JP2003238803A - 絶縁膜用材料、絶縁膜用コーティングワニス、及びこれらを用いた絶縁膜 - Google Patents

絶縁膜用材料、絶縁膜用コーティングワニス、及びこれらを用いた絶縁膜

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JP2003238803A
JP2003238803A JP2002043845A JP2002043845A JP2003238803A JP 2003238803 A JP2003238803 A JP 2003238803A JP 2002043845 A JP2002043845 A JP 2002043845A JP 2002043845 A JP2002043845 A JP 2002043845A JP 2003238803 A JP2003238803 A JP 2003238803A
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Souhei Funaoka
舩岡創平
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気特性、熱特性、機械特性などに優れ、か
つ低誘電率化が可能な絶縁膜用材料と、それを用いた絶
縁膜を提供する。 【解決手段】 一般式(1)で表されるポリアミドと、
その構造中のカルボキシル基、アミノ基、又はヒドロキ
シル基と反応し得る置換基を有する、反応性オリゴマー
とを反応させて得られた共重合体と、塩基とを、膜形成
成分とし、有機溶媒に溶解又は分散させてコーティング
ワニスとし、これを塗布・乾燥させ、さらに加熱処理し
て縮合反応及び架橋反応せしめて、ポリベンゾオキサゾ
ールを主構造とする樹脂層を形成させると共に、反応性
オリゴマー成分を熱分解して、気化・揮散させ、前記樹
脂層に微細孔を形成させる。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体用の絶縁膜
用材料、絶縁膜用コーティングワニス、及びこれらを用
いた絶縁膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体用の層間絶縁膜用材料としては、
化学気相成長法などで形成した2酸化シリコンを用い
た、無機絶縁膜材料が主に使用されているが、誘電率が
高く、また高い平坦性を必要とする多層配線構造の層間
絶縁膜としての性能は、充分であるとは言えなかった。
【0003】一方、有機絶縁膜は高い平坦性を有し、誘
電率も低い。この有機絶縁膜用材料としては、耐熱性、
電気特性、機械特性などに優れたポリイミド樹脂が挙げ
られ、ソルダーレジスト、カバーレイ、液晶配向膜など
に用いられている。しかしながら、一般にポリイミド樹
脂はイミド環にカルボニル基を2個有していることか
ら、吸水性、電気特性に問題がある。これらの問題に対
して、フッ素あるいはフッ素含有基を有機高分子内に導
入することにより、吸水性、電気特性を改良することが
試みられており、実用化されているものもある。また、
ポリイミド樹脂に比べて、耐熱性、吸水性、電気特性に
関して、より優れた性能を示すポリベンゾオキサゾール
樹脂があり、様々な分野への適用が試みられている。例
えば、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジヒドロキシビフェ
ニルとテレフタル酸からなる構造を有するもの、2,2
−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサ
フルオロプロパンとテレフタル酸からなる構造を有する
ポリベンゾオキサゾール樹脂等がある。
【0004】しかしながら、さらに厳しい耐熱性、電気
特性、吸水性等の向上を要求されている先端分野では、
このような要求全てを満足する材料は、未だ得られてい
ないのが現状である。つまり、優れた耐熱性を示すが、
誘電率等の電気特性は十分ではなく、また、フッ素導入
により電気特性は向上するものの、耐熱性の低下を招く
といった不具合が発生している。特に、半導体用層間絶
縁膜として有機材料を適用する場合。無機材料に匹敵す
る耐熱性、機械特性、吸水性が要求され、その上で更な
る低誘電率化が求められている。
【0005】このような高性能化の要求に対して、無機
材料である無機酸化物膜の膜中に微細孔を開けることに
より、低密度化を図り、比誘電率を低減させる方法が検
討されている。空気の比誘電率は1であり、膜中に空気
を導入して比誘電率を下げることは、米国特許第3,8
83,452号に記載されている、約20μmの平均孔
径を有する発泡重合体を生成させる方法から類推され
る。しかしながら、空気を膜中に導入することによっ
て、効果的な絶縁体にするためには、膜厚がサブマイク
ロメーターオーダーで、平均化された比誘電率を有する
必要があり、そして膜自体の機械特性も各工程に耐え得
るものでなければならない。このような問題を克服する
無機材料は、まだ得られていないのが現状である。
【0006】一方、有機材料においては、サブマイクロ
メーターオーダーの微細孔を得る技術については、ブロ
ックコポリマーを加熱処理して、サブマイクロメーター
オーダーの微細孔を有する樹脂を生成させる技術が開示
されている(米国特許第5,776,990号)。ブロッ
クコポリマーがサブマイクロメーターオーダーで相分離
することは、公知のことであり[T.Hashimoto,M.Shiba
yama,M.Fujimura and H.Kawai,"Microphase Separati
on and the Polymer-Polymer Interphase inBlock Poly
mers" in "Block Copolymers-Science and Technolog
y",p.63,Ed.by D.J.Meier(Academic Pub.,198
3)]、天井温度の低いポリマー類が容易に分解するこ
とも、高分子化学の分野では、一般に良く知られている
ことである。しかしながら、比誘電率のみならず、機械
特性、電気特性、耐吸水性、耐熱性を満足させながら、
微細孔を有する樹脂組成物を得るためには、樹脂、ブロ
ック化技術、熱分解性成分などの組み合わせの選択が非
常に限定され、すべての特性を満足できるものは得られ
ていない。
【0007】また、これらの有機絶縁膜用材料は、溶解
若しくは分散させるための有機溶媒を含むコーティング
ワニスとして取り扱われる場合があり、その際のコーテ
ィングワニスとしての保存性も重要な課題である。絶縁
膜形成時に安定した均一な膜を得るためには、保管中
に、コーティングワニス作成初期の状態と同じく、常に
均一である必要があるからである。しかしながら、樹脂
組成物によっては、−25〜−15℃のような低温にお
いては、ワニスの保存性が良好であるものの、室温では
数日で析出物が発生する問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、電気特性、熱特性、機械特性などに優
れ、かつ低誘電率化を可能とする、またコーティングワ
ニスとしたときの保存性に優れた絶縁膜用材料、これを
含む絶縁膜用コーティングワニス、及びこれらを用いた
絶縁膜を提供することを目的としてなされたものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定構
造のポリアミドと、反応性オリゴマーと、特定の塩基と
を、絶縁膜用材料の膜形成成分として用いることによ
り、その目的を達成し得ることを見出し、この知見に基
づいて本発明を完成するに至った。
【0010】即ち本発明は、一般式(1)で表されるポ
リアミドと、該ポリアミド構造中のカルボキシル基、ア
ミノ基、又は、ヒドロキシル基と反応し得る置換基を有
する、反応性オリゴマーとを反応させて得られた共重合
体と、塩基とを、膜形成成分として含むことを特徴とす
る絶縁膜用材料である。また、この絶縁膜用材料と、こ
れを溶解若しくは分散させることが可能な有機溶媒とを
含む絶縁膜用コーティングワニスであり、さらには、絶
縁膜用材料又は絶縁膜用コーティングワニスを、加熱処
理して縮合反応及び架橋反応せしめて得られる、ポリベ
ンゾオキサゾールを主構造とする樹脂の層からなること
を特徴とする絶縁膜である。
【0011】
【化10】
【0012】式中、X1は式(A)−1及び式(A)−
2[以下、両方を合せて式(A)と記す]で表される基
の中から選ばれる2価の基、X2はX1の構造異性体であ
る2価の基、Yは式(B)−1,式(B)−2[以下、
両方を合せて式(B)と記す],式(C),及び式
(D)で表される基の中から選ばれる少なくとも1種の
2価の基を示し、2つのYは互いに同じであっても異な
っていても良い。また、m及びnは、それぞれm>0,
n>0,2≦m+n≦1000,及び0.05≦m/
(m+n)≦0.5の関係を満たす整数であり、繰り返
し単位の配列はブロック的、ランダム的のいずれであっ
てもよい。
【0013】
【化11】
【0014】
【化12】
【0015】式中、Zは式(E)で表される基の中から
選ばれる2価の基を示し、R1及びR2は、それぞれ独立
して水素原子又は1価の有機基を示し、互いに同一であ
っても異なっていてもよい。
【0016】
【化13】
【0017】
【化14】
【0018】式中、Rは水素原子、アルキル基又は式
(F)で表される基の中から選ばれる1価の基を示す。
【0019】
【化15】
【0020】
【化16】
【0021】
【化17】
【0022】
【化18】
【0023】また、式(A)〜式(F)で表される基に
おけるベンゼン環上の水素原子は、炭素数1〜4のアル
キル基、フッ素原子及びトリフルオロメチル基の中から
選ばれる少なくとも1個の基で置換されていてもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の絶縁膜用材料は、ポリア
ミドと反応性オリゴマーとを反応させて得られた共重合
体を、膜形成成分として含むものであって、その共重合
体中のポリアミドユニットの主鎖に、加熱により架橋す
るエチニル、フェニルエチニル、アルキルエチニル、ビ
フェニレン、及び内部アセチレンの、少なくとも1種の
骨格を導入し、アミド基の閉環反応によるポリベンゾオ
キサゾールへの変換と共に、エチニル、フェニルエチニ
ル、アルキルエチニル、ビフェニレン、又は内部アセチ
レン骨格の架橋反応によって、樹脂構造を3次元化させ
ることにより、高い耐熱性を有する樹脂を得ることが出
来る。そして同時に、共重合体中のオリゴマーユニット
を、樹脂加熱工程において熱分解させ、揮散せしめるこ
とにより、ポリベンゾオキサゾール樹脂を主構造とする
樹脂膜中に微細孔を形成させて低誘電率化し、耐熱性と
電気特性を両立させた多孔質絶縁膜を得るのが、本発明
の第1の骨子である。またさらに、絶縁膜用材料をワニ
スとして取り扱う場合において、共重合体中のポリアミ
ドユニットの主鎖に、特定の構造を有する化合物及びそ
の構造異性体から得られる構造を含むことにより、長期
保管後も、ワニス作成初期の状態と同じく、常に均一で
ある絶縁膜材料を得るのが、本発明の第2の骨子であ
る。
【0025】本発明の絶縁膜用材料における共重合体中
の、ポリアミドユニットを構成するポリアミドは、前記
一般式(1)で表される構造を有するものである。この
ポリアミドは、前記式(A)で表される基の中から選ば
れる2価の基を有するビスアミノフェノール化合物の少
なくとも1種と、式(B)〜式(D)で表される基の中
から選ばれる少なくとも1種の2価の基を有する、ジカ
ルボン酸の少なくとも1種とを用いて、従来の酸クロリ
ド法、活性化エステル法、ポリリン酸やジシクロヘキシ
ルカルボジイミド等の脱水縮合剤の存在下での縮合反応
等の方法により得ることが出来る。
【0026】また、このエチニル、フェニルエチニル、
アルキルエチニル、ビフェニレン、及び内部アセチレン
の、少なくとも1種の骨格を有するポリアミドに、従来
から用いられてきた、架橋反応基を有さない(架橋反応
しない)タイプの別のポリアミドを、耐熱性や保存性に
影響しない程度に組み合わせて、相互侵入網目構造とす
ることによっても、同様に高耐熱性の樹脂を得ることが
可能である。この場合、エチニル、フェニルエチニル、
アルキルエチニル、ビフェニレン、内部アセチレン骨格
を有さないポリアミドは、前記式(A)で表される基の
中から選ばれる2価の基を有するビスアミノフェノール
化合物の少なくとも1種と、式(G)で表される2価の
基の中のいずれかを有するジカルボン酸の少なくとも1
種とを用いて、同様の方法により得ることが出来る。
【0027】
【化19】 式中、Zは式(E)で表される基の中から選ばれる2価
の基を示す。
【0028】本発明で用いる、式(A)で表される2価
の基を有するビスアミノフェノール化合物としては、
2,4−ジアミノレゾルシノール、4,6−ジアミノレゾ
ルシノール、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキ
シフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス
(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオ
ロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3
−ヒドロキシフェニル)プロパン、3,3'−ジアミノ−
4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4'−ジ
アミノ−3,3'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、
3,3'−ジアミノ−4,4'−ジヒドロキシビフェニル、
4,4'−ジアミノ−3,3'−ジヒドロキシビフェニル、
9,9−ビス(4−((4−アミノ−3−ヒドロキシ)
フェノキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4
−((3−アミノ−4−ヒドロキシ)フェノキシ)フェ
ニル)フルオレン、9,9−ビス((4−アミノ−3−
ヒドロキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス
((3−アミノ−4−ヒドロキシ)フェニル)フルオレ
ン、3,3'−ジアミノ−4,4'−ジヒドロキシジフェニ
ルエーテル、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジヒドロキシ
フェニルエーテル、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒ
ドロキシ−2−トリフルオロメチルフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−2−
トリフルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチ
ルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3
−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−6
−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−トリフルオロメ
チルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−
4−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルフェニル)ヘ
キサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3
−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルフェニル)ヘキ
サフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−
ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサ
フルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒ
ドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフ
ルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒド
ロキシ−6−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフル
オロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロ
キシ−6−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオ
ロプロパン、3,3'−ジアミノ−4,4'−ジヒドロキシ
−2,2'−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、
4,4'−ジアミノ−3,3'−ジヒドロキシ−2,2'−ビ
ス(トリフルオロメチル)ビフェニル、3,3'−ジアミ
ノ−4,4'−ジヒドロキシ−5,5'−ビス(トリフルオ
ロメチル)ビフェニル、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジ
ヒドロキシ−5,5'−ビス(トリフルオロメチル)ビフ
ェニル、3,3'−ジアミノ−4,4'−ジヒドロキシ−
6,6'−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,
4'−ジアミノ−3,3'−ジヒドロキシ−6,6'−ビス
(トリフルオロメチル)ビフェニル、9,9−ビス(4
−((4−アミノ−3−ヒドロキシ)フェノキシ)−3
−フェニル−フェニル)−フルオレン、9,9−ビス
(4−((3−アミノ−4−ヒドロキシ)フェノキシ)
−3−フェニル−フェニル)−フルオレン、9,9−ビ
ス((2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−フェニル)−
フェニル)−フルオレン、9,9−ビス((2−ヒドロ
キシ−3−アミノ−4−フェニル)−フェニル)−フル
オレン、等が挙げられ、それぞれに対応する構造異性体
を併用することが重要である。
【0029】本発明で用いる、式(B)で表される2価
の基を有し、式中のRが水素原子であるジカルボン酸の
例としては、3−エチニルフタル酸、4−エチニルフタ
ル酸、2−エチニルイソフタル酸、4−エチニルイソフ
タル酸、5−エチニルイソフタル酸、2−エチニルテレ
フタル酸、3−エチニルテレフタル酸、5−エチニル−
テレフタル酸、2−エチニル−1,5−ナフタレンジカ
ルボン酸、3−エチニル−1,5−ナフタレンジカルボ
ン酸、4−エチニル−1,5−ナフタレンジカルボン
酸、1−エチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、
3−エチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、4−
エチニル−2,6−ナフタレンジカルボン酸、2−エチ
ニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、3−エチニル
−1,6−ナフタレンジカルボン酸、4−エチニル−1,
6−ナフタレンジカルボン酸、5−エチニル−1,6−
ナフタレンジカルボン酸、7−エチニル−1,6−ナフ
タレンジカルボン酸、8−エチニル−1,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、3,3'−ジエチニル−2,2'−ビフェ
ニルジカルボン酸、4,4'−ジエチニル−2,2'−ビフ
ェニルジカルボン酸、5,5'−ジエチニル−2,2'−ビ
フェニルジカルボン酸、6,6'−ジエチニル−2,2'−
ビフェニルジカルボン酸、2,2'−ジエチニル−3,3'
−ビフェニルジカルボン酸、4,4'−ジエチニル−3,
3'−ビフェニルジカルボン酸、5,5'−ジエチニル−
3,3'−ビフェニルジカルボン酸、6,6'−ジエチニル
−3,3'−ビフェニルジカルボン酸、2,2'−ジエチニ
ル−4,4'−ビフェニルジカルボン酸、3,3'−ジエチ
ニル−4,4'−ビフェニルジカルボン酸、2,2−ビス
(2−カルボキシ−3−エチニルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(2−カルボキシ−4−エチニルフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−5−エ
チニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボ
キシ−6−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3−カルボキシ−2−エチニルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−カルボキシ−4−エチニルフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−5−エ
チニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボ
キシ−6−エチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−カルボキシ−2−エチニルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−カルボキシ−3−エチニルフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−4−エ
チニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビ
ス(3−カルボキシ−5−エチニルフェニル)ヘキサフ
ルオロプロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−
エチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4−エチ
ニル−1,3−ジカルボキシシクロプロパン、5−エチ
ニル−2,2−ジカルボキシシクロプロパン、1,3−ビ
ス(4−カルボキシ−フェノキシ)−5−エチニル−ベ
ンゼンの構造異性体、1,3−ビス(4−カルボキシ−
フェニル)−5−エチニル−ベンゼンの構造異性体、5
−(3−エチニル−フェノキシ)−イソフタル酸、5−
(1−エチニル−フェノキシ)−イソフタル酸、5−
(2−エチニル−フェノキシ)イソフタル酸、2−(1
−エチニル−フェノキシ)テレフタル酸、2−(2−エ
チニル−フェノキシ)テレフタル酸、2−(3−エチニ
ル−フェノキシ)テレフタル酸、5−(1−エチニル−
フェニル)−イソフタル酸、5−(2−エチニル−フェ
ニル)−イソフタル酸、5−(3−エチニル−フェニ
ル)−イソフタル酸、2−(1−エチニル−フェニル)
−テレフタル酸、2−(2−エチニル−フェニル)−テ
レフタル酸、2−(3−エチニル−フェニル)−テレフ
タル酸等が挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。これらは単独で用いてもよく、また2種類以上を
組合わせて使用してもよい。
【0030】本発明で用いる、式(B)で表される2価
の基を有するジカルボン酸で、式中のRが式(F)で表
される1価の基の例としては、3−フェニルエチニルフ
タル酸、4−フェニルエチニルフタル酸、2−フェニル
エチニルイソフタル酸、4−フェニルエチニルイソフタ
ル酸、5−フェニルエチニルイソフタル酸、2−フェニ
ルエチニルテレフタル酸、3−フェニルエチニルテレフ
タル酸、2−フェニルエチニル−1,5−ナフタレンジ
カルボン酸、3−フェニルエチニル−1,5−ナフタレ
ンジカルボン酸、4−フェニルエチニル−1,5−ナフ
タレンジカルボン酸、1−フェニルエチニル−2,6−
ナフタレンジカルボン酸、3−フェニルエチニル−2,
6−ナフタレンジカルボン酸、4−フェニルエチニル−
2,6−ナフタレンジカルボン酸、2−フェニルエチニ
ル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、3−フェニルエ
チニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、4−フェニ
ルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、5−フ
ェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、7
−フェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン
酸、8−フェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカル
ボン酸、3−ビフェニルエチニルフタル酸、4−ビフェ
ニルエチニルフタル酸、2−ビフェニルエチニルイソフ
タル酸、4−ビフェニルエチニルイソフタル酸、5−ビ
フェニルエチニルイソフタル酸、2−ビフェニルエチニ
ルテレフタル酸、3−ビフェニルエチニルテレフタル
酸、5−ビフェニルエチニル−テレフタル酸、2−ビフ
ェニルエチニル−1,5−ナフタレンジカルボン酸、3
−ビフェニルエチニル−1,5−ナフタレンジカルボン
酸、4−ビフェニルエチニル−1,5−ナフタレンジカ
ルボン酸、1−ビフェニルエチニル−2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、3−ビフェニルエチニル−2,6−ナ
フタレンジカルボン酸、4−ビフェニルエチニル−2,
6−ナフタレンジカルボン酸、2−ビフェニルエチニル
−1,6−ナフタレンジカルボン酸、3−ビフェニルエ
チニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、4−ビフェ
ニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン酸、5−
ビフェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカルボン
酸、7−ビフェニルエチニル−1,6−ナフタレンジカ
ルボン酸、8−ビフェニルエチニル−1,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、3,3'−ジビフェニルエチニル−2,
2'−ビフェニルジカルボン酸、4,4'−ジビフェニル
エチニル−2,2'−ビフェニルジカルボン酸、5,5'−
ジビフェニルエチニル−2,2'−ビフェニルジカルボン
酸、6,6'−ジビフェニルエチニル−2,2'−ビフェニ
ルジカルボン酸、2,2'−ジビフェニルエチニル−3,
3'−ビフェニルジカルボン酸、4,4'−ジビフェニル
エチニル−3,3'−ビフェニルジカルボン酸、5,5'−
ジビフェニルエチニル−3,3'−ビフェニルジカルボン
酸、6,6'−ジビフェニルエチニル−3,3'−ビフェニ
ルジカルボン酸、2,2'−ジビフェニルエチニル−4,
4'−ビフェニルジカルボン酸、3,3'−ジビフェニル
エチニル−4,4'−ビフェニルジカルボン酸、2,2−
ビス(2−カルボキシ−3−ビフェニルエチニルフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−4−ビ
フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス
(2−カルボキシ−5−ビフェニルエチニルフェニル)
プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−6−ビフェ
ニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−
カルボキシ−2−ビフェニルエチニルフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3−カルボキシ−4−ビフェニルエ
チニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボ
キシ−5−ビフェニルエチニルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−カルボキシ−6−ビフェニルエチニ
ルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ
−2−ビフェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2
−ビス(4−カルボキシ−3−ビフェニルエチニルフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−4−
ビフェニルエチニルフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2−ビス(3−カルボキシ−5−ビフェニルエ
チニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビ
ス(4−カルボキシ−2−ビフェニルエチニルフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、4−ビフェニルエチニル
−1,3−ジカルボキシシクロプロパン、5−ビフェニ
ルエチニル−2,2−ジカルボキシシクロプロパン、1,
3−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)−5−ビフェ
ニルエチニル−ベンゼンの構造異性体、1,3−ビス
(4−カルボキシ−フェニル)−5−ビフェニルエチニ
ル−ベンゼンの構造異性体、5−(3−ビフェニルエチ
ニル−フェノキシ)−イソフタル酸、5−(1−ビフェ
ニルエチニル−フェノキシ)−イソフタル酸、5−(2
−ビフェニルエチニル−フェノキシ)イソフタル酸、2
−(1−ビフェニルエチニル−フェノキシ)テレフタル
酸、2−(2−ビフェニルエチニル−フェノキシ)テレ
フタル酸、2−(3−ビフェニルエチニル−フェノキ
シ)テレフタル酸、5−(1−ビフェニルエチニル−フ
ェニル)−イソフタル酸、5−(2−ビフェニルエチニ
ル−フェニル)−イソフタル酸、5−(3−ビフェニル
エチニル−フェニル)−イソフタル酸、2−(1−ビフ
ェニルエチニル−フェニル)−テレフタル酸、2−(2
−ビフェニルエチニル−フェニル)−テレフタル酸、2
−(3−ビフェニルエチニル−フェニル)−テレフタル
酸、2,2−ビス(2−カルボキシ−3−フェニルエチ
ニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキ
シ−4−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2
−ビス(2−カルボキシ−5−フェニルエチニルフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−6−フ
ェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3
−カルボキシ−2−フェニルエチニルフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3−カルボキシ−4−フェニルエチ
ニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキ
シ−5−フェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2
−ビス(3−カルボキシ−6−フェニルエチニルフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−フ
ェニルエチニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4
−カルボキシ−3−フェニルエチニルフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(2−カルボキシ−4−フェニルエチ
ニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス
(3−カルボキシ−5−フェニルエチニルフェニル)ヘ
キサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ
−2−フェニルエチニルフェニル)ヘキサフルオロプロ
パン、4−フェニルエチニル−1,3−ジカルボキシシ
クロプロパン、5−フェニルエチニル−2,2−ジカル
ボキシシクロプロパン、1,3−ビス(4−カルボキシ
−フェノキシ)−5−フェニルエチニル−ベンゼンの構
造異性体、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェニル)
−5−フェニルエチニル−ベンゼンの構造異性体、5−
(1−フェニルエチニル−フェノキシ)−イソフタル
酸、5−(2−フェニルエチニル−フェノキシ)−イソ
フタル酸、5−(3−フェニルエチニル−フェノキシ)
イソフタル酸、2−(1−フェニルエチニル−フェノキ
シ)テレフタル酸、2−(2−フェニルエチニル−フェ
ノキシ)テレフタル酸、2−(3−フェニルエチニル−
フェノキシ)テレフタル酸、5−(1−フェニルエチニ
ル−フェニル)−イソフタル酸、5−(2−フェニルエ
チニル−フェニル)−イソフタル酸、5−(3−フェニ
ルエチニル−フェニル)−イソフタル酸、2−(1−フ
ェニルエチニル−フェニル)−テレフタル酸、2−(2
−フェニルエチニル−フェニル)−テレフタル酸、2−
(3−フェニルエチニル−フェニル)−テレフタル酸等
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。こ
れらは単独で用いてもよく、また2種類以上を組み合わ
せて使用しても良い。
【0031】式(B)で表される2価の基における、R
がアルキル基である例としては、3−ヘキシニルフタル
酸、4−へキシニルフタル酸、2−へキシニルイソフタ
ル酸、4−へキシニルイソフタル酸、5−へキシニルイ
ソフタル酸、2−へキシニルテレフタル酸、3−へキシ
ニルテレフタル酸、2−へキシニル−1,5−ナフタレ
ンジカルボン酸、3−へキシニル−1,5−ナフタレン
ジカルボン酸、4−へキシニル−1,5−ナフタレンジ
カルボン酸、1−へキシニル−2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸、3−へキシニル−2,6−ナフタレンジカル
ボン酸、4−へキシニル−2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、2−へキシニル−1,6−ナフタレンジカルボン
酸、3−へキシニル−1,6−ナフタレンジカルボン
酸、4−へキシニル−1,6−ナフタレンジカルボン
酸、5−へキシニル−1,6−ナフタレンジカルボン
酸、7−へキシニル−1,6−ナフタレンジカルボン
酸、8−へキシニル−1,6−ナフタレンジカルボン
酸、3,3'−ジへキシニル−2,2'−ビフェニルジカル
ボン酸、4,4'−ジへキシニル−2,2'−ビフェニルジ
カルボン酸、5,5'−ジヘキシニル−2,2'−ビフェニ
ルジカルボン酸、6,6'−ジへキシニル−2,2'−ビフ
ェニルジカルボン酸、2,2'−ジへキシニル−3,3'−
ビフェニルジカルボン酸、4,4'−ジへキシニル−3,
3'−ビフェニルジカルボン酸、5,5'−ジへキシニル
−3,3'−ビフェニルジカルボン酸、6,6'−ジへキシ
ニル−3,3'−ビフェニルジカルボン酸、2,2'−ジへ
キシニル−4,4'−ビフェニルジカルボン酸、3,3'−
ジへキシニル−4,4'−ビフェニルジカルボン酸、2,
2−ビス(2−カルボキシ−3−へキシニルフェニル)
プロパン、2,2−ビス(2−カルボキシ−4−へキシ
ニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−カルボキ
シ−5−へキシニルフェニル)プロパン、2,2−ビス
(2−カルボキシ−6−へキシニルフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3−カルボキシ−2−へキシニルフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−4
−へキシニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−
カルボキシ−5−へキシニルフェニル)プロパン、2,
2−ビス(3−カルボキシ−6−へキシニルフェニル)
プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ−2−へキシ
ニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキ
シ−3−へキシニルフェニル)プロパン、2,2−ビス
(2−カルボキシ−4−へキシニルフェニル)ヘキサフ
ルオロプロパン、2,2−ビス(3−カルボキシ−5−
へキシニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2
−ビス(4−カルボキシ−2−へキシニルフェニル)ヘ
キサフルオロプロパン、4−へキシニル−1,3−ジカ
ルボキシシクロプロパン、5−ヘキシニル−2,2−ジ
カルボキシシクロプロパン、1,3−ビス(4−カルボ
キシ−フェノキシ)−5−ヘキシニル−ベンゼンの構造
異性体、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェニル)−
5−ヘキシニル−ベンゼンの構造異性体、5−(3−ヘ
キシニル−フェノキシ)−イソフタル酸、5−(1−ヘ
キシニル−フェノキシ)−イソフタル酸、5−(2−ヘ
キシニル−フェノキシ)イソフタル酸、2−(1−ヘキ
シニル−フェノキシ)テレフタル酸、2−(2−ヘキシ
ニル−フェノキシ)テレフタル酸、2−(3−ヘキシニ
ル−フェノキシ)テレフタル酸、5−(1−ヘキシニル
−フェニル)−イソフタル酸、5−(2−ヘキシニル−
フェニル)−イソフタル酸、5−(3−ヘキシニル−フ
ェニル)−イソフタル酸、2−(1−ヘキシニル−フェ
ニル)−テレフタル酸、2−(2−ヘキシニル−フェニ
ル)−テレフタル酸、2−(3−ヘキシニル−フェニ
ル)−テレフタル酸等が挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。これらは単独で用いてもよく、また
2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0032】本発明で用いる、式(C)で表される2価
の基を有するビフェニレン骨格を持つジカルボン酸の例
としては、1,2−ビフェニレンジカルボン酸、1,3−
ビフェニレンジカルボン酸、1,4−ビフェニレンジカ
ルボン酸、1,5−ビフェニレンジカルボン酸、1,6−
ビフェニレンジカルボン酸、1,7−ビフェニレンジカ
ルボン酸、1,8−ビフェニレンジカルボン酸、2,3−
ビフェニレンジカルボン酸、2,6−ビフェニレンジカ
ルボン酸、2,7−ビフェニレンジカルボン酸などが挙
げられ、得られる塗膜の性能から、2,6−ビフェニレ
ンジカルボン酸、2,7−ビフェニレンジカルボン酸が
特に好ましい。これらは単独で用いてもよく、また2種
類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0033】本発明で用いる、式(D)で表される2価
の基を有するジカルボン酸の例としては、4,4'−トラ
ンジカルボン酸、3,4'−トランジカルボン酸、3,3'
−トランジカルボン酸、2,4'−トランジカルボン酸、
2,3'−トランジカルボン酸、2,2'−トランジカルボ
ン酸などを1種、または2種以上混合して用いることが
できる。
【0034】なお、式(A)〜式(G)で表される基に
おける、ベンゼン環上の水素原子は、炭素数1〜4のア
ルキル基、フッ素原子及びトリフルオロメチル基の中か
ら選ばれる、少なくとも1個の基で置換されていてもよ
い。上記炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、t−ブチル基などが挙げられる。
【0035】本発明におけるポリアミドは、一般式
(1)中のm及びnは 、それぞれm>0,n>0,2
≦m+n≦1000,及び0.05≦m/(m+n)≦
0.5の関係を満たす整数である。mとnの和は、好ま
しくは5以上100以下である。ここでmとnの和が、
2未満であると成膜性が低下し、樹脂膜の機械強度が十
分でなくなる。また、1000を越えると分子量が大き
くなりすぎて、溶剤に溶けにくくなったり、溶解しても
粘調なワニスとなり実用的でない。
【0036】また、m及びnは0.05≦m/(m+
n)≦0.5を満たす整数であることが必須であり、さ
らには、0.1≦m/(m+n)≦0.5を満たすことが
好ましい。0.05>m/(m+n)であると、絶縁膜
用材料を溶解若しくは分散させるための有機溶媒を含む
コーティングワニスとして取り扱う場合に、コーティン
グワニスとして、初期には均一に溶解していたにも関わ
らず、冷蔵保管庫等の常温より、低温で長期間保管され
た場合に、樹脂組成物が結晶として析出してしまう、若
しくは、コーティングワニスとして、初期には均一に分
散していたにもかかわらず、冷蔵保管庫等の常温より、
低温で長期間保管された場合に、2層若しくは3層等、
層状に分離してしまう可能性があり実用的ではない。
【0037】一般式(1)における繰り返し単位の配列
は、ブロック的であっても、ランダム的であってもかま
わない。例えば、ブロック的な繰り返し単位の製造方法
としては、酸クロリド法による場合、式(A)から選ば
れる2価の基を有するビスアミノフェノール化合物と、
式(B)で表される2価の基の中から選ばれる、架橋に
寄与する構造を有するジカルボン酸のクロリドとを、予
め反応させて分子量を上げた後、更に先に選ばれた式
(A)から選ばれる2価の基を有するビスアミノフェノ
ール化合物の構造異性体である化合物と、式(B)〜式
(D)で表される2価の基の中から選ばれる、架橋に寄
与する構造を有するジカルボン酸のクロリドとを反応さ
せることにより得ることができる。
【0038】また、ランダムな繰り返し単位の場合は、
式(A)から選ばれる2価の基を有するビスアミノフェ
ノール化合物と、先に選ばれた式(A)から選ばれる2
価の基を有するビスアミノフェノール化合物の構造異性
体である化合物と、式(B)〜式(D)で表される2価
の基の中から選ばれる、架橋に寄与する構造を有するジ
カルボン酸のクロリドとを、同時に反応させることによ
り得ることができる。
【0039】本発明において、ポリアミドとの反応に使
用する反応性オリゴマーは、その構造中に、ポリアミド
構造中のカルボキシル基、アミノ基、又はヒドロキシル
基と反応し得る反応性置換基を有しており、反応性置換
基としては、カルボキシル基、アミノ基又はヒドロキシ
ル基を持つことが必須であり、そしてポリアミドの熱分
解温度より低い温度で熱分解し、分解物が気化するオリ
ゴマーでなければならない。
【0040】具体的に例示すると、ポリオキシメチレ
ン、ポリオキシエチレン、ポリオキシメチレン−オキシ
エチレン共重合体、ポリオキシメチレン−オキシプロピ
レン共重合体、ポリオキシエチレン−オキシプロピレン
共重合体、ポリテトラヒドロフラン等のポリオキシアル
キレンや、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン、
ポリα−メチルスチレン、ポリスチレン、ポリエステ
ル、ポリエーテルエステル、ポリカプロラクトン等が好
適に挙げられる。これらは単独で用いてもよく、また2
種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0041】この反応性オリゴマーとしては、側鎖もし
くは主鎖の片末端または両末端に、反応性置換基を導入
したものを用いることができる。工業的に入手が容易で
あるのは、主鎖の末端を修飾した反応性オリゴマーであ
る。より具体的には、4−アミノ安息香酸エステル化末
端スチレンオリゴマー、4-アミノ安息香酸エステル化
末端ポリ(プロピレングリコール)オリゴマー、両ヒド
ロキシ末端ポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポ
リ(プロピレングリコール)−ブロック−ポリ(エチレ
ングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)ビス
(2−アミノプロピルエーテル)などが挙げられる。
【0042】反応性オリゴマーとしては、数平均分子量
が100〜40,000の範囲のものが好ましい。より
好ましくは、数平均分子量が100〜20,000であ
り、更に好ましくは、100〜10,000の範囲のも
のである。分子量が100未満であると、分解・気化し
た後の空隙が小さく潰れやすいため、比誘電率の低減を
発現させることができにくい。また、分子量が40,0
00を越えると、空隙が大きくなりすぎて絶縁膜の機械
特性が極端に低下し、実用に供すことができなくなると
いった問題が発生する。
【0043】本発明において、共重合体中の前記反応性
オリゴマーユニットの導入量は、5〜70重量%が好ま
しい。より好ましくは5〜50重量%であり、さらに好
ましくは5〜40重量%である。この導入量が5重量%
未満であると絶縁膜中の空隙率が小さく、誘電率を低減
させることが不十分であり、また、70重量%を越える
と膜中の空隙率が大きくなり、膜の機械強度が極端に低
下したり、空隙が連続し不均一となり、誘電率が場所に
より異なる等の問題が発生することがある。従って、ポ
リアミドと反応性オリゴマーとを反応させる場合、それ
ぞれの使用量を、得られる共重合体中の反応性オリゴマ
ーユニットの導入量が上記範囲になるように、調整する
ことが好ましい。
【0044】本発明において、共重合体の製造方法の例
としては、従来の酸クロリド法、活性化エステル法、ポ
リリン酸やジシクロヘキシルカルボジイミド等の脱水縮
合剤の存在下での縮合反応などの方法を用いることがで
きる。例えば、酸クロリド法では、使用するジカルボン
酸クロリドは、まず、N,N−ジメチルホルムアミド等
の溶媒存在下で、ジカルボン酸と過剰量の塩化チオニル
とを、室温ないし130℃程度の温度で反応させ、過剰
の塩化チオニルを加熱及び減圧により留去した後、残査
をヘキサン等の溶媒で再結晶することにより得ることが
できる。
【0045】このようにして製造したジカルボン酸クロ
リドと、前記他のジカルボン酸を併用する場合は、同様
にして得られる酸クロリドとを、ビスアミノフェノール
化合物と共に、通常N−メチル−2−ピロリドン、N,
N−ジメチルアセトアミド等の極性溶媒に溶解し、トリ
エチルアミン等の酸受容剤存在下に、室温ないし−30
℃程度の温度で反応させて、ポリアミドを合成し、これ
に更に、予め反応性オリゴマーをγ−ブチロラクトンな
どに溶解したものを加えて反応させる。次いで、反応液
を、水とイソプロピルアルコールの混合溶液などに加
え、沈殿物を集め、乾燥することにより、ポリアミドと
反応性オリゴマーとを反応せしめた共重合体を得ること
ができる。また、極性溶媒中、酸クロライド、ビスアミ
ノフェノール化合物、反応性オリゴマーを同時に反応さ
せて、ランダムに共重合体を合成することも可能であ
る。
【0046】ジカルボン酸クロリドとビスアミノフェノ
ール化合物の仕込みモル比は、得られるポリアミドの分
子量に大きく影響し、またポリアミドの末端基構造を制
御するのに重要である。すなわち、反応性オリゴマーと
共重合反応させるには、ポリアミドの末端をオリゴマー
の反応性基と反応し得るようにしなければならない。つ
まり、ジカルボン酸クロリド/ビスアミノフェノール化
合物のモル比を、1未満とすると、得られるポリアミド
の末端はアミノ基とヒドロキシル基を有し、カルボキシ
ル基を有するオリゴマーとの共重合が可能となる。ま
た、酸クロリド/ビスアミノフェノールのモル比を、1
より大きくすると、得られるポリアミドの末端はカルボ
キシル基を有し、アミノ基またはヒドロキシル基を有す
る反応性オリゴマーとの共重合が可能となる。この場
合、オリゴマーの末端反応基は、求核性の強いアミノ基
の方が、より好ましい。
【0047】この際、オリゴマーの末端水酸基をアミノ
基に変換する例としては、水酸基末端反応性オリゴマー
と4−ニトロ安息香酸クロリドを、通常、テトラヒドロ
フランなどの溶媒中において、ピリジン等の酸受容剤存
在下で、室温ないし−30℃程度の温度で反応させるこ
とにより、4−ニトロ安息香酸エステル末端オリゴマー
を得ることができる。その後、この末端オリゴマーをテ
トラヒドロフランなどの溶媒に溶解し、パラジウム炭素
などの還元触媒存在下、水素ガス雰囲気下で反応させ、
その反応液から触媒を取り除いた後、溶媒を濃縮して除
去することにより4−アミノ安息香酸エステル末端のオ
リゴマーを得て、これをアミノ基末端反応性オリゴマー
として使用することができる。また、ポリアミドユニッ
トの主鎖構造中の水酸基に、カルボキシル基やイソシア
ネート基を持つ反応性オリゴマーと反応させてグラフト
共重合体を合成し用いることも可能であるが、水酸基と
反応する反応性オリゴマーであれば、特にこれらに限定
されるものではない。
【0048】本発明において使用する塩基としては、4
−ジメチルアミノピリジン、ピリジン、トリエチルアミ
ン等の、アミン系塩基を挙げることができる。添加量と
しては、ポリアミドと反応性オリゴマーの共重合体に対
して、1〜30重量%であることが好ましい。
【0049】本発明の絶縁膜用材料には、膜形成成分で
ある上記共重合体および塩基の他に、目的に応じて各種
添加剤を含有させることができる。各種添加剤として
は、界面活性剤、シラン系に代表されるカップリング
剤、酸素ラジカルやイオウラジカルを加熱により発生す
るラジカル開始剤、ジスルフィド類などの触媒等が挙げ
られる。本発明の絶縁膜用材料は、これらの各成分を混
合することにより得られるが、有機溶媒に溶解又は分散
させてワニス状として用いると良い。
【0050】また、本発明におけるポリアミドは、前記
式(A)におけるR1及びR2が、水素原子である場合
は、感光剤としてのナフトキノンジアジド化合物と一緒
に用いることで、ポジ型の感光性樹脂組成物として、ま
た、R1及びR2が、メタクリロイル基のような光架橋
性基を有する基である場合は、光開始剤を用いることで
ネガ型感光性樹脂組成物として用いることが可能であ
る。
【0051】本発明の絶縁膜用材料の使用方法として
は、適当な有機溶媒に溶解させるか又は均一に分散させ
て、コーティングワニスとして使用することが可能であ
る。具体的に例示すると、当該絶縁膜用材料を有機溶媒
に溶解又は均一に分散させ、適当な支持体、例えば、ガ
ラス、繊維、金属、シリコンウエーハ、セラミック基板
等に塗布する。その塗布方法は、浸漬、スクリーン印
刷、スプレー、回転塗布、ロールコーティングなどが挙
げられ、塗布後に加熱乾燥して溶剤を揮発せしめ、タッ
クフリーな塗膜とすることができる。その後、加熱処理
して、ポリベンゾオキサゾール樹脂架橋体に変換して用
いるのが好ましい。また、ジカルボン酸成分、ビスアミ
ノフェノール化合物成分、及び反応性オリゴマー成分を
選択することにより、溶剤に可溶なポリベンゾオキサゾ
ール樹脂として用いることもできる。
【0052】本発明の絶縁膜用材料を溶解又は分散させ
る有機溶媒としては、固形分を完全に溶解することの出
来る溶媒が好ましく、例えば、N−メチル−2−ピロリ
ドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトア
ミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジ
メチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコ
ールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメ
チルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳
酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテ
ート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエ
ーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル
−3−メトキシプロピオネート、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘ
キサノン、テトラヒドロフラン等を挙げることができ
る。これらは1種を用いてもよく、2種以上を混合して
用いてよい。
【0053】コーティングワニスを調製する場合の溶媒
使用量としては、絶縁膜用材料を完全に溶解し得る量で
あればよく、特に制限されず、その用途に応じて適宜調
整することができるが、一般的にはワニス中の溶媒含有
量は、70〜95重量%程度が好ましい。
【0054】本発明の絶縁膜用材料は、上記のようにし
て得られた塗膜を、通常80〜200℃の範囲の温度で
溶媒を蒸発させ、200〜500℃程度の温度で加熱処
理することにより、絶縁膜用材料中のポリアミドユニッ
トが、環化縮合反応及び架橋反応を生じてポリベンゾオ
キサゾール樹脂となり、また、絶縁膜用材料中の該オリ
ゴマーユニットは、この際熱分解して、分解物が気化・
揮散し、ポリベンゾオキサゾールを主構造とする樹脂の
層に微細孔を形成させることにより、多孔質絶縁膜であ
る本発明の絶縁膜を得ることができる。この際の熱履歴
も微細孔を形成させるには重要である。
【0055】本発明のポリベンゾオキサゾールを主構造
とする樹脂の層からなり、微細孔を有してなる絶縁膜に
おける、微細孔の大きさは、絶縁膜の用途や膜の厚みに
もよるが、一般的には、1μm以下、好ましくは500
nm以下、より好ましくは100nm以下であり、半導
体用層間絶縁膜等の用途においては、好ましくは20n
m以下、さらに好ましくは5nm以下であることが望ま
しい。半導体用層間絶縁膜においては、孔径が20nm
より大きいと、配線間に用いられた絶縁膜における空隙
が不均一になり、電気特性が一定とならないことがあ
る。また、膜の機械強度が低下し、接着性に悪影響が出
る等の問題が発生する恐れがある。ただし、フィルムの
用途により最適な膜厚、最適な微細孔の大きさがあるの
で、必ずしも5nmが必要というわけではない。
【0056】また、絶縁膜の空隙率としては、5〜70
%が好ましく、より好ましくは5〜50%、さらに好ま
しくは5〜40%である。空隙率が5%より小さいと十
分な誘電率の低下が発現されないことがあり、70%よ
りも大きいと膜の機械強度が低下し、接着性に悪影響が
出る等の問題が発生するおそれがある。
【0057】本発明の絶縁膜の厚みとしては、その使用
目的に応じて異なるが、通常0.1〜100μm、好ま
しくは0.1〜50μm、より好ましくは0.1〜20μ
mの範囲である。
【0058】本発明の絶縁膜用材料、コーティングワニ
ス及び絶縁膜は、半導体用層間絶縁膜や保護膜、多層回
路の層間絶縁膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、
ソルダーレジスト膜、液晶配向膜等の形成に用いること
ができる。本発明の絶縁膜を半導体装置の多層配線用層
間絶縁膜に用いる場合の例としては、まず、接着性を向
上させる場合、接着性コーティング剤を半導体基板上
に、塗布して、塗膜を形成する。塗布の方法としては、
スピンナーによる回転塗布、スプレーコーターによる噴
霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング等が挙げられ
る。その後、有機溶剤の沸点以上の温度でプリベークし
て有機溶剤を蒸発乾燥させることにより、接着性コーテ
ィング膜を形成する。次に、前記接着性コーティング膜
の上に、本発明の絶縁膜用材料の溶液を、前記同様の方
法により、積層するように塗布して、塗膜を形成する。
次いで、塗膜を前記の条件でプリベークして有機溶剤を
蒸発乾燥し、更に、加熱処理することにより、微細孔を
有する樹脂膜とし、層間絶縁膜を形成することができ
る。同様にして、樹脂膜を形成して表面保護膜とするこ
ともできる。
【0059】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれによって何ら限定されるものではな
い。なお、実施例及び比較例で作製したコーティング用
ワニス及びフィルムについて、特性評価のため、下記の
方法により比誘電率、耐熱性、ガラス転移温度、及び吸
水率を測定すると共に、フィルムの断面を観察した。評
価結果は、まとめて表1に示した。
【0060】(1)室温保存性 コーティングワニスを密閉容器に封入し、室温にて保管
し、その均一性を目視で確認・評価した。
【0061】(2)比誘電率 JIS−K6911に準拠し、周波数100kHzで、
ヒューレットパッカード社製HP−4284A Pre
cision LCRメーターを用いて測定を行った。
【0062】(3)耐熱性 セイコーインスツルメンツ(株)製TG/DTA620
0を用いて、窒素ガス200mL/分フロー下、昇温速度
10℃/分の条件により、重量減少5%の際の温度を測
定した。
【0063】(4)ガラス転移温度(Tg) セイコーインスツルメンツ(株)製DMS6100を用
いて、窒素ガス300mL/分フロー下、測定周波数1H
z、昇温速度3℃/分の条件で、引張りモードで測定
し、損失正接(tanδ)のピークトップ温度をガラス
転移温度とした。
【0064】(5)吸水率 5cm角、厚み10μmの試験フィルムを、23℃の純
水に24時間浸漬した後の、重量変化率を算出した。
【0065】(6)フィルム断面観察 フィルムの断面について、透過型電子顕微鏡(TEM)
を用いて、微細孔の有無とその孔径を観察した。
【0066】「実施例1」9,9−ビス((4−アミノ
−3−ヒドロキシ)フェニル)フルオレン23.1g
(0.06mol)と、9,9−ビス((3−アミノ−4−
ヒドロキシ)フェニル)フルオレン13.5g(0.03
5mol)を、乾燥したN−メチル−2−ピロリドン33
0mLに溶解し、この溶液に5−エチニルイソフタル酸ジ
クロリド22.7g(0.1mol)を、乾燥窒素下10℃
で添加した。添加後、10℃で1時間、続いて20℃で
1時間撹拌した。10℃にした後、トリエチルアミン2
2.3g(0.22mol)を添加し、次いでγ−ブチロラ
クトン100mLにアルドリッチ社製ポリ(プロピレング
リコール)ビス(2−アミノプロピルエーテル)40.
0g(0.01mol、数平均分子量4000)を溶解した
溶液を、乾燥窒素下10℃で添加した。添加後、10℃
で1時間、続いて20℃で20時間攪拌した。反応終了
後、反応液をろ過してトリエチルアミン塩酸塩を除去
し、ろ過した液をイオン交換水6.6Lとイソプロパノ
ール6.6Lの混合溶液に滴下し、沈殿物を集めて乾燥
することにより、共重合体81.2gを得た。得られた
共重合体の分子量を、東ソー株式会社製GPCを用いて
ポリスチレン換算で求めたところ、重量平均分子量2
4,800、分子量分布2.20であった。1H−NMR
により反応性オリゴマー成分の導入率は37重量%であ
った。
【0067】得られた共重合体5.00gとジメチルア
ミノピリジン0.05gを、N−メチル−2−ピロリド
ン20.00gに溶解し、孔径0.2μmのテフロン
(R)フィルターでろ過してワニスを得た。このワニス
において、室温で35日間析出物は見られなかった。こ
のワニスをスピンコーターを用いて、アルミニウムを蒸
着したシリコンウエーハ上に塗布した。この際熱処理後
の膜厚が約5μmとなるように、スピンコーターの回転
数と時間を設定した。塗布後、120℃のホットプレー
ト上で240秒間乾燥した後、窒素を流入して酸素濃度
を100ppm以下に制御したオーブンを用いて、300
℃で60分間加熱することで、末端をオリゴマーと反応
させたポリベンゾオキサゾール樹脂の皮膜を得た。
【0068】さらに、400℃で60分間加熱してオリ
ゴマーユニットを分解し、細孔を有するポリベンゾオキ
サゾール樹脂の皮膜を得た。皮膜上にアルミニウムを蒸
着してパターンニングを行い、所定の大きさの電極を形
成した。シリコンウエーハ側のアルミニウムと、この電
極による容量を測定し、測定後に皮膜の電極隣接部を、
酸素プラズマによりエッチングして、表面粗さ計により
膜厚を測定することにより、周波数1MHzにおける誘
電率を算出したところ2.0であった。また、この皮膜
について断面をTEMにより観察したところ、得られた
空隙は、10nm以下の微細孔で非連続であった。
【0069】「実施例2」実施例1において、ジメチル
アミノピリジンの替わりに、ピリジンを用いたこと以外
は、同様にして実験を行った。
【0070】「比較例1」実施例1において、ジメチル
アミノピリジンを添加しなかったこと以外は、同様にし
て実験を行った。
【0071】
【表1】
【0072】表1にまとめた実施例および比較例の評価
結果から、本発明の絶縁膜用材料から得られた絶縁膜
(被膜)は、優れた耐熱性と低吸水性を維持しながら、
低誘電率化を可能とすることがわかる。また、測定した
誘電率を用いて対数混合式から計算した、空隙率と反応
性オリゴマー導入率とはほぼ一致した。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、優れた熱特性、電気特
性、吸水性、保存性を有する絶縁膜材料を提供でき、こ
の絶縁膜材料又はこれを用いたコーティングワニスより
得られる絶縁膜は、熱特性、電気特性、吸水性のいずれ
にも優れ、特に、誘電率の極めて低く、半導体用の層間
絶縁膜や保護膜、多層回路の層間絶縁膜、フレキシブル
銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向
膜等の用途に、好適に使用することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01B 3/30 H01B 3/30 C H M Q H01L 21/312 H01L 21/312 B (72)発明者 和泉篤士 東京都品川区東品川2丁目5番8号 住友 ベークライト株式会社内 Fターム(参考) 4J002 BC031 BC091 BG061 CB001 CF031 CF101 CH021 CK021 CL011 CL031 EN026 EU046 FD206 GH01 GQ01 4J031 AA13 AA20 AA49 AA53 AA55 AB01 AB04 AC03 4J038 CC021 CC081 CG141 DF021 DG001 DH011 DH021 GA12 GA13 KA06 NA21 PB09 5F058 AC10 AF04 AG01 AH02 AH03 5G305 AA06 AA07 AA11 AB01 AB10 AB24 AB26 AB27 BA09 BA18 CA20 CA32 CA51 CB28 CD12 DA22

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で表されるポリアミドと、
    該ポリアミド構造中のカルボキシル基、アミノ基、又
    は、ヒドロキシル基と反応し得る置換基を有する、反応
    性オリゴマーとを反応させて得られた共重合体と、塩基
    とを、膜形成成分として含むことを特徴とする絶縁膜用
    材料。 【化1】 式中、X1は式(A)−1及び式(A)−2で表される
    基の中から選ばれる2価の基、X2はX1の構造異性体で
    ある2価の基、Yは式(B)−1,式(B)−2,式
    (C),及び式(D)で表される基の中から選ばれる少
    なくとも1種の2価の基を示し、2つのYは互いに同じ
    であっても異なっていても良い。また、m及びnは、そ
    れぞれm>0,n>0,2≦m+n≦1000,及び
    0.05≦m/(m+n)≦0.5の関係を満たす整数で
    あり、繰り返し単位の配列はブロック的、ランダム的の
    いずれであってもよい。 【化2】 【化3】 式中、Zは式(E)で表される基の中から選ばれる2価
    の基を示し、R1及びR2は、それぞれ独立して水素原子
    又は1価の有機基を示し、互いに同一であっても異なっ
    ていてもよい。 【化4】 【化5】 式中、Rは水素原子、アルキル基又は式(F)で表され
    る基の中から選ばれる1価の基を示す。 【化6】 【化7】 【化8】 【化9】 また、式(A)−1〜式(F)で表される基におけるベ
    ンゼン環上の水素原子は、炭素数1〜4のアルキル基、
    フッ素原子及びトリフルオロメチル基の中から選ばれる
    少なくとも1個の基で置換されていてもよい。
  2. 【請求項2】 塩基が、4−ジメチルアミノピリジン、
    及びピリジンの中から選ばれる少なくとも1種の化合物
    であることを特徴とする、請求項1記載の絶縁膜用材
    料。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の絶縁膜用材料と、該絶縁
    膜用材料を溶解若しくは分散させることが可能な有機溶
    媒とを含むことを特徴とする、絶縁膜用コーティングワ
    ニス。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の絶縁膜用材料、又は、請
    求項2記載の絶縁膜用コーティングワニスを、加熱処理
    して縮合反応及び架橋反応せしめて得られる、ポリベン
    ゾオキサゾールを主構造とし、かつ微細孔を有する樹脂
    の層からなることを特徴とする絶縁膜。
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