JP2003238519A - スルホン酸無水物の製造方法 - Google Patents

スルホン酸無水物の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スルホン酸からスルホン酸無水物を容易に経
済的に高収率で、さらには不純物少なく製造する方法を
提供する。 【解決手段】 スルホン酸からスルホン酸無水物を合成
する方法において、スルホン酸とカルボン酸無水物とを
混合し、副生するカルボン酸を系外に除きながら反応を
行うことを特徴とするスルホン酸無水物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスルホン酸無水物の
製造方法に関する。詳しくは、カルボン酸無水物の存在
下でスルホン酸からスルホン酸無水物を効率よく製造す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に行われているスルホン酸無水物
の製造方法としては、対応するスルホン酸をジシクロヘ
キシルカルボジイミド(以下、DCCと略す)や塩化チ
オニル、五酸化二燐等で脱水する方法が良く知られてい
る。しかしながら、これらの公知の方法では、高価なD
CCや塩化チオニル、五酸化二燐等を、基質であるスル
ホン酸に対していずれも相当量使用する必要があり、さ
らに収率の問題や、反応時や脱水剤再生時の操作が難し
いなどの問題もあって、必ずしも経済的で容易な方法と
は言えず、これらに代わる効率的な合成手法が期待され
てきた。
【0003】効率的なスルホン酸無水物合成法に関し、
上記の他にも様々な試薬を用いての検討が行なわれてき
た。例えば、パラトルエンスルホン酸とジフェニル水銀
およびトリブチルホスフィンをベンゼン中で混合・加熱
し、水銀やトリブチルホスフィンオキサイドとともにパ
ラトルエンスルホン酸無水物を得る方法(T. Muk
aiyama, I. Kuwajima, Z. S
uzuki, J.Org. Chem., 28,
2024 (1963)) やメトキシアセチレンとパ
ラトルエンスルホン酸とを塩化メチレン中において反応
させ、酢酸メチルとともにパラトルエンスルホン酸無水
物を得る方法(G, Eglinton, E. R.
H. Jones, B. L. Shaw, M.
C.Whiting, J. Chem. So
c., 1860 (1954))、またパラトルエン
スルホン酸をコハク酸ジクロライドと反応させ、パラト
ルエン無水物をコハク酸無水物、塩化水素とともに得る
方法(M. H. Karger, Y. Mazu
r, J. Org. Chem., 36, 528
(1971))等が提案されている。
【0004】しかしながら、これらのパラトルエンスル
ホン酸無水物合成法も、いずれも試薬が高価なことや収
率の不十分さ等の理由から工業的な製造方法としては必
ずしも満足し得るものではない。またベンゼンスルホン
酸無水物については、ベンゼンスルホン酸銀をアセチル
クロライド中で加熱還流して濾過後100℃−0.1m
mHgにて蒸留することにより合成する方法(W. F
lavell, N. C. Ross, J.Che
m. Soc., 5474 (1964))が、さら
にメタンスルホン酸無水物についてはメタンスルホン酸
とアセチルクロライドとを混合して加熱還流し、過剰の
アセチルクロライドを蒸留により取り除くことでメタン
スルホン酸無水物を得る方法(M. H. Karge
r, Y. Mazur, J.Org. Che
m., 36, 528 (1971))等が提案され
ているが、これらもすべて経済的な問題等を克服できて
はいない。
【0005】また、パラトルエンスルホン酸と無水酢酸
とから合成可能である混合酸無水物のアセチルパラトル
エンスルホネートが、微量のジメチルエーテル存在下で
比較的容易に(30℃ 12h)分解し、ほぼ完全にパ
ラトルエンスルホン酸無水物と無水酢酸に不均化したと
いう報告と、同様にメタンスルホン酸と無水酢酸からも
合成可能であるアセチルメタンスルホネートをアセチル
クロライドとメタンスルホン酸から合成する過程におい
て、還流時間を短縮してそのまま120℃−10-3mm
Hgで蒸留することによりメタンスルホン酸無水物を収
率約50%で得ることに成功したという報告(ともに
M. H. Karger, Y. Mazur,
J. Org. Chem., 36, 528 (1
971))はあるが、いずれも非常に長時間の反応時間
や高温・高真空での蒸留過程を要している等の問題点を
抱えている他、反応時における酢酸の影響ないしはその
除去の必要性について全く言及しておらず、反応の全行
程にわたる理解の不足と反応の最適化の未実施のため
に、上記微量のジメチルエーテル存在したにおけるアセ
チルパラトルエンスルホネートがほぼ完全に不均化した
という非定量的な記載以外においてはいずれも収率が低
い。
【0006】さらに、当該文献中における後者の反応に
ついてはアセチルメタンスルホネートのメタンスルホン
酸無水物と無水酢酸への不均化がメタンスルホン酸とい
う酸によって触媒された反応としてのみ捉え、混合酸無
水物とスルホン酸との1:1対応の反応については何も
述べられていないし、蒸留時に高温に晒すことによって
生ずる発色性不純物の軽減化についても何ら言及されて
いない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の問題
点を克服し、スルホン酸無水物類を容易に経済的に高収
率で、さらには不純物少なく製造する方法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らはスルホン酸
無水物の合成法について鋭意検討した結果、高価な脱水
剤や反応試剤を使用しなくても、スルホン酸と安価なカ
ルボン酸無水物とを混合して、副生ないし残留するカル
ボン酸およびカルボン酸無水物を系外に除きながら反応
を行うことで、従来よりも容易にかつ経済的にスルホン
酸無水物が得られることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明の要旨は、スルホン酸からスルホン酸無水
物を合成する方法において、スルホン酸とカルボン酸無
水物とを混合し、副生するカルボン酸を系外に除きなが
ら反応を行うことを特徴とするスルホン酸無水物の製造
方法に存する。
【0009】本発明の好適な態様としては、上記スルホ
ン酸無水物の製造方法において、該スルホン酸が芳香族
スルホン酸又は脂肪族スルホン酸から選ばれ、例えば置
換基を有し得るベンゼンスルホン酸またはアルキルスル
ホン酸であり、特にパラトルエンスルホン酸、ヨードベ
ンゼンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホ
ン酸もしくはトリフルオロメタンスルホン酸であるこ
と、カルボン酸無水物が脂肪族カルボン酸無水物または
芳香族カルボン酸無水物、特に無水酢酸や無水プロピオ
ン酸等に代表される比較的低沸点で安価なカルボン酸無
水物であること、さらに好ましくは無水酢酸であること
を挙げることができる。
【0010】又、その他本発明の好適な態様としては、
上記スルホン酸無水物の製造方法において、カルボン酸
無水物がスルホン酸に対して0.1〜50当量の範囲で
使用されることと、反応温度が0℃から250℃の間で
あることが挙げられる。さらに、反応物種、反応中間体
種、生成物種、ないしはこれらの混合物の少なくともい
ずれかの融点が操作温度以下であることが望まれる。即
ち通常はこれらいずれかの融点が250℃以下であるこ
とが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細について説明
する。 (スルホン酸)本発明の合成反応で使用される原料のス
ルホン酸には何ら制限されることなく公知のスルホン酸
が適用される。スルホン酸として具体的には、ベンゼン
スルホン酸、パラトルエンスルホン酸、m−キシレン−
4−スルホン酸、パラオクチルベンゼンスルホン酸、パ
ラドデシルベンゼンスルホン酸、2,4−ジメチルベン
ゼンスルホン酸、2,5−ジメチルベンゼンスルホン
酸、メシチレンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホ
ン酸類、ビフェニルスルホン酸、また1−ナフタレンス
ルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、ジイソプロピル
ナフタレンスルホン酸、ジイソブチルナフタレンスルホ
ン酸等のアルキルナフタレンスルホン酸類、またメタン
スルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、
ヘキサンスルホン酸、オクタンスルホン酸等のアルキル
スルホン酸類、さらにはメシチレンジスルホン酸やベン
ゼン−m−ジスルホン酸等の多価スルホン酸類等が挙げ
られる。またこれらのスルホン酸類はその炭素上にC
l、Br、Fなどのハロゲンやアシル基、アルコキシ基
等の置換基を含有していても良い。なかでもメタンスル
ホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン
酸、メシチレンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホ
ン酸等の炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10の
アルキルないしアリールスルホン酸が好ましく適用さ
れ、特にパラトルエンスルホン酸、ヨードベンゼンスル
ホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリ
フルオロメタンスルホン酸が好適である。
【0012】(カルボン酸無水物)本発明において用い
られるカルボン酸無水物は、特に限定されるものではな
く、具体的には無水酢酸、無水プロピオン酸、無水ブチ
ル酸、無水イソブチル酸、シクロヘキシル酢酸無水物等
の直鎖状の脂肪族カルボン酸無水物のほか、無水マレイ
ン酸、無水コハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水
物等の分子内脱水により環状となった脂肪族カルボン酸
無水物、その他無水フタル酸、無水安息香酸等の各種芳
香族カルボン酸無水物等が挙げられる。またこれらのカ
ルボン酸無水物類はすべて、その分子内の炭素上の水素
原子がハロゲン原子やアシル基、アルコキシ基等によっ
て置換されていても良い。これらのカルボン酸無水物を
本発明に適用する場合、カルボン酸無水物に由来するカ
ルボン酸やカルボン酸無水物自身を反応過程で系外に除
くことが出来るようスルホン酸や目的のスルホン酸無水
物との組み合わせを考慮して適宜選択することが肝要で
ある。なかでもカルボン酸無水物自身と、そのカルボン
酸無水物が加水分解して生成するカルボン酸との沸点が
300℃以下のものが好ましく適用され、特に無水酢酸
が好適である。
【0013】本発明におけるカルボン酸無水物の使用量
は、特に制限されるものではないが、一般的には、スル
ホン酸に対して約0.1〜50当量使用される。高収率
・高純度のスルホン酸無水物を合成する場合には、1〜
25当量、好ましくは1〜10当量の範囲で使用され
る。また、収率よりもむしろ、微量不純物の生成を懸念
し、低温の操作によって選択性良く反応を進行させたい
場合には、0.1〜3当量、好ましくは0.25〜1.
5当量、更に好ましくは0.25〜1当量の範囲で用い
られる。この範囲を超えて少な過ぎると十分なスルホン
酸無水物収量が得られず、他方、過多に過ぎると反応器
内のホールド量が多くなって経済的効果が減少する。さ
らに、低温の操作によって選択性良く反応を進行させた
い場合には、過多に過ぎると仕込みのスルホン酸のほと
んどが反応初期に容易にスルホン酸とカルボン酸との混
合酸無水物になり、スルホン酸無水物へと変換する際に
高温を要し、従って不純物の生成量が多くなってしま
う。
【0014】(溶媒または添加物)本発明のスルホン酸
無水物合成反応においては、経済的観点からも反応剤と
しての機能を持つ当該カルボン酸無水物以外には特に反
応溶媒や添加物なるものを使用しない方が好ましいが、
添加物ないしは溶媒として使用することができるもの
に、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタ
ン、n−ドデカン等の脂肪族炭化水素化合物、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、メシチレン、モノクロロベン
ゼン、メトキシベンゼン等の芳香族炭化水素化合物、ア
セトニトリル、プロパンニトリル、カプロニトリル、ア
ジポニトリル、ベンゾニトリル、トルニトリル等のニト
リル化合物、フタル酸ジメチル、フタル酸ジブチル、マ
ロン酸ジメチル、コハク酸ジメチル、酢酸エチル、酢酸
メチル等のエステル化合物、ジメチルエーテル、ジエチ
ルエーテル、ジグライム、テトラヒドロフラン等のエー
テル化合物、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエ
タン等のハロゲン化アルキル化合物、ジメチルホルムア
ミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のア
ミド化合物等を挙げることが出来る。なかでも、テトラ
ヒドロフラン等のエーテル類、アセトニトリル等の二ト
リル類、ハロゲン化アルキル類等が反応上好ましい。ま
た、これらは単独でも混合しても使用することが出来
る。
【0015】(反応条件)本発明の製造方法において、
スルホン酸からスルホン酸無水物が生成する反応は下記
式(1)の通りである。なお、この例では原料のスルホ
ン酸としてパラトルエンスルホン酸、カルボン酸無水物
として無水酢酸を用いており、目的のスルホン酸無水物
はパラトルエンスルホン酸無水物である。
【0016】
【化1】
【0017】まず、パラトルエンスルホン酸(A)と無
水酢酸(B)が反応して中間生成物として混合酸無水物
(C)が生成する。このとき、無水酢酸に由来する酢酸
(D)が副生物として生成する。混合酸無水物は、不均
化反応(後段−1)及び/又は更にパラトルエンスルホ
ン酸(A)と反応(後段−2)することにより、パラト
ルエンスルホン酸無水物(E)を生成する。そして、こ
の一連の反応のトータルとしては、2分子のパラトルエ
ンスルホン酸(A)と1分子の無水酢酸(B)から、1
分子のパラトルエンスルホン酸無水物(E)と2分子の
酢酸(D)が生成することとなる。
【0018】もし、仕込みの無水酢酸(B)がパラトル
エンスルホン酸(A)量に比べて比較的少なければ、中
間体生成後に系中に余分なパラトルエンスルホン酸
(A)が残ることとなる。従って中間体である混合酸無
水物(C)は、更にもう一分子のパラトルエンスルホン
酸(A)と反応することにより、パラトルエンスルホン
酸無水物(E)と酢酸(D)を生成する(後段−2)。
逆にもし仕込みの無水酢酸(B)が十分に多ければ仕込
みのパラトルエンスルホン酸(A)のほぼすべてが25
℃での混合後まもなく中間体(C)となってしまう。そ
の場合には中間体(C)を不均化させて目的生成物であ
るパラトルエンスルホン酸無水物(E)を得ることとな
る(後段−1)。仕込みの無水酢酸(B)の量が多い場
合には非常に高収率・高純度でパラトルエンスルホン酸
無水物(E)が得られるが、通常85℃〜120℃の高
温と減圧とが必要になるために高温故の不純物が生成
し、通常生成物は黒色を呈する。しかしながら、仕込み
の無水酢酸(B)量を抑えることにより、例えば60℃
といった低温であっても減圧にすることによって副生す
る酢酸(D)を系外に取り除きながら後段−2の反応を
進行させて収率は低いながらも発色性の不純物の生成を
抑制しながら目的生成物であるパラトルエンスルホン酸
無水物(E)を合成することができる。
【0019】また、パラトルエンスルホン酸(A)その
ものには、中間体であるアセチルパラトルエンスルホネ
ート(C)の不均化反応(後段−1)に対する触媒活性
があり、パラトルエンスルホン酸(A)の存在下では、
60℃という低温下であっても無水酢酸(B)を系外に
取り除きながら後段−1の反応をも十分に進行させるこ
とができる。斯くて、仕込みの無水酢酸量を抑えて比較
的低温で反応を遂行させることにより、後段−1および
−2の双方の反応の併発によって不純物が少なく色の薄
いパラトルエンスルホン酸無水物(E)を得ることがで
きる。
【0020】本発明において、高収率でスルホン酸無水
物を合成できる理由、また、低温での製造方法がスルホ
ン酸無水物中の不純物を軽減させる上で優れた効果を発
揮する理由はいずれも必ずしも明確ではないが、以下の
ように推定している。まず、前段の反応も後段の反応
(1および2)もいずれもそれぞれ平衡反応と考えられ
る。そこで、反応系中で副生する酢酸(D)(ないしは
無水酢酸(B))を減圧で系中から取り除き、またこの
場合には目的物であるパラトルエンスルホン酸無水物
(E)を晶析によって系中から取り除くことによって反
応をより一層進行させることが可能となる。
【0021】また、高温反応における発色性不純物につ
いては、中間体である混合酸無水物(C)が高温に晒さ
れるとパラトルエンスルホン酸(A)とケテンに分解す
るので、その際に出来る微量のケテン重合物由来の物質
等と思われる。そこで、反応の平衡特性を駆使して極力
低温にて反応することによって、不純物の生成を抑えて
色の薄いパラトルエンスルホン酸無水物(E)を得るこ
とが出来る。
【0022】本発明の製造方法において、副生物のカル
ボン酸を除く方法は特に限定されないが、具体的には、
1)減圧下に留去する方法、2)当該反応に対して不活
性ないしはなんら悪影響を及ぼさないガスを流通させ、
同伴留去する方法、3)晶析する方法等が挙げられる。
これらの除去方法は単独で用いても組み合わせて用いて
も良い。また、カルボン酸と共に、残留ないしは後段で
生成するカルボン酸無水物又は目的物であるスルホン酸
無水物を必要に応じて除去することも好ましい。反応後
の系中のカルボン酸濃度は一定値以下にすることが好ま
しく、具体的には反応生成物中における重量百分率とし
て10%、さらに好ましくは5%以下が好ましい。
【0023】カルボン酸やカルボン酸無水物を減圧下に
留去する場合の圧力としては、大気圧より低ければ良い
が、好ましくは0.01Pa〜99000Paであり、
更に好ましくは0.05Pa〜50000Paである。
減圧下に留去することによって、カルボン酸を除く場
合、反応物であるスルホン酸や中間体である混合酸無水
物、また出来れば目的のスルホン酸無水物よりも除くべ
きカルボン酸の沸点が低い必要があるので、これら単独
のまた混合物の沸点を勘案して基質のカルボン酸無水物
を選定する。
【0024】カルボン酸を当該反応に対して不活性ない
しはなんら悪影響を及ぼさないガスを流通させ、同伴留
去する場合に用いられる不活性なガスとしては、例え
ば、アルゴン、ヘリウム、ネオン、窒素、メタン、エタ
ン、プロパン、あるいはこれらの混合ガスを挙げること
ができる。ガスに同伴留去する場合、反応物であるスル
ホン酸や中間体である混合酸無水物、また出来れば目的
のスルホン酸無水物よりも除くべきカルボン酸の揮発性
が高い必要があるので、これら単独のまた混合物の揮発
性を勘案して基質のカルボン酸無水物を選定する。
【0025】カルボン酸を晶析して取り除く場合には、
反応の中途で晶析のために温度を下げたり、貧溶媒を加
える等の方法がある。晶析により系外に除く場合、反応
物であるスルホン酸や中間体である混合酸無水物、また
出来れば目的のスルホン酸無水物よりも除くべきカルボ
ン酸の融点が低い必要があるので、これら単独のまた混
合物の融点を勘案して基質のカルボン酸無水物を選定す
る。また、貧溶媒を用いる場合には、用いる溶媒に対し
て、反応物であるスルホン酸や中間体である混合酸無水
物、また出来れば目的のスルホン酸無水物よりも除くべ
きカルボン酸の溶解度が低くなるように基質のカルボン
酸無水物を選定する。
【0026】なお、本発明において、「副生するカルボ
ン酸を除きながら反応を行う」とは、反応中途のいずれ
かの時点でカルボン酸を除く操作を加えることを意味し
ており、反応中連続的にカルボン酸を除く操作を加える
のみならず、断続的にカルボン酸を除く操作を行っても
良い。
【0027】本発明の製造方法の好ましい一実施態様と
しては、反応途上で中間生成物として得られる混合酸無
水物を単離することなく目的のスルホン酸無水物を得る
ものである。カルボン酸やカルボン酸無水物を系外に除
くことにより、混合酸無水物は最終的には消費されるの
で、単離しないほうが、操作上簡便となり、また、本反
応の場合、単離しなくとも良い収率・高い選択性が達成
可能である。
【0028】本発明の製造方法の別の好ましい一実施態
様としては、実質的に無溶媒で反応を行うものである。
実質的に無溶媒とは、反応系中に、反応に何ら悪影響を
及ぼさず、且つ基質の濃度を実質的に下げない範囲で、
不活性なガスや固体を存在させることを妨げるものでは
なく、具体的には反応混合物中の基質と反応生成物以外
の溶媒物質が重量百分率で10%以下、好ましくは5%
以下であることを意味する。溶媒を用いないことにより
基質濃度を高くすることが出来、反応速度が速くなる
他、反応後の処理が簡便となる。また、本反応の場合、
溶媒を用いなくとも良い収率と選択性が達成可能であ
る。
【0029】本発明方法を実施する条件としては特に規
定されないが、反応温度は通常0℃から250℃、好ま
しくは10℃から130℃、更に好ましくは15℃から
120℃の範囲で実施される。反応圧力も特に制限され
るものでなく、減圧〜加圧条件下で実施される。好まし
くは減圧〜常圧下で実施される。さらに好ましくは、5
0000Pa以下の減圧下で実施される。また、上記反
応圧力に関わらず、不活性ガス等を流通しながら反応を
行うのも好ましい。さらに、反応時間については、昇温
過程・減圧過程も含めて通常5分〜30時間であり、好
ましくは10分〜15時間である。
【0030】本発明ではスルホン酸とカルボン酸無水物
のいずれを先に反応器に投入しても反応は進行する。ま
た、いずれかを先に所定の温度に加熱し、次いで他方を
添加するという順序であっても反応は進行する。さら
に、加熱・減圧・ガス流通を組み合わせて反応を行う場
合においては、それぞれどのような組み合わせ方を選択
しても反応は進行するし、どれを先に行っても、また二
者ないし三者を同時に開始しても反応を進行させること
が出来る。
【0031】本発明の反応を実施する反応形式は特に規
定されるものではなく、回分反応、連続流通反応のいず
れでも実施することができる。反応器の形式についても
特に制約はなく、1槽あるいは2槽以上の連続した攪拌
槽からなる反応器や、チューブラー型反応器等、一般的
な反応器を使用することができる。本発明では酸を用い
るため、反応器材質は耐腐食性材質のものを用いるのが
好ましく、例えばステンレス鋼、ハステロイ、モネル、
インコネル、チタン、チタン合金、ジルコニウム、ジル
コニウム合金、ニッケル、ニッケル合金、タンタル、又
はフッ素樹脂、各種ガラスを内側にコーテイングした材
料などが例示できる。反応で使用されるスルホン酸、カ
ルボン酸無水物、反応溶媒は予め充分な水分除去を施し
た後に反応に供するほうが好ましい。
【0032】本発明の反応形式につき、以下、回文反応
の例を挙げて述べる。スルホン酸とカルボン酸無水物を
必要に応じ溶媒とともに反応器に供給し、所定の温度、
所定の圧力にて所望の時間反応させ、生成したスルホン
酸無水物、カルボン酸および未反応スルホン酸とカルボ
ン酸無水物を含む反応混合物を取り出す。当該反応生成
物は反応条件を好適に選定することにより相当高純度な
スルホン酸無水物として回収することが出来、更なる精
製は必要としない。ただし、必要に応じて蒸留・晶析・
洗浄・抽出等を行って精製することも可能である。
【0033】
【実施例】本発明を実施例を挙げて具体的に説明する
が、本発明はその要旨を超えない限りこれらの実施例に
限定されるものではない。なお、以下の例において、ス
ルホン酸無水物の収率(%)は仕込みスルホン酸(参考
例1および2にあっては仕込み混合酸無水物)に対する
生成スルホン酸無水物のモル比の百分率の2倍で表し
た。
【0034】[実施例1](無水酢酸の量を抑え、60
℃という低温で実施した反応例) 乾燥機で乾燥した50mlの二つ口フラスコを乾燥窒素
で置換後、パラトルエンスルホン酸4.02g(23.
32mmol)と無水酢酸1.19g(11.66mm
ol)を仕込んで25℃で20分攪拌した。その後オイ
ルバスにて60℃まで加温して20分攪拌し、ついで6
0℃のまま500Pa以下に減圧してその状態で60分
攪拌した(圧力の平均は100Pa程度であった)。そ
の後、25℃に冷却しつつ乾燥窒素にて復圧した。得ら
れた反応生成物は黄色のペースト状であった。ついで、
これを窒素下にてCDCl3に溶解させ1H−NMRで
分析した。
【0035】その結果、得られた粗パラトルエンスルホ
ン酸無水物の収率は56.4%、生成物中におけるパラ
トルエンスルホン酸無水物の重量百分率(純度)は5
3.7%であった。含有されていた主な不純物は、パラ
トルエンスルホン酸、アセチルパラトルエンスルホネー
ト、酢酸であり、各々重量百分率では、38.3%、
4.2%、3.8%であった。また、得られた粗パラト
エルエンスルホン酸無水物は薄黄色を呈していた。
【0036】次に、該粗パラトルエンスルホン酸無水物
に乾燥窒素雰囲気下にて無水酢酸を3.6g(35.0
mmol)加えて25℃にて20分間攪拌し、その後乾
燥空気雰囲気下にて減圧濾過を行って、濾残に上から
6.0g(58.3mmol)の無水酢酸を振りかけて
リンス洗浄を行った。得られたケーキは25℃下、約1
50Paにて2時間半減圧乾燥した。最終的に得られた
精製パラトルエンスルホン酸無水物(白色)を窒素下に
てCDCl3に溶解させ1H−NMRで分析した。その
結果、パラトルエンスルホン酸無水物の収率は当初に仕
込んだパラトルエンスルホン酸から換算して47.8%
であり、パラトルエンスルホン酸無水物の重量百分率
(純度)は99.9%であった。また、このときスルホ
ン酸骨格含有不純物としては、アセチルパラトルエンス
ルホネートが0.1%含有されていて、その他の不純物
としては酢酸および無水酢酸がそれぞれ極微量含まれて
いた。
【0037】[実施例2]乾燥機で乾燥した50mlの
ナス型フラスコを乾燥窒素で置換後、パラトルエンスル
ホン酸3.76g(21.83mmol)と無水酢酸
2.67g(26.20mmol)を仕込んで25℃で
20分攪拌した。その後60℃まで加温して20分攪拌
し、ついで60℃のまま200Paまで減圧してその状
態で20分攪拌。さらに95℃まで昇温して1.5時間
攪拌を行った。25℃に冷却・復圧したのち、反応物に
窒素下にて1.79g(17.49mmol)の無水酢
酸を再添加し、25℃で20分攪拌した。その後60℃
まで加温して20分攪拌し、ついで60℃のまま250
Paまで減圧してその状態で20分攪拌。さらに95℃
まで昇温して1.5時間攪拌し、25℃に冷却して乾燥
窒素にて復圧した。得られた反応生成物を窒素下にてC
DCl3に溶解させ1H−NMRで分析した。その結
果、パラトルエンスルホン酸無水物の収率は96.8
%、生成物中におけるパラトルエンスルホン酸無水物の
重量百分率(純度)は96.7%であった。含有されて
いた主な不純物は、パラトルエンスルホン酸とアセチル
パラトルエンスルホネートであり、各々重量百分率は、
3.2%、0.1%であった。その他、酢酸が極微量含
まれていた。また、生成物は微量の発色性不純物によっ
て、黒褐色を呈していた。
【0038】[実施例3]乾燥機で乾燥した50mlの
ナス型フラスコを乾燥窒素で置換後、パラトルエンスル
ホン酸3.75g(21.77mmol)と無水酢酸
2.45g(24.01mmol)を仕込んで25℃で
25分攪拌した。その後70℃まで加温して1時間攪拌
し、ついで70℃のまま150Paまで減圧してその状
態で1時間攪拌。さらに95℃まで昇温して1.5時間
攪拌。25℃に冷却して乾燥窒素にて復圧。得られた反
応生成物を窒素下にてCDCl3に溶解させ1H−NM
Rで分析した。その結果、パラトルエンスルホン酸無水
物の収率は85.3%、生成物中におけるパラトルエン
スルホン酸無水物の重量百分率(純度)は83.5%で
あった。含有されていた主な不純物は、パラトルエンス
ルホン酸と酢酸であり、各々重量百分率では16.3
%、0.1%であった。また、生成物は微量の発色性不
純物によって、黒褐色を呈していた。
【0039】[実施例4]乾燥機で乾燥した50mlの
ナス型フラスコを乾燥窒素で置換後、パラトルエンスル
ホン酸3.83g(22.24mmol)と無水酢酸
6.70g(65.62mmol)を仕込んで25℃で
20分攪拌した。その後70℃まで加温して10分間攪
拌し、ついで70℃のまま約150Paまで減圧してそ
の状態で15分間攪拌、さらに95℃まで昇温して1.
3時間攪拌した。その後、25℃に冷却して乾燥窒素に
て復圧した。得られた反応生成物を窒素下にてCDCl
3に溶解させ1H−NMRで分析した。その結果、パラ
トルエンスルホン酸無水物の収率は78.4%、生成物
中におけるパラトルエンスルホン酸無水物の重量百分率
(純度)は75.4%であった。含有されていた主な不
純物は、パラトルエンスルホン酸とアセチルパラトルエ
ンスルホネート、酢酸であり、各々重量百分率は10.
7%、12.9%、1.0%であった。また、生成物は
微量の発色性不純物によって、赤黒色を呈していた。
【0040】[比較例1](カルボン酸無水物を使用す
ることなく減圧にして反応を行った例) 乾燥機で乾燥した50mlのナス型フラスコを乾燥窒素
で置換後、パラトルエンスルホン酸3.75g(21.
78mmol)を仕込んで70℃まで加温して15分攪
拌し、ついで70℃のままで150Paまで減圧してそ
の状態で15分攪拌、さらに95℃まで昇温して2.5
時間攪拌した。次いで、25℃に冷却して乾燥窒素にて
復圧した。得られた反応生成物を窒素下にてCDCl3
に溶解させ1H−NMRで分析した。その結果、パラト
ルエンスルホン酸無水物の収率は0%であり、パラトル
エンスルホン酸がそのまま残留していた。
【0041】[比較例2](常圧にて、無水酢酸の使用
量を抑えた60℃反応を行い、副生する酢酸を系外に取
り除くことなく反応を実施した例) 乾燥機で乾燥した50mlの二つ口フラスコを乾燥窒素
で置換後、パラトルエンスルホン酸3.94g(22.
87mmol)と無水酢酸1.20g(11.73mm
ol)を仕込んで25℃で20分攪拌した。その後オイ
ルバスにて60℃まで加温して2時間攪拌した。その
後、25℃に冷却した。得られた反応生成物は橙色の溶
液状であり、25℃に冷却後しばらくしても溶液状態を
保っていた。ついで、これを窒素下にてCDCl3に溶
解させ1H−NMRで分析した。その結果、得られた粗
パラトルエンスルホン酸無水物の収率は6.5%、生成
物中におけるパラトルエンスルホン酸無水物の重量百分
率(純度)は4.7%であった。含有されていた主な不
純物は、パラトルエンスルホン酸、アセチルパラトルエ
ンスルホネート、酢酸、無水酢酸であり、各々重量百分
率では、40.7%、38.4%、15.0%、1.2
%であった。
【0042】[比較例3] (パラトルエンスルホン酸
に対して過剰量の無水酢酸を使用し、副生する酢酸を系
外に取り除くことなく常圧反応を実施した例) 乾燥機で乾燥した50mlのナス型フラスコを乾燥窒素
で置換後、パラトルエンスルホン酸0.50g(2.9
1mmol)と無水酢酸0.90g(8.77mmo
l)を仕込んで25℃で20分攪拌した。その後60℃
まで加温して20分攪拌し、ついで95℃まで昇温して
4.5時間攪拌した。その後、25℃に冷却した。得ら
れた反応生成物を窒素下にてCDCl3に溶解させ1H
−NMRで分析した。その結果、パラトルエンスルホン
酸無水物の収率は1.8%であった。また、アセチルパ
ラトルエンスルホネートが仕込んだパラトルエンスルホ
ン酸に対して88.4%の収率で得られた。各成分の重
量百分率は以下の通りである。パラトルエンスルホン酸
無水物:0.8%、パラトルエンスルホン酸:5.4
%、アセチルパラトルエンスルホネート:42.3%、
無水酢酸:36.9%、酢酸:14.6%
【0043】[比較例4](パラトルエンスルホン酸に
対して過剰量の無水酢酸を使用し、60℃で減圧反応を
実施した例) 乾燥機で乾燥した50mlの二つ口フラスコを乾燥窒素
で置換後、パラトルエンスルホン酸7.04g(40.
86mmol)と無水酢酸16.76g(164.16
mmol)を仕込んで25℃で15分攪拌した。その後
オイルバスにて60℃まで加温し、ついですぐに60℃
のまま約150Pa程度にまで減圧してその状態で65
分攪拌した。その後、25℃に冷却しつつ乾燥窒素にて
復圧した。得られた反応生成物は25℃に冷却すると茶
色の結晶(結晶そのものは無色透明で、微量不純物によ
って色がついていると思われる)となった。ついで、こ
れを窒素下にてCDCl3に溶解させ1H−NMRで分
析した。その結果、得られた粗生成物中にパラトルエン
スルホン酸無水物はほとんど含まれておらず、生成物中
におけるパラトルエンスルホン酸無水物の重量百分率
(純度)は1.9%であった。ほとんどがアセチルパラ
トルエンスルホネートであり、この重量百分率は97.
1%であった。また、これらの他に含有されていた主な
不純物は、パラトルエンスルホン酸と無水酢酸であり、
各々重量百分率では0.8%と0.1%であった。
【0044】[参考例](別途合成した混合酸無水物で
あるアセチルパラトルエンスルホネートを特に副生する
無水酢酸等を系外に取り出すことなく単に加温した例)
【0045】[参考例1]乾燥機で乾燥した50mlの
ナス型フラスコを乾燥窒素で置換後、アセチルパラトル
エンスルホネート5.55g(25.89mmol)を
仕込んでオイルバスにて150℃まで加温して1時間半
攪拌した。その後、25℃に冷却。得られた物質は粘性
の高い黒色の液体であった。得られたこの反応生成物を
窒素下にてCDCl3に溶解させ1H−NMRで分析し
た。その結果、パラトルエンスルホン酸無水物の収率は
0%であり、パラトルエンスルホン酸骨格を有する物質
としてはもっぱらパラトルエンスルホン酸が存してい
た。また、パラトルエンスルホン酸以外の含有物質とし
ては、酢酸のみが確認された。この酢酸のモル数は得ら
れたパラトルエンスルホン酸のモル数に比して17%と
非常に少なく、そのほとんどがガス状のケテンとしてフ
ラスコ外に出たものと思われる。
【0046】[参考例2]乾燥機で乾燥した20mlの
シュレンクを乾燥窒素で置換後、アセチルパラトルエン
スルホネート0.40g(1.86mmol)を仕込ん
でオイルバスにて90℃まで加温して1時間攪拌した。
その後、25℃に冷却。赤黒色の液体が得られた。この
反応生成物を窒素下にてCDCl3に溶解させ1H−N
MRで分析した。その結果、パラトルエンスルホン酸無
水物の収率は19.2%であり、生成物中におけるパラ
トルエンスルホン酸無水物の重量百分率は、14.2%
であった。
【0047】
【発明の効果】本発明方法によれば、スルホン酸からス
ルホン酸無水物を容易に経済的に高収率で、さらには不
純物少なく製造することが出来るため、工業的に有利な
方法である。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スルホン酸から該スルホン酸無水物を合
    成する方法において、スルホン酸とカルボン酸無水物と
    を混合し、副生するカルボン酸を系外に除きながら反応
    を行うことを特徴とするスルホン酸無水物の製造方法。
  2. 【請求項2】 反応途上で該スルホン酸と該カルボン酸
    とから反応系中で生成する混合酸無水物を単離すること
    なくスルホン酸無水物を合成することを特徴とする請求
    項1に記載のスルホン酸無水物の製造方法。
  3. 【請求項3】 カルボン酸無水物と反応系中で副生する
    カルボン酸が、原料スルホン酸又は該スルホン酸無水物
    よりも低沸点であることを特徴とする請求項1又は2に
    記載のスルホン酸無水物の製造方法。
  4. 【請求項4】 副生又は残留するカルボン酸およびカル
    ボン酸無水物を減圧下に留去しながら反応を行うことを
    特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のスルホ
    ン酸無水物の製造方法。
  5. 【請求項5】 反応系に当該反応に対して不活性なガス
    を流通させることにより、副生又は残留するカルボン酸
    およびカルボン酸無水物を同伴留去しながら反応を行う
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の
    スルホン酸無水物の製造方法。
  6. 【請求項6】 反応途上で、副生するカルボン酸を晶析
    で系中から除去しながら反応を進行させることを特徴と
    する請求項1又は2に記載のスルホン酸無水物の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 カルボン酸無水物をスルホン酸に対して
    0.1〜50当量使用することを特徴とする請求項1〜
    6のいずれか一項に記載のスルホン酸無水物の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 反応温度が0℃から250℃の間である
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の
    スルホン酸無水物の製造方法。
  9. 【請求項9】 該スルホン酸と、該カルボン酸無水物と
    を無溶媒で反応を行うことを特徴とする請求項1〜8の
    いずれか一項に記載のスルホン酸無水物の製造方法。
  10. 【請求項10】 該カルボン酸無水物が、無水酢酸であ
    ることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載
    のスルホン酸無水物の製造方法。
  11. 【請求項11】 該スルホン酸が炭素数1〜10のアル
    キルないしアリールスルホン酸であることを特徴とする
    請求項1〜10のいずれか一項に記載のスルホン酸無水
    物の製造方法。
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