JPH07218145A - 加熱炉 - Google Patents

加熱炉

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JPH07218145A
JPH07218145A JP1277994A JP1277994A JPH07218145A JP H07218145 A JPH07218145 A JP H07218145A JP 1277994 A JP1277994 A JP 1277994A JP 1277994 A JP1277994 A JP 1277994A JP H07218145 A JPH07218145 A JP H07218145A
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heating element
furnace
muffle
peripheral surface
outer peripheral
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JP1277994A
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Seiji Tanaka
清次 田中
Shunei Sekido
俊英 関戸
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高温下での大幅な寿命延長を図ることのできる
抵抗発熱体2を備えたタンマン炉形式の加熱炉を提供す
る。 【構成】加熱炉内部に、抵抗発熱体2の表面に融点が2
800℃以上で、かつ、その熱膨張係数が発熱体材料と
同等以上2.0倍以下の高融点材料から成る被覆層3が
形成された発熱体1を設け、炉殻5と発熱体1との間を
シール手段16、17でシールしつつ、被覆層3の外周
面に不活性ガスを導入してその圧力が1kg/cm2 ・G以
上5kg/cm2 ・G以下の範囲内で加圧する。この状態で
発熱体1内部で被加熱処理物Tを連続的に導入して加熱
処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、炭素繊維等の
被加熱処理物に対する加熱温度が2500℃以上である
高温焼成用タンマン炉型式の加熱炉の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、炭素繊維等の炭素材料や、セラミ
ックス系材料等の各種工業用素材の焼成に用いられる高
温加熱炉として、抵抗炉、誘導炉、アーク炉、プラズマ
炉等の数多くの加熱炉が用いられているが、特に黒鉛を
抵抗発熱体とする抵抗炉であるタンマン炉型式の加熱炉
(以下、タンマン式加熱炉という。)は、その加熱手段
の構成が比較的簡単であるため、上記工業用素材の熱処
理用として広く使用されている。
【0003】このタンマン式加熱炉を用いて少くとも2
000℃以上の高温加熱を行うには、黒鉛から成る円筒
状の抵抗発熱体に電流を通じ、発生するジュール熱によ
り抵抗発熱体内部に静置または連続的に通過する被加熱
処理物を加熱、焼成するか、あるいは黒鉛から成る円筒
状のマッフルの外側に僅かな絶縁空間を隔てて、該マッ
フルを包囲する円筒状の抵抗発熱体に電流を通じ、該抵
抗発熱体より放射される輻射熱で前記マッフルを加熱す
ることにより、該マッフル内部に静置したるつぼに入れ
た被加熱処理物を加熱するのである。そしてこの加熱処
理は、通常、窒素やアルゴン等の不活性ガスにより大気
圧よりも若干高圧下もしくは減圧真空下で行われる。
【0004】しかし、この黒鉛から成る抵抗発熱体は、
金属材料やセラミックス系材料の抵抗発熱体では実用に
供し得ない2000〜3000℃の高温領域において
も、溶融、分解などを起こさないので、抵抗発熱体とし
て十分その機能を発揮し、かつ比較的安価な材料ではあ
るが、前述の高温下で長時間使用すると徐々に減耗、劣
化するので、継続使用が困難となる欠点があった。
【0005】すなわち、抵抗発熱体の減耗、劣化により
肉厚が薄くなると、その部分の電気抵抗が局部的に高く
なって加速度的に減耗が進行し、更には発熱密度の変化
に伴なう炉内の温度分布の変化をきたすため、焼成した
製品の品質安定に対する阻害要因となる。したがって、
抵抗発熱体は、経時的に新規なものと交換する必要があ
る。抵抗発熱体の交換作業は、安全上、炉を冷却した後
に行なう必要があるが、特に大型の加熱炉においては、
交換に冷却−解体−組立−再加熱といった一連の作業を
要し、これに多大の時間、労力を必要とするため、抵抗
発熱体の交換周期が短くなるほど単に抵抗発熱体の材料
費に止まらず、生産性を著しく阻害し、かつ焼成コスト
の増大をもたらすものであった。
【0006】そこで、かかる問題を解決する手段とし
て、抵抗発熱体の外周部を不活性ガスで加圧して発熱体
炭素の蒸発を抑制する方法(特開平4−163321号
公報)あるいは、マッフルの外側に若干の絶縁空間を隔
てて抵抗発熱体を配設し、更に極く僅かの絶縁空間を隔
てて前記発熱体の外側を完全に覆う円筒状の黒鉛製保護
スリーブを配設する方法(実開昭62−141198号
公報)が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平4−163321号公報提案の抵抗発熱体では、該
発熱体外周面への加圧が高くなるに従い当然、抵抗発熱
体内部への気体透過量が多くなるため、発熱体の電力消
費量が増え、更なる寿命延長が難しいという問題があ
る。
【0008】また、実開昭62−141198号公報提
案のタンマン型加熱炉においては、マッフルの外側に配
設された抵抗発熱体や保護スリーブが不活性ガスにより
大気圧よりも若干高圧に保たれているに過ぎない上に、
黒鉛製の保護スリーブや抵抗発熱体に蒸発抑制手段が施
されていないため、2500℃以上の高温下では寿命が
短かいという問題がある。また、マッフルの外側に配設
された抵抗発熱体や保護スリーブを蒸発抑制のため不活
性ガスで1kg/cm2 ・G以上に加圧すると、電極と端
板、支持部材と端板部との隙間から不活性ガスの洩れが
発生するという欠点がある。
【0009】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
ので、抵抗発熱体表面からの黒鉛の蒸発、減耗と、抵抗
発熱体内部への気体透過量とを極力抑制すると共に、加
熱炉炉外への不活性ガス漏れを極力防止することによ
り、高温下での大幅な寿命延長を図ることのできる抵抗
発熱体を備えたタンマン炉形式の加熱炉を提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る加熱炉は、
上記課題を解決するため、黒鉛材から成る筒状の抵抗発
熱体と、該抵抗発熱体の外周上の空間を密閉状態に包囲
する炉殻とを備え、前記抵抗発熱体内部で被加熱処理物
を連続的に熱処理する加熱炉であって、(イ)前記抵抗
発熱体の外周面には、融点が2800℃以上で、かつ、
その熱膨張係数が前記発熱体材料と同等以上2.0倍以
下の高融点材料から成る被覆層が形成され、(ロ)前記
炉殻には、該炉殻と前記被覆層との間に不活性ガスを流
入し、前記被覆層外周面を1kg/cm2 ・G以上5kg/cm
2 ・G以下の範囲内に加圧せしめる加圧手段が設けら
れ、(ハ)前記炉殻と前記抵抗発熱体との間には、前記
不活性ガスの炉外への洩れを防止するシール手段が設け
られていることを特徴とする。
【0011】この場合、前記黒鉛材から成る筒状の発熱
体に代えて、黒鉛材から成る筒状のマッフルと、前記マ
ッフルの外周面上の空間の前記マッフルの長手方向に沿
って複数本が配設された、前記マッフルの外周面に輻射
熱を照射するための黒鉛材から成る発熱体と、前記発熱
体を包囲し、前記マッフルと同芯でその両端部が支持部
材で支持されている黒鉛材から成る外筒とを備えた発熱
部を設けてもよい。
【0012】また、前記シール手段は、ゴムまたは金属
から成るOリングで構成するのが好ましく、前記被覆層
は、実用性の観点から、W、Ta、HfC、TaC、N
bC、ZrC、TiC、VC、SiC、HfN、Ta
N、ZrN、TiN、BN、HfB2 、TaB2 、Nb
2 、WB、TiB2 及びZrB2 の中から選ばれた1
種類以上の高融点材料から形成されるのが好ましく、前
記加圧手段は、不活性ガス供給源とガス供給量調整用自
動弁と導入ノズルと圧力調節計とコントローラとで構成
されているのが好ましい。
【0013】
【実施態様例】以下、本発明の加熱炉の一実施態様例を
図面に基づいて具体的に説明する。◎図1は、本発明に
係る加熱炉の一実施態様例の概略縦断面図である。図1
において、1は、内部を連続的に通過する糸条Tを加熱
するための長尺の発熱体であり、黒鉛から成る円筒状の
抵抗発熱体2と、その外周面に被覆された融点が280
0℃以上で、かつ、その熱膨張係数が抵抗発熱体と同等
以上2.0倍以下の高融点材料から成る被覆層3とで構
成されている。この被覆層3は、図示のように抵抗発熱
体2の両端部を除く部分の外径を細くした部分に形成さ
れている。被覆層3は、予め抵抗発熱体2の外周面の異
物等を除去すると同時に、素材表面を粗面化して被覆材
に対してアンカー効果をもたせるため、サンドブラスト
加工を施した後に皮膜として形成させるのが好ましい。
その表面粗さは、JIS B 0601規定の中心線平
均粗さ(Ra)が3〜10μm、最大高さ(Rmax)
が50μm以下の範囲に加工するのが好ましい。上記皮
膜形成は、例えば、空気雰囲気中または窒素やアルゴン
等の不活性ガス雰囲気中でプラズマ溶射によって、また
は30〜300Torrの減圧下(不活性ガス雰囲気)
での減圧溶射によって形成することができる。膜厚は、
母材の素地が現れにくく、また、後述する不活性ガスを
通過しにくく抵抗発熱体炭素の蒸発抑制効果を向上させ
ると共に、剥離やクラックが生じるのを防止する観点か
ら、膜厚20〜1000μmの範囲、より好ましくは5
0〜500μmの範囲にするのがよい。尚、溶射に用い
られる高融点金属粉末または高融点化合物粉末の粒度
は、特に限定されないが、100μm以下で通常溶射に
用いられるものであればよい。
【0014】発熱体1の両端開口部は、それぞれ封止材
6によって塞がれており、封止材6の略中心部には、糸
条Tを発熱体1内に導入・導出するための狭い内径の貫
通孔7が形成されている。また、発熱体1の両端部に
は、発熱体中心部よりもその断面積を大きくした端子部
1a、1bが形成されており、それぞれの端子部には材
質が例えば、窒化硼素成形体から成る絶縁部材8と、発
熱体1に電流を通電するための水冷電極9とが固定され
ている。
【0015】4は、輻射熱を内部に反射させて均熱ゾー
ンを長くするために設けられた保護管であり、多数の通
気孔11を有する円筒状に形成されている。5は、薄鋼
板製の炉殻であり、両端にフランジ部を有する円筒状に
形成されている。これら保護管4、炉殻5は、発熱体1
の外周面上の空間にいずれも発熱体と同芯状に三重管構
造に設けられている。上記絶縁部材8は、保護管4と炉
殻5とを発熱体1に対して電気絶縁状態に支持するもの
であり、この絶縁部材8によって発熱体1の外周面と保
護管4の内周面との間には間隙δ(外周空間)が形成さ
れている。上記水冷電極9は、図示しない低電圧大電流
の電源部に接続され、その電源部からの通電により、発
熱体1はジュール発熱し、断面積の小さい(抵抗の大き
い)中央部は約2500〜3000℃の高温になるよう
にされている。
【0016】保護管4の外周面と炉殻5の内周面との間
隙部には、発熱体1を保温するための通気性を有する断
熱材10が充填され、発熱体1からの発熱がその外径方
向へ逃げるのを極力防止している。この断熱材10とし
ては、黒鉛質の粉末または粒状物を充填したものや、他
の軽量な断熱材、例えば黒鉛質のフェルト状物や黒鉛質
の成形材料を用いるのが好ましい。
【0017】そして、炉殻5の外周面には、糸条T、発
熱体1および断熱材10の酸化や劣化を防止するため、
図示しない不活性ガスGの供給源と接続された不活性ガ
ス導入ノズル12、ガス供給量調整用自動弁15、圧力
計ノズル13及び圧力の上限値、下限値が任意設定でき
る圧力調節計14が設けられており、コントローラ28
からの指示により圧力調節計14の圧力値すなわち被覆
層外周面に対する圧力が常に1kg/cm2 ・G以上5kg/
cm2 ・G以下となるように自動弁15の開度が自動調整
できるようになっている。被覆層外周面に対する圧力を
かかる圧力範囲にする理由は、次の通りである。すなわ
ち、一般の物質の蒸発速度は、ステファンの法則による
式:D∞T 1.5/Pより、発熱体蒸気の拡散係数Dに比
例し、この拡散係数Dは、発熱体1の温度Tの1.5乗
に比例し、発熱体1に加わる圧力Pに反比例するという
法則に基づき、本発明の目的である発熱体1の寿命をよ
り向上させるには、温度Tは加熱温度として一定の制約
を受けるため、圧力Pを上げることによって拡散係数D
すなわち抵抗発熱体2の蒸発速度を抑制するのである
が、かかる圧力が1kg/cm2 ・G未満では、その抑制効
果が小さく、一方5kg/cm2 ・Gを越えると発熱体1の
予期せぬ劣化減耗の進行により、運転中に万一発熱体1
が破断した場合、封止材6の貫通孔7から高温の不活性
ガスが炉外に一気に吹出す事故につながる恐れがある。
したがって上記圧力範囲が実用的に好ましい。本実施態
様例では、これら不活性ガス導入ノズル12、圧力調節
計ノズル13、圧力調節計14、ガス供給量調整用自動
弁15及びコントローラ28で加圧手段を構成してい
る。
【0018】炉殻5の両端面には、ゴムパッキン16を
介して水冷電極9の一部が取り付けられており、更に水
冷電極9と端子部1a、1bとの間にはOリング17が
設けられている。これらにより導入ノズル12から導入
された不活性ガスGが炉外へ漏洩するのを防ぐ構造とな
っている。尚、不活性ガスGとしては、アルゴンガス、
窒素ガスを用いることができる。
【0019】次に、本実施態様例の作用を説明する。
【0020】まず自動弁15、導入ノズル12から炉内
に不活性ガスGが導入されると、ガスは断熱材10を通
過し、保護管4の通気孔11を通って、発熱体1の被覆
層3外周面に到達する。炉内雰囲気圧力がコントローラ
28で設定した上記圧力範囲内の上限値に達すると自動
弁15が閉じ、また、ゴムパッキン16とOリング17
が不活性ガスの炉外洩れを防止するので、炉内圧力を一
定に保持する。次に予め貫通孔7から炉内に導入された
糸条Tを、図示しない引取手段で走行させつつ水冷電極
9に通電し、炉内温度を3000℃程度に昇温する。こ
こで被覆層3では、発熱体1の内部圧力が大気圧に等し
いのであるから外周面から内周面方向への圧力がかかる
のであるが、被覆層3の材質として融点が2800℃以
上で、かつ、その熱膨張係数が発熱体1と同等以上2.
0倍以下の高融点材料から構成されているので、発熱体
1からの蒸発速度は極めて抑制される。すなわち、25
00℃以上の高温下では発熱体1を構成している黒鉛材
の蒸発(昇華)が起き、外周雰囲気中へと拡散していく
のであるが、被覆層3の熱膨張係数が発熱体1と同等以
上2.0倍以下の高融点材料から構成されているので、
被覆材である抵抗発熱体2と被覆層3間に剥離やクラッ
クが生じない。、また、被覆層3の外周面は不活性ガス
によって1kg/cm2 ・G以上5kg/cm2 ・G以下の範囲
に加圧されるので、被覆層3を介して該被覆層3と一体
化された抵抗発熱体2の外周面にも圧力が加わり、抵抗
発熱体炭素の蒸発を抑制することができる。更に組織が
緻密な被覆層3で蒸発が強力に抑制されるため、その拡
散係数は抵抗発熱体2の単体品よりも更に低い値とな
る。
【0021】長時間の熱処理により抵抗発熱体2を透過
した極少量のガスにより炉内圧力が圧力調節計14で設
定した下限値に達すると直ちに自動弁15が開き、導入
ノズル12から不活性ガスGを導入し、炉内圧力を復元
する。発熱体1の内部に漏洩した不活性ガスGは、貫通
孔7から炉外に漏洩し、同時に外気が糸条Tに随伴され
て発熱体1内部に入り込むのを防止する。
【0022】上記実施態様例においては、発熱体1は抵
抗発熱体2と被覆層3のみで構成したが、この態様に限
定されるものではなく被覆層3の外側に更に炭素繊維糸
条を複数回捲回された炭素繊維糸条層を形成してもよ
く、更に炭素繊維糸条層の外側にシート状黒鉛を捲回積
層したシート状黒鉛層を形成してもよい。また、保護管
4は、多数の通気孔11を設けたが黒鉛材には気体透過
性があるため場合によっては単なる筒状の保護管であっ
てもよい。
【0023】図2は、図1の加熱炉とは異なる実施態様
例の概略縦断面図、図3は、図2の加熱炉をA−A′線
で切断した概略横断面図である。図2の炉が図1の炉と
異なる点は、筒状の発熱体1に代えてマッフル20、発
熱体21、外筒22、支持部材24で一体に構成される
発熱部29を設けた点であり、その他の点は図1の炉と
ほぼ同様であり、図中同一部材は同一の符号を用いてい
る。
【0024】すなわち、図2において20は、内部を連
続的に通過する糸条Tを輻射熱で加熱するためのマッフ
ルで、黒鉛から成る筒状を呈し通電はされない。このマ
ッフル20の外側には僅かに距離を隔てて黒鉛材から成
る抵抗発熱体21がマッフル軸と直交して複数本配設さ
れ、抵抗発熱体21の表面から放射される輻射熱で前記
マッフル20が加熱されるようになっている。更に、中
心部よりも断面積が大きくなったマッフル20の両端部
には、支持部材24で支持された黒鉛製の外筒22が設
けられている。これらマッフル20、外筒22、炉殻5
が同芯状に配置されて三重管構造になっている点は図1
の加熱炉と同様である。
【0025】マッフル20の両端部は、図1の炉と同
様、輻射熱による発熱を抑えるために中心部よりも断面
積が大きくなっており、筒状のホルダー23がマッフル
20の両端部で螺合されている。ホルダー23の両開口
部は、それぞれ封止材6によって塞がれており、封止材
6の略中心部には、糸条Tをマッフル20内に導入・導
出するための貫通孔7が形成されている。図3に示すよ
うに、抵抗発熱体21は、マッフル20を介して上下一
対のものが外筒22と炉殻5とを貫通した状態で固定さ
れている。抵抗発熱体21は、その両側が中心部よりも
断面積が大きく形成されており、それぞれの端子部21
a,21bには絶縁スリーブ26が挿入され、断熱材1
0や外筒22には電源部27からの低電圧大電流が流れ
ない構造となっている。よって、端子部21a、21b
は、電源部27に接続され、この電源部27からの通電
により抵抗発熱体21がジュール発熱し、断面積の小さ
い(抵抗の大きい)中央部が約2500〜3000℃の
高温になるように構成されている。
【0026】この実施態様例の炉においても図1の炉と
同様、炉内圧力は、1kg/cm2 ・G以上5kg/cm2 ・G
以下の範囲に加圧されてようになっている。そして、炉
殻5の両端面にゴムパッキン16を介して水冷支持金具
25が、ホルダー23との間には、Oリング17が挿入
されており、Oリング17によりマッフル20と炉殻5
との間に充填・加圧された不活性ガスGが炉外へ漏洩す
るのを防ぐ構造となっている。
【0027】上記実施態様例においては、マッフル20
の外周面には何ら図1の炉のような被覆層処理が施され
ていないが、勿論被覆してもよく、このようにすると不
活性ガスGの炉外への漏洩量を減少さす上からも好まし
い。また、抵抗発熱体21は、棒状のものとしたが、発
熱部の断面積と等しければ例えば円筒形状等であっても
よい。また、外筒22は、両端開口の円筒状のものとし
たが、矩形であってもよい。尚、上記しない他の構成及
びこれに伴なう作用は、図1の炉と基本的に同様である
のでここでは詳しい説明は省略する。
【0028】
【作用】請求項1の発明によれば、高融点材料から成る
被覆層は、抵抗発熱体の組織に比べ緻密であり、黒鉛材
から成る抵抗発熱体よりも気体透過量を著しく低下でき
るため、抵抗発熱体の蒸発速度を極めて遅くする作用が
働く。また、発熱体の外周部を加圧する不活性ガスが筒
状の発熱体内部へ漏洩する量をも減少する作用が働く。
更に、被覆層の外周面に不活性ガスを炉外に漏れないよ
うにシール手段で封止した状態でその圧力が1kg/cm2
・G以上5kg/cm2 ・G以下の範囲内に加圧するので、
発熱体材質の黒鉛の蒸発を遮断もしくは著しく抑制する
ことができ、黒鉛の蒸発による減耗劣化を防止もしくは
極力減少させる作用が働く。
【0029】請求項2の発明によれば、上記請求項1の
発明の作用に加えてマッフルを抵抗発熱体で輻射加熱し
マッフルには通電しないため、ホルダー部での発熱がな
く、ホルダーと水冷支持金具とのシール部でのトラブル
が激減する。
【0030】請求項3の発明によれば、シール手段がゴ
ム又は金属から成るOリングで構成されているので、水
冷電極と抵抗発熱体との間を効果的にシールする。
【0031】請求項4の発明によれば、被覆層は緻密で
あるため、被覆層の外周面の加圧された雰囲気ガスが抵
抗発熱体やマッフルの外周面から内部へ漏洩するのを極
力減少させる作用が働く。
【0032】
【実施例】実施例1 図1に示した加熱炉において、抵抗発熱体2に内径30
mm、外径50mm(中央部の肉厚10mm)、長さ1
250mmの黒鉛製筒体を用い、その中央部(長さ60
0mm)の外周面に、平均粒子径40μmのニオブカー
バイド(NbC)を大気中でプラズマ溶射し、膜厚20
0μmの被覆層3を形成して発熱体1を構成した。そし
て、不活性ガスGとしてアルゴンガスを用い、発熱体1
の外周面の圧力を1、2、3kg/cm2 ・Gの3水準につ
いて、発熱体の内部温度を3000℃に昇温の後、発熱
体1に電流変動や破断等の異常が生じるまで連続運転し
た。尚、ゴムパッキン16及びOリング17は、いずれ
もニトリルゴム製のものを用いた。また、3000℃の
温度制御は、発熱体の内部長手方向中心位置にセットし
た図示しない黒鉛製小ブロックの表面温度を発熱体の軸
方向の端部(加熱炉外部)に設置した放射温度計(図示
せず)で測定し、電力制御した。
【0033】かかる発熱体1の外周面加圧と発熱体の寿
命との関係をグラフ化にしたものが図4の○印データで
ある。
【0034】このデータから明らかなように、被覆層3
がNbCの発熱体1の外周面を1kg/cm2 ・Gに加圧
した場合は、138時間(約6日間)で寿命を迎えた。
また、この発熱体の外周面を2kg/cm2 ・G、3kg/cm
2 ・Gのそれぞれの圧力で加圧した場合には、各々22
8時間(9.5日間)、321時間(約13.5日間)
で寿命となり、概想した大気圧に比べ大幅な寿命延長と
なった。
【0035】実施例2 今度は図2の加熱炉において、マッフル20に内径30
mm、外径50mm(中央部の肉厚10mm)、長さ9
00mmの黒鉛から成る円筒状のものをセットし、長さ
650mm隔っている支持部材24間にマッフル20の
外側で僅かに距離を隔てて黒鉛から成る直径20mmの
抵抗発熱体14本をピッチ75mmでマッフルの上下に
各々7本配設した。その他は実施例1と同一条件で炉内
圧力を3水準で連続運転した。尚、ゴムパッキン16及
びOリング17は、実施例1と同一材質のものを用い
た。
【0036】この結果を示したのが図4の×印データで
あり、マッフルの外周面を1kg/cm2 ・G加圧した時に
は92時間(約4日間)で寿命となった。また、マッフ
ルの外周面を2kg/cm2 ・G加圧では180時間(7.
5日間)で寿命を迎え、3kg/cm2 ・G加圧では238
時間(約10日間)で寿命となった。
【0037】尚、計3回連続運転を行ったが、マッフル
20と螺合されているホルダー23と水冷支持金具25
とのシール部でのトラブルは1度も発生しなかった。
【0038】実施例3 図2に示した加熱炉において、実施例2で使用したと同
様の黒鉛から成る円筒状マッフル20の中央部(長さ6
00mm)の外周部に、被覆層3として平均粒子径40
μmのニオブカーバイド(NbC)を大気中でプラズマ
溶射し、膜厚200μmの被覆層を形成した他は実施例
2と同一条件で3水準変更し、連続運転した。
【0039】この結果を示したのが図4の△印データで
あり、NbC被覆マッフルの外周面を1kg/cm2 ・G加
圧した時には155時間(約6.5日間)で寿命を迎え
た。また、NbC被覆層の外周面を2kg/cm2 ・G加圧
では253時間(10.5日間)で寿命を迎え、3kg/
cm2 ・G加圧では345時間(約14.5日間)で寿命
となり、実施例1よりも更に長時間加熱炉を運転するこ
とができた。
【0040】比較例 比較のため、図1の加熱炉において、抵抗発熱体1とし
て内径30mm、外径50mm(中央部の肉厚10m
m)、長さ1250mmの黒鉛製筒体の単体品を用いた
他は実施例1と同一の温度、雰囲気ガスで連続運転し
た。この抵抗発熱体1の外周面圧力を大気圧、3、4.
5kg/cm2 ・Gと3水準の圧力に変更して連続運転し
た。
【0041】この結果を示したのが図4の●印データで
あり、大気圧では37時間(1.5日間)で抵抗発熱体
の外周部付近がテーパ状に減耗して破断し、運転不可能
になった。一方、抵抗発熱体の外周面を加圧した場合、
3kg/cm2 ・G加圧では288時間(12日間)で寿命
を迎え、4.5kg/cm2 ・G加圧では252時間(1
0.5日間)で寿命となった。
【0042】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1の発明によれば、黒鉛材から成る抵抗発熱体やマッフ
ルの外周面に高融点の金属および高融点化合物から成る
被覆層を設けると共に、被覆層の外周面に不活性ガスを
炉外に漏れないようにシール手段で封止した状態でその
圧力が1kg/cm2 ・G以上5kg/cm2 ・G以下の範囲内
に加圧したので、発熱体材質の黒鉛の蒸発を遮断もしく
は著しく抑制することができ、黒鉛の蒸発による減耗劣
化を防止もしくは極力減少させることができる。請求項
2の発明によれば、上記発熱体に代えて、マッフル、発
熱体及び外筒から成る発熱部を設けたので、上記効果に
加えてマッフルおよびマッフルと螺合されているホルダ
ーは発熱がないため、該ホルダーと水冷支持金具とのシ
ールが容易な上、マッフルには通電がないため、マッフ
ルの両端部に取付けた支持部材が安価な黒鉛製でよく、
高価な絶縁部材が不要である。したがって、本発明の加
熱炉は2500℃以上の高温下においても黒鉛材から成
る抵抗発熱体やマッフルの大幅な寿命延長を図ることが
できる上、抵抗発熱体やマッフルの内部は殆んど常圧で
あるため、封止材の貫通孔が十分大きくでき、貫通孔で
の毛羽詰まりによる糸切れ等の発生もない。
【0043】請求項3の発明によれば、シール手段がゴ
ムまたは金属から成るOリングで形成されているので、
シ−ル部からの不活性ガス漏れを完璧になくすことがで
きる。
【0044】請求項4の発明によれば、被覆層は緻密で
あるため、被覆層の外周面の加圧された雰囲気ガスが抵
抗発熱体やマッフルの外周面から内部へ漏洩するのを極
力減少させることができ、不活性ガスの消費量が少なく
て済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る加熱炉の一実施態様例の概略縦
断面図である。
【図2】 本発明に係る他の加熱炉の一実施態様例の概
略縦断面図である。
【図3】 図2の加熱炉のA−A′線に沿う概略横断面
図である。
【図4】 本発明の効果を説明する図である。
【符号の説明】
1…発熱体 1a、1b…端子部 2…抵抗発熱体 3…被覆層 4…保護管 5…炉殻 6…封止材 7…貫通孔 8…絶縁部材 9…水冷電極 10…断熱材 11…通気孔 12…導入ノズル 13…ノズル 14…圧力調節計 15…自動弁 16…ゴムパッキン 17…Oリング 20…マッフル 21…抵抗発熱体 21a、21b…端子部 22…外 筒 23…ホルダー 24…支持部材 25…水冷支持金具 26…絶縁スリーブ 27…電源部 28…コントローラ 29…発熱部 T…糸 条 δ…間 隙 G…不活性ガス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05B 3/40 A 7512−3K

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 黒鉛材から成る筒状の抵抗発熱体と、該
    抵抗発熱体の外周上の空間を密閉状態に包囲する炉殻と
    を備え、前記抵抗発熱体内部で被加熱処理物を連続的に
    熱処理する加熱炉であって、 (イ)前記抵抗発熱体の外周面には、融点が2800℃
    以上で、かつ、その熱膨張係数が前記発熱体材料と同等
    以上2.0倍以下の高融点材料から成る被覆層が形成さ
    れ、 (ロ)前記炉殻には、該炉殻と前記被覆層との間に不活
    性ガスを流入し、前記被覆層外周面を1kg/cm2 ・G以
    上5kg/cm2 ・G以下の範囲内に加圧せしめる加圧手段
    が設けられ、 (ハ)前記炉殻と前記抵抗発熱体との間には、前記不活
    性ガスの炉外への洩れを防止するシール手段が設けられ
    ていることを特徴とする加熱炉。
  2. 【請求項2】 前記黒鉛材から成る筒状の発熱体に代え
    て、 黒鉛材から成る筒状のマッフルと、 前記マッフルの外周面上の空間の前記マッフルの長手方
    向に沿って複数本が配設された、前記マッフルの外周面
    に輻射熱を照射するための黒鉛材から成る発熱体と、 前記発熱体を包囲し、前記マッフルと同芯でその両端部
    が支持部材で支持されている黒鉛材から成る外筒とを備
    えた発熱部が設けられていることを特徴とする請求項1
    の加熱炉。
  3. 【請求項3】 前記シール手段は、ゴムまたは金属から
    成るOリングで構成されていることを特徴とする請求項
    1または2の加熱炉。
  4. 【請求項4】 前記被覆層は、W、Ta、HfC、Ta
    C、NbC、ZrC、TiC、VC、SiC、HfN、
    TaN、ZrN、TiN、BN、HfB2 、TaB2
    NbB2 、WB、TiB2 及びZrB2 の中から選ばれ
    た1種類以上の高融点材料から形成されていることを特
    徴とする請求項1、2または3の加熱炉。
  5. 【請求項5】 前記加圧手段は、不活性ガス供給源とガ
    ス供給量調整用自動弁と導入ノズルと圧力調節計とコン
    トローラとで構成されていることを特徴とする請求項
    1、2、3または4の加熱炉。
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CN117287976A (zh) * 2023-11-24 2023-12-26 杭州嘉悦智能设备有限公司 石墨化炉

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