JP2002173309A - 黒鉛化装置および黒鉛化方法 - Google Patents

黒鉛化装置および黒鉛化方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジュール熱が充分得ることができ、安定した
操業を実施する。 【解決手段】 供給された炭素粉粒体を加熱して黒鉛化
する黒鉛化炉2を有する。黒鉛化炉2に、炭素粉粒体を
予備加熱する予備加熱装置4を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、黒鉛粉末を製造す
るための黒鉛化装置および黒鉛化方法に関し、特に、炭
素粉粒体を加熱して黒鉛粉末を製造する黒鉛化装置およ
び黒鉛化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、黒鉛粉末を工業的に製造する方
法としては、カーボン粉末等の炭素粉粒体(原料粉末)
を、例えば不活性雰囲気下において約3000℃以上に
加熱処理することにより黒鉛化する方法が知られてい
る。このように黒鉛化する装置としては、炭素粉粒体に
通電して発生するジュール熱によって原料粉末を間接的
に加熱して黒鉛化するアチソン炉が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の黒鉛化装置および黒鉛化方法には、以下
のような問題が存在する。炭素粉粒体に対する加熱は通
電により行われるため、炭素粉粒体には導電性が必要で
ある。ところが、炭素粉粒体は1000〜1200℃の
温度で導電性を発現するが、650℃以下の温度で供給
されるため、加熱に必要なジュール熱が充分得られない
という問題があった。
【0004】また、炉内において炭素粉粒体は電極で通
電されて加熱されるため、電極周辺にメタンや水素等の
ガスが発生し、電極周りの状態(嵩比重、押圧力、電気
伝導性、熱伝導性等)が変化し、安定した操業(通電加
熱コントロール)ができないという問題もあった。
【0005】本発明は、以上のような点を考慮してなさ
れたもので、ジュール熱が充分得ることができ、安定し
た操業を実施可能な黒鉛化装置および黒鉛化方法を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、以下の構成を採用している。請求項1記
載の黒鉛化装置は、供給された炭素粉粒体を加熱して黒
鉛化する黒鉛化炉を有する黒鉛化装置であって、前記黒
鉛化炉に、前記炭素粉粒体を予備加熱する予備加熱装置
が設けられることを特徴とするものである。
【0007】従って、本発明の黒鉛化装置では、予備加
熱することで予め炭素粉粒体から余分なガスを抜くこと
ができる。そのため、黒鉛化炉で炭素粉粒体から発生す
るガスの量を抑制することができ、安定した操業が可能
になる。また、予備加熱温度を調整することで、炭素粉
粒体に導電性を持たせることが可能になるため、黒鉛化
炉で充分なジュール熱を得ることができる。
【0008】請求項2記載の黒鉛化装置は、請求項1記
載の黒鉛化装置において、前記予備加熱装置は、前記炭
素粉粒体を700℃以上、且つ1500℃以下の温度に
予備加熱し、且つ前記黒鉛化炉の上部に設けられること
を特徴とするものである。
【0009】従って、本発明の黒鉛化装置では、炭素粉
粒体を700℃以上の温度で加熱することで、予め余分
なガスを発生させておくことができる。また、炭素粉粒
体を1500℃以下の温度で加熱することで、アルミナ
系等の安価な耐火材を使用することができ、設備コスト
を抑制することができる。また、本発明の黒鉛化装置で
は、予備加熱装置を黒鉛化炉の上部に設けることで予備
加熱した炭素粉粒体を自重により連続して黒鉛化炉に供
給することができる。
【0010】請求項3記載の黒鉛化装置は、請求項1ま
たは2記載の黒鉛化装置において、前記黒鉛化炉の黒鉛
化領域と、前記予備加熱装置の加熱領域とが隣接配置さ
れていることを特徴とするものである。
【0011】従って、本発明の黒鉛化装置では、予備加
熱した炭素粉粒体が黒鉛化領域に到達するまでの時間を
最短にすることができ、炭素粉粒体の温度低下を抑制す
ることができる。また、黒鉛化領域で発生した廃熱また
は熱伝導による熱を加熱領域において容易に利用するこ
とができる。
【0012】請求項4記載の黒鉛化装置は、請求項1か
ら3のいずれかに記載の黒鉛化装置において、前記予備
加熱装置には、前記炭素粉粒体から発生したガスを排気
する排気部が設けられることを特徴とするものである。
【0013】従って、本発明の黒鉛化装置では、予備加
熱した際に発生するガスまたは黒鉛化炉で発生したガス
を排出することができる。
【0014】請求項5記載の黒鉛化方法は、黒鉛化炉に
炭素粉粒体を供給した後に、該炭素粉粒体を加熱して黒
鉛化する黒鉛化方法であって、前記炭素粉粒体を700
℃以上、且つ1500℃以下の温度に予備加熱した状態
で前記黒鉛化炉に供給することを特徴とするものであ
る。
【0015】従って、本発明の黒鉛化方法では、予備加
熱することで予め炭素粉粒体から余分なガスを抜くこと
ができる。そのため、黒鉛化炉で炭素粉粒体から発生す
るガスの量を抑制することができ、安定した操業が可能
になる。また、予備加熱温度を調整することで、炭素粉
粒体に導電性を持たせることが可能になるため、黒鉛化
炉で充分なジュール熱を得ることができる。また、本発
明の黒鉛化方法では、炭素粉粒体を700℃以上の温度
で加熱することで、予め余分なガスを発生させておくこ
とができる。また、炭素粉粒体を1500℃以下の温度
で加熱することで、アルミナ系等の安価な耐火材を使用
することができ、設備コストを抑制することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の黒鉛化装置および
黒鉛化方法の第1の実施の形態を、図1および図2を参
照して説明する。図1は、本発明に係る黒鉛化装置1を
示す断面図である。この黒鉛化装置1は、竪型構造を有
する黒鉛化炉(黒鉛化電気炉)2と、黒鉛化炉2に原料
粉末として炭素粉粒体を供給する供給装置3と、黒鉛化
炉2に設けられた予備加熱装置4とを主体として構成さ
れている。
【0017】黒鉛化炉2の炉本体5には、下部に管状部
材8を介して黒鉛粉末の回収手段9が接続され、対向す
る側壁にそれぞれ電極6、7が取り付けられている。電
極6、7は、直流または交流の電源(図示せず)に接続
されている。なお、この電極6、7間が炭素粉粒体を黒
鉛化するための黒鉛化領域10とされている。また、炉
本体5は、冷却効率を高めるために下部の形状が下方に
向かうに従い絞るように形成されている。
【0018】供給装置3は、受入ホッパー11、12、
フィーダー13とから概略構成されている。受入ホッパ
ー11には、供給ポンプ等により炭素粉粒体が供給され
る供給管14と、バルブ15が介装されバグフィルター
に接続された配管16とが接続されている。また、受入
ホッパー11の下方には、バルブ17を介して受入ホッ
パー12が接続されている。受入ホッパー12には、バ
ルブ18が介装されアルゴンガスを供給する配管19
と、一端がバルブ21を介して吸気管20に接続された
配管33とが接続され、受入ホッパー12の下方にはバ
ルブ22を介してフィーダー13が接続されている。
【0019】予備加熱装置4は、黒鉛化炉2の上部に設
けられており、炉本体5の上端に一体的に取り付けられ
た予熱ホッパー23と、予熱ホッパー23内に鉛直方向
に吊設された発熱体24とを主体として構成されてい
る。また、予熱ホッパー23には、天板23aとの間に
隙間27をあけて断熱用ブランケット25が装填されて
いる。この天板23aには、隙間27に開口するように
吸気管(排気部)20と排気管(排気部)26とが接続
されている。吸気管20には、ロータリーポンプ等の吸
引ポンプ(図示せず)が接続されている。
【0020】ブランケット25の中心部には、円筒状の
断熱材28を介してグラファイト管29が鉛直方向に沿
って固定されており、グラファイト管29の内部空間は
下端が炉本体5内に連通し、上端が上記隙間27に連通
している。図2に示すように、グラファイト管29の内
側には、内周面と離間して複数(図では4つ)の発熱体
24が互いに間隔をあけて環状配置されている。発熱体
24は、石英管30内にヒータエレメント31が封入さ
れたものである。このグラファイト管29の内周面と発
熱体24(石英管30)との間の空間が炭層粉粒体に対
する加熱領域32となる。図1に示すように、この加熱
領域32は、炉本体5内の黒鉛化領域10の上方に隣接
して配置されている。また、加熱領域32の上方にはフ
ィーダー13から炭素粉粒体が供給される構成になって
いる。
【0021】なお、ヒータエレメント31は、黒鉛化炉
2の電極6、7の上端から100mm以上離間して配置
され、通電加熱ガスによるバブリングの影響(押圧力、
嵩比重の変化等)を受けない構成になっている。
【0022】上記の構成の黒鉛化装置により炭素粉粒体
を黒鉛化する手順を説明する。まず、バルブ15を開
き、バルブ17を閉じた状態で供給管14を介して受入
ホッパー11に炭素粉粒体11を供給する。次に、バル
ブ22を閉じた状態でバルブ17を開き炭素粉粒体を受
入ホッパー12に移す。そして、バルブ17を閉じた状
態でバルブ18、21を開いて、配管33、吸気管20
を介して受入ホッパー12内を吸気するとともに、配管
19からアルゴンガスを導入する。これにより、受入ホ
ッパー12内のエアがアルゴンガスに置換される。
【0023】続いて、バルブ18、21を閉じるととも
にバルブ22を開いて、フィーダ13により炭素粉粒体
を加熱領域32の上方に連続的(または定期断続的)に
供給する。供給された炭素粉粒体は、加熱領域32を自
重および供給圧により下方に移動しながら発熱体24で
徐々に加熱される。このように、黒鉛化領域10に到達
する前に、炭素粉粒体を700〜1500℃の温度に予
備加熱する。特に、本実施の形態では、加熱領域32が
黒鉛化領域10の上方に隣接配置されているので、黒鉛
化領域10で生じた熱が熱伝導や輻射で伝わり、効率的
に炭素粉粒体を加熱することができる。
【0024】ここで、炭素粉粒体を700℃以上に加熱
することにより、炭素粉粒体からメタンや水素等の余分
なガスを発生させることができる。発生したガスは、隙
間27から吸気管20(および排気管26)を介して排
気される。また、炭素粉粒体を加熱しても1500℃以
下に抑えることにより、アルミナ系等の安価な耐火材を
使用することができ、設備コストを抑制することができ
る。
【0025】そして、電極6、7間に通電する(例えば
50V、1000A)ことにより、炭素粉粒体は固有抵
抗に応じたジュール熱で自ら発熱して約2500℃〜3
500℃の黒鉛化領域10を形成し、この領域の炭素粉
粒体を黒鉛化する。なお、炉本体5に投入された炭素粉
粒体は、予備加熱装置4で導電性をもつ温度まで予備加
熱されているため、支障なく通電されて発熱することが
できる。
【0026】黒鉛化領域10で適正に黒鉛化された炭素
粉粒体、すなわち所望の温度領域で加熱処理された黒鉛
粉末は、管状部材8の取入口8aから回収手段9に送ら
れて回収される。なお、この取入口8aの位置は、黒鉛
粉末を効率よく取り出すことを目的として、炭素粉粒体
の安息角を考慮した、黒鉛化領域10の直下に配置され
る。
【0027】本実施の形態の黒鉛化装置および黒鉛化方
法では、炉本体5に投入する前に炭素粉粒体を予備加熱
して予め脱ガスしているので、炉本体5内で黒鉛化する
際に発生するガスを減少させることができる。そのた
め、ガス発生に起因して電極6、7周りの状態が変化す
ることを防止でき、安定した操業を実施することができ
る。また、炭素粉粒体を700℃以上に予備加熱するこ
とで、脱ガスを確実に行うことができるので、より安定
した操業を連続的に実施することができる。しかも、予
備加熱装置4に吸気管20、排気管26を接続してある
ので、予備加熱(および黒鉛化)で発生したガスも確
実、且つ容易に除去することができ、ガスが炉本体5内
に回り込み電極周りの状態の外乱となることを未然に防
ぐことができる。加えて、予備加熱することで、炭素粉
粒体に導電性を発現させることができ、炉本体5内の加
熱に必要なジュール熱を充分得ることもできる。
【0028】さらに、本実施の形態では、加熱領域32
と黒鉛化領域10とを隣接配置しているので、黒鉛化領
域10で発生した熱を熱伝導や輻射により予備加熱にお
いても利用することができ、投与したエネルギーの有効
利用も実現し、装置の操業コストを削減することも可能
である。また、これらの領域10、32が隣接すること
で、温度低下を招くことなく、予備加熱した炭素粉粒体
を炉本体5に連続的に投入できるという効果も得られ
る。
【0029】しかも、本実施の形態では、予備加熱装置
4を黒鉛化炉2の上部に設けているので、炭素粉粒体が
自重および供給圧で移動する間に予備加熱することがで
き、炭素粉粒体を炉本体5内に導く機構を別途設ける必
要がなくなり、装置の小型化、低価格化にも寄与でき
る。また、本実施の形態では、炭素粉粒体に対する予備
加熱を1500℃以下とすることで、アルミナ系等の安
価な耐火材を使用することができ、設備コストを抑制す
ることもできる。
【0030】図3および図4は、本発明の黒鉛化装置お
よび黒鉛化方法の第2の実施の形態を示す図である。こ
れらの図において、図1および図2に示す第1の実施の
形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付
し、その説明を省略する。第2の実施の形態と上記の第
1の実施の形態とが異なる点は、予備加熱領域の構成で
ある。
【0031】図3に示すように、ブランケット25の中
心部には、断熱材28が鉛直方向に沿って嵌合固定され
ている。図4に示すように、断熱材28は、断面視ロ字
状を呈しており、その内部空間28aの中心部には左右
方向両側に隙間をあけてグラファイト管29が鉛直方向
に沿って固定されている。グラファイト管29は、断面
視ロ字状を呈しており、その内部空間が炉本体5内の黒
鉛化領域10に連通する加熱領域32となっている。グ
ラファイト管29の上端には、上方に向けて拡径し、隙
間27に開口する取入口29aが設けられている(図3
参照)。この取入口29aは、炭素粉粒体が投入される
投入口34の直下に配置されている。
【0032】また、断熱材28の内部空間28aには、
グラファイト管29を挟んで板状の発熱体24、24が
断熱材28およびグラファイト管29に間隔をあけて鉛
直方向に沿って配設されている。他の構成は、ほぼ上記
第1の実施の形態と同様である。
【0033】本実施の形態の黒鉛化装置1では、投入口
34から投入された炭素粉粒体は、取入口29aからグ
ラファイト管29の加熱領域32に導入される。そし
て、加熱領域32を自重および供給圧で下方に移動する
間に炭素粉粒体は、グラファイト管29を介して発熱体
24、24が発する熱で徐々に予備加熱されるため、上
記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0034】図5は、本発明の黒鉛化装置および黒鉛化
方法の第3の実施の形態を示す図である。この図におい
て、図1および図2に示す第1の実施の形態の構成要素
と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省
略する。第3の実施の形態と上記の第1の実施の形態と
が異なる点は、発熱体および排気口の構成である。
【0035】図5に示すように、予備加熱装置4の予熱
ホッパー23内には、筒状の断熱材28が鉛直方向に沿
って配設され、断熱材28の内周面にはグラファイト管
29が固定されている。そして、この加熱領域32に
は、断熱材28およびグラファイト管29には、水平方
向に伸びる発熱体24が鉛直方向に沿って複数段(図で
は6段)配置されている。
【0036】図6に示すように、断熱材28およびグラ
ファイト管29は双方とも断面視ロ字状を呈しており、
発熱体24はこのロ字の各辺に平行に配置されている。
これを詳述すると、発熱体24は、各段において互いに
一定の間隔をあけて複数(図では5本)平行に、且つ隣
り合う段が互いに直交するように、平面視格子状に配置
されている。そして、これら複数の発熱体24間の隙間
が加熱領域32とされる。
【0037】グラファイト管29の下端は炉本体5内に
露出しており、上端は上方に向かうに従って縮径すると
ともに、排気管26(または吸気管20)に接続されて
いる。そして、この縮径部分にフィーダー13を介して
炭素粉粒体が投入される投入口34が接続されている。
【0038】上記の構成の黒鉛化装置1では、投入口3
4から投入された炭素粉粒体は、グラファイト管29内
に導入され、自重および供給圧で下方に移動しながら発
熱体24間の加熱領域32で予備加熱された後に、黒鉛
化炉2で黒鉛化される。また、予備加熱工程で発生した
ガスは上方に立ち昇って、そのまま排気管26(または
吸気管20)から排出される。
【0039】本実施の形態の黒鉛化装置および黒鉛化方
法では、上記第1の実施の形態と同様の効果が得られる
ことに加えて、発熱体24に対する炭素粉粒体の接触面
積が大きくなるため、より効率的に炭素粉粒体を予備加
熱することができる。また、排気管26(または吸気管
20)が加熱領域32の真上に設けられているので、発
生した余分なガスが抜けやすく、より早く脱ガスを実行
できる。
【0040】なお、本発明に係る予備加熱装置として
は、上記実施の形態の構成に限定されるものではなく、
例えば供給装置3から供給された炭素粉粒体をキルン炉
35で予備加熱した後に黒鉛化炉2で黒鉛化する構成と
してもよい。この場合、キルン炉35における予備加熱
で発生したガスを排出するための排気部として、排気管
36を設けることが好ましい。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る黒
鉛化装置は、予備加熱装置が炭素粉粒体を予備加熱する
構成となっている。これにより、この黒鉛化装置では、
ガス発生に起因して電極周りの状態が変化することを防
止して安定した操業を連続的に実施できるとともに、炭
素粉粒体に導電性を発現させて加熱に必要なジュール熱
が充分得られるという効果を奏する。
【0042】請求項2に係る黒鉛化装置は、予備加熱装
置が炭素粉粒体を700℃以上、且つ1500℃以下の
温度に予備加熱し、且つ黒鉛化炉の上部に設けられる構
成となっている。これにより、この黒鉛化装置では、脱
ガスを確実に行うことができ、より安定した操業を連続
的に実施できるとともに、黒鉛化炉に連続的に直接通電
が可能な導電性を持った炭素粉粒体を供給し、ランニン
グコストを低減できるという効果が得られる。また、炭
素粉粒体が自重で移動する間に予備加熱することがで
き、炭素粉粒体を黒鉛化炉に導く機構を別途設ける必要
がなくなり、装置の小型化、低価格化に寄与できるとい
う効果も得られる。
【0043】請求項3に係る黒鉛化装置は、黒鉛化領域
と加熱領域とが隣接配置される構成となっている。これ
により、この黒鉛化装置では、黒鉛化領域で発生した熱
を予備加熱においても利用することができ、投与したエ
ネルギーの有効利用も実現し、装置の操業コストを削減
できるとともに、温度低下を招くことなく、予備加熱し
た炭素粉粒体を黒鉛化炉に連続的に投入できるという効
果が得られる。
【0044】請求項4に係る黒鉛化装置は、炭素粉粒体
から発生したガスを排気する排気部が設けられる構成と
なっている。これにより、この黒鉛化装置では、ガスが
黒鉛化炉に回り込み電極周りの状態の外乱となることを
未然に防げるという効果が得られる。
【0045】請求項5に係る黒鉛化方法は、炭素粉粒体
を炭素粉粒体を700℃以上、且つ1500℃以下の温
度に予備加熱して黒鉛化炉に供給する手順となってい
る。これにより、この黒鉛化方法では、ガス発生に起因
して電極周りの状態が変化することを防止して安定した
操業を連続的に実施できるとともに、炭素粉粒体に導電
性を発現させて加熱に必要なジュール熱が充分得られる
という効果を奏する。また、黒鉛化炉に連続的に直接通
電が可能な導電性を持った炭素粉粒体を供給し、ランニ
ングコストを低減できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態を示す図であっ
て、予備加熱装置を有する黒鉛化装置の概略構成図であ
る。
【図2】 同予備加熱装置の要部の断面図である。
【図3】 本発明の第2の実施の形態における黒鉛化
装置の概略構成図である。
【図4】 図3における予備加熱装置の要部の断面図
である。
【図5】 本発明の第3の実施の形態における黒鉛化
装置の概略構成図である。
【図6】 図5における予備加熱装置の要部の断面図
である。
【図7】 別の実施の形態における予備加熱装置の概
略構成図である。
【符号の説明】
1 黒鉛化装置 2 黒鉛化炉(黒鉛化電気炉) 4 予備加熱装置 10 黒鉛化領域 20 吸気管(排気部) 26 排気管(排気部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯島 重樹 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石 川島播磨重工業株式会社横浜エンジニアリ ングセンター内 Fターム(参考) 4G046 EA06 EB02 EB09 EC02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 供給された炭素粉粒体を加熱して黒鉛
    化する黒鉛化炉を有する黒鉛化装置であって、 前記黒鉛化炉に、前記炭素粉粒体を予備加熱する予備加
    熱装置が設けられることを特徴とする黒鉛化装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の黒鉛化装置において、 前記予備加熱装置は、前記炭素粉粒体を700℃以上、
    且つ1500℃以下の温度に予備加熱し、且つ前記黒鉛
    化炉の上部に設けられることを特徴とする黒鉛化装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の黒鉛化装置に
    おいて、 前記黒鉛化炉の黒鉛化領域と、前記予備加熱装置の加熱
    領域とが隣接配置されていることを特徴とする黒鉛化装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載の黒
    鉛化装置において、 前記予備加熱装置には、前記炭素粉粒体から発生したガ
    スを排気する排気部が設けられることを特徴とする黒鉛
    化装置。
  5. 【請求項5】 黒鉛化炉に炭素粉粒体を供給した後
    に、該炭素粉粒体を加熱して黒鉛化する黒鉛化方法であ
    って、 前記炭素粉粒体を700℃以上、且つ1500℃以下の
    温度に予備加熱した状態で前記黒鉛化炉に供給すること
    を特徴とする黒鉛化方法。
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