉。
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